JP3884590B2 - フォークリフトの荷役制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォークリフトの荷役制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車体の前部にオペレータの操作により昇降する作業機を有していて荷の上げ下げと運搬ができるフォークリフトにおいては、作業機を昇降操作するリフトレバーとチルト操作するチルトレバーが運転席の前方の前面パネルの所定位置に配設されている。オペレータは運転席に座るか、又は、立った状態(リーチフォークリフトの場合)でこれらの作業機操作レバーを操作する。
ところで、フォークの下降時を例にすると、荷を積載したフォークを下降させようとしてリフトレバーを操作しているとき、例えばリフトレバーの急操作という外乱があるとフォークの動きが急加減速され車体が揺れる。このような場合、オペレータも揺れるので、オペレータは揺れを小さくするために、リフトレバーの操作量を振動させないように一定に保持しようと試みている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のフォークリフトには次のような問題点がある。車体の揺れによりオペレータがリフトレバーの操作を一定に保持しようとしても、リフトレバーも協調して揺れてしまい、オペレータが介在する車体全体を含めた持続振動となる。一旦持続振動が発生すると、迅速に抑制することは困難である。またオペレータがリフトレバーから手を放して揺れが停止するまで待つこともあるが、この間作業を中断しなければならないので所定の荷役操作性と作業効率を発揮できないという問題がある。
【0004】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、外乱に起因する車体の揺れと、この揺れにも拘らず作業機操作量を一定しようとする作業機操作レバーの操作とが協調して発生する車体の持続振動を抑制できる産業車両の荷役制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、第1の発明に記載の発明は、車体の所定位置に設けた作業機と、前記作業機を駆動する作業機アクチュエータと、前記作業機アクチュエータを制御する制御弁と、作業機操作レバーの操作に応じて生成されるレバー指令信号を入力し、前記制御弁に制御弁指令値を出力するコントローラとを備えたフォークリフトの荷役制御装置において、
リフト油圧がリフト保持圧より小さい値より増加に転じリフト保持圧を横切ってからピークをもった後再びリフト保持圧に戻ってくるまでのリフト油圧持続時間を検出する検出手段を備え、
前記コントローラは、前記検出手段で検出されるリフト油圧持続時間を入力し、前記検出したリフト油圧持続時間が所定のリフト油圧持続判定時間より長い場合、前記作業機操作レバーが急操作されたことによって、レバー指令値が継続して振動する持続振動が起きたと判断し、
さらに前記コントローラは、持続振動が起きたと判断した場合には、前記制御弁に対して、レバー指令値に応じた制御弁指令値の代わりに、再びリフト保持圧に戻ってきた時点での制御弁指令値に基づいて設定した一定の制御弁指令値、リフトレバーと制御弁との間に設けたローパスフィルターによりリフトレバー操作量をフィルタリングして求めた制御弁指令値、レバー指令値と制御弁指令値が交叉したときにレバー指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配でレバー指令値に近づけ、レバー指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配でレバー指令値に近づけた制御弁指令値のいずれか1つを出力するようにしたこと
を特徴とする。
【0006】
第1発明に記載の発明によると、リフト油圧持続時間を検出する振動検出手段により車体又はレバー指令値が振動していることを検出し、振動発生を検出した後は、振動抑制手段により、持続振動しようとするレバー指令値を直接制御弁指令値とはせず、振動を抑制する制御弁指令値を演算して制御弁へ指令する。したがってフォークの動きがレバー指令値に影響されなくなる。これにより持続振動は迅速に抑制できる。
【0007】
第2発明に記載の発明は、車体の所定位置に設けた作業機と、前記作業機を駆動する作業機アクチュエータと、前記作業機アクチュエータを制御する制御弁と、作業機操作レバーの操作に応じて生成されるレバー指令信号を入力し、前記制御弁に制御弁指令値を出力するコントローラとを備えたフォークリフトの荷役制御装置において、
リフト保持圧を中心にして振動しているリフト油圧の複数のピーク間隔から求めたリフト油圧周波数を検出する検出手段を備え、
前記コントローラは、前記検出手段で検出されるリフト油圧周波数を入力し、前記検出したリフト油圧周波数と所定のリフト油圧周波数との差の絶対値が所定の周波数より小さい場合、前記作業機操作レバーが急操作されたことによって、レバー指令値が継続して振動する持続振動が起きたと判断し、
さらに前記コントローラは、持続振動が起きたと判断した場合には、前記制御弁に対して、レバー指令値に応じた制御弁指令値の代わりに、再びリフト保持圧に戻ってきた時点での制御弁指令値に基づいて設定した一定の制御弁指令値、リフトレバーと制御弁との間に設けたローパスフィルターによりリフトレバー操作量をフィルタリングして求めた制御弁指令値、レバー指令値と制御弁指令値が交叉したときにレバー指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配でレバー指令値に近づけ、レバー指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配でレバー指令値に近づけた制御弁指令値のいずれか1つを出力するようにしたこと
を特徴とする
【0008】
第2記載の発明によると、リフト油圧周波数を検出する振動検出手段により車体又はレバー指令値が振動していることを検出し、振動発生を検出した後は、振動抑制手段により、持続振動しようとするレバー指令値を直接制御弁指令値とはせず、振動を抑制する制御弁指令値を演算して制御弁へ指令する。したがってフォークの動きがレバー指令値に影響されなくなる。これにより持続振動は迅速に抑制できる。
【0009】
第3発明に記載の発明は、車体の所定位置に設けた作業機と、前記作業機を駆動する作業機アクチュエータと、前記作業機アクチュエータを制御する制御弁と、作業機操作レバーの操作に応じて生成されるレバー指令信号を入力し、前記制御弁に制御弁指令値を出力するコントローラとを備えたフォークリフトの荷役制御装置において、
リフト油圧とリフト保持圧との差の絶対値で定義されるリフト油圧絶対値を検出する検出手段を備え、
前記コントローラは、前記検出手段で検出されるリフト油圧絶対値を入力し、前記検出したリフト油圧絶対値が所定の絶対リフト油圧閾値より大きい場合、前記作業機操作レバーが急操作されたことによって、レバー指令値が継続して振動する持続振動が起きたと判断し、
さらに前記コントローラは、持続振動が起きたと判断した場合には、前記制御弁に対して、レバー指令値に応じた制御弁指令値の代わりに、再びリフト保持圧に戻ってきた時点での制御弁指令値に基づいて設定した一定の制御弁指令値、リフトレバーと制御弁との間に設けたローパスフィルターによりリフトレバー操作量をフィルタリングして求めた制御弁指令値、レバー指令値と制御弁指令値が交叉したときにレバー指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配でレバー指令値に近づけ、レバー指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配でレバー指令値に近づけた制御弁指令値のいずれか1つを出力するようにしたこと
を特徴とする。
【0010】
第3発明の記載の発明によると、リフト油圧絶対値を検出する振動検出手段により車体又はレバー指令値が振動していることを検出し、振動発生を検出した後は、振動抑制手段により、持続振動しようとするレバー指令値を直接制御弁指令値とはせず、振動を抑制する制御弁指令値を演算して制御弁へ指令する。したがってフォークの動きがレバー指令値に影響されなくなる。これにより持続振動は迅速に抑制できる。
【0011】
第4発明に記載の発明は、車体の所定位置に設けた作業機と、前記作業機を駆動する作業機アクチュエータと、前記作業機アクチュエータを制御する制御弁と、作業機操作レバーの操作に応じて生成されるレバー指令信号を入力し、前記制御弁に制御弁指令値を出力するコントローラとを備えたフォークリフトの荷役制御装置において、
リフト油圧の最大値と最小値の差で定義されるリフト油圧振幅を検出する検出手段を備え、
前記コントローラは、前記検出手段で検出されるリフト油圧振幅を入力し、前記検出したリフト油圧振幅最大値が所定のリフト油圧振幅閾値より大きい場合、前記作業機操作レバーが急操作されたことによって、レバー指令値が継続して振動する持続振動が起きたと判断し、
さらに前記コントローラは、持続振動が起きたと判断した場合には、前記制御弁に対して、レバー指令値に応じた制御弁指令値の代わりに、再びリフト保持圧に戻ってきた時点での制御弁指令値に基づいて設定した一定の制御弁指令値、リフトレバーと制御弁との間に設けたローパスフィルターによりリフトレバー操作量をフィルタリングして求めた制御弁指令値、レバー指令値と制御弁指令値が交叉したときにレバー指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配でレバー指令値に近づけ、レバー指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配でレバー指令値に近づけた制御弁指令値のいずれか1つを出力するようにしたこと
を特徴とする
【0012】
第4発明に記載の発明によると、リフト油圧振幅を検出する振動検出手段により車体又はレバー指令値が振動していることを検出し、振動発生を検出した後は、振動抑制手段により、持続振動しようとするレバー指令値を直接制御弁指令値とはせず、振動を抑制する制御弁指令値を演算して制御弁へ指令する。したがってフォークの動きがレバー指令値に影響されなくなる。これにより持続振動は迅速に抑制できる。
【0013】
第5発明に記載の発明は、車体の所定位置に設けた作業機と、前記作業機を駆動する作業機アクチュエータと、前記作業機アクチュエータを制御する制御弁と、作業機操作レバーの操作に応じて生成されるレバー指令信号を入力し、前記制御弁に制御弁指令値を出力するコントローラとを備えたフォークリフトの荷役制御装置において、
加速度計により車体のピッチング揺動から計測した車体揺動加速度を検出する検出手段を備え、
前記コントローラは、前記検出手段で検出される車体揺動加速度を入力し、前記検出した車体揺動加速度が積載荷重に対応した加速度閾値より大きい場合、前記作業機操作レバーが急操作されたことによって、レバー指令値が継続して振動する持続振動が起きたと判断し、
さらに前記コントローラは、持続振動が起きたと判断した場合には、前記制御弁に対して、レバー指令値に応じた制御弁指令値の代わりに、再びリフト保持圧に戻ってきた時点での制御弁指令値に基づいて設定した一定の制御弁指令値、リフトレバーと制御弁との間に設けたローパスフィルターによりリフトレバー操作量をフィルタリングして求めた制御弁指令値、レバー指令値と制御弁指令値が交叉したときにレバー指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配でレバー指令値に近づけ、レバー指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配でレバー指令値に近づけた制御弁指令値のいずれか1つを出力するようにしたこと
を特徴とする。
【0014】
第5発明に記載の発明によると、車体揺動加速度を検出する振動検出手段により車体又はレバー指令値が振動していることを検出し、振動発生を検出した後は、振動抑制手段により、持続振動しようとするレバー指令値を直接制御弁指令値とはせず、振動を抑制する制御弁指令値を演算して制御弁へ指令する。したがってフォークの動きがレバー指令値に影響されなくなる。これにより持続振動は迅速に抑制できる。
【0015】
第6発明に記載の発明は、フォークリフトのアタッチメントとして車体の所定位置に設けた回転クランプと、前記回転クランプを駆動する回転用油圧モータ、前記回転用油圧モータを制御する制御弁と、作業機操作レバーの操作に応じて生成されるレバー指令信号を入力し、前記制御弁に制御弁指令値を出力するコントローラとを備えたフォークリフトの荷役制御装置において、
車体が揺動するに伴い前記回転用油圧モータに生じる油圧の振動から求めたモータ油圧振幅又はモータ油圧周波数を検出する検出手段を備え、
前記コントローラは、前記検出手段で検出される前記回転油圧モータのモータ油圧振幅又はモータ油圧周波数を入力し、前記検出したモータ油圧振幅又はモータ油圧周波数が所定のモータ油圧振幅又は所定のモータ油圧周波数より大きい場合、前記作業機操作レバーが急操作されたことによって、レバー指令値が継続して振動する持続振動が起きたと判断し、
さらに前記コントローラは、持続振動が起きたと判断した場合には、前記制御弁に対して、レバー指令値に応じた制御弁指令値の代わりに、再びリフト保持圧に戻ってきた時点での制御弁指令値に基づいて設定した一定の制御弁指令値、リフトレバーと制御弁との間に設けたローパスフィルターによりリフトレバー操作量をフィルタリングして求めた制御弁指令値、レバー指令値と制御弁指令値が交叉したときにレバー指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配でレバー指令値に近づけ、レバー指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配でレバー指令値に近づけた制御弁指令値のいずれか1つを出力するようにしたこと
を特徴とする。
【0016】
第6発明に記載の発明によると、モータ油圧振幅又はモータ油圧周波数を検出する振動検出手段により車体又はレバー指令値が振動していることを検出し、振動発生を検出した後は、振動抑制手段により、持続振動しようとするレバー指令値を直接制御弁指令値とはせず、振動を抑制する制御弁指令値を演算して制御弁へ指令する。したがって回転クランプの動きがレバー指令値に影響されなくなる。これにより持続振動は迅速に抑制できる。
第7発明に記載の発明は、第1発明乃至第6発明のいずれかの発明において、前記コントローラは、振動発生を検出した後、リフトレバー操作量が所定の閾値を越えたときは、制御弁指令値を滑らかにレバー指令値に近づけるように演算して前記制御弁に出力する解除手段を備えることを特徴とする。
第7発明に記載の発明によると、振動発生と判断した直後からレバー操作量が所定の閾値を越えたらオペレータによる操作割り込みがあったと判断して、制御弁指令値をレバー指令値に滑らかに近づける。これにより、オペレータの意思が制御弁制御に反映されるので操作感覚に合った解除手段が得られる。
第8発明に記載の発明は、第1発明乃至第6発明のいずれかの発明において、振動抑制手段による抑制制御が所定時間経過した後、制御弁指令値を滑らか煮レバー指令値に近づくように演算して制御弁に出力する解除手段を備えることを特徴とする。
第8発明に記載の発明によると、抑制制御が所定時間経過した後、制御弁指令値を滑らかにレバー指令値に近づくように演算し制御弁へ出力し、一致後はレバー指令値を制御弁指令値として出力する。これにより、所定時間の抑制制御が完了後、スムーズに通常操作に戻ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
まず、フォークの下降時を例とした第1実施形態を説明する。
図1にハード構成を示す。
フォークリフト10の車体11の前部に装着されたマスト11aにフォーク12が昇降自在に設けられており、フォーク12はマスト11aに取着されたリフトシリンダ13により昇降するようになっている。リフトシリンダ13のボトム室と油圧ポンプ14及び油圧タンク15との間には、リフトシリンダ13を制御する電磁比例制御弁(以下、電磁弁16と呼ぶ)を介して油圧配管がなされており、リフトシリンダ13のヘッド室と油圧タンク15は直接油圧配管されている。電磁弁16への操作指令を与えるリフトレバー17が運転席の前面パネル(図示せず)に設けられている。
【0018】
信号検出器として、フォーク12の積載荷重の大きさ及び車体振動に起因する動的負荷を示すリフト油圧Pを検出するリフト油圧検出器18が電磁弁16に取着されている。また、リフトレバー17にはリフトレバー操作量Levを検出するリフトレバー操作量検出器19が取着されている。
【0019】
コントローラ20にはリフト油圧検出器18とリフトレバー操作量検出器19からの検出信号が入力回路(図示せず)を介して入力されて、コントローラ20からは出力駆動部(図示せず)を介して電磁弁16を制御する電磁弁指令値Sdが出力されている。なお、コントローラ20は、フォーク12の積載荷重により車体持続振動を抑制する制御を適用するか否かを判断する制御適用判断手段と、リフト油圧Pに基づいて車体持続振動の原因となる外乱が発生したか否かを検出する振動検出手段と、外乱により起きた車体持続振動を抑制する振動抑制手段と、所定条件のとき振動抑制手段による制御を解除して通常の操作に戻る解除手段とから構成されている。
【0020】
図2にコントローラ20のフローチャートを示し、図3にリフトレバー操作量Lev、リフトレバー操作量Levに対応した電磁弁16へのリフトレバー指令値Sr(以下、レバー指令値Srと呼ぶ)、電磁弁指令値Sd、リフト油圧Pの時間的変化を示す。これらの図によりフォーク12が積載荷重をもっているときの下降時を例にとって処理動作を説明する。以下の説明では、各処理のステップ番号にSを付して表す。
まず、図2に示す制御適用判断手段21において、フォーク12の積載荷重に対応する静的な油圧をリフト保持圧Pkとし、このリフト保持圧Pkが積載荷重の大きさを判断する所定の積載荷重判断油圧Pwよりも大きいか否か判断(S21)する。小さいときはレバー指令値Srをそのまま電磁弁指令値Sdとし、通常の動作をする(S22)。積載荷重判断油圧Pwより大きいときは、振動を検出する振動検出手段22に進む。
【0021】
次に振動検出手段22での振動検出方法を説明する。図3の時間(以下、tと表す)がゼロ以前に示すようにリフトレバー操作量Levがゼロのとき、リフト油圧Pはフォーク12への積載荷重に応じたリフト保持圧Pkをもっている。リフトレバー17をフォーク12の下げ方向に操作すると点線で示しているレバー指令値Srが実線で示している電磁弁指令値Sdとして出力され、弁が開いてリフトシリンダ13のボトム室から油が排出される。このとき、リフト油圧Pはリフト保持圧Pkより小さくなる。その後、リフトレバー操作量Levを外乱が発生する程度の加速度でもって急に小さくすると、電磁弁16のリフトシリンダ13のボトム室から油圧タンクに通じる通路面積は急に閉じられ、リフトシリンダ13の伸縮が急減速され、油圧の揺れ戻しが生じて、リフト油圧Pは保持圧Pkよりも小さい値からリフト保持圧Pkよりも大きくなり、あるピークをもった後、またリフト保持圧Pkに戻ってくる。
図2の振動検出手段22のフローチャートによると、リフト油圧Pがリフト保持圧Pkより小さい値より増加に転じリフト保持圧Pkを横切ってからピークをもった後再びリフト保持圧Pkに戻ってくるまでのリフト油圧持続時間tpが所定のリフト油圧持続判定時間tpsより長いならば車体持続振動が起きるに充分大きい外乱があると判断し(S23)、次の振動抑制手段23に処理が進む。リフト油圧Pがリフト保持圧Pkより大きいときでもノイズによる誤検出を防止するためにリフト油圧持続判定時間tpsという時間的条件を加えて振動発生を判断している。リフト油圧Pがリフト保持圧Pkより大きいにも拘わらずリフト油圧持続時間tpsがリフト油圧所定持続時間より短いならば、ノイズによる誤検出と判断しレバー指令値Srを電磁弁指令値Sdとし(S25)通常の操作をする。リフト油圧Pがリフト保持圧Pkより小さいときは外乱は小さいと判断し、レバー指令値Srを電磁弁指令値Sdとし通常の操作をする。
【0022】
振動抑制手段23では、リフト油圧Pがピークをもった後再びリフト保持圧Pkに戻ってきた時点からの電磁弁指令値Sdをリフト保持圧Pkに戻ってきた時点での電磁弁指令値Sdに基づいて新しく設定する。即ち、リフト保持圧Pkに戻ってきた制御開始時刻Tsにおける電磁弁指令値Sdを電磁弁指令記憶値Smとして記憶し、制御開始時刻Tsから所定の制御持続設定時間DTの間、電磁弁指令値Sdは電磁弁指令記憶値Smと等しい値とする(S26)。なお、時刻はtがゼロから計測した時間と定義する。
解除手段24では、制御中又は所定の制御持続設定時間DTの後の制御解除方法を設定する。リフトレバー操作量Levがゼロの場合を操作量ゼロ%とし、リフトレバー操作量Levの下げ方向の最大値を100%とした場合、例えば5%を最小閾値Liと設定し、95%を最大閾値Laと設定する。また、制御開始時刻Tsにおけるリフトレバー操作量Levを中心にして、制御開始時刻Tsからリフトレバー操作量の大小を判定する閾値の大きさが変更する時刻の広狭閾値変更時刻Twsまでは、リフトレバー操作量Levからの幅が広い広閾値dLwを設定し、その後、抑制制御開始時刻Tsから所定の制御持続設定時間DT経過した抑制制御終了時刻Teまでは、リフトレバー操作量Levからの幅が狭い狭閾値dLsを設定する。
【0023】
まず、時間tが抑制制御終了時刻Teの前か否かを判断し(S27)、前であれば、オペレータによる操作があるか否かを判断する。
リフトレバー操作量Levが最小閾値Liと最大閾値Laとの間にありかつ制御開始時刻Tsにおけるリフトレバー操作量Levを基点としたリフトレバー追加操作量絶対値dLevが広閾値dLw又は狭閾値dLsよりも大きいときは、オペレータが小さくリフトレバー17を操作した操作割り込みがあると判断する(S28〜S31)。
リフトレバー追加操作量絶対値dLevが狭閾値dLsを越えその後、リフトレバー操作量Levの絶対値が最小閾値Liと最大閾値Laとの間にあるときのリフトレバー操作量Lev、レバー指令値Sr、電磁弁指令値Sd、リフト油圧Pの時間的変化を図3の操作割り込み時刻To以降で示している。この場合は電磁弁指令値Sdを電磁弁指令記憶値Smからレバー指令値Srに一致させる方向に、操作割り込み点Z1のレバー指令値勾配mrで近づける(S33)。一致後の電磁弁指令値Sdはレバー指令値Srをとる。
追加操作量絶対値dLevが広閾値dLw又は狭閾値dLsよりも小さいときは、オペレータのリフトレバー操作量Levは微小で、操作割り込みはないと判断し、電磁弁指令値Sdは電磁弁指令記憶値Smを保つ(S32)。
【0024】
次に、リフトレバー操作量Levが最小閾値Liより小さいとき又は最大閾値Laより大きいときは、オペレータが大きくリフトレバー17を操作した操作割り込みがあると判断する(S28〜S29)。この場合は図4に示すように、リフトレバー操作量Levがまず操作割り込み点Z2で広閾値dLwを越え、越えた後、レバー指令値勾配mrで電磁弁指令値Sdを電磁弁指令記憶値Smからレバー指令値Srに一致させる方向に近づける。次に操作割り込み点Z3で最小閾値Liを越えた後は、電磁弁指令値Sdをレバー指令値Srに一致させる方向に所定の大割り込み勾配Mwで近づける(S34)。一致後の電磁弁指令値Sdはレバー指令値Srをとる。
【0025】
また、時刻が抑制制御終了時刻Teの以降であれば、図5に示すように電磁弁指令値Sdを電磁弁指令記憶値Smからレバー指令値Srに一致させる方向に所定の終了時刻後勾配Meで近づける(S35)。一致後の電磁弁指令値Sdはレバー指令値Srをとる。
【0026】
本実施形態によると、リフト油圧が所定の油圧より大きい状態で所定の時間より長く持続すれば、車体持続振動の原因となる外乱が発生したと判断する。振動発生と判断後の電磁弁指令値は判断直前の値をそのまま一定に保持し、フォークの動きが振動するレバー指令値に影響されないので車体振動が持続することなく迅速に抑制される。
【0027】
振動発生と判断した直後から所定の時間が経過するまではリフトレバー操作量の振れ幅は大きいので幅の広い閾値dLwを設定し、リフトレバー操作量がこの閾値dLwを越えたらオペレータによる操作割り込みがあったと判断して、電磁弁指令値をリフトレバー操作量に対応したレバー指令値に近づける。振動発生と判断してから広狭閾値変更時刻Tws以降はリフトレバー操作量の振れ幅が小さくなっているので幅の狭い閾値dLsに変更して同様に操作割り込みの有無を判断する。
【0028】
また、リフトレバー操作量がゼロ又は最大に近い値まで操作されて最小閾値Li又は最大閾値Laを越える場合には、オペレータが緊急のためリフトレバーを大きく操作したと判断し、所定の勾配Mwで電磁弁指令値をレバー指令値に近づけ、一致後はレバー指令値を電磁弁指令値として出力する。
これらにより抑制制御が続く所定時間の間においても所定の閾値を越えるレバー操作があった場合にはオペレータの意志が電磁弁制御に反映されるので操作感覚に合った荷役制御装置が得られる。
【0029】
このように、所定時間の抑制制御が完了時点の電磁弁指令値を初期値としてレバー指令値に近づけるように連続的かつ滑らかな電磁弁指令値を演算し電磁弁へ出力し、一致後はレバー指令値を電磁弁指令値として出力するようにしたので所定時間の抑制制御が完了後、スムーズに通常操作に戻ることができる。
【0030】
次に、以上説明した本実施形態の振動検出手段22、振動抑制手段23、解除手段24の他の例を説明する。
まず、振動検出手段22の他の例として、リフト油圧周波数計測による方法、リフト油圧絶対値計測による方法、リフト油圧振幅計測による方法、車体揺動計測による方法を説明する。
第1例のリフト油圧の周波数計測による振動検出方法を以下に説明する。
図6に示すように、リフト保持圧Pkを中心にして振動しているリフト油圧Pが所定の周波数計測用閾値Ppより大きいときに、リフト油圧Pの1番目ピーク時刻t1、2番目ピーク時刻t2、3番目ピーク時刻t3等を計測し、1番目と2番目のピーク間の時間T12、2番目と3番目のピーク間の時間T23等を計算する。これらピーク間隔の時間T12,T23等よりT12、T23等の逆数を平均化することにより振動するリフト油圧周波数Fqをもとめ、このリフト油圧周波数Fqと予め計測しておいた代表的車体持続振動周波数Fmとの差の絶対値が所定の周波数閾値Dfよりも小さければ、車体持続振動が発生していると判断する。また、車体特性と油圧特性により代表的車体持続振動周波数Fmを偶数で割った周波数も車体持続振動として現れることがある。このため、図7に示すように、リフト油圧周波数Fqと代表的車体持続振動周波数Fmの差の絶対値を比較した(S71)後、リフト油圧周波数Fqと代表的車体持続振動周波数Fmの二分の一との差の絶対値及び四分の一との差の絶対値を比較し(S72〜S73)、それぞれの差が所定の周波数閾値Dfより小さいときは車体持続振動が発生していると判断し(S74)、大きいときは発生していないと判断する(S75)。またリフト油圧Pが所定の周波数計測用閾値Ppより大きいときに、リフト油圧Pの第1ボトムB1と第2ボトムB2の間の時間等により周波数Fqを求めてもよいし、リフト油圧Pがリフト保持圧Pkを正の傾きで交叉する第1交叉点C1と第2交叉点C2の間の時間、第2交叉点C2と第3交叉点C3の間の時間等により周波数Fqを求めてもよい。
なお、リフト油圧Pの振幅が所定の設定値より大きいときに周波数Fqを求めてもよい。
【0031】
第2例のリフト油圧Pの絶対値により振動を検出する方法を図8により説明する。
リフト油圧Pとリフト保持圧Pkとの差の絶対値が予め実車テストで車体持続振動が発生すると確認されている絶対リフト油圧閾値Pqより大きくなったときに、振動が発生したと判断する。誤判断を避けるため、任意の時刻から始まる絶対リフト油圧サンプリング時間Tjの間に絶対リフト油圧閾値Pqより大きくなった回数が判定用回数Nj以上のときは振動が発生したと判断する。
【0032】
第3例のリフト油圧Pの振幅により振動を検出する方法を図9により説明する。
任意の時刻から始まるリフト油圧振幅サンプリング時間Taの間のリフト油圧Pの最大値と最小値を常に検出しておき、この最大値と最小値の差のリフト油圧振幅最大値Haがリフト油圧振幅閾値Hj以上であれば、振動が発生したと判断する。なお、リフト油圧振幅サンプリング時間Taとリフト油圧振幅閾値Hjは予め実車テストで振動発生が確認されている値とする。
【0033】
第4例の車体揺動計測による振動検出方法を以下に説明する。
車体前部(好ましくはマスト11aの近傍又は座席近傍)に上下方向又は前後方向の加速度を計測する加速度計を設けて、車体のピッチング揺動を計測する。本発明者らは加速度計によるデータはリフト油圧データと略同位相であることを実車テストにより確認しており、ゼロを中心に振動するデータであるので図6で説明した周波数計測による判断方法、図8で説明した絶対値計測による判断方法、又は図9で説明した振幅計測による判断方法を適用して振動発生の有無を検出する。
加速度データによれば、積載荷重の大きさに対応した振幅の加速度が精度よく計測される。振動発生の検出方法として図8で説明した絶対値による判断方法又は図9で説明した振幅計測による判断方法を適用する場合、加速度閾値として抑制制御を適用したい積載荷重に対応した値を設定することで、振動発生検出が可能となる。これによりリフト油圧Pを利用する場合の、積載荷重の大小により制御を適用するか否かを判断する制御適用判断手段21は必要としなくなる。なお、加速度による振動発生を検出する方法によるときの振動抑制手段と解除手段はリフト油圧Pを利用して振動発生を検出するときと同一のものを適用する。
【0034】
次に、振動抑制手段23の他の例として、レバー指令値をフィルタリングして滑らかな電磁弁指令値を得る方法と、電磁弁指令値を微小勾配でレバー指令値へ近づける方法とを説明する。さらに、レバー指令値とは異なる値へ電磁弁指令値を近づける方法を説明する。
第1例のローパスフィルタにより電磁弁指令値Sdを滑らかにする方法を図10により説明する。
通常操作時は、レバー操作量Levを入力としレバー指令値を演算するレバー指令値演算部91でレバー指令値Srが演算され、電磁弁指令値Sdとして電磁弁16に指令される。ローパスフィルターはレバー指令値演算部91の前の場所F1、又は後の場所F2のいずれかに挿入してもよく、これにより滑らかな電磁弁指令値Sdを得る。
【0035】
また、第2例の電磁弁指令値Sdを微小勾配でレバー指令値Srへ近づける方法を図11により説明する。
レバー指令値Srを点線で、電磁弁指令値Sdを実線で示す。抑制制御開始時刻Ts以前は通常操作であるため、レバー指令値Srが電磁弁指令値Sdとして出力されている。抑制制御開始時刻Tsの抑制制御開始点Ysにおいてレバー指令値Srが減少方向であれば、微小勾配絶対値Msを負に設定して電磁弁指令値Sdをレバー指令値Srに近づけるように変化させる。電磁弁指令値Sdとレバー指令値Srとの第1交点Y1にて、レバー指令値Srが増加方向であれば、微小勾配絶対値Msを正に設定して、電磁弁指令値Sdをレバー指令値Srに近づけるように変化させる。その後、この動作を繰り返して電磁弁指令値Sdがレバー指令値Srに少しずつ近づいてゆく。
【0036】
第3例として、電磁弁指令値Sdがレバー指令値Srとは異なる値を目標として近づく方法を説明する。
図12にリフト油圧P、レバー指令値Srを点線で、電磁弁指令値Sdを実線で、振動発生の判断時点以前のレバー指令値に基づく目標値を二点鎖線で示す。振動検出を判断した時刻Tsの直前のリフト油圧Pのピークをもつ時刻Tp1とTp2のときのレバー指令値Sr1とSr2の平均値Sraを電磁弁指令値Sdを近づける目標値と設定する。電磁弁指令値Sdとして、ローパスフィルタにより滑らかに近づける場合の曲線Cfまたは微小勾配により徐々に近づける場合の曲線Ckのどちらでもよい。この方法によると、目標値Sraがオペレータの一定に保とうとするレバー操作量に近い位置に選択されるので、振動抑制制御しているにも拘らずオペレータが自分で操作しているという操作感覚が得られる。
【0037】
次に、抑制制御終了時刻Te以降の解除手段24の他の例を説明する。
図13(a)に示すように、抑制制御終了時刻Teのときの電磁弁入力記憶値Smを初期値としレバー指令値Srを目標値としてローパスフィルタを介して滑らかにフィルタリングした値を電磁弁指令値Sdとして使用する。これにより、ショックなくレバー指令値Srに移行させる。また図13(b)においては、レバー指令値Srが一定のときは、微小接近勾配Mbで電磁弁指令値をレバー指令値に近づけ、レバー指令値が変化しているときは、このときのレバー指令値勾配mrで電磁弁指令値Sdをレバー指令値Srに近づける。
なお、レバー指令値Srの指令値の最大値を100%としたとき、レバー指令値Srの指令値が例えば5%という小さい値又は、例えば95%という大きい値のときには、オペレータのレバー操作が緊急であるため、ローパスフィルタの特性をより高速化し、接近勾配の大きさをより大きくして、短い時間で電磁弁指令値Sdをレバー指令値Srに近づけてもよい。
【0038】
なお、本実施形態で説明したリフト油圧検出器18の取着場所、リフト油圧Pの比較値、制御持続設定時間DT、振動検出手段で利用する振動データの他の例を次に説明する。
本実施形態ではリフト油圧検出器18の位置を電磁弁16に取着するとしているが、リフトシリンダ13のボトム室に取着してもよい。また、電磁弁16からボトム室の間であればどこに取着しても差し支えない。
本実施形態では振動検出手段におけるリフト油圧Pの大きさの判断にリフト保持圧Pkと比較しているが、リフト保持圧Pkに実車データにより求めた確実に振動発生を検出できる付加圧dPを加えた値と比較してもよい。また、作業又は積載重量によって付加圧dPをゼロと設定してもよい。
本実施形態では抑制制御は制御開始時刻Tsから制御持続設定時間DTだけ続行するとしているが、オペレータの操作割り込みで制御が解除され通常操作に戻ってゆく場合が多いので、抑制制御は完了させない、即ちDTを無限大に設定しておいても差し支えない。
本実施形態では作業機アクチュエータとしてのリフトシリンダ13の油圧又は車体の加速度信号を利用して振動発生を判断しているが、レバー指令値Sr、電磁弁指令値Sdにより振動発生を判断しても何ら差し支えない。
【0039】
フォークの上昇時を例とした第2実施形態を説明する。
なお、本実施形態のハード構成は第1実施形態と同一とする。
本実施形態ではフォーク10の上昇時のリフト油圧Pにより振動発生を判断する方法を説明する。図14にフォーク12の上昇時のリフト油圧Pを示す。リフトレバー17をフォーク12の上げ方向に操作すると電磁弁16が開いてリフトシリンダ13のボトム室へ油が供給される。このとき、リフト油圧Pはリフト保持圧Pkより大きくなる。その後、リフトレバー操作量Levを急に小さくすると、電磁弁16のリフトシリンダ13のボトム室から油圧タンクに通じる通路面積は急に閉じられ、リフトシリンダ13の伸縮が急減速され、油圧の揺れ戻しが生じて、リフト油圧Pはリフト保持圧Pkよりも大きい値のピークから減少に転じる。リフト油圧Pがリフト保持圧Pkに所定の付加圧dPを加えた値より大きくなって、ピークを持ち、再びリフト保持圧Pkに付加圧dPを加えた値まで戻ってくるまでのリフト油圧持続時間tpが所定のリフト油圧持続判定時間tpsより長いならば、車体持続振動が起きるに充分大きい外乱がノイズによる誤検出もなく発生したと判断する。振動発生と判断した後の処理は第1実施形態で説明した処理と同一であるので、ここでは説明を省く。
【0040】
次に、回転クランプの回転時を例とした第3実施形態を説明する。
図15に示すフォークリフト10の作業機としての回転クランプ51はドラム缶、タイヤ、ロール紙などのワークを把持、回転、運搬、荷下ろしするときのフォークリフト10のアタッチメントであり、フォーク12の替わりに、回転クランプ51がマスト11aに装着されている。回転クランプ51はクランプ装置51a、作業機用アクチュエータとしての回転用油圧モータ51b、クランプ支持基部51cから構成されている。回転用油圧モータ51bは軸Aを中心にエンドレスに回転する。回転用油圧モータ51bと油圧ポンプ14及び油圧タンク15との間には、回転用油圧モータ51bを制御する電磁弁57を介して油圧配管がなされており、電磁弁57への操作指令を与えるモータレバー55が運転席の前面パネル(図示せず)に設けられている。
信号検出器として、回転用油圧モータ51bには車体振動に起因する動的負荷を示すモータ油圧Pmを検出するモータ油圧検出器54が取着されている。また、モータレバー55にはモータレバー操作量Levmを検出するモータレバー操作量検出器56が取着されている。コントローラ20にはモータ油圧検出器54とモータレバー操作量検出器56からの検出信号が入力回路(図示せず)を介して入力されて、コントローラ20からは出力駆動部(図示せず)を介して電磁弁57を制御する電磁弁指令値Sdmが出力されている。
回転用油圧モータ51bのモータレバー55を急激に操作すると、把持しているワークの慣性で車体が左右上下に揺れ、回転用油圧モータ51bの油圧は振動する。回転用油圧モータ51bの油圧Pmはリフト油圧Pのような明確な保持油圧がなく、ゼロを中心とした振動であるため、振動発生の検出は第1実施形態で説明した振幅、周波数の方法による。振動発生と判断した後の処理は第1実施形態と同一であるのでここでは説明を省く。
本実施形態のときも、把持したワークの回転運動の急加減速に起因する車体振動の検出を回転用油圧モータ51bの油圧によらず、第1実施形態と同様に加速度検出器からの加速度信号又は回転クランプ51を支持しているリフトシリンダ13のリフト油圧Pによって検出してもよい。
【0041】
以上、本発明によると、始まろうとする車体振動を検出できるリフトシリンダと回転用油圧モータなどの作業機アクチュエータの油圧変動、車体上下方向の加速度変動、作業機操作レバーの操作量変動、又は電磁弁指令値変動により振動が発生したことを確実に判断し、振動発生との判断後は、持続振動しようとするレバー指令値を直接電磁弁指令値とせず、連続的かつ滑らかな電磁弁指令値を演算して電磁弁へ指令している。これにより、車体振動がレバー指令値に影響されないので車体の持続振動の発生を予防でき、また持続振動発生後は迅速に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のハード構成図である。
【図2】第1実施形態のコントローラのフローチャートである。
【図3】第1実施形態のリフトレバー操作量、レバー指令値、電磁弁指令値、リフト油圧の時間的変化を示し、振動検出方法と狭閾値を越える操作割り込みの説明図である。
【図4】第1実施形態の最小閾値を越える操作割り込みの説明図である。
【図5】第1実施形態の抑制制御終了後における電磁弁指令値の所定勾配によるレバー指令値への接近方法の説明図である。
【図6】第1実施形態のリフト油圧の周波数計測による振動検出方法の説明図である。
【図7】第1実施形態のリフト油圧の周波数計測による振動検出方法のフローチャートである。
【図8】第1実施形態のリフト油圧の絶対値計測による振動検出方法の説明図である。
【図9】第1実施形態のリフト油圧の最小最大値計測による振動検出方法の説明図である。
【図10】第1実施形態の振動抑制手段におけるリフトレバーと電磁弁間のローパスフィルタ位置の説明図である
【図11】第1実施形態の振動抑制手段における電磁弁指令値の微小勾配によるレバー指令値への追従方法の説明図である。
【図12】第1実施形態の振動抑制手段におけるレバー指令値とは異なる目標値の説明図である。
【図13】第1実施形態の抑制制御終了後の解除手段における電磁弁指令値のレバー指令値への接近方法の説明図である。
【図14】第2実施形態のフォーク上昇時のリフト油圧の説明図である。
【図15】第3実施形態の回転クランプの説明図である。
【符号の説明】
10…フォークリフト、11…車体、11a…マスト、12…フォーク、13…リフトシリンダ、16…電磁弁、17…リフトレバー、18…リフト油圧検出器、19…リフトレバー操作量検出器、20…コントローラ、21…制御適用判断手段、22…振動検出手段、23…振動抑制手段、24…解除手段、リフトレバー操作量…Lev、リフト油圧…P、リフト保持圧…Pk、電磁弁指令値…Sd、レバー指令値…Sr、狭閾値…dLs、広閾値…dLw、最小閾値…Li、最大閾値…La、広狭閾値変更時刻Tws、抑制制御開始時刻…Ts、抑制制御終了時刻…Te。

Claims (8)

  1. 車体の所定位置に設けた作業機と、前記作業機を駆動する作業機アクチュエータと、前記作業機アクチュエータを制御する制御弁と、作業機操作レバーの操作に応じて生成されるレバー指令信号を入力し、前記制御弁に制御弁指令値を出力するコントローラとを備えたフォークリフトの荷役制御装置において、
    リフト油圧がリフト保持圧より小さい値より増加に転じリフト保持圧を横切ってからピークをもった後再びリフト保持圧に戻ってくるまでのリフト油圧持続時間を検出する検出手段を備え、
    前記コントローラは、前記検出手段で検出されるリフト油圧持続時間を入力し、前記検出したリフト油圧持続時間が所定のリフト油圧持続判定時間より長い場合、前記作業機操作レバーが急操作されたことによって、レバー指令値が継続して振動する持続振動が起きたと判断し、
    さらに前記コントローラは、持続振動が起きたと判断した場合には、前記制御弁に対して、レバー指令値に応じた制御弁指令値の代わりに、再びリフト保持圧に戻ってきた時点での制御弁指令値に基づいて設定した一定の制御弁指令値、リフトレバーと制御弁との間に設けたローパスフィルターによりリフトレバー操作量をフィルタリングして求めた制御弁指令値、レバー指令値と制御弁指令値が交叉したときにレバー指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配でレバー指令値に近づけ、レバー指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配でレバー指令値に近づけた制御弁指令値のいずれか1つを出力するようにしたこと
    を特徴とするフォークリフトの荷役制御装置。
  2. 車体の所定位置に設けた作業機と、前記作業機を駆動する作業機アクチュエータと、前記作業機アクチュエータを制御する制御弁と、作業機操作レバーの操作に応じて生成されるレバー指令信号を入力し、前記制御弁に制御弁指令値を出力するコントローラとを備えたフォークリフトの荷役制御装置において、
    リフト保持圧を中心にして振動しているリフト油圧の複数のピーク間隔から求めたリフト油圧周波数を検出する検出手段を備え、
    前記コントローラは、前記検出手段で検出されるリフト油圧周波数を入力し、前記検出したリフト油圧周波数と所定のリフト油圧周波数との差の絶対値が所定の周波数より小さい場合、前記作業機操作レバーが急操作されたことによって、レバー指令値が継続して振動する持続振動が起きたと判断し、
    さらに前記コントローラは、持続振動が起きたと判断した場合には、前記制御弁に対して、レバー指令値に応じた制御弁指令値の代わりに、再びリフト保持圧に戻ってきた時点での制御弁指令値に基づいて設定した一定の制御弁指令値、リフトレバーと制御弁との間に設けたローパスフィルターによりリフトレバー操作量をフィルタリングして求めた制御弁指令値、レバー指令値と制御弁指令値が交叉したときにレバー指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配でレバー指令値に近づけ、レバー指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配でレバー指令値に近づけた制御弁指令値のいずれか1つを出力するようにしたこと
    を特徴とするフォークリフトの荷役制御装置。
  3. 車体の所定位置に設けた作業機と、前記作業機を駆動する作業機アクチュエータと、前記作業機アクチュエータを制御する制御弁と、作業機操作レバーの操作に応じて生成されるレバー指令信号を入力し、前記制御弁に制御弁指令値を出力するコントローラとを備えたフォークリフトの荷役制御装置において、
    リフト油圧とリフト保持圧との差の絶対値で定義されるリフト油圧絶対値を検出する検出手段を備え、
    前記コントローラは、前記検出手段で検出されるリフト油圧絶対値を入力し、前記検出したリフト油圧絶対値が所定の絶対リフト油圧閾値より大きい場合、前記作業機操作レバーが急操作されたことによって、レバー指令値が継続して振動する持続振動が起きたと判断し、
    さらに前記コントローラは、持続振動が起きたと判断した場合には、前記制御弁に対して、レバー指令値に応じた制御弁指令値の代わりに、再びリフト保持圧に戻ってきた時点での制御弁指令値に基づいて設定した一定の制御弁指令値、リフトレバーと制御弁との間に設けたローパスフィルターによりリフトレバー操作量をフィルタリングして求めた制御弁指令値、レバー指令値と制御弁指令値が交叉したときにレバー指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配でレバー指令値に近づけ、レバー指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配でレバー指令値に近づけた制御弁指令値のいずれか1つを出力するようにしたこと
    を特徴とするフォークリフトの荷役制御装置。
  4. 車体の所定位置に設けた作業機と、前記作業機を駆動する作業機アクチュエータと、前記作業機アクチュエータを制御する制御弁と、作業機操作レバーの操作に応じて生成されるレバー指令信号を入力し、前記制御弁に制御弁指令値を出力するコントローラとを備えたフォークリフトの荷役制御装置において、
    リフト油圧の最大値と最小値の差で定義されるリフト油圧振幅を検出する検出手段を備え、
    前記コントローラは、前記検出手段で検出されるリフト油圧振幅を入力し、前記検出したリフト油圧振幅最大値が所定のリフト油圧振幅閾値より大きい場合、前記作業機操作レバーが急操作されたことによって、レバー指令値が継続して振動する持続振動が起きたと判断し、
    さらに前記コントローラは、持続振動が起きたと判断した場合には、前記制御弁に対して、レバー指令値に応じた制御弁指令値の代わりに、再びリフト保持圧に戻ってきた時点での制御弁指令値に基づいて設定した一定の制御弁指令値、リフトレバーと制御弁との間に設けたローパスフィルターによりリフトレバー操作量をフィルタリングして求めた制御弁指令値、レバー指令値と制御弁指令値が交叉したときにレバー指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配でレバー指令値に近づけ、レバー指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配でレバー指令値に近づけた制御弁指令値のいずれか1つを出力するようにしたこと
    を特徴とするフォークリフトの荷役制御装置。
  5. 車体の所定位置に設けた作業機と、前記作業機を駆動する作業機アクチュエータと、前記作業機アクチュエータを制御する制御弁と、作業機操作レバーの操作に応じて生成されるレバー指令信号を入力し、前記制御弁に制御弁指令値を出力するコントローラとを備えたフォークリフトの荷役制御装置において、
    加速度計により車体のピッチング揺動から計測した車体揺動加速度を検出する検出手段を備え、
    前記コントローラは、前記検出手段で検出される車体揺動加速度を入力し、前記検出した車体揺動加速度が積載荷重に対応した加速度閾値より大きい場合、前記作業機操作レバーが急操作されたことによって、レバー指令値が継続して振動する持続振動が起きたと判断し、
    さらに前記コントローラは、持続振動が起きたと判断した場合には、前記制御弁に対して、レバー指令値に応じた制御弁指令値の代わりに、再びリフト保持圧に戻ってきた時点での制御弁指令値に基づいて設定した一定の制御弁指令値、リフトレバーと制御弁との間に設けたローパスフィルターによりリフトレバー操作量をフィルタリングして求めた制御弁指令値、レバー指令値と制御弁指令値が交叉したときにレバー指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配でレバー指令値に近づけ、レバー指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配でレバー指令値に近づけた制御弁指令値のいずれか1つを出力するようにしたこと
    を特徴とするフォークリフトの荷役制御装置。
  6. フォークリフトのアタッチメントとして車体の所定位置に設けた回転クランプと、前記回転クランプを駆動する回転用油圧モータ、前記回転用油圧モータを制御する制御弁と、作業機操作レバーの操作に応じて生成されるレバー指令信号を入力し、前記制御弁に制御弁指令値を出力するコントローラとを備えたフォークリフトの荷役制御装置において、
    車体が揺動するに伴い前記回転用油圧モータに生じる油圧の振動から求めたモータ油圧振幅又はモータ油圧周波数を検出する検出手段を備え、
    前記コントローラは、前記検出手段で検出される前記回転油圧モータのモータ油圧振幅又はモータ油圧周波数を入力し、前記検出したモータ油圧振幅又はモータ油圧周波数が所定のモータ油圧振幅又は所定のモータ油圧周波数より大きい場合、前記作業機操作レバーが急操作されたことによって、レバー指令値が継続して振動する持続振動が起きたと判断し、
    さらに前記コントローラは、持続振動が起きたと判断した場合には、前記制御弁に対して、レバー指令値に応じた制御弁指令値の代わりに、再びリフト保持圧に戻ってきた時点での制御弁指令値に基づいて設定した一定の制御弁指令値、リフトレバーと制御弁との間に設けたローパスフィルターによりリフトレバー操作量をフィルタリングして求めた制御弁指令値、レバー指令値と制御弁指令値が交叉したときにレバー指令値が減少方向であれば所定の負の微小勾配でレバー指令値に近づけ、レバー指令値が増加方向であれば所定の正の微小勾配でレバー指令値に近づけた制御弁指令値のいずれか1つを出力するようにしたこと
    を特徴とするフォークリフトの荷役制御装置。
  7. 前記コントローラは、振動発生を検出した後、リフトレバー操作量が所定の閾値を越えたときは、制御弁指令値を滑らかにレバー指令値に近づけるように演算して前記制御弁に出力する解除手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のフォークリフトの荷役制御装置。
  8. 前記コントローラは、前記コントローラによる抑制制御が所定時間経過した後、制御弁指令値を滑らかにレバー指令値に近づくように演算して前記制御弁に出力する解除手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のフォークリフトの荷役制御装置。
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