JP3861181B2 - 球状超伝導体及びその製造方法 - Google Patents

球状超伝導体及びその製造方法 Download PDF

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    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁場校正用の標準器として使用できる球状超伝導体、及び、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、磁場の校正(キャリブレーション)方法としては、磁化率が知られた常磁性体を被測定磁場中へ挿入し、磁性体の受ける力学的力から磁場を知る方法が用いられている。しかしながら、標準器として用いる常磁性体は磁化率が小さい(10-3〜10-6emu/cm3 )ため磁性体が磁場から受ける力学的力が小さく、磁場校正は高感度、高精度の力学量測定器を必要とし、弱磁場の校正が難しい、また、簡便性に欠けると言った課題がある。
【0003】
このため近年、超伝導体を磁場校正用磁性体として使用する試みがなされている。超伝導体を磁場校正用磁性体として用いれば、超伝導体が超伝導転移温度以下で完全反磁性を示し極めて大きな磁化率を有するため、高感度に磁場校正をすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第二種超伝導体においては、超伝導体に不純物や結晶欠陥があると、磁束がその部分を通過し易くなり、超伝導領域と常伝導領域が混在する現象が生じる。磁束を通過し易くするこのような不純物、結晶欠陥を磁束ピン止め中心と呼ぶ。磁束ピン止め中心があると、磁場中冷却と零磁場冷却とで、すなわち、超伝導体の冷却の仕方によって超伝導転移温度が異なってくるのみならず、ピン止め中心の種類、量によって超伝導転移温度が変化したり、超伝導領域で示す磁化率が異なってしまうと言う課題がある。
【0005】
ピン止め中心は、超伝導体中の不純物、結晶欠陥、結晶歪み、結晶粒界等に基因しているので、従来の超伝導体の製造方法においては、高純度原料を用いること、原料と反応しない高融点坩堝あるいは水冷坩堝を用いること、クリーンな雰囲気で溶融すること、結晶成長を高精度に制御し、結晶欠陥、結晶歪み、結晶粒界等を極力少なくすること等が必須の条件であった。このため、高周波加熱、電子ビーム加熱等のクリーンな加熱方法、及び引き上げ法、帯域溶融法と言った単結晶成長方法を使用している。
【0006】
しかしながら、坩堝を使用する以上不純物の混入が避けられず、さらにまた、引き上げ法、帯域溶融法と言った単結晶成長方法を使用しても、転位やストリエーションの無い完全結晶が得られる確率は極めて小さい。
さらにまた磁場校正を行うためには、磁場印加方向によらずに一定の磁化率を示す球状(反磁場係数=1/3)の超伝導体が好ましい。このため、上記のように作製した超伝導体を研磨剤やラッピング剤を用いて球形に加工することが試みられているが、この際、研磨面の傷、歪み、結晶欠陥が導入されることは避けられなかった。
上記したように、球状の超伝導体の大きな磁化率を利用して磁場校正に用いれば極めて有用であるが、従来の第二種超伝導体の作製方法ではピン止め中心を無くすことができないために不可能である。
【0007】
【非特許文献1】
Rhim,W.K.; Chung,S.K.; Barber,D.; Man,K.F.; Gutt,G.; Rulison,A.; Spjut,R.E. “An electrostatic levitator for high−temperature containerless materials processing in 1−g.” Rev. Sci. Instrum.64(10),1993,;10月,pp.2961−2970
【非特許文献2】
G.A.Bertero, W.H.Hofmeister, M.B.Robinson, and R.J.Bayuzick, “Containerless Processing and Rapid Solidification of Nb−Si Alloys in the Niobium−Rich Eutectic Range” Metallurgical Transactions A, Vol.22A,1991年11月,pp.2713−2721
【0008】
本発明は上記課題に鑑み、第二種超伝導体において、ピン止め中心の無い球状の超伝導体を提供すること及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のニオブからなる球状の超伝導体は、この球の表面には結晶転移に基づく凹凸が無く樹枝状結晶からなるセルが存在し、結晶転移、結晶粒界に基づく磁束ピン止め中心が無いことを特徴としている。
さらに本発明は、単一元素の第二種超伝導体材料からなるバルク形状の原料を、空間に浮遊させた状態で加熱して球状の溶融体とし、球状の溶融体を浮遊状態のまま放射冷却して過冷却状態を形成すると共に過冷却状態からの凝固反応により作製した球状の超伝導体であり、溶融体を保持する容器を使用しないことに基づいて、容器から混入する不純物による磁束ピン止め中心が無く、且つ、放射冷却による球状の溶融体の過冷却状態と過冷却状態からの凝固反応に基づいて、結晶転移及び結晶粒界による磁束のピン止め中心が無いことを特徴とする。
本球状超伝導体は、磁場中冷却または零磁場冷却のいずれの冷却方法においても、同一の超伝導転移温度、及び同一の超伝導磁化率を有することを特徴とするものである。
また、本球状超伝導体は、印加磁場方向によらずに同一の磁化率を有することを特徴とする。
また、本球状超伝導体の一例は、Nbからなる球状超伝導体である。
【0010】
本球状超伝導体は磁束ピン止め中心が無いので、磁場中冷却、または、零磁場冷却によらずに一定の超伝導転移温度を有し、かつ、超伝導転移温度以下の温度で一定の磁化率を有する。また、球状形状であるので印加磁場方向によらずに一定の磁化率を有する。
この球状超伝導体を磁場校正用の標準器として用いれば、磁化率が大きいので弱磁場の校正が容易にできる。超伝導転移温度以下のいずれかの温度に冷却すれば良く、また、印加磁場方向によらないので簡便に磁場校正ができる。
【0011】
また、本発明の球状超伝導体の製造方法は、単一元素の第二種超伝導体材料をバルク形状の原料に形成する工程と、バルク形状の原料を真空中で浮遊させる工程と、浮遊した状態でバルク形状の原料を加熱して球状の溶融体にする工程と、浮遊した状態で球状の溶融体を放射冷却により過冷却状態に形成すると共に過冷却状態から凝固させて球状の凝固体にする工程と、浮遊した状態で上記球状の凝固体を冷却する工程と、からなり、溶融体を保持する容器を使用しないことに基づいて、容器から混入する不純物による磁束ピン止め中心が無く、且つ、放射冷却による球状の溶融体の過冷却状態と過冷却状態からの凝固反応に基づいて、結晶転移及び結晶粒界による磁束のピン止め中心が無い球状超伝導体を得ることを特徴とするものである。
単一元素の第二種超伝導体材料がNb粉末である場合には、バルク形状の原料に形成する工程はアーク溶解法であり、浮遊させる工程はバルク形状の原料に紫外光を照射して帯電させつつ電圧を印加する静電浮遊法であり、球状の溶融体にする工程は加熱用レーザービームを照射して溶融する方法であり、放射冷却により過冷却状態に形成すると共に過冷却状態から凝固させて球状の凝固体にする工程は加熱用レーザービームの照射を停止することからなり、冷却する工程は真空中の熱放射によればよい。また、Nb粉末の純度は、99.99%以上であればよく、過冷却状態の温度は1777〜2377℃の範囲が好ましい。
【0012】
本発明の球状超伝導体は、静電浮遊法により製造することを特徴としている。静電浮遊法によれば、超伝導体融液を保持する容器を必要とせず、従って、磁束ピン止め中心の原因となる容器からの不純物の混入を防ぐことができる。さらに、空間に浮遊していることから超伝導体融液は球状形態をとり、球状形態であることから大きな過冷却状態を形成できる。過冷却状態が大きいので過冷却状態からの凝集反応が極めて強力に起こり、結晶欠陥、結晶歪み、結晶粒界が無い球状超伝導体が得られる。そして、不純物、結晶欠陥、結晶歪み、結晶粒界が無い球状超伝導体が得られるので、磁束ピン止め中心の無い球状超伝導体が得られる。
【0013】
球状超伝導体がNbからなる場合には、容器からの不純物の混入が無いから、99.99%程度の純度の原料粉末を用いることができ、極めて低コストで作製することができる。また、容器を使用した通常のNb融液の限界過冷却温度が数〜数10℃であるのに対し、本発明の方法による限界過冷却温度は100〜700℃に達し、すなわち、Nbの融点が2477℃であるので、過冷却状態の温度は2377〜1777℃に達し、極めて過冷却度が大きく、結晶欠陥、結晶歪みおよび結晶粒界が無い球状超伝導体が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
初めに、本発明の球状超伝導体の製造方法を説明する。実質的に同一の部材には同一の符号を付して説明する。
図1は、本発明の球状超伝導体の製造に用いる静電浮遊装置の概略を示す図である。図において、1は上部電極、2は上部電極1から所定距離を隔てて下方へ設置した下部電極、3は、当該上部電極1及び下部電極2の間に配置した球状超伝導体、4は球状超伝導体3を加熱するための加熱用レーザービーム、5は球状超伝導体3を帯電させるための紫外光、6,7はそれぞれ下部電極1及び上部電極2に電圧を供給するためのリード線である。上記電極1,2は図示しない真空槽中に配置されており、加熱用レーザービーム4及び紫外光5は真空槽外部から窓を介して照射される。
【0015】
本静電浮遊装置を使用する場合は、球状超伝導体3に紫外光5を照射して正に帯電させ、球状超伝導体3に働く重力と、正に帯電した球状超伝導体3に働く静電気力が釣り合うように上部電極1と下部電極2の間の電圧を制御することにより浮遊させる。
【0016】
図2は本発明の球状超伝導体の製造方法の工程を示す図である。
初めに、超伝導体原料粉末をバルク形状に加工する(工程1)。アーク溶解法を用いれば、不純物の混入を少なくして球に近い形に加工できるので好ましい。次に、バルク形状の超伝導体3を図1に示す静電浮遊装置にセットして(工程2)、紫外光5を照射して帯電させ(工程3)つつ、上部電極1と下部電極2の間の電圧を印加して浮遊させる(工程4)と共に、加熱用レーザービーム4を照射して溶融させる(工程5)。なお、帯電は浮遊前の電極による帯電と浮遊後の加熱による熱電子放出により正に帯電するので、必ずしも紫外光を必要としない。加熱用レーザービーム4は、Nd:YAGレーザーが好適である。
溶融後、加熱用レーザービーム4の照射を停止して冷却する(工程6)。加熱用レーザービーム4の照射を停止すると冷却が始まるが、溶融超伝導体3が球状であるため、大きな過冷却状態が生じる。すなわち、通常の容器に溶融超伝導体を入れて冷却した場合に生ずる過冷却温度よりも低い過冷却温度が実現される。過冷却限界温度に達すると一気に溶融温度まで上昇し、その温度で、すなわち、等温過程で凝固反応が起こり、短い時間で結晶成長が完了して球状の超伝導体3が形成される。その後、球状の超伝導体3は、熱放射により温度が下がる。十分温度が下がってから静電浮遊装置から球状の超伝導体3を取り出す(工程7)。
【0017】
次に、本発明の球状超伝導体の製造方法の効果について説明する。
まず第1に、超伝導体物質を溶融する際に容器を必要としないので、容器からの不純物の混入を防ぐことができる。磁束ピン止め中心の原因となる不純物の混入が無いので、不純物を原因とするピン止め中心が無い。
次に、真空中浮遊状態においては、温度が下がるときに、一般の冷却過程でおきる熱伝導や熱対流は全くなく、放射冷却のみによって下がるので、球形であれば、試料全体の温度が均一になり、凝固する核発生がおきにくく、大きな過冷却状態が実現すると考えられる。大きな過冷却状態からの凝固反応は、反応速度が極めて速くなる。反応速度が極めて速いので、凝固界面が細かく入り組み、かつ、凝固界面の面積が非常に広くなり、このため素早く同じ条件で固化するので、結晶欠陥、結晶転移、結晶粒界といったピン止め中心の原因が存在しない非常に均質な内部組織が実現されると考えられる。
また、溶融超伝導体は、表面張力によって自動的に球状となるので、球状にするための研磨工程を必要とせず、このため、従来の課題であった球状加工に伴うピン止め中心の混入が防止される。
【0018】
次に、実施例を示す。
図3は、Nbからなる球状超伝導体の製造過程を示す写真である。
図3(a)は、静電浮遊装置の下部電極2上に、アーク溶解法で形成した球状の超伝導体3をセットした状態を示す写真であり、(b)は球状の超伝導体3に紫外線5を照射し、上部電極1と下部電極2に電圧を印加して超伝導体3を浮遊させた状態を示す写真である。図3(c)は浮遊状態で加熱用レーザービーム4を照射して溶融中の状態を示す写真であり、(d)は加熱用レーザービーム4の照射を中止して過冷却中の状態を示す写真である。また、図3(e)は凝固反応中の状態を示す写真であり、(f)は放射冷却中の状態を示す写真である。なお、図3(c)〜(e)に見られる6角形の像はカメラに取り付けた偏光フィルターによって生じたものである。
【0019】
Nb粉末原料として、99.99%の純度のものを使用した。通常、零磁場冷却の超伝導転移温度が9.1Kを示す高純度Nb単結晶は、99.9999%以上の純度の原料Nbを必要とする。静電浮遊装置の真空度は10-6Paである。なお、図1には示さないが、球状の超伝導体の位置を電極間に通した位置検出用平行レーザービームによって検出し、電極電圧にフィードバックすることにより浮遊状態を安定させた。試料温度は赤外線放射温度計によって測定した。溶融温度は、約2480℃であり、限界過冷却温度は100〜700℃であった。
【0020】
図から明らかなように、本発明の方法によれば、バルク形状のNbを空間に浮遊させた状態で球形に溶融することができ、さらに浮遊状態で過冷却状態を形成することができ、さらに浮遊状態で凝固反応を生じさせることができ、さらにまた浮遊状態で冷却することができることがわかる。
【0021】
次に、上記方法で作製したNbからなる球状超伝導体の特性を示す。図4は、本発明の方法で作製した球状超伝導体の外観を示す図であり、(a)は本発明の方法で使用したアーク溶解法で形成したバルク形状のNbの外観を示しており、(b)は本発明の方法で作製した球状超伝導体の外観を示す図である。なお、各図において左図は外観を示し、右図は表面の拡大図を示す。
図から明らかなように、本発明の方法で作製した球状超伝導は真球に近いことがわかる。また、右図の表面拡大図に示すように、アーク溶解法で形成したバルク形状のNbの表面は段差状の凹凸があり、結晶転移が存在することを示しているが、本発明の方法で作製した球状超伝導体の表面は、段差状の凹凸が無く、かわりにデンドリティックなセル(樹枝状結晶からなるセル)が見られる。デンドリティックなセルは、過冷却状態からの凝固によって得られる結晶に一般的に見られる形状であり、これらの結晶は転移、粒界といった結晶欠陥が無いことが知られている。このことからも、本発明のNb球状超伝導体は転移、粒界といった結晶欠陥が無いことが推定される。
【0022】
次に、本発明の方法で作製した球状超伝導体の超伝導特性を示す。
図5は、本発明の方法で作製したNb球状超伝導体の超伝導特性を示す図である。縦軸は磁化率を示し、横軸は温度を示す。○は本発明の方法で作製したNb球状超伝導体を零磁場冷却したときの超伝導特性を示す(図中に、ZFC ESL:Zero Field Cooling of Electro Static Leviationで表示)。●は本発明の方法で作製したNb球状超伝導体を磁場冷却(磁場強度=20Oe)したときの超伝導特性を示す(図中に、FC ESL:Field Cooling of Electro Static Leviationで表示)。△及び▲はそれぞれ、アーク溶解して形成したバルク形状のNbを零磁場冷却及び磁場冷却(磁場強度=20Oe)したときの超伝導特性を示す(図中に、ZFC Before ESL、及び、FC Before ESLで表示)。
また、比較のために、従来の結晶成長法で形成した<100>面方位の柱状Nb高純度単結晶(原料Nb純度99.9999%、直径3mm、厚さ1mm)の<100>方向の超伝導特性を示し、零磁場冷却、及び、磁場冷却(磁場強度=20Oe)したときの超伝導特性をそれぞれ、◇及び◆で示す(図中に、ZFC
Single<100>、及び、FC Single<100>で表示)。
【0023】
図からわかるように、本発明の方法で作製したNb球状超伝導体(○、●)は最も超伝導転移温度が高く、また、磁場冷却法によらずに一定の超伝導特性を示す。すなわち、超伝導転移温度が一定であり、かつ、超伝導転移温度以下の温度で一定の磁化率を示す。ちなみに、磁場冷却と零磁場冷却の磁化率の比は、0.99452であり、ほとんど変わらないことがわかる。
【0024】
一方、本発明の方法による球状超伝導体の作製前のバルク形状のNb(△、▲)は、零磁場冷却と磁場冷却(磁場強度=20Oe)とで、すなわち、冷却方法によって超伝導転移温度が異なり、また、磁化率が異なる。ちなみに、磁場冷却と零磁場冷却の磁化率の比は、0.37124であり、極めて大きく変変化することがわかる。
【0025】
また、比較のために測定した柱状Nb高純度単結晶においては、磁場冷却では磁化率が非常に小さく、また、零磁場冷却における磁化率も、形状効果により本発明の方法で作製したNb球状超伝導体の磁化率に比べて絶対値が小さい。
このように、本発明の方法によって作製したNb球状超伝導体は、磁場冷却方法によらずに一定の磁化率を示し、磁化率も大きい。また、超伝導転移温度、磁化率とも理論値と一致する。
すなわち、本発明のNb球状超伝導体には、磁束ピン止め中心が無いことがわかる。通常、零磁場冷却といっても地磁気の影響や電磁石の残留磁場などが存在する。ピン止め中心のある超伝導体の超伝導特性はそれらの影響を受ける。ピン止め中心の無い超伝導体は、地磁気の影響や電磁石の残留磁場などが存在しても、超伝導状態になればそれらの磁場を全て排除するので、それらの磁場に関係なく同じ磁化率を示す。
【0026】
なお、上記説明においては、静電浮遊法を用いた例について説明したが、高周波誘導コイルを用いた電磁浮遊法も同様に適用し得ることは明らかである。
【0027】
【発明の効果】
上記説明から理解されるように、本発明の球状超伝導体は、磁束ピン止め中心が無いので、理論値どおりの理想的な超伝導特性を示す。
また、本発明の球状超伝導体の製造方法によって製造した球状超伝導体は、磁束ピン止め中心が無く、理論値どおりの磁化率を示すことから、本発明の球状超伝導体を磁場校正用の標準器として用いた場合には、標準器自体の磁化率を測定する必要が無くなり、また、磁場冷却方法によらずに一定の磁化率を示すので、極めて高精度、かつ、簡便に磁場校正ができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の球状超伝導体の製造に用いる静電浮遊装置の概略を示す図である。
【図2】本発明の球状超伝導体の製造工程を示す図である。
【図3】Nbからなる球状超伝導体の製造過程を示す写真であり、(a)は、静電浮遊装置の下部電極上に、アーク溶解法で形成した球状の超伝導体をセットした状態を示し、(b)は球状の超伝導体に紫外線を照射し、上部電極と下部電極に電圧を印加して超伝導体を浮遊させた状態を示し、(c)は浮遊状態で加熱用レーザービームを照射して溶融中の状態を示し、(d)は加熱用レーザービームの照射を中止して過冷却中の状態を示し、(e)は凝固反応中の状態を示し、また、(f)は放射冷却中の状態を示す。なお、(c)〜(e)に見られる6角形の像はカメラに取り付けた偏光フィルターによって生じたものである。
【図4】本発明の方法で作製した球状超伝導体の外観を示す写真であり、(a)はアーク溶解法で形成したバルク形状のNbの外観を示し、(b)は作製した球状超伝導体の外観を示す図である。
【図5】本発明の方法で作製したNb球状超伝導体の超伝導特性を示すグラフである。縦軸は磁化率を示し、横軸は温度を示す。
【符号の説明】
1 上部電極
2 下部電極
3 球状超伝導体
4 加熱用レーザービーム
5 紫外光
6 リード線
7 リード線

Claims (9)

  1. ニオブからなる球状の超伝導体であって、この球の表面には結晶転移に基づく凹凸が無く樹枝状結晶からなるセルが存在し、結晶転移、結晶粒界に基づく磁束ピン止め中心が無いことを特徴とする、球状超伝導体。
  2. 単一元素の第二種超伝導体材料からなるバルク形状の原料を、空間に浮遊させた状態で加熱して球状の溶融体とし、この球状の溶融体を浮遊状態のまま放射冷却して過冷却状態を形成すると共に過冷却状態からの凝固反応により作製した球状の超伝導体であり、
    上記溶融体を保持する容器を使用しないことに基づいて、容器から混入する不純物による磁束ピン止め中心が無く、且つ、上記放射冷却による球状の溶融体の過冷却状態と過冷却状態からの凝固反応に基づいて、結晶転移及び結晶粒界による磁束のピン止め中心が無いことを特徴とする、球状超伝導体。
  3. 前記球状超伝導体は、磁場中冷却または零磁場冷却のいずれの冷却においても、同一の超伝導転移温度、及び同一の超伝導磁化率を有することを特徴とする、請求項2に記載の球状超伝導体。
  4. 前記球状超伝導体は、印加磁場方向によらずに同一の超伝導磁化率を有することを特徴とする、請求項3に記載の超伝導体。
  5. 前記単一元素の第二種超伝導体は、Nbであることを特徴とする、請求項2に記載の超伝導体。
  6. 単一元素の第二種超伝導体材料をバルク形状の原料に形成する工程と、
    このバルク形状の原料を真空中で浮遊させる工程と、
    この浮遊した状態で上記バルク形状の原料を加熱して球状の溶融体にする工程と、
    この浮遊した状態で上記球状の溶融体を放射冷却により過冷却状態に形成すると共に過冷却状態から凝固させて球状の凝固体にする工程と、
    この浮遊した状態で上記球状の凝固体を冷却する工程と、からなり、
    上記溶融体を保持する容器を使用しないことに基づいて、容器から混入する不純物による磁束ピン止め中心が無く、且つ、上記放射冷却による球状の溶融体の過冷却状態と過冷却状態からの凝固反応に基づいて、結晶転移及び結晶粒界による磁束のピン止め中心が無い球状超伝導体を得ることを特徴とする、球状超伝導体の製造方法。
  7. 前記単一元素の第二種超伝導体材料はNb粉末であり、
    前記バルク形状の原料に形成する工程はアーク溶解法であり、
    前記浮遊させる工程は上記バルク形状の原料に紫外光を照射して帯電させつつ電圧を印加する静電浮遊法であり、
    前記球状の溶融体にする工程は加熱用レーザービームを照射して溶融する方法であり、 前記放射冷却により過冷却状態に形成すると共に過冷却状態から凝固させて球状の凝固体にする工程は上記加熱用レーザービームの照射を停止することからなり、
    前記冷却する工程は真空中の熱放射によることを特徴とする、請求項6に記載の球状超伝導体の製造方法。
  8. 前記Nb粉末の純度は、99.99%以上であることを特徴とする、請求項に記載の球状超伝導体の製造方法。
  9. 前記過冷却状態の温度は1777〜2377℃の範囲であることを特徴とする、請求項7又は8に記載の球状超伝導体の製造方法。
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