JP3920333B2 - セシウム化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、セシウム化合物の生成法に関する。本発明は、セシウム含有物質から、好ましくはセシウム塩のような望みのセシウム化合物の形で、セシウムを製造し又は回収する方法にも関する。
発明の背景
ポルックス石や他のセシウム含有物質のようなセシウム含有物質からセシウム化合物の形でセシウムを回収する方法は、技術文献に報告されている。
報告されている1つの方法は、粉砕されたポルックス石鉱石を強硫酸で浸出し、セシウムミョウバンを含む抽出物を得、このミョウバンを晶出により回収することを含む。
セシウムミョウバンはセシウムアルミニウム硫酸水和物である。その式は、実験式で、CsAl(SO42・12H2O又はCs2(SO4)Al2(SO43・24H2Oで示される。ポルックス石の硫酸抽出物に含まれ、又は晶出されるセシウムミョウバンは、一般には他の金属イオン、例えばルビジュウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及び鉄で汚染されている。
次いで、セシウムミョウバンは熱水中に再溶解されアルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化バリウム又は水酸化カルシウムと反応させられて硫酸バリウム又は硫酸カルシウムと共に水酸化アルミニウムの沈殿を形成する。これに代えて、セシウムミョウバンはアンモニアと反応させて水酸化アルミニウムとしてアルミニウムを沈殿させる。硫酸セシウムは上澄み溶液中に残る。セシウムはこの上澄みから回収して他のセシウム化合物に転化できる。
Bertholdの米国特許No.3207571はアルミノシリケート鉱石からセシウム化合物を製造する方法を開示している。Hoffmann等のドイツ特許DE4313480はセシウムミョウバンからのセシウム塩の製造においてバリウム化合物の使用を避ける方法を開示している。この方法は硫酸カルシウム及びマグネシウムを含む生成物を生じる。
ギ酸セシウムのようなセシウム化合物の1つの報告された用途は油井及び天然ガス井戸用の高比重の掘穿流体(drilling fluid)である。さく井削り屑は穿孔プロセスを遅れさせ又は停止し、場合によっては、さく井の多孔質岩層を詰める。さく井状態についてのフィードバックデータは、詰まった岩層の領域に限られ、それによって穿孔操作の有効性を減らす。比重が約1.8以上の高密度流体は、削り屑を表面に運ぶのに使用されてきた。1マイルより深い井戸では、この流体の性能を改善するために臭化亜鉛及び他の塩との混合物が使用されてきた。しかしながら、これらはその性質のために幾分望ましくないものである。臭化亜鉛の代替物としての上記の1つの物質はギ酸セシウムである。ギ酸セシウムと他のアルカリ金属の混合物も述べられている。ヨーロッパ特許No.572113を参照のこと。
生じうる問題は、ギ酸セシウム中に見られる不純物の、種々の溶液、増粘剤(viscosifier)、及び掘穿流体に使用される添加剤との不相溶性である。例えば、セシウム化合物中のカルシウムのような2価の不純物の存在は、増粘剤中に存在するポリマーを劣化させることがある。2価の不純物が存在すると、増粘剤がさく井の削り屑を懸濁させ穿孔潤滑剤として作用する深井戸穿孔に一般に見られる高温、高圧の用途には、特に有害である。
しかしながら、上記の方法で製造されたセシウム化合物は、2価及び多価の陽イオン不純物と穿孔環境中に存在する炭酸塩との間で形成される副反応沈殿物、又は硫酸イオン不純物によって引き起こされる穿孔装置材料の腐食効果の問題を回避しない。それ故、商業的プロセスによって製造されるセシウム化合物を精製するプロセスを手に入れることは有益であろう。
更に、2価及び多価陽イオン不純物及び硫酸イオンの量が実質的に減少したセシウム化合物、及びその調製の改善された方法のハッキリした需要が存在してきた。
発明の要約
上記の及び他の利点は本発明のプロセスによって達成される。
本発明はこれまでに知られたセシウム製造方法で製造されたセシウム化合物を精製する方法を提供し、本発明の方法をここに記載する。本発明の精製方法は、再生セシウム化合物、例えばギ酸セシウムを含む穿孔/井戸に使用される流体を精製するのにも有用であろう。
本発明の精製方法は、乾燥重量基準で、0.50%未満の硫酸基、0.30%未満のバリウム、カルシウム、又はマグネシウムを含む化合物、及び0.20%未満の他の多価陽イオン不純物を含む、ギ酸セシウム、硝酸セシウム、塩化セシウム、ヨウ化セシウム、臭化セシウム及び酢酸セシウムを含むがこれらに限られないセシウム化合物を製造するのに使用できる。好ましくは、前記セシウム化合物は、更に、乾燥重量基準で、0.50%未満の塩化物基及び0.30%未満のアルミニウムを含む。本発明の精製方法は、乾燥重量基準で、
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満の硫酸根;
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満のカルシウム;
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満のバリウム;及び
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満のマグネシウム、
を含むギ酸セシウム、硝酸セシウム、塩化セシウム、ヨウ化セシウム、臭化セシウム及び酢酸セシウムを含むがこれらに限られない化合物を製造するのにも使用できる。
好ましい具体例において、低不純物レベルの精製ギ酸セシウムは、この物質を掘穿流体に使用するのに特に有利にする。
更に、本発明の精製方法は、0.30%未満のバリウム、カルシウム、又はマグネシウムを含む化合物、及び0.20%未満の他の多価陽イオン不純物を含む硫酸セシウム化合物を製造するのに使用できる。好ましくは、前記硫酸セシウムは、更に、乾燥重量基準で、0.50%未満の塩化物基及び0.30%未満のアルミニウムを含む。本発明の精製方法は、乾燥重量基準で、
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満のカルシウム;
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満のバリウム;及び
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満のマグネシウム、
を含む精製硫酸セシウム化合物を製造するのにも使用できる。
本発明は、また、次のことを含む所定のセシウム化合物の製造方法も提供する:セシウム含有物質をこの物質中に含まれるセシウムの少なくとも一部を溶解するのに適当な薬剤で処理し、スラリーを形成すること;消石灰又は炭酸カルシウムを含む塩基、及び所定のセシウム化合物を製造するのに必要であれば、所定のセシウム化合物の陰イオンを含むある量の酸を前記スラリーに加えること;及び所定のセシウム化合物を分離すること(この場合、出発セシウム含有物質の残留物(出発セシウム含有物質残渣)の存在下に、前記分離が起こる)。前記所定のセシウム化合物は、本発明のセシウム化合物の精製方法により更に精製できる。
ここで使用している「所定のセシウム化合物」は、フリーイオン及び陰イオンの結合により製造される化合物の意味である。本発明の方法で製造され得るセシウム化合物の例としては、ギ酸セシウム、硫酸セシウム、塩化セシウム、ヨウ化セシウム及び硝酸セシウムがある。以下に、より詳細に説明するように、本発明方法の具体例において、硫酸セシウムは、追加の陰イオンを加える必要無しにセシウムミョウバンから直接に製造できる。ギ酸セシウム、塩化セシウム、ヨウ化セシウム、硝酸セシウム及び他の所定のセシウム化合物(硫酸セシウム以外のもの)を製造するために利用される本発明の方法の具体例において、所定のセシウム化合物の陰イオンを含むある量の酸が利用される。
本発明の更に他の態様によれば、セシウム化合物を含み、比重が約1.2g/cm3〜約2.5g/cm3であり、乾燥塩基準で10wt%〜100wt%のセシウム化合物を有し、溶液基準でセシウム化合物を85wt%未満有する流体が提供される。好ましくは、このセシウム化合物は、乾燥基準で、0.50%未満の塩素基又は硫酸基、0.30%未満のアルミニウム、バリウム、カルシウム、又はマグネシウムを含む化合物、及び0.20%未満の他の多価陽イオン不純物を含む。本発明の他の具体例においては、前記セシウム化合物は、乾燥重量基準で、
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満の硫酸根;
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満のカルシウム;
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満のバリウム;及び
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満のマグネシウム、
を含み得る。
本発明の精製方法は、これまでに知られたセシウム製造方法、及び本発明のセシウム製造方法によって製造されるセシウム化合物を精製するのに有利に利用できる。
本発明のセシウム製造方法は、経済的で効率的にセシウム化合物を製造するのに有利に利用できる。
本発明に関する更なる詳細は、以下の発明の詳細な説明に記載する。
【図面の簡単な説明】
図面において、
図1は、本発明のセシウム化合物精製方法の1つの具体例の概略ブロックダイヤグラムである。
図2は、本発明のセシウム化合物精製方法の他の具体例の概略ブロックダイヤグラムである。
図3は、本発明のセシウム製造方法の1つの具体例の概略的ブロック表示である。
図4A〜4Cは、本発明のセシウム製造方法の種々の態様の代替的具体例の概略ブロック表示を示す。
図5は、本発明のセシウム製造方法の他の具体例の概略的ブロック表示である。
発明の詳細な説明
本発明者等はセシウム化合物の改善された精製法を見いだした。本発明の精製方法は、セシウム含有物質(例えば鉱石)並びに強酸性の及び強塩基性の溶液を取り扱うための従来の工業規模の混合容器及び装置を利用して商業規模で実施できる。本発明方法を実施するために利用される特定の装置の選択は当業者の技能の範囲内にあると考えられるので、以下には記載しない。
本発明によれば、カルシウム、硫酸根、マグネシウム又はこれらの混合物を含むイオン性不純物を含む出発セシウム化合物からセシウム化合物を精製する方法の具体例によれば、可溶化された出発セシウム化合物を含む溶液中に存在するカルシウム、硫酸根、マグネシウム又はこれらの混合物を含む不純物を適当な沈殿剤と反応させ、1つ又は複数の不純物を含む不溶性沈殿を形成する。好ましい沈殿剤は、硫酸根イオン性不純物(SO4 2-)を硫酸バリウムとして沈殿するためのバリウムイオン;マグネシウムイオン性不純物を水酸化マグネシウムとして沈殿させ、カルシウムイオン性不純物を炭酸カルシウムとして沈殿させるためのヒドロキシルイオン;及びカルシウムイオン性不純物を炭酸カルシウムとして沈殿させるための二酸化炭素又は炭酸イオンを含む。これら不溶性沈殿は、従来の技術、例えばろ過及び/又は他の適当な物理的分離技術、例えば遠心分離によって精製されたセシウム化合物から分離できる。図1に概略的に描かれた本発明方法の具体例においては、可溶化された出発セシウム化合物を含む溶液中の不純物は最初にバリウムイオン及びヒドロキシルイオン沈殿剤と反応させられ、得られた溶液は二酸化炭素又は炭酸イオンと反応させられて全ての残りのカルシウムイオン性不純物を沈殿させる。
バリウムイオンの源及びヒドロキシルイオンの源は同じでも異なってもよい。適当なバリウムイオンの源の例としては、水酸化バリウム、及び精製されるセシウム化合物と共通のイオンを有するバリウム塩、例えばギ酸セシウムを精製する方法におけるギ酸バリウムがある。好ましいバリウムイオンの源は水酸化バリウムである。バリウムイオン源は、少なくとも一部の不純物を沈殿させるに充分な量が用いられ、そのような条件で反応させられる。好ましくは、バリウムイオン源は、全ての又は実質的に全ての不純物を沈殿させるに充分な量が用いられ、そのような条件で反応させられる。本発明の精製方法のより一層好ましい態様においては、バリウムイオンは、その溶液中に存在することが測定された硫酸イオンの化学量論的量にほぼ等しい量が加えられる。バリウムイオン源として、水酸化バリウムが利用されるときは、硫酸根、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンが出発セシウム化合物中に存在するかどうかによって、不溶性沈殿は硫酸バリウム、水酸化カルシウム及び/又は水酸化マグネシウムを含むであろう。本発明者等は、当該溶液中に含まれる出発セシウム化合物1kgあたり0.12kg未満の水酸化バリウムを加えて、不溶性沈殿を形成できることを知っている。
ヒドロキシルイオンの適当な源の例としては、水酸化バリウム、水酸化アルカリ及び水酸化カルシウムがあり、水酸化バリウムが好ましい。ヒドロキシルイオン源は、少なくとも一部の不純物を沈殿させるに充分な量が用いられ、そのような条件で反応させられる。好ましくは、ヒドロキシルイオン源は、全ての又は実質的に全ての不純物を沈殿させるに充分な量が用いられ、そのような条件で反応させられる。本発明の精製方法のましい態様においては、ヒドロキシルイオンは得られる溶液のpHが11.5又はそれ以上に上がるに充分な量が加えられる。本発明のプロセスに従って、得られる溶液のpHが11.5又はそれ以上であるときは、溶液中のマグネシウムイオンが沈殿し、得られる溶液のpHが13より大きく上げられるときは、この溶液中のカルシウムイオンが沈殿するであろう。
上に示したように、本発明の精製法は更に、炭酸イオン又は二酸化炭素を、可溶化された出発セシウム化合物を含む溶液と反応させ、この溶液中に残っているカルシウムイオンの少なくとも一部を含む不溶性沈殿を形成することを含む。適当な炭酸イオン源の例としては、炭酸アルカリ、例えば炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムがあるがこれらに限られない。炭酸イオン源は、この溶液中に残っているカルシウムイオンの少なくとも一部を沈殿するに充分な量を用いられ、そのような条件下で反応させられる。好ましくは、炭酸イオン源は、この溶液中に残っているカルシウムイオンの全て又は実質的に全てを沈殿するに充分な量で用いられ、そのような条件下で反応させられる。
一般に、セシウム化合物の精製の程度は、精製されたセシウム化合物の末端用途に依存して実施される。
本発明のセシウム化合物を精製する方法の上記の工程は、ギ酸セシウム、塩化セシウム、ヨウ化セシウム、硝酸セシウム、臭化セシウム又は酢酸セシウムのようなセシウム化合物を精製するのに特によく適している。これらのセシウム化合物、及び硫酸セシウムのような他のものは、ポルックス石のような天然に生ずる鉱物又は鉱石、硫酸セシウムアルミニウムを含む溶液、及び他の物質、例えばフッ化セシウム又は硫酸セシウムを含む廃触媒又は残渣から製造することができる。
可溶化されたギ酸セシウム、塩化セシウム、ヨウ化セシウム、硝酸セシウム、臭化セシウム又は酢酸セシウムを含む溶液は、
セシウム含有物質を、この物質中に含まれるセシウムの少なくとも一部を溶解するに適した薬剤で処理し、セシウムミョウバン、硫酸セシウム又はフッ化セシウムを含むスラリーを形成すること;
消石灰又は炭酸カルシウムを含む塩基及びギ酸セシウム、塩化セシウム、ヨウ化セシウム、硝酸セシウム、臭化セシウム又は酢酸セシウムの陰イオンを含む酸を前記スラリーに加えて可溶化されたギ酸セシウム、塩化セシウム、ヨウ化セシウム、硝酸セシウム、臭化セシウム又は酢酸セシウムを形成すること;及び
出発セシウム含有物質の残りのものの存在下に前記可溶化されたセシウム化合物を分離すること、
を含む本発明方法により製造することができる。
本発明方法の精製プロセスの代替の態様が、硫酸セシウム化合物を精製するために好ましい。この代替の態様は図2に示されている。
本発明によれば、カルシウム、マグネシウム又はこれらの混合物を含むイオン性不純物を含む出発硫酸セシウム化合物から硫酸セシウムを精製する方法は、可溶化された出発硫酸セシウム化合物を含む溶液中に存在するカルシウム、マグネシウム又はこれらの混合物を含む不純物を、適当な沈殿剤と反応させて、1つ又は複数の不純物を含む不溶性沈殿物を形成するごとを含む。好ましい沈殿剤の例としては、マグネシウムイオン性不純物を水酸化マグネシウムとして沈殿し、カルシウムイオン性不純物を水酸化カルシウムとして沈殿するヒドロキシルイオン;及びカルシウムイオン性不純物を炭酸カルシウムとして沈殿するための二酸化炭素又は炭酸イオンがある。この不溶性沈殿は、ろ過及び/又は他の適当な物理的分離法、例えば遠心分離のような常法により、精製されたセシウム化合物から分離され得る。図2に概略的に示された本発明方法の態様においては、可溶化された出発セシウム化合物を含む溶液中の不純物は、最初にヒドロキシルイオン沈殿剤と反応させられ、得られた溶液は二酸化炭素又は炭酸イオンと反応させられて、残りの全てのカルシウムイオン不純物を沈殿する。
適当なヒドロキシルイオン(塩基)の源は、元素の周期律表の1A及び2A族から選ばれた金属又はこれらの混合物の水酸化物を含む。例えば、ヒドロキシルイオン(塩基)は、石灰、消石灰、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム又はこれらの混合物であってよく、消石灰が好ましい。前記ヒドロキシルイオン源は、不純物の少なくとも一部を沈殿する程度に溶液のpHを調節するに充分な量で用いられ、そのような条件下で反応させられる。本発明方法によれば、得られた溶液のpHが11.5又はそれ以上に上げられると、この溶液中のマグネシウムイオンが沈殿するであろう。
上に示したように、本発明の精製方法のこの態様は、炭酸イオン又は二酸化炭素を可溶化された出発硫酸セシウムと反応させてこの溶液中に残っている何らかのカルシウムイオンの少なくとも一部を含む不溶性沈殿を形成させることを、更に含んでもよい。適当な炭酸イオン源としては、炭酸アルカリ、例えば炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムがあるが、これらに限られない。この炭酸イオン源は、この溶液中に残っているカルシウムイオンの少なくとも一部を沈殿するに充分な量で用いられ、そのような条件下で反応させられる。好ましくは、この炭酸イオン源は、この溶液中に残っているカルシウムイオンの全て又は実質的に全てを沈殿するに充分な量で用いられ、そのような条件下で反応させられる。
可溶化された硫酸セシウムを含む溶液は、次のことを含む本発明方法によって製造することができる:
セシウム含有物質を、この物質中に含まれるセシウムの少なくとも一部を溶解するに適した薬剤で処理し、セシウムミョウバンを含むスラリーを形成すること;
この溶解されたセシウムを含むスラリーに消石灰又は炭酸カルシウムを含む塩基を加えて、可溶化された硫酸セシウム化合物を形成すること;及び
出発セシウム含有物質の残りのものの存在下に、この可溶化された硫酸セシウム化合物を分離すること。
本発明の精製方法は、本発明方法により又は他のセシウム化合物製造方法により製造されたセシウム化合物を精製するのに使用できる。多数のセシウム製造方法において、可溶化されたセシウム化合物を含む溶液は、セシウム化合物の分離と回収の前の製造段階に存在するであろう。本発明の精製方法はセシウム製造プロセスの一部としてこの段階で実施されるであろう。必要ならば、本発明の精製プロセスの他の適用において、可溶化されたセシウム化合物を含む溶液は、公知の方法を利用してセシウム化合物を可溶化することにより形成してもよい。
本発明の精製方法は、乾燥重量基準で、0.50%未満の硫酸基、0.30%未満のバリウム、カルシウム、又はマグネシウムを含む化合物、及び0.20%未満の他の多価陽イオン不純物を含む、ギ酸セシウム、硝酸セシウム、塩化セシウム、ヨウ化セシウム、臭化セシウム及び酢酸セシウムを含むがこれらに限られないセシウム化合物を製造するのに使用できる。好ましくは、前記セシウム化合物は、更に、乾燥重量基準で、0.50%未満の塩化物基及び0.30%未満のアルミニウムを含む。
本発明の精製方法は、乾燥重量基準で、
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満の硫酸根;
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満のカルシウム;
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満のバリウム;及び
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満のマグネシウム、
を含むギ酸セシウム、硝酸セシウム、塩化セシウム、ヨウ化セシウム、臭化セシウム及び酢酸セシウムを含むがこれらに限られないセシウム化合物を製造するのにも使用できる。
更に、本発明の精製方法は、0.30%未満のバリウム、カルシウム、又はマグネシウムを含む化合物、及び0.20%未満の他の多価陽イオン不純物を含む硫酸セシウム化合物を製造するのに使用できる。好ましくは、前記硫酸セシウムは、更に、乾燥重量基準で、0.50%未満の塩化物基及び0.30%未満のアルミニウムを含む。本発明の精製方法は、乾燥重量基準で、
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満のカルシウム;
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満のバリウム;及び
1000ppm未満、好ましくは500ppm未満、より好ましくは30ppm未満のマグネシウム、
を含む硫酸セシウム化合物を製造するのにも使用できる。
本発明の他の態様によれば、本発明の1つの方法で精製された乾燥基準で10〜100%のセシウム化合物の水性混合物を含む高比重流体が提供される。この製造された高比重流体は、掘穿流体として又は鉱物抽出方法においての用途を含む種々の用途を持っている。本発明によって予期される高比重流体は、1.2g/cm3〜約2.5g/cm3の比重を持ち、乾燥基準で、0.50%(重量基準)の塩化物陰イオン又は硫酸陰イオン;0.3%(重量基準)の、アルミニウム、バリウム、カルシウム、又はマグネシウム含有化合物;及び0.2%(重量基準)の他の全多価陽イオン性不純物を含む。好ましい態様において、このセシウム化合物は、
1000ppm未満、より好ましくは500ppm未満、より一層好ましくは30ppm未満の硫酸根;
1000ppm未満、より好ましくは500ppm未満、より一層好ましくは30ppm未満のカルシウム;
1000ppm未満、より好ましくは500ppm未満、より一層好ましくは30ppm未満のバリウム;及び
1000ppm未満、より好ましくは500ppm未満、より一層好ましくは30ppm未満のマグネシウム、
を含む。
本発明の他の態様において、本発明者等は、また、ポルックス石のような天然産の鉱物もしくは鉱石、硫酸セシウムアルミニウムを含む溶液、及び他の物質、例えば廃触媒又はフッ化セシウムもしくは硫酸セシウムを含む残渣を包含するセシウム含有物質からセシウム化合物を調製する改善された方法をも見いだした。
本発明のセシウム製造方法は、セシウム含有物質(例えば鉱石)並びに強酸性の及び強塩基性の溶液を取り扱うための通常の工業規模の混合容器及び装置を利用して実施できる。本発明方法を実施するために利用される特定の装置の選択は当業者の技能の範囲内にあると考えられるので、以下には記載しない。
本発明方法の1つの態様は、セシウム含有物質を、適当な薬剤で処理してその中に含まれているセシウムの少なくとも一部、好ましくは全て又は殆ど全てを溶解してスラリーを形成し、消石灰又は炭酸カルシウムを包含する塩基を加え、必要ならば望みのセシウム化合物を製造するために溶解されたセシウムを含有するスラリーに、所定のセシウム化合物の陰イオンを含む酸を加え、この混合物を反応させて所定のセシウム化合物を製造し、出発セシウム含有物質の残りのものの存在下でこの混合物から所定のセシウム化合物を分離することを含む。好ましくは、1つの又は複数の工程の一部として、前記所定のセシウム化合物は更に精製して、何らかの残留している痕跡の不純物の少なくとも一部を除く。
図3に示された本発明の態様を参照して、セシウム含有物質、例えばポルックス石、及びこの鉱石を温浸し、この中に存在する少なくともセシウムを溶解するに適した酸を混合してスラリーを形成する。適当な酸の例としては、鉱酸(例えば、硫酸)及びフッ酸、臭素酸、及び塩酸があるが、これらに限られない。セシウム並びにその鉱石中に存在することのあるアルミニウム及び他のアルカリ金属の溶解を助けるために、水も加えてよい。セシウム並びにこの鉱石中に存在するかも知れないアルミニウム及び他のアルカリ金属の溶解を更に助けるために、この鉱石を、酸と混合する前に粉砕してもよい。好ましい態様において、この鉱石はボールミルで粉砕して約200メッシュ又はそれより小さい粒度にする。
1つの態様において、この鉱石と混合される酸の量は、この鉱石中に存在する全てのアルミニウム、及び/又は他のアルカリ金属の全てを溶解するに理論的に必要な酸の化学量論的量に等しいか、又は過剰に、好ましくは110%より多量である。(この鉱石のセシウム、アルミニウム、及びアルカリ金属の含量はこの鉱石を分析することにより適切に決定できる。)本発明方法の他の態様において、93%(重量基準)の硫酸を用いた45%(重量基準)の硫酸が、酸溶液1リットルあたり0.2〜0.8キログラムの鉱石の割合で用いられる。
当業者なら認めるように、スラリーを形成するために使用される酸は、単一の又は複数の酸である。酸及び/又はこの酸もしくは酸混合物の選択は、鉱石又はそれからセシウムが抽出された残留物質の組成に依存する。以下の例及び解説はポルックス石について述べるが、ここで用いる用語「セシウム含有物質」は、天然に生じるセシウム含有鉱物又は鉱石のみならず、廃触媒物質のようなプロセス残渣(process residues)を含む他の固体の又は液体の物質を含む。
好ましい態様において、この方法における中間物質としてセシウムミョウバンが含まれる。セシウムミョウバン中間体の形成には、硫酸イオン及びアルミニウムイオンの存在が必要である。もし、酸又は酸混合物が硫酸を含まないときは、セシウムミョウバン中間体の形成を促進するために硫酸イオン源を加えることができる。もし、セシウム含有物質がアルミニウムを含まないときは、セシウムミョウバンの形成を促進するために、アルミニウムイオン源を加えることができる。
図4Aに示されているように、酸は鉱石温浸容器中に再循環され、これは使用される酸の量を減らすであろう。
鉱石及び酸の混合物の温浸は、好ましくは、全体のプロセスが商業的に有効とするに充分な量のセシウムが鉱石から抽出される条件下に及び時間、行われる。より好ましくは、この反応はセシウムの少なくとも約90%がこの鉱石から溶解されるまで継続させる。本発明の1つの態様において、この鉱石及び酸の反応は、約115℃〜約200℃、好ましくは約120℃の温度の熱硫酸を用いて実施される。この反応(又は温浸)期間は、好ましくは少なくとも4時間で、より好ましくは約16時間である。より短い温浸期間又はより低い硫酸温度が用いられるときは、この鉱石からのセシウムの溶解がより不完全になる。この反応の間に、この熱温浸液は、コンシステンシーがどんどんペースト様になる。この混合物の当初の体積を維持するために追加の水を加えてもよい。もし蒸発した水が補給されないときは、スラリーは結局固化することがある。任意に、当初の体積の混合物は還流により維持される。アルミニウムがこの鉱石中に存在するときは、この鉱石/硫酸スラリーは、この鉱石から溶解したセシウムから形成された、可溶化された硫酸セシウムアルミニウム(ここではセシウムミョウバンとも呼ぶ)を含む。望みの水準の温浸が達成された後に過剰の酸が存在するときは、このスラリーは任意に水で希釈され、セシウムミョウバンを晶出するために約30℃に冷却される。この混合物中の残りの硫酸は、好ましくはデカントされ、再循環される。そして残りの廃鉱石及びセシウムミョウバンは任意に再スラリー化される。(再び図2Aを参照のこと)。
再スラリー化は、廃鉱石及びセシウムミョウバンに水を加えることにより達成される。この再スラリー中のセシウムミョウバンの溶解度は、主として水の体積及び用いられる温度の関数であり、それ故、セシウムミョウバンの再結晶の条件は、当業者によって容易に決定される。好ましい態様において、水を加えた後の再スラリーの温度は約100℃である。
図4Bを参照して、当業者は、セシウムミョウバン及び最終的には所定のセシウム化合物は、このプロセスのこの時点で、更なる処理のためにスラリー中の硫酸セシウムアルミニウムを再晶出することにより更に精製されてもよい。再晶出プロセスは、更にセシウムミョウバンを精製するために望みの回数繰り返してもよい。
再び図3を参照して、消石灰又は炭酸カルシウムを含む塩基、及び任意に、所定のセシウム化合物の陰イオンを含む酸をこのスラリー又は廃鉱石に、一緒に又はいずれかの順序で順番に加えて、pHを約4〜約9に調節する。もし、硫酸セシウム化合物がこのプロセスの望みの製品であるときは、セシウムミョウバンから硫酸セシウムが直接分離されるので酸の添加は必要でない。
消石灰は、好ましくは石灰(酸化カルシウム)と水を接触させることにより調製される(「消化」)。この「消化」反応は式(1)で与えられる。
(1)CaO+H2O → Ca(OH)2
石灰を予備消化することにより、pHが調節でき、可溶化されたセシウム化合物中のアルミニウム及びカルシウム不純物の量は最小にされる。
好ましい具体例において、塩基は消石灰を含む。この消石灰は、このスラリーの液体成分中に溶解されているアルミニウム、もしあれば、シリカ及び/又は鉄を沈殿させるに充分な条件化合物で、及び充分な時間、スラリー及び酸と反応させる。上に述べたように、水酸化アルミニウムの沈殿を得るために、充分な塩基をこの混合物に加え、pHを約4〜約9にする。より好ましい態様においては、塩基を加えて、pHを約7〜約8にする。このより好ましい態様においては、可溶化されたアルミニウムの実質的に完全な沈殿が得られる。
消石灰が加えられたのち、前記廃鉱石、沈殿された水酸化アルミニウム、沈殿された硫酸カルシウムは、可溶化されたセシウムイオンを含む混合物から分離される。この分離は、どんな方法であれ公知の方法、例えばろ過により達成される。
本発明によれば、前記廃鉱石又はセシウム含有物質の未溶解部分は、酸で温浸された鉱石又は処理されたセシウム含有物質に塩基を添加することにより形成される水酸化アルミニウムの分離の助剤として利用される。前記廃鉱石又は未溶解物質は、形成される水酸化アルミニウムのろ過速度を改善するだけでなく、固体の洗浄性を向上させ、セシウムの回収を最大にする。前記廃鉱石を加えることは、固体の圧縮性及び脱水性をも改善する。
他の好ましい具体例において、消石灰及び炭酸カルシウムは一緒に使用される。この消石灰及び炭酸カルシウムは、単独で使用されようが組み合わせて使用されようが、元素の周期律表の1A族(アルカリ金属)及び2A(アルカリ土類金属)から選ばれる金属のイオンを含む1又はそれ以上の塩基と共に使用できる。そのような追加の塩基の例としては、KOH,NaOH,K2CO3,Na2CO3,RbOH,Rb2CO3,LiOH,Li2CO3,Mg(OH)2,MgCO3,及びCsOHがある。
スラリー(及びもしあれば任意の再スラリー)に加えられる所定のセシウム化合物を製造するために使用される酸の選択は、望みの特定のセシウム化合物に依存する。例えば、もし硝酸セシウムを製造することが望みであれば、消石灰及び硝酸の組み合わせが、この混合物のpHを約7〜8に調節するに充分な量で添加される。この反応は式(2)に従って進行し、他の酸を用いても同様の反応が起こると考えられる:
(2)CsAl(SO42+2Ca(OH)2+HNO3
+3H2O → CsNO3+Al(OH)3
+2CaSO4・2H2
上に述べたように、酸の形での硫酸陰イオンの添加は、硫酸イオンは既にセシウムミョウバン含有溶液中に存在するので、硫酸セシウムを製造するためには必要でない。
所定のセシウム化合物(又はセシウム塩)を調製するために使用するに適当な酸の例を、表1に示すが、これらに限られない。
Figure 0003920333
当業者には明らかなように、表1は使用できる酸の例のリストであって、適当な酸の完全な又は余すところのないものと解釈されるべきものではない。むしろ、適当な酸は、セシウムイオンと反応して最終製品として望まれるセシウム化合物を生じるどんな酸をも包含する。
当業者が表1から認めるように、前記酸をある種の塩で置き換えることが可能である。例えば、示されているように、ギ酸セシウム最終製品を製造するためにギ酸に代えてギ酸カルシウムを加えることができる。
図4Cを参照して、分離と回収工程の一部として、本発明の精製方法の一態様によれば、可溶化されたセシウム化合物は精製され又は「ポリッシュされ(polished)」て、痕跡量の不純物を除くことができる。図4Cに示されているように、バリウムの可溶性化合物及び炭酸塩(又は二酸化炭素)の可溶性化合物を、セシウムの可溶化されたイオン及び所定のセシウム化合物の陰イオンの溶液混合物に加えることができる。一般に、ポリッシング(polishing)のために、この溶液中に含まれるセシウム化合物1キログラム当たり0.12キログラムの水酸化バリウムが添加される。ポリッシングステップの結果形成される硫酸バリウム、水酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウムはろ過により除くことができる。溶液中の残留カルシウムイオンは、炭酸セシウム、炭酸カリウム、もしくは炭酸ナトリウムのような炭酸アルカリを加えることにより、又は二酸化炭素で処理して不溶性炭酸カルシウムを沈殿させることにより除くことができる。炭酸アルカリは、溶液混合物中に存在する全てのカルシウムイオンを沈殿するに充分な量を用いる。所定のセシウム化合物の精製の実施の程度は、セシウム化合物の末端用途に依存する。
ポリッシングの後、溶解されたセシウム化合物を含む溶液は、11より大きな高いpHを持つ。セシウム化合物の回収を改善するために、追加の量の酸(所定のセシウム化合物を形成するために用いられるタイプの)が加えられ、この溶液のpHを調節して望みのpHにする。次いで、このセシウム化合物は、例えば加熱により水を追い出すことにより、回収され、又は分離される。
本発明のプロセスにおいて、所定のセシウム化合物は、固体としてもしくは溶液の形で、又は所定のセシウム化合物と、異なった金属(例えば、アルカリ金属)及び所定のセシウム化合物の陰イオンを含む1又はそれ以上の化合物とを含む固体又は液体の混合物として、回収することができる。
図5を参照して、ここには、鉱石/酸温浸スラリーが第1の量の塩基で処理された後、消石灰又は炭酸カルシウム及び所定のセシウム化合物の陰イオンを含む酸が添加される、本発明の1つの態様が示されている。上に述べ図3に示したように、好ましくは200メッシュ又はこれより小さく粉砕された鉱石が、鉱石からのセシウム及びアルミニウムの溶解のためのプロセスタンク中で、適当な酸(例えば、硫酸)及び水と混合され又は接触される。この工程で使用される酸の量は、好ましくは、鉱石中に含まれる、元素の周期律表の第1A族元素及びアルミニウムに関して少なくとも化学量論的量である。水は当初の体積を維持するために加えられてもよい。図示していないが、図5に示された本発明の態様は、熱い温浸スラリーを冷却してセシウムミョウバンを晶出させセシウムミョウバン及び廃鉱石を得ること、過剰の未反応酸を含んでいるかもしれない上澄み液をデカントすること、及び晶出させたセシウムミョウバン及び廃鉱石を水中に再スラリー化すること、を更に含んでいてもよい。たとえ、過剰の酸がないとしても、晶出及び再スラリー化工程を行ってもよい。
再び図5を参照して、第1の量の塩基を、熱温浸スラリーと、又はセシウムミョウバン及び廃鉱石と混合して、pHを約4〜約9に調節する。前記塩基は、元素の周期律表の第1A族及び第2A族から選ばれた金属のイオン(例えば、消石灰、炭酸カルシウム、石灰、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム)及びこれらの混合物を含む。この塩基は、アルミニウムを水酸化アルミニウム(Al(OH)3)として沈殿させ;このスラリー、又は再スラリー中に溶解されているシリカ又は鉄を沈殿させ;そして可溶化された硫酸セシウムを形成させるに充分な条件下に、また充分な時間、このスラリー、又は再スラリーと反応させる。この沈殿は、一般に式(3)で示される反応に従って進むと考えられる:
(3)2CsAl(SO42+3Ca(OH)2+6H2
→ 2Al(OH)3+3CaSO4・2H2
+Cs2SO4
消石灰の添加及び可溶化された硫酸セシウムの形成の後、主たる未溶解固体、例えば沈殿された水酸化アルミニウム、沈殿された硫酸カルシウム、及び廃鉱石は、この混合物の液体成分から分離される。この液体成分は、粗硫酸セシウムを含む。この分離は、当技術分野で公知のどんな手段であれその手段で、例えばろ過で達成され得る。
本発明者等は、廃鉱石は、ろ過助剤として粒状シリカを加えることによって達成される高性能フィルターとあらゆる点で類似して、沈殿されたAl(OH)3及びCaSO4・2H2Oケーキのろ過特性、洗浄特性、及び脱水特性を高めることを発見した。
消石灰又は炭酸カルシウムを含む第2の塩基、及び所定のセシウム化合物の陰イオンを含む酸は、次いで前記可溶化された硫酸セシウムに加えられる。ここで進行する反応機構は以下の式(4)で示される:
(4)Cs2SO4+2HCOOH+CaO+H2O →
2CsCOOH+CaSO4・2H2
小過剰の消石灰を加えて、この混合物中に存在する痕跡量の可溶性マグネシウムの少なくとも一部、好ましくは全ての又は殆ど全てを水酸化マグネシウムとして沈殿させるに充分なpHとすることができる。
この酸は、最終製品として望まれるセシウム化合物の陰イオンを含むように選ばれる。
第2の塩基は元素の周期律表の第1A族及び第2A族から選ばれる金属のイオンを含む塩基を更に含んでもよい。例えば、第2の塩基は消石灰又は炭酸カルシウム、又は消石灰及び/もしくは炭酸カルシウム、並びに1又はそれ以上の次の塩基:水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウム、を含んでもよい。
この態様によって得られるセシウム化合物を更に精製するために、本発明の精製方法の1態様を、上に述べたのと同じように利用してもよい。
ポリッシング(精製)の後、溶解されたセシウム化合物を含む溶液は11より大きい高いpHを持っている。セシウム化合物の回収を改善するために、追加の量の酸(所定のセシウム化合物を形成するために用いられるタイプのもの)を加えて、この溶液のpHを望みのpHに調節する。この望みのpHは意図された用途いかんによる。次いで、このセシウム化合物は、例えば加熱により水を追い出すことにより、回収され又は分離される。
本発明の方法において、所定のセシウム化合物は、固体として又は溶液の状態で、又は所定のセシウム化合物並びに異なった金属(例えば、アルカリ金属)及び所定のセシウム化合物の陰イオンを含む1もしくはそれ以上の化合物を含む固体又は溶液の混合物として、回収できる。
精製され又は製造されそして本発明に従って精製された種々の組成及び純度を持ったある範囲のセシウム化合物は、掘穿流体又は重金属分離流体として使用するのに適している。これに代えて、ナトリウム又はカリウムのような他の金属の塩は、そのようなイオンを可溶化されたセシウムを含むこの溶液混合物に、このプロセスのいずれかの工程で加えることにより、所定のセシウム化合物と一致させることができる。例えば、1つの具体例において、ギ酸セシウムは本発明のプロセスによって製造され、ギ酸ナトリウム又はギ酸カリウムは、混合塩製品を製造するためにそれと共形成(coform)される。塩又は塩混合物製品の組成は、可溶化された硫酸セシウムと、又は可溶化されたセシウムミョウバンと反応させられ、使用される酸の陰イオン及び塩基の陽イオン並びにそれらの量に依存する。
本発明を限定するものでない以下の例によって、本発明の態様を更に開示し示す。前記高比重流体は、更にナトリウム又はカリウムの化合物を含んでいてもよく、この場合、この化合物の陰イオンはこの流体中に含まれるセシウム化合物のそれと同じであってもよい。
セシウム化合物の化学分析は、当業者に容易に知られている通常の重量分析法、発光分光分析法及び原子吸光法を用いて行った。
(例1)
この例は、1段階反応及び本発明の方法を利用するギ酸セシウムの精製を経由するギ酸セシウムの製造を説明する。
4リットルガラスビーカーに、名目上200メッシュ又はこれより小さい粉砕ポルックス石鉱石444g、及び98wt%H2SO4310mLを装填した。これはこの鉱石からアルカリ金属及びアルミニウムを溶解するに必要な化学量論的量を約82%超える。この混合物を115℃で16時間加熱しながら継続的に混合した。
16時間後に、このスラリーを水で2200mLに希釈し、約80〜90℃に再加熱し、室温に冷却した。940mLのデカントを取り、残留している未反応H2SO4酸の殆どを除いた。次いで、900mLの水を加えて、廃鉱石及び晶出したセシウムミョウバンを再スラリー化し、次いでこの再スラリー混合物を攪拌しながら80℃に加熱した。
185gの酸化セシウム及び700mLの水から作った消石灰のスラリーを、88wt%のギ酸30mLと共に加えた。これらの添加の後、生じた混合物のpHは7.5であった。この混合物を約70℃に加熱し、1時間攪拌した。
次いで、この混合物の液体成分(これは可溶化されたギ酸セシウムを含んでいる)を廃鉱石並びにAl(OH)3及びCaSO4の沈殿からろ過により分離した。このろ過された残留物は、乾燥基準で736gあった。前記ろ過された固体に600mLの沸騰水で洗浄した。可溶化されたギ酸セシウムを含むろ液を一緒にし、最初に38gのBa(OH)2・8H2Oを混合して残留SO4 -4を除き、次いで15gのCs2CO3と混合して残留カルシウムイオンを除いた。次いで、可溶化されたギ酸セシウム生成物をろ過して硫酸バリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウムを分離した。次いで、このろ液を分析し、次の化学的構造を含むことを見いだした。(これらの値は、ギ酸セシウム生成物の乾燥重量基準で、ppmで記録した。)
Rb 9500ppm
K 500ppm
Na 7900ppm
Li 90ppm
Ca 20ppm
Cl 500ppm
SO4 <100ppm
Al 50ppm
Ba 50ppm
Fe 4ppm
Mg 1ppm
全抽出収率は約85%であった。
次に、このギ酸セシウム含有ろ液に最小量の88%(重量基準)ギ酸(1mL未満)を加えることにより、この溶液をpH約6〜約7に調節した。次いで、このギ酸セシウムろ液を蒸発させて最終体積を53mLとした。この液は密度が2.2g/mL(約79%CsCOOH)であった。
(例2)
この例もギ酸セシウムの製造及び本発明方法を利用するギ酸セシウムの精製を示す。
4リットルガラスビーカーに444gの、200メッシュ又はこれより小さく粉砕したポルックス石、670mLの水、及び310mLの98%H2SO4を装填した。この混合物を混合し約115℃に16時間加熱した。この温浸体積を水を加えて維持した。
16時間後に、このスラリーを水で2200〜2500mLの体積に希釈し、再加熱し、次いで室温に冷却した。1135mLのデカントを取り、残っているH2SO4の殆どを除いた。残ったセシウムミョウバンと廃鉱石を約800mLの水で再スラリー化し、攪拌しながら約70℃に加熱した。
150gの酸化カルシウムを約500mLの水に入れて作った消石灰のスラリーを加え、pHを7〜8にした。このスラリーを1.5時間90℃で混合し、60℃に冷却し、次いでろ過して、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、及び廃鉱石を含む不溶性固体をろ過し分離した。乾燥基準で、このスラリーから分離した不溶性物は重量が675gであった。
得られたCs2SO4ろ液に洗浄水を加えたものを70℃に加熱し、20gの酸化カルシウムを100mLの水に入れたもの、及び28mLの88%(重量基準)ギ酸の混合物を混合しながら加えた。2gの酸化カルシウムを最小の水に入れたものを加えて、pHを11.5より上に上げ、水酸化マグネシウムを沈殿させた。
この混合物を70℃に加熱し、1.5時間混合した後、集めた固体をろ過し、水で洗浄した。次いで、ギ酸セシウムろ液を以下の工程で精製した。
このギ酸セシウムろ液に20gのBa(OH)2・8H2Oを混合し、残留SO4 -4イオンをBaSO4として除き、次いで20gのCs2CO3を混合して残留カルシウムをCaCO3として除いた。このBaSO4の沈殿をCs2CO3での処理に先立ってろ別した。CaCO3の沈殿をろ別した後、最終的に精製された又はポリッシュされたCsCOOHろ液を分析したところ、次の化学的構造を持っていた。
Rb 6000ppm
K 270ppm
Na 4500ppm
Li 25ppm
Ca 45ppm
Cl 415ppm
SO4 <80ppm
Al 25ppm
Fe 5ppm
Ba 100ppm
Mg 3ppm
全抽出収率は約80%であった。
このギ酸セシウム含有ろ液に最小量の88%ギ酸(重量基準)(1mL未満)を加えることにより、この溶液をpH6〜7に調節した。このギ酸セシウムろ液を蒸発させて最終体積を42mLとした。この液は密度が2.34g/mL(約83%CsCOOH)であった。
(例3)
この例はギ酸セシウムの製造及び本発明方法を利用する硫酸セシウムの精製を示す。
4リットルガラスビーカーに444gの、200メッシュ又はこれより小さく粉砕したポルックス石、670mLの水、及び310mLの98%H2SO4を装填した。この混合物を混合し約115℃に16時間加熱した。この温浸体積を水を加えて維持することにより、許容できる固体対液体比を維持した。16時間後に、このスラリーを水で1800mLの体積に希釈し、再加熱し、次いで室温に冷却した。960mLのデカントを取り、残っているH2SO4の殆どを除いた。残ったセシウムミョウバンと廃鉱石を約1000mLの水で再スラリー化し、攪拌しながら約80℃弱に加熱した。160gの酸化カルシウムを約300mLの水に入れて作った消石灰のスラリーを、セシウムミョウバン及び廃鉱石の加熱した溶液に加え、pHを7.5にした。このスラリーを2時間80℃で混合し、60℃に冷却し、次いでろ過した。水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、及び廃鉱石は、乾燥基準で、723gあった。得られたCs2SO4ろ液と洗浄水を70℃に加熱し、25gのCs2CO3を加えて残留カルシウムをCaCO3として除いた。水酸化カルシウムの代わりにCsOHを加えて溶液のpHを12に上げ、MgをMg(OH)2として沈殿させた。CaCO3及びMg(OH)2沈殿物をろ別した後、最終のCs2SO4ろ液を分析した。全抽出収率は、約80%であった。乾燥硫酸セシウム基準で分析された最終Cs2SO4液は以下の化学的構造を持っていた:
Rb 7350ppm
K 1020ppm
Na 5640ppm
Li 85ppm
Ca 17ppm
Al 5ppm
Fe 1ppm
Mg 170ppm
Si 75ppm
Ba <10ppm
この最終硫酸セシウムろ液を、水酸化セシウム溶液(50wt%)の数滴を加え、次いで処理されたろ液をワットマン微細(fine)濾紙を用いてろ過することにより更に処理した。このろ液の追加の処理はマグネシウム含量を170ppmから10ppm未満に下げた。
(例4)
この例は、硝酸セシウムの製造と本発明方法を利用した硝酸セシウムの精製を示す。
2500ガロンのプロセスタンクに350ガロンの水及び175ガロンの93%の工業銘柄のH2SO4を装填した。200メッシュ又はこれより小さく粉砕したポルックス石2000ポンドを混合しながら加えた。この混合物を約115〜120℃で16時間温浸した。温浸体積は加えた水で維持した。16時間後にこのスラリーを水で約2000ガロンの体積に希釈し、90℃で再加熱し、次いで室温に冷却した。約1500ガロンのデカントを取り、残っているH2SO4の殆どを除いた。残りのセシウムミョウバンと廃鉱石を約1400ガロンの水で再スラリー化し、攪拌しながら90℃に加熱し、フィルタープレスを通して廃鉱石を除いた。200ガロンの水もフィルタープレスを通して送り、洗浄工程とした。洗浄水を含む熱セシウムミョウバン溶液を蒸発させて約1300ガロンの体積にし、室温に冷却した。約1000ガロンのデカントを取った。セシウムミョウバンについて2回目の再結晶をし、更に精製した。精製したセシウムミョウバンを1000ガロンの水中で再スラリー化し加熱した。約125ガロンの水で消化した266ポンドの水酸化カルシウムのスラリーを前記精製したスラリーに加え、pHを8.1にした。このスラリーを80℃で約1時間混合し、約60℃に冷却し、ろ過した。得られたCs2SO4ろ液に水を加えたものを約80℃に加熱し、125ガロンの水中にいれた水酸化カルシウム80ポンドを含む消石灰のスラリー、及び199ポンドの70%HNO3を、混合しながら加え、混合物のpHを測定したところ>11.5であった。この混合物を2時間攪拌した後、ろ過し、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウムのような不溶物を除いた。Cs2NO3ろ液を蒸発させて約400ガロンにした。約65ポンドのBa(OH)2・8H2Oを加えて残留SO4 -2をBaSO4として除いた。次いで、30ポンドのCs2CO3を加えて残留カルシウムをCaCO3として除いた。硫酸バリウム、水酸化カルシウム、及び炭酸カルシウムを沈殿としてろ別した後、CsNO3ろ液をHNO3でpH調節して約7とし、加熱して水を蒸発させた。得られた製品は312ポンドのCsNO3の結晶であった。乾燥したCsNO3は以下の化学的構造を有していた。
Rb 225ppm
K 1ppm
Na 2ppm
Li <1ppm
Al <1ppm
Ba 25ppm
Ca 8ppm
Mg <1ppm
Si 1ppm
SO4 <100ppm
Cl <50ppm
(例5)
この例は、硫酸セシウムの製造と本発明方法を利用した硫酸セシウムの精製を示す。
2500ガロンのプロセスタンクに350ガロンの水及び175ガロンの93%の工業銘柄のH2SO4を装填した。これは化学量論的必要量の80%過剰のH2SO4の量があった。200メッシュ又はこれより小さく粉砕したポルックス石2000ポンドを混合しながら加え、この混合物を約115〜120℃で16時間反応させた。温浸体積は加えた水で維持した。16時間後にこのスラリーを水で約2000ガロンの体積に希釈し、90℃に加熱し、次いで室温に冷却した。1500ガロンのデカントを取り、残っているH2SO4の殆どを除いた。残りのセシウムミョウバンと廃鉱石を約1400ガロンの水で再スラリー化し、攪拌しながら90℃に加熱し、フィルタープレスを通してろ過して廃鉱石を除いた。約100℃の約300ガロンの水も洗浄水としてこのフィルタープレスを通した。洗浄水を含む熱セシウムミョウバン硫酸塩溶液を蒸発させて約1300ガロンの体積にし、室温に冷却した。約1000ガロンのデカントを取った。(第1回の再結晶精製。)このセシウムミョウバンについて2回目の再結晶をし、更に精製した。精製したセシウムミョウバンを混合し、1000ガロンの水を用いて80℃〜90℃に加熱した。約125ガロンの水中に264ポンドの水酸化カルシウムを含む消石灰のスラリーを精製し、加熱したセシウムミョウバンに加え、pHを9より大きくした。2リットルの試薬H2SO4を加えてpHを8.5に調節した。このスラリーを80℃で約1時間混合し、約60℃に冷却し、ろ過した。約4ポンドの第2の量の石灰を加えてpH>12とした。Cs2SO4液を蒸発させて約300〜400ガロンにし、15ポンドのCs2CO3を加えて残留カルシウムを炭酸カルシウムとして除いた。不溶物をろ別した後、Cs2SO4溶液を蒸発して50%の溶液にした。全体の収率は約70%であった。乾燥硫酸セシウム基準でのCs2SO4分析は次のものを含んでいた。
Rb 475ppm
K 38ppm
Na 165ppm
Li 4ppm
Al 10ppm
Ca 7ppm
Cr 20ppm
Fe 5ppm
Mg <1ppm
Si 20ppm
(例6)
この例は、本発明方法に従って1リットル当たり約0.6gのカルシウム及び1リットル当たり約0.1gのマグネシウムを含む硫酸セシウムの精製を示す。乾燥硫酸セシウム基準で、これは約7000ppmのカルシウムと約1000ppmのマグネシウムを表す。
約1600ガロンの希硫酸セシウム溶液(5〜10%のCs2SO4)を8ポンドの石灰(消化した)と混合し、pHを7.4から12.8に上げた。この混合物を蒸発させて体積300〜400ガロンにし、硫酸セシウム液を、沈降した沈殿固体からデカントした。18ポンドの炭酸セシウムを加えて、残留カルシウムイオンを炭酸カルシウムとして沈殿させた。精製した硫酸セシウム溶液をろ過して残留Mg(OH)2及びCaCO3を除いた。硫酸セシウムを蒸発させて最終体積約150ガロンにした。この最終硫酸セシウム液を乾燥硫酸セシウム基準で分析したところ、以下の化学構造を有していた。
Ca 16ppm
Mg 1ppm
(例7)
この例は、本発明方法により、1リットル当たり>5gの硫酸根、1リットル当たり>1gのカルシウム、及び1リットル当たり約0.05gのマグネシウムを含むギ酸セシウム溶液の精製の例を示す。乾燥ギ酸セシウム基準で、これは>5%硫酸根、>1%のカルシウム、及び約600ppmのマグネシウムを表す。
約1300ガロンの希ギ酸セシウム溶液(5〜10%CsCOOH)に30ポンドの石灰(消化した)を混合してpHを7.1から>12に上げた。この混合物を蒸発させて体積約500ガロンにし、このギ酸セシウム液をろ過して沈殿したMg(OH)2及びCaCO3を除いた。このギ酸セシウムろ液を>60℃に加熱し、110ポンドのBa(OH)22Oを加えた。沈殿したBaSO4及びCa(OH)2をろ過により除いた。2ポンドの炭酸カリウムを加えることによって、残留可溶性カルシウムイオンをギ酸セシウムから炭酸カルシウムとして沈殿させた。この沈殿した炭酸カルシウムはろ過により除き、ギ酸セシウムを蒸発させて比重約2.3g/mL(ギ酸セシウム約82%)とした。少量の90%ギ酸を加えて最終ギ酸セシウム液のpHを8〜9にした。この最終ギ酸セシウム液を乾燥ギ酸セシウム基準で分析したところ、以下の化学的構造を持っていた。
Ca <10ppm
Mg <1ppm
SO4 200ppm
ここに記載された本発明の態様は単に説明のためのものであって本発明の範囲を限定しようとするものではないことは、明確に理解されるべきである。

Claims (7)

  1. 乾燥塩基準で10〜100重量%のセシウム化合物、
    乾燥塩基準で0.5重量%未満の塩化物又は硫酸塩イオン、及び
    乾燥塩基準で0.3重量%未満のアルミニウム、バリウム、カルシウム又はマグネシウム含有化合物
    を含む掘穿流体であって、その比重が1.2g/cm3〜2.5g/cm3の範囲内にある掘穿流体。
  2. 該セシウム化合物がギ酸セシウムである、請求項1に記載の掘穿流体。
  3. さらに全体で0.2重量%未満の他の多価陽イオン性化合物を含む、請求項1に記載の掘穿流体。
  4. 硫酸イオンの含有量が1000ppm未満である、請求項1に記載の掘穿流体。
  5. カルシウムイオンの含有量が1000ppm未満である、請求項1に記載の掘穿流体。
  6. バリウムイオンの含有量が1000ppm未満である、請求項1に記載の掘穿流体。
  7. マグネシウムイオンの含有量が1000ppm未満である、請求項1に記載の掘穿流体。
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