JP3841490B2 - 焼却炉の燃焼制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼却炉、例えば上炎式焼却炉およびその安定燃焼方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
難燃性と言われる廃プラスチック類などの高発熱性物質の焼却炉として、例えば一括投入式上炎炉がある。
【0003】
この一括投入式上炎炉は、焼却物を一括投入し、この投入・堆積された被燃焼物の上層面に着火させ、そして燃焼空気を供給しておくことにより、自然に、被燃焼物全体を燃焼させるものである。
【0004】
従来、この一括投入式上炎炉における燃焼制御としては、燃焼域を上下2段に分けるとともに、各燃焼域に燃焼空気を供給するようになし、そして上部燃焼域の燃焼が終了すると、炉内の燃焼排ガス温度が低下するため、このことを検出して、上部燃焼域への燃焼空気の供給を停止した後、下部燃焼域への燃焼空気の供給を開始して、被燃焼物全体の燃焼を行わせるものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、堆積された被燃焼物の上部が燃焼した後、炉内の温度が低下したことを検出して、上部への燃焼空気の供給を停止しているため、炉本体内の温度が急激に低下し、しかも、その後、下部に供給される燃焼空気により、炉本体内の温度が一気に上昇する。したがって、燃焼空気の切換えの時に、数百度の温度差が生じ、燃焼が不安定になるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、炉本体内の燃焼排ガス温度を安定させ得る焼却炉の燃焼制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の焼却炉の燃焼制御方法は、炉本体の側壁部の上下複数段箇所に燃焼空気を供給する空気供給口を設け、これら各空気供給口に空気供給管を接続するとともに、これら各空気供給管に開閉手段を介装し、上記炉本体内の燃焼排ガス温度を検出する温度検出器を設けるとともに、この温度検出器からの検出温度に基づき、上記各開閉手段を作動させる制御器を具備した焼却炉の燃焼制御方法であって、上下に隣接する所定段数の各空気供給口から燃焼空気を炉本体内に供給し、燃焼排ガス温度が設定上限値を越えた場合には、上記所定段数の内、最下段位置の空気供給口からの燃焼空気の供給を停止し、その後、この最下段位置の空気供給口に接続された空気供給管の開閉手段を開閉させることにより、燃焼排ガス温度を設定温度範囲内となるように制御し、燃焼排ガス温度が設定下限値より低くなると、燃焼空気を供給する所定段数の空気供給口を、少なくとも一部は供給状態のまま、下方に所定段数ずらせる制御方法である。
【0010】
上記燃焼制御方法によると、燃焼空気を供給する複数段の空気供給口の内、最下段の空気供給口から供給される燃焼空気を制御して、燃焼排ガス温度を設定温度範囲内となるようにしているので、より安定した燃焼制御を行うことができ、また燃焼空気の切換え時に、燃焼空気を供給する複数段の空気供給口を、少なくとも一部は供給状態のまま、下方に所定段数ずらせるようにしているので、上下位置の空気供給口を、完全に切り替える場合に比べて、急激な燃焼排ガス温度の変化が防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の焼却炉における燃焼制御方法を、図1および図2に基づき説明する。
【0012】
まず、図1に基づき、焼却炉の一例として、一括投入上炎式の焼却炉について説明する。
図1において、1は焼却炉の炉本体で、上部には、被燃焼物Aの投入口2が設けられるとともに、底部には、焼却灰の取出口3が設けられている。
【0013】
炉本体1の側壁部1aには、上下に沿って、所定間隔置きに複数個(複数段)例えば15個の燃焼空気の供給口4(41 〜415)が設けられるとともに、これら各供給口4には、それぞれ空気供給管5(51 〜515)が接続されている。なお、各高さ位置において設けられる供給口4は、炉本体1内に均等に供給するために、その周囲においても複数箇所に設けられている。すなわち、供給口4(41 〜415)は、上下15段で設けられている。
【0014】
上記各空気供給管5には、それぞれ管路開閉用のダンパー(開閉手段の一例で、開閉弁でも良い)6(61 〜615)が介装され、また各空気供給管5の端部にはヘッダー7が接続され、このヘッダー7には、押込送風機8が接続された空気供給配管9が接続されている。
【0015】
さらに、炉本体1の側壁部1aには、炉本体1内の燃焼排ガス温度を検出する温度検出器(複数箇所に設けても良い)10が取り付けられるとともに、この焼却炉には、この温度検出器10からの検出温度を入力するとともに、この入力された検出温度に基づき、上記各空気供給管5途中に介装されたダンパー6の開閉動作を行わせる制御器11が具備されている。なお、12は燃焼ガスの排出口である。
【0016】
次に、この焼却炉における燃焼制御方法について説明する。
まず、投入口2より、被燃焼物Aを炉本体1内に投入した後、上から所定個数(以下、所定段数という)、例えば3段に亘る供給口(41 〜43 )から燃焼空気を供給するとともに、被燃焼物Aの上層部に火を付けて燃焼を開始する。勿論、この燃焼制御は制御器11を介して行われる。
【0017】
燃焼が開始されると、温度検出器10により、炉本体内の温度すなわち燃焼排ガス温度が検出されており、この検出温度が設定上限値(例えば、650℃程度)を越えると、燃焼空気を供給している3段の内、最下段(上から3番目)の供給口43 からの燃焼空気の供給が停止される。すなわち、3番目のダンパー63 が閉じられる。
【0018】
最下段の供給口43 からの燃焼空気の供給が停止されると、燃焼排ガス温度が低下するが、この温度が設定下限値(例えば、630℃程度)より低くなると、再度、ダンパー63 が開かれて最下段の供給口43 から燃焼空気が供給される。
【0019】
このように、所定の設定温度範囲内(例えば、±10〜40℃の範囲内)となるように、最下段の供給口43 から供給される燃焼空気が制御される。
そして、上記の制御が繰り返し行われている間に、被燃焼物Aの上層面が下がり、燃焼排ガス温度が設定上限値に達しなくなって、所定時間例えば数分間経過すると、今度は、燃焼空気が供給される3個の供給口4の位置が一段下方にずらされる。
【0020】
すなわち、2番目〜4番目の供給口42 〜44 に燃焼空気が供給され、上述した制御が同様に行われる。
上記の制御が、最終段(燃焼空気が供給される供給口4が13番目〜15番目)まで繰り返して行われる。
【0021】
このように、常に、炉本体1内の燃焼排ガス温度が数十度の範囲内に維持されるため、安定した燃焼を行わせることができる。
なお、最後の燃焼制御以降については、炎による燃焼が無くなり、置き燃焼から冷却・消火へと移行し、翌朝までに燃焼が完了する。勿論、燃焼ガスは排出口12から排出される。
【0022】
図2のグラフに、上記実施の形態における場合(a)と、従来の場合(b)とにおける時間と燃焼排ガス温度との関係を示す。図2(a)における温度の変化は、図2(b)における温度の変化に比べて、非常に少なく、燃焼が安定した状態で行われているのが良く分かる。具体的に説明すると、燃焼空気の切換時に、従来例の燃焼制御方法によると、燃焼排ガスの温度変化が最大200℃程度もあったのに対して、本発明の燃焼制御方法によると、燃焼排ガスの温度変化が40℃〜80℃程度まで下がった。
【0023】
このように、燃焼排ガスの温度変化が下がると、炉本体に発生するトラブル(焼損、溶融灰の付着、燃焼ガスの吹き出しなど)を回避することができるとともに、黒煙、未燃ガスの発生も抑制することができる。
【0024】
さらに、炉本体から排出される排ガスの下流側に、2次燃焼炉、廃ガスボイラ、集塵装置などを設置する場合、負荷変動が少なくなり、設備における安全面、公害規制の面でも、非常に有利となる。
【0025】
ところで、上記実施の形態においては、常に、燃焼空気を供給している供給口4の数を3個として説明したが、これに限定されるものではなく、例えば2個または4個以上でも良く(好ましくは、2〜3個)、また燃焼空気の供給域を下方に移行させる際に、供給口4を1個づつ、すなわち1段づつ下げていくように説明したが、2段づつまたは3段以上づつ下げるようにしても良い。勿論、下げる段数が多い場合には、炉本体の側壁部に設けられる供給口の数は、それに応じて多数設けられている。
【0026】
なお、上記実施の形態では、燃焼排ガス温度を炉本体内上部で測定しいるが、燃焼排ガスの排出口に連通している煙道で測定してもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明の燃焼制御方法によると、燃焼空気を供給する複数段の空気供給口の内、最下段の空気供給口から供給される燃焼空気を制御して、燃焼排ガス温度を設定温度範囲内となるようにしているので、より安定した燃焼制御を行うことができ、また燃焼空気の切換え時に、燃焼空気を供給する複数段の空気供給口を、少なくとも一部は供給状態のまま、下方に所定段数ずらせるようにしているので、上下位置の空気供給口を、完全に切り替える場合に比べて、急激な燃焼排ガス温度の変化が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における焼却炉の概略構成を示す断面図である。
【図2】同実施の形態における制御方法による燃焼排ガス温度と、従来例による燃焼排ガス温度とを比較するグラフである。
【符号の説明】
1 炉本体
1a 側壁部
4 空気供給口
5 空気供給管
6 ダンパー
10 温度検出器
11 制御器
Claims (1)
- 炉本体の側壁部の上下複数段箇所に燃焼空気を供給する空気供給口を設け、これら各空気供給口に空気供給管を接続するとともに、これら各空気供給管に開閉手段を介装し、上記炉本体内の燃焼排ガス温度を検出する温度検出器を設けるとともに、この温度検出器からの検出温度に基づき、上記各開閉手段を作動させる制御器を具備した焼却炉の燃焼制御方法であって、上下に隣接する所定段数の各空気供給口から燃焼空気を炉本体内に供給し、燃焼排ガス温度が設定上限値を越えた場合には、上記所定段数の内、最下段位置の空気供給口からの燃焼空気の供給を停止し、その後、この最下段位置の空気供給口に接続された空気供給管の開閉手段を開閉させることにより、燃焼排ガス温度を設定温度範囲内となるように制御し、燃焼排ガス温度が設定下限値より低くなると、燃焼空気を供給する所定段数の空気供給口を、少なくとも一部は供給状態のまま、下方に所定段数ずらせることを特徴とする焼却炉の燃焼制御方法。
Priority Applications (1)
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JP22791096A JP3841490B2 (ja) | 1996-08-29 | 1996-08-29 | 焼却炉の燃焼制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22791096A JP3841490B2 (ja) | 1996-08-29 | 1996-08-29 | 焼却炉の燃焼制御方法 |
Publications (2)
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JPH1073224A JPH1073224A (ja) | 1998-03-17 |
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Family
ID=16868224
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP6283403B2 (ja) * | 2016-11-16 | 2018-02-21 | 辰星技研株式会社 | 燃焼処理装置及び燃焼処理システム |
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1996
- 1996-08-29 JP JP22791096A patent/JP3841490B2/ja not_active Expired - Fee Related
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