JP3886665B2

JP3886665B2 - Seat belt pretensioner

Info

Publication number: JP3886665B2
Application number: JP12239699A
Authority: JP
Inventors: 朗佐藤
Original assignee: Ashimori Industry Co Ltd
Current assignee: Ashimori Industry Co Ltd
Priority date: 1999-04-28
Filing date: 1999-04-28
Publication date: 2007-02-28
Anticipated expiration: 2019-04-28
Also published as: JP2000313311A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突時にガス発生器から発生するガス圧により、ラックギアをピニオンギアと噛合しない初期位置からピニオンギアと噛合する方向へ移動させて、巻取軸を巻取り方向へ回動させるシートベルトプリテンショナーに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、シートベルトプリテンショナーは、乗員拘束用のウエビングを巻取る巻取軸と、この巻取軸を回転可能に支持するハウジングと、巻取軸を巻取り方向へ弾性付勢する付勢部材とを備えたシートベルト巻取り装置（シートベルトリトラクター）に付設され、車両衝突時、巻取軸を巻取り方向に強制的に回動させてウエビングを巻取り、ウエビングの弛みを取除く。
【０００３】
通常、シートベルト巻取り装置には、車両衝突時に巻取軸の引出し方向の回転をロックする緊急ロック機構が設けられ、車両衝突時、シートベルトプリテンショナーによりウエビングの弛みを取除くことで、緊急ロック機構が効果的に機能し、ウエビングで乗員を拘束する機能を高めることができる。
【０００４】
さて、シートベルトプリテンショナーには、基本的に、車両衝突時にガスを発生させるガス発生器と、そのガス圧により駆動されるアクチュエータが設けられ、通常時には、ウエビングの引出し／巻取りを自由に行えるように、アクチュエータと巻取軸とは連結されていないが、車両衝突時、ガス発生器から発生したガス圧でアクチュエータが駆動されると、アクチュエータと巻取軸とが連結されて駆動力が伝達され、巻取軸が巻取り方向に回動される。
【０００５】
例えば、特開平８−２０７７０６号公報のシートベルトプリテンショナーには、巻取軸の一端部に取付けられたラチェットギアと、このラチェットギアと噛合可能なラックギアが設けられている。ラックギアは通常時にはラチェットギアから離隔した初期位置に保持され、車両衝突時、ガス発生器から発生したガス圧により、ラックギアが初期位置からラチェットギアと噛合する方向へ直線的に移動駆動され、その駆動力がラチェットギアに伝達されて、ラチェットギアとともに巻取軸が巻取り方向へ回動駆動される。
【０００６】
一方、特開平９−２２０７号公報のシートベルトプリテンショナーにおいては、通常時でもラックギアとピニオンギアとが噛合しており、ピニオンギアと巻取軸との間には、車両衝突時のみ駆動伝達可能に連結するクラッチ機構が設けられている。このクラッチ機構は、巻取軸に固着されたクラッチリングと、クラッチリングに外嵌されたクラッチ外輪と、ピニオンギアと一体的に回転する回転円板に固着された複数のローラピンと、クラッチ外輪に形成され複数のローラピンに対応する複数のカム面等で構成されている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
特開平８−２０７７０６号公報のシートベルトプリテンショナーでは、ラチェットギアは巻取軸と一体的に回転することから、車両衝突時のラチェットギアの回転停止位置は不定であり、そのため、ラチェットギアの歯とラックギアの移動方向先頭の第１ラック歯とが確実に噛合するとは限らず、これら歯先同士が衝突する可能性がある。そして、それら歯先同士が衝突すると、それら歯先同士が突っ張り合って、ラチェットギアとラックギアがロックすることがある。その場合、巻取軸を巻取り方向に強制的に回動させてウエビングを巻取ることができず、ウエビングの弛みを取除くという機能を達成できなくなる。
【０００８】
また、前記歯先同士の衝突の結果、ラチェットギアやラックギアの歯が欠けることもある。その場合、ラチェットギアとラックギアとの作動が継続するものの、その後、ラチェットギアとラックギアとが確実に噛合する保証はなく、次の歯先同士も衝突する可能性が高い。これにより、ラチェットギアに駆動力を十分に伝達できなくなり、ウエビングの巻取り量が初期の巻取り量に対して数１０％少なくなってしまう等の問題があり、結局、シートベルトプリテンショナーの本来の機能を達成できなくなる。
【０００９】
ラチェットギアとラックギアの歯先同士が衝突した場合でも、ウエビングを初期の巻取り量だけ確実に巻取れるように、ガス発生器から発生させるガス量を増大させることが考えられる。しかし、ガス発生器が大型化するし、ラチェットギアとラックギアとが円滑に噛合した場合、ウエビングを巻取る力が必要以上に大きくなり、乗員に悪影響を及ぼす可能性がある。
【００１０】
一方、特開平９−２２０７号公報のシートベルトプリテンショナーでは、通常時でもラックギアとピニオンギアとが噛合しているため、ピニオンギアとラックギアの歯先同士が衝突するという問題はないが、クラッチリング、クラッチ外輪、複数のローラピン、複数のカム面等を有するクラッチ機構を設けなければならないため、構造が非常に複雑になり製作コストが高価になる。
【００１１】
本発明の目的は、簡単な構造で、車両衝突時、回転停止位置が不定のピニオンギアとラックギアとを確実に噛合させ、ウエビングの弛みを確実に取除くことができるシートベルトプリテンショナーを提供することである。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
請求項１のシートベルトプリテンショナーは、乗員拘束用のウエビングを巻取る巻取軸と、この巻取軸を回転可能に支持するハウジングと、巻取軸を巻取り方向へ弾性付勢する付勢部材とを備えたシートベルト巻取り装置のシートベルトプリテンショナーにおいて、前記巻取軸の一端部に取付けられたピニオンギアと、このピニオンギアの歯と噛合可能なラック歯を有するとともに通常時にはピニオンギアから離隔した初期位置に位置するラックギアと、車両の衝突時にガスを発生させるガス発生器とを備え、前記ガス発生器から発生したガス圧をラックギアの受圧部に作用させてラックギアを前記初期位置からピニオンギアと噛合する方向へ移動させて、巻取軸を巻取り方向へ回動させるように構成し、前記ラックギアの複数のラック歯のうちの少なくとも移動方向先頭の第１ラック歯を、その他のラック歯よりも低く形成するとともに、ピニオンギアがラックギアの移動面から離反する方向へ変位可能に構成したことを特徴とするものである。
【００１３】
車両が衝突しない通常状態では、ラックギアは初期位置に位置しピニオンギアから離隔しているため、ウエビングの引出し／巻取りを自由に行うことができる。一方、車両衝突時には、ガス発生器からガスが発生し、そのガス圧がラックギアの受圧部に作用して、ラックギアが前記初期位置からピニオンギアと噛合する方向へ移動し、ラックギアからピニオンギアに駆動力が伝達されて、ピニオンギアとともに巻取軸が巻取り方向へ回動される。
【００１４】
ピニオンギアは巻取軸と一体的に回転することから、車両衝突時のピニオンギアの回転停止位置は不定である。先ず、ラックギアの第１ラック歯とピニオンギアの歯（以下、ピニオン歯という）が円滑に噛合する場合、その後順次ラック歯とピニオン歯とが円滑に噛合していく。
【００１５】
一方、ピニオンギアがラックギアの移動面から離反する方向へ変位可能に構成してあるため、第１ラック歯とピニオン歯が衝突した場合でも、その衝突の瞬間だけそれら歯先同士が突っ張り合うが、その反力を受けてピニオンギアがラックギアの移動面から離反する方向へ変位するため、それら歯先同士の突っ張り合いを直ちに解除でき、ラックギアとピニオンギアとがロックするのを確実に防止できる。前記衝突の後、ラックギアとピニオンギアの作動は継続されるが、ラックギアの第１ラック歯はその他のラック歯よりも低いため、ラックギアの第１ラック歯の次の歯（第２ラック歯）とピニオン歯とを衝突させずに噛合させることができ、その後順次ラック歯とピニオン歯とが噛合していく。ラックギアの第１ラック歯がその他のラック歯よりも低いため、ピニオンギアの変位量をあまり大きく設定する必要がない。
【００１６】
また、第１ラック歯とピニオン歯とが接触（噛合又は衝突）しない場合には、最初に第２ラック歯がピニオン歯に接触する。このとき、第１ラック歯が第２ラック歯よりも低いため、ピニオン歯と第２ラック歯とを衝突させずに確実に噛合させることができる。即ち、第２ラック歯がピニオン歯と衝突する位置関係の場合、第１ラック歯をピニオン歯に接触させることができるため、ピニオン歯と第２ラック歯とを衝突させずに噛合させることができ、その後順次ラック歯とピニオン歯とが噛合していく。
【００１７】
請求項２のシートベルトプリテンショナーは、請求項１の発明において、前記ハウジング又はハウジングに固定されピニオンギアとラックギアを収納するケースに巻取軸と略同心状の孔を形成するとともに、その孔に合成樹脂製のリング部材が内嵌され、このリング部材にピニオンギアの軸部が遊嵌されたことを特徴とするものである。
【００１８】
通常時においては、少なくとも、ピニオンギアの軸部のうち前記移動面と反対側部分とリング部材との間に隙間ができるように、リング部材とピニオンギアの軸部が配設される。勿論、リング部材とピニオンギアの軸部をその軸心が同心状になるように配設してもよい。尚、リング部材を変形させないでピニオンギアの軸部を変位させることができ、更に、リング部材の変形を介してピニオンギアを大きく変位させるようにしてもよい。
【００１９】
つまり、ピニオンギアを前記移動面から離反する方向へ確実に変位可能に構成できるとともに、変位するピニオンギアの軸部をリング部材で緩衝して受止めることができるため、ピニオンギアの変位動作を円滑且つ確実に行うことができる。その他請求項１と同様の作用を奏する。
【００２０】
請求項３のシートベルトプリテンショナーは、乗員拘束用のウエビングを巻取る巻取軸と、この巻取軸を回転可能に支持するハウジングと、巻取軸を巻取り方向へ弾性付勢する付勢部材とを備えたシートベルト巻取り装置のシートベルトプリテンショナーにおいて、前記巻取軸の一端部に取付けられたピニオンギアと、このピニオンギアの歯と噛合可能なラック歯を有するとともに通常時にはピニオンギアから離隔した初期位置に位置するラックギアと、車両の衝突時にガスを発生させるガス発生器とを備え、前記ガス発生器から発生したガス圧をラックギアの受圧部に作用させてラックギアを前記初期位置からピニオンギアと噛合する方向へ移動させて、巻取軸を巻取り方向へ回動させるように構成し、前記ラックギアの複数のラック歯のうちの少なくとも移動方向先頭の第１ラック歯を、その他のラック歯よりも低く形成するとともに、前記ハウジングのピニオンギア側の側壁に巻取軸と略同心状の孔を形成し、その孔に内嵌され巻取軸を回転自在に支持する変形部材を設け、その変形部材を変形させてピニオンギアがラックギアの移動面から離反する方向へ変位可能に構成したことを特徴とするものである。
【００２１】
ハウジングのピニオンギア側の側壁に巻取軸と略同心状の孔が形成され、その孔に内嵌された変形部材を介して巻取軸が回転自在に支持されるため、ラックギアからピニオンギアへ駆動力を確実に伝達できるとともに、第１ラック歯とピニオン歯が衝突した場合、変形部材を変形させて、巻取軸の一端部とともにピニオンギアをラックギアの移動面から離反する方向へ確実に変位させることができる。尚、ピニオンギアを介して巻取軸を変形部材で回転自在に支持するようにしてもよい。尚、変形部材としては、例えば、合成樹脂製のリング状部材や板バネ等の弾性部材を適用してもよい。その他の作用は請求項１の作用と同様である。
【００２２】
請求項４のシートベルトプリテンショナーは、乗員拘束用のウエビングを巻取る巻取軸と、この巻取軸を回転可能に支持するハウジングと、巻取軸を巻取り方向へ弾性付勢する付勢部材とを備えたシートベルト巻取り装置のシートベルトプリテンショナーにおいて、前記巻取軸の一端部に取付けられたピニオンギアと、このピニオンギアの歯と噛合可能なラック歯を有するとともに通常時にはピニオンギアから離隔した初期位置に位置するラックギアと、ハウジングに固定されピニオンギアとラックギアを収納するケースと、車両の衝突時にガスを発生させるガス発生器とを備え、前記ガス発生器から発生したガス圧をラックギアの受圧部に作用させてラックギアを前記初期位置からピニオンギアと噛合する方向へ移動させて、巻取軸を巻取り方向へ回動させるように構成し、前記ラックギアの複数のラック歯のうちの少なくとも移動方向先頭の第１ラック歯を、その他のラック歯よりも低く形成するとともに、前記ケースに巻取軸と略同心状の孔を形成し、その孔に内嵌されピニオンギアを回転自在に支持する変形部材を設け、その変形部材を変形させてピニオンギアがラックギアの移動面から離反する方向へ変位可能に構成したことを特徴とするものである。
【００２３】
ハウジングに固定されピニオンギアとラックギアを収納するケースに巻取軸と略同心状の孔が形成され、その孔に内嵌された変形部材を介して巻取軸が回転自在に支持されるため、ラックギアからピニオンギアへ駆動力を確実に伝達できるとともに、第１ラック歯とピニオン歯が衝突した場合、変形部材を変形させて、ピニオンギアをラックギアの移動面から離反する方向へ確実に変位させることができる。尚、変形部材としては、例えば、合成樹脂製のリング状部材や板バネ等の弾性部材を適用してもよい。その他の作用は請求項１の作用と同様である。
【００２４】
請求項５のシートベルトプリテンショナーは、請求項１〜４の何れか１項の発明において、前記ピニオンギアの変位量は、ピニオンギアの歯とラックギアの第１ラック歯の最大オーバーラップ量よりも僅かに大きく設定されたことを特徴とするものである。従って、第１ラック歯とピニオン歯とが衝突した場合に、ピニオンギアを変位させて、それら歯先同士の突っ張り合いを確実に解除することができる。その他請求項１〜４と同様の作用を奏する。
【００２５】
請求項６のシートベルトプリテンショナーは、請求項１〜５の何れか１項の発明において、前記ラックギアの複数のラック歯のうち第１ラック歯の次の第２ラック歯を、第１ラック歯よりも高く且つその他のラック歯よりも低く形成したことを特徴とするものである。つまり、第２ラック歯が第１ラック歯よりも高く且つその他のラック歯よりも低いため、第１ラック歯とピニオン歯とが衝突した場合に、第２ラック歯とピニオン歯とを衝突させずに確実に噛合させることができる。その他請求項１〜５と同様の作用を奏する。
【００２６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態は、車両衝突等の車両緊急時に、トーションバーとして機能する巻取軸の捩じり変形を介してエネルギーを吸収するシートベルト巻取り装置（シートベルトリトラクター）に、本発明を適用した場合の一例である。尚、図１における前後左右を前後左右として説明する。
【００２７】
図１に示すように、シートベルト巻取り装置１は、車体に固定される金属製のハウジング２と、ハウジング２に回転可能に支持され乗員拘束用のウエビングＷ（図２参照）を巻取る巻取軸３と、巻取軸３が挿通されウエビングＷが巻付けられる巻取りドラム４と、巻取軸３と巻取りドラム４を矢印で示す巻取り方向へ弾性付勢するゼンマイバネ５（付勢部材）と、車両緊急時に巻取軸３を回転不能にロックする緊急ロック機構６と、車両衝突時に巻取軸３と巻取りドラム４を巻取り方向へ強制的に回動させてウエビングＷを巻取る本願特有のシートベルトプリテンショナー７等で構成されている。
【００２８】
前記ハウジング２は、図１、図２、図５に示すように、左側壁１０と、右側壁１１と、上部後壁１２と、下部後壁１３とを一体形成してなり、左側壁１０と右側壁１１の前上端部が左右方向向きのバー部材１４により連結されている。上部後壁１２に上方へ延びる取付板１２ａが固着され、下部後壁１３に下方へ延びる取付板１３ａが固着され、これら取付板１２ａ，１３ａがボルト等で車体に夫々固定される。
【００２９】
左側壁１０と右側壁１１には、巻取りドラム４よりも小径の円形開口１５，１６が同心状に形成されている。右側壁１１の右面下部には、緊急ロック機構６のパウル６０とホルダ６７とが装着されている。上部後壁１２と下部後壁１３の間には矩形状の開口１７が形成され、巻取りドラム４にウエビングＷが殆ど巻取られると、径が大きくなるウエビングＷの後端部分が開口１７内に達し、後壁１２，１３と相互干渉しないようになっている。
【００３０】
前記巻取軸３は、図１〜図５に示すように、所定以上の捩じりトルクが作用すると捩じり変形するトーションバー部２０と、トーションバー部２０の左端側のローレット軸部２１と、トーションバー部２０の右端側のスプライン軸部２２と、スプライン軸部２２の右端側の連結軸部２３とを一体形成したものである。ローレット軸部２１が、キャップ部材２５を介して巻取りドラム４の左端部に相対回転不能に連結されている。スプライン軸部２２に緊急ロック機構６のラチェットホイール５０が相対回転不能に連結され、ラチェットホイール５０のガイド部５５が、リング状の合成樹脂製のベヤリング５７を介して、右側壁１１の円形開口１６の周面部に回転自在に支持されている。
【００３１】
前記巻取りドラム４は、外周部にウエビングＷが巻付けられる胴部３０と、左鍔部３１と、右鍔状部３２とを有し、その軸心部分に巻取軸３が挿通する左右方向向きの挿通孔３３が形成されている。更に、この巻取りドラム４には、左鍔部３１の内側にスプライン穴３４が形成され、このスプライン穴３４と挿通穴３３とに連通し且つ挿通孔３３よりも大径の挿入穴３５が形成されている。
【００３２】
さて、前記キャップ部材２５は、筒部２６と、筒部２６から張出すスプライン状の係合部２７と、筒部２６の内部に形成されたローレット穴部２８とを有し、筒部２６が巻取りドラム４の挿入穴３５に挿入されるとともに係合部２７がスプライン穴３４に係合され、この状態で、ローレット穴部２８に巻取軸３のローレット軸部２１が係合されている。
【００３３】
巻取りドラム４の右鍔状部３２は左右幅広に形成され、その中央部分に、挿通孔３３に連通し且つ挿通孔３３よりも大径のスプライン状の嵌合穴３６が形成されている。尚、巻取軸３のトーションバー部２０に、ウエビングＷの基端部の筒状部が外嵌され、ウエビングＷはトーションバー部２０から、巻取りドラム４のウエビング挿通開口３７を貫通して延びて胴部３０に巻付けられている。
【００３４】
ここで、車両緊急時に巻取軸３の右端近傍部に対する左端部の捩じり変形回転量が所定値になるまで巻取軸３の捩じり変形を許し、且つ前記捩じり変形回転量が所定値に達したとき巻取軸３の右端近傍部と巻取りドラム４とを相対回転不能に締結する締結機構８が設けられている。この締結機構８においては、ラチェットホイール５０のガイド部５５よりも小径で外周部にネジが形成された筒部５６が、嵌合穴３６の内側においてトーションバー部２０に外装され、この筒部５６に螺合されるとともに嵌合穴３６に左右方向へは相対移動可能に且つ相対回転不能に係合されるリング部材４０が設けられている。
【００３５】
緊急ロック機構６により巻取軸３の右端部がロックされた状態で、巻取りドラム４に大きな回転トルクが作用すると、その回転トルクがキャップ部材２５を介して巻取軸３の左端部に入力され、巻取軸３が捩じり変形してエネルギー吸収しつつ、巻取りドラム４が引出し方向へ回動する。このとき、巻取りドラム４とともにリング部材４０が筒部５６に対して図４の矢印Ａ方向へ回動するため、リング部材４０が図２の矢印Ｂ方向へ移動する。そして、図５に示すように、リング部材４０の右端面がガイド部５５の左端面に当接すると、リング部材４０と筒部５６とが一体化され相対回転不能になり、巻取りドラム４が回動できなくなるため、ウエビングＷが略完全に引出されなくなる。
【００３６】
前記緊急ロック機構６は、図１に示すように、巻取軸３のスプライン軸部２２に相対回転不能に連結されたラチェットホイール５０と、ウエビングＷの急激な引出しに感応してラチェットホイール５０の回転をロックする第１ロック機構と、車両緊急時の急減速に感応してラチェットホイール５０の回転をロックする第２ロック機構からなる。尚、緊急ロック機構６は、ハウジング２の右側壁１１に固定されるカバー部材６ａでカバーされる。
【００３７】
ラチェットホイール５０は、外周部にラチェットギア５４が形成されたギア部５３と、ギア部５３よりも小径に且つギア部５３の左側に設けられた前記ガイド部５５と、ガイド部５５よりも小径で且つガイド部５５から左方へ延びる前記筒部５６とを一体形成したものである。
【００３８】
第１ロック機構は、ハウジング２の右側壁１１に固着された軸部１９に回動可能に枢支され且つラチェットギア５４に係合可能なパウル６０と、巻取軸３の連結軸部２３に枢支されパウル６０をラチェットギア５４に対して係合・係合解除方向に案内するガイド部６２ａを有するクラッチ部材６２と、連結軸部２３に連結されクラッチ部材６２の筒部６２ｂに収容されたロックアームベース６６と、このロックアームベース６６に揺動可能に支持されクラッチ部材６２の筒部６２ｂの内部に形成された内歯６２ｃに係合する突起６４ａを有し且つ通常時はこの突起６４ａが内歯６２ｃに係合しない方にバネ６６ａで付勢されたロックアーム６４と、連結軸部２３に枢支されリベット６１で抜け止めされたロッキングギア６５と、ロックアーム６４に当接しロッキングギア６５に摩擦結合されたロックアームガイド６３等で構成されている。
【００３９】
通常状態において、パウル６０は、捩じりバネ６３ａによりラチェットギア５４に係合しない非係合位置に回動付勢され、急激にウエビングＷが引出され連結軸部２３が回動すると、ロックアームベース６６に対してロッキングギア６５の回転遅れが生じ、ロックアームガイド６３も回転遅れが生じ、その結果、ロックアーム６４はバネ６６ａの付勢力に抗して回転し、その突起６４ａが内歯６２ｃに係合する。すると、クラッチ部材６２が回動し、クラッチ部材６２のガイド部６２ａにガイドされパウル６０が捩じりバネ６３ａの付勢力に抗して回動してラチェットギア５４に係合し、ラチェットホイール５０とともに巻取軸３のスプライン軸部２２の回転がロックされる。尚、パウル６０を初期位置に付勢するリターンバネ６０ａも設けられている。
【００４０】
第２ロック機構は、第１ロック機構と共通のパウル６０及びクラッチ部材６２及びロックアームベース６６及びロックアーム６４及びロッキングギア６５と、ハウジング２の右側壁１０に固定されたホルダ６７と、ホルダ６７に収容された球状の慣性質量体６８と、ホルダ６７に揺動可能に連結され且つロッキングギア６５に係合可能な揺動レバー６９を有する。
【００４１】
通常状態において、ロッキングギア６５は摩擦力を介して巻取軸３の連結軸部２３と一体的に回動し、車両が急減速すると、ホルダー６７に収容されている慣性質量体６８が移動し、揺動レバー６９が揺動してロッキングギア６５に係合し、ロッキングギア６５の回転がロックされる。すると、ロッキングギア６５のロックアームガイド６３に対するロックアーム６４の相対回転によりその突起６４ａが内歯６２ｃに係合してクラッチ部材６２が回動し、前記同様、ラチェットホイール５０とともに巻取軸３のスプライン軸部２２の回転がロックされる。
【００４２】
次に、シートベルトプリテンショナー７について詳細に説明する。
図１、図６〜図９に示すように、シートベルトプリテンショナー７は、巻取軸３の左端部に連動連結されたピニオンギア８０と、ピニオンギア８０の複数の歯８１（以下、ピニオン歯８１という）と噛合可能な複数のラック歯９１を有するとともに通常時にはピニオンギア８０から離隔した初期位置に位置するラックギア９０と、ピニオンギア８０とラックギア９０を収納するケース７０と、車両の衝突時にガスを発生させるガス発生器９５等で構成されている。
【００４３】
先ず、ケース７０について説明すると、ケース７０は、左右の第１，第２ケース部材７１，７２を組合わせてなり、ハウジング２の左側壁１０に面接触状に複数のビス７０ａで固定されている。ケース７０の内部の中央部分に、ピニオンギア８０を回転可能に収納するピニオン収納部７３が形成され、そのピニオン収納部７３の左右両側のケース部材７１，７２には、巻取軸３と略同心状の孔７４，７５が夫々形成されている。
【００４４】
ケース７０の内部の前部分に、ラックギア９０を上下移動可能に収納する上下に長いラック収納部７６が形成され、このラック収納部７６の上下方向中央部分がピニオン収納部７３に連通されている。ケース７０にはその下端部から右方へ延びるガスシリンダ部７７が設けられ、その右部にガス発生器９５が内嵌状に気密に装着されるとともに、ガスシリンダ部７７の内部とラック収納部７６とは気密に連通されている。
【００４５】
ピニオンギア８０は、左軸部８２及び右軸部８３と、左軸部８２から左方へ延びる連結軸部８４とを有し、左軸部８２と右軸部８３の間の部位に複数のピニオン歯８１が形成されている。第２ケース部材７２の孔７５に合成樹脂製のリング部材８５が内嵌され、このリング部材８５に右軸部８３が略同心状に遊嵌され、リング部材８５と右軸部８３の間に隙間８５ａが形成されている。また、第１ケース部材７１の孔７４にも左軸部８２が略同心状に遊嵌されている。尚、リング部材８５の内径は、第１ケース部材７１の孔７４よりも小径に構成される。
【００４６】
前記キャップ部材２５には筒部２６から左方へ延びる角状ロッド２９が形成され、その角状ロッド２９がハウジング２の左側壁１０の円形開口１５から左方へ突出し、右軸部８３に形成された角孔８３ａに係合されている。このように、ピニオンギア８０はキャップ部材２５を介して巻取軸３の左端部に取付けられている。巻取軸３の左端部は径方向へ移動可能であり、また、上記のように、ピニオンギア８０の軸部８２，８３が孔７４とリング部材８５に略同心状に遊嵌されていることから、巻取軸３の左端部とともにピニオンギア８０は少なくとも後方へは変位可能である。
【００４７】
ラックギア９０は、ブロック状の本体部９２と、この本体部９２の後端部に形成された複数（例えば、９つ）のラック歯９１と、本体部９２の下端部に固着された受圧部としてのラバー部材９３とを有する。ラックギア９０は、ラック収納部７６の約１／２の上下長を有し、通常時において、ラバー部材９３がラック収納部７６の下端部の段部７６ａに支持され（図７参照）、この状態で、ラックギア９０がピニオンギア８０から離隔した初期位置に位置している。そして、通常時、振動等でラックギア９０が初期位置から上方へ移動してピニオンギア８０と噛合しないように、ラックギア９０の上端部は、ケース７０に破断可能に固着されたストッパー９４により係止されている。
【００４８】
ラックギア９０のラック歯９１について説明すると、図１１〜図１４に示すように、ラックギア９０の複数のラック歯９１のうちの少なくとも移動方向先頭（上端）の第１ラック歯９１ａは、その他のラック歯９１（９１ｂ）よりも低く形成され、第１ラック歯９１ａの次の第２ラック歯９１ｂが、第１ラック歯９１ａよりも高く且つその他のラック歯９１よりも低く形成されている。
【００４９】
そして、ピニオンギア８０とリング部材８５が同心状に位置する初期状態（図１１参照）からの、ピニオンギア８０の変位量は、ピニオン歯８１と第１ラック歯９１ａの最大オーバーラップ量Ｌよりも僅かに大きくなるように設定されている。尚、本実施形態の場合、第１ラック歯９１ａの高さはその他のラック歯９１の約１／２高さに、また、第２ラック歯９１ｂの高さは、第１ラック歯９１ａとその他のラック歯９１の中間高さに設定されている。
【００５０】
ガス発生器９５は制御装置（図示略）にコネクタ９６（図６に鎖線で示す）を介して電気に接続され、制御装置に衝突検出センサ（図示略）から衝突信号が入力されると、制御装置の駆動部からガス発生器９５に通電されて、例えば、ガス発生剤が化学反応を起こしてガスが発生するようになっている。発生したガスはガスシリンダ部７７内を通ってラック収納部７６に下方から流入し、そのガス圧がラバー部材９３に作用する。すると、ラックギア９０が、ストッパー９４を破断し、ラック収納部７６を形成する壁面に案内され、前記初期位置からピニオンギア８０と噛合する上方へ移動し、その後係止ピン９４ａに係止されて停止する（図７に鎖線で示す）。
【００５１】
尚、図１、図６に示すように、前記ゼンマイバネ５はスプリングシート５ａを介してケース７０の左側に配設され、ケース７０の左部にビス５ｃで取付けられるバネケース５ｂに収納され、ゼンマイバネ５の基端部がピニオンギア８０の連結軸部８４に固着されるとともに、ゼンマイバネ５の先端部がバネケース５ｂに固着されている。
【００５２】
シートベルトプリテンショナー７の作用・効果について説明する。
車両が衝突しない通常状態では、ラックギア９０は初期位置に位置しピニオンギア８０から離隔しているため、ウエビングＷの引出し／巻取りを自由に行うことができ、ウエビングＷをシートに着座している乗員の腰部や胸部等にセットすることができる。
【００５３】
一方、車両衝突時には、ガス発生器９５からガスが発生し、そのガス圧がラックギア９０のラバー部材９３に作用して、ラックギア９０が前記初期位置からピニオンギア８０と噛合する上方へ移動し、ラックギア９０からピニオンギア８０に駆動力が伝達されて、ピニオンギア８０とともに巻取軸３が巻取り方向へ回動され、これにより、緊急ロック機構６が効果的に機能し、ウエビングＷで乗員を拘束する機能を高めることができる。
【００５４】
ここで、ピニオンギア８０は巻取軸３と一体的に回転することから、車両衝突時のピニオンギア８０の回転停止位置は不定である。図１１に示すように、先ず、第１ラック歯９１ａとピニオン歯８１が円滑に噛合する場合、その後順次ラック歯９１とピニオン歯８１とが円滑に噛合していく。
【００５５】
一方、第１ラック歯９１ａとピニオン歯８１が衝突した場合でも、その衝突の瞬間だけそれら歯先同士が突っ張り合うが、図１２に示すように、その反力を受けてピニオンギア８０がラックギア９０の移動面（ラックギア９０が移動する前後方向向きの鉛直面）から離反する後方へ変位し、その変位量も、ピニオン歯８１と第１ラック歯９１ａの最大オーバーラップ量Ｌよりも僅かに大きく設定されているので、ピニオンギア８０の後方変位により、それら歯先同士の突っ張り合いを直ちに解除でき、ラックギア９０とピニオンギア８０とがロックするのを確実に防止できる。第１ラック歯９１ａがその他のラック歯９１よりも低いため、ピニオンギア８０の変位量をあまり大きく設定する必要がない。
【００５６】
このように、ケース７０に巻取軸３と略同心状の孔７５を形成するとともに、その孔７５に合成樹脂製のリング部材８５が内嵌され、このリング部材８５にピニオンギア８０の右軸部８３が遊嵌されているため、ピニオンギア８０を後方へ確実に変位可能に構成できるとともに、変位するピニオンギア８０の右軸部８３をリング部材８５で緩衝して受止めることができるため、ピニオンギア８０の変位動作を円滑且つ確実に行うことができる。
【００５７】
前記衝突の後、ラックギア９０とピニオンギア８０の作動は継続されるが、第１ラック歯９１ａは第２ラック歯９１ｂよりも低いため、また、第２ラック歯９１ｂがその他のラック歯９１よりも低いため、図１３に示すように、第２ラック歯９１ｂとピニオン歯８１とを衝突させずに噛合させることができ、その後順次ラック歯９１とピニオン歯８１とが噛合していく。
【００５８】
また、第１ラック歯９１ａとピニオン歯８１とが接触（噛合又は衝突）しない場合には、最初に第２ラック歯９１ｂがピニオン歯８１に接触する。このとき、第２ラック歯９１ｂがその他のラック歯９１よりも低いため、ピニオン歯８１と第２ラック歯９１ｂとを衝突させずに確実に噛合させることができる。即ち、図１４に示すように、第２ラック歯９１ｂがピニオン歯８１と衝突する位置関係の場合には、第１ラック歯９１ａがピニオン歯８１に接触するため、ピニオン歯８１と第２ラック歯９１ｂとを衝突させず噛合させることができ、その後順次ラック歯９１とピニオン歯８１とが噛合していく。
【００５９】
このように、このシートベルトプリテンショナー７によれば、車両衝突時のピニオンギア８０の回転停止位置は不定であっても、ラックギア９０とピニオンギア８０とを確実に噛合させることができ、ラックギア９０からピニオンギア８０へ駆動力を効率よく伝達でき、ガス発生器８５を必要以上に大型化することなく、乗員にセットされたウエビングＷを適切な力で確実に巻取ってウエビングＷの弛みを迅速且つ十分に取除くことができる。しかも、ラックギア９０の第１ラック歯９１ａをその他のラック歯９１よりも低く形成するとともに、ピニオンギア８０がラックギア９０の移動面から離反する方向へ変位可能にするという簡単な構成で以て、シートベルトプリテンショナー７の機能を発揮できるため製作コスト的に非常に有利になる。
【００６０】
次に、変更形態について説明する。
１〕ラックギア９０の第２ラック歯９１ｂをその他のラック歯９１と同じ高さにしてもよい。
２〕ピニオンギア８０やラックギア９０の構造等によって、ピニオンギア８０を大きく変位させたい場合、リング部材８５の変形を介してピニオンギア８０を大きく変位させるようにしてもよい。
【００６１】
３〕リング部材８５とは別に、或いは、リング部材８５を省略して、ケース７０の左ケース部材７１に形成された孔７４に別のリング部材を内嵌し、そのリング部材にピニオンギア８０の左軸部８２を遊嵌してもよい。
４〕ピニオンギア８０の右軸部８３をハウジング２の左側壁に形成された孔（円形開口１５）を挿通させるとともに、リング部材とは別に、或いは、リング部材を省略して、この円形開口１５に別のリング部材を内嵌し、そのリング部材にピニオンギア８０の左軸部８２を遊嵌してもよい。
【００６２】
５〕図１５に示すように、リング状の変形部材９７に、ピニオンギア８０の軸部が内嵌状に回転自在に支持され、つまり、軸部を介して巻取軸３が回転自在に支持され、ピニオン歯８０と第１ラック歯９１ａとが衝突した場合、図１６に示すように、その変形部材９７を変形させてピニオンギア８０がラックギア９０の移動面から離反する後方へ変位可能に構成してもよい。尚、変形部材９７は、ケース７０の孔７４，７５の少なくとも１つに内嵌される。
【００６３】
６〕ハウジング２のピニオンギア８０側の左側壁１０に形成された円形開口１５に内嵌され巻取軸３又はキャップ部材２５を回転自在に支持する変形部材を設け、その変形部材を変形させてピニオンギア８０がラックギア９０の移動面から離反する後向へ変位可能に構成してもよい。
尚、本発明に係るシートベルトプリテンショナーは、前記実施形態で説明したものに限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を付加して、種々の形式のシートベルト巻取り装置に適用することができる。
【００６４】
【発明の効果】
請求項１のシートベルトプリテンショナーによれば、ラックギアの複数のラック歯のうちの少なくとも移動方向先頭の第１ラック歯を、その他のラック歯よりも低く形成するとともに、ピニオンギアがラックギアの移動面から離反する方向へ変位可能に構成したので、第１ラック歯とピニオン歯が衝突した場合でも、ピニオンギアをラックギアの移動面から離反する方向へ変位させて、ピニオンギアとラックギアとがロックするのを防止し、また、第１ラック歯とピニオン歯が接触（噛合又は衝突）しない場合には、ピニオン歯と第２ラック歯とを衝突させずに噛合させることができる。
【００６５】
つまり、(a) 車両衝突時のピニオンギアの回転停止位置は不定であっても、車両衝突時、ラックギアとピニオンギアの歯を確実に噛合させることができる。(b) ラックギアからピニオンギアへ駆動力を効率よく伝達できる。(c) ガス発生器を必要以上に大型化することなく、乗員にセットされたウエビングを適切な力で確実に巻取ってウエビングの弛みを迅速且つ十分に取除くことができる。(d) ラックギアの第１ラック歯をその他のラック歯よりも低く形成するとともに、ピニオンギアがラックギアの移動面から離反する方向へ変位可能にするという簡単な構成で以て、シートベルトプリテンショナーの機能を発揮できるため製作コスト的に非常に有利になる。
【００６６】
請求項２のシートベルトプリテンショナーによれば、ハウジング又はハウジングに固定されピニオンギアとラックギアを収納するケースに巻取軸と略同心状の孔を形成するとともに、その孔に内嵌された合成樹脂製のリング部材に、ピニオンギアの軸部が遊嵌されているので、ピニオンギアを前記移動面から離反する方向へ確実に変位可能に構成できるとともに、変位するピニオンギアの軸部をリング部材で緩衝して受止めることができるため、ピニオンギアの変位動作を円滑且つ確実に行うことができる。その他請求項１と同様の効果を奏する。
【００６７】
請求項３のシートベルトプリテンショナーによれば、ハウジングのピニオンギア側の側壁に巻取軸と略同心状の孔を形成し、その孔に内嵌された変形部材を介して巻取軸が回転自在に支持されるため、ラックギアからピニオンギアに駆動力を確実に伝達できるとともに、第１ラック歯とピニオン歯が衝突した場合、変形部材を変形させて、巻取軸の一端部とともにピニオンギアをラックギアの移動面から離反する方向へ確実に変位させることができる。従って、請求項１と同様に、前記(a) 〜(d) と同様の効果を奏する。
【００６８】
請求項４のシートベルトプリテンショナーによれば、ハウジングに固定されピニオンギアとラックギアを収納するケースに巻取軸と略同心状の孔を形成し、その孔に内嵌された変形部材を介してピニオンギアが回転自在に支持されるため、ラックギアからピニオンギアに駆動力を確実に伝達できるとともに、第１ラック歯とピニオン歯が衝突した場合、変形部材を変形させて、ピニオンギアをラックギアの移動面から離反する方向へ確実に変位させることができる。従って、請求項１と同様に、前記(a) 〜(d) と同様の効果を奏する。
【００６９】
請求項５のシートベルトプリテンショナーによれば、ピニオンギアの変位量を、ピニオンギアの歯とラックギアの第１ラック歯の最大オーバーラップ量よりも僅かに大きく設定したので、第１ラック歯とピニオン歯とが衝突した場合に、ピニオンギアを変位させて、それら歯先同士の突っ張り合いを確実に解除することができる。その他請求項１〜４と同様の効果を奏する。
【００７０】
請求項６のシートベルトプリテンショナーによれば、ラックギアの複数のラック歯のうち第１ラック歯の次の第２ラック歯を、第１ラック歯よりも高く且つその他のラック歯よりも低く形成したので、第１ラック歯とピニオン歯とが衝突した場合に、第２ラック歯とピニオン歯とを衝突させずに確実に噛合させることができる。その他請求項１〜５と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態に係るウエビング巻取り装置の分解斜視図である。
【図２】シートベルト巻取り装置の要部縦断面図である。
【図３】図２のIII −III 線断面図である。
【図４】図２のIV−IV線断面図である。
【図５】シートベルト巻取り装置の要部縦断面図である。
【図６】シートベルトプリテンショナーを含む分解展開斜視図である。
【図７】シートベルトプリテンショナーを含む部分切欠き左側面図である。
【図８】図７のVIII−VIII線断面図である。
【図９】図８のIV矢視図である。
【図１０】図７のV 矢視図である。
【図１１】ピニオンギアとラックギア（初期位置）の側面図である。
【図１２】ピニオンギアとラックギア（歯先衝突状態）の側面図である。
【図１３】ピニオンギアとラックギア（噛合状態）の側面図である。
【図１４】ピニオンギアとラックギア（初期位置）の側面図である。
【図１５】変更形態に係る変形部材を含む図１１相当図である。
【図１６】変更形態に係る変形部材を含む図１２相当図である。
【符号の説明】
Ｗウエビング
１シートベルト巻取り装置
２ハウジング
３巻取軸
４巻取りドラム
５ゼンマイバネ（付勢部材）
６緊急ロック機構
７シートベルトプリテンショナー
７０ケース
７４，７５孔
８０ピニオンギア
８１ピニオン歯
８５リング部材
９０ラックギア
９１ラック歯
９１ａ，９１ｂ第１，第２ラック歯
９３ラバー部材（受圧部）
９５ガス発生器
９７変形部材[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
In the present invention, the rack gear is moved from the initial position where it does not mesh with the pinion gear to the direction of meshing with the pinion gear by the gas pressure generated from the gas generator at the time of a vehicle collision, and the winding shaft is rotated in the winding direction. The present invention relates to a seat belt pretensioner.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a seat belt pretensioner includes a winding shaft that winds up a webbing for restraining an occupant, a housing that rotatably supports the winding shaft, and a biasing member that elastically biases the winding shaft in the winding direction. It is attached to a seat belt retractor equipped with a seat belt retractor, and when the vehicle collides, the winding shaft is forcibly rotated in the winding direction to wind the webbing and remove the slack of the webbing.
[0003]
Usually, the seat belt retractor is equipped with an emergency lock mechanism that locks the rotation of the take-up shaft in the pull-out direction in the event of a vehicle collision. In the event of a vehicle collision, the webbing slack is removed by the seat belt pretensioner. The lock mechanism functions effectively, and the function of restraining the occupant with the webbing can be enhanced.
[0004]
The seat belt pretensioner is basically provided with a gas generator that generates gas in the event of a vehicle collision and an actuator that is driven by the gas pressure. In normal times, the webbing can be freely drawn out or taken up. Thus, the actuator and the winding shaft are not connected, but when the actuator is driven by the gas pressure generated from the gas generator at the time of a vehicle collision, the actuator and the winding shaft are connected to transmit the driving force. Then, the winding shaft is rotated in the winding direction.
[0005]
For example, a seat belt pretensioner disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-207706 is provided with a ratchet gear attached to one end of the take-up shaft and a rack gear that can mesh with the ratchet gear. The rack gear is normally held at an initial position separated from the ratchet gear, and when the vehicle collides, the rack gear is linearly driven from the initial position in the direction of meshing with the ratchet gear by the gas pressure generated from the gas generator. The force is transmitted to the ratchet gear, and the winding shaft is driven to rotate in the winding direction together with the ratchet gear.
[0006]
On the other hand, in the seat belt pretensioner disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 9-2207, the rack gear and the pinion gear are meshed even during normal operation, and the drive can be transmitted between the pinion gear and the take-up shaft only at the time of a vehicle collision. Is provided with a clutch mechanism. The clutch mechanism includes a clutch ring fixed to a take-up shaft, a clutch outer ring fitted on the clutch ring, a plurality of roller pins fixed to a rotating disk that rotates integrally with the pinion gear, and a clutch outer ring. A plurality of cam surfaces corresponding to the plurality of roller pins are formed.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
In the seat belt pretensioner disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-207706, the ratchet gear rotates integrally with the take-up shaft. Therefore, the rotation stop position of the ratchet gear at the time of a vehicle collision is indefinite. And the first rack tooth at the head of the rack gear in the moving direction are not necessarily meshed with each other, and these tooth tips may collide with each other. When the tooth tips collide with each other, the tooth tips stick against each other and the ratchet gear and the rack gear may be locked. In that case, the webbing cannot be wound by forcibly turning the winding shaft in the winding direction, and the function of removing the slack of the webbing cannot be achieved.
[0008]
Further, as a result of the collision between the tooth tips, the teeth of the ratchet gear and the rack gear may be missing. In that case, although the operation of the ratchet gear and the rack gear continues, there is no guarantee that the ratchet gear and the rack gear mesh with each other, and there is a high possibility that the next tooth tips will collide with each other. As a result, the driving force cannot be sufficiently transmitted to the ratchet gear, and the webbing winding amount is reduced by several tens of percent with respect to the initial winding amount. The function of can not be achieved.
[0009]
Even when the tooth tips of the ratchet gear and the rack gear collide, it is conceivable to increase the amount of gas generated from the gas generator so that the webbing can be reliably wound by the initial winding amount. However, when the gas generator is increased in size and the ratchet gear and the rack gear mesh smoothly, the force for winding the webbing becomes larger than necessary, which may adversely affect the occupant.
[0010]
On the other hand, in the seat belt pretensioner disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-2207, the rack gear and the pinion gear are engaged with each other even in a normal state, so there is no problem that the tooth tips of the pinion gear and the rack gear collide with each other. In addition, since a clutch mechanism having a clutch outer ring, a plurality of roller pins, a plurality of cam surfaces, and the like must be provided, the structure becomes very complicated and the manufacturing cost becomes expensive.
[0011]
An object of the present invention is to provide a seat belt pretensioner having a simple structure and capable of reliably engaging a pinion gear and a rack gear whose rotation stop position is indefinite when a vehicle collides, thereby reliably removing slack of the webbing. That is.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The seat belt pretensioner according to claim 1 is a winding shaft that winds up an occupant restraining webbing, a housing that rotatably supports the winding shaft, and an urging force that elastically biases the winding shaft in the winding direction. In a seat belt pretensioner of a seat belt retractor comprising a member, the pinion gear attached to one end of the take-up shaft, and rack teeth that can mesh with the teeth of the pinion gear and normally the pinion gear A rack gear located at an initial position separated from the vehicle and a gas generator that generates gas when the vehicle collides, and the rack gear is moved from the initial position by causing the gas pressure generated from the gas generator to act on a pressure receiving portion of the rack gear. The rack gear is configured to move in the direction of meshing with the pinion gear and rotate the winding shaft in the winding direction. The first rack tooth Chino least moving direction top thereby forming lower than other rack teeth, the pinion gear is characterized in that it has displaceable configured in a direction away from the moving surface of the rack gear.
[0013]
In a normal state where the vehicle does not collide, the rack gear is located at the initial position and is separated from the pinion gear, so that the webbing can be pulled out / wound freely. On the other hand, when the vehicle collides, gas is generated from the gas generator, the gas pressure acts on the pressure receiving portion of the rack gear, the rack gear moves from the initial position in the direction of meshing with the pinion gear, and is driven from the rack gear to the pinion gear. The force is transmitted, and the winding shaft is rotated in the winding direction together with the pinion gear.
[0014]
Since the pinion gear rotates integrally with the winding shaft, the rotation stop position of the pinion gear at the time of the vehicle collision is indefinite. First, when the first rack teeth of the rack gear and the teeth of the pinion gear (hereinafter referred to as pinion teeth) mesh smoothly, the rack teeth and the pinion teeth sequentially mesh smoothly thereafter.
[0015]
On the other hand, since the pinion gear is configured to be displaceable in a direction away from the moving surface of the rack gear, even when the first rack tooth and the pinion tooth collide, the tooth tips stick against each other only at the moment of the collision, Since the pinion gear is displaced in a direction away from the moving surface of the rack gear in response to the reaction force, the tension between the tooth tips can be released immediately, and the rack gear and the pinion gear can be reliably prevented from locking. After the collision, the operation of the rack gear and the pinion gear is continued, but the first rack tooth of the rack gear is lower than the other rack teeth, so the next tooth (second rack tooth) of the rack gear first rack tooth The pinion teeth can be engaged with each other without colliding, and then the rack teeth and the pinion teeth are sequentially engaged with each other. Since the first rack teeth of the rack gear are lower than the other rack teeth, it is not necessary to set the displacement amount of the pinion gear so large.
[0016]
When the first rack teeth and the pinion teeth do not contact (engage or collide), the second rack teeth first contact the pinion teeth. At this time, since the first rack teeth are lower than the second rack teeth, the pinion teeth and the second rack teeth can be reliably meshed without colliding. That is, when the second rack teeth collide with the pinion teeth, the first rack teeth can be brought into contact with the pinion teeth, so that the pinion teeth and the second rack teeth can be engaged without colliding. Thereafter, the rack teeth and the pinion teeth sequentially mesh.
[0017]
A seat belt pretensioner according to a second aspect of the present invention is the seat belt pretensioner according to the first aspect of the invention, wherein the housing or the case fixed to the housing and containing the pinion gear and the rack gear is formed with a substantially concentric hole with the winding shaft, A ring member made of synthetic resin is internally fitted, and the shaft portion of the pinion gear is loosely fitted to the ring member.
[0018]
In a normal state, at least the shaft portions of the ring member and the pinion gear are disposed so that a gap is formed between the ring member and the portion on the side opposite to the moving surface of the shaft portion of the pinion gear. Of course, you may arrange | position the axial part of a ring member and the pinion gear so that the axial center may become concentric. Note that the shaft portion of the pinion gear can be displaced without deforming the ring member, and the pinion gear may be largely displaced through deformation of the ring member.
[0019]
That is, the pinion gear can be configured to be surely displaceable in a direction away from the moving surface, and the shaft portion of the pinion gear that is displaced can be buffered and received by the ring member, so that the displacement operation of the pinion gear is smooth. And it can be performed reliably. Other effects similar to those of the first aspect are achieved.
[0020]
The seat belt pretensioner according to claim 3 is a winding shaft that winds up an occupant restraining webbing, a housing that rotatably supports the winding shaft, and an urging force that elastically biases the winding shaft in the winding direction. In a seat belt pretensioner of a seat belt retractor comprising a member, the pinion gear attached to one end of the take-up shaft, and rack teeth that can mesh with the teeth of the pinion gear and normally the pinion gear A rack gear located at an initial position separated from the vehicle and a gas generator that generates gas when the vehicle collides, and the rack gear is moved from the initial position by causing the gas pressure generated from the gas generator to act on a pressure receiving portion of the rack gear. The rack gear is configured to move in the direction of meshing with the pinion gear and rotate the winding shaft in the winding direction. At least the first rack tooth at the head in the moving direction is formed lower than the other rack teeth, and a hole substantially concentric with the winding shaft is formed in the side wall on the pinion gear side of the housing, and is fitted into the hole. A deformable member that rotatably supports the winding shaft is provided, and the deformable member is deformed so that the pinion gear can be displaced in a direction away from the moving surface of the rack gear.
[0021]
A hole substantially concentric with the take-up shaft is formed in the side wall of the housing on the pinion gear side, and the take-up shaft is rotatably supported via a deformable member fitted in the hole. Therefore, from the rack gear to the pinion gear When the first rack teeth and pinion teeth collide, the deforming member is deformed and the pinion gear is reliably displaced in the direction away from the moving surface of the rack gear together with one end of the take-up shaft. Can be made. Note that the winding shaft may be rotatably supported by the deformable member via the pinion gear. In addition, as a deformation member, you may apply elastic members, such as a ring-shaped member made from a synthetic resin, and a leaf | plate spring, for example. Other actions are the same as those of the first aspect.
[0022]
The seat belt pretensioner according to claim 4 is a winding shaft that winds up a webbing for restraining an occupant, a housing that rotatably supports the winding shaft, and a bias that elastically biases the winding shaft in the winding direction. In a seat belt pretensioner of a seat belt retractor comprising a member, the pinion gear attached to one end of the take-up shaft, and rack teeth that can mesh with the teeth of the pinion gear and normally the pinion gear A rack gear positioned at an initial position separated from the housing, a case fixed to the housing and housing the pinion gear and the rack gear, and a gas generator that generates gas when the vehicle collides, and the gas pressure generated from the gas generator is The rack gear is moved from the initial position to the direction of meshing with the pinion gear by acting on the pressure receiving portion of the rack gear, and the winding shaft is wound. The rack gear is configured to rotate in a direction, and at least the first rack tooth in the moving direction among the plurality of rack teeth of the rack gear is formed to be lower than the other rack teeth, and is substantially the same as the winding shaft in the case. A concentric hole is formed, and a deformable member that is fitted in the hole and rotatably supports the pinion gear is provided. The deformable member is deformed so that the pinion gear can be displaced in a direction away from the moving surface of the rack gear. It is characterized by that.
[0023]
A case that is fixed to the housing and accommodates the pinion gear and the rack gear is formed with a hole substantially concentric with the take-up shaft, and the take-up shaft is rotatably supported via a deformation member fitted in the hole. The driving force can be reliably transmitted from the rack gear to the pinion gear, and when the first rack tooth and the pinion tooth collide, the deforming member is deformed to reliably displace the pinion gear in the direction away from the moving surface of the rack gear. Can do. In addition, as a deformation member, you may apply elastic members, such as a ring-shaped member made from a synthetic resin, and a leaf | plate spring, for example. Other actions are the same as those of the first aspect.
[0024]
A seat belt pretensioner according to a fifth aspect of the present invention is the seat belt pretensioner according to any one of the first to fourth aspects, wherein the displacement amount of the pinion gear is greater than the maximum overlap amount of the teeth of the pinion gear and the first rack teeth of the rack gear. It is characterized by being set slightly larger. Therefore, when the first rack tooth and the pinion tooth collide, the pinion gear can be displaced to reliably release the tension between the tooth tips. Other effects similar to those of the first to fourth aspects are achieved.
[0025]
The seat belt pretensioner according to claim 6 is the invention according to any one of claims 1 to 5, wherein the second rack tooth next to the first rack tooth among the plurality of rack teeth of the rack gear is used as the first rack tooth. It is characterized by being formed higher than the other rack teeth. That is, since the second rack teeth are higher than the first rack teeth and lower than the other rack teeth, when the first rack teeth collide with the pinion teeth, the second rack teeth do not collide with the pinion teeth. Can be reliably engaged with each other. Other effects similar to those of the first to fifth aspects are achieved.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
This embodiment applies the present invention to a seat belt retractor that absorbs energy through torsional deformation of a winding shaft that functions as a torsion bar in the event of a vehicle emergency such as a vehicle collision. This is an example. In addition, front and rear, right and left in FIG.
[0027]
As shown in FIG. 1, a seat belt retractor 1 includes a metal housing 2 that is fixed to a vehicle body, and a winding that winds around a occupant restraining webbing W (see FIG. 2) that is rotatably supported by the housing 2. The take-up shaft 3, the take-up drum 4 through which the take-up shaft 3 is inserted and the webbing W is wound, and the spring spring 5 (energize) that elastically urges the take-up shaft 3 and the take-up drum 4 in the take-up direction indicated by arrows. Member), an emergency lock mechanism 6 that locks the winding shaft 3 in a non-rotatable manner in the event of a vehicle emergency, and the webbing W by forcibly rotating the winding shaft 3 and the winding drum 4 in the winding direction in the event of a vehicle collision. It is composed of a seat belt pretensioner 7 and the like unique to the present application for winding.
[0028]
As shown in FIGS. 1, 2, and 5, the housing 2 is formed by integrally forming a left side wall 10, a right side wall 11, an upper rear wall 12, and a lower rear wall 13. The front upper end of the right side wall 11 is connected by a bar member 14 facing in the left-right direction. A mounting plate 12a extending upward is fixed to the upper rear wall 12, and a mounting plate 13a extending downward is fixed to the lower rear wall 13, and these mounting plates 12a and 13a are fixed to the vehicle body by bolts or the like.
[0029]
Circular openings 15 and 16 having a smaller diameter than the winding drum 4 are formed concentrically on the left side wall 10 and the right side wall 11. A pawl 60 and a holder 67 of the emergency lock mechanism 6 are mounted on the lower right side of the right wall 11. A rectangular opening 17 is formed between the upper rear wall 12 and the lower rear wall 13, and when the webbing W is almost wound on the winding drum 4, the rear end portion of the webbing W whose diameter increases becomes in the opening 17. So that the rear walls 12 and 13 do not interfere with each other.
[0030]
As shown in FIGS. 1 to 5, the winding shaft 3 includes a torsion bar portion 20 that is torsionally deformed when a torsional torque of a predetermined level or more is applied, and a knurled shaft portion 21 on the left end side of the torsion bar portion 20. The spline shaft portion 22 on the right end side of the torsion bar portion 20 and the connecting shaft portion 23 on the right end side of the spline shaft portion 22 are integrally formed. The knurled shaft portion 21 is connected to the left end portion of the winding drum 4 through the cap member 25 so as not to be relatively rotatable. The ratchet wheel 50 of the emergency lock mechanism 6 is connected to the spline shaft part 22 so as not to be relatively rotatable, and the guide part 55 of the ratchet wheel 50 is connected to the circular opening 16 of the right side wall 11 via the ring-shaped synthetic resin bearing 57. Is rotatably supported by the peripheral surface portion.
[0031]
The winding drum 4 includes a body portion 30 around which the webbing W is wound, a port portion 31, and a starboard portion 32, and the right and left sides through which the winding shaft 3 is inserted. A direction-oriented insertion hole 33 is formed. Furthermore, a spline hole 34 is formed in the winding drum 4 on the inner side of the port portion 31, and an insertion hole 35 that is communicated with the spline hole 34 and the insertion hole 33 and has a larger diameter than the insertion hole 33 is formed. Has been.
[0032]
The cap member 25 has a cylindrical portion 26, a spline-like engaging portion 27 protruding from the cylindrical portion 26, and a knurled hole 28 formed in the cylindrical portion 26. While being inserted into the insertion hole 35 of the winding drum 4, the engaging portion 27 is engaged with the spline hole 34, and in this state, the knurled shaft portion 21 of the winding shaft 3 is engaged with the knurled hole portion 28. .
[0033]
The starboard-like portion 32 of the winding drum 4 is formed to have a wide left and right width, and a spline-like fitting hole 36 that communicates with the insertion hole 33 and has a larger diameter than the insertion hole 33 is formed at the center thereof. A cylindrical portion of the base end portion of the webbing W is externally fitted to the torsion bar portion 20 of the winding shaft 3, and the webbing W passes through the webbing insertion opening 37 of the winding drum 4 from the torsion bar portion 20. It extends and is wound around the trunk 30.
[0034]
Here, the torsional deformation of the winding shaft 3 is allowed until the torsional deformation rotation amount of the left end portion relative to the right end vicinity of the winding shaft 3 reaches a predetermined value in the event of a vehicle emergency, and the torsional deformation rotation amount. A fastening mechanism 8 is provided for fastening the vicinity of the right end of the winding shaft 3 and the winding drum 4 so that they cannot rotate relative to each other when the value reaches a predetermined value. In the fastening mechanism 8, a cylindrical portion 56 having a smaller diameter than the guide portion 55 of the ratchet wheel 50 and having a screw formed on the outer peripheral portion is externally mounted on the torsion bar portion 20 inside the fitting hole 36. And a ring member 40 that is engaged with the fitting hole 36 so as to be relatively movable in the left-right direction and to be relatively non-rotatable.
[0035]
When a large rotational torque acts on the winding drum 4 in a state where the right end portion of the winding shaft 3 is locked by the emergency lock mechanism 6, the rotational torque is input to the left end portion of the winding shaft 3 via the cap member 25. Then, the take-up drum 4 rotates in the pull-out direction while the take-up shaft 3 twists and deforms and absorbs energy. At this time, since the ring member 40 rotates together with the winding drum 4 in the direction of arrow A in FIG. 4 with respect to the cylindrical portion 56, the ring member 40 moves in the direction of arrow B in FIG. As shown in FIG. 5, when the right end surface of the ring member 40 abuts on the left end surface of the guide portion 55, the ring member 40 and the cylindrical portion 56 are integrated so that relative rotation is impossible. Since it cannot rotate, the webbing W cannot be pulled out almost completely.
[0036]
As shown in FIG. 1, the emergency lock mechanism 6 includes a ratchet wheel 50 connected to the spline shaft portion 22 of the winding shaft 3 so as not to rotate relative thereto, and the ratchet wheel 50 in response to a sudden withdrawal of the webbing W. The first locking mechanism that locks the rotation and the second locking mechanism that locks the rotation of the ratchet wheel 50 in response to sudden deceleration in the event of a vehicle emergency. The emergency lock mechanism 6 is covered with a cover member 6 a that is fixed to the right side wall 11 of the housing 2.
[0037]
The ratchet wheel 50 has a gear portion 53 having a ratchet gear 54 formed on the outer periphery thereof, a smaller diameter than the gear portion 53 and the guide portion 55 provided on the left side of the gear portion 53, and a smaller diameter than the guide portion 55. In addition, the tube portion 56 extending leftward from the guide portion 55 is integrally formed.
[0038]
The first locking mechanism includes a pawl 60 that is pivotally supported by a shaft portion 19 fixed to the right side wall 11 of the housing 2 and that can engage with a ratchet gear 54, and a connecting shaft portion 23 of the winding shaft 3. A clutch member 62 having a guide portion 62 a that is pivotally supported and guides the pawl 60 in the engagement / disengagement direction with respect to the ratchet gear 54, and is connected to the connecting shaft portion 23 and accommodated in a cylindrical portion 62 b of the clutch member 62. The lock arm base 66 has a projection 64a that is supported by the lock arm base 66 so as to be swingable and engages with an internal tooth 62c formed inside the cylindrical portion 62b of the clutch member 62. A lock arm 64 biased by a spring 66a so as not to engage with the internal teeth 62c, a locking gear 65 pivotally supported by the connecting shaft portion 23 and prevented from coming off by a rivet 61, and a lock arm It is constituted by abutting the lock arm guide 63 is frictionally coupled to the locking gear 65 and the like to 4.
[0039]
In a normal state, the pawl 60 is urged by a torsion spring 63a to a non-engagement position where the pawl 60 is not engaged with the ratchet gear 54. When the webbing W is suddenly pulled out and the connecting shaft portion 23 is rotated, the lock arm The locking gear 65 rotates with respect to the base 66, and the lock arm guide 63 also rotates. As a result, the lock arm 64 rotates against the urging force of the spring 66a, and the projection 64a has an internal tooth 62c. Engage with. Then, the clutch member 62 is rotated, guided by the guide portion 62a of the clutch member 62, and the pawl 60 is rotated against the urging force of the torsion spring 63a to engage with the ratchet gear 54, and the ratchet wheel 50 At the same time, the rotation of the spline shaft portion 22 of the winding shaft 3 is locked. A return spring 60a that urges the pawl 60 to the initial position is also provided.
[0040]
The second lock mechanism includes a pawl 60, a clutch member 62, a lock arm base 66, a lock arm 64, and a locking gear 65 common to the first lock mechanism, a holder 67 fixed to the right side wall 10 of the housing 2, and a holder 67. And a swing lever 69 that is swingably connected to the holder 67 and engageable with the locking gear 65.
[0041]
In a normal state, the locking gear 65 rotates integrally with the connecting shaft portion 23 of the winding shaft 3 via frictional force, and when the vehicle suddenly decelerates, the inertia mass body 68 accommodated in the holder 67 moves. Then, the swing lever 69 swings and engages with the locking gear 65, and the rotation of the locking gear 65 is locked. Then, by the relative rotation of the lock arm 64 with respect to the lock arm guide 63 of the locking gear 65, the projection 64a engages with the internal teeth 62c, and the clutch member 62 rotates, and together with the ratchet wheel 50, the winding shaft 3 rotates. The rotation of the spline shaft portion 22 is locked.
[0042]
Next, the seat belt pretensioner 7 will be described in detail.
As shown in FIGS. 1 and 6 to 9, the seat belt pretensioner 7 includes a pinion gear 80 interlocked to the left end portion of the winding shaft 3, and a plurality of teeth 81 (hereinafter referred to as pinion teeth) of the pinion gear 80. 81) and a rack gear 90 that is normally located at an initial position separated from the pinion gear 80, a case 70 that accommodates the pinion gear 80 and the rack gear 90, and a gas at the time of a vehicle collision The gas generator 95 etc. which generate | occur | produce is comprised.
[0043]
First, the case 70 will be described. The case 70 is a combination of left and right first and second case members 71 and 72, and is fixed to the left side wall 10 of the housing 2 with a plurality of screws 70a in surface contact. . A pinion storage portion 73 that rotatably stores the pinion gear 80 is formed in the central portion of the case 70, and the case members 71 and 72 on both the left and right sides of the pinion storage portion 73 are substantially concentric with the winding shaft 3. Shaped holes 74 and 75 are respectively formed.
[0044]
A vertically long rack housing portion 76 for housing the rack gear 90 so as to be movable up and down is formed in a front portion inside the case 70, and a central portion in the vertical direction of the rack housing portion 76 communicates with the pinion housing portion 73. The case 70 is provided with a gas cylinder portion 77 extending rightward from the lower end thereof, and a gas generator 95 is mounted on the right portion thereof in an air-tight manner, and the inside of the gas cylinder portion 77 and the rack storage portion. 76 is in airtight communication.
[0045]
The pinion gear 80 includes a left shaft portion 82 and a right shaft portion 83, and a connecting shaft portion 84 that extends leftward from the left shaft portion 82. A plurality of pinion gears 80 are disposed at portions between the left shaft portion 82 and the right shaft portion 83. Pinion teeth 81 are formed. A synthetic resin ring member 85 is fitted into the hole 75 of the second case member 72, and the right shaft portion 83 is loosely fitted into the ring member 85 in a substantially concentric manner, and between the ring member 85 and the right shaft portion 83. A gap 85a is formed. Further, the left shaft portion 82 is loosely fitted substantially concentrically into the hole 74 of the first case member 71. The inner diameter of the ring member 85 is configured to be smaller than the hole 74 of the first case member 71.
[0046]
The cap member 25 is formed with a rectangular rod 29 extending leftward from the cylindrical portion 26, and the rectangular rod 29 protrudes leftward from the circular opening 15 of the left side wall 10 of the housing 2 and is formed in the right shaft portion 83. Is engaged with the square hole 83a. As described above, the pinion gear 80 is attached to the left end portion of the winding shaft 3 via the cap member 25. The left end portion of the winding shaft 3 is movable in the radial direction, and the shaft portions 82 and 83 of the pinion gear 80 are loosely fitted substantially concentrically into the hole 74 and the ring member 85 as described above. Thus, the pinion gear 80 can be displaced at least rearward together with the left end portion of the winding shaft 3.
[0047]
The rack gear 90 includes a block-shaped main body 92, a plurality of (for example, nine) rack teeth 91 formed at the rear end of the main body 92, and a pressure receiving portion fixed to the lower end of the main body 92. And a rubber member 93. The rack gear 90 has a vertical length that is approximately ½ of that of the rack housing portion 76, and the rubber member 93 is supported by a stepped portion 76a at the lower end of the rack housing portion 76 in a normal state (see FIG. 7). Thus, the rack gear 90 is located at an initial position separated from the pinion gear 80. Then, the upper end portion of the rack gear 90 is locked by a stopper 94 fixed to the case 70 so as to be breakable so that the rack gear 90 does not move upward from the initial position due to vibration or the like and normally does not mesh with the pinion gear 80. ing.
[0048]
The rack teeth 91 of the rack gear 90 will be described. As shown in FIGS. 11 to 14, at least the first rack teeth 91 a at the beginning (upper end) in the movement direction among the plurality of rack teeth 91 of the rack gear 90 are the other rack teeth. 91 (91b), the second rack tooth 91b next to the first rack tooth 91a is higher than the first rack tooth 91a and lower than the other rack teeth 91.
[0049]
The amount of displacement of the pinion gear 80 from the initial state where the pinion gear 80 and the ring member 85 are concentrically positioned (see FIG. 11) is larger than the maximum overlap amount L of the pinion teeth 81 and the first rack teeth 91a. It is set to be slightly larger. In the present embodiment, the height of the first rack teeth 91a is about ½ the height of the other rack teeth 91, and the height of the second rack teeth 91b is the same as that of the first rack teeth 91a. The intermediate height of the rack teeth 91 is set.
[0050]
The gas generator 95 is electrically connected to a control device (not shown) via a connector 96 (indicated by a chain line in FIG. 6). When a collision signal is input from the collision detection sensor (not shown) to the control device, the gas generator 95 is controlled. The gas generator 95 is energized from the drive unit of the apparatus, and for example, the gas generating agent causes a chemical reaction to generate gas. The generated gas flows into the rack housing portion 76 from below through the gas cylinder portion 77, and the gas pressure acts on the rubber member 93. Then, the rack gear 90 breaks the stopper 94, is guided by the wall surface forming the rack housing portion 76, moves upward from the initial position and meshes with the pinion gear 80, and then is locked by the locking pin 94a and stopped. (Shown with a chain line in FIG. 7).
[0051]
As shown in FIGS. 1 and 6, the spring 5 is disposed on the left side of the case 70 via a spring seat 5a, and is housed in a spring case 5b attached to the left portion of the case 70 with screws 5c. Is fixed to the connecting shaft portion 84 of the pinion gear 80, and the distal end portion of the mainspring spring 5 is fixed to the spring case 5b.
[0052]
The operation and effect of the seat belt pretensioner 7 will be described.
In a normal state in which the vehicle does not collide, the rack gear 90 is located at the initial position and is separated from the pinion gear 80, so that the webbing W can be pulled out and taken up freely, and the webbing W is seated on the seat. It can be set on the occupant's waist or chest.
[0053]
On the other hand, at the time of a vehicle collision, gas is generated from the gas generator 95, and the gas pressure acts on the rubber member 93 of the rack gear 90, and the rack gear 90 moves upward from the initial position to mesh with the pinion gear 80. The driving force is transmitted from 90 to the pinion gear 80, and the winding shaft 3 rotates in the winding direction together with the pinion gear 80, whereby the emergency lock mechanism 6 functions effectively and restrains the occupant with the webbing W. Can enhance the function.
[0054]
Here, since the pinion gear 80 rotates integrally with the winding shaft 3, the rotation stop position of the pinion gear 80 at the time of a vehicle collision is indefinite. As shown in FIG. 11, first, when the first rack teeth 91a and the pinion teeth 81 mesh smoothly, the rack teeth 91 and the pinion teeth 81 sequentially mesh smoothly.
[0055]
On the other hand, even when the first rack teeth 91a and the pinion teeth 81 collide, the tooth tips stick against each other only at the moment of the collision, but the pinion gear 80 receives the reaction force as shown in FIG. Is displaced backward from the moving surface (the vertical surface in the front-rear direction in which the rack gear 90 moves), and the amount of displacement is also set slightly larger than the maximum overlap amount L of the pinion teeth 81 and the first rack teeth 91a. Thus, the rearward displacement of the pinion gear 80 can immediately release the tension between the tooth tips, and can reliably prevent the rack gear 90 and the pinion gear 80 from being locked. Since the first rack teeth 91a are lower than the other rack teeth 91, it is not necessary to set the displacement amount of the pinion gear 80 so large.
[0056]
Thus, the case 70 is formed with the hole 75 substantially concentric with the winding shaft 3, and the synthetic resin ring member 85 is fitted into the hole 75, and the right axis of the pinion gear 80 is fitted into the ring member 85. Since the portion 83 is loosely fitted, the pinion gear 80 can be configured to be surely displaceable rearward, and the right shaft portion 83 of the pinion gear 80 that is displaced can be buffered and received by the ring member 85. The displacement operation of the pinion gear 80 can be performed smoothly and reliably.
[0057]
After the collision, the operation of the rack gear 90 and the pinion gear 80 is continued, but the first rack teeth 91a are lower than the second rack teeth 91b, and the second rack teeth 91b are lower than the other rack teeth 91. Since it is low, as shown in FIG. 13, the second rack teeth 91b and the pinion teeth 81 can be engaged with each other without colliding, and then the rack teeth 91 and the pinion teeth 81 are sequentially engaged.
[0058]
In addition, when the first rack teeth 91 a and the pinion teeth 81 do not contact (engage or collide), the second rack teeth 91 b first contact the pinion teeth 81. At this time, since the second rack teeth 91b are lower than the other rack teeth 91, the pinion teeth 81 and the second rack teeth 91b can be reliably engaged without colliding. That is, as shown in FIG. 14, when the second rack teeth 91 b are in a positional relationship where they collide with the pinion teeth 81, the first rack teeth 91 a come into contact with the pinion teeth 81, so that the pinion teeth 81 and the second rack teeth The rack teeth 91 and the pinion teeth 81 are sequentially meshed with each other without causing a collision with 91b.
[0059]
As described above, according to the seat belt pretensioner 7, even if the rotation stop position of the pinion gear 80 at the time of the vehicle collision is indefinite, the rack gear 90 and the pinion gear 80 can be reliably engaged with each other. The drive force can be efficiently transmitted from the motor to the pinion gear 80, and the webbing W set on the occupant can be reliably wound up with an appropriate force without increasing the size of the gas generator 85 more than necessary to quickly loosen the webbing W. And can be removed sufficiently. In addition, the first rack teeth 91a of the rack gear 90 are formed lower than the other rack teeth 91, and the pinion gear 80 can be displaced in a direction away from the moving surface of the rack gear 90. Since the function of the belt pretensioner 7 can be exhibited, the manufacturing cost is very advantageous.
[0060]
Next, a modified form will be described.
1] The second rack teeth 91b of the rack gear 90 may be the same height as the other rack teeth 91.
2] When it is desired to largely displace the pinion gear 80 due to the structure of the pinion gear 80 or the rack gear 90, the pinion gear 80 may be largely displaced through deformation of the ring member 85.
[0061]
3) Separately from the ring member 85 or omitting the ring member 85, another ring member is fitted in the hole 74 formed in the left case member 71 of the case 70, and the pinion gear 80 The left shaft portion 82 may be loosely fitted.
4] Insert the hole (circular opening 15) formed in the left side wall of the housing 2 through the right shaft portion 83 of the pinion gear 80, and omit the ring member or omit the ring member. Another ring member may be internally fitted to the ring member, and the left shaft portion 82 of the pinion gear 80 may be loosely fitted to the ring member.
[0062]
5] As shown in FIG. 15, the shaft portion of the pinion gear 80 is rotatably supported by the ring-shaped deformable member 97 in an internally fitted manner, that is, the winding shaft 3 is rotatably supported via the shaft portion. When the pinion teeth 80 and the first rack teeth 91a collide with each other, as shown in FIG. 16, the deformable member 97 is deformed so that the pinion gear 80 can be displaced backward away from the moving surface of the rack gear 90. May be. The deformable member 97 is fitted in at least one of the holes 74 and 75 of the case 70.
[0063]
6] A deformation member is provided which is fitted in a circular opening 15 formed in the left side wall 10 of the housing 2 on the pinion gear 80 side and rotatably supports the winding shaft 3 or the cap member 25, and the deformation member is deformed. The pinion gear 80 may be configured to be displaceable in a backward direction away from the moving surface of the rack gear 90.
The seat belt pretensioner according to the present invention is not limited to the one described in the above embodiment, and various modifications can be added without departing from the spirit of the present invention to various types of seat belt retractors. Can be applied.
[0064]
【The invention's effect】
According to the seat belt pretensioner of the first aspect, at least the first rack tooth at the head in the movement direction among the plurality of rack teeth of the rack gear is formed lower than the other rack teeth, and the pinion gear is the movement surface of the rack gear. Since the first rack teeth and the pinion teeth collide, the pinion gear is displaced in the direction away from the rack gear moving surface, and the pinion gear and the rack gear are locked. In addition, when the first rack teeth and the pinion teeth do not contact (engage or collide), the pinion teeth and the second rack teeth can be engaged without colliding.
[0065]
That is, (a) even if the rotation stop position of the pinion gear at the time of the vehicle collision is indefinite, the teeth of the rack gear and the pinion gear can be reliably meshed at the time of the vehicle collision. (b) The driving force can be efficiently transmitted from the rack gear to the pinion gear. (c) Without making the gas generator unnecessarily large, the webbing set on the occupant can be reliably wound with an appropriate force to quickly and sufficiently remove the slack of the webbing. (d) The first rack teeth of the rack gear are formed lower than the other rack teeth, and the pinion gear can be displaced in the direction away from the moving surface of the rack gear. Since the function can be exhibited, it is very advantageous in terms of production cost.
[0066]
According to the seat belt pretensioner of claim 2, the housing or the case that is fixed to the housing and that accommodates the pinion gear and the rack gear forms a hole substantially concentric with the take-up shaft, and is a synthetic resin fitted into the hole. Since the shaft portion of the pinion gear is loosely fitted to the ring member made of steel, the pinion gear can be configured to be surely displaceable in a direction away from the moving surface, and the shaft portion of the pinion gear to be displaced can be configured with the ring member. Since it can receive and buffer, the displacement operation | movement of a pinion gear can be performed smoothly and reliably. Other effects similar to those of the first aspect are obtained.
[0067]
According to the seat belt pretensioner of the third aspect, a hole substantially concentric with the take-up shaft is formed in the side wall of the housing on the pinion gear side, and the take-up shaft is rotated through the deformable member fitted in the hole. Since it is supported freely, the driving force can be reliably transmitted from the rack gear to the pinion gear, and when the first rack tooth and the pinion tooth collide, the deforming member is deformed to move the pinion gear together with one end of the winding shaft. The rack gear can be reliably displaced in a direction away from the moving surface of the rack gear. Therefore, similar to the first aspect, the same effects as the above (a) to (d) are obtained.
[0068]
According to the seat belt pretensioner of the fourth aspect, the case that is fixed to the housing and that accommodates the pinion gear and the rack gear is formed with a hole that is substantially concentric with the take-up shaft, and through the deformable member fitted in the hole. Since the pinion gear is rotatably supported, the driving force can be reliably transmitted from the rack gear to the pinion gear, and when the first rack tooth collides with the pinion gear, the deforming member is deformed to move the pinion gear to the rack gear. It can be surely displaced in a direction away from the surface. Therefore, similar to the first aspect, the same effects as the above (a) to (d) are obtained.
[0069]
According to the seat belt pretensioner of the fifth aspect, since the displacement amount of the pinion gear is set slightly larger than the maximum overlap amount of the teeth of the pinion gear and the first rack teeth of the rack gear, the first rack teeth and the pinion When the teeth collide with each other, the pinion gear can be displaced to reliably release the tension between the tooth tips. Other effects similar to those of the first to fourth aspects are achieved.
[0070]
According to the seat belt pretensioner of the sixth aspect, the second rack tooth next to the first rack tooth among the plurality of rack teeth of the rack gear is formed higher than the first rack tooth and lower than the other rack teeth. Therefore, when the first rack teeth and the pinion teeth collide, the second rack teeth and the pinion teeth can be reliably meshed without colliding. Other effects similar to those of the first to fifth aspects are achieved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an exploded perspective view of a webbing take-up device according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a longitudinal sectional view of an essential part of the seat belt retractor.
3 is a cross-sectional view taken along line III-III in FIG.
4 is a cross-sectional view taken along line IV-IV in FIG.
FIG. 5 is a longitudinal sectional view of a main part of the seat belt retractor.
FIG. 6 is an exploded perspective view including a seat belt pretensioner.
FIG. 7 is a partially cutaway left side view including a seat belt pretensioner.
8 is a cross-sectional view taken along line VIII-VIII in FIG.
9 is a view taken along arrow IV in FIG.
10 is a view taken in the direction of arrow V in FIG.
FIG. 11 is a side view of a pinion gear and a rack gear (initial position).
FIG. 12 is a side view of a pinion gear and a rack gear (tooth tip collision state).
FIG. 13 is a side view of a pinion gear and a rack gear (meshing state).
FIG. 14 is a side view of a pinion gear and a rack gear (initial position).
15 is a view corresponding to FIG. 11 including a deformable member according to a modified embodiment.
16 is a view corresponding to FIG. 12, including a deformable member according to a modified embodiment.
[Explanation of symbols]
W webbing
1 Seat belt retractor
2 Housing
3 Winding shaft
4 Winding drum
5 Spring spring (biasing member)
6 Emergency lock mechanism
7 Seat belt pretensioner
70 cases
74,75 holes
80 pinion gear
81 pinion teeth
85 Ring member
90 rack gear
91 rack teeth
91a, 91b first and second rack teeth
93 Rubber member (pressure receiving part)
95 Gas generator
97 Deformation member

Claims

A seat belt winding device including a winding shaft for winding a webbing for restraining an occupant, a housing that rotatably supports the winding shaft, and an urging member that elastically biases the winding shaft in the winding direction. Seat belt pretensioner
A pinion gear attached to one end of the take-up shaft, a rack gear having rack teeth that can mesh with the teeth of the pinion gear and normally positioned at an initial position separated from the pinion gear, and gas when a vehicle collides A gas generator for generating,
The gas pressure generated from the gas generator is applied to the pressure receiving portion of the rack gear so that the rack gear is moved from the initial position in the direction of meshing with the pinion gear, and the winding shaft is rotated in the winding direction. ,
At least the first rack tooth in the moving direction among the plurality of rack teeth of the rack gear is formed lower than the other rack teeth, and the pinion gear is configured to be displaceable in a direction away from the moving surface of the rack gear. Seat belt pretensioner characterized by

A hole that is substantially concentric with the take-up shaft is formed in the housing or a case that is fixed to the housing and stores the pinion gear and the rack gear, and a synthetic resin ring member is fitted into the hole, and the pinion gear is fitted into the ring member. The seat belt pretensioner according to claim 1, wherein the shaft portion is loosely fitted.

A seat belt winding device including a winding shaft for winding a webbing for restraining an occupant, a housing that rotatably supports the winding shaft, and an urging member that elastically biases the winding shaft in the winding direction. Seat belt pretensioner
A pinion gear attached to one end of the take-up shaft, a rack gear having rack teeth that can mesh with the teeth of the pinion gear and normally positioned at an initial position separated from the pinion gear, and gas when a vehicle collides A gas generator for generating,
The gas pressure generated from the gas generator is applied to the pressure receiving portion of the rack gear so that the rack gear is moved from the initial position in the direction of meshing with the pinion gear, and the winding shaft is rotated in the winding direction. ,
A first rack tooth at least at the beginning of the movement direction among the plurality of rack teeth of the rack gear is formed lower than the other rack teeth, and a hole substantially concentric with the winding shaft is formed on the side wall of the housing on the pinion gear side. And a deformation member that is fitted in the hole and rotatably supports the winding shaft is provided, and the deformation member is deformed so that the pinion gear can be displaced in a direction away from the moving surface of the rack gear. A featured seat belt pretensioner.

A seat belt winding device including a winding shaft for winding a webbing for restraining an occupant, a housing that rotatably supports the winding shaft, and an urging member that elastically biases the winding shaft in the winding direction. Seat belt pretensioner
A pinion gear attached to one end of the take-up shaft, a rack gear having rack teeth meshable with the teeth of the pinion gear and normally positioned at an initial position separated from the pinion gear, and a pinion gear fixed to the housing And a case for storing the rack gear, and a gas generator for generating gas when the vehicle collides,
The gas pressure generated from the gas generator is applied to the pressure receiving portion of the rack gear so that the rack gear is moved from the initial position in the direction of meshing with the pinion gear, and the winding shaft is rotated in the winding direction. ,
At least the first rack tooth in the moving direction among the plurality of rack teeth of the rack gear is formed lower than the other rack teeth, and a hole substantially concentric with the winding shaft is formed in the case. A seat belt pretensioner comprising a deformable member that is fitted in the pinion gear and rotatably supports the pinion gear, and the deformable member is deformed so that the pinion gear can be displaced in a direction away from the moving surface of the rack gear. .

The displacement amount of the pinion gear is set to be slightly larger than the maximum overlap amount of the teeth of the pinion gear and the first rack teeth of the rack gear, according to any one of claims 1 to 4. Seat belt pretensioner.

The second rack tooth next to the first rack tooth among the plurality of rack teeth of the rack gear is formed to be higher than the first rack tooth and lower than the other rack teeth. A seat belt pretensioner according to any one of the preceding claims.