JP3905855B2 - 焼却処理方法及び焼却処理設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は焼却処理方法及び焼却処理設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、硫黄成分を含有する被処理物を焼却する方法として、排ガス中の硫黄酸化物を低減するため、焼却炉に供給される被処理物としての汚泥に予め消石灰、生石灰、石灰石を添加する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
2002−130637号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
下水汚泥等の被処理物には一般に窒素成分も多く含まれているため、焼却炉で焼却した際、焼却炉から発生する排ガス中にはNH3、NH2、NH、CN、HCN等が含まれ、CNイオン(シアンイオン、CN-)が存在する。これらCNイオンは極めて強い毒性を有するため、焼却炉から発生した排ガスについて、CNイオン濃度を低減する後段の処理が必要である。後段の処理の負担を軽減するためには、焼却炉から発生する排ガス中のCNイオン濃度を低減することが課題となる。しかしながら、特許文献1には焼却炉から発生するCNイオン濃度の低減については何ら触れられていない。
【0005】
そこで本発明は、上記課題を解決し、焼却炉から発生する排ガス中のCNイオン濃度を適正な濃度に抑えることが可能な焼却処理方法及び焼却処理設備を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため、焼却炉から発生する排ガス中のCNイオン濃度を低減するための手法について鋭意検討した。そして、例えば消石灰、生石灰、石灰石等のカルシウム成分を含むカルシウム系化合物を焼却炉に直接供給することによって被処理物の燃焼により発生する排ガス中のCNイオン濃度を低減できることを見出した。
【0007】
また、焼却炉から発生する排ガスを後段の処理において気―液接触させ、排ガスからCNイオンを取り除くこととしているが、水質汚濁防止法の基準によれば、最終的に河川等に排出する排水中のCNイオン濃度は1ppmにまで低減することが必要である。このためには、さらに後段の排水処理の負担を考慮し、焼却炉から発生する排ガス中のCNイオン濃度は3.5ppm以下、好ましくは2.5ppm以下に抑える必要があることが判った。本発明者らは上記CNイオン濃度を達成すべく、カルシウム系化合物の供給量について検討した。そして、カルシウム系化合物中のカルシウム成分の重量Maと、被処理物中の窒素成分の重量Mbとの比Ma/Mbが0.1以上になるような量のカルシウム系化合物を供給することにより、焼却炉から発生する排ガス中のCNイオン濃度を3.5ppm以下に抑えることが可能であることを見出した。また、Ma/Mbが0.2以上になるような量のカルシウム系化合物を供給することにより、焼却炉から発生する排ガス中のCNイオン濃度を2.5ppm以下に抑えることが可能であることを見出した。
【0008】
しかし、供給するカルシウム系化合物が多くなるに従い、焼却炉から発生する排ガス中の窒素酸化物濃度は増加してしまう。排ガス中の窒素酸化物濃度があまりに多くなれば別途窒素酸化物を抑制する手段(例えば、焼却炉での酸素吹込み量制御による燃焼制御、焼却炉でのアンモニア吹き込みによる排ガス中の窒素酸化物生成の抑制、排ガス処理のための脱硝塔の設置等)が必要となってしまう。本発明者らは、カルシウム系化合物の供給量について検討した。そして、カルシウム系化合物中のカルシウム成分の重量Maと、被処理物中の窒素成分の重量Mbとの比Ma/Mbが0.45以下になるような量のカルシウム系化合物を供給することにより、焼却炉から発生する排ガス中の窒素酸化物濃度を十分低濃度(30ppm以下)に抑えることが可能であり、Ma/Mbが0.45を超えれば排ガス中の窒素酸化物の濃度が急激に増加することを見出した。
【0009】
本発明は以上の知見に基づいてなされたものである。すなわち、本発明の焼却処理方法は、焼却炉で被処理物を燃焼する燃焼ステップと、カルシウム系化合物を焼却炉に供給するカルシウム系化合物供給ステップと、燃焼ステップにより焼却炉から発生する排ガス中のCNイオンの濃度を検出するCN濃度検出ステップと、を備えた焼却処理方法であって、カルシウム系化合物中のカルシウム成分の重量Maと、被処理物中の窒素成分の重量Mbとの比Ma/Mbが0.1〜0.45になるように、CN濃度検出ステップにより検出された濃度に基づいて、カルシウム系化合物の供給量を制御することを特徴とする。
【0010】
上記焼却処理方法では、供給するカルシウム系化合物中のカルシウム成分の重量Maと、被処理物中の窒素成分の重量Mbとの比Ma/Mbが0.1〜0.45になるように制御することにより、焼却炉から発生する排ガス中のCNイオン濃度及び窒素酸化物濃度を双方ともに適正な濃度に抑えることが可能となる。また、上記焼却処理方法では、燃焼ステップにより焼却炉から発生する排ガス中のCNイオンの濃度を検出し、検出した濃度に基づいてカルシウム系化合物の供給量を制御している。よって、上記焼却処理方法によれば、被処理物の量や組成が変動した場合にも適切な量のカルシウム系化合物を供給することができる。
【0015】
また、本発明の焼却処理方法は、焼却炉で被処理物を燃焼する燃焼ステップと、カルシウム系化合物を焼却炉に供給するカルシウム系化合物供給ステップと、燃焼ステップにより焼却炉から発生する排ガス中の窒素酸化物の濃度を検出するNOx濃度検出ステップと、燃焼ステップにより焼却炉から発生する排ガス中のCNイオンの濃度を検出するCN濃度検出ステップと、を備え、NOx濃度検出手段により検出される窒素酸化物の濃度が所定値よりも小さく、かつ、CN濃度検出手段により検出されるCNイオンの濃度が所定値よりも小さくなるようにカルシウム系化合物の供給量を制御することを特徴とする。
【0016】
上記焼却処理方法では、燃焼ステップにより焼却炉から発生する排ガス中の窒素酸化物濃度及びCNイオンの濃度を検出し、制御の目的である窒素酸化物濃度及びCNイオンの濃度を直接フィードバックすることによりカルシウム系化合物の供給量を制御している。よって、上記焼却処理方法によれば、被処理物の量や組成、その他の要因が変動した場合にも適切な量のカルシウム系化合物を供給することができ、焼却炉から発生する排ガス中のCNイオン濃度及び窒素酸化物濃度を双方ともに適正な濃度に抑えることが可能となる。
【0017】
本発明の焼却処理設備は、被処理物を燃焼する焼却炉と、カルシウム系化合物を焼却炉に供給するカルシウム系化合物供給手段と、カルシウム系化合物の供給量を制御する供給量制御手段と、焼却炉から発生する排ガス中のCNイオンの濃度を検出するCN濃度検出手段と、を備え、供給量制御手段は、カルシウム系化合物中のカルシウム成分の重量Maと、被処理物中の窒素成分の重量Mbとの比Ma/Mbが0.1〜0.45になるように、CN濃度検出手段により検出された濃度に基づいて、カルシウム系化合物の供給量を制御することを特徴とする。
【0018】
上記焼却処理設備では、供給するカルシウム系化合物中のカルシウム成分の重量Maと、被処理物中の窒素成分の重量Mbとの比Ma/Mbが0.1〜0.45になるように制御することにより、焼却炉から発生する排ガス中のCNイオン濃度及び窒素酸化物濃度を双方ともに適正な濃度に抑えることが可能となる。また、上記焼却処理設備では、焼却炉から発生する排ガス中のCNイオンの濃度を検出し、検出した濃度に基づいてカルシウム系化合物の供給量を制御している。よって、上記焼却処理設備によれば、被処理物の量や組成が変動した場合にも適切な量のカルシウム系化合物を供給することができる。
【0019】
本発明の焼却処理設備は、被処理物の燃焼により焼却炉から発生する排ガス中の窒素酸化物の濃度を検出するNOx濃度検出手段をさらに備え、供給量制御手段は、NOx濃度検出手段により検出された濃度に基づいて、カルシウム系化合物の供給量を制御することを特徴としてもよい。
【0020】
上記焼却処理設備では、焼却炉から発生する排ガス中の窒素酸化物の濃度を検出し、検出した濃度に基づいてカルシウム系化合物の供給量を制御している。よって、上記焼却処理設備によれば、被処理物の量や組成が変動した場合にも適切な量のカルシウム系化合物を供給することができる。
【0023】
本発明の焼却処理設備は、被処理物を燃焼する焼却炉と、カルシウム系化合物を焼却炉に供給するカルシウム系化合物供給手段と、カルシウム系化合物の供給量を制御する供給量制御手段と、被処理物の燃焼により焼却炉から発生する排ガス中の窒素酸化物の濃度を検出するNOx濃度検出手段と、被処理物の燃焼により焼却炉から発生する排ガス中のCNイオンの濃度を検出するCN濃度検出手段と、を備え、供給量制御手段は、NOx濃度検出手段により検出される窒素酸化物の濃度が所定値よりも小さく、かつ、CN濃度検出手段により検出されるCNイオンの濃度が所定値よりも小さくなるようにカルシウム系化合物の供給量を制御することを特徴とする。
【0024】
上記焼却処理設備では、焼却炉から発生する排ガス中の窒素酸化物濃度及びCNイオンの濃度を検出し、制御の目的である窒素酸化物濃度及びCNイオンの濃度を直接フィードバックすることによりカルシウム系化合物の供給量を制御している。よって、上記焼却処理設備によれば、被処理物の量や組成、その他の要因が変動した場合にも適切な量のカルシウム系化合物を供給することができ、焼却炉から発生する排ガス中のCNイオン濃度及び窒素酸化物濃度を双方ともに適正な濃度に抑えることが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0026】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る焼却処理設備100を示す概略構成図である。本実施形態に係る焼却処理設備100は、被処理物供給部3から供給された被処理物を燃焼する循環流動床炉(焼却炉)5を備えている。本発明では、被処理物とは少なくとも硫黄成分、窒素成分を含む有機物をいい、例えば下水汚泥等の有機性汚泥等が挙げられる。
【0027】
循環流動床炉5は、流動床部5aとフリーボード部5bを有している。循環流動床炉5へは被処理物供給部3から被処理物が供給され、カルシウム系化合物供給部(カルシウム系化合物供給手段)7からカルシウム系化合物が供給される。カルシウム系化合物としては消石灰、生石灰、石灰石等が挙げられる。本実施形態では供給するカルシウム系化合物として石灰石を用いている。供給された被処理物は石灰石とともに750〜900℃の高温の流動床部5aで乾燥され燃焼し、更に800〜950℃の高温のフリーボード部5bで完全燃焼される。流動媒体及び排ガスはサイクロン9に導入される。流動媒体は循環流動床炉5に再度導入され、循環利用される。排ガスは空気予熱器11に導入され、循環流動床炉5用の空気と熱交換され、白煙防止器13、急冷塔15にて処理された後、バグフィルタ17に導入される。
【0028】
バグフィルタ17では排ガス中の灰や、循環流動床炉5でカルシウム系化合物と反応し生成した硫酸カルシウム塩の粉末等が捕集・除去される。排ガスはバグフィルタ17通過後、ガス吸収塔19へ導入される。
【0029】
ガス吸収塔19では、排ガスは苛性ソーダ等のアルカリ水溶液と気−液接触し、酸性ガスが吸収除去される。例えば、硫黄酸化物は硫酸塩として、窒素酸化物は硝酸塩として、シアン化合物はシアン塩として除去される。ガス吸収塔19で発生した排水は排水処理部21へ導入される。ガス吸収塔19で処理された排ガスは、煙突23より大気中に排出される。
【0030】
排水処理部21は最初沈殿池21a、生物反応層21b、最終沈殿池21c、塩素混和池21dを有している。ガス吸収塔19から排出された硫黄成分を含む排水は最初沈殿池21aで固形物が取り除かれ、最初沈殿池21aで処理した最初沈殿池処理水は生物反応槽21bへ流入される。生物反応槽21b内には、微生物が流動状態で生息しており、最初沈殿池処理水中の有機物は嫌気条件下、あるいは好気条件下で微生物により分解される。生物反応槽21bから排出された生物反応処理水は、最終沈殿池21cで固液分離され、上澄液が塩素混和池21dに流入される。塩素混和池21dに流入された上澄液は液体塩素、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素化合物よって有害な細菌を死滅させた後、河川等に放流される。
【0031】
煙突23の排出部分には排出される排ガス中の窒素酸化物濃度を検出する濃度検出器(NOx濃度検出手段)25が設けられている。濃度検出器25は煙突23から排出される排ガスの窒素酸化物濃度を検出し、検出した濃度に応じた濃度信号を制御部27へ送信する。制御部27は受信した濃度信号に基づいてカルシウム系化合物供給部7から循環流動床炉5へ供給する石灰石の量を算出し、カルシウム系化合物供給部7へ供給量信号を送信する。カルシウム系化合物供給部7は受信した供給量信号に基づいた量の石灰石を循環流動床炉5へ供給する。上記濃度検出器25で検出する窒素酸化物としては例えばNO2、NO、N2O、N23、N25が挙げられる。
【0032】
ここで、制御部27が濃度検出器25で検出された窒素酸化物濃度に基づいて循環流動床炉5へ供給する石灰石の量を算出する手順について説明する。
【0033】
濃度検出器25で検出された窒素酸化物濃度と被処理物供給部3から循環流動床炉5に供給された被処理物の供給量との相関関係は、事前の試験等によって予め得られている。また、石灰石(CaCO3)に含まれるカルシウム成分(Ca)の重量比は予め知られている。また、被処理物に対する被処理物中に含まれる窒素成分の重量比も予め得られている。
【0034】
制御部27は、上記の窒素酸化物濃度と被処理物の供給量との相関関係から、受信した濃度信号に基づき循環流動床炉5に供給された被処理物の供給量を算出する。次に、算出された被処理物供給量に基づき、被処理物中に含まれる窒素成分の重量比から循環流動床炉5に供給された窒素成分の重量Mbを算出する。次に、循環流動床炉5に供給すべきカルシウム成分の重量をMaとすると、MaとMbとの比(MaをMbで除した値)Ma/Mbが0.1〜0.45になるようなMaの範囲を算出する。得られたMaの範囲に基づき、予め知られている石灰石中に含まれるカルシウム成分の重量比から、循環流動床炉5に供給すべき石灰石の供給量を求めることができる。
【0035】
ここで、Ma/Mbを0.1〜0.45の範囲になるように設定したのは以下の理由による。
【0036】
図2は焼却処理設備100において被処理物を処理した際のMa/Mbの値と、循環流動床炉5から発生する排ガス中の窒素酸化物濃度・CNイオン濃度との関係を事前の試験により求め、その結果を示したグラフである。横軸にMa/Mb、右の縦軸に窒素酸化物濃度、左の縦軸にCNイオン濃度を示している。この試験においては、白煙防止器13と急冷塔15との間の排ガス経路上における排ガス中のNO2を検出し、窒素酸化物濃度を算出しプロットしている。また、白煙防止器13と急冷塔15との間の排ガス経路上における排ガス中のHCNを検出し、CNイオン濃度を算出しプロットしている。
【0037】
図2に示されるとおり、Ma/Mbの値が大きくなるほど循環流動床炉5から発生する窒素酸化物濃度は上がり、CNイオン濃度は下がる。図2のグラフによれば、Ma/Mbが0.45のとき窒素酸化物濃度は30ppmとなり、0.45を超える付近から窒素酸化物濃度が極端に増えていくため、Ma/Mbを0.45以下にすることが好ましい。また、循環流動床炉5から発生するCNイオン濃度は3.5ppm以下であることが必要であるため、グラフよりMa/Mbが0.1以上であることが必要である。よって、上記要求を同時に満たすべくMa/Mbが0.1〜0.45となるように設定することとしたものである。
【0038】
なお、供給する石灰石を純度100%のCaCO3とし、被処理物の含水率80%、被処理物の固形分中の窒素成分が6%とした場合であれば、石灰石の重量/被処理物の重量が0.003〜0.014となるように石灰石を循環流動床炉5へ供給することによってMa/Mbを0.1〜0.45とすることができる。
【0039】
上記のようにMa/Mbが0.1以上になるように石灰石の供給量を制御することにより循環流動床炉5から発生する窒素酸化物濃度を30ppm以下に抑えることができる。また、同時にMa/Mbが0.45以下になるように石灰石の供給量を制御することにより循環流動床炉5から発生するCNイオン濃度を3.5ppm以下に抑えることができる。以上のように、焼却処理設備100によれば、窒素酸化物濃度及びCNイオン濃度を双方ともに適切な濃度に抑えることができる。よって、後段のガス吸収塔19で用いるアルカリ水溶液を少なくすることができる。また、ガス吸収塔19で発生する排水を処理する排水処理部21の負担も軽減することができ、生物反応層21bの微生物が死滅することを抑制できる。
【0040】
また、焼却処理設備100では、循環流動床炉5から発生する排ガス中の窒素酸化物の濃度を濃度検出器25によって検出し、検出した濃度に基づいて石灰石の供給量を制御している。よって、焼却処理設備100によれば、被処理物の量や組成が変動した場合にも適切な量の石灰石を供給することができる。
【0041】
上記焼却処理設備100では、濃度検出器25は窒素酸化物濃度を検出するNOx濃度検出手段としているが、濃度検出器25はCNイオン濃度を検出するCN濃度検出手段とし、CNイオン濃度に応じた濃度信号を制御部27へ送信することとしてもよい。この場合は濃度検出器25で検出されたCNイオン濃度と被処理物供給部3から循環流動床炉5に供給された被処理物の供給量との相関関係が、事前の試験等によって予め得られていればよい。この場合たとえば、濃度検出器25として排ガス中のHCN等のシアン系化合物を検出する検出器を用い、CNイオン濃度を算出するようにすればよい。また、ガス吸収塔19と排水処理部21との間の排水経路上、又は排水処理部21の何れかの排水経路上にCNイオン濃度を検出する濃度検出器25を設け、排水中のCNイオン濃度を検出し、間接的に循環流動床炉5から発生した排ガス中のCNイオン濃度を算出してもよい。
【0042】
そして、制御部27は、上記のCNイオン濃度と被処理物の供給量との相関関係から、受信した濃度信号に基づき循環流動床炉5に供給された被処理物の供給量を算出することによって、上述したNOx濃度検出手段を用いた場合と同様に、循環流動床炉5に供給すべき石灰石の供給量を求めることができる。
【0043】
また、焼却処理設備100では、排ガス温度・圧力等の条件が、濃度の検出に適した煙突23の排出部分に濃度検出器25を設置することとしているが、濃度検出器25の設置位置はこれに限られない。窒素酸化物濃度またはCNイオン濃度の検出が可能であればサイクロン9〜煙突23までの間の何れの排ガス経路の位置に濃度検出器25を設置してもよい。
【0044】
また、焼却処理設備100では、Ma/Mbが0.1〜0.45になるようにカルシウム系化合物の供給量を制御しているが、Ma/Mbが0.2〜0.45となるようにカルシウム系化合物の供給量を制御してもよい。Ma/Mbを0.2以上とすることにより循環流動床炉5から発生する排ガス中のCNイオン濃度を、さらに好ましい2.5ppmに抑えることができる(図2参照)。
【0045】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係る焼却処理設備101を示す概略構成図である。焼却処理設備101は白煙防止器13と急冷塔15との間の排ガス経路上にNOx濃度検出器26、CN濃度検出器28を備えている。NOx濃度検出器26は循環流動床炉5から排出される排ガスの窒素酸化物濃度を検出し、検出した濃度に応じたNOx濃度信号を制御部27へ送信する。CN濃度検出器28は循環流動床炉5から排出される排ガスのCNイオン濃度を検出し、検出した濃度に応じたCN濃度信号を制御部27へ送信する。焼却処理設備101は、NOx濃度検出器26、CN濃度検出器28以外は、焼却処理設備100と同様の機器を備えている。
【0046】
本実施形態の第1実施形態との差異は、制御部27において循環流動床炉5へ供給する石灰石の量を算出する手順にある。以下、制御部27がNOx濃度検出器26で検出された窒素酸化物濃度及びCN濃度検出器28で検出されたCNイオン濃度に基づいて循環流動床炉5へ供給する石灰石の量を算出する手順について図4を参照し説明する。
【0047】
まず、制御部27は受信したNOx濃度信号に基づいて循環流動床炉5から排出される排ガスの窒素酸化物濃度を検出する(S102)。検出した濃度の30ppmとの大小を比較し(S104)、検出した濃度が30ppmよりも大きい場合には現在設定されている石灰石供給量を所定の量減らし(S106)、次のステップへ進む。検出した濃度が30ppm以下の場合にはそのまま次のステップへ進む。次に、制御部27は受信したCN濃度信号に基づいて循環流動床炉5から排出される排ガスのCNイオン濃度を検出する(S108)。検出した濃度の3.5ppmとの大小を比較し(S110)、検出した濃度が3.5ppmよりも大きい場合には現在設定されている石灰石供給量を所定の量増やし(S112)、次のステップへ進む。検出した濃度が3.5ppm以下の場合にはそのまま次のステップへ進む。次に、制御部27は設定された石灰石供給量に基づいた供給量信号をカルシウム系化合物供給部7へ送信する(S114)。
【0048】
上記焼却処理設備101では、循環流動床炉5から発生する排ガス中の窒素酸化物濃度及びCNイオン濃度を検出し、制御の目的である窒素酸化物濃度及びCNイオンの濃度を直接制御部27へフィードバックすることにより石灰石の供給量を制御している。よって、上記焼却処理設備101によれば、被処理物の量や組成、その他の要因が変動した場合にも適切な量の石灰石を供給することができ、循環流動床炉5から発生する排ガス中のCNイオン濃度及び窒素酸化物濃度を双方ともに適正な濃度に抑えることができる。
【0049】
なお、焼却処理設備101では、白煙防止器13と急冷塔15との間の排ガス経路上にNOx濃度検出器26、CN濃度検出器28を設置することとしているが、各検出器の設置位置はこれに限られない。循環流動床炉5から発生する窒素酸化物濃度またはCNイオン濃度の検出が可能であればサイクロン9の出口部分〜バグフィルタ17の出口部分までの間の何れの排ガス経路上にNOx濃度検出器26、CN濃度検出器28を設置してもよい。
【0050】
さらには、NOx濃度検出器26、CN濃度検出器28をガス吸収塔19の出口部分や煙突23の出口部分に設置してもよい。この場合は、大気中に排出可能なレベル以下の値として窒素酸化物濃度及びCNイオン濃度のそれぞれの上限値を設定し、窒素酸化物濃度及びCNイオン濃度がそれぞれ設定した上限値以下となるように石灰石供給量を制御すればよい。
【0051】
また、NOx濃度検出器26、CN濃度検出器28は同じ位置に設置する必要はなく、それぞれ排ガスの経路上の別の位置に設置してもよい。
【0052】
また、焼却処理設備101では、CNイオン濃度を、3.5ppmを基準にして制御することとしているが(S110)、2.5ppmを基準としてもよい。こうすることにより循環流動床炉5から発生する排ガス中のCNイオン濃度を、さらに好ましい2.5ppmに抑えることができる。
【0053】
なお、焼却処理設備100、101では、循環流動床炉5を備えた焼却処理設備に本発明を適用しているが、本発明はこれに限られず、気泡式流動床炉を備えた焼却処理設備等の他の形式の焼却炉を備えた焼却処理設備に適用することも可能である。
【0054】
【発明の効果】
上述のとおり、本発明によれば、焼却炉から発生する排ガス中のCNイオン濃度及び窒素酸化物濃度を双方ともに適正な濃度に抑えることが可能な焼却処理方法及び焼却処理設備を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る焼却処理設備を示す概略構成図である。
【図2】焼却処理設備において、被処理物を処理した際のMa/Mbの値と、循環流動床炉から発生する排ガス中の窒素酸化物濃度・CNイオン濃度との関係示したグラフである。
【図3】第2実施形態に係る焼却処理設備を示す概略構成図である。
【図4】第2実施形態に係る焼却設備の制御部において、循環流動床炉へ供給する石灰石の量を算出する手順を示したフロー図である。
【符号の説明】
5…循環流動床炉、7…カルシウム系化合物供給部、25…濃度検出器、26…NOx濃度検出器、28…CN濃度検出器、27…制御部

Claims (3)

  1. 焼却炉で被処理物を燃焼する燃焼ステップと、
    カルシウム系化合物を前記焼却炉に供給するカルシウム系化合物供給ステップと、
    前記燃焼ステップにより前記焼却炉から発生する排ガス中のCNイオンの濃度を検出するCN濃度検出ステップと、を備えた焼却処理方法であって、
    前記カルシウム系化合物中のカルシウム成分の重量Maと、前記被処理物中の窒素成分の重量Mbとの比Ma/Mbが0.1〜0.45になるように、前記CN濃度検出ステップにより検出された濃度に基づいて、前記カルシウム系化合物の供給量を制御することを特徴とする焼却処理方法。
  2. 焼却炉で被処理物を燃焼する燃焼ステップと、
    カルシウム系化合物を前記焼却炉に供給するカルシウム系化合物供給ステップと、
    前記燃焼ステップにより前記焼却炉から発生する排ガス中の窒素酸化物の濃度を検出するNOx濃度検出ステップと、
    前記燃焼ステップにより前記焼却炉から発生する排ガス中のCNイオンの濃度を検出するCN濃度検出ステップと、
    を備え、
    前記NOx濃度検出手段により検出される窒素酸化物の濃度が所定値よりも小さく、かつ、前記CN濃度検出手段により検出されるCNイオンの濃度が所定値よりも小さくなるように前記カルシウム系化合物の供給量を制御することを特徴とする焼却処理方法。
  3. 被処理物を燃焼する焼却炉と、
    カルシウム系化合物を前記焼却炉に供給するカルシウム系化合物供給手段と、
    前記カルシウム系化合物の供給量を制御する供給量制御手段と、
    前記焼却炉から発生する排ガス中のCNイオンの濃度を検出するCN濃度検出手段と、を備え、
    前記供給量制御手段は、前記カルシウム系化合物中のカルシウム成分の重量Maと、前記被処理物中の窒素成分の重量Mbとの比Ma/Mbが0.1〜0.45になるように、前記CN濃度検出手段により検出された濃度に基づいて、前記カルシウム系化合物の供給量を制御することを特徴とする焼却処理設備。
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