JP3889626B2 - 熱利用システム - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は熱利用システムに関し、より詳細には、太陽熱を大気圧に近い飽和水蒸気あるいは過熱水蒸気状態で利用する熱利用システムに関する。
【0002】
【背景技術】
図5は従来の熱利用システムの主要部を概略的に示した部分断面斜視図であり、図中51は集熱板を示している。集熱板51はステンレス鋼板、アルミニウム板等を用いて平面視略長方形状に形成されている。この集熱板51の上面51aには黒色塗装処理(図示せず)が施されており、この黒色塗装処理により太陽熱が吸収され易いようになっている。集熱板51の所定箇所には銅、ステンレス鋼等の金属を用い、略チューブ形状に形成された複数個の集熱管52が平行に配設されており、集熱管52の管壁と集熱板51とは溶接等により一体化が図られている。集熱管52の両端部には略中空四角柱形状をしたヘッダー53、54が側壁部53a、54aにおいて一体的に接続されており、集熱管52の孔部とヘッダー53、54の中空部(共に図示せず)とは導通するようになっている。集熱板51、集熱管52、ヘッダー53、54の周囲には、一点鎖線で示した略箱形状をしたケース55が配設されており、ケース55の内壁と集熱板51やヘッダー53、54との間にはグラスウール等の断熱材(図示せず)が充填されている。集熱板51、集熱管52の上方にはこれらを覆う態様で透過体56が配設されており、この透過体56は太陽光を透過し易い強化ガラス、透明プラスチック材料等を用いて略板形状に形成されている。透過体56はパッキング(図示せず)を介してケース55上部に密接して取り付けられており、対流による熱損失の発生を抑制するため、透過体56と集熱板51、集熱管52との距離Dはなるべく短く設定されている。これら集熱板51、集熱管52、ヘッダー53、54、ケース55、透過体56等を含んで平板型集熱器50が構成されている。
【0003】
ヘッダー54の一端部54bは供給管57a、ポンプ57c、切換バルブ57d、給水管57eを介して給水タンク(図示せず)に接続されている。又、切換バルブ57dには供給管57bの一端部が接続されており、供給管57bの他端部は容器61内の下部に接続されている。これら供給管57a、57b、ポンプ57c、切換バルブ57d、給水管57e等を含んで媒体供給系57が構成されている。
【0004】
平板型集熱器50下方の所定箇所には略中空直方体形状をした金属製の容器61が設置され、容器61の外周には断熱部材62が取り付けられ、断熱部材62の外周は金属板製の保護部材63により保護されている。容器61上部の所定箇所には空気抜き部61aが形成されており、容器61内における高温水65の増減につれ、容器61内の空気が空気抜き部61aより容易に流出・流入するようになっている。容器61上部の所定箇所には排出管64aの一端部が接続され、排出管64aの他端部はバルブ64bを介してヘッダー53の一端部53bに接続されている。これら容器61、断熱部材62、保護部材63、配管64a、バルブ64b等を含んで蓄熱手段60が構成されている。
【0005】
容器61内部の所定位置には配管66の一端部が取り付けられ、配管66の他端部はポンプを介して熱交換器、ヒートポンプ、給湯器、浴槽、暖房器、吸収冷凍機等の熱利用機器(共に図示せず)に接続されている。これら平板型集熱器50、媒体供給系57、蓄熱手段60、熱利用機器等を含んで熱利用システムが構成されている。
【0006】
このように構成された熱利用システムを使用する場合、集熱板51に太陽の放射光が高密度に放射され、かつヘッダー53の高さがヘッダー54より高くなるように、平板型集熱器50を所定方向・所定傾斜角に設定・固定する。次にバルブ64bを開き、切換バルブ57dを給水管57e側に切り換えた後、ポンプ57cを駆動し、図中矢印で示したように、所定流量の水を配管57e、切換バルブ57d、ポンプ57c、配管57a、ヘッダー54を介して集熱管52に供給する。すると集熱板51に吸収された太陽熱が熱伝導作用等により、集熱管52を介して水に伝達され、略1気圧、80〜90℃程度の高温水65が生成される。この高温水65はヘッダー53、排出管64a、バルブ64bを通り、蓄熱手段60に貯蔵される。蓄熱手段60に貯蔵された高温水65の温度が低下した場合、切換バルブ57dを供給管57b側に切り換え、平板型集熱器50に再度通すことにより、高温水65の温度が確保される。
【0007】
蓄熱手段60に所定量の高温水65が貯蔵されると、配管66のポンプを駆動して高温水65を熱利用機器側に供給する。
【0008】
図6は従来の別の熱利用システムを概略的に示した断面図であり、図中51、52、53〜54、55は、図5に示したものと略同様の集熱板、集熱管、ヘッダー、ケースをそれぞれ示している。集熱板51、集熱管52、ヘッダー53、54の上面には、図5に示したものと略同様の黒色塗装処理(図示せず)が施されている。ケース55の内壁と集熱板51、ヘッダー53、54との間には断熱材71が充填されている。集熱板51、集熱管52の上方には透過体72a、72bが二重に取り付けられており、これにより伝導による外方への熱損失が抑制されるようになっている。さらに対流による熱損失の発生を抑制するため、透過体72a、72bの隙間72cと、透過体72a、集熱板51の空隙73とは所定の低圧に維持されるようになっている。これら集熱板51、集熱管52、ヘッダー53、54、ケース55、断熱材71等を含んで平板型集熱器70が構成されている。
【0009】
平板型集熱器70の下方には熱交換器74が設置されており、熱交換器74は、その周囲に断熱部材(図示せず)が取り付けられた容器74aと、容器74a内に縦方向に配設されたコイル状の内部配管74bとを含んで構成されている。内部配管74bの上端部には配管76aを介してヘッダー53が接続される一方、内部配管74bの下端部は配管76b、圧縮ポンプ75、配管76cを介してヘッダー54に接続されている。他方、熱交換器74上部は配管79aを介し、熱利用機器である蒸気タービン77の入口部77aに接続されている。さらに蒸気タービン77の出口部77bは配管79b、復水器78a、配管79c、循環ポンプ78b、配管79dを介して熱交換器74下部に接続されている。又、蒸気タービン77の回転軸77cには、発電機77dが機械的に連結されている。
【0010】
このように構成された熱利用システムを使用する場合、熱媒体として例えば水を用いて圧縮ポンプ75を駆動し、図中矢印で示したように、所定圧力、所定流量の加圧水を配管76c、ヘッダー54を介して集熱管52に供給する。図5に示した集熱器50に比べて、集熱器70は伝導及び対流による熱損失が少ないため、集熱管52を通った加圧水は約130℃程度まで昇温させられる。この加圧高温水はヘッダー53、配管76aを通り、熱交換器74の内部配管74bに供給され、容器74a内の水と熱交換されて温度が低下した後、配管76b、圧縮ポンプ75を通って再び循環させられる。一方、熱交換器74において加熱された水は圧力蒸気となり、この圧力蒸気は配管79aを介し、蒸気タービン77に導入されて膨張する。するとこの蒸気は流速を増しつつタービンブレード(図示せず)に衝突し、回転軸77cを介して発電機77dを駆動させ、電気を発生させる。蒸気タービン77より排出された蒸気は復水器78aにおいて温水となり、循環ポンプ78bを介して熱交換器74に供給され、再び循環させられる。
【0011】
上記したように、図5に示した熱利用システムにおいては、太陽熱エネルギを高温水65(約1気圧、80〜90℃程度)の顕熱として転換・回収しており、この場合、潜熱回収に比べて水単位重量当たりの回収熱量が少ない。この結果、熱量を多く回収するには集熱器50に比較的大量の水を供給・輸送する必要があり、装置の剛性やポンプ57c等の機器能力を大きく設定せねばならず、設計が面倒となり、コストが高くつき易い。又、透過体56等からの熱損失が多いため、集熱効率が劣るという課題があった。
【0012】
又、図示しないが、集熱器50がグランドレベル上に複数個連結して設置されると共に、蓄熱手段60上面が集熱器50上面より高く設定されているような大規模の熱利用システムにおいては、高温水65を蓄熱手段60に貯蔵するため、バルブ64b近傍にポンプ57cと連動して流量を制御する別のポンプを設置する必要がある。この結果、設計、組み立て施工、メンテナンスが面倒となり、コストが一層高くつき易いという課題があった。
【0013】
又上記したように、図6に示した熱利用システムにおいては、太陽熱エネルギを加圧高温水(約4〜6気圧、110〜130℃程度)の顕熱として転換・回収しており、図5の場合と同様、水単位重量当たりの回収熱量が少ない。この結果、集熱器70に比較的大量の水を供給・輸送する必要があり、装置全体の剛性や圧縮ポンプ75等の機器能力を大きく設定する必要がある。又、集熱器70、熱交換器74、圧縮ポンプ75等がクローズドサイクルを構成すると共に、水の圧力が高いため、図5のものに比べて一層耐圧強度を高め、かつ水漏れ防止を図る必要がある。又、隙間72cや空隙73を略真空に維持しなくてはならず、集熱器70の設計、製造、メンテナンスが面倒となり易い。これらの結果、コストがより一層高くつき易いという課題があった。
【0014】
【発明の開示】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、媒体として少量の水を用い、太陽熱エネルギを大気圧の飽和水蒸気あるいは過熱水蒸気の潜熱として大規模かつ効率的に転換・回収することができ、発生させた飽和水蒸気あるいは過熱水蒸気が自動的に輸送されると共に、簡単かつ確実に貯蔵することができ、装置の軽量化や機器能力のダウンサイジング化を図ると共に、設計、製造・メンテナンスを容易に行うことができ、この結果、コストを大幅に削減することができる熱利用システムを提供することを目的としている。
【0015】
本発明者は下記の(1)〜(6)に示した知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0016】
(1)平板型集熱器における太陽エネルギの集熱可能熱量を約500W/m2 とすると、この熱量による飽和水(0℃→100℃、1気圧)の理論上の生成量は約1.2g/m2 ・sである(90℃→100℃の場合は約12g/m2 ・s)。一方、この熱量による飽和水蒸気(100℃、1気圧)の理論上の生成量は約0.22g/m2 ・s(約370ml/m2 ・s)であり、前記した0℃→100℃の飽和水生成の場合に比べて水(循環)使用重量を約1/5(90℃→100℃の場合は約1/50)程度にまで減少させることが可能となる。
【0017】
したがって、太陽熱エネルギを例えば飽和水蒸気の潜熱として回収すると、媒体(水)の供給量を少なくし得ることとなり、装置の強度や機器の能力を軽減してコストダウンを図ることが可能となる。
【0018】
(2)半径が10-4m〜10-5mの微小水滴は、表面が平滑なバルク水の場合と比較して放射熱を吸収し易い。又、蒸発に伴なって微小水滴の半径が約10-7m以下になると、この飽和水蒸気圧がバルク水と比べて大きくなるため、1気圧のもとでは、100℃よりも低い温度で水蒸気となり易い。
【0019】
(3)飽和水の上面と高温の集熱体の下面とが水蒸気を挟んで対向配置されている場合、飽和水の熱放射エネルギをEw 、飽和水上面(黒体とみなす)の熱放射率εw を1、集熱体下面の熱放射率をεc 、集熱体の温度Tc と同一温度における黒体の熱放射エネルギをEcbとすると、飽和水の上面に照射される熱放射エネルギは、下記の(a)式で表される。
【0020】
(1−εc )Ew +εc ×Ecb ・・・・・・(a)
したがって、水が蒸発することにより潜熱に移行するエネルギEは、下記の(b)式で表される。
【0021】
E={(1−εc )Ew +εc ×Ecb}−Ew
=εc (Ecb−Ew ) ・・・・・・(b)
この際、飽和水の熱放射エネルギEw は一定であるから、Eは略εc に比例する。すなわち、集熱体下面に黒体化処理を施すことにより、集熱体から飽和水への放射伝熱量を多くし得ることとなる。一方、集熱体下面に黒体化処理を施さない場合、飽和水への放射伝熱量が大幅に減少し、集熱体の温度のみが上昇することとなる。
【0022】
(4)微小水滴が充満している水蒸気発生室内の上部に所定温度の集熱体が水平状に配設されている場合、前記集熱体の下面近傍から下方に向けて、比較的高温の過熱水蒸気、約100℃の飽和水蒸気、約100℃以下の飽和水がこの順に分布、滞留しており、上方に分布するもの程比重が小さいため、自然体流が生じ難い。又、飽和水蒸気、過熱水蒸気の発生の際、容積変化に基づく強制対流の発生もきわめて僅かである。このような滞留・分布がある場合、集熱体から微小水滴への伝熱効率が低下することとなる。
【0023】
(5)輸送系の水蒸気の流れが定常流である場合、この定常流を作るために必要な最小限の水蒸気圧力差を△Pu 、前記輸送系の圧力損失(輸送抵抗)を△Pl とすると、水蒸気発生室内と大気圧との圧力差△Pは、下記の(c)式で表される。
【0024】
△P=△Pu +△Pl ・・・・・・(c)
したがって、前記輸送系が断熱材により熱的に十分絶縁されている場合、前記水蒸気発生室内と大気圧との圧力差△Pを略数百Pa程度に抑えることにより、前記輸送系の全流路において水蒸気の密度を略同様となし得ることとなる。この結果、前記水蒸気発生室内で水蒸気を連続的に発生させるにつれ、前記輸送系を介し、これと略同量の水蒸気を順次自動的に押出し・輸送し得ることとなる。又、前記輸送系の圧力損失△P1 が略数百Pa以下となるように、水蒸気輸送量・輸送距離等に基づいて前記輸送系の配管断面形状が簡単に設定され、この結果、前記輸送系を容易に設計し得ると共に、システム全体の耐圧性を低く設定し得ることとなる。
【0025】
(6)水蒸気収容手段が略湯呑茶碗を逆にした形状である場合に、この水蒸気収容手段に例えば飽和水蒸気を供給してゆくと、空気の比重に比べて飽和水蒸気の比重が小さいため、飽和水蒸気が浮上して前記水蒸気収容手段内の上部(水蒸気収容部)に収容される一方、空気は下方向に沈降する。この空気は開口部を介して大気圧により常時押し上げられているため、水蒸気収容部に大気圧の飽和水蒸気を確実に収容し得ることとなる。
【0026】
すなわち、上記目的を達成するために本発明に係る熱利用システム(1)は、 集熱体と断熱ケースとの間に形成され、太陽熱により微小水滴を蒸発させる水蒸気発生室、
該水蒸気発生室内に微小水滴を供給する微小水滴供給手段、
及び前記水蒸気発生室内で発生した水蒸気を系外に輸送する輸送系を含んで構成され、
前記水蒸気発生室内の水蒸気圧力を略大気圧に維持し得るように、前記輸送系の輸送抵抗が設定された太陽熱集熱手段と、
該太陽熱集熱手段の前記輸送系を介して接続され、下部に大気に開放された開口部を有し、かつ上部に水蒸気収容部を有する水蒸気収容手段とを備え、
前記水蒸気発生室で発生させた大気圧の飽和水蒸気あるいは過熱水蒸気のみを熱媒体として利用することを特徴としている。
【0027】
尚、前記微小水滴供給手段により前記水蒸気発生室内に供給される微小水滴の形状は略球形であると共に、前記微小水滴供給手段における電力効率からみて、この半径は10-4〜10-5m程度であることが望ましい。
【0028】
上記した熱利用システム(1)によれば、前記水蒸気発生室内に前記微小水滴供給手段より供給された微小水滴が充満しており、この微小水滴は流水等に比べ、前記集熱体が放射する放射熱エネルギを吸収し易いので、前記微小水滴は容易、かつ確実に蒸発することとなる。したがって太陽熱エネルギを熱容量の大きい水蒸気潜熱として効率よく変換・回収することができると共に、回収熱量当りの必要媒体量(水使用量)を大幅に減少させることができる。この結果、装置の軽量化やダウンサイジングを図ることができ、コストを削減することができる。又、媒体供給系、熱輸送系の構造が簡単となるため、大量のエネルギを獲得する大規模システムにも容易に対応することができると共に、製造・メンテナンスを容易に行うことができる。
【0029】
又、本発明に係る熱利用システム(2)は、金属板の一主面側に太陽光の吸収率が大きく、赤外線の放射率が小さい選択吸収膜が形成され、前記金属板の他主面側に黒体化処理が施された集熱体、該集熱体の前記他主面が下向きに取り付けられる略箱形状をした断熱ケース、該断熱ケースと前記集熱体との間に形成された水蒸気発生室、該水蒸気発生室内に微小水滴を供給する微小水滴供給手段、及び前記水蒸気発生室内で発生した水蒸気を系外に輸送する輸送系を含んで構成された太陽熱集熱手段を備え、前記水蒸気発生室内の水蒸気圧を略大気圧に維持し得るように、前記輸送系の輸送抵抗が設定されていることを特徴としている。
【0030】
前記水蒸気発生室内における水蒸気圧力と大気圧との圧力差は、断熱材の断熱性能、水蒸気通路の断面積及び距離、水蒸気の流速等により変化するが、あってもプラス数百Pa以下が望ましい。
【0031】
上記した熱利用システム(2)によれば、上記熱利用システム(1)と略同様の効果を得ることができると共に、前記一主面側に形成された前記選択吸収膜により、太陽熱エネルギを前記集熱体に効率よく吸収させることができ、かつ前記他主面側に施された前記黒体化処理により、前記集熱体に吸収された太陽熱エネルギを前記微小水滴に確実に放射伝熱させることができ、この結果、太陽熱エネルギを一層効率的に回収することができる。又、前記水蒸気発生室内の水蒸気圧を略大気圧に維持し得るように、前記輸送系の輸送抵抗が設定されているので、前記輸送系の一方を大気に開放しておくことにより、前記水蒸気発生室内で水蒸気を発生させるにつれ、前記輸送系を介し、これと略同量の水蒸気を順次自動的に押出し、輸送することができる。又、前記水蒸気発生室内の水蒸気圧力が略大気圧に維持されるように、水蒸気輸送量・輸送距離等に基づいて前記輸送系の断面形状を簡単に設定し得るので、前記輸送系を容易に設計することができると共に、全体的に耐圧性を低く抑えることができ、これらの結果、コストを大幅に削減することができる。
【0032】
又、本発明に係る熱利用システム(3)は、金属板の一主面側に太陽光の吸収率が大きく、赤外線の放射率が小さい選択吸収膜が形成され、前記金属板の他主面側に黒体化処理が施された集熱体、該集熱体の前記他主面が下向きに取り付けられる略箱形状をした断熱ケース、該断熱ケースと前記集熱体との間に形成された水蒸気発生室、該水蒸気発生室内に微小水滴を供給する微小水滴供給手段、及び前記水蒸気発生室内で発生した水蒸気を系外に輸送する輸送系を含んで構成され、前記水蒸気発生室内の水蒸気圧力を略大気圧に維持し得るように、前記輸送系の輸送抵抗が設定された太陽熱集熱手段と、該太陽熱集熱手段の前記輸送系を介して接続され、下部に大気に開放された開口部を有し、かつ上部に水蒸気収容部を有する水蒸気収容手段と、該水蒸気収容手段に蒸気配管を介して接続される熱交換器等の熱利用手段及び/又は蒸気タービン等の動力利用手段と、前記熱利用手段や前記蒸気配管に導入された水蒸気等のガスを排出する排出手段とを備えていることを特徴としている。
【0033】
上記した熱利用システム(3)によれば、上記熱利用システム(2)と略同様の効果を得ることができると共に、前記輸送系を介し、所定形状の開口部を有する前記水蒸気収容手段が接続されているので、前記水蒸気発生室内で水蒸気を連続的に発生させるにつれ、これと略同量の水蒸気が前記輸送系より順次自動的に押出されてゆき、前記水蒸気収容手段へと輸送される。又、水蒸気の比重は大気の比重に比べて小さく、かつこの大気が前記開口部を介して大気圧により常時押し上げられているので、輸送された大気圧の水蒸気を前記水蒸気収容手段内に確実に収容しておくことができる。又、前記水蒸気収容手段に前記蒸気配管を介して熱利用手段及び/又は動力利用手段が接続されると共に、前記熱利用手段や前記蒸気配管に導入された水蒸気等のガスを排出する排出手段を備えているので、作動開始時に前記熱利用手段内や前記蒸気配管内に滞留している大気を排出し、あるいは作動中に前記熱利用手段内に生じる不凝縮性気体を排出することができ、これらの結果、前記水蒸気収容手段内の水蒸気を前記熱利用手段及び/又は前記動力利用手段へ確実に輸送・導入し、利用することができる。
【0034】
又、本発明に係る熱利用システム(4)は、金属板の一主面側に太陽光の吸収率が大きく、赤外線の放射率が小さい選択吸収膜が形成され、前記金属板の他主面側に黒体化処理が施された集熱体、該集熱体の前記他主面が下向きに取り付けられる略箱形状をした断熱ケース、該断熱ケースと前記集熱体との間に形成された水蒸気発生室、該水蒸気発生室内に微小水滴を供給する微小水滴供給手段、及び前記水蒸気発生室内で発生した水蒸気を系外に輸送する輸送系を含んで構成され、前記水蒸気発生室内の水蒸気圧力を略大気圧に維持し得るように、前記輸送系の輸送抵抗が設定された太陽熱集熱手段と、該太陽熱集熱手段の前記輸送系を介して接続され、下部に大気に開放された開口部を有し、かつ上部に水蒸気収容部を有する水蒸気収容手段と、該水蒸気収容手段に蒸気配管を介して接続される熱交換器等の熱利用手段及び/又は蒸気タービン等の動力利用手段と、前記熱利用手段や前記蒸気配管に導入された水蒸気等のガスを排出する排出手段及び外気導入調整手段とを備えていることを特徴としている。
【0035】
上記した熱利用システム(4)によれば、上記熱利用システム(3)と略同様の効果を得ることができると共に、外気導入調整手段を備えているので、蒸気供給量を調整したり、あるいは所定量の外気を導入することができ、前記熱利用手段や前記動力利用手段の駆動を制御することができると共に、前記熱利用手段の駆動を確実に停止させることができる。
【0036】
又、本発明に係る熱利用システム(5)は、上記熱利用システム(4)において、前記外気導入調整手段が、水蒸気の発生量及び前記水蒸気収容手段における水蒸気の貯蔵量を検出する検出手段のデータに基づき、コントローラにより制御されるように構成されていることを特徴としている。
【0037】
上記した熱利用システム(5)によれば、前記水蒸気収容手段に複数個の熱利用手段及び/又は動力利用手段が接続されている場合、水蒸気の発生量及び貯蔵量の変動に対応し、駆動すべき所定の熱利用手段及び/又は動力利用手段に所定流量の水蒸気を確実に分配・供給することができる。
【0038】
又、本発明に係る熱利用システム(6)は、上記熱利用システム(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記水蒸気発生室に水蒸気を撹拌する撹拌手段が装備されていることを特徴としている。
【0039】
上記した熱利用システム(6)によれば、前記水蒸気発生室内において、下方から上方に向けて次第に温度が高くなるように分布・滞留している微小水滴や水蒸気を全体的に撹拌・混合することができ、この結果、前記集熱体から微小水滴への伝熱効率を高めることができ、水蒸気を効率よく発生させることができる。
【0040】
また本発明に係る熱利用システム(7)は、上記熱利用システム(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記微小水滴供給手段が、撹拌手段としても作用するように構成されていることを特徴としている。
【0041】
上記した熱利用システム(7)によれば、前記撹拌手段を前記微小水滴供給手段と同一箇所に設置することができると共に、微小水滴の発生と同時にこれを撹拌することができ、この結果、前記集熱体から微小水滴への伝熱効率を一層高めることができる。
【0042】
また本発明に係る熱利用システム(8)は、上記熱利用システム(1)〜(7)のいずれかにおいて、前記集熱体の上方に、該集熱体を覆う態様で、光を透過する透過体を備えていることを特徴としている。
【0043】
上記した熱利用システム(8)によれば、前記透過体と前記集熱体との距離を短く設定することにより、対流の発生に基づく外方への伝熱損失の発生を防止することができると共に、前記集熱体の上面に形成された選択吸収膜を機械的、化学的に保護することができる。
【0044】
また本発明に係る熱利用システム(9)は、下部が大気に開放され、上部に蒸気取出口が形成された水蒸気収容手段と、該水蒸気収容手段に蒸気配管を介して接続される熱交換器等の熱利用手段及び/又は蒸気タービン等の動力利用手段と、前記熱利用手段や前記蒸気配管に導入された水蒸気等のガスを排出する排出手段とを備えていることを特徴としている。
【0045】
また本発明に係る熱利用システム(10)は、下部が大気に開放され、上部に蒸気取出口が形成された水蒸気収容手段と、該水蒸気収容手段に蒸気配管を介して接続される熱交換器等の熱利用手段及び/又は蒸気タービン等の動力利用手段と、前記熱利用手段や前記蒸気配管に導入された水蒸気等のガスを排出する排出手段及び外気導入調整手段とを備えていることを特徴としている。
【0046】
また本発明に係る熱利用システム(11)は、前記外気導入調整手段が、前記水蒸気収容手段における水蒸気の貯蔵量を検出する検出手段のデータに基づき、コントローラにより制御されるように構成されていることを特徴としている。
【0047】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明に係る熱利用システムの実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、従来例と同一機能を有する構成部品には同一の符号を付すこととする。
【0048】
図1は実施の形態(1)に係る熱利用システムを概略的に示した断面図であり、図2は、実施の形態(1)に係る熱利用システムにおける集熱手段近傍を詳細に示した部分断面斜視図である。枠体11aはステンレス鋼やプラスチック材料等の比較的に薄い板を用いて、略箱形状に形成されている。枠体11aの外周には断熱部材11bが配置され、この断熱部材11bは保護部材11cにより保護されるようになっている。これら枠体11a、断熱材11b、保護部材11cを含んで断熱ケース11が構成されている。
【0049】
断熱ケース11上部にはステンレス鋼板等を用いて平面視略長方形形状に形成された金属板12aが密着して取り付けられている。金属板12aの上面には例えば化成処理等の方法を用いて選択吸収膜12bが形成されており、この選択吸収膜12bは太陽が放射する熱エネルギ(波長が約3μm以下)は吸収し、集熱体12における赤外線領域の熱エネルギ(波長が約3μm以上)は放射し難いものとなっている。他方、金属板12aの下面には例えばシリコン樹脂を塗布する等の方法を用いて黒体化処理膜12cが形成されており、この黒体化処理膜12cにより、集熱体12から微小水滴31への放射伝熱量が確保されるようになっている。これら金属板12a、選択吸収膜12b、黒体化処理膜12cを含んで集熱体12が構成されている。
【0050】
集熱体12の上部には2枚の透過体17a、17bが集熱体12を覆う態様で取り付けられている。透過体17a、17bは透明なフッ素樹脂(FEP)フィルムを用いて構成されており、太陽光を十分に透過し得るようになっている。又、集熱体12と透過体17a、透過体17aと透過体17bの距離はD1 、D2 に設定されており、これらの空間D1 、D2 により、空気の対流に基づく熱損失が少なく抑えられるようになっている。距離D1 、D2 は40〜80mmが望ましい。
【0051】
又、集熱体12と断熱ケース11とで取り囲まれた所定容積の空間により、水蒸気発生室13が構成されている。水蒸気発生室13内の水蒸気圧力は、水蒸気の温度、発生量、取出口16に接続された輸送系18の圧力抵抗等により変動するが、大気圧に比べて数百Pa以下に設定されている。断熱ケース11の所定箇所には複数個の孔部13aが形成され、各孔部13a内には例えば超音波霧化器より構成された微小水滴供給手段14の先端部が水蒸気発生室13内に臨ませて挿入・装着されている。各微小水滴供給手段14には給水配管14a、導電線14bがそれぞれ接続されており、微小水滴供給手段14への給水量や、微小水滴供給手段14における振動子への供給電力量の調整等により、短期的な日射量の変動や熱利用手段の負荷変動に対応し得るようになっている。又断熱ケース11の別の所定箇所には孔部13bが形成され、孔部13bには回転羽根部15a、モータ15b等を含んで構成された撹拌手段15の接続部が挿入されている。撹拌手段15には導電線15cが接続されている。
【0052】
断熱ケース11の所定箇所には、略溝形状をした所定断面積の取出口16が形成されており、取出口16の下方にはこれに沿う態様で所定長さLの配管本体18aが配設されている。配管本体18aの所定箇所には開口部18bが形成され、開口部18bと取出口16とは接続されている。配管本体18aの一端部は例えば盲フランジ18cにより閉塞され、配管本体18aの他端部には例えば接続フランジ18dが取り付けられている。配管本体18a及びフランジ18c、18dの周囲には断熱部材18eが巻装されている。これら取出口16、配管本体18a、開口部18b、フランジ18c、18d等を含んで輸送系18が構成されている。
【0053】
これら断熱ケース11、集熱体12、水蒸気発生室13、微小水滴発生手段14、輸送系18等を含んで太陽熱集熱手段10が構成されている。尚、太陽熱集熱手段10は略水平に設置するのが望ましいが、傾斜して設置することも可能である。
【0054】
太陽熱集熱手段10は輸送系18の接続フランジ18dを介し、略湯呑茶碗を逆にした形状の容器21aの側壁上部に接続されている。容器21a上部は水蒸気収容部21bとなる一方、容器21a下部には開口部21cが形成されており、この開口部21cを介して、水蒸気収容部21bが容器21a外方の大気側に常時開放されている。容器21aの外周には断熱部材21dが取り付けられており、水蒸気収容部21b内に収容された水蒸気の温度が維持されるようになっている。これら容器21a、断熱部材21d等を含んで水蒸気収容手段21が構成されている。
【0055】
水蒸気収容手段21の近傍には、略中空円柱形状をした密閉容器22aが設置されている。容器22aの外周には断熱部材22dが取り付けられる一方、容器22a内には略管形状をした内部配管22eがコイル状に配設されている。又、容器22a下部の所定箇所には給水管22bが接続され、容器22a上部の所定箇所には熱媒輸送管22cが接続されている。これら容器22a、給水管22b、熱媒輸送管22c、内部配管22e等を含んで熱利用手段としての熱交換器22が構成されている。尚図1に示したものでは、内部配管22eがパイプ形状である場合について説明したが、別の実施の形態では、図示しないが、プレート形状であってもよい。
【0056】
内部配管22e上部には、蒸気配管23の一端部が接続され、蒸気配管23の他端部側はバルブ23a、継手23bを介して水蒸気収容手段21の上部に接続されている。他方、内部配管22e下部には排出管24の一端部が接続されており、排出管24の他端部側は、凝縮水を取り除くトラップ25aや吸引ポンプ25bを含んで構成された排出手段25を介して外方に開放されている。これら太陽熱集熱手段10、水蒸気収容手段21、熱交換器22、蒸気配管23、排出手段25等を含んで実施の形態(1)に係る熱利用システムが構成されている。
【0057】
このように構成された熱利用システムを用いる場合、太陽熱集熱手段10を太陽光が照射する場所に設置し、蒸気配管23のバルブ23aを閉じておく。又、給水配管14aを介して微小水滴供給手段14に水を供給すると共に、電源スイッチ(図示せず)をオンにして微小水滴供給手段14を駆動する。すると超音波振動作用により、水蒸気発生室13内に霧状の微小水滴31が発生・拡散してゆく。この場合、微小水滴31の半径は10-4〜10-5m程度であることが望ましい。集熱体12からの放射伝熱、あるいは集熱体12に接触した際の熱伝導により、微小水滴31が略大気圧を飽和圧力とする飽和温度まで急速に上昇してゆき、この表面が気化を始める。次に撹拌手段15の電源スイッチ(図示せず)をオンにして撹拌手段15を駆動して撹拌すると、多くの微小水滴31が水蒸気化する。水蒸気発生室13内における水蒸気の圧力と大気圧との圧力差は、輸送系18の圧力損失をカバーする程度に数百Pa以下であることが望ましい。この圧力差により、熱媒体としての水蒸気が輸送系18を通り、水蒸気収容手段21に流入する。比重が小さい水蒸気は上方の水蒸気収容部21bに溜ってゆき、比重が大きい大気領域33は次第に押し下げられて開口部21cより排出される。 水蒸気収容手段21に所定量の水蒸気32が溜った後、給水管22bを介して容器22a内に熱媒としての水34を供給する。次にバルブ23aを開き、排出手段25を駆動する。すると水蒸気32が吸引ポンプ25bにより吸引され、蒸気配管23、内部配管22eを通り、水34と熱交換してその潜熱を奪われ、凝縮して水となる。このように、熱交換器22内の圧力は水蒸気の凝縮に伴ない低下することとなり、水蒸気収容部21b側と比べて常に低圧となる。このため始動時のみ吸引ポンプ25bを駆動させれば、その後は水蒸気収容部21bと内部配管22e内との圧力差に基づき、水蒸気は水蒸気収容部21b側から内部配管22e内へどんどん自動的に供給されることとなり、吸引ポンプ25bの駆動電力はほとんど必要とされない。凝縮水はトラップ25aにおいて分離されて微小水滴供給手段14へ供給され、残余の気体は吸引ポンプ25bにより大気側に適宜放出される。一方、加熱された水34は熱湯となり、熱媒輸送管22cを介して給湯器、浴槽、暖房器(共に図示せず)等に供給される。
【0058】
又、蒸気配管23に、図6に示したものと略同様の蒸気タービン、発電機、復水器(共に図示せず)を接続すれば、水蒸気収容部21bから送られる水蒸気により発電が行われ、多量の電力が取り出せることとなる。
【0059】
上記説明から明らかなように、実施の形態(1)に係る熱利用システムでは、水蒸気発生室13内に微小水滴供給手段14より供給された微小水滴31を充満させることができ、この微小水滴31は流水等に比べ、集熱体12が放射する放射熱エネルギを格段に吸収し易いので、微小水滴31を容易、かつ大量に蒸発させることができる。したがって太陽熱エネルギを熱容量の大きい水蒸気潜熱として効率的に回収することができると共に、回収熱量当りの水使用量を大幅に減少させることができる。したがって装置の軽量化や輸送系機器能力のダウンサイジングを図ることができ、又輸送系機器能力の軽減を図ることができ、この結果、コストを削減することができる。又、給水配管14a等の媒体供給系、蒸気配管18等の熱輸送系の構造が簡単となるため、大量のエネルギを獲得するための大規模システムにも容易に対応することができると共に、製造・メンテナンスを容易なものとすることができる。
【0060】
又、金属板12aの上面側に形成された選択吸収膜12bにより、太陽熱エネルギを集熱体12に効率よく吸収させることができ、かつ金属板12aの下面側に形成された黒体化処理膜12cにより、集熱体12に吸収された太陽熱エネルギを微小水滴31に効率的に放射伝熱させることができ、この結果、太陽熱エネルギを効率的に回収することができる。又、水蒸気発生室13内の水蒸気圧を略大気圧に維持し得るように、輸送系18の輸送抵抗が設定されているので、輸送系18の一方を大気に開放しておくことにより、水蒸気発生室13内で水蒸気を発生させるにつれ、輸送系18を介し、これと略同量の水蒸気を順次自動的に押出し、輸送することができる。又、水蒸気発生室13内の水蒸気圧力が略大気圧に維持されるように、水蒸気輸送量・輸送距離等に基づいて輸送系18の断面形状を簡単に設定し得るので、輸送系18を容易に設計することができると共に、全体的に耐圧性を低く抑えることができ、これらの結果、コストを大幅に削減することができる。
【0061】
又、輸送系18を介し、所定形状の開口部21cを有する水蒸気収容手段21が接続されているので、水蒸気発生室13内で水蒸気を連続的に発生させるにつれ、これと略同量の水蒸気を輸送系18より順次自動的に押出してゆき、水蒸気収容手段21に輸送することができる。又、水蒸気32の比重は大気33の比重に比べて小さく、かつこの大気領域33が開口部21cを介して大気圧により常時押し上げられているので、輸送された約1気圧の水蒸気32を水蒸気収容手段21内に確実に収容することができる。又、水蒸気収容手段21に蒸気配管23を介して熱交換器22が接続されると共に、熱交換器22に導入された水蒸気を排出する排出手段25を備えているので、作動開始時に熱交換器22内に滞留している大気を排出し、あるいは作動中に熱交換器22内に生じる不凝縮性気体を排出することができ、これらの結果、水蒸気収容手段21内の水蒸気32を熱交換器22へ確実に輸送・導入し、熱利用することができる。
【0062】
又、水蒸気発生室13内において、下から上方に向けて次第に温度が高くなるように分布・滞留している微小水滴31や水蒸気を撹拌手段15により全体的に撹拌・混合することができ、この結果、集熱体12から微小水滴31への伝熱効率を高めることができ、水蒸気を効率よく発生させることができる。
【0063】
又、透過体17a、17bと集熱体12との距離D1 、D2 を短く設定することにより、対流の発生に基づく外方への伝熱損失を低く抑えることができると共に、集熱体12の上面に形成された選択吸収膜12bを機械的、化学的に保護することができる。
【0064】
尚、上記実施の形態(1)に係る熱利用システムでは、微小水滴供給手段14と撹拌手段15とが別の箇所に設置されている場合について説明したが、図示しない別の実施の形態では、図1、図2に示した撹拌手段15が設置されておらず、超音波霧化器等の微小水滴供給手段14にファン等の撹拌手段が組み込まれていてもよい。
【0065】
この場合、撹拌手段を微小水滴供給手段と同一箇所に設置するので、微小水滴31の発生と同時にこれを撹拌することができ、この結果、集熱体12から微小水滴31(共に図1、図2)への伝熱効率を一層高めることができる。
【0066】
又、上記実施の形態(1)に係る熱利用システムでは、2枚の透過体17a、17bに透明なFEPフィルムを用いた場合について説明したが、別の実施の形態では、透過体は1枚であっても、あるいは無くてもよく、又材質は強化ガラス等であってもよい。
【0067】
又、上記実施の形態(1)に係る熱利用システムでは、蒸気配管18に1個の太陽熱集熱手段10が接続されている場合について説明したが、別の実施の形態では、蒸気配管18に複数個の太陽熱集熱手段10が接続されていてもよい。
【0068】
又、上記実施の形態(1)に係る熱利用システムでは、水蒸気収容手段21の開口部21cが水蒸気収容部21bと略同一口径である場合について説明したが、別の実施の形態では、開口部が水蒸気収容部21bより小さく絞られていてもよい。
【0069】
又、上記実施の形態(1)に係る熱利用システムでは、熱利用手段として熱交換器22を用い、熱交換した熱水(又は水蒸気)34を給湯器、浴槽、暖房器等に供給する場合について説明したが、別の実施の形態では、熱利用手段としてヒートポンプ、吸収冷凍機等、あるいは動力利用手段として蒸気タービン等を採用してもよい。
【0070】
又、上記実施の形態(1)に係る熱利用システムでは、排出手段25に吸引ポンプ25bを用いた場合について説明したが、別の実施の形態では、送風機、排風機等を用いてもよい。
【0071】
又、上記実施の形態(1)に係る熱利用システムでは、黒体化処理膜12cがシリコン樹脂の塗布により形成されている場合について説明したが、黒体化処理膜は何らこれに限定されるものではなく、例えば黒色塗料が塗布されたものでもよい。
【0072】
又、上記実施の形態(1)に係る熱利用システムでは、配管本体18a、フランジ18c、18d、断熱部材18e等を含んで構成された輸送系18を用いた場合について説明したが、別の実施の形態では、薄板(ステンレス鋼板、プラスチック板等)に多孔質断熱板(発泡プラスチック、ALC等)が接着されたボードを用いて略中空直方体形状に組み立て、シリコンゴム等の接着剤を用いて接着・形成されたものでもよい。
【0073】
図3は、実施の形態(2)に係る熱利用システムを概略的に示したブロック図であり、図中10、18、21、22及び26、23、25bは、図1に示したものと略同様の太陽熱集熱手段、輸送系、水蒸気収容手段、熱交換器、蒸気配管、吸引ポンプをそれぞれ示している。複数個の太陽熱集熱手段10は輸送系18を介して水蒸気収容手段21に接続されており、輸送系18の所定箇所には水蒸気流量計41a、温度計41b等を含んで構成された水蒸気発生速度検出手段41が設置されている。この検出手段41により検出された水蒸気発生速度と、輸送系18の断面形状とに基づき、コントローラ43において単位時間当りの水蒸気発生量が演算されるようになっている。
【0074】
水蒸気収容手段21内には水蒸気貯蔵量検出手段42が設置されており、これは、例えば縦方向に並んだ複数個の湿度センサ(図示せず)より構成されている。そして比較的湿度が高い位置を検出することにより、コントローラ43において水蒸気の貯蔵量が求められるようになっている。
【0075】
水蒸気収容手段21は蒸気配管23、自動開閉バルブ44a、44b、自動外気導入バルブ45a、45bを介し、例えば熱利用手段としての熱交換器22、26にそれぞれ接続されており、各熱交換器22、26には排出手段としての吸引ポンプ25bがそれぞれ接続されている。そして自動開閉バルブ44a、44bを作動させると、水蒸気が所定量導通したり、あるいは停止状態となる一方、自動外気導入バルブ45a、45bを開・閉すると、外気(図示せず)に開放・遮断状態となるように構成されている。
【0076】
又、水蒸気収容手段21は蒸気配管23、自動開閉バルブ44cを介し、例えば動力利用手段としての蒸気タ−ビン77に接続されている。自動開閉バルブ44c近傍の蒸気配管23には排出手段としての吸引ポンプ25bが接続されており、駆動開始時にこの吸引ポンプ25bを駆動することにより、蒸気配管23内に滞留している大気等のガスが排除されるようになっている。
【0077】
コントローラ43には信号線46を介して水蒸気発生速度検出手段41、水蒸気貯蔵量検出手段42、出力検出手段(図示せず)が電気的に接続される一方、コントローラ43は信号線46を介して吸引ポンプ25b、自動開閉バルブ44a〜44c、自動外気導入バルブ45a、45bに電気的に接続されている。これら水蒸気発生速度検出手段41、水蒸気貯蔵量検出手段42、コントローラ43、バルブ44a〜44c、45a、45b等を含んで外気導入調整手段40が構成されている。その他の構成は図1に示したものと略同様であるので、ここではその構成の詳細な説明は省略することとする。これら太陽熱集熱手段10、水蒸気収容手段21、熱利用手段としての熱交換器22、26、動力利用手段としてのタービン77、吸引ポンプ25b、外気導入調整手段40等を含んで実施の形態(2)に係る熱利用システムが構成されている。
【0078】
以下、このように構成された熱利用システムの動作について説明する。図4は、実施の形態(2)に係る熱利用システムにおける主として熱利用手段に対するコントローラの動作を概略的に示したフローチャートである。まずキー入力してコントローラ43の動作を開始すると、熱交換器22、26、蒸気タービン77の出力を検出し、この出力に相当する水蒸気使用量を演算する(ステップ(以下、単にSと記す)1)。同時に、検出手段41により検出した水蒸気発生速度と、水蒸気貯蔵量検出手段42により検出した水蒸気貯蔵量とに基づき、水蒸気発生量を演算する(S2)。次に出力比に基づき、熱交換器22、26、蒸気タービン77ごとに水蒸気の分配供給量を決定し(S3)、この水蒸気の分配供給量に基づいて自動開閉バルブ44a〜44cの開度をそれぞれ設定する(S4)。次にS5において、制御する対象が熱利用手段としての熱交換器22、26であるか否かを判断し、キー入力がなされていないと判断すると蒸気タービン77側の駆動を制御する。一方、キー入力がなされていて制御対象が熱交換器22、26であると判断すると、S7において熱交換器22、26への水蒸気の分配供給量が水蒸気使用量より多いか否かを判断する。そして水蒸気の分配供給量が多いと判断すると、熱交換器22、26の駆動を開始・続行させる(S8)。
【0079】
一方、水蒸気の分配供給量が不足すると判断すると、S9において熱交換器22、26の出力がそれぞれ基準能力よりオーバーしているか否かを判断する。そして例えば熱交換器22の出力がオーバーしていると判断すると、S4で設定した自動開閉バルブ44aの開度を設定値より所定量ほど絞りこみ、熱交換器22への水蒸気の分配供給量を減少させる(S10)。さらにS11において熱交換器22の出力がまだオーバーしてるか否かを判断し、オーバーしていないと判断するとS7に戻る一方、依然オーバーしていると判断すると、自動外気導入バルブ45aを所定時間開いて所定量の大気を熱交換器22内に導入して出力をスローダウンさせた後、S7に戻る。
【0080】
他方、S9において熱交換器22、26の出力がいずれもオーバーしていない(すなわち、熱利用手段への水蒸気分配量が絶対的に不足気味である)と判断すると、S13において、予め決めておいた駆動の優先順位に基づき、熱交換器22、26のいずれを優先させるかを判断し、例えば熱交換器22の駆動を優先すると判断するとS7に戻る。そしてS14において熱交換器26の駆動を停止するキー入力がなされているか否かを判断し、入力されていないと判断すると、S7に戻る。一方、入力されていると判断すると、自動開閉バルブ44bを閉じ(S15)、自動外気導入バルブ45bを開けると同時に、吸引ポンプ25bを作動させて外気を導入し(S16)、熱交換器26の駆動を停止させる。
【0081】
尚、蒸気タービン77側の詳細なフローチャートは示していないが、コントローラ43を介し、水蒸気発生量に応じて自動開閉バルブ44cの開度、時間を調整することにより、蒸気タービン77の制御を行うことができる。
【0082】
上記説明から明らかなように、実施の形態(2)に係る熱利用システムでは、外気導入調整手段40を備えているので、自動開閉バルブ44aを介して蒸気供給量を調整することにより、あるいは自動外気導入バルブ45aを介して所定量の外気を導入することにより、熱利用手段としての熱交換器22の駆動を制御することができると共に、熱交換器26の駆動を確実に停止させることができる。
【0083】
又、水蒸気の発生量及び貯蔵量の変動に対応し、駆動すべき所定の熱交換器22、26及び蒸気タービン77に所定流量の水蒸気を確実に分配・供給することができる。
【0084】
尚、上記実施の形態(2)に係る熱利用システムでは、熱交換器22、26における水蒸気の供給側に、外気を導入する自動外気導入バルブ45a、45bが配設されている場合について説明したが、別の実施の形態では、熱交換器22、26における水蒸気の排出側に、自動外気導入バルブ45a、45bが配設されてもよい。
【0085】
又、上記実施の形態(2)に係る熱利用システムでは、コントローラ43を用いてバルブ44a〜44c、45a、45b、吸引ポンプ25bを自動的に操作する場合について説明したが、別の実施の形態では、手動によりこれらの操作を行ってもよい。
【0086】
又、上記実施の形態(2)に係る熱利用システムでは、熱交換器22、26、蒸気タービン77を用いた場合について説明したが、何らこれに限定されるものではない。図示しないが別の実施の形態では、複数台の任意の熱利用手段や、複数台の蒸気タービン等の動力利用手段や、あるいは複数台の熱利用手段と複数台の動力利用手段とを組み合わせてもよい。
【0087】
又、上記実施の形態(2)に係る熱利用システムでは、水蒸気の発生量及び使用量を検出するのに、検出手段41、42や出力の検出手段を用いた場合について説明したが、何らこれらに限定されるものではない。例えば水蒸気発生速度検出手段41の代わりに、日射量を検出するものであってもよい。
【0088】
又、上記実施の形態(1)、(2)に係る熱利用システムでは、いずれも太陽熱のみを利用する場合について説明したが、別の実施の形態では、輸送系18内に別の加熱手段を補助的に挿入し、水蒸気発生室13で発生した略大気圧の水蒸気をさらに過熱するようにしてもよい。
【0089】
又、水蒸気収容手段21の近傍に低圧ボイラを設置し、この低圧ボイラを別の輸送系を介して水蒸気収容手段21(共に図1)に接続し、低圧ボイラで発生した略大気圧の飽和水蒸気あるいは過熱水蒸気を水蒸気収容手段21に補助的に供給するようにしてもよい。
【0090】
【産業上の利用の可能性】
太陽熱エネルギを効率的、かつ安価に回収し、給湯、温水プール、冷暖房、発電等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係る熱利用システムの実施の形態(1)を概略的に示した断面図である。
図2は、実施の形態(1)に係る熱利用システムにおける集熱手段近傍を詳細に示した部分断面斜視図である。
図3は、実施の形態(2)に係る熱利用システムを概略的に示したブロック図である。
図4は、実施の形態(2)に係る熱利用システムにおけるコントローラの動作を概略的に示したフローチャートである。
図5は従来の熱利用システムの主要部を概略的に示した部分断面斜視図である。
図6は従来の別の熱利用システムを概略的に示した断面図である。
Claims (8)
- 集熱体と断熱ケースとの間に形成され、太陽熱により微小水滴を蒸発させる水蒸気発生室、
該水蒸気発生室内に微小水滴を供給する微小水滴供給手段、
及び前記水蒸気発生室内で発生した水蒸気を系外に輸送する輸送系を含んで構成され、
前記水蒸気発生室内の水蒸気圧力を略大気圧に維持し得るように、前記輸送系の輸送抵抗が設定された太陽熱集熱手段と、
該太陽熱集熱手段の前記輸送系を介して接続され、下部に大気に開放された開口部を有し、かつ上部に水蒸気収容部を有する水蒸気収容手段とを備え、
前記水蒸気発生室で発生させた大気圧の飽和水蒸気あるいは過熱水蒸気のみを熱媒体として利用することを特徴とする熱利用システム。 - 金属板の一主面側に太陽光の吸収率が大きく、赤外線の放射率が小さい選択吸収膜が形成され、前記金属板の他主面側に黒体化処理が施された集熱体、
該集熱体の前記他主面が下向きに取り付けられる略箱形状をした断熱ケース、
該断熱ケースと前記集熱体との間に形成された水蒸気発生室、
該水蒸気発生室内に微小水滴を供給する微小水滴供給手段、及び
前記水蒸気発生室内で発生した水蒸気を系外に輸送する輸送系を含んで構成された太陽熱集熱手段を備え、
前記水蒸気発生室内の水蒸気圧力を略大気圧に維持し得るように、前記輸送系の輸送抵抗が設定されていることを特徴とする熱利用システム。 - 金属板の一主面側に太陽光の吸収率が大きく、赤外線の放射率が小さい選択吸収膜が形成され、前記金属板の他主面側に黒体化処理が施された集熱体、
該集熱体の前記他主面が下向きに取り付けられる略箱形状をした断熱ケース、
該断熱ケースと前記集熱体との間に形成された水蒸気発生室、
該水蒸気発生室内に微小水滴を供給する微小水滴供給手段、及び
前記水蒸気発生室内で発生した水蒸気を系外に輸送する輸送系を含んで構成され、前記水蒸気発生室内の水蒸気圧力を略大気圧に維持し得るように、前記輸送系の輸送抵抗が設定された太陽熱集熱手段と、
該太陽熱集熱手段の前記輸送系を介して接続され、下部に大気に開放された開口部を有し、かつ上部に水蒸気収容部を有する水蒸気収容手段と、
該水蒸気収容手段に蒸気配管を介して接続される熱交換器等の熱利用手段及び/又は蒸気タービン等の動力利用手段と、
前記熱利用手段や前記蒸気配管に導入された水蒸気等のガスを排出する排出手段とを備えていることを特徴とする熱利用システム。 - 金属板の一主面側に太陽光の吸収率が大きく、赤外線の放射率が小さい選択吸収膜が形成され、前記金属板の他主面側に黒体化処理が施された集熱体、
該集熱体の前記他主面が下向きに取り付けられる略箱形状をした断熱ケース、
該断熱ケースと前記集熱体との間に形成された水蒸気発生室、
該水蒸気発生室内に微小水滴を供給する微小水滴供給手段、及び
前記水蒸気発生室内で発生した水蒸気を系外に輸送する輸送系を含んで構成され、前記水蒸気発生室内の水蒸気圧力を略大気圧に維持し得るように、前記輸送系の輸送抵抗が設定された太陽熱集熱手段と、
該太陽熱集熱手段の前記輸送系を介して接続され、下部に大気に開放された開口部を有し、かつ上部に水蒸気収容部を有する水蒸気収容手段と、
該水蒸気収容手段に蒸気配管を介して接続される熱交換器等の熱利用手段及び/又は蒸気タービン等の動力利用手段と、
前記熱利用手段や前記蒸気配管に導入された水蒸気等のガスを排出する排出手段及び外気導入調整手段とを備えていることを特徴とする熱利用システム。 - 前記外気導入調整手段が、水蒸気の発生量及び前記水蒸気収容手段における水蒸気の貯蔵量を検出する検出手段のデータに基づき、コントローラにより制御されるように構成されていることを特徴とする請求項4記載の熱利用システム。
- 下部が大気に開放され、上部に蒸気取出口が形成された水蒸気収容手段と、
該水蒸気収容手段に蒸気配管を介して接続される熱交換器等の熱利用手段及び/又は蒸気タービン等の動力利用手段と、
前記熱利用手段や前記蒸気配管に導入された水蒸気等のガスを排出する排出手段とを備えていることを特徴とする熱利用システム。 - 下部が大気に開放され、上部に蒸気取出口が形成された水蒸気収容手段と、
該水蒸気収容手段に蒸気配管を介して接続される熱交換器等の熱利用手段及び/又は蒸気タービン等の動力利用手段と、
前記熱利用手段や前記蒸気配管に導入された水蒸気等のガスを排出する排出手段及び外気導入調整手段とを備えていることを特徴とする熱利用システム。 - 前記外気導入調整手段が、前記水蒸気収容手段における水蒸気の貯蔵量を検出する検出手段のデータに基づき、コントローラにより制御されるように構成されていることを特徴とする請求項7記載の熱利用システム。
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