JP3903485B2 - 相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents
相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3903485B2 JP3903485B2 JP2003087141A JP2003087141A JP3903485B2 JP 3903485 B2 JP3903485 B2 JP 3903485B2 JP 2003087141 A JP2003087141 A JP 2003087141A JP 2003087141 A JP2003087141 A JP 2003087141A JP 3903485 B2 JP3903485 B2 JP 3903485B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phase change
- change memory
- memory film
- forming
- alloy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、機械的強度に優れた相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、CD−RW、DVD−RAM、MO、MDなどの光記録媒体、特にCD−RW光記録媒体の情報の記録および消去は、相変化メモリ膜にレーザー光を照射することにより結晶状態と非晶質状態との間で相変化させることによって行なうことは知られている。この相変化メモリ膜は、相変化メモリとなる成分組成の合金からなるターゲットを用いてスパッタリングすることにより形成することも知られている。
この相変化メモリとなる成分組成の合金は、Sb−Se系合金、Te−Sb系合金、Ge−Sb系合金、Ga−Sb系合金、La−Sb系合金、In−Se系合金、Ge−Te系合金、In−Se−Te系合金、Ge−Sb−Te系合金、Pd−Ge−Sb−Te系合金、Pt−Ge−Sb−Te系合金、Nb−Ge−Sb−Te系合金、Ni−Ge−Sb−Te系合金、Co−Ge−Sb−Te系合金、In−Ag−Te−Sb系合金、Ge−Sb−Te系合金など多数の合金が知られており、これら合金からなる相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを製造するには、まず、相変化メモリとなる成分組成の非晶質になりやすい合金インゴットを作製し、この非晶質になりやすい合金インゴットを粉砕して非晶質粉末を作製し、この非晶質粉末をホットプレスすることによりホットプレス体を作製し、このホットプレス体を研削加工してスパッタリングターゲットを製造する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−336443号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来の方法で作製した相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットは機械的強度が低いためにホットプレス体を研削加工する際に割れが発生することがあり、さらに研削加工して得られたスパッタリングターゲットの取り扱い中にも割れが発生することがあり、その取り扱いには細心の注意が必要であった。さらに高い負荷のかかる高出力スパッタリング中にも割れが発生することがあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、一層機械的強度の優れた相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットを製造するべく研究を行なった結果、
相変化メモリとなる成分組成の合金インゴットを粉砕して作製した非晶質粉末を結晶化温度に保持して結晶化熱処理を施し、この結晶化熱処理して結晶化した合金粉末をホットプレスすることにより得られたホットプレス体は、従来の非晶質合金粉末をホットプレスして得られたホットプレス体よりも密度が格段に向上し、したがって、機械的強度が一層向上し、また、このようにして得られたホットプレス体は研削加工する際に割れが発生することが無く、さらに高出力スパッタリング中にも割れが発生することがない、という研究結果が得られたのである。
【0006】
この発明は、かかる研究結果に基づいて成されたものであって、
(1)相変化メモリ膜形成用合金インゴットを粉砕して合金粉末を作製し、得られた合金粉末を結晶化温度に保持して結晶化熱処理したのち解砕することにより結晶化合金粉末を作製し、この結晶化合金粉末をホットプレスする相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法、に特徴を有するものである。
【0007】
この発明の相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法において、相変化メモリ膜形成用合金インゴットとして、特に、
Sb:39〜41質量%を含有し、残部がSeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する合金インゴット、
Te:29〜31質量%を含有し、残部がSbおよび不可避不純物からなる成分組成を有する合金インゴット、
Ge:16〜18質量%を含有し、残部がSbおよび不可避不純物からなる成分組成を有する合金インゴット、
Ga:11〜13質量%を含有し、残部がSbおよび不可避不純物からなる成分組成を有する合金インゴット、
Sb:2〜4質量%を含有し、残部がLaおよび不可避不純物からなる成分組成を有する合金インゴット、
Ge:49〜51質量%を含有し、残部がTeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する合金インゴットを使用することが有効であることを確認した。
【0008】
したがって、この発明は、
(2)前記相変化メモリ膜形成用合金インゴットは、Sb:39〜41質量%を含有し、残部がSeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する(1)記載の相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法、
(3)前記相変化メモリ膜形成用合金インゴットは、Te:29〜31質量%を含有し、残部がSbおよび不可避不純物からなる成分組成を有する(1)記載の相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法、
(4)前記相変化メモリ膜形成用合金インゴットは、Ge:16〜18質量%を含有し、残部がSbおよび不可避不純物からなる成分組成を有する(1)記載の相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法、
(5)前記相変化メモリ膜形成用合金インゴットは、Ga:11〜13質量%を含有し、残部がSbおよび不可避不純物からなる成分組成を有する(1)記載の相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法、
(6)前記相変化メモリ膜形成用合金インゴットは、Sb:2〜4質量%を含有し、残部がLaおよび不可避不純物からなる成分組成を有する(1)記載の相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法、
(7)前記相変化メモリ膜形成用合金インゴットは、Ge:49〜51質量%を含有し、残部がTeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する(1)記載の相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法、
に特徴を有するものである。
【0009】
前記相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法において行なう結晶化熱処理の温度は合金の種類によって異なるが、この結晶化熱処理の保持時間は10〜14時間の範囲内にすることが好ましい。かかる条件で結晶化熱処理すると、一部凝集が進行することは避けられず、したがって、結晶化熱処理した合金粉末は解砕しなければならない。
【0010】
この発明の相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットは、相変化メモリ膜形成用合金をArガス雰囲気中で完全に溶解して合金化したことを確認した後、鉄製モールドに出湯して合金インゴットを作製し、これらを不活性ガス雰囲気中で粉砕し、得られた粉砕合金粉末を結晶化熱処理して十分に結晶化させ、解砕して結晶化合金粉末を作製し、この結晶化合金粉末をホットプレスすることにより作製する。前記ホットプレスは、Arガス雰囲気中、圧力:27.3〜29.1MPa、温度:結晶化温度、1〜2時間保持の条件で行なわれ、その後、モールドの温度が270〜300℃まで下がった時点で冷却速度:1〜3℃/min.で常温まで冷却することにより行われることが一層好ましい。
【0011】
この様にして製造したホットプレス体は、高い機械的強度を有するところから直径を大きくして大型のターゲットを製造しても破損することがなく、さらに高出力のスパッタリングを行ってもターゲットに割れが発生しにくいところから成膜効率は一層向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】
Ar雰囲気中で溶解することにより得られた、
Sb:40質量%を含有し、残部がSeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する合金(以下、Sb−Se系合金という)インゴット、
Te:30質量%を含有し、残部がSbおよび不可避不純物からなる成分組成を有する合金(以下、Te−Sb系合金という)インゴット、
Ge:17質量%を含有し、残部がSbおよび不可避不純物からなる成分組成を有する合金(以下、Ge−Sb系合金という)インゴット、
Ga:12質量%を含有し、残部がSbおよび不可避不純物からなる成分組成を有する合金(以下、Ga−Sb系合金という)インゴット、
Sb:3量%を含有し、残部がLaおよび不可避不純物からなる成分組成を有する合金(以下、Sb−La系合金という)インゴット、
Ge:50質量%を含有し、残部がTeおよび不可避不純物からなる成分組成を有する合金(以下、Ge−Te系合金という)インゴット、
を用意し、これら合金インゴットをAr雰囲気中で粉砕することにより、いずれも粒径:250μm以下のSb−Se系合金粉末、Te−Sb系合金粉末、Ge−Sb系合金粉末、Ga−Sb系合金粉末、およびLa−Sb系合金粉末を作製した。これらSb−Se系合金粉末、Te−Sb系合金粉末、Ge−Sb系合金粉末、Ga−Sb系合金粉末、La−Sb系合金粉末およびGe−Te系合金粉末を作製した。これら合金粉末についてX線回折したところ、いずれも非結晶質であることを確認した。
【0013】
本発明法1および従来法1
前記Sb−Se系合金粉末をAr雰囲気中、表1に示される結晶化温度および時間保持して結晶化熱処理し、この結晶化熱処理した合金粉末を解砕して150μm以下の結晶化合金粉末を作製し、この結晶化合金粉末をX線回折したところ、結晶質であることを確認した。この結晶質粉末を表1に示される温度および圧力でホットプレスすることにより10個のホットプレス体を作製し、これら10個のホットプレス体を超硬バイトを使用し、旋盤回転数:200rpmの条件で研削加工することにより直径:300mm、厚さ:5mmの寸法を有する円盤状の相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを製造することにより本発明法1を実施した。
さらに、比較のために、先の非晶質であるSb−Se系合金粉末を結晶化熱処理することなく表1に示される温度および圧力でホットプレスすることにより10個のホットプレス体を作製し、これらホットプレス体を超硬バイトを使用し、旋盤回転数:200rpmの条件で研削加工することにより直径:300mm、厚さ:5mmの寸法を有する円盤状の相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを製造することにより従来法1を実施した。
【0014】
これら本発明法1および従来法1で作製したそれぞれ10個のホットプレス体のうち旋盤加工時に割れが発生しなかった相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを表1に示し、さらに相対密度を測定し、その結果を表1に示した。さらに、これら旋盤加工時に割れが発生しなかった相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットをモリブデン製の冷却用バッキングプレートに純度:99.999重量%のイリジウムろう材にてハンダ付けし、これを直流マグネトロンスパッタリング装置にセットし、
・スパッタガス:Ar、
・スパッタガス圧力:5×10-3Torr、
・スパッタ電力:100W(400V、0.25A)、
の条件で30時間大電力スパッタリングを行い、ターゲットに割れが発生したか否かを目視にて観察し、その結果を表1に示した。
【0015】
【表1】
【0016】
本発明法2および従来法2
前記Te−Sb系合金粉末をAr雰囲気中、表2に示される結晶化温度および時間保持して結晶化熱処理し、この結晶化熱処理した合金粉末を解砕して150μm以下の結晶化合金粉末を作製し、この粉末をX線回折したところ、結晶質であることを確認した。この結晶質粉末を表2に示される温度および圧力でホットプレスすることにより10個のホットプレス体を作製し、これら10個のホットプレス体を超硬バイトを使用し、旋盤回転数:200rpmの条件で研削加工することにより直径:300mm、厚さ:5mmの寸法を有する円盤状の相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを製造することにより本発明法2を実施した。
さらに、比較のために、先の非晶質であるTe−Sb系合金粉末を結晶化熱処理することなく表2に示される温度および圧力でホットプレスすることにより10個のホットプレス体を作製し、これらホットプレス体を超硬バイトを使用し、旋盤回転数:200rpmの条件で研削加工することにより直径:300mm、厚さ:5mmの寸法を有する円盤状の相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを製造することにより従来法2を実施した。
【0017】
これら本発明法2および従来法2で作製したそれぞれ10個のホットプレス体のうち旋盤加工時に割れが発生しなかった相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを表2に示し、さらに相対密度を測定し、その結果を表2に示した。さらに、これら旋盤加工時に割れが発生しなかった相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットをモリブデン製の冷却用バッキングプレートに純度:99.999重量%のイリジウムろう材にてハンダ付けし、これを直流マグネトロンスパッタリング装置にセットし、
・スパッタガス:Ar、
・スパッタガス圧力:5×10-3Torr、
・スパッタ電力:100W(400V、0.25A)、
の条件で30時間大電力スパッタリングを行い、ターゲットに割れが発生したか否かを目視にて観察し、その結果を表2に示した。
【0018】
【表2】
【0019】
本発明法3および従来法3
前記Ge−Sb系合金粉末をAr雰囲気中、表3に示される結晶化温度および時間保持して結晶化熱処理し、この結晶化熱処理した合金粉末を解砕して150μm以下の結晶化合金粉末を作製し、この結晶化合金粉末をX線回折したところ、結晶質であることを確認した。この結晶質合金粉末を表3に示される温度および圧力でホットプレスすることにより10個のホットプレス体を作製し、これら10個のホットプレス体を超硬バイトを使用し、旋盤回転数:200rpmの条件で研削加工することにより直径:300mm、厚さ:5mmの寸法を有する円盤状の相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを製造することにより本発明法3を実施した。
さらに、比較のために、先の非晶質であるGe−Sb系合金粉末を結晶化熱処理することなく表3に示される温度および圧力でホットプレスすることにより10個のホットプレス体を作製し、これらホットプレス体を超硬バイトを使用し、旋盤回転数:200rpmの条件で研削加工することにより直径:300mm、厚さ:5mmの寸法を有する円盤状の相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを製造することにより従来法3を実施した。
【0020】
これら本発明法3および従来法3で作製したそれぞれ10個のホットプレス体のうち旋盤加工時に割れが発生しなかった相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを表3に示し、さらに相対密度を測定し、その結果を表3に示した。さらに、これら旋盤加工時に割れが発生しなかった相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットをモリブデン製の冷却用バッキングプレートに純度:99.999重量%のイリジウムろう材にてハンダ付けし、これを直流マグネトロンスパッタリング装置にセットし、
・スパッタガス:Ar、
・スパッタガス圧力:5×10-3Torr、
・スパッタ電力:100W(400V、0.25A)、
の条件で30時間大電力スパッタリングを行い、ターゲットに割れが発生したか否かを目視にて観察し、その結果を表3に示した。
【0021】
【表3】
【0022】
本発明法4および従来法4
前記Ge−Sb系合金粉末をAr雰囲気中、表4に示される結晶化温度および時間保持して結晶化熱処理し、この結晶化熱処理した合金粉末を解砕して150μm以下の結晶化合金粉末を作製し、この結晶化合金粉末をX線回折したところ、結晶質であることを確認した。この結晶質合金粉末を表4に示される温度および圧力でホットプレスすることにより10個のホットプレス体を作製し、これら10個のホットプレス体を超硬バイトを使用し、旋盤回転数:200rpmの条件で研削加工することにより直径:300mm、厚さ:5mmの寸法を有する円盤状の相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを製造することにより本発明法4を実施した。
さらに、比較のために、先の非晶質であるGe−Sb系合金粉末を結晶化熱処理することなく表4に示される温度および圧力でホットプレスすることにより10個のホットプレス体を作製し、これらホットプレス体を超硬バイトを使用し、旋盤回転数:200rpmの条件で研削加工することにより直径:300mm、厚さ:5mmの寸法を有する円盤状の相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを製造することにより従来法4を実施した。
【0023】
これら本発明法4および従来法4で作製したそれぞれ10個のホットプレス体のうち旋盤加工時に割れが発生しなかった相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを表4に示し、さらに相対密度を測定し、その結果を表4に示した。さらに、これら旋盤加工時に割れが発生しなかった相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットをモリブデン製の冷却用バッキングプレートに純度:99.999重量%のイリジウムろう材にてハンダ付けし、これを直流マグネトロンスパッタリング装置にセットし、
・スパッタガス:Ar、
・スパッタガス圧力:5×10-3Torr、
・スパッタ電力:100W(400V、0.25A)、
の条件で30時間大電力スパッタリングを行い、ターゲットに割れが発生したか否かを目視にて観察し、その結果を表4に示した。
【0024】
【表4】
【0025】
本発明法4および従来法4
前記Sb−La系合金粉末をAr雰囲気中、表5に示される結晶化温度および時間保持して結晶化熱処理し、この結晶化熱処理した粉末を解砕して150μm以下の結晶化合金粉末を作製し、この結晶化合金粉末をX線回折したところ、結晶質であることを確認した。この結晶質合金粉末を表5に示される温度および圧力でホットプレスすることにより10個のホットプレス体を作製し、これら10個のホットプレス体を超硬バイトを使用し、旋盤回転数:200rpmの条件で研削加工することにより直径:300mm、厚さ:5mmの寸法を有する円盤状の相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを製造することにより本発明法5を実施した。
さらに、比較のために、先の非晶質であるSb−La系合金粉末を結晶化熱処理することなく表5に示される温度および圧力でホットプレスすることにより10個のホットプレス体を作製し、これらホットプレス体を超硬バイトを使用し、旋盤回転数:200rpmの条件で研削加工することにより直径:300mm、厚さ:5mmの寸法を有する円盤状の相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを製造することにより従来法5を実施した。
【0026】
これら本発明法5および従来法5で作製したそれぞれ10個のホットプレス体のうち旋盤加工時に割れが発生しなかった相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを表5に示し、さらに相対密度を測定し、その結果を表5に示した。さらに、これら旋盤加工時に割れが発生しなかった相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットをモリブデン製の冷却用バッキングプレートに純度:99.999重量%のイリジウムろう材にてハンダ付けし、これを直流マグネトロンスパッタリング装置にセットし、
・スパッタガス:Ar、
・スパッタガス圧力:5×10-3Torr、
・スパッタ電力:100W(400V、0.25A)、
の条件で30時間大電力スパッタリングを行い、ターゲットに割れが発生したか否かを目視にて観察し、その結果を表5に示した。
【0027】
【表5】
【0028】
本発明法6および従来法6
前記Ge−Te系合金粉末をAr雰囲気中、表6に示される結晶化温度および時間保持して結晶化熱処理し、この結晶化熱処理した合金粉末を解砕して150μm以下の結晶化合金粉末を作製し、この結晶化合金粉末をX線回折したところ、結晶質であることを確認した。この結晶質合金粉末を表6に示される温度および圧力でホットプレスすることにより10個のホットプレス体を作製し、これら10個のホットプレス体を超硬バイトを使用し、旋盤回転数:200rpmの条件で研削加工することにより直径:300mm、厚さ:5mmの寸法を有する円盤状の相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを製造することにより本発明法6を実施した。
さらに、比較のために、先の非晶質であるGe−Te系合金粉末を結晶化熱処理することなく表6に示される温度および圧力でホットプレスすることにより10個のホットプレス体を作製し、これらホットプレス体を超硬バイトを使用し、旋盤回転数:200rpmの条件で研削加工することにより直径:300mm、厚さ:5mmの寸法を有する円盤状の相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを製造することにより従来法6を実施した。
【0029】
これら本発明法6および従来法6で作製したそれぞれ10個のホットプレス体のうち旋盤加工時に割れが発生しなかった相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを表6に示し、さらに相対密度を測定し、その結果を表6に示した。さらに、これら旋盤加工時に割れが発生しなかった相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットをモリブデン製の冷却用バッキングプレートに純度:99.999重量%のイリジウムろう材にてハンダ付けし、これを直流マグネトロンスパッタリング装置にセットし、
・スパッタガス:Ar、
・スパッタガス圧力:5×10-3Torr、
・スパッタ電力:100W(400V、0.25A)、
の条件で30時間大電力スパッタリングを行い、ターゲットに割れが発生したか否かを目視にて観察し、その結果を表6に示した。
【0030】
【表6】
【0031】
表1〜表6示される結果から、結晶化熱処理して結晶化させた相変化メモリ膜形成用合金粉末を使用してホットプレスする本発明法1〜6により得られたターゲットは、結晶化処理しない非晶質の相変化メモリ膜形成用合金粉末を使用してホットプレスする従来法1〜6により得られたターゲットに比べて高密度であるところから機械的強度が高く、旋削加工時に割れが発生せず、さらにスパッタリング中にスパッタ割れが発生しない優れた特性のターゲットを製造することができることが分かる。
【0032】
【発明の効果】
上述のように、この発明によると、一層優れた相変化メモリ膜形成用スパッタリングターゲットを製造することができ、したがって、光ディスクの生産効率の向上およびコスト削減を行うことができるとともに、光メディア産業の発展に大いに貢献し得るものである。
Claims (7)
- 相変化メモリ膜形成用合金インゴットを粉砕して合金粉末を作製し、得られた合金粉末を結晶化温度に保持して結晶化熱処理したのち解砕することにより結晶化合金粉末を作製し、この結晶化合金粉末をホットプレスすることを特徴とする相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記相変化メモリ膜形成用合金インゴットは、Sb:39〜41質量%を含有し、残部がSeおよび不可避不純物からなる成分組成を有することを特徴とする請求項1記載の相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記相変化メモリ膜形成用合金インゴットは、Te:29〜31質量%を含有し、残部がSbおよび不可避不純物からなる成分組成を有することを特徴とする請求項1記載の相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記相変化メモリ膜形成用合金インゴットは、Ge:16〜18質量%を含有し、残部がSbおよび不可避不純物からなる成分組成を有することを特徴とする請求項1記載の相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記相変化メモリ膜形成用合金インゴットは、Ga:11〜13質量%を含有し、残部がSbおよび不可避不純物からなる成分組成を有することを特徴とする請求項1記載の相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記相変化メモリ膜形成用合金インゴットは、Sb:2〜4質量%を含有し、残部がLaおよび不可避不純物からなる成分組成を有することを特徴とする請求項1記載の相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法。
- 前記相変化メモリ膜形成用合金インゴットは、Ge:49〜51質量%を含有し、残部がTeおよび不可避不純物からなる成分組成を有することを特徴とする請求項1記載の相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003087141A JP3903485B2 (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | 相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003087141A JP3903485B2 (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | 相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004292895A JP2004292895A (ja) | 2004-10-21 |
JP3903485B2 true JP3903485B2 (ja) | 2007-04-11 |
Family
ID=33401584
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003087141A Expired - Fee Related JP3903485B2 (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | 相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3903485B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4687949B2 (ja) * | 2004-11-10 | 2011-05-25 | 三菱マテリアル株式会社 | プレスパッタ時間の短い相変化記録膜形成用ターゲットの製造方法 |
JP2007131941A (ja) * | 2006-05-26 | 2007-05-31 | Mitsubishi Materials Corp | パーティクル発生の少ない相変化膜形成用スパッタリングターゲットの製造方法。 |
JP5466838B2 (ja) * | 2008-07-09 | 2014-04-09 | ピーエスフォー ルクスコ エスエイアールエル | 相変化固体メモリの記録材料及び相変化固体メモリ |
-
2003
- 2003-03-27 JP JP2003087141A patent/JP3903485B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004292895A (ja) | 2004-10-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4061557B2 (ja) | 相変化膜形成用スパッタリングターゲットおよびその製造方法。 | |
JP3973857B2 (ja) | マンガン合金スパッタリングターゲットの製造方法 | |
EP2270252B1 (en) | Sintered target and method for production of sintered material | |
JP2006249578A (ja) | モリブデン合金 | |
JPWO2006059429A1 (ja) | Sb−Te系合金焼結体スパッタリングターゲット | |
US5896553A (en) | Single phase tungsten-titanium sputter targets and method of producing same | |
JP2970813B2 (ja) | スパッタリングターゲットおよびその製造方法,およびそのターゲットを用いて形成された記録薄膜,光ディスク | |
JP3772972B2 (ja) | 光記録媒体の反射層形成用銀合金スパッタリングターゲット | |
JP3903485B2 (ja) | 相変化メモリ膜形成用高強度スパッタリングターゲットの製造方法 | |
JP6262332B2 (ja) | Al−Te−Cu−Zr合金からなるスパッタリングターゲット及びその製造方法 | |
JP4047552B2 (ja) | ZnS−SiO2スパッタリングターゲット | |
JP4900992B2 (ja) | スパッタリングターゲットとそれを用いたGe層、Ge化合物層、Ge合金層および光ディスク、電気・電子部品、磁気部品 | |
JP4687949B2 (ja) | プレスパッタ時間の短い相変化記録膜形成用ターゲットの製造方法 | |
JP5457609B2 (ja) | Cu−Te合金系焼結体スパッタリングターゲットの製造方法 | |
JP4172015B2 (ja) | 耐スパッタ割れ性に優れた相変化型メモリー膜形成用スパッタリングターゲット | |
JP2005290404A (ja) | 高強度スパッタリングターゲット | |
EP1603129A1 (en) | Silver alloy sputtering target for forming reflective layer of optical recording medium | |
JPH0372153B2 (ja) | ||
JP2789397B2 (ja) | 光記録膜作製用高純度ターゲットおよびその製造法 | |
JP2725331B2 (ja) | ターゲット材の製造方法 | |
JP3772971B2 (ja) | 光記録媒体の反射層形成用銀合金スパッタリングターゲット | |
JP2009249641A (ja) | パーティクル発生の少ない相変化膜形成用スパッタリングターゲットおよびその製造方法。 | |
JP2000087228A (ja) | スパッタリングターゲットの製造方法 | |
JP4069660B2 (ja) | 光記録媒体の全反射層または半透明反射層形成用銀合金スパッタリングターゲット | |
JP2001181832A (ja) | スパッタリングターゲットの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050426 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061130 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061218 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061231 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3903485 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100119 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100119 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110119 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120119 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130119 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |