JP3901123B2 - スパークプラグ - Google Patents

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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01TSPARK GAPS; OVERVOLTAGE ARRESTERS USING SPARK GAPS; SPARKING PLUGS; CORONA DEVICES; GENERATING IONS TO BE INTRODUCED INTO NON-ENCLOSED GASES
    • H01T13/00Sparking plugs
    • H01T13/20Sparking plugs characterised by features of the electrodes or insulation
    • H01T13/39Selection of materials for electrodes

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに対向して配置された中心電極および接地電極のうち少なくとも一方の電極における対向部に、貴金属チップを配設してなるスパークプラグに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスパークプラグは、中心電極や接地電極の放電ギャップ部分に、火花放電部電極材として火花消耗性に優れたPt(白金)合金やIr(イリジウム)合金等よりなる貴金属チップを溶接することが行われている。
【0003】
そして、貴金属チップ電極を用いたスパークプラグは、貴金属チップ電極の消耗が少ないことから電極の細径化が可能であり、電極の細径化による消炎作用の低減により高着火性が得られる。
【0004】
また、着火性能は火花放電により形成される火炎核の成長により決定される。そして、細径化された貴金属チップ電極は、火炎核成長の阻害要因である、電極による火炎核の冷却作用を低減させる効果を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のスパークプラグでは、放電ギャップ内において接地電極付根側(取付金具に接合された脚部側)で火炎核が形成されたり、接地電極先端側(接地電極の自由端側)で火炎核が形成されたりし、火炎核が形成される位置が一定していない。
【0006】
そして、接地電極先端側で火炎核が形成された場合は、火炎核は接地電極による冷却作用を受けにくいため火炎核が成長しやすく、一方、接地電極付根側で火炎核が形成された場合、接地電極の脚部等による冷却作用により火炎核の成長が損なわれてしまう。
【0007】
また、一般的にスパークプラグの着火性能は、放電ギャップが広くなる程良くなり、従って使用初期が最も悪い。これは、貴金属チップ電極を用いたスパークプラグにおいても同様である。さらに、この問題は放電ギャップの初期設定が狭いものほど顕著である。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、火炎核成長が阻害されないようにして着火性能を向上させることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項に記載の発明では、筒状の取付金具(10)と、この取付金具(10)の内部に絶縁保持された柱状の中心電極(30)と、中心電極(30)の軸に対して略平行に延びる脚部(41)の一端が取付金具(10)に接合されると共に、脚部(41)の他端側から中心電極(30)の軸に対して略直交方向に延びる対向部(42)が、中心電極(30)の先端部に対向して配置された接地電極(40)と、中心電極(30)の先端部および接地電極(40)の対向部(42)のうち少なくとも一方に接合されて放電ギャップ(60)を形成する柱状の貴金属チップ(150)とを備えるスパークプラグにおいて、接地電極(40)の対向部(42)における脚部(41)側を接地電極付根側とし、接地電極(40)の対向部(42)における反脚部側を接地電極先端側としたとき、貴金属チップ(150)における放電ギャップ(60)を形成する放電面には表面粗さが異なる2つの範囲(X、Y)が存在し、2つの範囲(X、Y)のうち表面粗さが大きい範囲(X)が接地電極先端側に配置されていることを特徴とする。
【0014】
これによると、放電ギャップでの電界強度は、表面粗さが大きい範囲が配置された側が相対的に強くなり、火花放電による火炎核が接地電極先端側で形成される。このため、火炎核は接地電極の脚部等による冷却作用を受けにくくなり、火炎核を速やかに且つ安定して成長させることができる。
【0015】
請求項に記載の発明では、2つの範囲(X、Y)の十点平均粗さの差が4μmを超えることを特徴とする。
【0016】
これによると、請求項の発明の効果を確実に得ることができる。
【0017】
請求項に記載の発明のように、貴金属チップ(150)は、Ir合金またはPt合金製とすることができる。
【0018】
請求項に記載の発明では、貴金属チップ(150)は、せん断加工によって所定長さに切断されたものであることを特徴とする。
【0019】
これによると、突起部を備える貴金属チップ、或いは、表面粗さが異なる2つの範囲が存在する貴金属チップを、容易に製造することができる。
【0020】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本実施形態のスパークプラグを示す要部の側面図、図2は図1の貴金属チップ50のA矢視図である。
【0022】
図1において、このスパークプラグは、導電性の低炭素鋼等の鉄鋼材料よりなる略円筒形状の取付金具10を有しており、この取付金具10には雄ネジ部(図示せず)が形成されている。そして、内燃機関のシリンダヘッドに形成された図示しない雌ねじ部に、取付金具10の雄ネジ部をねじ結合させることにより、後述する両電極30、40が内燃機関の燃焼室に露出するようにして、スパークプラグがシリンダヘッドに固定されるようになっている。
【0023】
取付金具10の内部には、絶縁性に富むアルミナ(Al23)等のセラミックからなる略円筒形状の碍子20が固定されており、この碍子20の一端部は取付金具10の一端部から露出するように設けられている。
【0024】
碍子20の軸孔には中心電極30が固定されており、この中心電極30は取付金具10に対して絶縁保持されている。中心電極30は、例えば、内材がCu等の熱伝導性に優れた金属材料、外材がNi基合金、Fe基合金、またはCo基合金といった耐熱性および耐食性に優れた金属材料により構成された円柱体で、その一端部が、碍子20の一端部から露出して延びるように設けられている。
【0025】
接地電極40はNi基合金よりなり、中心電極30の軸に対して略平行に延びる脚部41と、中心電極30の軸に対して略直交方向に延びる対向部42を有する。脚部41の一端が取付金具10の一端部に溶接により固定され、脚部41の他端側が曲げられてその先に対向部42があり、この対向部42が中心電極30の先端部と対向している。
【0026】
また、中心電極30の先端部には、Ir(イリジウム)合金よりなる火花放電部電極材としての貴金属チップ50が接合されており、この貴金属チップ50と接地電極40の対向部42との間に放電ギャップ60が形成されている。
【0027】
貴金属チップ50は、細長い円柱状の材料をシャーによってせん断加工することにより、所定長さに切断して用いられる。そして、このせん断加工により、貴金属チップ50におけるせん断向きBの先端側部位にはダレが発生して突起部51が形成される。この突起部51は、貴金属チップ50における薄板円盤状の本体部52の外周側面から、中心電極30の軸に対して略直交方向に突出している。
【0028】
突起部51を中心電極30の軸に対して直交方向から見たときには、突起部51はテーパ形状になっている。また、図2に示すように、突起部51を中心電極30の軸方向から見たときには、突起部51の外周部51aは、本体部52と同心の円弧になっており、突起部51の各側面51b、51cはせん断向きBと略平行になっている。
【0029】
さらに、図1に示すように、接地電極40の対向部42における脚部41側を接地電極付根側とし、接地電極40の対向部42における反脚部側を接地電極先端側としたとき、貴金属チップ50の突起部51が接地電極先端側に配置されている。
【0030】
次に、上記構成のスパークプラグにおいて、突起部長さL1、突起部範囲L2、L2’、突起部高さH1等をパラメータとして、着火性能の評価を行った。
【0031】
なお、突起部長さL1は、突起部51の最外周部51aの半径と本体部52の半径との差、換言すると、本体部52の外周側面から中心電極30の軸に対して直交方向への、突起部51の突出長さである。一方の突起部範囲L2は、本体部52における最も接地電極先端側の部位の接線Cから、突起部51の一方の側面51bと本体部52の外周側面との接点dまでの寸法であり、他方の突起部範囲L2’は、接線Cから、突起部51の他方の側面51cと本体部52の外周側面との接点d’までの寸法である。突起部高さH1は、突起部51における中心電極30の軸方向の最大寸法である。
【0032】
まず、評価品として、図3に示す仕様のスパークプラグを用意した。評価品の貴金属チップ50は、材質はIr−10Rh、本体部52の直径φDは0.7mm、貴金属チップ50の厚さH0は0.8mmである。
【0033】
評価試験は、上記評価品を実車に搭載して市場走行を10万km実施し、その間、2万km走行毎に着火性を調査した。着火性は、着火限界A/Fにて評価した。図4は各評価品の2万km走行毎の着火性の推移を示し、図5は2万km走行時点での各評価品の着火性を、突起部長さL1で整理したものである。
【0034】
なお、図3に記した記号と図4および図5で用いた記号はそれぞれ対応している。また、図3〜図5において黒丸記号(●)で示した評価品は従来品に相当するものであり、突起部51を備えていない。
【0035】
図4および図5から明らかなように、突起部51を有するスパークプラグは、走行距離が短い領域、換言すると使用初期において、従来品よりも着火性が著しく向上している。
【0036】
これは、突起部51が配置された接地電極先端側の電界強度が、接地電極付根側の電界強度よりも相対的に強くなり、火花放電による火炎核が接地電極先端側で形成され、従って、火炎核は接地電極40の脚部41等による冷却作用を受けにくくなり、火炎核が速やかに且つ安定して成長できるためである。
【0037】
また、図5から明らかなように、0.01mm≦L1≦0.2mm、の範囲で着火性向上効果を確実に得ることができ、突起部長さL1が長いほど着火性向上効果が大きくなる。
【0038】
なお、突起部範囲L2、L2’と本体部52の直径φDとの比率は、0.1≦L2/φD≦0.5、0.1≦L2’/φD≦0.5、突起部高さH1は、0.1mm≦H1≦0.3mm、とするのが望ましい。
【0039】
次に、本体部52の直径φDおよび貴金属チップ50の厚さH0を変更した評価品として図6に示す仕様のスパークプラグを用意し、上記と同様の評価を行った。評価品の貴金属チップ50は、材質はIr−10Rh、本体部52の直径φDは0.4mm(上述の評価品はφD=0.7mm)、貴金属チップ50の厚さH0は0.6mm(上述の評価品はH0=0.8mm)である。
【0040】
図7は各評価品の2万km走行毎の着火性の推移を示し、図8は2万km走行時点での各評価品の着火性を、突起部長さL1で整理したものである。なお、図6に記した記号と図7および図8で用いた記号はそれぞれ対応している。また、図6〜図8において黒丸記号(●)で示した評価品は従来品に相当するものであり、突起部51を備えていない。
【0041】
図7および図8から明らかなように、突起部51を有するスパークプラグは、走行距離が短い領域、換言すると使用初期において、従来品よりも着火性が著しく向上している。また、図8から明らかなように、0.01mm≦L1≦0.2mm、の範囲で着火性向上効果を確実に得ることができ、突起部長さL1が長いほど着火性向上効果が大きくなる。
【0042】
なお、突起部範囲L2、L2’と本体部52の直径φDとの比率は、0.1≦L2/φD≦0.5、0.1≦L2’/φD≦0.5、突起部高さH1は、0.1mm≦H1≦0.3mm、とするのが望ましい。
【0043】
次に、第1実施形態の変形例について説明する。上記第1実施形態における突起部51の形状を図9(a)〜(e)のように変更しても、上記第1実施形態と同様の効果が認められた。
【0044】
図9(a)〜(c)は突起部51を中心電極30の軸方向から見たときの形状を示すもので、図9(a)の例では、突起部51の両側面51b、51cは、平行ではなく、本体部52の接線方向に延びている。図9(b)の例では、突起部51の先端部に三角形状の凹凸が多数形成されており、図9(c)の例では、図9(b)の例の凹凸よりも大きな凹凸、すなわち突起部51の先端部側を頂点とし本体部52の外周側面を底辺とする三角形状の凹凸が多数形成されている。
【0045】
図9(d)の例では、突起部51を中心電極30の軸に対して直交方向から見たときの突起部51の形状が、矩形状になっている。また、図9(e)の例では、突起部51を中心電極30の軸に対して直交方向から見たときの突起部51の形状が、外周部51aにフラットな面を有するテーパ形状になっている。
【0046】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では貴金属チップ50の突起部51を接地電極先端側に配置したのに対し、本実施形態は、貴金属チップ150における放電ギャップ60を形成する放電面に表面粗さが異なる2つの範囲を形成し、表面粗さが大きい範囲を接地電極先端側に配置したものである。
【0047】
図10は本実施形態のスパークプラグを示す要部の側面図、図11は図10の貴金属チップ150のE矢視図である。なお、第1実施形態と同一若しくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0048】
貴金属チップ150は、細長い円柱状の材料をシャーによってせん断加工することにより、所定長さに切断して用いられる。そして、このせん断加工により、貴金属チップ150における放電ギャップ60を形成する放電面に、表面粗さが異なる2つの範囲が形成される。具体的には、貴金属チップ150の放電面において、せん断向きBの先端側の範囲Xの表面粗さの方が、せん断向きBの後端側の範囲Yの表面粗さよりも大きくなる。そして、本実施形態では、表面粗さが大きい先端側の範囲Xを、接地電極先端側に配置している。
【0049】
次に、上記構成のスパークプラグにおいて、ろ波最大うねりの差ΔWCM、範囲Xの長さL3、L3’、表面粗さの差ΔRz等をパラメータとして、着火性能の評価を行った。
【0050】
なお、ろ波最大うねりの差ΔWCMは、先端側の範囲Xにおけるろ波うねり曲線のろ波最大うねりをWCM(X)とし、後端側の範囲Yにおけるろ波うねり曲線のろ波最大うねりをWCM(Y)としたとき、ΔWCM=WCM(X)−WCM(Y)、である。
【0051】
また、先端側の範囲Xと後端側の範囲Yとの境界線をF、この境界線Fと貴金属チップ150の外周側面との各交点をg、g’としたとき、範囲Xの一方の長さL3は、貴金属チップ150における最も接地電極先端側の部位の接線Cから一方の交点gまでの寸法であり、範囲Xの他方の長さL3’は、接線Cから他方の交点g’までの寸法である。
【0052】
さらに、表面粗さの差ΔRzは、先端側の範囲Xの十点平均粗さをRZ(X)、後端側の範囲Yの十点平均粗さをRZ(Y)としたとき、ΔRz=RZ(X)−RZ(Y)、である。
【0053】
まず、評価品として、図12に示す仕様のスパークプラグを用意し、第1実施形態と同様の評価を行った。評価品の貴金属チップ150は、材質はIr−10Rh、貴金属チップ150の直径φDは0.7mm、貴金属チップ150の厚さH0は0.8mmである。
【0054】
図13は各評価品の2万km走行毎の着火性の推移を示し、図14は2万km走行時点での各評価品の着火性を、表面粗さの差ΔRzで整理したものである。なお、図12に記した記号と図13および図14で用いた記号はそれぞれ対応している。また、図12〜図14において黒丸記号(●)で示した評価品は従来品に相当するものであり、表面粗さの差ΔRzは4μm以下である。
【0055】
図13および図14から明らかなように、評価品▲1▼〜▲7▼のスパークプラグは、走行距離が短い領域、換言すると使用初期において、従来品よりも着火性が著しく向上している。
【0056】
これは、貴金属チップ150放電面のうち表面粗さが大きい先端側の範囲Xを接地電極先端側に配置したことにより、接地電極先端側の電界強度が接地電極付根側の電界強度よりも相対的に強くなり、火花放電による火炎核が接地電極先端側で形成され、従って、火炎核は接地電極40の脚部41等による冷却作用を受けにくくなり、火炎核が速やかに且つ安定して成長できるためである。
【0057】
なお、貴金属チップ150の放電面のうち表面粗さが大きい先端側の範囲Xを接地電極先端側に配置しても、評価品▲8▼のようにろ波最大うねりの差ΔWCMが−(負)の場合は、接地電極先端側の電界強度が接地電極付根側の電界強度よりも相対的に強くなるとは限らないため、従来品と同等の着火性しか得られなかった。
【0058】
従って、表面粗さの差ΔRzが4μmを超え、且つろ波最大うねりの差ΔWCMが0または+(正)の場合に、着火性向上効果を確実に得ることができる。
【0059】
なお、範囲Xの長さL3、L3’と貴金属チップ50の直径φDとの比率は、0.1≦L3/φD≦0.5、0.1≦L3’/φD≦0.5、とするのが望ましい。
【0060】
次に、貴金属チップ150の直径φDおよび貴金属チップ150の厚さH0を変更した評価品として図15に示す仕様のスパークプラグを用意し、上記と同様の評価を行った。評価品の貴金属チップ150は、材質はIr−10Rh、本体部52の直径φDは0.4mm(上述の評価品はφD=0.7mm)、貴金属チップ50の厚さH0は0.6mm(上述の評価品はH0=0.8mm)である。
【0061】
図16は各評価品の2万km走行毎の着火性の推移を示し、図17は2万km走行時点での各評価品の着火性を、表面粗さの差ΔRzで整理したものである。なお、図15に記した記号と図16および図17で用いた記号はそれぞれ対応している。また、図15〜図17において黒丸記号(●)で示した評価品は従来品に相当するものであり、表面粗さの差ΔRzは4μm以下である。
【0062】
図16および図17から明らかなように、評価品▲1▼〜▲7▼のスパークプラグは、走行距離が短い領域、換言すると使用初期において、従来品よりも着火性が著しく向上している。すなわち、表面粗さの差ΔRzが4μmを超え、且つろ波最大うねりの差ΔWCMが0または+(正)の場合に、着火性向上効果を確実に得ることができる。
【0063】
なお、範囲Xの長さL3、L3’と貴金属チップ50の直径φDとの比率は、0.1≦L3/φD≦0.5、0.1≦L3’/φD≦0.5、とするのが望ましい。
【0064】
次に、第2実施形態の変形例について説明する。上記第2実施形態における範囲Xの形状を図18(a)〜(d)のように変更しても、上記第2実施形態と同様の効果が認められた。
【0065】
第2実施形態における範囲Xの形状は、範囲Xと範囲Yとの境界線Fが直線になった割円であったが、図18(a)の例では、境界線Fが凹形の曲線で範囲Xの形状は略三日月状になっており、図18(b)の例では、境界線Fが凸形の曲線になっている。また、図18(c)の例では、境界線Fが凹形の2本の直線になっており、図18(d)の例では、境界線Fが凸形の2本の直線になっている。
【0066】
(第3実施形態)
上記第1実施形態では貴金属チップ50の突起部51を接地電極先端側に配置したのに対し、本実施形態は、貴金属チップ250の外周角部における周方向の一部に面取り部253を形成し、この面取り部253を接地電極付根側に配置したものである。
【0067】
図19は本実施形態のスパークプラグを示す要部の側面図、図20は図19の貴金属チップ250のJ矢視図である。なお、第1実施形態と同一若しくは均等部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0068】
面取り部253は、曲面状(断面円弧状)の面取りがなされており、その曲面の曲率半径rは、接地電極付根側が最大で、接地電極先端側に近いほど小さくなっている。
【0069】
次に、上記構成のスパークプラグにおいて、面取り部253の最大曲率半径r・max、面取り部範囲L4、L4’等をパラメータとして、着火性能の評価を行った。
【0070】
なお、一方の面取り部範囲L4は、貴金属チップ250における最も接地電極付根側の部位の接線Kから、面取り部253の一方の終点mまでの寸法であり、他方の面取り部範囲L4’は、接線Kから面取り部253の他方の終点m’までの寸法である。
【0071】
まず、評価品として、図21に示す仕様のスパークプラグを用意し、第1実施形態と同様の評価を行った。評価品の貴金属チップ250は、材質はIr−10Rh、貴金属チップ250の直径φDは0.7mm、貴金属チップ250の厚さH0は0.8mmである。
【0072】
図22は各評価品の2万km走行毎の着火性の推移を示し、図23は2万km走行時点での各評価品の着火性を、最大曲率半径r・maxで整理したものである。なお、図21に記した記号と図22および図23で用いた記号はそれぞれ対応している。また、図21〜図23において黒丸記号(●)で示した評価品は従来品に相当するものであり、面取り部253が形成されていない。
【0073】
図22および図23から明らかなように、面取り部253が形成されたスパークプラグは、走行距離が短い領域、換言すると使用初期において、従来品よりも着火性が著しく向上している。
【0074】
これは、面取り部253を接地電極付根側に配置し、面取りされていない部位を接地電極先端側に配置したことにより、接地電極先端側の電界強度が接地電極付根側の電界強度よりも相対的に強くなり、火花放電による火炎核が接地電極先端側で形成され、従って、火炎核は接地電極40の脚部41等による冷却作用を受けにくくなり、火炎核が速やかに且つ安定して成長できるためである。
【0075】
また、図23から明らかなように、0.05mm≦r・maxで着火性向上効果を確実に得ることができ、最大曲率半径r・maxが大きいほど着火性向上効果が大きくなる。
【0076】
次に、貴金属チップ250の直径φDおよび貴金属チップ250の厚さH0を変更した評価品として図24に示す仕様のスパークプラグを用意し、上記と同様の評価を行った。評価品の貴金属チップ250は、材質はIr−10Rh、貴金属チップ250の直径φDは0.4mm(上述の評価品はφD=0.7mm)、貴金属チップ250の厚さH0は0.6mm(上述の評価品はH0=0.8mm)である。
【0077】
図25は各評価品の2万km走行毎の着火性の推移を示し、図26は2万km走行時点での各評価品の着火性を、最大曲率半径r・maxで整理したものである。なお、図24に記した記号と図25および図26で用いた記号はそれぞれ対応している。また、図24〜図26において黒丸記号(●)で示した評価品は従来品に相当するものであり、面取り部253が形成されていない。
【0078】
図25および図26から明らかなように、面取り部253が形成されたスパークプラグは、走行距離が短い領域、換言すると使用初期において、従来品よりも着火性が著しく向上している。また、図26から明らかなように、0.05mm≦r・maxで着火性向上効果を確実に得ることができ、最大曲率半径r・maxが大きいほど着火性向上効果が大きくなる。
【0079】
次に、第3実施形態の変形例について説明する。上記第3実施形態における面取り部253の形状を図27(a)、(b)のように変更しても、上記第3実施形態と同様の効果が認められた。
【0080】
図27(a)の例では、面取り部253は、曲面状ではなくフラットな面取りがなされており、また、その面取り寸法は一定である。図27(b)の例では、面取り部253は、曲面状ではなくフラットな面取りがなされており、また、その面取り寸法は、接地電極付根側が最大で、接地電極先端側に近いほど小さくなっている。
【0081】
(他の実施形態)
上記各実施形態では、貴金属チップ50、150、250を中心電極30のみに設けたが、貴金属チップ50、150、250は、接地電極40のみに設けてもよいし、中心電極30および接地電極40に共に設けてもよい。
【0082】
また、上記各実施形態では、貴金属チップ50、150、250をIr合金製としたが、貴金属チップ50、150、250はPt合金製でもよい。また、貴金属チップ50、150、250を中心電極30および接地電極40に共に設ける場合には、一方をIr合金製とし、他方をPt合金製としてもよい。
【0083】
また、第1実施形態のように貴金属チップ50の突起部51を接地電極先端側に配置する構成、第2実施形態のように金属チップ150の表面粗さが大きい範囲を接地電極先端側に配置する構成、および、第3実施形態のように貴金属チップ250の面取り部253を接地電極付根側に配置する構成を、種々組み合わせて実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるスパークプラグの要部の側面図である。
【図2】図1の貴金属チップ50のA矢視図である。
【図3】評価用スパークプラグの仕様を示す図表である。
【図4】図3の評価品の走行距離と着火性との関係を示す図である。
【図5】図3の評価品の2万km走行時点での着火性を示す図である。
【図6】評価用スパークプラグの仕様を示す図表である。
【図7】図6の評価品の走行距離と着火性との関係を示す図である。
【図8】図6の評価品の2万km走行時点での着火性を示す図である。
【図9】第1実施形態にかかるスパークプラグの変形例を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態にかかるスパークプラグの要部の側面図である。
【図11】図10の貴金属チップ150のE矢視図である。
【図12】評価用スパークプラグの仕様を示す図表である。
【図13】図12の評価品の走行距離と着火性との関係を示す図である。
【図14】図12の評価品の2万km走行時点での着火性を示す図である。
【図15】評価用スパークプラグの仕様を示す図表である。
【図16】図15の評価品の走行距離と着火性との関係を示す図である。
【図17】図15の評価品の2万km走行時点での着火性を示す図である。
【図18】第2実施形態にかかるスパークプラグの変形例を示す図である。
【図19】本発明の第3実施形態にかかるスパークプラグの要部の側面図である。
【図20】図19の貴金属チップ250のJ矢視図である。
【図21】評価用スパークプラグの仕様を示す図表である。
【図22】図21の評価品の走行距離と着火性との関係を示す図である。
【図23】図21の評価品の2万km走行時点での着火性を示す図である。
【図24】評価用スパークプラグの仕様を示す図表である。
【図25】図24の評価品の走行距離と着火性との関係を示す図である。
【図26】図24の評価品の2万km走行時点での着火性を示す図である。
【図27】第3実施形態にかかるスパークプラグの変形例を示す図である。
【符号の説明】
10…取付金具、30…中心電極、40…接地電極、41…脚部、
42…対向部、50、150、250…貴金属チップ、51…突起部、
60…放電ギャップ。

Claims (4)

  1. 筒状の取付金具(10)と、
    この取付金具(10)の内部に絶縁保持された柱状の中心電極(30)と、
    前記中心電極(30)の軸に対して略平行に延びる脚部(41)の一端が前記取付金具(10)に接合されると共に、前記脚部(41)の他端側から前記中心電極(30)の軸に対して略直交方向に延びる対向部(42)が、前記中心電極(30)の先端部に対向して配置された接地電極(40)と、
    前記中心電極(30)の先端部および前記接地電極(40)の対向部(42)のうち少なくとも一方に接合されて放電ギャップ(60)を形成する柱状の貴金属チップ(150)とを備えるスパークプラグにおいて、
    前記接地電極(40)の対向部(42)における前記脚部(41)側を接地電極付根側とし、前記接地電極(40)の対向部(42)における反脚部側を接地電極先端側としたとき、
    前記貴金属チップ(150)における前記放電ギャップ(60)を形成する放電面には表面粗さが異なる2つの範囲(X、Y)が存在し、前記2つの範囲(X、Y)のうち表面粗さが大きい範囲(X)が前記接地電極先端側に配置されていることを特徴とするスパークプラグ。
  2. 前記2つの範囲(X、Y)の十点平均粗さの差が4μmを超えることを特徴とする請求項に記載のスパークプラグ。
  3. 前記貴金属チップ(150)は、Ir合金またはPt合金よりなることを特徴とする請求項1または2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記貴金属チップ(150)は、せん断加工によって所定長さに切断されたものであることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のスパークプラグ。
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