JP3910267B2 - 画像処理方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理方法および装置に関し、とくにデジタルカメラなどにより得られたデジタル画像データにより表される画像に対して、銀塩写真と同様の視覚的効果を与えることができる画像処理方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
銀塩写真においては、フイルムに含まれるハロゲン化銀粒子の大きさが画像のシャープネスと粒子構造によるノイズ(粒状)とを決定している。すなわち、低感度フイルムはハロゲン化銀粒子が比較的小さいため、シャープネスおよび粒状がともに良好であるが、高感度フイルムはハロゲン化銀粒子が比較的大きいため、シャープネスおよび粒状がともにそれほど良好ではない。このように、銀塩写真においては、シャープネスおよび粒状は相関関係を持って変化するものであるが、シャープネスが良好な画像では粒状が細かく、シャープネスが悪い画像では粒状が粗いものとなるため、画像の印象としてはシャープネスに拘わらず全体としてバランスがとれた違和感の無いものとなっている。
【0003】
このような銀塩カラー写真における粒状は、ハロゲン化銀粒子が現像されるときに、その周囲に生成される色素雲によって形成される。この色素雲はハロゲン化銀粒子の大きさに依存し、直径数ミクロンから数十ミクロン程度となり、これに応じて粒状のパターン(以下粒状パターンとする)の大きさも異なるものとなる。この粒状パターンは種々の大きさの色素雲が略ランダムに配置された集落(モトル)をなしているために生じるミクロな濃度揺らぎを表すものとなっている。
【0004】
一方、デジタル電子スチルカメラ(以下デジタルカメラとする)において得られるデジタル画像データを再生した画像においては、デジタルカメラの撮像素子の熱雑音やショットノイズが見られるものの、画像が明るい部分においてはこれらのノイズは目立たずかつ銀塩写真のような粒状によるノイズが存在しないものである。このため、銀塩写真と比較するとノイズが少ない滑らかな画像となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、デジタルカメラにおいては銀塩写真と比較して粒状に基づくノイズが無い滑らかな画像を得ることができる。しかしながら、デジタルカメラにより得られる画像のシャープネスは撮像素子の総数によって定められるものであり、撮像素子の総数が少ない場合にはシャープネスが不足して画像がぼけたものとなってしまう。銀塩写真の場合、上述したようにシャープネスが悪い画像においては粒状が粗いものとなるため、画像の印象としてはバランスがとれた違和感の無いものとなるが、デジタルカメラにより得られる画像においては銀塩写真のような粒状ノイズが無いため、シャープネスが悪いと写真画像としてはぼけを含む非常に違和感のある画像となってしまう。これはデジタルカメラのみならず、デジタルビデオカメラや、非常に低感度の銀塩フイルム(例えばISO感度25)により得られた銀塩写真のようにほとんど粒状が目立たない画像を低解像度のフイルムスキャナにより読み取ることにより得られたデジタル画像データを再生する場合にも同様に生じる問題である。
【0006】
このため、デジタルカメラにより得られる画像に対してノイズを重畳させるための方法が種々提案されている(例えばアドビ社製画像処理ソフトPhotoshop 、米国特許第5641596号等)。しかしながら、アドビ社製の画像処理ソフトにより重畳されるノイズは、画素単位に揺らぐランダムノイズ等の人工的なノイズパターンであり、写真のようなピクトリアル画像に適用した場合、不自然で見た目に好ましくない違和感のある画像となってしまう。また、米国特許第5641596号に記載された方法は、画素単位で乱数を発生させて、周波数フィルタ処理やスケール変更を行って期待する粒状度の粒状を画像に重畳させているが、乱数を用いて画素単位のゆらぎを発生させた粒状パターンは銀塩写真の粒状パターンとは異なるため、銀塩写真と比較して違和感のある画像となってしまう。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、デジタルカメラなどにより得られたデジタル画像データを再生するに際し、銀塩写真のように違和感が無い画像を再生するようこのデジタル画像データを処理することができる画像処理方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による画像処理方法は、デジタル画像データに銀塩写真状粒状パターンを表す粒状パターンデータ(以下単に粒状データとする)を重畳させることを特徴とするものである。
【0009】
ここで、「銀塩写真状粒状パターン」とは、銀塩写真においてハロゲン化銀粒子が現像されるときにその周囲に形成される色素雲によって形成される、ミクロな濃度揺らぎを表すパターンのことをいうものである。そして、「粒状データ」は、銀塩写真に現れる粒状パターンを表すように、デジタル画像データにより表される画像の画素よりも大きくかつ大きさが異なる複数の色素雲状の小パターンからなり、各小パターンは、複数の画素に跨って小パターンの中央部から周辺部に向けて値が小さくなる濃度プロファイルを有し、さらには複数の小パターンの配置がランダムもしくは一定の規則性を持っているものからなるパターンのことをいうものである。
【0010】
また、「デジタル画像データ」とは、デジタルカメラやデジタルビデオカメラにより得られるもののみならず、非常に低感度の銀塩フイルム(例えばISO感度25)から得られる銀塩写真の画像をフイルムスキャナにより読み取ることにより得られたほとんど粒状が目立たないデジタル画像データをも含むものである。
【0011】
なお、本発明による画像処理方法においては、前記粒状データに粒状の粗さを変更する所定の重み付けをして前記デジタル画像データに重畳するようにしてもよい。
【0012】
また、前記粒状データを、均一露光されたカラーフイルムから粒状のある該均一露光画像を表す均一画像データを得、
該均一画像データの粒状を平滑化することにより平滑化画像データを得、
前記均一画像データから前記平滑化画像データを減算して粒状による濃度ゆらぎのある減算画像データを得、
該減算画像データに対して所定の画像処理を施すことにより算出してもよく、
さらに、前記粒状データを、疑似色素雲濃度パターンを算出し、
該疑似色素雲濃度パターンを前記デジタル画像データにより表される画像のサイズに応じてランダムな位置または所定間隔にて複数配置することにより算出してもよい。
【0013】
また、本発明による画像処理装置は、デジタル画像データに対して銀塩写真状粒状パターンを表す粒状データを重畳させる重畳手段を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
さらに、本発明による画像処理装置においては、前記粒状データに粒状の粗さを変更する所定の重み付けを行う重み付け手段をさらに備え、
前記重畳手段を、前記重み付け手段により重み付けされた粒状データを前記デジタル画像データに重畳する手段としてもよい。
【0015】
また、前記粒状データを算出する算出手段をさらに備え、
該算出手段を、均一露光されたカラーフイルムから該均一露光画像を表す均一画像データを得る手段と、
該均一画像データの粒状を平滑化することにより平滑化画像データを得る手段と、
前記均一画像データから前記平滑化画像データを減算して減算画像データを得る手段と、
該減算画像データに対して所定の画像処理を施す手段とを有するものとしてもよく、
さらに、この算出手段を、疑似色素雲濃度パターンを算出する手段と、
該疑似色素雲濃度パターンを前記デジタル画像データにより表される画像のサイズに応じてランダムな位置または所定間隔にて複数配置する手段とを有するものとしてもよい。
【0016】
【発明の効果】
本発明による画像処理方法および装置によれば、デジタル画像データにより表される画像の画素よりも大きくかつ大きさが異なる複数の色素雲状の小パターンからなり、各小パターンは、複数の画素に跨って小パターンの中央部から周辺部に向けて値が小さくなる濃度プロファイルを有し、さらには複数の小パターンの配置がランダムもしくは一定の規則性を持っているものからなる粒状データをデジタル画像データに重畳させるようにしたため、この粒状データが重畳されたデジタル画像データを再生することにより得られる再生画像には、銀塩写真と略同様の粒状パターンが含まれるものとなる。したがって、デジタルカメラなどにより得られたデジタル画像データを、銀塩写真と同様に視覚的に違和感が無い印象を与える画像として再生することができる。
【0017】
また、粒状データに対して粒状の粗さを変更する重み付けをすることにより、粒状パターンの粗さを種々変更することが可能となる。例えば、ポートレートのように人物像のデジタル画像データに対しては、重み付けを小さくして粒状パターンを細かくすることができ、また、スポーツ写真の場合には重み付けを大きくして粒状パターンを粗くし、荒々しさや躍動感が生じるような再生画像を得ることができる。さらに、デジタルカメラの固体撮像素子数が少なく、再生される画像のシャープネスがそれほど良好でない場合には、重み付けを大きくして粒状パターンを粗くすることができ、これにより再生画像の画質の印象を違和感の無いものとすることができる。
【0018】
さらに、銀塩カラーフイルムから粒状データを得ることにより、銀塩写真により近い粒状パターンを得ることができ、これによりデジタル画像データの再生画像において違和感を一層低減することができる。
【0019】
また、疑似色素雲濃度パターンを算出し、この疑似色素雲濃度パターンをランダムな位置または所定間隔にて配置することにより、再生する画像の種類に応じて任意の大きさ、濃度プロファイルおよび配置を有する銀塩写真状粒状パターンを作成することができ、これにより、画像の種類に拘わらず所望とする粒状パターンを重畳して違和感の無い画像を再生することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は本発明による画像処理方法および装置を適用した画像再生システムの構成を示す概略図である。図1に示すように、本発明による画像処理方法および装置を適用した画像再生システムは、デジタルカメラ1において取得されたデジタル画像データS0を記憶するための光ディスクなどの記憶媒体2と、記憶媒体2に記憶されたデジタル画像データS0を読み出すための読出手段3と、後述するようにして得られた銀塩写真状粒状パターンを表す粒状データGが記憶されたメモリ4と、粒状データGに基づいて後述するようにしてデジタル画像データS0に対して粒状パターンを重畳させるとともに、拡大、縮小、γ変換、シャープネス変更などの画像処理を施して処理済みデジタル画像データS1を得る画像処理手段5と、画像処理手段5において得られた処理済みデジタル画像データS1を可視像として再生するためのデジタルプリンタ6とからなる。
【0022】
図2は粒状データGを算出するための装置の構成を示す概略図である。図2に示すように粒状データGを得るための装置は、均一露光されて現像されたフイルムFからこの均一露光画像を読み取って均一露光データIO を得るためのフイルムスキャナ11と、均一露光データIO を一時的に記憶するためのバッファ12と、均一露光データIO を平滑化することにより平滑化データIL を得るための平滑化手段13と、均一露光データIO から平滑化データIL を減算することにより減算粒状データIG を得る減算手段14と、減算粒状データIG に対して拡大、縮小、γ変換、シャープネス変更などの画像処理を施して粒状データGを得る画像処理手段15とからなる。
【0023】
次いで、本実施の形態の動作について説明する。まず、粒状データGの算出について説明する。均一露光されて現像されたフイルムFは図2に示すフイルムスキャナ11において読み取られ、均一画像を表す均一露光データIO が得られる。均一露光データIO は一旦バッファ12に記憶された後、平滑化手段13に入力され、ここで平滑化処理が施され、平滑化データIL が得られる。
【0024】
この平滑化処理の方法としては、均一露光データIO におけるN×Nのマスク内における画素の平均値を求める方法や、ガウス型あるいは指数関数型の重みを持たせたN×Nのマスクにより平滑化する方法などが挙げられるが、全均一露光データIO の平均値を求めるなど他の方法を用いてもよいものである。なお、上記N×Nのマスクのサイズは5×5、7×7、9×9あるいは11×11など種々のサイズのものを用いることができる。
【0025】
このようにして平滑化データIL が得られると、減算手段14において均一露光データIO から平滑化データIL を減算して、フイルムFの粒状成分を抽出した減算粒状データIG を得る。なお、この減算は均一露光データIO と平滑化データIL との対応する画素ごとに行うものである。そして、減算手段14において得られた減算粒状データIG は、画像処理手段15において拡大縮小、γ変換、シャープネス変更等の画像処理が施されて最終的な粒状データGが得られる。ここで、拡大縮小処理はフイルムFのコマ画像からの拡大率であり、例えば35mmフイルムからサービスプリントサイズに相当する粒状データGを作成する場合は、プリント倍率である4.0倍と同様の倍率を使用する。γ変換におけるγの値はカラーペーパのγの値である1.8を使用する。なお、これらの拡大率、γの値はこれに限定されるものではなく、作成したい粒状の値によって種々変更することができる。また、シャープネス変更は、下記の式(1)のような一般的なラプラシアンフィルタやアンシャープマスクにより減算粒状データIG に対してフィルタリング処理を施すことにより行うものである。なお、ラプラシアンフィルタの各項の数値としては式(1)の値に限定されるものではなく、種々の値を使用することができるものである。
【0026】
【数1】
Figure 0003910267
【0027】
そして、上述するようにして得られた粒状データGは図1に示す画像再生システムのメモリ4に記憶される。
【0028】
ここで、上述したようにして得られた粒状データGの部分的な濃度プロファイルを図3(a)に示す。図3(a)に示すように、粒状データGはデジタル画像データS0により表される画像の画素よりも大きくかつ大きさが異なる複数の色素雲の小パターンPからなり、かつ各小パターンPは、複数の画素に跨って小パターンPの中央部から周辺部に向けて値が小さくなる濃度プロファイルを有し、さらには複数の小パターンPの配置がランダムもしくは一定の規則性を持っているものである。ここで、図3(b)に小パターンPの濃度プロファイルを示す。図3(b)の実線で示すように、銀塩カラー写真における色素雲の濃度プロファイルは実線で示すように、ガウス状あるいは指数関数状の分布を示すものであるが、本実施の形態における粒状データGを構成する小パターンPはデジタルデータであるため、破線で示すようにパターンPの中央部から周辺部に向けて段階的に値が小さくなるものである。
【0029】
次いで、図1に示す画像再生システムにおいて行われる処理について説明する。デジタルカメラ1において取得されたデジタル画像データS0はシステムの記憶媒体2に記憶される。そして、画像を再生する際には、読出手段3により記憶媒体2に記憶されたデジタル画像データS0が読み出されて画像処理手段5に入力される。画像処理手段5においては、まずデジタル画像データS0に対してメモリ4に記憶された粒状データGにより粒状を重畳する処理が行われる。この処理は、デジタル画像データS0および粒状データGの対応する画素ごとに下記の式(2)により行う。
【0030】
S0′=S0+αG (2)
但し、S0′:粒状データGが重畳されたデジタル画像データ
α:係数
ここで、係数αの値としては0.1〜10程度の範囲が好ましく、再生された画像に重畳させる粒状の粗さに応じて任意の値を選択することができる。すなわち、係数αが小さい場合は粒状が細かく、大きくなるにしたがって粒状が粗くなるものである。したがって、ポートレートのように人物像のデジタル画像データS0に対しては、係数αを小さくして粒状パターンを細かくすることができ、また、スポーツ写真を表すデジタル画像データに対しては係数αを大きくして粒状パターンを粗くし、荒々しさや躍動感が生じるような再生画像を得ることができる。さらに、デジタルカメラの固体撮像素子数が少なく、再生される画像のシャープネスがそれほど良好でない場合には、係数αを大きくして粒状パターンGを粗くすることができ、これにより再生画像の画質の印象を違和感の無いものとすることができる。
【0031】
そして、粒状パターンGが重畳されたデジタル画像データS0′に対してさらに画像処理手段5において階調処理などの画像処理が施されて処理済みデジタル画像データS1が得られる。処理済みデジタル画像データS1はデジタルプリンタ6に入力され、プリント画像として再生される。このようにして再生されることにより得られたプリント画像は銀塩写真と略同様の粒状が重畳されたものとなり、これにより、見た目に違和感の無い銀塩写真と同様のプリント画像を得ることができる。
【0032】
なお、上記実施の形態においては、デジタルカメラにより取得されたデジタル画像データS0に対して粒状データGを重畳させているが、デジタルビデオカメラにより取得されたデジタル画像データに対して粒状データGを重畳させるようにしてもよい。また、ISO感度25程度の低感度フイルムにより得られる画像のように非常に粒状が目立たないものがあるが、このような場合にも低感度フイルムに記録された画像をフイルムスキャナにより読み取ってこの画像を表すデジタル画像データを得、このデジタル画像データに対して上記と同様に粒状データGを重畳させる処理を施してもよいものである。
【0033】
また、上記実施の形態においては、均一露光されたフイルムFから図2に示す装置により均一露光データIO を読み取って粒状データGを作成しているが、これに限定されるものではなく、シミュレーションにより粒状パターンGを作成してもよい。以下シミュレーションによる粒状パターンの作成について説明する。
【0034】
上述した図3に示すように、粒状パターンは中央部から周辺部に向けて値が小さくなる複数の小パターンからなり、銀塩カラーフイルムと同様に色素雲のような濃度プロファイルを有するものである。この色素雲のような濃度プロファイルは下記の式(3)により求めることができる。
【0035】
d(r)=(1/2πσ2 )exp(−r2 /2σ2 ) (3)
但し、d(r):濃度プロファイル
r:色素雲の中心を原点とする半径方向の座標
σ:色素雲の広がりを定める定数
ここで、σの値は、図4に示すように、色素雲の直径をRとすると、色素雲の中心における濃度値d(0)と端部における濃度値d(R)との比により下記の式(4)により求めることができる。
【0036】
d(R)/d(0)=exp(−R2 /2σ2 ) (4)
なお、d(R)/d(0)の値としては、1/100〜1/10程度の範囲において変更して、種々の半径を有する色素雲の濃度プロファイルを求める。
【0037】
このようにして、複数の色素雲の濃度プロファイルを求めた後に、色素雲の中心座標を乱数を発生させて求め、上記色素雲の濃度プロファイルをデジタル画像データS0のサイズに応じて二次元的にランダムに配置することにより擬似的な色素雲粒状パターンを作成することができる。このようにして作成された色素雲状粒状パターンは図1に示す画像再生システムにおけるメモリ4に記憶され、上記式(2)により係数αによって重み付けがなされてデジタル画像データS0に対して重畳される。そしてこのような色素雲状粒状パターンを用いることによっても銀塩写真と同様に粒状が含まれる再生画像を得ることができる。
【0038】
なお、色素雲状粒状パターンはランダムに配置してもよく、また、1/fノイズや規則的なドット状や線状のパターンとしてもよいものである。
【0039】
【実施例】
本発明の実施例として、富士写真フイルム(株)製のデジタルスチルカメラDS−300により撮影した画像に銀塩カラーフイルムの粒状を重畳することによって銀塩写真風の自然な粒状のあるデジタルプリントを得る例を説明する。
【0040】
まずデジタル写真の原画像データI0 として、上記デジタルスチルカメラDS−300により写真を撮影した後、その原画像データI0 をPCカードを介して取り出し、コンピュータのメモリに記憶させておく。画像データの画素数は1280×1000であり、各画素はR,G,B各色8ビットである。なお、原画像としては、上記のようなデジタルカメラにより撮影された画像の他に、デジタルビデオ画像あるいは銀塩写真をデジタル化した画像を用いてもよい。
【0041】
次いで、粒状パターンを作成するために、富士写真フイルム(株)製の35mmカラーネガフイルム(FUJICOLOR SUPER G ACE 400 )に均一露光を与え、現像後のR,G,B各色の平均濃度がおよそフイルムの中間濃度域である1.0となるようにした。なお、この濃度は1.0である必要はなく、他の任意の濃度でもよい。このフイルムを富士写真フイルム(株)製フイルムスキャナ(Scanner & Image Processor SP-1000 )により読取り、2760×1840画素で各色8ビットのデジタル粒状画像データIG0を作成し、上記原画像データと同様の1280×1000画素分のデータを切り出し、コンピュータのメモリに記憶させる。なお、粒状画像データを切り出すことなく、2760×1840画素の粒状画像データの4画素を平均して1画素としてもよく、また拡大や縮小処理を行ってもよい。
【0042】
次に、図2に示したように、元の粒状画像データIG0を平均化あるいは平滑化することによって、平滑化粒状画像データIGLを作成する。この平滑化処理方法としては、下記の式(5)に示すように、隣接する(2m+1)×(2n+1)画素の濃度値の総和を求め、単純に平均値を算出する方法を用いた。
【0043】
【数2】
Figure 0003910267
【0044】
ここで、iとjとは二次元に配置している画素の座標を表す番号であり、マスクの大きさとしてはn=4すなわち9×9画素を用いた。
【0045】
上記粒状画像データIG0は、デジタル化の際にスキャナにより若干ぼけているため、この粒状画像データIG0から粒状成分を抽出すると、その粒状成分もぼけたものとなってしまう。ぼけた粒状は視覚的には好ましくないため、ぼけを回復してシャープな粒状とするために、上記式(1)のような一般的なラプラシアンフィルタを用いてシャープネス強調処理を行った。ラプラシアンフィルタの各項の数値はこの値以外のものを用いてもよく、またアンシャープマスキング(USM,Unshap mask )等の他のシャープネス強調処理方法を用いてもよい。このようにシャープネス強調処理を行って粒状画像データIG1を作成した。
【0046】
次に、下記の式(6)を用いて、シャープネス強調処理を行った粒状画像データIG1から平滑化粒状画像データIGLを減算することによって粒状成分データIG2を抽出した。
【0047】
G2(i,j)=IG1(i,j)−IGL(i,j) (6)
この粒状画像データIG2も上記原画像データI0 と同様にコンピュータのメモリに記憶させる。
【0048】
そして、粒状を重畳した画像データI1 を作成するためには、下記の式(7)に示すように、加えたい粒状画像データIG2に粒状の濃度変動を調節する係数αを掛けて原画像データI0 に加算する。本実施例ではαの値は1.0としたが、重畳したい粒状の粗さに応じて0.2〜5.0程度の範囲で他の値を用いてもよい。
【0049】
1 (i,j)=I0 (i,j)+αIG1(i,j) (7)
このようにして銀塩写真状の粒状を重畳したデジタル画像データから、富士写真フイルム(株)製の熱現像型カラー画像出力装置Pictrography 3000 を用いてプリントとして出力した。出力時の解像度は267dpiを用いたため、画像数1280×1000の画像データからのプリントの大きさは121mm×95mmとなった。プリント画像には銀塩写真風の粒状が見られ、デジタル画像特有の無粒状の画像ではなく、心地よい粒状のある画像が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による画像処理方法および装置を適用した画像再生システムの構成を示す概略図
【図2】粒状パターンを求める装置の構成を示す概略図
【図3】粒状パターンの濃度プロファイルを示す図
【図4】疑似色素雲濃度パターンの濃度プロファイルを示す図
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
2 記憶媒体
3 読出手段
4 メモリ
5 画像処理手段
6 デジタルプリンタ
11 フイルムスキャナ
12 バッファ
13 平滑化手段
14 減算手段
15 画像処理手段
O デジタル画像データ
L 平滑化データ
G 減算粒状データ
G 粒状データ

Claims (6)

  1. デジタル画像データに銀塩写真状粒状パターンを表す粒状パターンデータを重畳させる画像処理方法において、
    前記粒状パターンデータを、均一露光されたカラーフイルムから該均一露光画像を表す均一画像データを得、
    該均一画像データの粒状を平滑化することにより平滑化画像データを得、
    前記均一画像データから前記平滑化画像データを減算して減算画像データを得、
    該減算画像データに対して所定の画像処理を施すことにより算出することを特徴とする画像処理方法。
  2. デジタル画像データに銀塩写真状粒状パターンを表す粒状パターンデータを重畳させる画像処理方法において、
    前記粒状パターンデータを、疑似色素雲濃度パターンを算出し、
    該疑似色素雲濃度パターンを前記デジタル画像データにより表される画像のサイズに応じてランダムな位置または所定間隔にて複数配置することにより算出することを特徴とする画像処理方法。
  3. 前記粒状パターンデータに粒状の粗さを変更する所定の重み付けをして前記デジタル画像データに重畳することを特徴とする請求項1または2記載の画像処理方法。
  4. デジタル画像データに対して銀塩写真状粒状パターンを表す粒状パターンデータを重畳させる重畳手段を備えた画像処理装置において、
    前記粒状パターンデータを算出する算出手段をさらに備え、
    該算出手段は、均一露光されたカラーフイルムから該均一露光画像を表す均一画像データを得る手段と、
    該均一画像データの粒状を平滑化することにより平滑化画像データを得る手段と、
    前記均一画像データから前記平滑化画像データを減算して減算画像データを得る手段と、
    該減算画像データに対して所定の画像処理を施す手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  5. デジタル画像データに対して銀塩写真状粒状パターンを表す粒状パターンデータを重畳させる重畳手段を備えた画像処理装置において、
    前記粒状パターンデータを算出する算出手段をさらに備え、
    該算出手段は、疑似色素雲濃度パターンを算出する手段と、
    該疑似色素雲濃度パターンを前記デジタル画像データにより表される画像のサイズに応じてランダムな位置または所定間隔にて複数配置する手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  6. 前記粒状パターンデータに粒状の粗さを変更する所定の重み付けを行う重み付け手段をさらに備え、
    前記重畳手段は、前記重み付け手段により重み付けされた粒状パターンデータを前記デジタル画像データに重畳する手段であることを特徴とする請求項4または5記載の画像処理装置。
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