JP3855802B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の吹出口と、そこから車室内に吹き出す吹出風のモードを切り換えるモード切換ドアとを備えた車両用空調装置の吹出口制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用空調装置では、不快を除去あるいは快適感を付与して乗員の空調フィーリングを向上させるため、様々な吹出風の揺らぎ技術が考えられてきた。具体的には、送風モータへの印加電圧を変化させて吹出風量を揺るがせるものや、吹出口の風向ルーバを揺動させて吹出風向を揺るがせるものが一般的に知られている。また、特開平7−237434号公報には、エアミックスドアを揺動させて吹出温度を揺るがせるものや、モード切換ドアを揺動させて吹出モードを揺るがせるものが示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一つ吹出口からの吹出風量や吹出温度を揺るがせるものでは、車室内温度を調節、維持する能力が低下した感じや、壊れているような感じを与えてしまい、結果として空調フィーリングの向上は期待できない。また、風向ルーバを揺動させて吹出風向を揺るがせるものなどでは機構の追加が必要で、機構部のスペース確保やコストアップ等の問題がある。
【0004】
また、上記公報に示される吹出モードを揺るがせるものでは、例えばフェイスモードでありながらフット吹出口からの吹き出しに切り換わるため、乗員にとっては風を得たいと所望するフェイス吹出口から風を得られなくなって不満であるうえ、所望しないフット吹出口から風が吹き出して体に当たり、不快や違和感を抱かせてしまう。
【0005】
特に、フットモードではフェイス吹出口から温風が吹き出すこととなり、冬期などでは乗員の顔が火照って不快感を与えてしまい、空調フィーリングの向上にはならないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題に鑑みて成されたものであり、乗員に不快感や違和感を与えることなく揺らぎを発生させて空調フィーリングを向上できる車両用空調装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
【0017】
請求項1記載の発明では、少なくともフェイス吹出口(14)、フット吹出口(15)及びデフロスタ吹出口(16)を含む複数の吹出口から車室内に吹き出される吹出風のモードを切り換えるモード切換ドア(18〜20)と、
選定された吹出モードに応じ、主となる吹出口(14〜16)から吹き出すべき吹出風の一部を、乗員に違和感を与えない他の吹出口(14〜16)から周期的に吹き出させることで、主となる吹出口(14〜16)からの吹出風が揺らぐようモード切換ドア(18〜20)を制御する揺らぎ制御手段(21)とを備えた車両用空調装置において、
吹出モードとしてフットモードまたはフット・デフロスタモードが選定されたうえ揺らぎ制御を行なう場合、モード切換ドア(18〜20)のうちフットドア(19)とデフロスタドア(20)とを所定の範囲内で周期的に往復揺動させることを特徴とする。
【0018】
これにより、乗員の上半身に向けてのフェイス吹出口(14)からは風が出ないため、乗員に顔が火照る等の不快感や違和感を与えることがないうえ、主となるフット吹出口(15)からは揺らぎをもって風が吹き出されることより空調フィーリングを向上することができる。
【0019】
請求項2記載の発明では、少なくともフェイス吹出口(14)、フット吹出口(15)及びデフロスタ吹出口(16)を含む複数の吹出口から車室内に吹き出される吹出風のモードを切り換えるモード切換ドア(18〜20)と、
選定された吹出モードに応じ、主となる吹出口(14〜16)から吹き出すべき吹出風の一部を、乗員に違和感を与えない他の吹出口(14〜16)から周期的に吹き出させることで、主となる吹出口(14〜16)からの吹出風が揺らぐようモード切換ドア(18〜20)を制御する揺らぎ制御手段(21)とを備えた車両用空調装置において、
吹出モードとしてバイレベルモードが選定されたうえ揺らぎ制御を行なう場合、モード切換ドア(18〜20)のうちフェイスドア(18)とフットドア(19)とを所定の範囲内で周期的に往復揺動させるとともに、車室内を設定温度とするための必要吹出温度(TAO)に応じてフェイスドア(18)とフットドア(19)とを周期的に往復揺動させる範囲を可変することを特徴とする。
【0020】
これは、夏期等で外気温の高い時や日射の強い時には、揺らぎによる快適感よりもフェイス吹出口(14)からの吹出風が弱くなることによる違和感の方が大きくなる。また逆に、冬期等で外気温の低い時や日射の弱い時には、同様に揺らぎによる快適感よりもフット吹出口(15)からの吹出風が弱くなることによる違和感の方が大きくなる。
【0021】
このように、空調フィーリングにおいては外気温と日射の影響を大きく受けるため、これらを総合して演算した結果である必要吹出温度(TAO)に応じてフェイスドア(14)とフットドア(15)とを周期的に往復揺動させる範囲を可変するものである。
【0022】
これにより、バイレベルモードにおいても環境条件に応じてより乗員に不快感や違和感を与えることのない揺らぎを発生させることができ、空調フィーリングを向上することができる。
【0023】
請求項2記載の発明では、複数の吹出口(14〜16)から車室内に吹き出す吹出風の吹出モード、及び吹出風量を自動で決定するフルオート制御機能を持つ車両用空調装置において、フルオート制御状態にて車室内の温度が安定した定常状態であると判断した場合、自動的に揺らぎ制御を実施することを特徴とする。
【0024】
これは、車室内温度を調節している過渡期(非定常時)は、不快な状況から一刻も早く目標車室内温度へ持っていこうとしている状況の方が乗員に満足感を与えることができ、この過渡期に風量を揺らがせると、かえって車室内温度を調節する能力が低下したように感じて乗員が不満に思うこととなる。また、送風量が多い段階であることより、揺らぎによる風量変動や音の変動も大きく、かえって違和感を与えることとなる。
【0025】
これに対して定常時は、吹出風量も吹出温度も安定するため、不快感も快適感も感じない無感状態となりうるため、この定常状態を自動判定して揺らぎ制御を行うことは、快適感を付与することで効果がある。よって、乗員に快適感を与えられる状況で自動的に揺らぎが実施されることとなり、空調フィーリングを向上することができる。尚、吹出モードや吹出風量がマニュアル操作にて選択された場合には、自動で実行していた揺らぎ制御は解除する制御となっている。
【0026】
上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る車両用空調装置を水冷エンジン搭載の車両に適用したものであり、図1はその車両用空調装置1の概略構成図である。空気流路をなす空調ケーシング2の空気上流部位には、車室内気を吸入するための内気吸入口3と外気を吸入するための外気吸入口4とが形成されると共に、これらの吸入口3、4を選択的に開閉する吸入口切換ドア5が設けられている。また、この吸入口切換ドア5は、サーボモータ6等の駆動手段によって開閉される。
【0028】
この吸入口切換ドア5の下流側部位には、送風ブロワ7が配設されており、この送風ブロワ7により両吸入口3、4から吸入された空気が、後述する各吹出口14〜16に向けて送風されている。送風ブロワ7の空気下流側には、空気冷却手段を成すエバポレータ8が配設されており、送風ブロワ7により送風された空気は全てこのエバポレータ8を通過する。
【0029】
エバポレータ8は、図示しないコンプレッサ、コンデンサ、膨張弁と共に配管結合されて冷凍サイクルを構成しており、コンプレッサは図示しないエンジンに図示しない電磁クラッチを介して連結され、その電磁クラッチを断続することでON−OFF制御される。エバポレータ8の空気下流側には、空気加熱手段をなすヒータコア10が配設されており、このヒータコア10は、図示しない先のエンジンの冷却水を熱源として空気を加熱している。
【0030】
また、空調ケーシング2には、ヒータコア10をバイパスするバイパス通路12が形成されており、ヒータコア10の空気上流側には、ヒータコア10を通る風量とバイパス通路12を通る風量との風量割合を調節するエアミックスドア13が配設されている。そして、サーボモータ26等の駆動手段にてこのエアミックスドア13の開度を調節して、風量割合を調節している。
【0031】
また、空調ケーシング2の最下流側部位には、車室内乗員の上半身に空調空気を吹き出すためのフェイス吹出口14と、車室内乗員の足元に空気を吹き出すためのフット吹出口15と、フロントガラスの内面に向かって空気を吹き出すためのデフロスタ吹出口16と、複数の吹出口が形成されている。
【0032】
そして、上記各吹出口14〜16の空気上流側部位には、モード切換ドアとしてのフェイスドア18、フットドア19、デフロスタドア20が配設されていて、サーボモータ29〜31等の駆動手段によって駆動され、それぞれの吹出口を開閉することにより、吹出モードが切り換えられる。
【0033】
21はサーボモータ6、26、29〜31等の駆動手段と送風ブロワ7及び電磁クラッチ等を制御する電子制御装置(以下、ECUという)であり、ECU21は中央演算装置(CPU)、随時読み込み書き込み可能な記憶装置(RAM)及び読み込み専用の記憶装置(ROM)等からなる周知のマイクロコンピュータである。また、ECU21は本発明の要部である揺らぎ制御手段ともなっており、詳細は後述する。
【0034】
このECU21には、所望の車室内温度を設定する温度設定手段22と、車室内の温度を検出する内気温センサ23と、外気の温度を検出する外気温センサ24と、車室内に侵入する日射量を検出する日射センサ25と、エバポレータ8の温度センサ9と、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサ11と、サーボモータ26に付いていてエアミックスドア13の開度を検出するポテンションメーター27が入力接続されている。
【0035】
ECU21は、これらセンサ群28からの入力信号に基づいて後述の手順により、コンプレッサをON−OFFさせる電磁クラッチや、送風ブロワ7を駆動する図示しないモータコントローラや、エアミックスドア13を駆動するサーボモータ26や、吸入口切替ドア5を駆動するサーボモータ6や、モード切替ドア18〜20を駆動するサーボモータ29〜31に制御信号を出力する。
【0036】
また、ECU21は、当該車両の図示しないイグニッションスイッチのON時に図示しないバッテリから給電されて作動状態になり、この空調装置1の作動を開始させるエアコンスイッチのON時にECU21内に記憶されたコンピュータプログラムの実行を開始する。
【0037】
以下、このECU21が実行するメイン制御について、図2に示すフローチャートに沿って説明する。空調装置1の自動制御処理を開始すると、まずステップS1で記憶している数値の初期化の処理を行なう。次にステップS2で、車両乗員が温度設定手段22でセットした設定温度と、内気温センサ23、外気温センサ24、日射センサ25、温度センサ9、水温センサ11等の各種センサにて検出された温度等を読み込み、補正等の処理を行なう。
【0038】
ステップS3では、凍結防止を含むコンプレッサの稼動に関し、電磁クラッチが制御される。ステップS4では、ステップS2で入力された温度条件から車室内を設定温度にしてゆく上で必要な吹出風の温度(必要吹出温度)TAOを数式から演算する。ステップS5では、算出された必要吹出温度TAOとブロワ風量(電圧)との関係に基づき、ブロワ7を駆動するモータコントローラの電圧が制御される。
【0039】
ステップS6では、ステップS4で算出された必要吹出温度TAOと、ステップS2で読み込んだ温度センサ9、水温センサ11等の各熱交換器の状態に基づき、必要吹出温度TAOとするために必要なエアミックスドア13の開度が数式に従って決定されサーボモータ26が制御される。
【0040】
ステップS7では、必要吹出温度TAOと車室内へ吹き出す空気流の吹出モードとの関係を表わす吹出モードパターンデータに基づき、ステップS4で算出された必要吹出温度TAOから吹出モードをフェイスモード、バイレベルモード、フットモードのいずれかに決定されサーボモータ29〜31が制御される。
【0041】
また、このステップS7内での具体的な処理に本発明の要部である揺らぎ制御も含まれ、詳細は後述する各実施形態でのフローチャートで説明する。以上説明したような、図2のフローチャートに示すサイクルを約0.25秒毎に1回の周期で繰り返すことにより空調制御を行なっている。
【0042】
次に、ステップS7中で行なう本発明の揺らぎ制御について説明する。図3は、本発明の第1実施形態における揺らぎ制御の処理を示すフローチャートである。ステップS11では、図示しないエアコン操作パネルに設けられた揺らぎスイッチ等がON状態か否かを判定する。スイッチが操作され、揺らぎONの信号が揺らぎ制御手段でもあるECU21に入力されるとステップS12以降の揺らぎ制御が実行される。
【0043】
まずステップS12で、その時選択されている吹出モードを検出する。そしてステップS13で、その選択されている吹出モードがデフロスタモードか否かを判定する。そして、窓曇りを晴らすためのデフロスタモードが選択されている場合、その曇り晴らし能力を最大限確保するため揺らぎ制御は行わずにリターンを繰り返す。
【0044】
しかし、ステップS13でデフロスタモードではない場合、次のステップS14で他のどのモードであるかを判定する。その結果、フェイスモードであればステップS15に進み、フェイスドア18とデフロスタドア20とを可変して揺らぎを行う。図4は、そのフェイスドア18とデフロスタドア20との開度変化を表したドアダイアグラムであり、本実施形態では図4中に示すAの範囲を周期的に往復揺動させている。
【0045】
つまり、選定された吹出モードに応じ、主となる吹出口(この場合フェイス吹出口14)から吹き出すべき吹出風の一部を、乗員に違和感を与えない他の吹出口(この場合デフロスタ吹出口16)から周期的に吹き出させることで、主となる吹出口(この場合フェイス吹出口14)からの吹出風が揺らぐようモード切換ドア(この場合フェイスドア18、デフロスタドア20)を制御する揺らぎ制御手段21としている。
【0046】
これにより、足元のフット吹出口15からは風が出ないため、乗員に不快感や違和感を与えることがないうえ、主となるフェイス吹出口14からは揺らぎをもって風が吹き出されることより空調フィーリングを向上することができる。
【0047】
また、ステップS14での判定結果がバイレベル(B/L)モードであればステップS16に進み、フェイスドア18とフットドア19とを可変して揺らぎを行う。図5は、そのフェイスドア18とフットドア19との開度変化を表したドアダイアグラムであり、本実施形態では図5中に示すβの範囲を周期的に往復揺動させている。尚、α、γで示す範囲は第2実施形態に係わるもので、説明は後述する。
【0048】
これにより、フェイス吹出口14からもフット吹出口15からも揺らぎをもって風が吹き出されることより空調フィーリングを向上することができる。
【0049】
また、ステップS14での判定結果がフットモードもしくはフット・デフロスタ(F/D)モードであればステップS17に進み、フットドア19とデフロスタドア20とを可変して揺らぎを行う。図6は、そのフットドア19とデフロスタドア20との開度変化を表したドアダイアグラムであり、本実施形態では図6中に示すCの範囲を周期的に往復揺動させている。
【0050】
これにより、乗員の上半身に向けてのフェイス吹出口1)からは風が出ないため、乗員に顔が火照る等の不快感や違和感を与えることがないうえ、主となるフット吹出口15からは揺らぎをもって風が吹き出されることより空調フィーリングを向上することができる。そして、ステップS11で揺らぎスイッチをOFFされる等で揺らぎONの信号がなくなった時にはステップS18へ進み、揺らぎ制御を解除するものである。
【0051】
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態における揺らぎ制御の処理を示すフローチャートである。吹出モードとしてバイレベルモードが選定されたうえ揺らぎ制御を行なう場合の作動、つまり図3のフローチャートで、ステップS14での判定結果がバイレベルモードで、第1実施形態でのステップS16に相当する部分の作動のみ異なる。
【0052】
具体的には、ステップS161で、先の図2のメイン制御フローチャート中ステップS4で演算した車室内を設定温度とするための必要吹出温度TAOの値を判定している。そしてその結果、本実施形態ではTAOが30℃よりも低い場合にはステップS162に進み、図5中のαの範囲でフェイスドア18とフットドア19とを周期的に往復揺動させて揺らぎを行っている。
【0053】
また、ステップS161での判定結果でTAOが30℃以上40℃以下の場合にはステップS163に進み、図5中のβの範囲で周期的に往復揺動させ、TAOが40℃を超えて高い場合にはステップS164に進み、図5中のγの範囲で周期的に往復揺動させている。
【0054】
これは、夏期等で外気温の高い時や日射の強い時には、揺らぎによる快適感よりもフェイス吹出口14からの吹出風が弱くなることによる違和感の方が大きくなる。また逆に、冬期等で外気温の低い時や日射の弱い時には、同様に揺らぎによる快適感よりもフット吹出口15からの吹出風が弱くなることによる違和感の方が大きくなる。
【0055】
このように、空調フィーリングにおいては外気温と日射の影響を大きく受けるため、これらを総合して演算した結果である必要吹出温度TAOに応じてフェイスドア14とフットドア15とを周期的に往復揺動させる範囲を可変するものである。
【0056】
これにより、バイレベルモードにおいても環境条件に応じてより乗員に不快感や違和感を与えることのない揺らぎを発生させることができ、空調フィーリングを向上することができる。
【0057】
(第3実施形態)
図8は、本発明の第3実施形態における揺らぎ制御の処理を示すフローチャートである。複数の吹出口14〜16から車室内に吹き出す吹出風の吹出モード、及び吹出風量を自動で決定するフルオート制御機能を持つ車両用空調装置における作動である。
【0058】
ステップS8で、まずフルオート制御による制御状態か否かを判定する。そして、フルオート制御による制御状態である場合には、次のステップS9で、車室内の温度が安定した定常状態であるか否かを判定する。本実施形態では、その定常状態の判断基準として、内気温センサ23で検出する車室内温度の変化率が、0.4℃/分以下と小さい時は定常状態の判断している。
【0059】
そして車室内の温度が安定した定常状態であると判断した場合、自動的に上述した揺らぎ制御(図3のフローチャートのステップS12〜17)を実施するものである。尚、ステップS8で、吹出モードや吹出風量がマニュアル操作にて選択されている場合、もしくは選択された場合、または、ステップS9での車室内温度の変化率が判断基準より大きい場合、もしくは大きくなった場合、図3のフローチャートのステップS18と同様、揺らぎ制御は実行しない、もしくは自動で実行していた揺らぎ制御を解除する制御となっている。
【0060】
これは、車室内温度を調節している過渡期(非定常時)は、不快な状況から一刻も早く目標車室内温度へ持っていこうとしている状況の方が乗員に満足感を与えることができ、この過渡期に風量を揺らがせると、かえって車室内温度を調節する能力が低下したように感じて乗員が不満に思うようになるためである。また、送風量が多い段階であることより、揺らぎによる風量変動や音の変動も大きく、かえって違和感を与えることともなる。
【0061】
これに対して定常時は、吹出風量も吹出温度も安定するため、不快感も快適感も感じない無感状態となりうるため、この定常状態を自動判定して揺らぎ制御を行うことは、快適感を付与することで効果がある。よって、乗員に快適感を与えられる状況で自動的に揺らぎが実施されることとなり、空調フィーリングを向上することができる。
【0062】
(第4実施形態)
図9は、本発明の第4実施形態に係わる車両用空調装置1の一実施形態を示す概略構成図である。図1の構成と異なるのは、各モード切換ドア18〜20をリンク機構等で連結して1つのサーボモータ17で連結駆動している点のみである。そして、吹出モードとしてフェイスモードが選定されたうえ揺らぎ制御を行なう場合、モード切換ドア18〜20のうちフェイスドア18とフットドア19とを可変して揺らぎを行う。
【0063】
図10は、その図9の構成の車両用空調装置1で、各吹出モードと各吹出モードドア18〜20の開度の推移を示すドアダイアグラムであり、本実施形態では図10中のAの範囲を周期的に往復揺動させている。ちなみに、図10中のBの範囲はバイレベルモードで揺らぎを行う場合の揺動範囲、図10中のCの範囲はフットモードもしくはフット・デフロスタモードで揺らぎを行う場合の揺動範囲を示す。
【0064】
これは、図1の構成のように各モード切換ドア18〜20毎にサーボモータ29〜31が付いている車両用空調装置1であれば、前述のようにフェイスドア18とデフロスタドア20とを所定の範囲内で周期的に往復揺動させることが可能である。
【0065】
しかし、当実施形態のように各モード切換ドア18〜20をリンク機構等で連結して1つのサーボモータ17で連結駆動させる車両用空調装置1では、フェイスモードにおいてフェイスドア18とデフロスタドア20とを同時に動かせないのが通常であるため、同時に動かせるフェイスドア18とフットドア19とを所定の範囲内で周期的に往復揺動させるものである。
【0066】
これにより、フェイス吹出口14から吹き出すべき吹出風の一部が、足元のフット吹出口15から周期的に吹き出されるが、乗員に不快感や違和感を与える程ではないうえ、主となるフェイス吹出口14からは揺らぎをもって風が吹き出されることより空調フィーリングを向上することができる。
【0067】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、モード切換ドアに板ドアを用いているがこれに限るものではなく、ロータリドア等の軸回動ドアや、フレキシブルドア、フィルムドア等の面スライドドア等であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1〜3実施形態に係わる車両用空調装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の車両用空調装置に用いられるECUのメイン制御例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施形態における揺らぎ制御の処理を示すフローチャートである。
【図4】図3のフローチャート中で行うフェイスとデフロスタとの開度変化を表すドアダイアグラムである。
【図5】図3のフローチャート中で行うフェイスとフットとの開度変化を表すドアダイアグラムである。
【図6】図3のフローチャート中で行うフットとデフロスタとの開度変化を表すドアダイアグラムである。
【図7】本発明の第2実施形態における揺らぎ制御の処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3実施形態における揺らぎ制御の処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第4実施形態に係わる車両用空調装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図10】図9で、各吹出モードと各吹出モードドアの開度の推移を示すドアダイアグラムである。
【符号の説明】
14 フェイス吹出口
15 フット吹出口
16 デフロスタ吹出口
18 フェイスドア(モード切換ドア)
19 フットドア(モード切換ドア)
20 デフロスタドア(モード切換ドア)
21 エアコンECU(揺らぎ制御手段)
TAO 必要吹出温度
Claims (3)
- 少なくともフェイス吹出口(14)、フット吹出口(15)及びデフロスタ吹出口(16)を含む複数の吹出口から車室内に吹き出される吹出風のモードを切り換えるモード切換ドア(18〜20)と、
選定された吹出モードに応じ、主となる前記吹出口(14〜16)から吹き出すべき吹出風の一部を、乗員に違和感を与えない他の前記吹出口(14〜16)から周期的に吹き出させることで、前記主となる吹出口(14〜16)からの吹出風が揺らぐよう前記モード切換ドア(18〜20)を制御する揺らぎ制御手段(21)とを備えた車両用空調装置において、
吹出モードとしてフットモードまたはフット・デフロスタモードが選定されたうえ前記揺らぎ制御を行なう場合、前記モード切換ドア(18〜20)のうちフットドア(19)とデフロスタドア(20)とを所定の範囲内で周期的に往復揺動させることを特徴とする車両用空調装置。 - 少なくともフェイス吹出口(14)、フット吹出口(15)及びデフロスタ吹出口(16)を含む複数の吹出口から車室内に吹き出される吹出風のモードを切り換えるモード切換ドア(18〜20)と、
選定された吹出モードに応じ、主となる前記吹出口(14〜16)から吹き出すべき吹出風の一部を、乗員に違和感を与えない他の前記吹出口(14〜16)から周期的に吹き出させることで、前記主となる吹出口(14〜16)からの吹出風が揺らぐよう前記モード切換ドア(18〜20)を制御する揺らぎ制御手段(21)とを備えた車両用空調装置において、
吹出モードとしてバイレベルモードが選定されたうえ前記揺らぎ制御を行なう場合、前記モード切換ドア(18〜20)のうちフェイスドア(18)とフットドア(19)とを所定の範囲内で周期的に往復揺動させるとともに、車室内を設定温度とするための必要吹出温度(TAO)に応じて前記フェイスドア(14)と前記フットドア(15)とを周期的に往復揺動させる範囲を可変することを特徴とする車両用空調装置。 - 前記複数の吹出口(14〜16)から車室内に吹き出す吹出風の吹出モード、及び吹出風量を自動で決定するフルオート制御機能を持つ車両用空調装置において、
前記フルオート制御状態にて車室内の温度が安定した定常状態であると判断した場合、自動的に前記揺らぎ制御を実施することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
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