JP3851723B2 - ディスク記憶装置及び同装置におけるセグメントキャッシュ制御方法 - Google Patents

ディスク記憶装置及び同装置におけるセグメントキャッシュ制御方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホストとディスク媒体間で転送されるデータを一時的に記憶するバッファメモリを備えたディスク記憶装置に係り、特に当該バッファメモリのバッファ領域を複数のセグメントに分割し、これをアドレスに応じて順位付け管理を行うことでディスク媒体への書き込みを効率よく行うのに好適なディスク記憶装置及び同装置におけるセグメントキャッシュ制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のディスク記憶装置は、ホスト(ホストコンピュータ等のホストシステム)とディスク媒体間で転送されるデータを一時的に記憶するバッファメモリを備えているのが一般的である。
【0003】
特開平8−328747号公報には、バッファメモリを効率よく管理するための技術(以下、先行技術と称する)が記載されている。上記公報に記載された先行技術では、例えば図7に示すように、バッファメモリ71(のキャッシュバッファ領域)には、バースト転送用のセグメントBと、リードとライト兼用のセグメントAとが確保され、それぞれがデータ転送時のタイミングに応じてサイズや開始アドレスが変更されるようになっている。
【0004】
このようなバッファメモリ71を備えた上記公報記載のディスク記憶装置では、ホスト72から例えば16ブロックのディスク書き込みを指示するライトコマンドを受け取ると、バッファメモリ71にそのデータが遅延なく連続して転送される。転送されたデータはバッファメモリ71上のバースト転送用セグメントBに格納される。ここでは、セグメントBのサイズは16ブロック(16セクタサイズ)、セグメントAのサイズは20ブロック(20セクタサイズ)、1セクタサイズは512バイトであるとする。
【0005】
図7の例では、ホスト72から転送されたデータはHP(ホストポインタ)が指すセグメントBの開始アドレスa1、例えば10000H(末尾のHは16進表現であることを示す)から順次格納されていく。転送データのサイズは16ブロックであるため、10000HからセグメントBの終端である11FFFHまでデータが貯えられることになる、
ここで、先のライトコマンドに続いて次のライトコマンドが発行されたものとする。このとき、HPはセグメントBの開始アドレスaを示しているが、これを次のアドレスであるセグメントAの開始アドレスa2、つまり12000Hを指すように変更することで、次のライトコマンドに応じてホストから遅延なく送られてくるデータを空いているセグメントAに格納することができる。ホスト72はセグメントBにデータを転送しているつもりで、実際はセグメントAにデータを転送していることになる。
【0006】
そして、またデータが16ブロック分転送されると、ホスト72側からみたときセグメントBは満杯になり、アドレスa2に到達したことになるため、今度はHPにセットするアドレスをセグメントBの開始アドレスa1にする。このようにHPにセグメントB→セグメントA→セグメントB→…の如く開始アドレスを交互に切り替え設定しながらデータ転送を連続して行う。
【0007】
ホストからデータがセグメントA,Bに転送されている間、まずセグメントBに格納されたデータは、DP(ディスクポインタ)が指すセグメントBの開始アドレスa3から順に取り出されてディスク73に書き込まれる。そしてセグメントBのデータが空になると、DPにセグメントAのアドレスa4がセットされて、今度はセグメントAに格納されているデータがディスク73に書き込まれる。以下、DPについてもHPと同様にセグメントB→セグメントA→セグメントB→…のように切り替え設定を繰り返していくことで、データ転送を遅延させることなくディスク73に格納していくことができる。
【0008】
このように上記先行技術は、ホストからシーケンシャルにライトコマンドが発行される場合、つまりライトマルチプルコマンドのように複数の書き込みブロックが連続して送られてくる場合に、データを遅延なく連続的にディスクに書き込むことを目的としたシーケンシャルライトに適した技術である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記先行技術は、ライトマルチプルコマンドのように複数の書き込みブロックが連続して送られてくる場合、つまりシーケンシャルライトの場合に、バッファメモリ上のバースト転送用セグメントとリード/ライト兼用セグメントを用いて、遅延なく効率的にディスク媒体ヘのデータ書き込みを行うことには確かに適している。
【0010】
しかし、送られてくるデータが1ブロックや2ブロック等の小サイズの場合で書き込み先アドレスが連続していない場合、つまりランダムライトの場合には、ホストからライトコマンドが発行される度にディスクヘの書き込みを行うため、ヘッドのシーク動作やディスクの回転待ち時間などのディスクアクセスヘのオーバーヘッドが大量に発生する。これは、不連続なアドレスヘのアクセスを要求するランダムライトコマンドが頻繁に発生したときに起きる問題である。
【0011】
本発明は上記事情を考慮してなされたものでその目的は、ホストから転送されたデータが小ブロックサイズの場合は、分割したセグメントに保持していき、物理的にある程度連続したセクタヘのアクセスが可能な状態のときにディスクアクセスを行うことにより、ヘッドの移動量とディスクアクセス回数を軽減してオーバーヘッドを小さくし、ランダムライトの速度向上が図れるディスク記憶装置及び同装置におけるセグメントキャッシュ制御方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ヘッドによる記録再生が行われるディスク媒体とホストとの間で転送されるデータを一時的に記憶するバッファメモリを備えたディスク記憶装置において、上記バッファメモリ内に確保される、複数のセグメントに分割可能なセグメントキャッシュバッファと、このセグメントキャッシュバッファ内の各セグメント毎に生成されるセグメント管理ブロックであって、当該セグメントに記憶されているデータのディスク媒体上の書き込み先を示すアドレス情報が設定されるアドレスフィールド、当該セグメントのサイズを示すセグメント長が設定されるセグメント長フィールド、並びにヘッドの移動動作が所定の時間内に行える位置関係にあるアドレス情報同士を同一グループとして分類する情報が設定される近傍アドレス別分類フィールドを持つセグメント管理ブロックを備え、上記セグメントキャッシュバッファを管理するためのセグメント管理テーブル記憶手段と、ホストからディスク書き込みを指定するライトコマンドが発行されると共にディスク書き込みの対象となるデータが転送され、そのデータサイズが所定サイズ以下である場合に、当該データを上記セグメントキャッシュバッファ内に割り当てた同サイズのセグメントに記憶させると共に、当該セグメントを管理するためのセグメント管理ブロックを上記セグメント管理テーブル内に生成するセグメントキャッシュ制御手段と、上記セグメント管理テーブル内に生成された、近傍アドレス別分類フィールドで同一グループに分類されたセグメント管理ブロックのうち、予め定められた書き込み条件を満たしたグループのセグメント管理ブロックに基づいて、グループ単位でディスク書き込みを行うディスク書き込み制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
即ち本発明においては、小ブロックサイズの不連続なアドレスのライトコマンドが連続して発行された場合、つまりランダムライトのときは、転送データを複数のセグメントに分割可能なセグメントキャッシュバッファに一時的に格納しておくと共に、ディスク書き込み先を示すアドレス情報が、連続してディスク書き込みが行えるようなディスク媒体上の位置関係にあるもの同士を同一グループとして分類して管理するためのセグメント管理ブロックを各セグメント毎にセグメント管理テーブル内に生成登録しておき、書き込み条件が成立した場合に、該当するグループに属するセグメント管理ブロックに従って、まとめてディスク書き込みが行われる構成を適用している。
【0014】
このように本発明によれば、小ブロックサイズの不連続なアドレスのライトコマンドが連続して発行された場合に、セグメント管理テーブルを使用してデータの書き込みタイミングを調整し、連続してデータを書き込める状態となったときにグループ単位でディスク書き込みが行われることから、ディスクアクセス回数を減らしてオーバーヘッドを低減することが可能となる。
【0015】
また本発明においては、アドレス順にグループ分けするのではなく、ヘッドの移動動作が所定の時間内に行えるような物理的な位置関係、つまりディスクアクセス(ヘッド移動動作)が最適に行える位置関係にあるアドレス同士を同一グループとして分類し、グループ単位でディスク書き込みを行う構成としていることから、シークやスキューによるオーバーヘッドを減らすことができる。
【0016】
ここで同一グループとして分類するためのヘッド移動動作が所定時間内で行える条件として、書き込み先アドレスが同一トラック上、或いは(同一サブゾーン内の)隣接トラック上、或いはサブゾーンをまたいで隣接トラック上にあるといった物理的な位置関係を適用するとよい。この他、グループ分けに、ディスクの回転待ち時間が所定時間内に抑えられる物理的な位置関係を適用することも可能である。このようなグループ分けにより、ヘッド渡りやシリンダ渡り等のオーバーヘッドを軽減できる。
【0017】
なお、同一グループとして分類する条件として、ヘッドの移動動作が所定の時間内に行えるような物理的な位置関係を用いていることから、連続するアドレスであっても、この条件に合致しないものは同一グループとしての分類の対象外とすることで、グループ単位でまとめてディスク書き込みを行う際に、オーバーヘッドか発生するのを防ぐことが可能となる。
【0018】
また、上記の書き込み条件の成立を、近傍アドレス別分類フィールドで同一グループに分類されたセグメント管理ブロックの数が所定数を越えたことをもって判定することにより、グループ単位でまとめて行うディスク書き込みを効率的に行うことが可能となる。
【0019】
この他に、上記の書き込み条件の成立を、セグメントキャッシュバッファにおけるセグメント分割数が所定数に達したことをもって判定することにより、セグメント分割数が大きくなって、セグメント管理テーブルやキャッシュセグメントバッファのオーバーフローが発生するのを防ぐことができる。
【0020】
この他に、近傍アドレス別分類フィールドで分類されるグループを単位に、そのグループ内で最も最近に生成されたセグメント管理ブロックの生成時からの経過時間を調べ、所定時間を越えたたことをもって、該当するグループの書き込み条件が成立したと判定することにより、グループ分けによっては全くアクセスされない領域が発生するのを、LRU法(Least Recently Used Rule)的な手法の適用で防ぐことが可能となる。
【0021】
この他に、現在のヘッド位置からヘッド移動動作が所定の時間内に行える位置関係にあるアドレス情報を持つセグメント管理ブロックを含むグループが存在するのを検出した場合に、当該グループについて書き込み条件が成立したと判定することにより、ヘッドのシーク動作を最小に抑えることが可能となる。
なお、小ブロックサイズでない連続アドレスのライトコマンドに対しては、従来から知られているシーケンシャルライトを適用するとよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、磁気ディスク装置に適用した場合を例に図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の全体構成を示すブロック図である。
【0023】
図1の構成では、2枚のディスク(磁気記録媒体)11-0,11-1が積層配置された磁気ディスク装置を想定している。ディスク11-i(i=0,1)の両面(両記録面)には、同心円状の多数のトラックが形成される。ディスク11-iでは、トラック(シリンダ)の物理的な周の長さが長くなるディスク上の外周側の領域を有効に使用して当該ディスク11-iのフォーマット効率を上げるために、図2に示すように当該ディスク11-iの記録面を半径方向に(複数のトラックからなる)複数のゾーンZに分割し、各ゾーンZ毎に、シリンダ(トラック)当たりのデータセクタ数が異なる(外周側のゾーンほど多くなる)構成、即ちデータ転送速度(転送レート)が異なる(外周側のゾーンのシリンダほど速くなる)CDR(Constant Density Recording)方式のフォーマットを適用している。ゾーンZ内では、データは一定の記録密度でディスク11-iの回転方向に沿って記録される。
【0024】
ディスク11-iの各トラックには、ヘッドのシーク・位置決め等に用いられるサーボ情報が記録されたサーボ領域SVが等間隔で配置されている。このサーボ領域SV間はユーザ領域となっており、当該ユーザ領域には複数(一般には2〜5個)の記録単位としてのセクタ(データセクタ)が配置されている。各サーボ領域SVは、ディスク11-i上では中心から各トラックを渡って放射状に等間隔で配置されている。
【0025】
ゾーンZは、更に複数のサブゾーンSZに分割される。ここでは、ゾーンZは3つのサブゾーンSZに分割される。各サブゾーンSZは例えば図3に示すように3つのトラックを有している。トラック上のデータセクタにはディスク11-iの回転方向に当該トラックに沿って情報が書き込まれる。
【0026】
同一サブゾーンSZでは、論理アドレスは連続している。図3に示すディスク11-0,11-1の外周側のサブゾーンSZを例にとると、論理アドレスは、ディスク11-0のヘッド0の外周側からのトラックa,b,c、同じディスク11-0のヘッド1の内周側からのトラックd,e,fディスク11-1のヘッド0の外周側からのトラックg,h,i、そしてディスク11-1のヘッド1の内周側からのトラックj,k,lの順(アルファベット順)となっている。物理的にはトラックcに(内周方向に)隣接するトラックであって、当該トラックcと同じディスク11-0の記録面(ヘッド0)に配置されている別のサブゾーンSZ上のトラックmは、論理アドレス的には、トラックcに連続しておらず、ディスク11-1のヘッド3上のトラックlに連続している。
【0027】
このようなゾーンZの細分化(つまりサブゾーンSZ)と論理アドレスの割り付けの技術は、ディスク(ここではディスク11-0,11-1)上の限られたアドレス範囲(同一サブゾーンSZ)内でのランダムアクセスにおけるヘッド移動動作等を最適化するために提案されている従来技術である。
【0028】
この従来技術においては、例えば図3のディスク11-0,11-1で全面シーケンシャルライトをする場合には、まず最外周のサブゾーンSZを対象として、ヘッド0のトラックa上のデータセクタにデータが書き込まれる。次に隣接トラックつまりトラックb上のデータセクタにデータが書き込まれる。以下、同じサブゾーンSZを対象として、c,d,e,f,g,h,i,j,k,lのように、アルファベット順にデータが書き込まれる。そして、トラックl上のデータセクタへのデータ書き込みが完了すると、内周側に隣接する別のサブゾーンSZを対象に、m,n,o,p…のようにアルファベット順にデータが書き込まれる。つまり、1つのディスク11-iのサブゾーンSZに配置されたトラック上のデータセクタに対してデータの書き込みを終えると、同じディスク11-iの記録面上で半径方向(内周方向)に隣接する別のサブゾーンSZにヘッドを移動させず、ヘッド方向(ディスク面に対して垂直方向)に移動して次のヘッドに移り、その位置から外周方向に向かって同じサブゾーンSZに配置されたトラック上のデータセクタに対してデータの書き込みが行われる。
【0029】
同様のディスク書き込み動作は、ホストから連続してライトコマンドが発行され、且つそのアドレス(ライト先のディスクアドレス)が連続している場合にも行われる。即ち、ホストからライトコマンドが発行されると、対応するデータはバッファメモリ24に一時的に記憶される。その後複数のライトコマンドが連続して発行され、且つそのアドレスがa,b,c,d,e…のように連続している(シーケンシャルな)場合には、各コマンド毎にホストから転送されるデータがバッファメモリ24に溜まった後に、ディスク書き込みが連続して行われる。このように、ホストから連続してライトコマンドが発行され、且つそのアドレスが連続している場合には、バッファメモリ24にデータが溜まった後にディスク書き込みが連続して行われるため、ディスクアクセスによって発生するオーバーヘッドは問題とはならない。
【0030】
ところが、ホストから連続してライトコマンドが発行されても、そのアドレス(ライト先のディスクアドレス)が連続していない場合には、(アドレスが連続している場合と異なって)バッファメモリ24にデータを溜めておかずに、その都度、つまりホストからライトコマンドが発行される度にディスク書き込みが行われるために、オーバーヘッドが発生する。以下、このディスクアクセス時のオーバーヘッドについて説明する。
【0031】
ディスク11-iにアクセスする場合、同一トラック上の離れたデータセクタにアクセスするには、ディスク11-iの回転待ちが発生する。また離れたトラックにアクセスするにはトラックシークやトラックスキュー(位置ずれ)が発生し、ヘッド切り替えを行った場合でもヘッドスキューが発生する。このようにシーケンシャルでないアドレスにアクセスする場合、つまりランダムなアドレスにアクセスする場合は、上記したシークやスキューによる膨大なオーバーヘッドが生じる。
【0032】
サブゾーンSZを適用した従来技術は、このようなランダムアクセス時のパフォーマンスを改善するためのもので、シーク時間の短縮を図るため、先に述べたようにサブゾーンSZの範囲内でアクセス方向をヘッド方向(ヘッド0→ヘッド1→ヘッド2→ヘッド3)とすることで、シリンダ方向(外周から内周への半径方向)の平均シーク距離を短くしている。しかし、この従来技術でも、アドレスが例えばm,k,c,qの場合のように、サブゾーンSZ間のヘッド移動とヘッド切り替えとを同時に必要とする場合(m→k,c→q)には、ヘッド12及びトラックのシーク動作やスキューが頻繁に発生して、ヘッドの移動量とディスクの回転待ち時間が増加し、オーバーヘッドが大きくなる。
【0033】
このように、サブゾーンSZを適用した従来技術は、限られたアドレス範囲(同一サブゾーン)内でのランダムアクセスにおけるヘッド移動動作等に関する論理アドレスによる最適化技術であり、当該アドレス範囲から外れているランダムアクセス、つまりディスク媒体全体のランダムアクセスに対しては何ら考慮されておらず、オーバーヘッドを少なくすることはできなかった。また、同一サブゾーンSVであっても、ランダムなアクセス、例えばトラックa上のデータセクタ、次にトラックd上のデータセクタ、次にまたトラックa上のデータセクタ、というようなディスク書き込みを指定するライトコマンドが連続して発生すると、ライトコマンドが発生する度にディスク書き込みが行われることから、オーバーヘッドは少なくない。また、ヘッド移動量やディスクの回転待ち時間も必ずしも少なくない。
【0034】
そこで本実施形態では、後述するように、セグメントキャッシュバッファ240へのライトコマンド単位の一時的なデータ保持動作と、セグメント管理テーブル220を利用して物理的にある程度連続したセクタヘのアクセスが可能な状態のときに行われるディスク書き込み動作により、バッファメモリ24ディスク11-0,11-1の全領域のランダムアクセスに対し、ヘッドの移動量及びディスクアクセスの回数の低減を可能とする物理アドレスによる最適化を図るようにしている。
【0035】
再び図1を参照すると、各ディスク11-iの各記録面側には、それぞれヘッド(磁気ヘッド)12が当該ディスク11-iの記録面に対向して設けられている。各ヘッド12はロータリ型アクチュエータとしてのキャリッジ(ヘッド移動機構)13に取り付けられており、当該キャリッジ13の回動に従ってディスク11-iの半径方向に移動する。これにより、ヘッド12は、目標トラック上にシーク・位置決めされるようになっている。ディスク11-iはスピンドルモータ(SPM)14により高速に回転する。キャリッジ13は、ボイスコイルモータ(VCM)15により駆動される。
【0036】
スピンドルモータ14及びボイスコイルモータ15は、モータドライバ回路(モータドライバIC)16に接続されている。モータドライバ回路16は、スピンドルモータ14に制御電流を流して当該モータ14を駆動する他、ボイスコイルモータ15に制御電流を流して当該モータ15を駆動する。この制御電流の値(制御量)は、CPU20の計算処理で決定される。
【0037】
ヘッド12は、目標トラック上にシーク・位置決めされた後、ディスク11-iの回転動作により、そのトラック上を走査する。またヘッド12は、走査によりそのトラック上に等間隔を保って配置されたサーボ領域SVのサーボ情報を順に読み込む。またヘッド12は、走査により目標データセクタに対するデータの読み書きを行う。
【0038】
各ヘッド12はフレキシブルプリント配線板(FPC)に実装されたヘッドアンプ回路(ヘッドIC)17と接続されている。ヘッドアンプ回路17は、(CPU20からの制御に従う)ヘッド12の切り替え、ヘッド12との間のリード/ライト信号の入出力等を司る。ヘッドアンプ回路17は、ヘッド12で読み取られたアナログ出力(ヘッド12のリード信号)を増幅すると共に、R/W(リード/ライト)回路(リード/ライトIC)18から送られるライトデータに所定の信号処理を施してこれをヘッド12に送る。
【0039】
R/W回路18は、ヘッド12によりディスク11-iから読み出されてヘッドアンプ回路17で増幅されたアナログ出力(ヘッド12のリード信号)を一定の電圧に増幅するAGC(自動利得制御)機能と、このAGC機能により増幅されたリード信号から例えばNRZコードのデータに再生するのに必要な信号処理を行うデコード機能(リードチャネル)と、ディスク11へのデータ記録に必要な信号処理を行うエンコード機能(ライトチャネル)と、上記リード信号からのサーボ情報抽出を可能とするために当該リード信号をパルス化してパルス化リードデータとして出力するパルス化機能とを有している。
【0040】
サーボ回路19は、R/W回路18から出力されるリードパルスから(ヘッド12のシークに必要な)サーボ情報中のシリンダコード等を抽出すると共に、同じくR/W回路18から出力される(AGC機能により増幅された)リード信号から(ヘッド12の位置決め制御に必要な)サーボ情報中のバーストデータ(位置誤差データ)を抽出し、CPU20に出力する。
【0041】
CPU(Central Processing Unit )20は、ROM(Read Only Memory)21に格納されている制御プログラムに従って磁気ディスク装置の各部の制御、例えばサーボ回路19により抽出されたシリンダコード、バーストデータに基づくヘッド12のシーク・位置決め制御、ホストからのリード/ライトコマンドに従うHDC23によるリード/ライト制御等を行う。
【0042】
CPU20には、ROM21の他に、CPU20にの作業領域等を提供するRAM(Random Access Memory)22、及びHDC(ディスクコントローラ)23が接続されている。RAM22には、後述するバッファメモリ24(に確保されるセグメントキャッシュバッファ240)の管理テーブル(セグメント管理テーブル)220が保持される。
【0043】
HDC(ディスクコントローラ)23は、ホストI/F(インタフェース)25を介して接続されるホストとの間でコマンド、データの通信を行うためのプロトコル処理、バッファメモリ24に対するアクセス制御、R/W回路18を通じてのディスク11-iに対する読み出し/書き込み制御等を司る。HDC23には、例えばRAMにより構成されるバッファメモリ24が接続されている。
【0044】
バッファメモリ24の一部には、ホストから転送されたライトデータを一時記憶するための(ライトデータ用の)セグメントキャッシュバッファ240(の領域)が確保される。セグメントキャッシュバッファ240は、複数の可変長のセグメントに分割して使用される。各セグメントはホスト装置からのコマンド単位で生成されるもので、RAM22内に置かれるセグメント管理テーブル220により管理される。なお、図1では、ディスク11-iから読み出されたリードデータを一時記憶するための(リードデータ用の)セグメントキャッシュは省略されている。また、バッファメモリ24がHDC23に内蔵されるものであっても構わない。
【0045】
ホストI/F25は、ホスト(ホストシステム)とHDC23に接続され、ホストからの(リードコマンド、ライトコマンド等の)コマンド、ライトデータの受信と、ホストへのリードデータの送信等を行う。
【0046】
図4は、セグメントキャッシュバッファ240におけるセグメント分割の様子と、当該キャッシュバッファ240内の各セグメントを管理するセグメント管理テーブル220のデータ構造例を示す。
【0047】
図では、セグメントキャッシュバッファ240において、(ホストからの転送ブロック長が閾値以下、つまり小ブロック長のディスク書き込みを指示する6つのライトコマンドに応じて)6つのセグメントが確保されている様子が示されている。
【0048】
セグメント管理テーブル220は、当該テーブル220のヘッダ部をなすセグメント数(セグメント分割数)の設定フィールド(セグメント分割数フィールド)221と、各セグメント毎に生成されるセグメント管理ブロック222とから構成される。セグメント分割数フィールド221の内容は、セグメント管理ブロック222が生成される毎に更新(1インクリメント)される。
【0049】
セグメント管理ブロック222は、ホストからの(小ブロック長のディスク書き込みを指示する)ライトコマンドに応じてCPU20により生成されるもので、対応するセグメントに格納されているライトデータのディスク11上の書き込み開始アドレスの設定フィールド(開始アドレスフィールド)222a、当該セグメントのサイズ(セグメント長)の設定フィールド(セグメント長フィールド)222b、及び近傍アドレス別分類フィールド222cを含む。上記開始アドレスには、物理的なアドレス、或いは論理的なCHS(Cylinder Head Sector)方式のアドレスまたはLBA(Linear Block Address)方式のアドレスを用いることができる。
【0050】
近傍アドレス別分類フィールド222cは、対応するセグメントの(ディスク11-i上の)開始アドレスが近傍であるもの(ここでは、同一トラックまたは隣接トラックにあるもの)同士、つまりヘッド12の移動動作(ディスクアクセス)が最適に行える(最小のシーク量、スキュー量で所定の時間内に行える)位置関係にあるもの同士をグループ化し、その情報、即ち分類(グループ化)されているデータの種類とその個数、及び同一分類のリンク情報を保持するためのものである。
【0051】
ここで、「データの種類」は、
(1)同一トラック上にある関係(値0)
(2)同一サブゾーンSZ内の隣接トラック上にある関係(値1)
(3)サブゾーンSZをまたいだ隣接トラック上にある関係(値2)
の3種類である。
【0052】
次に「個数」は、カレントのセグメント管理ブロック222が生成された時点での同一分類(グループ)と判定されたセグメント管理ブロック222の個数を表す。
【0053】
次に「リンク情報」には、カレントのセグメント管理ブロック222と同一分類の中で最も最近に生成された(つまり最新の)セグメント管理ブロック222の番号(ブロック番号)が用いられる。該当するものが存在しない場合、つまり他に同一分類に属するものがない場合には、ブロック番号#0が用いられる。
【0054】
図5に、セグメント管理テーブル220の具体的な内容例を示す。ここでは、図5(a)のように1ブロック長(1セクタサイズ長)のアドレスu,v,w,x,y,z(のデータセクタ)にデータをライトする各コマンド、つまり不連続なアドレスに対する6つのライトコマンドが順に発行された場合を例に、セグメント管理テーブル220の内容を図5(b)に示してある。
【0055】
図5の例では、アドレスu,v,y(のデータセクタ)は同一トラック上にあるため、同一グループに分類される。したがってアドレスu,v,yに対応するライトコマンドに応じて生成された3つのセグメント管理ブロック#1,#2,#5(222)内の近傍アドレス別分類フィールド222cには、「データの種類」を示す値として全て0が、「個数」を示す値としてそれぞれ1,2,3が、そして「リンク情報」としてリそれぞれ#0,#1,#2が設定される。
【0056】
同様に、アドレスw,z(のデータセクタ)は同一トラック上にあり、このアドレスw,z(のデータセクタ)とアドレスx(のデータセクタ)とはサブゾーンSZをまたいだ隣接トラック上にあるため、アドレスw,x,zは同一グループに分類される。したがってアドレスw,x,zに対応するライトコマンドに応じて生成される3つのセグメント管理ブロック#3,#4,#6(222)内の近傍アドレス別分類フィールド222cには、「データの種類」を示す値としてそれぞれ0,2,0が、「個数」を示す値としてそれぞれ1,2,3が、そして「リンク情報」としてそれぞれ#0,#3,#4が設定される。
【0057】
次に本実施形態の動作を図6のフローチャートを参照して説明する。
ホストから図1の磁気ディスク装置に対してコマンド、例えばライトコマンドが発行されたものとする。このライトコマンドは、ホストI/F25を介してHDC23で受信される。HDC23は、ホストからのコマンドを受信すると、その旨の割り込みをCPU20に発する。CPU20は、この割り込みによりHDC23から受信コマンド(ここではライトコマンド)を受け取って解釈する。
【0058】
CPU20は、HDC23から受け取ったコマンドがライトコマンドの場合、当該コマンドの指定する書き込みセクタ数をチェックし、当該コマンドと共にホストから転送されるデータのブロック長(セクタ数)が閾値以下(例えば8セクタ以下)であるか否か、つまり小ブロック長のディスク書き込みを指定すライトコマンドであるか否かを判断する(ステップS1)。
【0059】
もし否であれば、つまり8セクタを越えるブロック長であれば、CPU20はHDC23を制御して、ホストからの転送データをバッファメモリ24内のセグメントキャッシュバッファ240とは異なるバッファ領域(図7のバースト転送用セグメントBまたはリード/ライト兼用セグメントAに相当するバッファ領域)格納させ、即時に、またはバッファ領域が満杯となったとき、或いは別アドレスのシーケンシャルデータが転送されたときにディスク書き込みを行う、通常のライト処理を実行させる(ステップS2)。
【0060】
これに対して8セクタ以下のブロック長であれば、CPU20はHDC23を制御して、バッファメモリ24のセグメントキャッシュバッファ240内に対応するサイズのセグメント#iを確保させ、そのセグメント#iにホストからの転送データを格納させる(ステップS3)。
【0061】
次にCPU20は、セグメントキャッシュバッファ240を管理するための、RAM22内に置かれるセグメント管理テーブル220のセグメント分割数フィールド221の内容(セグメント分割数)を更新、即ち1インクリメントする(ステップS4)。
【0062】
次にCPU20は、セグメント管理テーブル220内に、ステップS3で転送データが格納されたセグメント#iに対応する新たなセグメント管理ブロック222(#i)を作成し、フィールド222aにライトコマンドで指定されたディスク11上の書き込み開始アドレス#iを、フィールド222bにセグメント長#iを、それぞれ登録する(ステップS5)。
【0063】
次にCPU20は、既に登録済みの(つまり以前に作成した)セグメント管理ブロック222の(フィールド222aに設定されている)開始アドレスを検索し(ステップS6)、検索した開始アドレスのいずれかとステップS5で新たに作成したセグメント管理ブロック222(つまりカレントなセグメント管理ブロック222)の開始アドレスが近傍アドレスの関係にあるか否か判断する(ステップS7)。ここでの近傍アドレスの関係にあるか否かの判断は、同一トラック上、または隣接トラック上に存在するか否かにより行われる。
【0064】
CPU20は、ステップS7での判断の結果、近傍アドレスであれば同一グループとして、カレントなセグメント管理ブロック222の近傍アドレス別分類フィールド222cへの情報登録を行う(ステップS8)。ここでは「データの種類」として、カレントなセグメント管理ブロック222の開始アドレスが、登録済みのセグメント管理ブロック222の開始アドレスに対して、同一トラック上にある場合には値0が、同一サブゾーンSZ内の隣接トラック上にある場合には値1が、サブゾーンSZをまたいだ隣接トラック上にある場合には値2が登録される。また、「個数」として、カレントなセグメント管理ブロック222を含む、同一グループのセグメント管理ブロック222の個数(同一グループのセグメント管理ブロック222の中で最大の個数に1を加算した値)が登録される。更に「リンク情報」として、同一グループのセグメント管理ブロック222のうち最新のセグメント管理ブロック222の番号、つまり同一グループのセグメント管理ブロック222のうち最も大きいブロック番号が登録される。
【0065】
これに対してステップS7での判断の結果、近傍アドレスでないならば、CPU20は別グループとしてカレントなセグメント管理ブロック222の近傍アドレス別分類フィールド222cへの情報登録を行う(ステップS9)。ここでは、図5中のセグメント管理ブロック#1の例のように、「データの種類として」値0が、「個数」として1が、「リンク情報」として「#0」が登録される。
【0066】
CPU20はステップS8またはS9を実行すると、セグメント管理テーブル220内のセグメント管理ブロック222の中に書き込み条件を満たしたものがあるか否かを判断する(ステップS10)。ここで書き込み条件を満たしたとは、同一グループとして分類されたセグメント管理ブロック222が予め定められた一定個数を越えたこととする。
【0067】
もし、書き込み条件を満たしたものがないならば、CPU20はホストからの次のコマンドを待つ。これに対し、書き込み条件を満たしたもの(グループ)が存在するならば、CPU20はHDC23を制御して、セグメント管理テーブル220内のセグメント管理ブロック数が一定個数を越えた同一グループ(つまり近傍アドレス別分類フィールド222cにより分類された同一グループ)を対象に、そのブロックに属する各セグメント管理ブロック2222に対応するセグメントキャッシュバッファ240内のセグメントのデータをディスク11-iに連続的に書き込ませる(ステップS11)。つまり、近傍アドレス別分類が同一グループとなっているもののうち、セグメント管理ブロック数が一定個数を越えたグループのセグメントのデータについては、対応するコマンドの発行順に無関係に、一緒に連続してディスク書き込みを行わせる。
【0068】
CPU20は、ステップS11を実行すると、セグメント管理テーブル220からディスク書き込みを完了したセグメント管理ブロック222を削除し、当該テーブル220内のセグメント分割数フィールド221の値(セグメント分割数)を、削除したセグメント管理ブロック数分減算する(ステップS12)。そしてCPU20はホストからの次のコマンドを待つ。
【0069】
以上に述べたように本実施形態では、不連続なアドレスに対する小ブロックサイズのディスク書き込みを指示するライトコマンドが連続して発行された場合に、ホストから転送されたデータを、バッファメモリ24内のキャッシュバッファ240にコマンド単位で確保されたセグメントに保持するようにしている。これに対し、それ以外のシーケンシャルなディスク書き込み要求があった場合は、ホストからのデータをバッファメモリ24内にキャッシュバッファ240とは別に確保されたシーケンシャルアクセス用のバッファ領域に保持して、通常の(従来から知られている)ディスク書き込みとして処理する。
【0070】
本実施形態では更に、キャッシュバッファ240にコマンド単位で確保されたセグメントに保持したデータを、当該セグメントに対応してセグメント管理テーブル220に生成したセグメント管理ブロック220(内の近傍アドレス別分類フィールド222)を用いて連続的なディスク書き込みが可能なグループ別に分類しておく。そして、予め定められた書き込み条件を満たしたグループのデータについて、該当するセグメント管理テーブル220(内のセグメント管理ブロック222)に従って、連続してディスク書き込みを行う。これにより、ヘッドの移動量とディスクアクセス回数を減らすことができ、つまりオーバーヘッドを少なくでき、ランダムライトの速度の向上が図れる。
【0071】
以下、この理由について、図3を参照して説明する。
先に述べたように、ディスクにアクセスする場合、同一トラック上の離れたデータセクタにアクセスするには、ディスクの回転待ちが発生する。また離れたトラックにアクセスするにはトラックシークやトラックスキューが発生し、ヘッド切り替えを行った場合でもヘッドスキューが発生する。つまりランダムなアドレスにアクセスする場合は、シークやスキューによる膨大なオーバーヘッドが生じる。
【0072】
サブゾーンSZは、こういったランダムアクセス時のパフォーマンスを改善するための手段であり、同一のサブゾーンSZの範囲内でアクセス方向をヘッド方向とすることで、シリンダ方向(半径方向)の平均シーク距離を短くしている。しかし、こういった改善がなされても、ランダムなアクセス要求が発生すると、従来技術ではその度にディスク書き込みが行われるため、オーバーヘッドは少なくなかった。
【0073】
そこで本実施形態では、不連続なアドレスに対する小ブロックサイズのディスク書き込みを指示するライトコマンドが連続して発行された場合に、従来のように直ちにディスク書き込みを行わずに、つまりライトコマンドが発行される度にディスク書き込みを行わずに、指示されたデータ(ライトデータ)をバッファメモリ24内のキャッシュバッファ240に保持しておくと共に、ディスク書き込み時のタイミングを考慮し、オーバーヘッドの少ないもの同士を同一グループにまとめるようにしている、
例えばトラックa上のデータセクタが同一トラックa上の次のデータセクタにアクセスするのに発生するオーバーヘッドは、回転待ちのみであり、これが最も小さい。そこで本実施形態では、同一トラック上のアドレスのものを1つのグループとして分類し、セグメント管理ブロック222内の近傍アドレス別分類フィールド222cに設定しておく。これにより、当該グループが書き込み条件を満たしたときに、当該グループに属する各アドレスへのディスク書き込みを連続的に行うことで、オーバーヘッドを減らすことができる。
【0074】
同様に、同一サブゾーンSZ内の隣接トラック上のアドレスのものも1つのグループとして分類しておき、当該グループが書き込み条件を満たしたときに、当該グループに属する各アドレスへのディスク書き込みを連続的に行うことで、やはりオーバーヘッドを減らすことができる。
【0075】
この他、例えば図4のセグメント#1のデータの開始アドレスがトラックm上で、次のセグメント#2の開始アドレスがトラックk上、次のセグメント#3の開始アドレスがトラックc上であるとすると、cとmは隣接トラックであるが、サブゾーンSZ化によって論理アドレス上では全く離れた距離に位置することになる。このため本実施形態では、サブゾーンSZをまたいだ隣接トラック上にあるcとmも同一グループとして管理しておき、当該グループが書き込み条件を満たしたときに、トラックc上のデータセクタとトラックm上のデータセクタへのディスク書き込みを連続的に行うことで、やはりオーバーヘッドを減らすことができる。逆に、図3においてトラックlとトラックmとは論理アドレス上では連続しているが、物理的(物理アドレス上)では全く離れており、トラックlからトラックmに移動するのにオーバーヘッドが大きくなるため、別グループとして管理する。
【0076】
なお、以上に述べた実施形態では、書き込み条件として、同一グループとして分類されたセグメント管理ブロック222が予め定められた一定個数を越えたこととしたが、つまり書き込み条件を満たしたか否かをグループ単位で(且つ、そのグループのセグメント管理ブロック数で)判定するものとしたが、これに限るものではない。
【0077】
例えば、セグメント分割数が閾値、例えばセグメント管理テーブル220に生成可能なセグメント管理ブロック222の数の最大値に達したことをもって、書き込み条件を満たしたと判定するようにしてもよい。この場合には、セグメント管理テーブル220内の全てのセグメント管理ブロック222について、グループ毎にディスク書き込みが連続して行われる。ここで、現在のヘッド12のディスク11-i上の位置に対して最小のシーク量、スキュー量となる位置関係にある、つまりディスクアクセス(ヘッド移動動作)が最適に行える位置関係にある開始アドレス(が設定されている開始アドレスフィールド222a)のセグメント管理ブロック222を含むグループを対象とするディスク書き込みが最初に行われるようにすると、オーバーヘッドを一層少なくできる。以下のディスク書き込みの順番も、先行するグループのディスク11-i上の位置を基準に決定するとよい。このようにセグメント分割数が所定個数に達したことをもってディスク書き込みを行うことで、セグメント分割数が大きくなって、セグメント管理テーブル220やセグメントキャッシュバッファ240がオーバーフローするのを防ぐことができる。
【0078】
この他に、セグメントキャッシュバッファ240に保持したデータの経過時間(保持時間)が所定時間を越えたことをもって、書き込み条件を満たしたとすることも可能である。具体的には、各セグメント管理ブロック222に、登録時の時刻情報を持たせ、近傍アドレス別分類によって最後にグループ入りしたセグメント管理ブロック222の時刻の中で最も古い時刻を調べ、現在時刻との差が所定時間を越える場合に、書き込み条件を満たしたと判定する。このような、いわゆるLRU法(Least Recently Used Rule)的な管理手法を適用することで、ディスクアクセスの機会のないグループについても、ディスク書き込みの対象とすることが可能となる。
【0079】
更に、現在のヘッド12のディスク11-i上の位置からディスクアクセス(ヘッド移動動作)が最適に行える位置関係にあるアドレス(が設定されている開始アドレスフィールド222a)のセグメント管理ブロック222を含むグループが存在することをもって、書き込み情報を満たしたとすることも可能である。
【0080】
また以上に述べた実施形態では、磁気ディスク装置に適用した場合について説明したが、本発明は、光磁気ディスク装置などのディスク記憶装置にも適用可能である。
【0081】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、不連続なアドレスに対する小ブロックサイズのデータのディスク書き込みを指示するライトコマンドが連続して発行された場合に、ホストからの転送データを該当する分割したセグメントに保持していき、物理的にある程度連続したセクタヘのアクセスが可能な状態のときにディスクアクセスを行うようにしたので、ヘッドの移動量とディスクアクセス回数を軽減してオーバーヘッドを小さくすることができ、ランダムライトの速度向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の構成を示すブロック図。
【図2】図1中のディスク11-i(i=1,2)のフォーマットの概念図。
【図3】図1中のディスク11-0,11-1の各記録面上の、ゾーンZ、サブゾーンSZ、トラックの関係を示す概念図。
【図4】図1中のセグメントキャッシュバッファ240におけるセグメント分割の様子と、当該キャッシュバッファ240内の各セグメントを管理するセグメント管理テーブル220のデータ構造例を示す図。
【図5】セグメント管理テーブル220の具体的な内容例を、不連続なアドレスに対する6つのライトコマンドが順に発行された場合について示す図。
【図6】同実施形態におけるライトコマンド受信時の動作を説明するためのフローチャート。
【図7】複数の書き込みブロックが連続して送られてくる場合に、データを遅延なく連続的にディスクに書き込むことを目的としたシーケンシャルライトに適した従来技術を説明するための図。
【符号の説明】
11-0,11-1,11-i…ディスク(ディスク媒体)
12…ヘッド
18…R/W回路
20…CPU(セグメントキャッシュ制御手段、ディスク書き込み制御手段)
21…ROM
22…RAM
23…HDC(ディスクコントローラ、ディスク書き込み制御手段)
24…バッファメモリ
220…セグメント管理テーブル
221…セグメント分割数フィールド
222…セグメント管理ブロック
222a…開始アドレスフィールド
222b…セグメント長フィールド
222c…近傍アドレス別分類フィールド
240…キャッシュバッファ

Claims (6)

  1. ヘッドによる記録再生が行われるディスク媒体とホストとの間で転送されるデータを一時的に記憶するバッファメモリを備えたディスク記憶装置において、
    前記バッファメモリ内に確保される、複数のセグメントに分割可能なセグメントキャッシュバッファと、
    前記セグメントキャッシュバッファ内の各セグメント毎に生成されるセグメント管理ブロックであって、当該セグメントに記憶されているデータの前記ディスク媒体上の書き込み先を示すアドレス情報が設定されるアドレスフィールド、当該セグメントのサイズを示すセグメント長が設定されるセグメント長フィールド、並びにヘッドの移動動作が所定の時間内に行える位置関係にあるアドレス情報同士を同一グループとして分類する情報が設定される近傍アドレス別分類フィールドを持つセグメント管理ブロックを備え、前記セグメントキャッシュバッファを管理するためのセグメント管理テーブル記憶手段と、
    前記ホストからディスク書き込みを指定するライトコマンドが発行されると共にディスク書き込みの対象となるデータが転送され、そのデータサイズが所定サイズ以下である場合に、当該データを前記セグメントキャッシュバッファ内に割り当てた当該データに対応するサイズのセグメントに記憶させると共に、当該セグメントを管理するための前記セグメント管理ブロックを前記セグメント管理テーブル内に生成するセグメントキャッシュ制御手段と、
    前記セグメント管理テーブル内に生成された、前記近傍アドレス別分類フィールドで同一グループに分類されたセグメント管理ブロックのうち、予め定められた書き込み条件を満たしたグループのセグメント管理ブロックに基づいて、グループ単位でディスク書き込みを行うディスク書き込み制御手段とを具備することを特徴とするディスク記憶装置。
  2. 前記ディスク書き込み制御手段は、前記近傍アドレス別分類フィールドで同一グループに分類されたセグメント管理ブロックの数が所定数を越えたことをもって前記書き込み条件を満たしたと判定することを特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置。
  3. 前記ディスク書き込み制御手段は、前記近傍アドレス別分類フィールドで分類されるグループを単位に、そのグループ内で最も最近に生成された前記セグメント管理ブロックの生成時からの経過時間を調べ、所定時間を越えたことをもって、該当するグループについて前記書き込み条件を満たしたと判定することを特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置。
  4. 前記ディスク書き込み制御手段は、現在の前記ヘッドのディスク媒体上の位置からヘッド移動動作が所定の時間内に行える位置関係にあるアドレス情報を持つセグメント管理ブロックを含むグループが存在する場合に、当該グループについて前記書き込み条件を満たしたと判定することを特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置。
  5. 前記セグメントキャッシュ制御手段は、前記セグメント管理ブロックを生成する際に、対応するアドレス情報と連続するアドレス情報を持つ既生成のセグメント管理ブロックが存在しても、ヘッドの移動動作が所定の時間内に行える位置関係にない場合には、当該既生成のセグメント管理ブロックが属するグループの対象外として処理することを特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置。
  6. ヘッドによる記録再生が行われるディスク媒体とホストとの間で転送されるデータを一時的に記憶するためのバッファメモリ内に、複数のセグメントに分割可能なセグメントキャッシュバッファが確保されたディスク記憶装置におけるセグメントキャッシュ制御方法であって、
    前記ホストからディスク書き込みを指定するライトコマンドが発行される毎に、当該コマンドと共に前記ホストから転送されるデータのサイズが所定サイズ以下であるか否かを調べ、所定サイズ以下の場合には当該データを前記セグメントキャッシュバッファ内に割り当てた当該データに対応するサイズのセグメントに記憶し、
    前記セグメントにホストからのデータを記憶する毎に、当該セグメントを管理するためのセグメント管理ブロックであって、当該セグメントに記憶されているデータの前記ディスク媒体上の書き込み先を示すアドレス情報、当該セグメントのサイズを示すセグメント長、並びにヘッドの移動動作が所定の時間内に行える位置関係にあるアドレス情報同士を同一グループとして分類する近傍アドレス別分類情報が設定されたセグメント管理ブロックをセグメント管理テーブル内に生成し、
    前記セグメント管理テーブル内に生成された、前記近傍アドレス別分類情報で同一グループに分類されたセグメント管理ブロックのうち、予め定められた書き込み条件を満たしたグループのセグメント管理ブロックを検出し、そのグループを単位に、そのグループのセグメント管理ブロックに基づいてディスク書き込みを行うことを特徴とするセグメントキャッシュ制御方法。
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