JP3890419B2 - 車両用表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のインストルメントパネルに設けられ、車両の全走行距離を表示するオドメータ部や、車両の走行距離を表示すると共に任意にリセット可能なトリップメータ部などからなる車両用表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のインストルメントパネルにおいて、一般的に、ドライバが視認可能な前方位置には表示装置が設けられている。この表示装置には、車両の走行速度を表示するスピードメータやエンジンの回転数を表示するタコメータの他に、車両の全走行距離を表示するオドメータや、車両の走行距離を表示すると共に任意にリセット可能なトリップメータが設けられている。また、このスピードメータ、タコメータ、オドメータ、トリップメータなどの表示部とは別に液晶ディスプレイを表示部として設け、この液晶ディスプレイの表示部に外気温度や燃費など、車両の走行に必要な情報を表示するようにしたものもある。
【0003】
ところが、スピードメータ、タコメータ、オドメータ、トリップメータなどの表示部とは別に設けた液晶ディスプレイの表示部に外気温度や燃費などを表示した場合、ドライバが車両の運転中にこれらの情報を得ようとすると、表示部が分散して配置されているために視認しずらく、必要な情報を瞬時に得ることができないという問題があった。
【0004】
そこで、これらの複数の情報を一箇所の表示位置に選択的に表示するようにしたものが、例えば、特開平7−156690号公報に開示されている。
【0005】
この特開平7−156690号公報に開示された「液晶ディスプレイの表示切替方法」は、2通りのトリップメータを択一的に表示するトリップメータ表示部と、時計またはオドメータを表示する時計・オドメータ表示部とを設け、切替スイッチの操作に応じて2通りのトリップメータの表示を切り替えると共に、時計とオドメータの表示を切り替えるようにしている。
【0006】
従って、切替スイッチの操作に応じて2つのトリップメータの表示と時計あるいはオドメータの表示を切り替えることで表示部を1箇所にすることができ、ドライバは車両の運転中であっても、1箇所の表示部をみるだけで必要な情報を瞬時に得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来の表示装置(特開平7−156690号「液晶ディスプレイの表示切替方法」)にあっては、切替スイッチの操作によって時計とオドメータの表示を切り替えているため、表示部に時計が表示されているとき、ドライバはオドメータを視認することはできず、使い勝手がよくない。また、2つのトリップメータの表示の切り替えや時計とオドメータの表示の切り替えは切替スイッチを用いて行われており、この切替スイッチを別途設けなければならず、構造が複雑になると共にコスト高となってしまうという問題がある。
【0008】
本発明はこのような問題を解決するものであって、簡単な構成で複数の情報を適宜選択的に表示可能とすることで、必要な情報を瞬時に視認することができる車両用表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明の車両用表示装置では、オドメータ部とトリップメータ部とを設けると共に、運転状態検出手段によって検出された車両の運転状態を表示する運転状態表示部を設け、オドメータ部を常時表示させる一方、リセット手段によってトリップメータ部と運転状態表示部とを切換表示可能とすると共に、エンジン再始動時にはエンジン停止前に記憶していた走行距離と運転状態とをスクロール表示させてからエンジン停止時に表示していた表示値を表示するようにしてある。従って、オドメータ部とトリップメータ部と運転状態表示部とが一箇所に集中して表示されることとなり、ドライバにとってこれらの情報の視認性がよくなり、必要な情報を瞬時に得ることができる。また、オドメータ部が常時表示されており、使い勝手が良く、更に、リセット手段によって容易にトリップメータ部と運転状態表示部とを切換表示できる。
【0010】
また、請求項2の発明の車両用表示装置では、リセット手段の操作時間を検出するリセット操作時間検出手段を設け、このリセット操作時間検出手段が検出したリセット操作時間が所定値未満であるときにはトリップメータ部と運転状態表示部との表示を切り換え、リセット操作時間が所定値以上であるときには現在表示状態にあるトリップメータ部あるいは運転状態表示部をリセットするようにしてある。従って、トリップメータ部あるいは運転状態表示部のリセット操作と、トリップメータ部と運転状態表示部との表示切換とを1つのリセット手段によって行うことで、別途切替スイッチを設ける必要がなく、構造の簡素化及び低コスト化が図れる。
【0011】
また、請求項3の発明の車両用表示装置では、運転状態検出手段が少なくとも車両の外気温度及び燃費を検出し、運転状態表示部がこの検出した外気温度及び燃費を表示可能としてある。従って、1つの表示位置にトリップメータ部や外気温度及び燃費などの運転状態表示部を切替表示でき、表示部を削減できる一方で、容易に複数の情報を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
図1に本発明の一実施形態に係る車両用表示装置を表すメータパネルの正面視、図2に本実施形態の車両用表示装置による表示方法を表す説明を示す。
【0014】
本実施形態の車両用表示装置において、図1に示すように、図示しないインストルメントパネルには、ドライバが視認可能なその前方位置にメータパネル11が設けられている。このメータパネル11は、中央部に車両の走行速度を表示するスピードメータ12とエンジンの回転数を表示するタコメータ13が装着され、その両側には燃料の残量を表示するフューエルゲージ14と冷却水の水温を表示するテンプゲージ15が装着されている。また、スピードメータ12とタコメータ13の間には、ターンシグナルインジケータランプ16、アッパビームインジケータランプ17、シフトパターンインジケータランプ18が装着されている。
【0015】
このスピードメータ12内には液晶ディスプレイ21が設けられており、この液晶ディスプレイ21は上段の表示部22と下段の表示部23とが形成されている。そして、上段の表示部22にはトリップメータ部Aとトリップメータ部Bと運転状態表示部とを選択的に切換表示することができ、下段の表示部23にはオドメータ部を表示することができる。そして、メータパネル11にはスピードメータ12に隣接してリセット手段としてのリセット切換スイッチ24が設けられている。トリップメータ部A及びトリップメータ部Bは車両の走行距離を別々に表示すると共に、リセット切換スイッチ24を押すことでそれぞれリセット可能となっている。運転状態表示部は、平均燃費AVGと瞬間燃費INSTと外気温度を表示可能であり、リセット切換スイッチ24を押すことでそれぞれリセット可能となっている。そして、リセット切換スイッチ24を押すことで、表示部22の表示内容を切換可能となっている。また、オドメータ部は車両の全走行距離を表示することができる。
【0016】
即ち、液晶ディスプレイ21の上段の表示部22には、トリップメータ部(任意の走行距離)Aとトリップメータ部(任意の走行距離)Bと平均燃費AVGと瞬間燃費INSTと外気温度とを選択切換表示可能であり、下段の表示部23にはオドメータ部(車両の全走行距離)を常時表示することができる。この場合、このリセット切換スイッチ24の押圧操作時間を検出する図示しないリセット操作時間検出手段としてのタイマが設けられており、リセット切換スイッチ24の押圧操作時間が所定時間(例えば、1秒)未満であるときには、トリップメータ部A,Bと平均燃費AVGと瞬間燃費INSTと外気温度との間で切換表示が行われ、リセット切換スイッチ24の押圧操作時間が所定時間(例えば、1秒)以上であるときには現在表示状態にあるトリップメータ部A,Bと平均燃費AVGと瞬間燃費INST(外気温度)がリセットされるようになっている。
【0017】
ここで、リセット切換スイッチ24による液晶ディスプレイ21の表示部22の表示切換操作及びリセット操作について説明する。図2に示すように、例えば、液晶ディスプレイ21の表示部22にはトリップメータ部A(走行距離123.4km)が表示され、表示部23にはオドメータ部(全走行距離123456km)が表示されている。この状態からリセット切換スイッチ24を1秒未満押圧操作すると、表示部22はトリップメータ部A(走行距離123.4km)からトリップメータ部B(走行距離567.8km)に切り換わる。同様に、リセット切換スイッチ24の1秒未満押圧操作を繰り返すと、それぞれトリップメータ部B(走行距離567.8km)から平均燃費AVG(9.6L/100km)、瞬間燃費INST(12.3L/100km)、外気温度(24℃)にそれぞれ切り換わり、トリップメータ部A(走行距離123.4km)に戻すことができる。
【0018】
また、液晶ディスプレイ21の表示部22にトリップメータ部A(走行距離123.4km)が表示されている状態から、リセット切換スイッチ24を1秒以上押圧操作すると、トリップメータ部Aはリセット(走行距離0.0km)される。なお、トリップメータ部Bや平均燃費AVGや瞬間燃費INSTを表示しているときに、リセット切換スイッチ24を1秒以上押圧操作すると、前述と同様に、各表示部はリセットされる。
【0019】
なお、平均燃費AVGや瞬間燃費INSTは車速や燃料の残量などから運転状態検出手段としての図示しない制御部が演算して求めており、外気温度は車両前端部に取付けられた外気温度センサが検出している。
【0020】
そして、例えば、表示部22に平均燃費AVG(9.6L/100km)が表示され、表示部23にオドメータ部が表示された状態でエンジンを停止しても、制御部は全てのデータを記憶している。従って、再度、エンジンを作動すると、表示部23にはオドメータ部(全走行距離123456km)が瞬時に表示されるが、表示部22には、トリップメータ部A(走行距離123.4km)、トリップメータ部B(走行距離567.8km)、平均燃費AVG(9.6L/100km)、瞬間燃費INST(12.3L/100km)、外気温度(24℃)がスクロール表示されてから、エンジン停止時に表示していた平均燃費AVG(9.6L/100km)が表示される。なお、スクロール表示中にリセット切換スイッチ24を押圧操作すると、スクロールをやめてエンジン停止時に表示していた平均燃費AVG(9.6L/100km)が表示される。
【0021】
このように本実施形態の車両用表示装置にあっては、スピードメータ12内に液晶ディスプレイ21を設け、この液晶ディスプレイ21の上段の表示部22にトリップメータ部A,Bと平均燃費AVGと瞬間燃費INSTと外気温度とを選択切換表示可能とし、下段の表示部23にオドメータ部を常時表示可能とし、リセット切換スイッチ24の所定時間未満の押圧操作で表示部22の表示を順次切換可能とし、所定時間以上の押圧操作で表示部22の各表示をリセット可能としてある。従って、オドメータ部とトリップメータ部と運転状態表示部を液晶ディスプレイ21に集中して表示させ、オドメータ部を常時表示させる一方、トリップメータ部と運転状態表示部とを選択切換表示させることで、ドライバによる情報の視認性がよくなって必要な情報を瞬時に得ることができ、また、表示部22での選択切換表示とリセットをリセット切換スイッチ24で共用することで、別途切替スイッチを設ける必要がなく、構造の簡素化及び低コスト化が図れる。
【0022】
なお、表示部22に表示する運転状態表示部として、平均燃費AVGと瞬間燃費INSTと外気温度を設けたが、これに限らず、例えば、平均車速、瞬間車速、時計、航続可能距離などを表示するようにしてもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明の車両用表示装置によれば、車両の全走行距離を表示するオドメータ部と、車両の走行距離を表示すると共にリセット手段によって該走行距離を任意にリセット可能なトリップメータ部と、運転状態検出手段によって検出された車両の運転状態を表示する運転状態表示部とを設け、オドメータ部を常時表示させる一方、リセット手段によってトリップメータ部と運転状態表示部とを切換表示可能とすると共に、エンジン再始動時にはエンジン停止前に記憶していた走行距離と運転状態とをスクロール表示させてからエンジン停止時に表示していた表示値を表示するので、オドメータ部とトリップメータ部と運転状態表示部とを一箇所に集中して表示させることで、ドライバによる情報の視認性がよくなって必要な情報を瞬時に得ることができ、また、オドメータ部が常時表示されることで使い勝手が良く、更に、リセット手段によって容易にトリップメータ部と運転状態表示部とを切換表示することができる。
【0024】
また、請求項2の発明の車両用表示装置によれば、リセット操作時間検出手段が検出したリセット操作時間が所定値未満であるときにはトリップメータ部と運転状態表示部との表示を切り換え、リセット操作時間が所定値以上であるときには現在表示状態にあるトリップメータ部あるいは運転状態表示部をリセットするようにしたので、トリップメータ部あるいは運転状態表示部のリセット操作と、トリップメータ部と運転状態表示部との表示切換を1つのリセット手段によって行うことで、別途切替スイッチを設ける必要がなく、構造の簡素化及び低コスト化を図ることができる。
【0025】
また、請求項3の発明の車両用表示装置によれば、運転状態検出手段が少なくとも車両の外気温度及び燃費を検出し、運転状態表示部がこの検出した外気温度及び燃費を表示可能としたので、1つの表示位置にトリップメータ部や外気温度及び燃費などの運転状態表示部を切替表示でき、表示部を削減できる一方で、容易に複数の情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用表示装置を表すメータパネルの正面図である。
【図2】本実施形態の車両用表示装置による表示方法を表す説明図である。
【符号の説明】
11 メータパネル
12 スピードメータ
13 タコメータ
21 液晶ディスプレイ
22 表示部(トリップメータ部、運転状態表示部)
23 表示部(オドメータ部)
24 リセット切換スイッチ(リセット手段)
Claims (4)
- 車両の全走行距離を表示するオドメータ部と、車両の走行距離を表示すると共にリセット手段によって該走行距離を任意にリセット可能なトリップメータ部とを具えた車両用表示装置において、車両の運転状態を検出する運転状態検出手段を設けると共に、該運転状態検出手段によって検出された車両の運転状態を表示する運転状態表示部を設け、前記オドメータ部を常時表示させる一方、前記リセット手段によって前記トリップメータ部と前記運転状態表示部とを切換表示可能とすると共に、エンジン再始動時にはエンジン停止前に記憶していた前記走行距離と前記運転状態とをスクロール表示させてからエンジン停止時に表示していた表示値を表示することを特徴とする車両用表示装置。
- 請求項1記載の車両用表示装置において、前記リセット手段の操作時間を検出するリセット操作時間検出手段を設け、該リセット操作時間検出手段が検出したリセット操作時間が所定値未満であるときには前記トリップメータ部と前記運転状態表示部との表示を切り換え、該リセット操作時間が所定値以上であるときには現在表示状態にある前記トリップメータ部あるいは前記運転状態表示部をリセットすることを特徴とする車両用表示装置。
- 請求項1記載の車両用表示装置において、前記運転状態検出手段は少なくとも車両の外気温度及び燃費を検出し、前記運転状態表示部はこの検出した外気温度及び燃費を表示可能であることを特徴とする車両用表示装置。
- 請求項1記載の車両用表示装置において、前記走行距離と前記運転状態のスクロール表示中に前記リセット手段を操作したとき、エンジン停止時に表示していた表示値を表示することを特徴とする車両用表示装置。
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