JP3883288B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示制御装置で制御される画像表示装置を備えた遊技機において、画像表示装置における表示の演出態様を遊技機の置かれた環境に対応して変更し得るようにした改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技機には、ブラウン管(CRT)画面や液晶画面からなる画像表示装置に、様々な画像表示を行うものがある。このような画像表示は、遊技に必要な情報を遊技者に報知する役割を果たす一方で、遊技者に視覚的な刺激を与え、遊技の興趣を高めるものでもある。
【0003】
例えば弾球遊技機では、画像表示装置の画面に三つの特別図柄が表示され、大当たりの抽選がなされるたびに、これらの特別図柄が変動する。そして、大当たりの発生は、三つの特別図柄が同一の図柄で停止することにより報知される。一方、特別図柄が変動から停止に至るまでの表示(例えばリーチ動作時の表示)や大当たり発生後の表示などでは、画面を点滅させたり、画像の動きを素早くするなどの刺激的な演出がなされ、遊技の興趣が高められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような画像表示装置の刺激的な演出は、遊技機の置かれる遊技店の環境によっては、同じ画像表示でも刺激が強くなり過ぎることも考えられ、遊技者の中には、視覚的に疲労を感じる者も生じかねない。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、画像表示装置に画像表示を行う遊技機において、遊技機の置かれた環境に適合した画像表示を行い得るものを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明では、画像表示を行う画像表示手段と、この画像表示手段における画像表示を制御する表示制御手段と、を備えた遊技機において、当該遊技機の照明環境を検出する検出手段を備え、前記画像表示手段における画像表示に、同一の情報を異なる演出で表示する複数の演出モードを含み、前記表示制御手段は、前記検出手段からの検出信号にしたがって前記演出モードの選択を行い、前記画像表示においては画面の少なくとも一部の色を周期的に変更するとともに、この色の変更周期を前記複数の演出モードごとに異ならせた。
【0007】
第2の発明では、画像表示を行う画像表示手段と、この画像表示手段における画像表示を制御する表示制御手段と、を備えた遊技機において、当該遊技機の照明環境を検出する検出手段を備え、前記画像表示手段における画像表示に、同一の情報を異なる演出で表示する複数の演出モードを含み、前記表示制御手段は、前記検出手段からの検出信号にしたがって前記演出モードの選択を行い、前記画像表示においては画面の少なくとも一部の色を周期的に変更するとともに、この変更される色の間の明度変化の大きさを前記複数の演出モードごとに異ならせた。
【0008】
第3の発明では、画像表示を行う画像表示手段と、この画像表示手段における画像表示を制御する表示制御手段と、を備えた遊技機において、当該遊技機の照明環境を検出する検出手段を備え、前記画像表示手段における画像表示に、同一の情報を異なる演出で表示する複数の演出モードを含み、前記表示制御手段は、前記検出手段からの検出信号にしたがって前記演出モードの選択を行い、前記画像表示においては画面の少なくとも一部の色を周期的に変更するとともに、この変更される色の間の色相変化の大きさを前記複数の演出モードごとに異ならせた。
【0009】
第4の発明では、画像表示を行う画像表示手段と、この画像表示手段における画像表示を制御する表示制御手段と、を備えた遊技機において、当該遊技機の照明環境を検出する検出手段を備え、前記画像表示手段における画像表示に、同一の情報を異なる演出で表示する複数の演出モードを含み、前記表示制御手段は、前記検出手段からの検出信号にしたがって前記演出モードの選択を行い、前記画像表示においては画面の少なくとも一部の色を周期的に変更するとともに、この変更される色の間の彩度変化の大きさを前記複数の演出モードごとに異ならせた。
【0010】
第5の発明では、前記画像表示手段は、遊技の大当たりの抽選のたびに変動する特別図柄を表示し、この変動した特別図柄の停止表示により大当たりの発生の有無を遊技者に報知するものであるとともに、この特別図柄の停止前に遊技者に大当たり発生の可能性があることを示すために特別図柄が特殊な動作を行う画面を表示可能であり、この特別図柄が特殊な動作を行う画面における画像表示の演出を前記演出モードごとに異ならせた。
【0018】
【発明の作用および効果】
第1の発明では、画像表示手段における表示の演出には複数の演出モードを備えられているので、遊技環境に応じて演出モードを表示制御手段により選択し、遊技環境に合うように画像表示の演出を変更することができ、適切な態様の画像表示を行い得る。また、この場合、演出モードを異ならせても同一の情報の表示を行い得るので、遊技に必要な情報は演出モードによらず遊技者に伝達される。
また、検出手段から検出される照明環境(例えば遊技機が置かれ場所の照度)に応じて演出モードの選択がなされるので、照明環境に応じた適切な演出モードによる画像表示を行い得る。例えば、照明環境が基準より暗いときには、視覚的に刺激の弱い演出モード設定をすることにより、画像表示の刺激が強くなり過ぎないようにする一方で、照明環境が基準より明るいときには、視覚的に刺激の強い演出モードを設定することにより、画像表示に十分な刺激を確保できる。
【0019】
また、画像表示の色の変更周期を演出モードごとに異ならせることにより、遊技者に与える視覚的刺激の強さを、変更周期が短く視覚的な刺激を強いものから、変更周期が長く視覚的な刺激の弱いものまで、演出モードごとに変えることができる。
【0020】
第2〜第4の発明では、それぞれ、画像表示の色の明度、色相、彩度の変化の大きさを演出モードごとに異ならせることにより、遊技者に与える視覚的刺激の強さを、変化の度合いが大きく視覚的な刺激を強いものから、変化の度合いが小さく視覚的な刺激の弱いものまで、演出モードごとに変えることができる。
【0021】
第5の発明では、比較的視覚的刺激の強い演出がなされやすく、また遊技者の注目度も高い、特別図柄が特殊な動作を行う画面(弾球遊技機で言えばリーチ動作の画面)においても、演出モードの選択により比較的視覚的刺激の弱い演出を選択することも可能となり、遊技者のタイプや遊技環境に応じた適切な演出の画像表示を行い得る。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
【0029】
図1には、弾球遊技機の正面図を示す。
【0030】
図示されるように、弾球遊技機の機枠(外枠)1の正面には、上部蝶番2Aと下部蝶番2Bにより内枠3が取り付けられ、この内枠3に遊技盤4が取り付けられる。また、内枠3の正面には、透明ガラスが装着されたガラス枠5が取り付けられ、遊技盤4正面をガラスで覆うとともに、遊技盤4がガラスを通して透けて見えるようになっている。
【0031】
遊技盤5の下部には、遊技球の供給皿(上皿)6と、受け皿(下皿)7と、打球発射装置の操作部8が配設される。この供給皿6には、賞球としての遊技球が賞球口6Aから導入される。また、受け皿7は、供給皿6が遊技球で満杯になったときに余剰の遊技球を受け入れるものであり、この受け皿7内の遊技球は操作レバー7Aの操作により下方に排出できるようになっている。
【0032】
操作部8のみが図示される打球発射装置は遊技球の発射手段であり、遊技球は供給皿6からこの打球発射装置へと供給され、操作部8の回転操作にしたがって発射される。発射された遊技球は、遊技盤4に設けられたガイドレ−ル9に沿って案内され、遊技盤4の正面にガイドレ−ル9で囲われた領域、すなわち遊技領域10内に入る。
【0033】
なお、操作部8には、図示されないタッチスイッチが備えられ、遊技者が実際に操作部8の操作をしていない限り、打球発射装置からの遊技球発射がなされないようになっている。
【0034】
遊技領域10のほぼ中央には、画像表示装置(特別図柄表示装置)11が配設されている。この画像表示装置11は、表示制御装置30(図2参照)に制御されて遊技の進行状態に対応した可変的な画像表示を行うもので、遊技状態を表す右図柄、中図柄、左図柄の三つの図柄(特別図柄)を初めとする種々の画像を液晶画面に表示する。
【0035】
この画像表示装置11における画像表示のモードとしては、択一的に選択可能な複数(本実施の形態では3種類)の演出モードが備えられる。これらの演出モードは、同一の情報を、異なる演出態様で表示するものである(図3〜図5参照)。そして、これらの演出モードの選択は、弾球遊技機の裏面に備えられた遊技店用演出モード選択スイッチ41(図2参照)の操作により行われるようになっている。
【0036】
画像表示装置11の下方には、開閉自在の大入賞口を備えた変動入賞装置12が配設される。また、これら画像表示装置11および変動入賞装置12の周辺には複数の一般入賞口13が、また、画像表示装置11と変動入賞装置12の中間の領域には始動口14が、それぞれ配設される。さらに、遊技領域10の最下端には、排出口15が設けられる。
【0037】
これにより、遊技領域10内に打ち込まれた遊技球は、遊技領域10内の各所に配置された風車等の転動誘導部材16により転動方向を変えられながら遊技領域10表面を流下し、変動入賞装置12、一般入賞口13、始動口14、排出口15のいずれかに入るようになっている。
【0038】
これらの各入賞装置(変動入賞装置12、一般入賞口13、始動口14)への入賞は、図示されないセーフセンサにより検出される。そして、入賞した入賞装置の種類に応じた数の賞球が、賞球口6Aから排出される。
【0039】
始動口14には、図示されない特別図柄始動スイッチが設けられ、入賞が検知される。この始動口14への入賞のタイミングは、遊技制御装置50(図2参照)内の所定の記憶領域(特別図柄乱数記憶領域)に、入賞記憶として順次記憶される。遊技制御装置50は、これらの入賞記憶に基づいて大当たりの抽選を実行する。
【0040】
なお、始動口14への入賞記憶は、この特別図柄乱数記憶領域に最大4回分を限度に記憶される。そして、この特別図柄乱数記憶領域内に記憶されている入賞記憶数は、画像表示装置11の上側に設けられた記憶状態表示器20においてランプ表示で示される。
【0041】
さらに詳しく説明すると、始動口14に遊技球が入賞すると、画像表示装置11の特別図柄が変動(例えば各図柄のスクロール)を始める。そして、始動口14への入賞検出が所定の大当たりのタイミングでなされたときには、これらの特別図柄が大当たりを示すもので停止し(例えば、三つの図柄が同一の図柄で停止し)、さらに、常態では閉じられていた変動入賞装置12の大入賞口が開放され、遊技球が変動入賞装置12に入賞し得る状態になる。
【0042】
変動入賞装置12の大入賞口には、図示されないカウントスイッチが設けられ、このカウントスイッチにより大入賞口への入賞が検知される。大入賞口の開放の1ラウンドは、このカウントスイッチによる検出数(カウント数)が、所定カウント(例えば10カウント)に達するまで継続される。このカウント数は、画像表示装置11の画面に表示される。
【0043】
また、この大入賞口の内部にはV入賞口が設けられ、大入賞口に入賞した遊技球がさらにこのV入賞口に入賞すると、図示されないV入賞検出スイッチにより検知されるようになっている。このV入賞口は、その入賞状況により大入賞口の開閉制御パターンが変更されるもので、例えば、大入賞口開放中にV入賞口への入賞がある限り、その大当たりにおける大入賞口開放の回数(ラウンド数)が所定の上限回数(例えば16ラウンド)まで繰り返されるようになっている。このラウンド数は、画像表示装置11の画面に表示される。
【0044】
一方、始動口14への入賞検出が所定の大当たりのタイミングでなされなかったときには、画像表示装置11の表示は、大当たりではないことを示す態様で停止し(例えば、三つの図柄が揃わずに図柄で停止し)、そのまま通常の(大当たりでない)遊技が続行される。
【0045】
このような大当たり抽選時の図柄停止においては、特別図柄に、演出効果を高めるための特殊な動作(いわゆるリーチ動作)を行わせる場合がある。このリーチ動作とは、大当たりの発生の可能性があることを、特別図柄の動作により遊技者に知らせるものであり、様々な態様がある。
【0046】
このようなリーチ動作の例としては、例えば、画像表示装置11の三つの特別図柄のうち、いずれか二つの図柄が同一図柄で停止する(あるいは停止と同視される状態となる)のに対し、残りの一つが未だ停止しないで変動する動作がある。また、他の例としては、三つの特別図柄のうち、いずれか一つの図柄が停止するのに対して、残りの二つの図柄が同一図柄に揃った状態で変動する動作がある。また、さらに他の例としては、総ての図柄が同一図柄で揃った状態で変動する動作がある。また、さらに他の例としては、停止前の特別図柄に特殊な動作を行わせる場合がある。
【0047】
遊技領域10の要所には、遊技球が通過可能な始動ゲート21が設けられる。この始動ゲート21への遊技球通過は、図示されない普通図柄始動スイッチで検知され、この通過のタイミングは、普通図柄入賞記憶として、遊技制御装置50内の所定の記憶領域(普通図柄乱数記憶領域)に、最大で連続した4回分を限度に記憶される。遊技制御装置50は、この普通図柄入賞記憶に基づいて、普通図柄に関する大当たりの抽選を行う。
【0048】
さらに詳しく説明すると、始動ゲート21への遊技球入賞があると、大入賞口12下方に設けられた普通図柄表示装置22に表示される普通図柄(例えば一つの数字からなる図柄)が変動を始める。そして、この始動ゲート21への入賞が所定のタイミングでなされたときには、普通図柄に関する当たり状態となり、普通図柄が当たり図柄(当たり番号)で停止するとともに、始動口14の手前に設けられた電動ゲート23が所定の時間(例えば0.5秒)だけ大きく開き、遊技球が始動口14への入賞可能性が高められる。なお、普通図柄入賞記憶の数は、普通図柄表示装置22の両側の記憶状態表示器24に表示される。
【0049】
遊技領域10の左右両端には、装飾用のサイドランプ17が、また、内枠3上部には、遊技が大当たり状態となったときに点滅する大当たりランプ18が、それぞれ設けられている。また、図示されないスピーカからは、遊技状態に対応した効果音が発せられるようになっている。
【0050】
図2には、表示制御装置30の構成を示す。
【0051】
図示されるように、表示制御装置30は、CPU31、ROM32、RAM33、DMAC(ダイレクトメモリアクセスコントローラ)34、インターフェイス35、VDC(ビデオディスプレイコントローラ)36、画像表示装置(LCD)11の画像データを格納したフォントROM37、LCD駆動部38、クロック39、遊技店用演出モード選択スイッチ41、入力インターフェース42などから構成される。
【0052】
CPU31は、インターフェイス35を介して遊技制御装置50からの通信割り込みを受けると、遊技制御装置50からの表示制御信号(表示制御データ)の読み込みを行うとともに、この表示制御データに基づいて画面情報(図柄表示情報、背景画面情報、動画キャラクタ画面情報など)を作成して、RAM33に記憶する。
【0053】
この場合、CPU31は、選択された演出モード(モード1〜モード3)に応じて、画面情報の作成を行う。すなわち、画面情報は、選択された演出モードに応じて同一の情報を異なる演出態様で表示しうるように、選択され演出モードに応じて変わる実行演出データに基づいて、変更される。なお、演出モードの選択は、例えば遊技店の店員により、遊技店用演出モード選択スイッチ41の操作で各弾球遊技機ごとになされ、入力インターフェース42を介してCPU31に入力される。
【0054】
この画面情報は、VDC36からCPU31への垂直同期割り込みのタイミングで、VDC36から転送指令を受けたDMAC34により、VDC36に転送される。VDC36は、この画像情報に基づき、フォントROM37の該当画像データを取り込み、LCD駆動部38を介して、画像表示装置11の画面に水平走査、垂直走査を行って、画像表示装置11に所定の画像表示を行う。
【0055】
図3(a)、(b)、(c)には、画像表示装置11における画像表示の実例として、特別図柄の変動中の画像表示を示す。
【0056】
図示されるように、画面の略中央には、数字からなる3つの特別図柄が表示される。これらの特別図柄は変動状態にあるが、図では便宜上停止状態で描かれている。
【0057】
これらの特別図柄の上方には、文字標識(「GO!」)が表示される。特別図柄の変動中、この文字標識は点滅する(明度が周期的に変更される)が、この点滅周期は選択された演出モードに応じて変更されるようになっている。
【0058】
また、特別図柄および文字標識の背景画面は、画面を縦方向に分割した6本の帯から構成される帯画面とされる。そして、これらの帯のうち2本が色付き帯として表示されるとともに、図3(a)〜(c)に示すように、この色付き帯がスクロールして見えるように、画面表示が変更されて行く。この場合、この背景画面の動作速度は、選択された演出モードにより変更される。
【0059】
なお、画面の右隅には、選択された演出モードの種類を示す文字(「ノーマル」)が表示されている。
【0060】
図4(a)、(b)には、特別図柄のリーチ動作時における画像表示の実例を示す。
【0061】
図示されるように、リーチ動作においては、左図柄と中図柄が同一図柄(「3」)で停止し、右図柄のみが変動する。この場合、停止された二つの図柄(リーチ図柄)は、図4(a)、(b)に示すように、通常の表示と異なる2種類の色で交互に表示される。このリーチ図柄の2種類の色のコントラストの程度(色相の変化の大きさ)は、選択された演出モードに応じて変更される。
【0062】
また、特別図柄の上方の文字標識は、リーチ動作を示す「リーチ」になる。この文字標識は、引き続き点滅するが、この点滅周期は選択された演出モードに応じて変更される。
【0063】
また、特別図柄の背景画面は、図4(a)に示すような明るい画面と、図4(b)に示すような暗い画面との間で点滅する。この場合、明るい画面と暗い画面の明度のコントラストの程度(明度の変化の大きさ)、および点滅速度は、選択された演出モードに応じて変更されるようになっている。
【0064】
なお、画面の右隅には、選択された演出モードの種類を示す文字(「ノーマル」)が表示されている。
【0065】
図5には、本実施の形態の3種類の演出モード(モード1〜モード3)における演出を決定する各要素の違いを、図表で示す。
【0066】
モード1は、比較的に視覚上の刺激が弱いモードであり、この演出モードが選択されたときには、画面右隅に「マイルド」のモード表示がなされる。また、モード2は、視覚上の刺激が中程度の標準のモードであり、この演出モードが選択されたときには、画面右隅に「ノーマル」のモード表示がなされる。また、モード3は、比較的に視覚上の刺激が強いモードであり、この演出モードが選択されたときには、画面右隅に「エキサイト」のモード表示がなされる。
【0067】
以下、これらの各モード1〜3における画像表示の内容の具体的な違いを説明する。
【0068】
図3に示した特別図柄の変動開始時の画像表示においては、背景の帯画面の移動周期(動作速度)および文字標識(GO標識)の点滅周期は、モード1では100msに、モード2では80ms、モード3では60msに、それぞれ設定される。これにより、画像表示は、モード1、2、3の順で、早いスピードで変動する、視覚的に刺激の強いものとなる。
【0069】
また、図4に示したリーチ動作時に、リーチ図柄として反転表示される2色は、モード1では赤と黄橙と、モード2では赤と黄緑と、モード3では赤と青緑と設定される。これらの2色の組み合わせは、図6の色相環から分かるように、モード1、2、3の順で色相の変化の度合いが大きく、コントラストの高いものとなる。これにより、リーチ図柄の表示は、モード1、2、3の順で、視覚的に刺激の強いものとなる。
【0070】
また、リーチ動作時の背景画面で交互に表示される色(明度)の組み合わせとしては、モード1では黒色と暗灰色の組み合わせが、モード2では黒色と明灰色の組み合わせが、モード3では黒色と白色の組み合わせが、それぞれ採用される。これにより、背景画面は、モード1、2、3の順で、明暗のコントラストの高い(明度の変化の大きい)、視覚的に刺激の強いものとなる。
【0071】
また、リーチ動作時における文字標識(リーチ標識)の点滅周期および背景画面(リーチ背景)の点滅周期は、モード1では50msに、モード2では15msに、モード3では5msに、それぞれ設定される。これにより、画面表示は、モード1、2、3の順で、早いスピードで変動する、視覚的に刺激の強いものとなる。
【0072】
このように、本実施の形態によれば、表示制御装置30に設けられた遊技店用演出モード選択スイッチ41の操作により、3種類の演出モード1〜3を選択することができ、画像表示における視覚的な刺激の強さを、選択された演出モードの種類に応じて変更することができる。したがって、各弾球遊技機について、遊技者の好みに応じて、適切な演出態様の画像表示を行うことができる。また、画像表示は演出態様が変更されるだけで、遊技に関する情報は同一のものが表示されるので、いずれの演出モードを選択したとしても、遊技自体には変更が生じることはない。
【0073】
図7、図8には、本発明の他の実施の形態を示す。
【0074】
図7に示すように、この実施の形態では、表示制御装置30に、図2に示した基本的構成に加えて、遊技者用演出モード設定スイッチ43および遊技中状態検出センサ44を備え、これらからの信号が入力インターフェース42を介してバス45に入力されるようになっている。なお、図7では、図2に示した表示制御装置30の構成要素の図示は、バス45および入力インターフェース42を除いて省略している。
【0075】
ここで、遊技者用演出モード設定スイッチ43は、例えば遊技盤4の正面など、各弾球遊技機において遊技者が操作し得る位置に設けられる。遊技者は、この遊技者用演出モード設定スイッチ43を操作することにより、自らの好みに合った演出モードを、例えば前述のモード1〜3から選択することができる。
【0076】
また、遊技中状態検出センサ44は、遊技中状態(遊技者により遊技が続けられている状態)であるか否かを検出するセンサであり、この遊技中状態検出センサ44により遊技中状態が検出されている限り、遊技者用演出モード設定スイッチ43で選択された演出モードが維持される。一方、この遊技中状態検出センサ44により遊技中状態が検出されない時間が所定時間以上となったとき(後述する遊技放棄タイマがタイムアップしたとき)には、表示制御装置30は、遊技者が席を立って遊技をやめたと判定し、演出モードを遊技店用演出モード設定スイッチ41で選択されたモード(デフォルト演出モード)に復帰させるようになっている。
【0077】
この遊技中状態検出センサ44としては、例えば、排出口15に流入した遊技球(アウト球)と各入賞装置に入賞した遊技球(セーフ球)の全体を検出するセンサが用いられ、このセンサにより遊技球が検出されている状態を遊技中状態とする。また、操作部8のタッチスイッチと連動したセンサを用い、タッチスイッチによる検出がある状態を遊技中状態としてもよい。また、打球発射装置の発射レールにある遊技球を検出するセンサを用い、発射レールに遊技球がある状態を遊技中状態としてもよい。さらに、遊技盤4の前方の遊技者の有無を直接検出するセンサを用い、このセンサによる検出がある状態を遊技中状態をするようにしてもよい。
【0078】
図8には、本実施の形態の表示制御装置30における演出モードに関する表示制御処理の手順を示す。
【0079】
ステップS1では、遊技店用演出モード設定スイッチ41により選択された演出モード(例えば、標準的なモード2(図5参照))をデフォルト演出モードと設定する。
【0080】
ステップS2では、実行演出データにデフォルト演出モードに対応するデータを設定する。
【0081】
ステップS3では、遊技者用演出モード設定スイッチ43の操作があったか否かが判定され、操作がなかった場合にはステップS5に進み、実行演出データ(すなわちデフォルト演出モードに対応するデータ)に基づいて、演出モードに関する画像表示制御がなされる。
【0082】
一方、遊技者用演出モード設定スイッチ43の操作があった場合には、ステップS4において、実行演出データに、遊技者用演出モード設定スイッチ43で選択された演出モードに対応するデータを設定する。そして、ステップS5において、実行演出データ(すなわち遊技者が選択した演出モードに対応するデータ)に基づいて、演出モードに関する画像表示制御がなされる。
【0083】
ステップS5に続くステップS6においては、遊技中状態検出センサ44により遊技中状態であるか否かが判定され、遊技中状態の場合には、ステップS7に進み、遊技放棄タイマをリセットして、ステップS3に戻る。
【0084】
一方、ステップS6において遊技中状態でないと判定された場合には、ステップS8に進み、遊技放棄タイマを更新する。
【0085】
続くステップS9において、遊技放棄タイマがタイムアップしたか否かを判定する。そして、遊技放棄タイマがタイムアップしない間は、そのままステップS3に戻る。
【0086】
一方、ステップS9において、遊技放棄タイマがタイムアップしたと判定された場合には、ステップS10にすすみ、実行演出データにデフォルト演出モードに対応するデータを設定してステップS3に戻る。
【0087】
このように、本実施の形態では、遊技者自らが好みの演出モードを選択できる。また、新たな遊技者が遊技を始めるときには、演出モードは遊技店側で設定したデフォルト演出モード(例えば標準的な演出モード)に自動的に復帰しているので、例えば、新たな遊技者がいきなり極端な演出の表示に出会ったりしないようにすることができる。
【0088】
なお、本実施形態においては、遊技中状態が検出されない時間が所定時間以上となったとき(後述する遊技放棄タイマがタイムアップしたとき)に、画像表示装置11の画面に画面保護用の画像表示(スクリーンセーバー)を表示するようにもできる。
【0089】
図9、図10には、本発明のさらに他の実施の形態を示す。
【0090】
図9に示されるように、本実施の形態では、図2と同様の基本構成を持つ表示制御装置30には、照度センサ46からの検出信号が、レベル変換回路47およびA/Dコンバータ48を介して入力インターフェース42に入力されるようになっている。
【0091】
この照度センサ46は、弾球遊技機の照明環境(例えば、遊技店において弾球遊技機が置かれた場所の明るさ、あるいは遊技盤4上の明るさ)を検出するもので、表示制御装置30は、この照度センサ46により検出された照度にしたがって、演出モードを例えば上述の演出モード1〜3(図5参照)から選択する。
【0092】
すなわち、本実施の形態では、照明環境によって同じ演出モードで表示された画面の視覚的刺激が変わってくるのに対して、演出モードの選択を照明環境に応じて行うことで、視覚的な刺激の強さが適切な画像表示を行うことができるようになっている。
【0093】
図10には、本実施の形態の表示制御装置30における演出モードに関する表示制御処理の手順を示す。
【0094】
ステップS11においては、照度センサ46により照度(例えば、遊技店の弾球遊技機が置かれた場所の照度、あるいは遊技盤4上の照度)の検出を行う。
【0095】
ステップS12では、この照度が規定範囲よりも暗いか否かが判定される。
【0096】
このステップS12において照度が規定範囲よりも暗いと判定された場合には、ステップS13に進み、実行演出データに、視覚的刺激の弱い(演出効果の弱い)モード1(図5参照)に対応するデータを設定し、ステップS17において、この実行演出データに基づいて画像表示を制御する。これにより、照明環境が基準より暗いときには、視覚的に刺激の弱い演出モード設定をすることにより、画像表示の刺激が強くなり過ぎないようにする。
【0097】
一方、ステップS12において照度が規定範囲より暗くないと判定された場合には、ステップS14に進み、照度が規定範囲より明るいか否かが判定される。
【0098】
このステップS14において照度が規定範囲より明るいと判定されたならば、ステップS15に進み、実行演出データに、視覚的刺激の強い(演出効果の強い)モード3(図5参照)に対応するデータを設定し、ステップS17において、この実行演出データに基づいて画像表示を制御する。これにより、照明環境が基準より明るいときには、視覚的に刺激の強い演出モードを設定することにより、画像表示に十分な刺激を確保できる。
【0099】
一方、ステップS14において照度が規定範囲より明るくないと判定されたならば、照度は規定範囲内にあるので、ステップS16において、実行演出データに視覚的刺激が標準的な(演出効果が普通の)モード2(図5参照)に対応するデータを設定し、ステップS17において、この実行演出データに基づいて画像表示を制御する。これにより、照明環境が標準的なときには、標準的な演出による画像表示を行う。
【0100】
ステップS17において画像表示制御を行った後は、再びステップS11に戻る。
【0101】
なお、以上の各実施の形態では、弾球遊技機を例にとって説明したが、本発明の適用範囲は弾球遊技機に限られるものではなく、画像表示装置を備えた任意の遊技機に適用できる。
【0102】
また、上記の実施の形態では、遊技店における演出モード設定は遊技店用演出モード選択スイッチ43で行われるようにしたが、演出モードは、リモコン入力や遊技店の中央管理装置からの通信により行うようにしてもよい。
【0103】
また、上記の実施の形態では、演出モードごとに画像表示における色の明度および色相の変化の大きさを変更したが、演出モードごとに画像表示における色の彩度の変化の大きさを変更するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す弾球遊技機の正面図である。
【図2】同じく表示制御装置の構成図である。
【図3】同じく画像表示の様子を示す説明図である。
【図4】同じく画像表示の様子を示す説明図である。
【図5】同じく各演出モードにおける演出要素の相違を示す図表である。
【図6】同じく各演出モードにおける色相変化の大きさを色相環において示す説明図である。
【図7】本発明の他の実施の形態を示す表示制御装置の構成図である。
【図8】同じく演出モードに関する表示制御の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明のさらに他の実施の形態を示す表示制御装置の構成図である。
【図10】同じく演出モードに関する表示制御の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
4 遊技盤
8 操作部
11 画像表示装置
30 表示制御装置
41 遊技店用演出モード選択スイッチ
43 遊技者用演出モード選択スイッチ
44 遊技中状態検出センサ
46 照度センサ
Claims (5)
- 画像表示を行う画像表示手段と、
この画像表示手段における画像表示を制御する表示制御手段と、
を備えた遊技機において、
当該遊技機の照明環境を検出する検出手段を備え、
前記画像表示手段における画像表示に、同一の情報を異なる演出で表示する複数の演出モードを含み、
前記表示制御手段は、
前記検出手段からの検出信号にしたがって前記演出モードの選択を行い、
前記画像表示においては画面の少なくとも一部の色を周期的に変更するとともに、この色の変更周期を前記複数の演出モードごとに異ならせたことを特徴とする遊技機。 - 画像表示を行う画像表示手段と、
この画像表示手段における画像表示を制御する表示制御手段と、
を備えた遊技機において、
当該遊技機の照明環境を検出する検出手段を備え、
前記画像表示手段における画像表示に、同一の情報を異なる演出で表示する複数の演出モードを含み、
前記表示制御手段は、
前記検出手段からの検出信号にしたがって前記演出モードの選択を行い、
前記画像表示においては画面の少なくとも一部の色を周期的に変更するとともに、この変更される色の間の明度変化の大きさを前記複数の演出モードごとに異ならせたことを特徴とする遊技機。 - 画像表示を行う画像表示手段と、
この画像表示手段における画像表示を制御する表示制御手段と、
を備えた遊技機において、
当該遊技機の照明環境を検出する検出手段を備え、
前記画像表示手段における画像表示に、同一の情報を異なる演出で表示する複数の演出モードを含み、
前記表示制御手段は、
前記検出手段からの検出信号にしたがって前記演出モードの選択を行い、
前記画像表示においては画面の少なくとも一部の色を周期的に変更するとともに、この変更される色の間の色相変化の大きさを前記複数の演出モードごとに異ならせたことを特徴とする遊技機。 - 画像表示を行う画像表示手段と、
この画像表示手段における画像表示を制御する表示制御手段と、
を備えた遊技機において、
当該遊技機の照明環境を検出する検出手段を備え、
前記画像表示手段における画像表示に、同一の情報を異なる演出で表示する複数の演出モードを含み、
前記表示制御手段は、
前記検出手段からの検出信号にしたがって前記演出モードの選択を行い、
前記画像表示においては画面の少なくとも一部の色を周期的に変更するとともに、この変更される色の間の彩度変化の大きさを前記複数の演出モードごとに異ならせたことを特徴とする遊技機。 - 前記画像表示手段は、遊技の大当たりの抽選のたびに変動する特別図柄を表示し、この 変動した特別図柄の停止表示により大当たりの発生の有無を遊技者に報知するものであるとともに、この特別図柄の停止前に遊技者に大当たり発生の可能性があることを示すために特別図柄が特殊な動作を行う画面を表示可能であり、この特別図柄が特殊な動作を行う画面における画像表示の演出を前記演出モードごとに異ならせたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかひとつに記載の遊技機。
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