JP3908082B2 - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や車両の操舵系にモータによるアシスト力を付与する電動パワーステアリング制御装置に係り、詳しくは、車両盗難の防止機能を備えた電動パワーステアリング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から種々の車両盗難防止装置が提案されている。
例えば、エンジンの不正始動を検出する不正始動検出センサを設け、この不正始動検出センサの検出に基づいて、アラーム等により警告を発するようにしたものが提案されている。
【0003】
又、車両盗難防止装置としてイモビライザユニットを車両に搭載し、同イモビライザユニットがキーシリンダに差し込まれたキーのトランスポンダとの間でID照合を行い、照合が成立しなければエンジンコントロールユニットにエンジン始動許可を与えないようにしたものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の場合、不正始動検出センサの検出により、アラームが作動しても、エンジンが始動してしまった場合には、走行が可能であるため、盗難を防止できない問題がある。
【0005】
又、後者の場合、キーのID照合の成立により、イモビライザがエンジンコントロールユニットにエンジン始動許可を与える車両盗難防止装置の場合、下記の問題がある。例えば、エンジンコントロールユニットに組み込まれた論理回路の故障や、或いは誤判断が発生すると、キーのID照合が不成立であってもエンジン始動を許可してしまうことがあり得る。このような場合には、車両の不正な移動を可能にしてしまうことが起こり得る。
【0006】
このように、従来は、エンジンが一旦始動されてしまった後には、車両の盗難を防止することには難しい問題があった。
ところで、従来から、モータの回転力を利用して、ステアリングホイールの操作を補助する電動パワーステアリング制御装置が用いられている。
【0007】
本発明の目的は、電動パワーステアリング制御装置が備えている機能を利用して、不正始動があった際に、操舵が著しく困難になるようにして盗難防止を図ることができる電動パワーステアリング制御装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、少なくともステアリングホイールの操舵トルクに基づいてアシスト電流指令値を演算し、前記アシスト電流指令値に基づいてモータ制御信号を出力して、アシスト力を出力するようにモータをアシスト制御する制御手段と、前記制御手段のモータ制御信号により、前記モータを駆動するモータ駆動手段とを備えた電動パワーステアリング制御装置において、前記モータは、モータ角度を検出するモータ角度検出手段を備えたブラシレスモータから構成され、車両の不正始動を検出する不正始動検出手段を備え、前記制御手段は、前記不正始動検出手段の不正始動検出時に、前記モータ角度検出手段の検出したモータ角度とは異なる不正始動検出時対応モータ角度を基に前記アシスト電流指令値に基づいてモータ制御信号を出力して、モータトルクを出力するようにモータをアシスト制御することを特徴とする電動パワーステアリング制御装置を要旨とするものである。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1において、前記不正始動検出時対応モータ角度は、固定値であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1において、時間の経過に応じて変動する変動角度を発生する変動角度発生手段を備え、前記不正始動検出時対応モータ角度は、前記モータ角度検出手段の検出したモータ角度に対して前記変動角度を加算した加算値であることを特徴とする。
【0018】
請求項4の発明は、請求項1において、前記不正始動検出時対応モータ角度は、前記モータ角度検出手段の検出したモータ角度に対して、90度より大きく270度未満の値を加算した加算値であることを特徴とする。
【0019】
なお、本明細書において、始動とは、エンジン(内燃機関)搭載車両のエンジンの始動のみを意味するものではない。例えば、電動モータを走行駆動源とした電気車や、エンジンと電動モータを備えたハイブリッド車両において、電動モータが電力を供給可能で走行可能となった状態をいう。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した電動パワーステアリング装置の実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0021】
図1は、電動パワーステアリング装置の制御装置の概略を示す。
ステアリングホイール1に連結したステアリングシャフト2には、トーションバー3が設けられている。このトーションバー3には、トルクセンサ4が装着されている。そして、ステアリングシャフト2が回転してトーションバー3に力が加わると、加わった力に応じてトーションバー3が捩れ、その捩れ、即ちステアリングホイール1にかかる操舵トルクτをトルクセンサ4が検出している。
【0022】
トルクセンサ4は操舵トルク検出手段を構成している。
又、ステアリングシャフト2にはピニオンシャフト8が固着されている。ピニオンシャフト8の先端には、ピニオン9が固着されるとともに、このピニオン9はラック10と噛合している。前記ラック10とピニオン9とによりラック&ピニオン機構が構成されている。前記ラック10の両端には、タイロッド12が固設されており、そのタイロッド12の先端部にはナックル13が回動可能に連結されている。このナックル13には、タイヤとしての前輪14が固着されている。又、ナックル13の一端は、クロスメンバ15に回動可能に連結されている。
【0023】
又、ラック10と同軸的に配置された電動モータ(以下、モータ6という)は、三相同期式永久磁石モータで構成したブラシレスモータにて構成されている。モータ6はモータ6が発生した補助操舵力(アシスト力)をボールナット機構6aを介してラック10に伝達する。
【0024】
従って、モータ6が回転すると、その回転数はボールナット機構6aによって減少されてラック10に伝達される。そして、ラック10は、タイロッド12を介してナックル13に設けられた前輪14の向きを変更して車両の進行方向を変えることができる。
【0025】
又、モータ6には、同モータ6の回転角(モータ角度)を検出するためのロータリエンコーダにより構成された回転角センサ30が組み付けられている(図2参照)。回転角センサ30は、モータ6の回転子の回転に応じてπ/2ずつ位相の異なる2相パルス列信号と基準回転位置を表す零相パルス列信号を出力する。
【0026】
前輪14には、車速センサ16が設けられている。
次に、この電動パワーステアリング制御装置(以下、制御装置20という)の電気的構成を示す。
【0027】
トルクセンサ4は、ステアリングホイール1の操舵トルクτに応じた電圧を出力している。車速センサ16は、その時の車速を前輪14の回転数に相対する周期のパルス信号として出力する。
【0028】
制御装置20は、中央処理装置(CPU21)、読み出し専用メモリ(ROM22)及びデータを一時記憶する読み出し及び書き込み専用メモリ(RAM23)を備えている。このROM22には、CPU21による演算処理を行わせるための制御プログラムが格納されている。RAM23は、CPU21が演算処理を行うときの演算処理結果等を一時記憶する。
【0029】
本実施形態では、CPU21は、制御手段、無効化手段、遮断制御手段に相当する。
ROM22は、図示しない基本アシストマップが格納されている。基本アシストマップは、操舵トルクτ(回動トルク)に対応し、かつ車速に応じた基本アシスト電流を求めるためのものであり、操舵トルクτに対する基本アシスト電流が記憶されている。
【0030】
この制御装置20が、三相同期式永久磁石モータを駆動制御する機能は公知の構成であるため、簡単に説明する。
図3は、前記CPU21内部において、プログラムで実行される機能を示す制御ブロック図である。同制御ブロック図で図示されている各部は、独立したハードウエアを示すものではなく、CPU21で実行される機能を示している。
【0031】
CPU21は、指令トルクτ*を計算するための基本アシスト力演算部51、戻し力演算部52及び加算部53を備える。基本アシスト力演算部51は、トルクセンサ4からの操舵トルクτ及び車速センサ16によって検出された車速Vを入力し、操舵トルクτの増加にしたがって増加するとともに車速Vの増加にしたがって減少するアシストトルク(アシスト力ともいう)を計算する。
【0032】
戻し力演算部52は、車速Vと共にモータ6の回転子の電気角θ(回転角に相当)及び角速度ωを入力し、これらの入力値に基づいてステアリングシャフト2の基本位置への復帰力及びステアリングシャフト2の回転に対する抵抗力に対応した戻しトルクを計算する。加算部53は、アシストトルクと戻しトルクを加算することにより指令トルクτ*を計算し、指令電流設定部54に出力する。
【0033】
指令電流設定部54は、指令トルクτ*に基づいて、2相のd軸指令電流Id*,q軸指令電流Iq*(アシスト電流指令値)を計算する。両指令電流は、モータ6の回転子上の永久磁石が作り出す回転磁束と同期した回転座標系において、永久磁石の磁束の方向と同一方向のd軸及びこれに直交したq軸にそれぞれ対応する。
【0034】
d軸指令電流Id*,q軸指令電流Iq*は減算器55,56に供給される。減算器55,56は、d軸指令電流Id*,q軸指令電流Iq*と、d軸電流Id及びq軸電流Iqとのそれぞれの差分値ΔId,ΔIqを演算し、その結果をPI制御部(比例積分制御部)57,58に供給する。
【0035】
PI制御部57,58は、差分値ΔId,ΔIqに基づきd軸電流Id及びq軸電流Iqがd軸指令電流Id*,q軸指令電流Iq*に追従するようにd軸指令電圧Vd*及びq軸指令電圧Vq*をそれぞれ計算する。
【0036】
d軸指令電圧Vd*及びq軸指令電圧Vq*は、非干渉制御補正値演算部63及び減算器59,60により、d軸補正指令電圧Vd**及びq軸補正指令電圧Vq**に補正されて2相/3相座標変換部61に供給される。
【0037】
非干渉制御補正値演算部63は、d軸電流Id及びq軸電流Iq及びモータ6の回転子の角速度ωに基づいて、d軸指令電圧Vd*及びq軸指令電圧Vq*のための非干渉制御補正値 ω・La・Iq,−ω・(φa+La・Id)を計算する。なお、インダクタンスLa、及び磁束φaは、予め決められた定数である。
【0038】
減算器59,60は、d軸指令電圧Vd*及びq軸指令電圧Vq*から前記非干渉制御補正値をそれぞれ減算することにより、d軸補正指令電圧Vd**及びq軸補正指令電圧Vq**を算出して、2相/3相座標変換部61に出力する。2相/3相座標変換部61は、d軸補正指令電圧Vd**及びq軸補正指令電圧Vq**を3相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*に変換して、同変換した3相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*をPWM制御部62に出力する。
【0039】
PWM制御部62は、この3相指令電圧Vu*,Vv*,Vw*に対応したPWM制御信号UU,VU,WU(PWM波信号及びモータ6の回転方向を表す信号を含む)に変換し、インバータ回路であるモータ駆動装置35に出力する。
【0040】
PWM制御信号UU,VU,WUはモータ制御信号に相当する。モータ駆動装置35は、モータ駆動手段に相当する。
モータ駆動装置35は、図2に示すようにFET(Field-Effect Transistor) 81U,82Uの直列回路と、FET81V,82Vの直列回路と、FET81W,82Wの直列回路とを並列に接続して構成されている。そして、FET81U,82U間の接続点83Uがモータ6のU相巻線に接続され、FET81V,82V間の接続点83Vがモータ6のV相巻線に接続され、FET81W,82W間の接続点83Wがモータ6のW相巻線に接続されている。
【0041】
FET81U,82U、FET81V,82V及びFET81W,82Wには、それぞれPWM制御部62からPWM制御信号UU,VU,WU(各相のPWM制御信号にはPWM波信号及びモータ6の回転方向を表す信号を含む)が入力される。
【0042】
モータ駆動装置35は、PWM制御信号UU,VU,WUに対応した3相の励磁電流を発生して、3相の励磁電流路を介してモータ6にそれぞれ供給する。
又、リレー100は直流電源としての車載バッテリ(バッテリB)とモータ駆動装置35間の電力供給回路に設けられ、CPU21からの遮断信号により、バッテリBから、モータ駆動装置35への電力供給を停止可能にされている。
【0043】
リレー100は、遮断手段に相当する。
3相の励磁電流路のうちの2つには電流センサ71,72が設けられ、各電流センサ71,72は、モータ6に対する3相の励磁電流Iu,Iv,Iwのうちの2つの励磁電流Iu,Ivを検出して図3に示す3相/2相座標変換部73に出力する。
【0044】
なお、3相/2相座標変換部73には、演算器74にて励磁電流Iu,Ivに基づいて計算された励磁電流Iwが入力される。3相/2相座標変換部73は、これらの励磁電流Iu,Iv,Iwを2相のd軸電流Id及びq軸電流Iqに変換し、減算器55,56、非干渉制御補正値演算部63に入力する。
【0045】
又、回転角センサ30からの2相パルス列信号及び零相パルス列信号は、所定のサンプリング周期で電気角変換部64に連続的に供給されている。電気角変換部64は、前記各パルス列信号に基づいてモータ6における回転子の固定子に対する電気角θ(モータの回転角、すなわち、モータ角度)を演算し、演算された電気角θを角速度変換部65に入力する。角速度変換部65は、電気角θを微分して回転子の固定子に対する角速度ωを演算する。角速度ωは、正により回転子の正方向の回転を表し、負により回転子の負方向の回転を表している。
【0046】
次に不正始動検出手段としての不正始動検出装置190について説明する。
図1に示すようにキー200には、このキー固有の暗証コードを格納するメモリ(図示しない)を備えており、このキー200が差し込まれる車両側のキーシリンダ210には、前記キー200の暗証コードを読み取る読取装置(図示しない)が設けられている。この読取装置で読み取られた暗証コードは、コード照合装置220に入力される。前記暗証コードはコード照合装置220に内蔵されたマイクロコンピュータ(図示しない)のメモリ(図示しない)に格納されている暗証コードと照合され、キーシリンダ210に差し込まれたキー200が正規のキーであるか否かが判定される。このとき、正規のキーでなければ、車両盗難と判定され、不正始動信号がCPU21に入力される。この不正始動信号の入力は、不正のキーがキーシリンダ210に差し込まれている状態では、コード照合装置220から継続して入力される。
【0047】
前記キー200をキーシリンダ210に差し込んで回動操作(エンジン始動操作)すると、イグニッションスイッチIGSとスタータスイッチSSとが順次オンする。
【0048】
イグニッションスイッチIGSのオンにより、コード照合装置220,図示しないエンジン制御装置,点火装置及び燃料噴射装置(ともに図示しない)にバッテリBの電力が供給され、また、スタータスイッチSSのオンによりスタータ230にバッテリBの電力が供給されて、エンジンが始動される。
【0049】
キーシリンダ210、コード照合装置220とにより、不正始動検出装置190が構成されている。
(第1実施形態の作用)
次に、第1実施形態の作用を説明する。
【0050】
図4はROM22に格納された不正始動検出時の盗難防止プログラムであって、キー200が、キーシリンダ210に差し込まれ、CPU21にコード照合装置220から信号が入力されたときに、所定周期で実行する。
【0051】
S10において、入力された信号が、不正始動信号か否かを判定する。不正始動信号でないときには、このプログラムを一旦終了する。
又、不正始動信号であるときには、S20において、不正始動対応処置をCPU21は実行し、この処理を一旦終了する。
【0052】
第1実施形態での不正始動対応処置について説明する。
第1実施の形態では、CPU21はリレー100に遮断信号を出力する。この結果、リレー100がCPU21からの遮断信号により、バッテリBから、モータ駆動装置35への電力供給を停止する。
【0053】
このモータ駆動装置35への電力供給が停止されることにより、電動パワーステアリング制御装置ではアシスト制御ができなくなり、マニュアル操舵のみ可能となる。
【0054】
マニュアル操舵では、運転者のステアリングホイール1の操舵力が増加することになり、操舵が著しく困難となる。車両重量が重い車両では、特に操舵力が必要となり、一般的に、高級車では、車両重量が重いため、車両盗難防止機能が効果的に発揮できる。
【0055】
第1実施形態によれば、以下のような特徴がある。
(1) 第1実施形態の電動パワーステアリング制御装置のCPU21(制御手段)は、ステアリングホイール1の操舵トルクτ及び車速Vに基づいてq軸指令電流Iq*(アシスト電流指令値)を演算するようにした。そしてCPU21は、q軸指令電流Iq*等に基づいてPWM制御信号UU,VU,WU(モータ制御信号)を出力して、補助操舵力(アシスト力)を出力するようにモータ6をアシスト制御するようにした。又、モータ駆動装置35はCPU21のPWM制御信号UU,VU,WUにより、モータ6を駆動するようにした。
【0056】
そして、不正始動検出装置190(不正始動検出手段)の不正始動検出時に、CPU21は無効化手段としてアシスト制御を無効化し、モータ6のアシスト力を0にするようにした。
【0057】
この結果、アシスト制御による補助操舵力(アシスト力)がモータ6に発生しないため、マニュアル操舵となり、運転者のステアリングホイール1の操舵力が増加し、操舵を著しく困難とすることができる。
【0058】
この結果、車両盗難の意欲を減退でき、車両盗難防止を行うことができる。
(2) 第1実施形態の電動パワーステアリング制御装置では、CPU21は、不正始動検出装置190(不正始動検出手段)の不正始動検出時に、モータ駆動装置35に電力供給を行う電力供給回路を遮断する遮断制御手段としている。
【0059】
この結果、CPU21がリレー100を遮断制御してモータ駆動装置35への電力供給を遮断することにより、上記(1)の作用効果を容易に実現できる。
なお、第1実施形態におけるS20の「不正始動対応処置」として、リレー100を遮断制御する代わりに、下記のようにしてもよい。
【0060】
(A) S20の「不正始動対応処置」として、CPU21はq軸指令電流Iq*を0A(アンペア)に制御すること。
こうすると、上記(1)と同様の効果を奏することができる。
【0061】
又、このようにすると、不正始動検出装置190の不正始動検出時に、結果的にモータ駆動装置35へのPWM制御信号UU,VU,WU(モータ制御信号)の出力がなくなりアシスト制御を無効化することができる。
【0062】
(B) S20の「不正始動対応処置」として、CPU21はPWM制御部62において、PWM制御信号UU,VU,WU(モータ制御信号)を出力停止すること。この場合においても、上記(A)と同様の効果を奏する。
【0063】
(C) S20の「不正始動対応処置」として、CPU21はPWM制御部62においては、PWM制御信号UU,VU,WU(モータ制御信号)のデューティ比を50%の固定制御を行うこと。
【0064】
すなわち、FET81U,81V,81Wと、FET82U,82V,82Wとを相反してデューティ比50%で駆動する。
こうすると、モータ6の各相のコイルには、ロータを起動させるだけの交流電力が供給されないため、ロータは停止状態を保持する。
【0065】
この結果、モータ6が回転しないため、モータ6でのアシスト力を0とすることができ、第1実施形態の(1)の作用効果を実現することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図1〜図4を参照して説明する。
【0066】
なお、第2実施形態を含め、以後説明する実施形態では、他の実施形態と異なるところを中心に説明する。
第2実施形態では第1実施形態とは、図4のS20での「不正始動対応処置」での処理が異なっている。
【0067】
第2実施形態では、CPU21は不正始動信号が入力されていると判定すると(S10で「YES」)、S20において、指令電流設定部54において、q軸指令電流Iq*を算出する。そして、CPU21は操舵回転方向を操舵トルクτの符号から判定し、操舵トルクτの符号とは反対となるように、算出したq軸指令電流Iq*の符号(極性)を反転させて、減算器56を介してPI制御部58に入力するようにしている。すなわち、
この結果、ステアリングホイール1の操舵回転方向とは、逆方向にモータ6にトルクが発生する。なお、第2実施形態及びその変形の実施形態では、操舵回転方向と逆方向に働くモータ6のトルクを逆トルクという。
【0068】
第2実施形態では、CPU21は、制御手段、逆トルク発生制御手段に相当する。
この結果、第2実施形態では、マニュアル操舵するのに必要な操舵力に加えて、モータ6が発生する逆トルクに打ち勝つだけの操舵力が必要となり、第1実施形態に比較して、操舵が著しく困難となる。
【0069】
この結果、第1実施形態よりもさらに車両盗難の意欲を減退でき、車両盗難防止を行うことができる。
第2実施形態によれば、以下のような特徴がある。
【0070】
(1) 第2実施形態での制御装置20は、不正始動検出装置190(不正始動検出手段)の不正始動検出時に、CPU21を、操舵回転方向とは逆方向にトルクを発生するようにモータ6を制御する逆トルク発生制御手段として構成している。
【0071】
この結果、マニュアル操舵するのに必要な操舵力に加えて、モータ6が発生する逆トルクに打ち勝つだけの操舵力が必要となり、第1実施形態に比較して、さらに操舵を著しく困難にすることができる。
【0072】
(2) 第2実施形態では、CPU21は、不正始動検出されると、q軸指令電流Iq*(アシスト電流指令値)の符号(極性)を反転させることにより操舵回転方向とは逆方向にトルクを発生するようにモータを制御する。
【0073】
この結果、容易に、上記(1)の作用効果を実現することができる。
なお、第2実施形態の構成を下記のように変更してもよい。
(A) S20において、q軸指令電流Iq*の符号(極性)を反転する代わりに、基本アシスト力演算部51において、基本アシストマップの代わりに、操舵トルクτ(回動トルク)とは逆方向へアシスト力(逆トルク)を加える不正始動時用アシストマップを参照する。
【0074】
この不正始動時用アシストマップは、操舵トルクτ(回動トルク)に対応し、かつ車速に応じて、通常のアシスト電流とは逆符号となるアシスト電流(逆アシスト電流という)を演算するためのものであり、操舵トルクτに対する逆アシスト電流が記憶されている。なお、不正始動時用アシストマップはROM22(記憶手段)に予め記憶されている。
【0075】
こうすると、CPU21(逆トルク発生制御手段)は、不正始動時に、ステアリングホイール1の操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、正常始動時の操舵トルクとは逆極性(反対の符号)のq軸指令電流Iq*(アシスト電流指令値)を演算する。この結果、操舵回転方向とは逆方向にトルクを発生するようにモータ6を制御することができ、容易に上記(1)の作用効果を実現することができる。
【0076】
(B) 第2実施形態では、操舵トルクτの符号により、操舵回転方向を判定したが、ステアリングホイール1に、操舵回転方向を検出するための操舵回転方向センサ(操舵回転方向検出手段)を設け、このセンサからCPU21に入力した検出信号に基づいて、CPU21が操舵回転方向を判定しても良い。
【0077】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を図1〜図4を参照して説明する。
第3実施形態では、S20における「不正始動対応処置」は、モータ6を発電制動するように制御するところが第1実施形態と異なっている。
【0078】
第3実施形態でのCPU21は、制御手段、発電制動制御手段に相当する。
具体的には、CPU21は、リレー100に遮断信号を出力してリレー100を遮断する。又、CPU21は、発電制動制御信号をモータ駆動装置35の各FETに出力し、FET81U,81V,81Wをオフ制御し、FET82U,82V,82Wのうち、少なくとも2つのFETをオン制御して、少なくとも1つの閉回路を形成する。なお、オン制御は全オンでもPWM制御でもよい。
【0079】
発電制動制御信号とは、例えば、FET81U,81V,81Wをオフ制御すとももに、FET82U、FET82Wをともにオン制御し、両FET、及び接続点83U、83Wを含む1つの閉回路を形成する信号である。
【0080】
又、発電制動制御信号として、FET81U,81V,81Wをオフ制御し、FET82U、82Vをオン制御する信号でもよい。又、発電制動制御信号として、FET81U,81V,81Wをオフ制御し、FET82V、82Wをオン制御する信号でもよい。又、発電制動制御信号として、FET81U,81V,81Wをオフ制御し、FET82U、82V、82Wをオン制御する信号でもよい。この場合には、FET82U、82W、及び接続点83U、83Wを含む閉回路、FET82U、82V、及び接続点83U、83Vを含む閉回路、FET82V、82W、及び接続点83V、83Wを含む閉回路の3つの閉回路が形成される。
【0081】
このように、少なくとも1つの閉回路を形成しているとき、ステアリングホイール1を操舵すると、モータ6が発電機となり、前記閉回路は電流の流れる経路となる。
【0082】
この結果、モータ6が発電制動することになり、モータ6が負荷となって、マニュアル操舵時の操舵力以上の操舵力が必要となる。
すなわち、第3実施形態では、マニュアル操舵するのに必要な操舵力に加えて、発電制動しているモータ6の負荷に打ち勝つだけの操舵力が必要となり、第1実施形態に比較して、操舵が著しく困難となる効果がある。
【0083】
第3実施形態は、下記の特徴がある。
(1) 第3実施形態では、不正始動検出時に、CPU21をモータ駆動装置35(モータ駆動手段)に発電制動制御信号を出力し、モータ駆動装置35を介してモータ6を発電制動する発電制動制御手段としている。
【0084】
この結果、不正始動賢治には、モータ6の発電制動により、モータ6が負荷となって、マニュアル操舵以上の操舵力が必要となり、盗難防止を図ることができる。
【0085】
なお、第3実施形態の構成を下記のように変更してもよい。
○ 第3実施形態では、CPU21は、リレー100に遮断信号を出力した。これに代えて、CPU21はリレー100に遮断信号を出力しないで、発電制動制御信号をモータ駆動装置35の各FETに出力し、FET81U,81V,81Wをオフ制御し、FET82U,82V,82Wのうち、少なくとも2つのFETをオン制御して、少なくとも1つの閉回路を形成するようにしてもよい。なお、オン制御は全オンでもPWM制御でもよい。
【0086】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態を図1、図2、図4〜図7を参照して説明する。図5はCPU21の機能ブロック図である。
【0087】
第4実施形態では、S20における「不正始動対応処置」では、回転角センサ30が検出するとともに、電気角変換部64で演算した電気角θ(モータ角度)を無視し、CPU21は、固定値θ0を電気角θとしてモータ6をアシスト制御する。固定値θ0は、モータ角度と異なる不正始動検出時対応モータ角度に相当する。
【0088】
又、第4実施形態のCPU21は、制御手段に相当する。
図5においては、固定値θ0は予めROM22(記憶手段)に格納されている。
【0089】
そして、CPU21は不正始動信号が入力されていると判定すると、この固定値θ0を3相/2相座標変換部73、2相/3相座標変換部61、及び角速度変換部65に出力する。
【0090】
CPU21は、この固定値θ0を基に、アシスト制御を行う。
この結果、実際のモータ角度(電気角θ)が固定値θ0と等しい場合には、モータ6から発生するアシスト力は、正常となる。しかし、ステアリングホイール1の操舵により、実際のモータ角度(電気角θ)が固定値θ0からずれてくると、アシスト力が低下し、±90度ずれると、アシスト力は0となる。さらに、±90度を越えると、モータ6のアシスト力(モータトルク)が操舵トルクτの逆方向に加わる。なお、本明細書では、アシスト力は、ステアリングホイール1の操舵回転方向と同じ方向に働く場合及び逆方向に働く場合も意味している。
【0091】
固定値θ0を使用しない正常の場合のアシスト力をTとし、実際のモータ角度(電気角)をθとし、固定値をθ0とすると、実際にステアリングホイール1に加わるアシスト力T’は、下記の通りとなる。
【0092】
T’=T×cos(θ−θ0)
なお、T’とTとの符号が異なるときは、操舵回転方向と逆向きにトルクが加わることを意味している。
【0093】
実際のモータ角度(電気角θ)が固定値θ0より±90度以上ずれると、
cos(θ−θ0)<0
となり、操舵回転方向と逆向きに加わるため、マニュアル操舵に必要な操舵力に加え、モータ6の発生するモータトルクに打ち勝つだけの操舵力も必要となり、±90度を越えて操舵することは著しく困難となる。
【0094】
図6は、ある回転方向へステアリングホイール1を操舵した場合の実測したモータ角度(電気角θ)と、制御で使用する固定値θ0(図6の例では、θ0=0としている。)を表した図である。同図において、縦軸を角度とし、横軸を時間としている。
【0095】
図7は、図6で示すように実測のモータ角度(電気角θ)が変化した場合、正常始動の場合と、不正始動の場合における、本実施形態でのq軸電流Iqを示している。なお、正常始動の場合、q軸電流Iqが一定となる電流制御でCPU21は行っているため、q軸電流Iqは一定である。
【0096】
前記モータ角度は電気角θであるため、ステアリングホイール1の機械角に換算すると、数度のオーダ(電気角360度をステアリングホイール1の機械角に換算すると、6〜9度位であるため、ここでの数度のオーダとは、3〜5度程度である。)であり、ステアリングホイール1は事実上、ロック状態となる。
【0097】
第4実施形態では以下のような特徴がある。
(1) 第4実施形態では、モータ6は、モータ角度を検出する回転角センサ30(モータ角度検出手段)を備えたブラシレスモータから構成されるとともに、車両の不正始動を検出する不正始動検出装置190(不正始動検出手段)を備えている。
【0098】
そして、CPU21(制御手段)は不正始動検出時に、固定値θ0を基にq軸指令電流Iq*(アシスト電流指令値)に基づいてPWM制御信号UU,VU,WU(モータ制御信号)を出力して、モータトルクを出力するようにモータ6をアシスト制御するようにした。
【0099】
このため、ステアリングホイール1の操舵により、実際のモータ角度(電気角θ)が固定値θ0からずれるに従ってアシスト力が低下し、±90度ずれると、アシスト力は0となる。さらに、±90度を越えると、モータ6のアシスト力(モータトルク)が操舵トルクτの逆方向に加わる。
【0100】
従って、操舵回転方向と逆向きに加わると、マニュアル操舵に必要な操舵力に加え、モータ6の発生するモータトルクに打ち勝つだけの操舵力も必要となり、±90度を越えて操舵することは著しく困難となる。
【0101】
この結果、車両盗難の意欲を減退でき、車両盗難防止を行うことができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態を図1、図2、図4、図8〜図10を参照して説明する。
【0102】
図8は、CPU21の機能ブロック図である。同図に示すように、CPU21は、変動角度発生部110を備えている。変動角度発生部110は、制御プログラムにて時間の経過とともに、所定周期で値(角度相当値)が山形(例えばsinカーブ)に変化するようにされている。
【0103】
第5実施形態でのCPU21は、制御手段、変動角度発生手段に相当する。
第5実施形態では、第4実施形態とは、図4のS20での「不正始動対応処置」での処理が異なっており、ハード構成は第4実施形態と同一構成である。
【0104】
すなわち、第5実施形態は、S20における「不正始動対応処置」では、CPU21は電気角変換部64で演算した電気角θ(モータ角度)に対して、変動角度発生部110で発生した変動角度θ1を加算する。この加算値(θ+θ1)は、モータ角度とは異なる不正始動検出時対応モータ角度に相当する。
【0105】
そして、S10において、CPU21は不正始動信号が入力されていると判定すると、S20において、加算値(θ+θ1)を3相/2相座標変換部73、2相/3相座標変換部61及び角速度変換部65に出力する。
【0106】
CPU21は、この加算値(θ+θ1)を基に、アシスト制御を行う。
この結果、あるモータ角度(電気角θ)でのアシスト力をTとし、変動角度をθ1とすると、不正始動時には、モータ6は、 T’=Tcosθ1 のアシスト力を発生する。そして、変動角度θ1が変動するため、モータ6に発生するモータトルクが変動し、その結果、アシスト力が増加減し、操舵が著しく困難になる。
【0107】
図9は、ある回転方向へステアリングホイール1を操舵した場合の実測したモータ角度(電気角θ)と、制御で使用する制御値である加算値(θ+θ1)と、変動角度θ1を表した図である。同図において、縦軸を角度とし、横軸を時間としている。
【0108】
図10は、図9で示すように実測のモータ角度(電気角θ)が変化した場合、正常始動の場合と、不正始動の場合における、本実施形態でのq軸電流Iqを示している。なお、正常始動の場合、q軸電流Iqが一定となる電流制御でCPU21は行っているため、q軸電流Iqは一定である。
【0109】
第5実施形態では以下のような特徴がある。
(1) 第5実施形態では、CPU21(変動角度発生手段)は、時間の経過に応じて変動する変動角度θ1を発生する変動角度発生部110として機能する。
【0110】
そして、不正始動検出装置190の不正始動検出時には、モータ角度(電気角θ)に対して変動角度θ1を加算した加算値(θ+θ1)(不正始動検出時対応モータ角度)を基にq軸指令電流Iq*に基づいてPWM制御信号UU,VU,WUを出力して、モータトルクを出力するようにモータ6をアシスト制御した。
【0111】
この結果、変動角度θ1が変動するため、モータ6に発生するモータトルクが変動し、その結果、アシスト力が増加減少し、操舵が著しく困難になる。
この結果、車両盗難の意欲を減退でき、車両盗難防止を行うことができる。
【0112】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態を図1、図2、図4、図11〜図13を参照して説明する。
【0113】
図11は、CPU21の機能ブロック図である。
第6実施形態は、第4実施形態とは、図4のS20での「不正始動対応処置」での処理が異なっている。
【0114】
すなわち、第6実施形態は、S20における「不正始動対応処置」では、CPU21は電気角変換部64で演算した電気角θ(モータ角度)に対して、固定値θ2(90°<θ2<270°)を加算する。この加算値(θ+θ2)は、モータ角度とは異なる不正始動検出時対応モータ角度に相当する。
【0115】
そして、S10において、CPU21は不正始動信号が入力されていると判定すると、S20において、加算値(θ+θ2)を3相/2相座標変換部73、2相/3相座標変換部61及び角速度変換部65に出力する。
【0116】
CPU21は、この加算値(θ+θ2)を基に、アシスト制御を行う。
このアシスト制御により、実際のモータ角度(電気角θ)に対して、アシスト制御で使用するモータ角度(加算値(θ+θ2))は90°より大きく270°未満ずれているため、操舵回転方向に対して逆方向にモータ6のモータトルクが加わる。
【0117】
なお、前記第4実施形態では、ステアリングホイール1の操舵角度が数度の範囲では操舵回転方向と同方向のアシスト力が働くが、第6実施形態では、常に操舵回転方向とは逆方向にモータ6の発生するトルクが加わり、完全なロック状態となる。その結果、操舵が著しく困難になる。
【0118】
図12は、ある回転方向へステアリングホイール1を操舵した場合の実測したモータ角度(電気角θ)と、制御で使用する制御値である加算値(θ+θ2)と、固定値θ2を表した図である。同図において、縦軸を角度とし、横軸を時間としている。
【0119】
図13は、図12で示すように実測のモータ角度(電気角θ)が変化した場合、正常始動の場合と、不正始動の場合における、本実施形態でのq軸電流Iqを示している。なお、正常始動の場合、q軸電流Iqが一定となる電流制御でCPU21は行っているため、q軸電流Iqは一定である。
【0120】
第6実施形態では以下のような特徴がある。
(1) 第6実施形態では、不正始動検出時には、モータ角度(電気角θ)に対して固定値θ2(90°<θ2<270°)を加算した加算値(θ+θ2)を基にq軸指令電流Iq*に基づいてPWM制御信号UU,VU,WUを出力して、モータトルクを出力するようにモータ6をアシスト制御した。
【0121】
この結果、常に操舵回転方向に対して逆方向にモータ6のモータトルクが加わり、完全なロック状態となり、操舵が著しく困難になる。
この結果、車両盗難の意欲を減退でき、車両盗難防止を行うことができる。
【0122】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 前記各実施形態では、操舵トルクτと、車速Vとを使用した実施形態に代えて、操舵トルクτのみで、モータ制御信号を決定するようにしてもよい。
【0123】
○ 第1実施形態(変形の実施形態を含む)乃至第3実施形態(変形の実施形態を含む)ではモータ6はブラシレスモータとしたが、ブラシ付きモータに具体化してもよい。
【0124】
○ 前記各実施形態において、警告ランプや、警告ブザー等の警告報知手段を設け、不正始動検出装置190が不正始動を検出した際、警告報知手段を作動して、外部に報知するようにしてもよい。こうすると、不正始動が不正始動検出装置190にて検出された際、各実施形態で説明した車両盗難防止機能により、操舵が著しく困難になっている状態で、報知作動されるため、より盗難防止を図ることができる。
【0125】
○ 前記各実施形態では、エンジン(内燃機関)を搭載した車両を前提としているが、例えば、電動モータを走行駆動源とした電気車や、エンジンと電動モータを備えたハイブリッド車両に具体化してもよい。
【0126】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1乃至請求項4の発明は、電動パワーステアリング制御装置が備えている機能を利用して、不正始動があった際に、操舵が著しく困難になるようにして盗難防止を図ることができる効果を奏する。
【0127】
すなわち、エンジンを搭載した車両の場合には、一旦始動が開始されてしまった場合や、電気車の場合、電動モータに電力が供給可能になった場合であっても、電動パワーステアリング制御装置において、ステアリングホイールの操舵が著しく困難にしているため、盗難防止の意欲を減退することにより、盗難防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態〜第3実施形態の電動パワーステアリング制御装置の概略図。
【図2】同じく電動パワーステアリング制御装置の制御ブロックダイヤグラム。
【図3】同じくCPU21の機能ブロック図。
【図4】盗難防止プログラムのフローチャート。
【図5】第4実施形態のCPU21の機能ブロック図。
【図6】第4実施形態のモータ角度(電気角θ)と、制御で使用する固定値θ0を表した説明図。
【図7】第4実施形態の実測のモータ角度(電気角θ)が変化した場合、正常始動の場合と、不正始動の場合における、q軸電流Iqの説明図。
【図8】第5実施形態のCPU21の機能ブロック図。
【図9】第5実施形態のモータ角度(電気角θ)と、制御で使用する固定値θ0を表した説明図。
【図10】第5実施形態の実測のモータ角度(電気角θ)が変化した場合、正常始動の場合と、不正始動の場合における、q軸電流Iqの説明図。
【図11】第6実施形態のCPU21の機能ブロック図。
【図12】第6実施形態のモータ角度(電気角θ)と、制御で使用する固定値θ0を表した説明図。
【図13】第6実施形態の実測のモータ角度(電気角θ)が変化した場合、正常始動の場合と、不正始動の場合における、q軸電流Iqの説明図。
【符号の説明】
1…ステアリングホイール
6…モータ
20…制御装置
21…CPU(制御手段、無効化手段、遮断制御手段、逆トルク発生制御手段、発電制動制御手段、変動角度発生手段)
35…モータ駆動装置(モータ駆動手段)
100…リレー(遮断手段)
110…変動角度発生部
190…不正始動検出装置(不正始動検出手段)
Claims (4)
- 少なくともステアリングホイールの操舵トルクに基づいてアシスト電流指令値を演算し、前記アシスト電流指令値に基づいてモータ制御信号を出力して、アシスト力を出力するようにモータをアシスト制御する制御手段と、前記制御手段のモータ制御信号により、前記モータを駆動するモータ駆動手段とを備えた電動パワーステアリング制御装置において、
前記モータは、モータ角度を検出するモータ角度検出手段を備えたブラシレスモータから構成され、
車両の不正始動を検出する不正始動検出手段を備え、
前記制御手段は、前記不正始動検出手段の不正始動検出時に、前記モータ角度検出手段の検出したモータ角度とは異なる不正始動検出時対応モータ角度を基に前記アシスト電流指令値に基づいてモータ制御信号を出力して、モータトルクを出力するようにモータをアシスト制御することを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。 - 前記不正始動検出時対応モータ角度は、固定値であることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。
- 時間の経過に応じて変動する変動角度を発生する変動角度発生手段を備え、
前記不正始動検出時対応モータ角度は、前記モータ角度検出手段の検出したモータ角度に対して前記変動角度を加算した加算値であることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。 - 前記不正始動検出時対応モータ角度は、前記モータ角度検出手段の検出したモータ角度に対して、90度より大きく270度未満の値を加算した加算値であることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置。
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