JP3901062B2 - 自走式作業機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に自走式クレーン等の自走式作業機械に係り、より詳しくは、搭載する作業アタッチメントがより長尺であるにもかかわらず軽量であって、しかも狭所への進入性、狭所での作業性が損なわれることがない自走式作業機械の技術分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
自走式作業機械としては、例えば実用新案登録第2529509号公報、特開平3−211193号公報、特開2000−335885号公報に提案されているような自走式クレーンや、特開2001−140575号公報に提案されているような自走式施行機などがある。
【0003】
上記自走式作業機械は、一般に車輪又はクローラ等が設けられた下部走行体と、この下部走行体に搭載された旋回フレームと、この旋回フレームに搭載された運転室及び伸縮ブーム(作業アタッチメント)とを備えて構成されている。前記作業アタッチメントは、通常多段式ブームタイプのものであって、旋回フレームに起伏自在に支持されると共に、その最大倒伏状態で運転室側方を通って旋回フレームの後方から前方にわたって搭載されている。
【0004】
ところで、自走式作業機械の使用される条件によっては、狭所で長尺の作業アタッチメントが必要とされることがあるが、自走式作業機械で長尺の作業アタッチメントを構成するには、通常走行時の性能と、狭所での作業性を確保するために多段式の作業アタッチメントとなり、長尺になればなるほど作業アタッチメントの段数が増加している。
【0005】
このような問題を解決するために、例えば、上記実用新案登録第2529509号公報に提案されてなる移動式クレーンでは、伸縮ブームを最縮小させた状態で内側ブームの基端部が外側ブームの基端部から後方に突出するように構成し、これにより内側ブームの後方突出量に相当する長さ分だけ外側ブームの枢着連結位置(起伏支点の位置)を伸縮ブームの先端方向に移動させることができる。
その結果、クレーン作業時において、旋回台の後端旋回半径を増大させることなく外側ブームに対する内側ブームの伸縮ストロークを増大させることができるようにされている。
【0006】
また、特開平3−211193号公報に提案されてなるクレーン車では、クレーンに設けたブーム基部にベースブームを設け、このベースブーム先端にブームを回動自在に枢着し、またベースブームをブーム基部に対して前後揺動するようにすると共に、走行時ブーム後端半径>フレーム後端半径>作業時ブーム後端半径を満足するように構成することにより、長尺なブームを配置しても走行時の安全性が保たれ、かつクレーン作業時の後端旋回半径を小さくして狭所作業性を向上させている。
【0007】
また、特開2001−140575号公報に提案されてなるアンカー施工機では、ブームブラケットをベースフレームに対して前後移動可能とすることにより、施工の自由度を向上させている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記実用新案登録第2529509号公報に提案されてなる移動式クレーンでは、外側ブーム内に、外側ブーム後方より内側ブームが突出するよう内側ブームを移動可能に配置する構成としたために、外側ブームの全長が短くならざるを得ない。従って、自ずと伸縮ブームの段数が増加することとなり、伸縮ブームの重量が増加してしまうという問題がある。また、外側ブームに対して内側ブームを伸長方向に移動させないと伸縮ブームを起伏揺動させるのに支障が出るため、伸縮ブームの下部に隙間を設けており、これにより伸縮ブームの重心位置が高くなるという問題もあり、走行時における移動式クレーンの安定性が損なわれる可能性がある。さらに、伸縮ブームを伸長時の全長を長尺にするためには不利である。
【0009】
また、特開平3−211193号公報に提案されてなるクレーン車では、ベースフレームとブームとにより関節式ブームとしているために、構造が複雑となり、重量が増加するという問題がある。また、ブーム後端部の高さが高くなり、ブームの重心位置が高くなるという問題もあり、走行時における車体の安定性が損なわれる可能性がある。
【0010】
また、特開2001−140575号公報に提案されてなるアンカー施工機では、実用新案登録第2529509号公報に提案の移動式クレーン及び特開平3−211193号公報に提案されてなるクレーン車の構成に対して、ブームブラケット自体を前後移動可能としているのであるが、ブームブラケットは上部体上でのみ移動可能となっているため、長尺なブームを取り付けると、上部体前方への突出量が多くなるか、或いはブームの段数が多くなり、狭所への侵入性、或いは重量の増加という問題が発生する。またこのアンカー施工機では、ブームが高い位置で枢着されているため、重心も高くなる。
【0011】
道路上を走行する自走式作業機械については、道路の重量制限等の問題、また、重量増加に伴う走行時の慣性力の増加により、加速、制動、曲がるといった走行性能が不利となり、また大きな重量を支える走行装置は大型化せざるを得ず、狭所侵入性が失われるといった重量増加に伴う問題が多々ある。また、重心が高くなればなるほど、側方転倒方向に対する走行安定性の点で不利となる。
【0012】
従って、本発明の目的は、搭載する作業アタッチメントがより長尺であるにもかかわらず軽量であって、しかも狭所への進入性、狭所での作業性が損なわれることがない自走式作業機械を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、作業アタッチメントの起伏支点を有する移動フレームをベースフレームに対して前後方向に摺動移動可能として、前記起伏支点をベースフレームより後方に位置させることを可能としたので、走行時に作業アタッチメントを最大倒伏姿勢とした場合に、作業アタッチメントの旋回フレーム前方への突出量を抑えることができて、狭所侵入性を向上することができる。また、これにより多段伸縮式の作業アタッチメントの場合、縮小状態において長尺な作業アタッチメントを搭載することが可能となり、最大伸長時(作業時)に所望の長さを得るために必要な作業アタッチメントの段数を減らすことができ、作業アタッチメントの重量を軽減することができる。また、作業アタッチメントをベースフレームの前後にそれぞれ突出させるようにしたので、作業アタッチメントの重心位置をベースフレームの中心方向に近付けることができ、走行時の機体の前後バランスを良好に保つことができる。また起伏支点を前後方向に移動可能としたので、任意の位置に起伏支点を位置させた状態で作業を行なうことができ、さらに、起伏支点をベースフレーム後方まで移動可能としたことにより起伏支点(移動フレーム)の移動距離を大きくすることができ、各種作業に対して柔軟に対応することができる。
【0014】
さらに、請求項2に記載の発明では、前記移動フレームに、側面から外方に突出する係合部を設けると共に、前記ベースフレ−ムの後端部に、前記移動フレームが最縮小して前記係合部が係合したときに、前記係合部を係止する係止部を設けたものである。従って、作業時において作業アタッチメントを支持する移動フレームに作用するモーメントが係合部、係止部を介してベースフレームに伝達されるから、このベースフレームの後端上部部分に過大な力が作用するのを防止することができる。
【0015】
さらに、請求項3に記載の発明では、前記ベースフレームに、最縮小状態の移動フレームを固定する縮小時固定手段を設けたものである。従って、縮小時固定手段で移動フレームを前記ベースフレームに固定することにより、自走式作業機械が振動しても係合部が係止部から外れるようなことがないから、ベースフレームの後端上部部分に過大な力が作用するのを防止することができる。
【0016】
さらに、請求項4に記載の発明では、前記ベースフレームに、最伸長状態の移動フレームを固定する伸長時固定手段を設けたものである。従って、伸長時固定手段で移動フレームを前記ベースフレームに固定することにより、自走式作業機械の走行時に生じる振動による移動フレームのベースフレームに対する移動を防止することができる。
【0017】
さらに、請求項5に記載の発明では、前記下部走行体側に、前記移動フレームを最伸長させ、かつ最縮小させた走行姿勢状態の作業アタッチメントを固定するアタッチメント固定手段を設けたものである。従って、アタッチメント固定手段で作業アタッチメントを固定することにより、自走式作業機械の走行時に生じる振動による作業アタッチメントの上下方向のがたつきを防止することができる。
【0018】
なお、請求項6に記載の発明のように、さらに前記起伏支点を運転室の高さ方向略中央位置より下方に位置するようにすれば、重量物である作業アタッチメントを下方に位置させることとなり、機体重心を下げることができて走行安定性を向上することができ、また後方視界を良好なものとすることができる。より具体的には、運転室内の作業者のアイポイントより下方に起伏支点を位置させるとよく、重心を下げることと後方視界を良好とするという点にのみ着眼すれば、可能な限り下方に位置させることが望ましい。
【0019】
従来の自走式作業機械では、一般にエンジンを下部走行体後部に突出した状態で搭載しているため、作業アタッチメントが下部走行体後端より後方に突出することはないが、その分、下部走行体自体が大型化してしまう。これに対して、請求項7に記載の発明によれば、エンジンは旋回フレーム上に搭載されるため、下部走行体を短くすることができ、さらに起伏支点をベースフレームより後方で、下部走行体後端より後方に突出しないようにしたので、走行時に下部走行体後端より作業アタッチメントが大きく突出せず、且つ、旋回フレーム前方への作業アタッチメントの突出量を最大限抑えることが可能となる。
【0020】
あるいは、請求項8に記載の発明のように、前記起伏支点を下部走行体後端より後方に突出する位置に移動可能とした場合には、より長尺な作業アタッチメントであっても、前後バランスよく配置することができ、良好な走行安定性を得ることができる。また、車体からの前後突出量については法規上の規制があるため、前後に分散して突出させることで、より長尺な作業アタッチメントを搭載可能にすることができる。
【0021】
請求項9に記載の発明によれば、車輪式走行装置を有しているため、道路上を走行しながら、狭所(路地)等への高い侵入性を得ることができる。
【0022】
請求項10に記載の発明によれば、作業アタッチメントを、最大倒伏状態において、後方から前方に向けて前下がり形状となるように搭載したので、最大倒伏姿勢時における車長(機体の前方端は作業アタッチメントの前方端となる)を短く抑えることができると共に、作業アタッチメントの起伏支点を前方位置より後方位置に移動させることにより、運転席側方位置における作業アタッチメントの高さをより低くすることができ、側方視界を良好なものとすることができる。
【0023】
請求項11に記載の発明によれば、前記作業アタッチメントは、最大倒伏状態において後方から前方に向けて前下がり斜めに配置されており、移動フレームは前記作業アタッチメントの傾斜軸方向に移動可能に構成した。従って、移動フレームは前記作業アタッチメントの傾斜軸方向に移動するから、水平方向に移動させる場合に比較して、移動フレームの移動に伴う機械本体での占有空間を少なくすることができる。よって、移動フレームと機械本体との干渉の問題がなく、装備機器類のレイアウトの自由度が増し、自走式作業機械をよりコンパクトに構成することができる。
【0024】
請求項12に記載の発明によれば、ベースフレームにレールを設け、移動フレームは前記レール上を移動可能とすると共に、移動フレームをベースフレームに対して移動させるフレーム移動用シリンダを設けたので、移動フレーム(作業アタッチメント起伏支点)を任意の位置に高い自由度で位置させることができ、各種作業に対して最適な位置を確保することができる。
【0025】
請求項13に記載の発明によれば、前記作業アタッチメント、前記下部走行体の前方および後方に突出した状態で、かつ前記作業アタッチメントの前端および後端と、前記下部走行体との最小直角走行軌跡がほぼ同一となるように配設した。従って、作業アタッチメントを最大限長く取りながら、走行時の直角進入性能が損なわれることがないから、狭所における直角通路を走行する際に、作業アタッチメントを起立させたり、旋回角度に応じてその都度前後移動させたりすることなく走行することができる。このように、下部走行体のほぼ中央に長尺の重量物である作業アタッチメントを下部走行体と平行位置させ、かつ最大限低い状態にすることにより、車体重心が低くなり、車体の左右の転倒角度が大きくなるから、車体を小幅にすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態1に係る自走式作業機械を、この自走式作業機械が自走式クレーンである場合を例として、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る自走式クレーンの全体側面図、図2は、その全体平面図である。図3は、本発明の要部である旋回フレームのベースフレーム(以下の説明では上部フレームと称す)、移動フレーム、作業アタッチメントである多段伸縮ブームの構造を説明するための一部を切り欠いて示す全体図、図4は、図3のA−A線断面図である。また、図5は、自走式クレーンの直角路侵入説明図である。
【0027】
図1および図2に示す符号1は、本発明の実施の形態に係る自走式クレーンであって、この自走式クレーン1は、後述する旋回自在な旋回フレーム2を備えている。この旋回フレーム2は、旋回自在な上部フレーム2aと、この上部フレーム2aにより前端部が後端部よりも下側になるように前傾状態に支持され、フレーム移動用シリンダ2dにより前後方向に移動される移動フレーム2cと、この移動フレーム2cの後端部にブームフットピン2gを介して支持され、ブーム起伏シリンダ2fで起伏される作業アタッチメントである伸縮自在な多段伸縮ブーム2eと、前記上部フレーム2aに搭載され、クレーン操縦室と走行用の運転室とを兼用するキャブ2hとを備えて構成されている。さらに、この上部フレーム2aには、油圧機器類、この油圧機器類に圧油を供給する油圧ポンプを駆動するエンジン2i、作動油タンク2jが配設されている。
【0028】
前記上部フレーム2aは、後述する下部走行体4の長手方向、および幅方向のほぼ中心部に旋回ベアリング2bを介して搭載されている。この下部走行体4の前後には、先端部にタイヤ6aが取付けられてなる車軸6が取付けられている。さらに、この下部走行体4の車軸6の取付け位置よりも前側と、後側との2個所には、クレーン作業時に車幅方向の外方にアウトリガビーム7aを張出すと共に、アウトリガシリンダ7bの伸長により、この自走式クレーン1を水平に浮上させて支えるアウトリガ装置7が設けられている。なお、自走式クレーン1の走行時には、前記アウトリガシリンダ7bが縮小されると共に、アウトリガビーム7aが縮小されて格納されるものである。また、下部走行体4は下部フレーム5で構成されている。
【0029】
前記エンジン2iで駆動される油圧ポンプから吐出される圧油は、キャブ2h内に配設されてなる各操作用油圧機器、旋回ベアリング2bの中心に設けられてなるスイベルジョイント3を介して、アウトリガビーム7aを張出し、格納するビーム作動シリンダ、アウトリガビーム7aの先端に垂直に取付けられてなるアウトリガシリンダ7b、下部走行体4の下部フレーム5内に配設され、前記車軸6の差動ギヤを駆動する図示しない走行用油圧モータ、および操行用装置に供給されるように構成されている。勿論、ブレーキオイルもスイベルジョイント3を介してブレーキキャリパに供給されるように構成されている。
【0030】
さらに、油圧ポンプから吐出される圧油はスイベルジョイント3を介さずに、前記移動フレーム2cを移動させるフレーム移動用シリンダ2d、前記多段伸縮ブーム2eを起伏させるブーム起伏シリンダ2f、前記多段伸縮ブーム2eを伸縮させる図示しないブーム伸縮シリンダ、ワイヤロープを巻き上げ巻き下げる図示しないウインチに供給されるように構成されている。
【0031】
以下さらに、本発明の要部である旋回フレーム2の上部フレーム2a、移動フレーム2c、多段伸縮ブーム2eそれぞれの構造を、図3、および図4を基に詳細に説明する。
【0032】
前記上部フレーム2aは、立設された左右一対のブラケット板2aaを含んで構成され、このブラケット板2aaは、後部が高い勾配に形成されると共に、上部内側には前後方向にガイド溝2abが形成され、また対のブラケット板2aa間の下部には前記勾配と略同勾配で底板2acが設けられている。底板2acの上面及び側面にはそれぞれパッド2adと2aeが設けられ、移動フレーム2cを摺動案内するように構成されている。
【0033】
前記移動フレーム2cは、底板2caと側板2cbで構成された溝形のやや長尺の構造体からなり、底板2caが上記パッド2ad上に摺動可能に載置されると共に、後部腹面に設けられたブラケット2ccとブラケット板2aa間の上部フレーム2a上に設けられたブラケット2afとの間にフレーム移動用シリンダ2dが取付けられている。また、側板2cbの上部はパッド2cdが取付けられて上記ブラケット板2aaのガイド溝2ab内に係合して摺動案内されるように構成されている。また、側板2cbの後部には、上方に突出部2ceが形成され、当該突出部2ceにブームフットピン2gを介して伸縮自在な多段伸縮ブーム2eが起伏自在に設けられている。なお、上記パッド2adと2ae及びパッド2cdは上部フレーム2aの全長にわたって設けられてあってもよいし、前後端など必要個所に適宜設けてあってもよい。また、パッド2aeは必要であればパッドキャリア(パッド取付け部材)を介して取付け、その側面の出入りをシム調整するようにしてもよい。
【0034】
上記構成の旋回フレーム2における上部フレーム2aは、多段伸縮ブーム2eの起伏支点となるブームフットピン2gを後部に設けた移動フレーム2cをフレーム移動用シリンダ2dによって前後方向に移動可能に設けられているので、走行時には、フレーム移動用シリンダ2dを作動させて移動フレーム2cを上部フレーム2aより後方に位置させることができ、これにより、多段伸縮ブーム2eの旋回フレーム2の前方への突出量を抑えることができるため、長尺な多段伸縮ブーム2eを搭載することが可能となり、図示の多段伸縮ブーム2eの段数3段を4段に重ねる構造よりも長尺にして軽量にでき、また重心を下げることができる。また、作業する場合も必要であれば、移動フレーム2cを移動させて起伏支点を任意の位置に位置させた状態で作業を行なうことができる。またさらに、移動フレーム2cを上部フレーム2aに対して後方に大きく移動距離を取ることで、各種作業に対して柔軟に対応することができる。また、フレーム2cの長さを作業時の旋回に支障の無い範囲で長く構成し、上部フレーム2a内への格納時に上部フレーム2aの先端より長く突き出すことにより、多段伸縮ブーム2eを長尺化することができる。
【0035】
さらに、上部フレーム2aに対して、移動フレーム2cを多段伸縮ブーム2eの最大倒伏状態における前下がりの傾斜角度と同じ傾斜角度で移動するように構成した。そのため、移動フレーム2cは多段伸縮ブーム2eと同じ傾斜角度で移動するから、水平方向に移動させる場合に比較して、移動フレーム2cの移動に伴う機械本体での占有空間を少なくすることができる。よって、移動フレームと機械本体との干渉の問題がなく、装備機器類のレイアウトの自由度が増し、自走式クレーン1自体をよりコンパクトに構成することができる。また、移動フレーム2cの移動時に、下部走行体4と多段伸縮ブーム2eとの干渉がなく、走行時の姿勢で多段伸縮ブーム2eを下部走行体4の上面に最大限接近させた状態にすることができる。このようにすることによって、走行時の車体重心を大幅に低くすることができ、自走式クレーン1の左右の転倒角度を大きくすることができるので、車幅を狭くすることができる。
【0036】
さらに、多段伸縮ブーム2eを下部走行体4の幅方向のほぼ中心を通るように配設することにより、多段伸縮ブーム2eを最も長尺にすることが可能になる。一方、旋回フレーム2の旋回中心が下部走行体4の中心である場合には、多段伸縮ブーム2eを、下部走行体4の前方および後方に突出した状態で、かつ多段伸縮ブーム2eの前方と後方への突出長さをほぼ同じにすれば、その最小直角幅を最大限小さな状態にすることができる。また、図5に示すように、多段伸縮ブーム2eの前端および後端と、前記下部走行体4との最小直角走行軌跡Lがほぼ同一となるように配設するのが望ましい。つまり、多段伸縮ブーム2eを最大限長くとりながら、走行時の直角進入性能が損なわれることがないからである。
なお、上記のような最小旋回走行時の多段伸縮ブーム2eの前端および後端の奇跡が下部走行体4の外端より内側になるようにすれば、走行時における多段伸縮ブーム2eと障害物との干渉による損傷を防止することができるのはいうまでもないことである。
【0037】
さらに、上部フレーム2aに、油圧機器類、この油圧機器類に圧油を供給する油圧ポンプを駆動するエンジン2i、作動油タンク2jを配設すると共に、移動フレーム2cの起伏支点となるブームフットピン2gを下部走行体4後端より後方に突出可能としているので、長尺な多段伸縮ブーム2eの重心付近を保持することができ、走行安定性が向上する。また車体からの突出量については法規上制限があるため、前後に分散して突出させることで、最大限長尺な多段伸縮ブーム2eを搭載することができる。
【0038】
移動フレーム2cの起伏支点となるブームフットピン2gの取付け位置をキャブ2hの高さ方向略中央位置より下方に位置させることにより、重量物である多段伸縮ブーム2eを下方に位置させて機体全体の重心を下げることができる。
また、側方視界はもとより良好な後方視界も得ることができる。本実施形態1においては、全体の機器レイアウトの関係からブームフットピン2gの位置をキャブ2hの高さ方向略中央位置としたが、これに限定されるものではなく、ブームフットピン2gの位置は、さらに下方に配置するようにすれば、より機体重心を下げることができることはいうまでもない。
【0039】
また、上記例では、上部フレーム2aに、油圧機器類、この油圧機器類に圧油を供給する油圧ポンプを駆動するエンジン2i、作動油タンク2jを配設し、移動フレーム2cの起伏支点となるブームフットピン2gを、下部走行体4後端より後方に突出可能な場合を例としたが、本発明はこの例に限定されるものではなく、これらエンジン2i等を従来同様に下部走行体4の下部フレーム5上に搭載すると共に、移動フレーム2cの起伏支点となるブームフットピン2gを下部走行体4後端より後方に突出しないようにしてもよい。この場合、下部走行体4自体が従来同様に大型化する可能性があるが、それでも移動フレーム2cの起伏支点となるブームフットピン2gを上部フレーム2aより後方にできる上に、走行時に下部走行体4後端より多段伸縮ブーム2eが突出せず、且つ、最大限前方への旋回フレーム前方への突出量を抑えることが可能となる。
【0040】
また、上記例では、多段伸縮ブーム2eを最大倒伏状態において後方から前方に向けて前下がり形状となるように搭載する場合を例として説明したが、水平に搭載してもよく、この場合、前下がり形状に搭載する場合に比較して、ブーム起伏支点を前方位置より後方位置に移動しても、運転席側方位置におけるブームの高さが低くならず、側方から斜め前方の視界の向上は望めないが、前方の視界を大幅に向上させることができ、その他の上述した作用効果も同様に享受することができる。
【0041】
次に、本発明の実施の形態2に係る自走式クレーンを、添付図面を参照しながら説明する。図6は、移動フレームの縮小状態(クレーン作業可能姿勢)を示す自走式クレーンの上部部分の主要部側面図、図7は、図6のB−B線断面図、図8は、図6のC−C線断面図、図9は、図6のD−D線断面図である。また、図10は、移動フレーム伸長状態(走行姿勢)を示す自走式クレーンの上部部分の主要部側面図、図11は、アタッチメント固定手段を前側から見た模式的構成説明図である。なお、本実施の形態2に係る自走式クレーンの主要構成は、上記実施の形態1に係る自走式クレーンと同様である。そして、相違するところは、移動フレ−ムを上部フレームに固定するための手段、および多段伸縮ブームを下部フレームの前部に固定するための手段を付加したところにあるから、同一のものには同符号をふして、主として相違する点について説明する。
【0042】
即ち、上部フレーム2aの両ブラケット板面の外側にフレーム移動用シリンダ2dが配設されており、このフレーム移動用シリンダ2dのロッドの先端はシリンダ連結ピン8の先端に連結されている。このシリンダ連結ピン8は、移動フレーム2cの後端であって、かつブームフットピン2gに連結されてなる多段伸縮ブーム2eの下部位置で上部フレーム2aを貫通している。そして、このシリンダ連結ピン8の上部フレーム2aからの突出部、より具体的には、上部フレーム2aの側面とフレーム移動用シリンダ2dのロッドの連結部との間の部分が、後述する係止部に係合する係合部8aになっている。
【0043】
また、上部フレーム2aの両ブラケット板の後端部は、後端側になるに連れて次第に上下方向の寸法が小寸となる、略横台形状に形成されている。そして、その先端部に、移動フレーム2cが最縮小したときに係合する前記係合部8aを係止する係止部9が形成されている。この係止部9は、奥側が半円状に形成された切欠き9aと、内側に前記切欠きと同形状の切欠きを有し、これら切欠き同士が一致するように上部フレーム2aの側面に溶接付けされた、略コの字状のブロック9bとから構成されている。なお、本実施の形態2では、上部フレーム2aの後端部を略横台形状に形成したが、平坦であってもよい。また、係止部9の切欠き9aは、開口側の幅が広く奥側になるに連れて幅が狭まり、その奥側が円弧状に形成されているが、最縮小状態の移動フレーム2cをガタつきなく上部フレーム2aに固定するためであるから、この形状に限らず、例えば上下に平行な摺動面を備えた矩形状に形成されていてもよい。
【0044】
また、上部フレーム2aの両ブラケット板面(図では1側面側だけが示されている)の前端付近で、かつフレーム移動用シリンダ2dの上方に、最縮小状態の移動フレーム2cを上部フレーム2aに固定する縮小時固定手段10が設けられている。この縮小時固定手段10は、図8に示すように、上部フレーム2aのブラケット板に設けられた外側ピン用穴10aと、移動フレーム2cの側板に設けられた内側ピン用穴10bと、これらピン用穴10a,10bに共通しされる固定用ピン10cとから構成されている。なお、上部フレーム2aの後部上端と、多段伸縮ブーム2eの側面とのそれぞれにストッパ2k,2lが設けられており、図10に示す状態、つまりブーム倒伏状態における移動フレーム2cの最伸長時にこれらストッパ2k,2lが当接することにより、移動フレーム2cの伸長状態の位置規制がなされるように構成されている。
【0045】
上部フレーム2aの断面形状は、図9に示すように、左右のブラケット板の上端が相対する方向に折り曲げ形成されている。そして、折り曲げられた部分の下面と、左右のブラケット板の間の下部に設けられた底板の上面とに平坦な摺動面を備えた摺動パッドが取付けられており、これらの間で移動フレーム2cが摺動移動可能に組み込まれている。
【0046】
また、上部フレーム2aのブラケット板の後部側の側面であって、かつ横台形形成部の基端部付近のフレーム移動用シリンダ2dの上方に、最伸長状態の移動フレーム2cを上部フレーム2aに固定する伸長時固定手段11が設けられている。この伸長時固定手段11は、上部フレーム2aのブラケット板面に設けられた外側ピン用穴と、移動フレーム2cの側板に設けられた内側ピン用穴と、これらピン用穴に共通しされる固定ピンとから構成されている。以上の説明から良く理解されるように、この伸長時固定手段11は、前記縮小時固定手段10と全く同構成になるもので、固定用ピンは共用されるものである。なお、縮小時固定手段10と伸長時固定手段11との中心間距離は、移動フレーム2cのストロークと同じ寸法に設定されている。
【0047】
さらに、移動フレーム2cを最伸長させ、多段伸縮ブーム2eを倒伏、かつ最縮小させた多段伸縮ブーム2eの先端部の上下方向のがたつきを防止するアタッチメント固定手段12が設けられている。このアタッチメント固定手段12は、図10と、図11とに示すように、多段伸縮ブーム2eの先端部の腹面の幅方向に設けられたブラケットに支持された固定用ピン12bと、前方が開口し、固定用ピンが嵌り込む切欠き12aとから構成されている。この切欠き12aは、下部走行体4の前側上部に突設されてなるブームレスト13に設けられている。
勿論、下部走行体4の前側上部に突設されてなるブームレスト13からずれた位置に切欠きを有する、略コの字状に形成した固定用ブラケットを突設する構成にすることができる。しかしながら、常用部品であるブームレスト13を活用する方がコスト低減になるので好ましい。
【0048】
以下、上記実施の形態2に係る自走式クレーンの作用態様を説明すると、本実施の形態2では、上記実施の形態1の構成に、移動フレ−ム2cを上部フレーム2aに固定するための手段、および多段伸縮ブーム2eを下部走行体4の前部に固定するための手段が付加されただけである。従って、上記実施の形態1と同等の効果を得ることができる。
【0049】
そして、図6に示すように、移動フレーム2cが最縮小されて係合部8aが係止部9に係合して係止されると、作業時において多段伸縮ブーム2eを支持する移動フレーム2cに作用する上向きのモーメントが係合部8a、係止部9を介して上部フレーム2aに伝達される。従って、この上部フレーム2aの後端上部部分に過大な力が作用するのを防止することができるから、移動フレーム2cの上部の折り曲げ部分の剛性を低剛性にすることができ、移動フレーム2cのコストに関して上記実施の形態1よりも有利になる。
【0050】
ところで、本実施の形態2の場合、断面形状が円形の係合部8が、奥側が半円状の切欠きの係止部9に係合して係止される構成であるが、後述する構成にする方が好ましい。即ち、フレーム移動用シリンダ2d側になるに連れて次第に上下方向の寸法が小寸となる楔状に係合部8aを形成すると共に、奥側になるに連れて次第に上下方向の幅が狭くなるテーパ溝状に係止部9を形成する。係合部8aと係止部9を上記のような形状に形成すると、係止部9の傾斜面に係合部8aの傾斜面が密接するため、より確実に、移動フレーム2cのがたつきを防止することができ、クレーン作業の能率向上に寄与することができるという効果が得られるからである。
【0051】
さらに、上部フレーム2aの側面に設けた縮小時固定手段10により、移動フレーム2cが上部フレーム2aに固定されている。そのため、クレーン作業時において自走式クレーンが振動するが、振動が原因で係合部8aが係止部9から外れたりするようなことがないから、安定した状態でクレーン作業を継続することができる。
【0052】
また、移動フレーム2cを伸長させ、多段伸縮ブーム2eを倒伏させると共に、最縮小させた走行姿勢においては、上部フレーム2aの側面に設けた伸長時固定手段11により、移動フレーム2cが上部フレーム2aに固定されている。
さらに、多段伸縮ブーム2eの先端、より詳しくは、基本ブームの先端がアタッチメント固定手段12により固定されている。そのため、走行により自走式クレーンが振動しても、移動フレーム2cが上部フレームに対して移動するようなことがなく、そして多段伸縮ブーム2eの先端側が上下にガタつくようなことがない。従って、走行中において自走式クレーンにピッチング現象が生じるようなことが少なくなり、安定走行が可能になるから、乗り心地も向上するという効果を得ることができる。
【0053】
なお、前記伸長時固定手段11は、前述の係止部9と係合部とを備えたものであるが、後述する手段を付加することにより、走行時の安全性をより向上させることができる。より具体的には、開口端となる前方側に段差等の外れ止め機構や、抜止ピンや、リンク式のブラケットによるによるロック機構、さらに運転室からのワイヤーケーブルや電気信号等による自動ロック、遠隔解除等の構成を付加することで、走行時の安全性をより向上させることができる。
【0054】
ところで、本実施形態1または2に係る自走式クレーンの場合には、上部フレーム2aに摺動パッドを介在させて、フレーム移動用シリンダ2dにより移動フレーム2cを摺動移動させる例を説明した。しかしながら、後述するようなフレーム移動手段の採用により、移動フレーム2cを摺動移動させることができるので、上部フレーム2aに対する移動フレーム2cの移動手段についてはシリンダに限定されるものではない。
【0055】
この他、シリンダ以外の移動手段としては、移動フレーム2cをラックとピニオンとの構成で移動させる構成にすることができる。この場合には、多段伸縮ブーム2eの腹面側にラックを配設すると共に、下部走行体4のフレーム上面にピニオンを備えた駆動モータを配設する。多段伸縮ブーム2eを倒伏させてピニオンにラックを噛合させ、固定用ピンを抜くと共に、駆動モータを駆動させることにより、多段伸縮ブーム2eと一体に移動フレーム2cを移動させることができる。また、自走式クレーン1に搭載されている別のアクチュエータを利用して、移動フレーム2cを移動させる方法としては、下記のものがある。
【0056】
即ち、多段伸縮ブーム2eの基端部の背面に搭載されるウインチで巻取り、巻戻されるロープを活用する。
▲1▼ 移動フレームを縮小させる場合
移動フレームの後端部の上下位置にシーブを設け、これらシーブにウインチで巻取り、巻戻されるロープを掛け回すと共に、ロープの先端を上部フレームに連結して、ウインチでロープを巻取る構成とする。
▲2▼ 移動フレームを伸長させる場合
多段伸縮ブームの先端のブームポイントシーブに掛けられた、ウインチで巻取り、巻戻されるロープの先端を下部走行体に連結して、ウインチでロープを巻取る構成とする。なお、この他のウインチ駆動では、基本ブーム前方にシーブを配設し、ロープ端を旋回フレームに固定する等、ロープの経路とシーブ配置とにより種々の構成で移動フレームを移動させることができる。
【0057】
多段伸縮ブームを伸縮させるブーム伸縮シリンダを活用する。
▲1▼ 移動フレームを縮小させる場合
ブーム伸縮シリンダにより多段伸縮ブームを伸長させ、この多段伸縮ブームの先端と下部走行体との間にステーを介装すると共に、ブーム伸縮シリンダにより多段伸縮ブームを縮小させる構成とする。
▲2▼ 移動フレームを伸長させる場合
多段伸縮ブームの先端と下部走行体との間にステーを介して連結し、ブーム伸縮シリンダにより多段伸縮ブームを伸長させる構成とする。
この場合、多段伸縮ブームの先端と、下部走行体とを繋ぐステーとしては、移動フレームの最縮小状態における多段伸縮ブームの下部走行体の前端からの突出量に応じて適宜専用の金属製ロッド、リンク等を用いることができ、また吊荷作業で用いられることが多い、ジブ等のアタッチメントを利用することもできる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1乃至3に係る自走式作業機械によれば、長尺な作業アタッチメント(伸縮ブーム)を備えながら、狭所への進入性、狭所での作業性を損なうことなく操作が行なえ、また作業アタッチメントは、段数を増加させず長尺とすることができより軽量な構成とすることができるので、より狭所への進入性、狭所での作業性の改善が図れる。
【0059】
本発明の請求項2および3に係る自走式作業機械によれば、移動フレームを縮小させた作業可能な状態において、移動フレームがベースフレームの後部に固定される。従って、作業アタッチメントを介して移動フレーム伝わるモーメントが固定部によって受持たれ、ベースフレームの後端上部部分に過大な力が作用しないから、移動フレームの後端上部部分の剛性を低剛性にすることができ、移動フレームのコストに関して有利になる。
【0060】
本発明の請求項4および5に係る自走式作業機械によれば、移動フレームを伸長させた走行可能な状態において、移動フレームがベースフレームに固定され、そして作業アタッチメントが下部走行体に固定される。そのため、走行に際して振動が生じても、移動フレームが移動するようなことがなく、また作業アタッチメントが上下にがたつくようなことがない。従って、走行時において自走式作業機械にピッチング現象が生じるようなことが少なく、安定走行が可能になると共に、乗り心地も向上するという効果が得られる。
【0061】
本発明の請求項6に係る自走式作業機械によれば、起伏支点が運転室の高さ方向略中央位置より下方に位置しているので、重量物である作業アタッチメントを下方に位置させることとなり、機体重心を下げることができて走行安定性を向上することができ、また後方視界を良好なものとすることができる。
【0062】
本発明の請求項7に係る自走式作業機械によれば、エンジンは旋回フレーム上に搭載されるため、下部走行体を短くすることができ、さらに起伏支点をベースフレームより後方で、下部走行体後端より後方に突出しないようにしたので、走行時に下部走行体後端より作業アタッチメントが大きく突出せず、且つ、旋回フレーム前方への作業アタッチメントの突出量を最大限抑えることが可能となる。
【0063】
本発明の請求項8に係る自走式作業機械によれば、起伏支点を下部走行体後端より後方に突出する位置に移動可能としたので、より長尺な作業アタッチメントであっても、前後バランスよく配置することができ、良好な走行安定性を得ることができる。また、車体からの前後突出量については法規上の規制があるため、前後に分散して突出させることで、より長尺な作業アタッチメントを搭載可能にすることができる。
【0064】
本発明の請求項9に係る自走式作業機械によれば、車輪式走行装置を有しているため、道路上を走行しながら、狭所(路地)等への高い侵入性を得ることができる。
【0065】
本発明の請求項10に係る自走式作業機械によれば、作業アタッチメントを、最大倒伏状態において、後方から前方に向けて前下がり形状となるように搭載したので、最大倒伏姿勢時における車長(機体の前方端は作業アタッチメントの前方端となる)を短く抑えることができると共に、作業アタッチメントの起伏支点を前方位置より後方位置に移動させることにより、運転席側方位置における作業アタッチメントの高さをより低くすることができ、側方視界を良好なものとすることができる。
【0066】
本発明の請求項11に係る自走式作業機械によれば、移動フレームは作業アタッチメントの傾斜軸方向に移動するから、水平方向に移動させる場合に比較して、移動フレームの移動に伴う機械本体での占有空間を少なくすることができる。よって、移動フレームと機械本体とが干渉するような問題がなく、装備機器類のレイアウトの自由度が増し、自走式作業機械をよりコンパクトに構成することができる。
【0067】
本発明の請求項12に係る自走式作業機械によれば、ベースフレームにレールを設け、移動フレームは前記レール上を移動可能とすると共に、移動フレームをベースフレームに対して移動させるフレーム移動用シリンダを設けたので、移動フレーム(作業アタッチメント起伏支点)を任意の位置に高い自由度で位置させることができ、各種作業に対して最適な位置を確保することができる。
【0068】
本発明の請求項13に係る自走式作業機械によれば、作業アタッチメントは、前記下部走行体の前方および後方に突出した状態で、かつ前記作業アタッチメントの前端および後端と、前記下部走行体との最小直角走行軌跡がほぼ同一となるように配設されている。従って、作業アタッチメントを最大限長く取りながら、走行時の直角進入性能が損なわれることがないから、狭所における直角通路を走行する際に、作業アタッチメントを起立させたり、旋回角度に応じてその都度前後移動させたりすることなく走行することができる。このように、下部走行体のほぼ中央に長尺の重量物である作業アタッチメントを車体と平行位置させ、かつ最大限低い状態にすることにより、車体重心が低くなり、車体の左右の転倒角度が大きくなるから、車体を小幅にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る自走式クレーンの全体側面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る自走式クレーンの全体平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係り、要部である旋回フレームのベースフレーム、移動フレーム、多段伸縮ブームの構造を説明するための一部を切り欠いて示す全体図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】自走式クレーンの直角路侵入説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係り、移動フレームの縮小状態(クレーン作業可能姿勢)を示す自走式クレーンの上部部分の主要部側面図である。
【図7】図6のB−B線断面図である。
【図8】図6のC−C線断面図である。
【図9】図6のD−D線断面図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係り、移動フレーム伸長状態(走行姿勢)を示す自走式クレーンの上部部分の主要部側面図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係り、アタッチメント固定手段を前側から見た模式的構成説明図である。
【符号の説明】
1…自走式クレーン
2…旋回フレーム、2a…上部フレーム、2b…旋回ベアリング、2c…移動フレーム、2d…フレーム移動用シリンダ、2e…多段伸縮ブーム、2f…ブーム起伏シリンダ、2g…ブームフットピン、2h…キャブ、2i…エンジン、2j…作動油タンク、2k,2l…ストッパ
3…スイベルジョイント
4…下部走行体
5…下部フレーム
6…車軸、6a…タイヤ
7…アウトリガ装置
8…シリンダ連結ピン、8a…係合部
9…係止部、9a…切欠き、9b…ブロック
10…縮小時固定手段、10a…外側ピン用穴、10b…内側ピン用穴、10c…固定用ピン
11…伸長時固定手段
12…アタッチメント固定手段、12a…切欠き、12b…固定用ピン
13…ブームレスト
L…最小直角走行軌跡

Claims (13)

  1. 作業アタッチメントと、前記作業アタッチメントを起伏自在に支持すると共に運転室を搭載する旋回フレームと、前記旋回フレームを旋回自在に支持する下部走行体を有し、前記作業アタッチメントの最大倒伏状態で、前記作業アタッチメントが前記運転室側方を通って前記旋回フレームの後方から前方にわたって載置された状態となる自走式作業機械において、前記旋回フレームは、前記下部走行体と連結されるベースフレームと、前記作業アタッチメントの起伏支点を有する移動フレームとを有して構成され、前記移動フレーム、前記ベースフレームに対して前後方向に摺動移動可能とし、前記作業アタッチメントの起伏支点、前記ベースフレームの後端より後方に移動可能としたことを特徴とする自走式作業機械。
  2. 前記移動フレームに、側面から外方に突出する係合部を設けると共に、前記ベースフレ−ムの後端部に、前記移動フレームが最縮小して前記係合部が係合したときに、前記係合部を係止する係止部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自走式作業機械。
  3. 前記ベースフレームに、最縮小状態の移動フレームを前記ベースフレームに固定する縮小時固定手段を設けたことを特徴とする請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載の自走式作業機械。
  4. 前記ベースフレームに、最伸長状態の移動フレームを前記ベースフレームに固定する伸長時固定手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の自走式作業機械。
  5. 前記下部走行体側に、前記移動フレームを最伸長させ、かつ最縮小させた走行姿勢状態の作業アタッチメントを固定するアタッチメント固定手段を設けたことを特徴とする請求項4に記載の自走式作業機械。
  6. 前記起伏支点、前記運転室の高さ方向略中央位置より下方に位置するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のうちの何れか一つの項に記載の自走式作業機械。
  7. 前記ベースフレーム上にエンジンを含むパワーユニットが搭載され、前記起伏支点、前記下部走行体後端より後方に突出しないようにしたことを特徴とする請求項1乃至6のうちの何れか一つの項に記載の自走式作業機械。
  8. 前記ベースフレーム上にエンジンを含むパワーユニットが搭載され、前記起伏支点、前記下部走行体後端より後方に突出する位置に移動可能としたことを特徴とする請求項1乃至6のうちの何れか一つの項に記載の自走式作業機械。
  9. 前記下部走行体は、車輪式走行装置を有することを特徴とする請求項1乃至8のうちの何れか一つの項に記載の自走式作業機械。
  10. 前記作業アタッチメントは、最大倒伏状態において後方から前方に向けて前下がり形状となるように搭載されたことを特徴とする請求項1乃至9のうちの何れか一つの項に記載の自走式作業機械。
  11. 前記作業アタッチメントは、最大倒伏状態において後方から前方に向けて前下がり斜めに配置されており、移動フレーム前記作業アタッチメントの傾斜軸方向に移動可能に構成したことを特徴とする請求項1乃至9のうちの何れか一つの項に記載の自走式作業機械。
  12. 前記ベースフレームにはレールが設けられ、前記移動フレームは前記レール上を移動可能とされると共に、前記移動フレームを前記ベースフレームに対して移動させるフレーム移動用シリンダを設けたことを特徴とする請求項1乃至11のうちの何れか一つの項に記載の自走式作業機械。
  13. 記作業アタッチメント、前記下部走行体の前方および後方に突出した状態で、かつ前記作業アタッチメントの前端および後端と、前記下部走行体との最小直角走行軌跡がほぼ同一となるように配設したことを特徴とする請求項1乃至12のうちの何れか一つの項に記載の自走式作業機械。
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