JP3854420B2 - 電磁流量計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料充填機械等で充填する流体の流量を検出する電磁流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲料充填機械では、例えばガラスビン、PETボトル等の容器に飲料を充填する際、充填する飲料の流量を流量計により計測し、その計測結果に基づいて適量の飲料が容器に充填されるように流量制御を行なっている。上記流量計としては、電磁的に流量を計測する電磁流量計がある。この従来の電磁流量計は、図5に示すように構成されている。
【0003】
図5において、1は流体流量を検出するための検出管で、少なくとも内側が絶縁体で形成されており、その流路中を例えば飲料等の流体2が流れる。上記検出管1には、直径方向に流路に対して対称に、つまり、対向するように一対の電極3a、3bが取り付けられている。また、検出管1の外側には、電極3a、3bから90°シフトした位置で対向するように一対の電磁コイル4a、4bが取り付けられる。この電磁コイル4a、4bは、励磁回路5から励磁電流が供給される。
【0004】
上記励磁回路5は、スイッチング回路6及び定電流回路7により構成されている。スイッチング回路6は、例えば半導体素子により構成される4つのスイッチ素子6a〜6dがブリッジ接続されてなり、一端に電源ライン8から直流電圧Vccが供給され、他端が定電流回路7を介して接地される。そして、上記スイッチ素子6a、6bの接続点とスイッチ素子6c、6dの接続点との間に、上記電磁コイル4a、4bが直列に接続される。上記スイッチング回路6は、スイッチ素子6aと6d、スイッチ素子6bと6cがそれぞれ対をなして動作するように、後述するCPU(マイクロコンピュータ)27から励磁パルスが与えられる。すなわち、スイッチ素子6a、6bの制御端子には上記CPU27からの励磁パルスがインバータ28を介して与えられ、スイッチ素子6b、6cの制御端子には上記励磁パルスが直接与えられる。
【0005】
また、上記定電流回路7は、演算増幅回路9と例えばNPN型のトランジスタ10を主体として構成され、演算増幅回路9の+端子に電流値を設定する設定電圧が与えられる。すなわち、電源ライン11に与えられる直流電圧が抵抗12a、12bにより分圧され、その分圧電圧が演算増幅回路9の+端子に入力される。そして、演算増幅回路9の出力信号がトランジスタ10のエミッタに入力される。このトランジスタ10は、コレクタがスイッチング回路6に接続され、エミッタが基準抵抗13を介して接地されると共に演算増幅回路9の−端子に接続される。上記定電流回路7は、トランジスタ10のエミッタ電圧を演算増幅回路9に負帰還してスイッチング回路6に一定の電流が流れるように制御している。
【0006】
そして、上記励磁回路5により電磁コイル4a、4bが励磁されると、検出管1の電極3a、3bに流体速度、磁場強度等に応じた電圧が誘起する。上記電極3a、3bに誘起した電圧は、それぞれ抵抗及びコンデンサからなるローパスフィルタ14a、14bを介して演算増幅回路15a、15bに入力され、その出力がそれぞれ抵抗16a、16bを介して差動増幅回路17に入力される。この差動増幅回路17は、+端子が抵抗18aを介して接地され、出力端子と−端子との間に抵抗18bが接続される。
【0007】
上記差動増幅回路17の出力信号は、コンデンサ及び抵抗からなるハイパスフィルタ19を介して同期検出回路(サンプル/ホールド回路)20a、20bに入力される。上記同期検出回路20a、20bは、CPU27からアンド回路29、30を介して与えられるサンプリングパルスに同期して上記電極3a、3bへの誘起電圧を検出する。この場合、アンド回路29には、CPU27から出力される励磁パルスがインバータ28を介して入力され、アンド回路30には直接入力される。すなわち、CPU27から出力される励磁パルスが“H”レベルのときはアンド回路30のゲートが開いてサンプリングパルスが同期検出回路20bへ送られ、励磁パルスが“L”レベルのときはインバータ28の出力が“H”レベルとなってアンド回路29のゲートが開き、サンプリングパルスが同期検出回路20aへ送られるようになっている。
【0008】
上記同期検出回路20a、20bの出力信号は、それぞれ抵抗21a、21bを介して流量変換回路22へ送られる。この流量変換回路22は、差動増幅回路23を用いて構成され、−端子と接地間に可変抵抗24が接続され、出力端子と+端子との間に可変抵抗25が接続される。上記可変抵抗24、25により、流量変換回路22における変換量が調整される。
【0009】
上記流量変換回路22の出力信号は、A/D変換回路26によりA/D変換されてCPU27へ送られる。このCPU27は、上記したように励磁パルス及びサンプリングパルスを出力すると共に、A/D変換回路26からの流量信号に応じて飲料充填機械(図示せず)へ制御信号を出力する。すなわち、CPU27は、A/D変換回路26からサンプリングパルスに同期して出力される流量を積算し、その積算した流量データを飲料充填機械へ出力すると共に、上記積算流量が所定の流量に達した時、つまり、容器に充填した飲料が適量に達した時に接点出力を飲料充填機械へ出力する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように検出管1に磁界を印加して流体2の流量を計測する電磁流量計では、例えば検出管1の直径をd(m)、電磁コイル4a、4bにより与えられる磁束密度をB(T)、導電性のある流体2の流速をv(m/s)とし、かつ、磁界が均一で検出管1内が軸対称流速分布の場合、流体2中に発生する電圧e(v)は、次式で求められる。
【0011】
e=B・d・v ・・・(1)
従って、検出管1の電極3a、3bに誘起した電圧eを計測すれば、一意的に流速vを求めることができ、この流速vから流体2の流量を算出できる。
【0012】
上記電極3a、3bに生じる電位は、流体2との間に生じる電圧を示している。この場合、上記流体2の移動により発生する信号電圧が数mVであるのに対し、ノイズが数mVから数V程度発生するため、直流では計測できず、通常交番磁界を電磁コイル4a、4bに印加して計測する。しかし、交番磁界を用いると、電磁誘導により
En=−dφ/dt=−dBA/dt=−A(dB/dt) ・・・(2)
但し、A:検出管1の断面積
なる起電力が電磁コイル4a、4bに発生する。つまり、電磁コイル4a、4bに正弦波交流電流を印加した場合、発生する磁束密度を
B=B0sinωt ・・・(3)
とすると、起電力Enは、
En=−AB0cosωt ・・・(4)
となる。
【0013】
これから分かるように電磁コイル4a、4bの起電力Enは、信号成分とは90°の位相差がある。また、この電磁誘導電圧が、検出信号線−流体−電極−検出信号線で構成される1ターンコイル側に印加されると、この経路に渦電流が、液抵抗と電極の界面電気2重層容量(インピーダンス:Rc)とで構成される1次遅れ回路によって生じる。これは次式(5)に示すように電磁誘導電圧Enの一次微分された形で印加される。
【0014】
【数1】
【0015】
このため電磁流量計では、正弦波励磁方法を用いて90°成分を除去しているが、渦電流により生じる電圧Ecが同相ノイズとなり、除去しにくい。特に電磁誘導により発生したノイズは短時間で零になるが、渦電流により発生したノイズは充分に時間が経過しないと零にならない。
【0016】
このため最近では、周波数成分を無くし直流とみなせるように、CPU27から図6(a)に示す例えば30Hz程度の方形波を励磁パルスとして出力し、この励磁パルスにより電磁コイル4a、4bを励磁して磁束密度が変化しない区間を作り、渦電流により発生する電圧Ecを無視できるようにし、且つ、この方形波励磁による一定の電圧印加部分に同期して電圧を計測し、流量換算を行なっている。すなわち、電磁コイル4a、4bで一定強度の磁界を発生させるために、励磁回路5に設けたスイッチング回路6により周期的に極性を切替えている。また、磁界を安定させるために電磁コイル4a、4bに流れる電流を一定にする様、定電流回路7にて電流フィードバックを行ない、この電流フィードバックが正常に動作している区間で流体2中に発生した電圧を計測している。
【0017】
上記のように方形波励磁方式を用いることにより、電極及び検出信号線等で構成される1ターンコイルにより誘起される渦電流雑音を抑制することができるが、電磁コイル4a、4bに供給する電流の方向を切替える時、図6(b)に示すように電磁コイル4a、4bの時定数によって立上がりに遅れを伴うため、計測の応答性が悪いという問題がある。計測の応答性を高めるには、方形波励磁を高周波化することが考えられるが、高周波化すると方形波励磁の一定のある値で設定した電流値になる前に励磁方向の切替えが始まるので、正確な計測ができない。
【0018】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、渦電流雑音を抑制し得ると共に、計測の応答性を高めることができる電磁流量計を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも内側が絶縁体で形成された検出管に一対の電極を対向するように設けると共に、前記電極の直角方向に対向するように電磁コイルを設けて該電磁コイルを方形波励磁方式で励磁し、前記検出管内を流れる流体中で発生する電圧を前記電極を介して計測し、前記電磁コイルへの励磁極性を切替える毎に励磁電流を一時的に増大させる励磁手段を備えた電磁流量計において、
前記励磁手段は、前記電磁コイルへの励磁極性を切替えるスイッチング回路と、前記励磁電流を安定化する定電流回路と、この定電流回路の電流制御用基準抵抗に生じる電圧を監視する電圧監視回路と、前記励磁極性の切替え毎に前記電流制御用基準抵抗を前記電圧監視回路の出力信号により通常値より小さい値に切替えて前記励磁電流を増加させ、前記電流制御用基準抵抗に生じる電圧が設定値に達したときに前記電流制御用基準抵抗を通常値に切替えるバイパススイッチとを具備し、
前記電流制御用基準抵抗は、2つの抵抗に2分されると共に2つの抵抗の一方に並列に微少抵抗と前記バイパススイッチの直列回路が設けられたものであることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0021】
(検討例1)
図1は、本発明の検討例1に係る電磁流量計の構成図である。この検討例1に係る電磁流量計は、図5に示した従来の電磁流量計に対し、励磁回路5の構成が異なるもので、他の部分は同様の構成であるので図5と同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0022】
この検討例1では、励磁回路5のスイッチング回路6に供給する電源ラインとして、励磁切替え時の電圧Vcc1例えば24Vの電圧を供給する電源ライン8Aと、定常時の電圧Vcc2例えば12Vの電圧を供給する電源ライン8Bを備えている。上記電源ライン8A、8Bの電圧は、例えば半導体素子等によって構成されるスイッチ31、32により選択されてスイッチング回路6に供給される。一方、定電流回路7側には、基準抵抗13に生じる電圧を監視する電圧監視回路33を設けている。この電圧監視回路33は、CPU27から出力される励磁パルスの前縁及び後縁によってリセットされる。電圧監視回路33は、リセットされると、例えば“H”レベルの信号を出力し、基準抵抗13に生じる電圧が所定の設定電圧Vtに達するまでは上記“H”レベルの信号を保持し、設定電圧Vtに達すると“L”レベルの信号を出力する。この電圧監視回路33の出力信号は、スイッチ31の制御端子に供給されると共に、インバータ34を介してスイッチ32の制御端子に供給される。すなわち、CPU27から出力される励磁パルスにより励磁回路5のスイッチング回路6が動作し、電磁コイル4a、4bに供給する励磁電流の極性を切替えるが、この極性切替え時の初期状態では電圧監視回路33の出力によりスイッチ31側をオンし、その後、基準抵抗13に生じる電圧が設定レベルに達すると、スイッチ32側をオンするようにしている。
【0023】
上記検討例1は、励磁電流の極性を切替えた際に通常より高い電圧を励磁回路5に供給し、その後、通常の電圧値に切替えることにより、励磁電流の立上がり特性を改善するようにしたもので、以下、その動作原理について説明する。なお、定常状態において基準抵抗13で計測される電圧は、電磁コイル4a、4b内の抵抗値と基準抵抗値との分圧になるだけであるので、説明を簡単にするためにコイル内の抵抗値を無視して説明する。
【0024】
定電流回路7の基準抵抗13と接地間の電圧VRは、基準抵抗13の値Rと印加している電流iから、
VR=R・i+dL・di/dt ・・・(6)
但し、Lはコイルのインダクタンスとなる。この(6)式を解くと、電流iは、
i=Vr{1−exp(−Rt/L)}/R ・・・(7)
となり、電流の立上がり特性を表わす時定数は、L/Rとなる。つまり、電流の立上がり特性は、コイルのインダクタンスLに依存することが判る。従って、電流の立上がり特性を改善するためには、設定電圧値を大きくするか、基準抵抗13の抵抗値Rを小さくすれば良い。
【0025】
上記検討例1では、励磁回路5への供給電圧を大きくすることにより、回路内に流れる電流量を多くして電流立上がり特性を改善しており、以下、その動作を図2に示す各部の信号波形図を参照して説明する。図2(a)はCPU27から出力される励磁パルスの波形、同図(b)は励磁回路5への供給電圧波形、同図(c)は定電流回路7の基準抵抗13に生じる電圧波形である。まず、CPU27から図2(a)に示す例えば100Hzの方形波が励磁パルスとして励磁回路5のスイッチング回路6に供給される。上記励磁パルスが“H”レベルの時はスイッチング回路6のスイッチ素子6a、6dがオン、スイッチ素子6b、6cがオフとなり、また、励磁パルスが“L”レベルの時はスイッチ素子6a、6dがオフ、スイッチ素子6b、6cがオンとなる。上記のように励磁パルスによってスイッチ素子6a、6dと、スイッチ素子6b、6cが交互にオン/オフすることにより、電磁コイル4a、4bに供給される励磁電流の極性が切替えられる。
【0026】
電圧監視回路33は、上記励磁電流により基準抵抗13に生じる電圧を監視し、上記したように励磁パルスによってリセットされた後、基準抵抗13に生じる電圧が所定の設定電圧Vtに達するまでは“H”レベルの信号を出力する。電圧監視回路33から“H”レベルの信号が出力されると、スイッチ31がオン、スイッチ32がオフとなり、電源ライン8Aより与えられる高電圧Vcc1(24V)が選択されて励磁回路5に供給される。従って、励磁電流の極性が切替えられた時は、図2(b)に示すように高電圧Vcc1(24V)により電磁コイル4a、4bが励磁され、図2(c)に示すように励磁電流の立上がりが鋭くなる。
【0027】
また、電圧監視回路33は、基準抵抗13に生じる電圧が図2(c)に示すように所定の電圧Vtに達すると、出力電圧を“L”レベルに立下げる。この電圧監視回路33の出力電圧が“L”レベルに立下がると、スイッチ31がオフすると共に、インバータ34の出力が“H”レベルとなってスイッチ32がオンし、電源ライン8Bより与えられる通常電圧Vcc2が選択されて励磁回路5に供給される。その後、定電流回路7の作用により、励磁電流が一定に保たれ、基準抵抗13に生じる電圧も一定となる。そして、この基準抵抗13に生じる電圧が安定した状態で計測処理が行なわれる。以下、同様の処理が繰り返される。
【0028】
上記検討例1によれば、方形波励磁方式により電磁コイル4a、4bを励磁すると共に、励磁電流の極性を切替えた際に、励磁回路5への供給電圧を大きくし、その後、定電流回路7の基準抵抗13に生じる電圧が所定の設定レベルに達した時に供給電圧を通常の値に切替えるようにしているので、渦電流雑音を抑制できると共に、励磁電流の立上がり特性を改善して応答性を高めることができる。また、CPU27から出力される励磁パルスの周波数を高くしても、安定した励磁状態に移行させて計測処理を正確に行なうことができる。
【0029】
(検討例2)
次に本発明の検討例2について説明する。図3は、本発明の検討例2に係る励磁回路5部分のみの構成を示したもので、その他の構成は検討例1と同じであるので省略している。
【0030】
この検討例2では、定電流回路7の演算増幅回路9に供給する設定電圧を切替えて励磁電流を制御することにより、励磁電流の立上がり特性を改善している。すなわち、定電流回路7において、電源ライン11の供給電圧を直列接続の抵抗12a、12b、12cにより分圧し、抵抗12cの両端に生じた電圧を演算増幅回路9の+端子に供給している。そして、上記抵抗12bに並列にバイパススイッチ41を設け、このバイパススイッチ41を電圧監視回路33の出力電圧により切替え制御し、励磁電流の極性切替え時に励磁電流が増加するように構成している。
【0031】
上記の構成において、電圧監視回路33は、上記励磁電流により基準抵抗13に生じる電圧を監視し、上記したように励磁パルスによってリセットされた後、基準抵抗13に生じる電圧が所定の設定電圧Vtに達するまでは“H”レベルの信号を出力する。この電圧監視回路33の出力電圧が“H”レベルになると、バイパススイッチ41がオンし、抵抗12bを短絡する。この結果、電源ライン11の供給電圧は、抵抗12aと抵抗12cにより分圧されることになり、抵抗12cに生じる電圧、つまり、演算増幅回路9に対する設定電圧が上昇する。従って、演算増幅回路9の出力電圧が上昇し、トランジスタ10に流れる電流、すなわち、電磁コイル4a、4bに対する励磁電流が増加する。そして、基準抵抗13に生じる電圧が図2(c)に示すように所定の設定電圧Vtに達すると、電圧監視回路33から出力される信号が“L”レベルとなり、バイパススイッチ41がオフする。これにより電源ライン11の供給電圧は、3つの抵抗12a、12b、12cにより分圧され、抵抗12cに生じる電圧が低下し、通常の設定電圧となる。その後、定電流回路7の作用により、励磁電流が一定に保たれ、基準抵抗13に生じる電圧も一定となる。そして、この基準抵抗13に生じる電圧が安定した状態で計測処理が行なわれる。
【0032】
上記検討例2においても、検討例1と同様に渦電流雑音を抑制できると共に、励磁電流の立上がり特性を改善して応答性を高めることができる。
【0033】
(第1実施形態)
次に本発明の第1実施形態について説明する。図4は、本発明の第1実施形態に係る励磁回路5部分のみの構成を示したもので、その他の構成は検討例1と同じであるので省略している。
【0034】
この第1実施形態では、定電流回路7における電流制御用基準抵抗13の値を切替えて励磁電流を制御することにより、励磁電流の立上がり特性を改善している。すなわち、定電流回路7における電流制御用基準抵抗13を2つの抵抗13a、13bに2分し、抵抗13bに並列に微少抵抗13cとバイパススイッチ43aの直列回路を設け、このバイパススイッチ43aを電圧監視回路33の出力電圧により切替え制御して、励磁電流の極性切替え時に励磁電流が増加するようにしている。
【0035】
上記の構成において、電圧監視回路33は、電流制御用基準抵抗13に生じる電圧を監視し、励磁パルスによってリセットされた後、電流制御用基準抵抗13に生じる電圧が所定の設定電圧Vtに達するまでは“H”レベルの信号を出力する。この電圧監視回路33の出力電圧が“H”レベルになると、バイパススイッチ43aがオンし、抵抗13bに対し微少抵抗13cを並列に接続する。この結果、電流制御用基準抵抗13b、13cの並列合成値は非常に小さいものとなり、電流制御用基準抵抗13は略抵抗13aのみの値となる。従って、バイパススイッチ43aがオンすると、電流制御用基準抵抗13の値が小さくなり、トランジスタ10に流れる電流、つまり、電磁コイル4a、4bの励磁電流が増加する。そして、電流制御用基準抵抗13に生じる電圧が図2(c)に示すように所定の電圧Vtに達すると、電圧監視回路33から出力される信号が“L”レベルとなり、バイパススイッチ43aがオフし、基準抵抗13は通常時の値に戻る。その後、定電流回路7の作用によって励磁電流が一定に保たれ、電流制御用基準抵抗13に生じる電圧も一定となる。そして、この電流制御用基準抵抗13に生じる電圧が安定した状態で計測処理が行なわれる。
【0036】
上記第1実施形態においても、検討例1と同様に渦電流雑音を抑制できると共に、励磁電流の立上がり特性を改善して応答性を高めることができる。
【0037】
なお、上記実施形態、各検討例では、定電流回路7内にトランジスタ10を設けたが、このトランジスタ10に代えてFET(電界効果トランジスタ)を用いても良いことは勿論である。
【0038】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、少なくとも内側が絶縁体で形成された検出管に一対の電極を対向するように設けると共に、前記電極の直角方向に対向するように電磁コイルを設けて該電磁コイルを方形波励磁方式で励磁し、前記検出管内を流れる流体中で発生する電圧を前記電極を介して計測し、前記電磁コイルへの励磁極性を切替える毎に励磁電流を一時的に増大させる励磁手段を備えた電磁流量計において、前記励磁手段は、前記電磁コイルへの励磁極性を切替えるスイッチング回路と、前記励磁電流を安定化する定電流回路と、この定電流回路の電流制御用基準抵抗に生じる電圧を監視する電圧監視回路と、前記励磁極性の切替え毎に前記基準抵抗を前記電圧監視回路の出力信号により通常値より小さい値に切替えて前記励磁電流を増加させ、前記基準抵抗に生じる電圧が設定値に達したときに前記電流制御用基準抵抗を通常値に切替えるバイパススイッチとを具備し、前記電流制御用基準抵抗は、2つの抵抗に2分されると共に2つの抵抗の一方に並列に微少抵抗と前記バイパススイッチの直列回路が設けられたものであるようにしたことにより、渦電流雑音を抑制できると共に、励磁電流の立上がり特性を改善して応答性を高めることができる。また、電磁コイルを励磁する励磁信号の周波数を高くしても、安定した励磁状態に移行させることが可能であり、応答性を高めながら計測処理を正確に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検討例1に係る電磁流量計の構成図。
【図2】同検討例1の動作を説明するための各部の信号波形図。
【図3】本発明の検討例2に係る電磁流量計の要部構成図。
【図4】本発明の第1実施形態に係る電磁流量計の要部構成図。
【図5】従来の電磁流量計の構成図。
【図6】従来の電磁流量計の動作を説明するための各部の信号波形図。
【符号の説明】
1 検出管
2 流体
3a、3b 電極
4a、4b 電磁コイル
5 励磁回路
6 スイッチング回路
7 定電流回路
8、8A、8B、11 電源ライン
9、15a、15b 演算増幅回路
10 トランジスタ
13 基準抵抗
17 差動増幅回路
20a、20b 同期検出回路
22 流量変換回路
23 差動増幅回路
26 A/D変換回路
27 CPU
31、32 スイッチ
33 電圧監視回路
41、43a バイパススイッチ
Claims (1)
- 少なくとも内側が絶縁体で形成された検出管に一対の電極を対向するように設けると共に、前記電極の直角方向に対向するように電磁コイルを設けて該電磁コイルを方形波励磁方式で励磁し、前記検出管内を流れる流体中で発生する電圧を前記電極を介して計測し、前記電磁コイルへの励磁極性を切替える毎に励磁電流を一時的に増大させる励磁手段を備えた電磁流量計において、
前記励磁手段は、前記電磁コイルへの励磁極性を切替えるスイッチング回路と、前記励磁電流を安定化する定電流回路と、この定電流回路の電流制御用基準抵抗に生じる電圧を監視する電圧監視回路と、前記励磁極性の切替え毎に前記電流制御用基準抵抗を前記電圧監視回路の出力信号により通常値より小さい値に切替えて前記励磁電流を増加させ、前記電流制御用基準抵抗に生じる電圧が設定値に達したときに前記電流制御用基準抵抗を通常値に切替えるバイパススイッチとを具備し、
前記電流制御用基準抵抗は、2つの抵抗に2分されると共に2つの抵抗の一方に並列に微少抵抗と前記バイパススイッチの直列回路が設けられたものであることを特徴とする電磁流量計。
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