JP3904362B2

JP3904362B2 - 磁気軸受装置

Info

Publication number: JP3904362B2
Application number: JP2000051595A
Authority: JP
Inventors: 浩徳亀野
Original assignee: JTEKT Corp
Current assignee: JTEKT Corp
Priority date: 2000-02-28
Filing date: 2000-02-28
Publication date: 2007-04-11
Anticipated expiration: 2020-02-28
Also published as: JP2001241440A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気軸受装置の構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
図２は、従来の磁気軸受装置の構造を簡略化して示す断面図である。図において、全体として円柱形の回転体１の周囲には、ラジアル磁気軸受を構成する電磁石２が４個、等間隔に配置されている。また、これらの電磁石２から、回転体１の軸方向に少し離れた位置の当該回転体１の周囲に、径方向への回転体１の変位を検出するラジアルセンサ３が４個、等間隔に配置されている。さらに、これらのラジアルセンサ３から、回転体１の軸方向に離れた位置の、当該回転体１の外周の一部に対向して、軸方向への回転体１の変位を検出するオフセットアキシャルセンサ４が一対設けられている。上記電磁石２、ラジアルセンサ３及びオフセットアキシャルセンサ４に対向する回転体１の表層側の位置には、それぞれ、ケイ素鋼板等を積層したターゲット部１ａ,１ｂ及び１ｃが設けられている。オフセットアキシャルセンサ４に対向するターゲット部１ｃの、回転体１の軸方向における位置は、一対のオフセットアキシャルセンサ４の中間位置に相当する。この位置から回転体１が軸方向に移動すると、一対のオフセットアキシャルセンサ４に及ぼすリアクタンスが変化する。従って、この変化を検出することにより、軸方向への回転体１の変位を検出することができる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の磁気軸受装置では、電磁石２及びラジアルセンサ３のみならず、オフセットアキシャルセンサ４も回転体１に対向して配置されるため、回転体１が軸方向に長くなる。回転体１が軸方向に長いと、回転体１の固有振動数は低くなる。固有振動数が低いと、回転速度との関係で共振が発生し易くなり、共振が発生すると回転体１の位置制御ができなくなる。
【０００４】
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、回転体の固有振動数を高くして共振を抑制する磁気軸受装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は、回転体を磁気浮上させる電磁石と、前記回転体の位置検出手段とを有する磁気軸受装置において、前記位置検出手段が、
前記回転体の外周を一周して設けられ、ケイ素鋼板の積層構造であって、ラジアル及びアキシャルの両方向について共用されるターゲット部と、
前記ターゲット部に対向してその周囲に複数個設けられ、前記回転体の径方向への変位を検出するラジアルセンサと、
周方向に互いに隣接する２個の前記ラジアルセンサの周方向中間位置にあって、前記ターゲット部に対してラジアル方向に対向して設けられるとともに、前記回転体の軸方向には互いに連ねて一対設けられ、前記回転体の軸方向への変位を検出するアキシャルセンサとを備え、
一対の前記アキシャルセンサは、前記ラジアルセンサと共通の前記ターゲット部を被検知部として、軸方向中間位置が前記ターゲット部及びラジアルセンサの軸方向中心位置に一致するように配置されているものである。
上記のように構成された磁気軸受装置においては、アキシャルセンサが、周方向に互いに隣接する２個のラジアルセンサの中間にあって、ラジアルセンサと共通のターゲット部に対向する。従って、アキシャルセンサ専用のターゲット部が不要となり、回転体の軸方向の長さはコンパクトになる。
【０００６】
【発明の実施の形態】
図１の（ａ）は、本発明の一実施形態による磁気軸受装置の断面図であり、（ｂ）は、（ａ）におけるＢ-Ｂ線断面図である。また、（ｃ）は、（ｂ）におけるＣ-Ｃ線断面に相当する同装置の断面図である。図において、全体として円柱形の回転体１の周囲には、ラジアル磁気軸受を構成する電磁石２が４個、等間隔に配置されている。また、これらの電磁石２から、回転体１の軸方向（以下単に、軸方向という。）に少し離れた位置の当該回転体１の周囲に、径方向への回転体１の変位を検出するラジアルセンサ３が４個、等間隔に配置されている。
【０００７】
（ｂ）に示すように、これらのラジアルセンサ３は、図の真上を０度の位置とすれば、時計回り方向に、０度、９０度、１８０度、２７０度の各位置に配置されている。また、軸方向への回転体１の変位を検出する一対のオフセットアキシャルセンサ４は、軸方向に互いに連ねて設けられ、軸方向におけるそれらの中間位置が、ラジアルセンサ３の軸方向位置と同じになるように配置されている（（ｃ）参照）。また、周方向においてオフセットアキシャルセンサ４は、互いに隣接する２個のラジアルセンサ３の中間、すなわち、２２５度近傍に配置されている（（ｂ）参照）。なお、２２５度の位置は一例であり、他に、４５度近傍、１３５度近傍、３１５度近傍のいずれでもよい。また、必要により、周方向の複数箇所に配置してもよい。
【０００８】
一方、上記電磁石２及びラジアルセンサ３に対向する回転体１の表層側の位置には、それぞれ、ケイ素鋼板等を積層したターゲット部１ａ及び１ｂが設けられている。ターゲット部１ｂは、ラジアルセンサ３のみならず、オフセットアキシャルセンサ４に対しても対向した位置にある。すなわち、一対のオフセットアキシャルセンサ４は、軸方向におけるそれらの中間位置がターゲット部１ｂの軸方向中心位置に一致するように配置されている。この位置から回転体１が軸方向に移動すると、一対のオフセットアキシャルセンサ４に及ぼすリアクタンスが変化する。従って、この変化を検出することにより、軸方向への回転体１の変位を検出することができる。このようにして、ラジアルセンサ３、オフセットアキシャルセンサ４及びこれらに共通のターゲット部１ｂによって、径方向及び軸方向における、回転体１の位置検出手段が構成されている。
【０００９】
上記のような構成においては、周方向において互いに隣接する２個のラジアルセンサ３の中間に、オフセットアキシャルセンサを配置したので、軸方向におけるラジアルセンサ３とオフセットアキシャルセンサ４との占有領域が共用され、ターゲット部１ｂも共用される。従って、軸方向の他の位置に別途オフセットアキシャルセンサ４用のターゲットを設ける必要がなく、回転体１の軸方向の長さをコンパクトにすることができる。これにより、回転体の固有振動数は、従来のものより高くなるので、共振の発生を抑制することができる。
【００１０】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は以下の効果を奏する。
請求項１の磁気軸受装置によれば、ラジアルセンサとアキシャルセンサとがターゲット部を共有することにより、アキシャルセンサ専用のターゲット部が不要となるので、回転体の軸方向の長さがコンパクトになる。従って、回転体の固有振動数を高くして、共振の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】（ａ）は、本発明の一実施形態による磁気軸受装置の断面図であり、（ｂ）は、（ａ）におけるＢ-Ｂ線断面図である。また、（ｃ）は、（ｂ）におけるＣ-Ｃ線断面に相当する同装置の断面図である。
【図２】従来の磁気軸受装置の構造を簡略化して示す断面図である。
【符号の説明】
１回転体
１ｂターゲット部
２電磁石
３ラジアルセンサ
４オフセットアキシャルセンサ

Claims

回転体を磁気浮上させる電磁石と、前記回転体の位置検出手段とを有する磁気軸受装置において、前記位置検出手段は、
前記回転体の外周を一周して設けられ、ケイ素鋼板の積層構造であって、ラジアル及びアキシャルの両方向について共用されるターゲット部と、
前記ターゲット部に対向してその周囲に複数個設けられ、前記回転体の径方向への変位を検出するラジアルセンサと、
周方向に互いに隣接する２個の前記ラジアルセンサの周方向中間位置にあって、前記ターゲット部に対してラジアル方向に対向して設けられるとともに、前記回転体の軸方向には互いに連ねて一対設けられ、前記回転体の軸方向への変位を検出するアキシャルセンサとを備え、
一対の前記アキシャルセンサは、前記ラジアルセンサと共通の前記ターゲット部を被検知部として、軸方向中間位置が前記ターゲット部及びラジアルセンサの軸方向中心位置に一致するように配置されていることを特徴とする磁気軸受装置。