JP3841124B2 - 逆梁工法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、建築構造物の梁の下部に床板を有するいわゆる逆梁工法に関し、詳しくは梁及び床板をプレキャストコンクリートで構築する逆梁工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
集合住宅等の構造物を逆梁工法で構築すると、床下収納・床下冷蔵庫・床下排気・床下設備配管・床下電気配線等を自由に設けることができ、構造物の耐用年限内に各戸の間取りを自由に変更することが可能となる等、建物のソフト面での応用範囲を拡大することができる。
【0003】
このような逆梁工法は、現場打ちコンクリートで各構造部材を構築するいわゆる在来工法で行われてきたが、梁の上部に床板を有するいわゆる順梁の工法に比べて、従来の逆梁工法には品質管理上及び工程管理上種々の問題点があった。例えば、構造物の主要部材である梁は、その耐力を確保するため、梁内部にコンクリートの水平打ち継目を設けない方が望ましい。従って、在来工法によって逆梁を構築する場合には床板と梁とを同時に施工する必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の逆梁工法では、梁の側面型枠は浮き型枠となるため、建入れや通りの精度を確保することは非常に難しかった。また、順梁に比べて型枠組立の施工日数が多くなる欠点もあった。また、コンクリートの打設方法も難しく、熟練した作業員を配置しないと精度良い躯体を構築することはできなかった。このように浮き型枠を必要とする在来工法での逆梁構造は熟練工による多くの煩雑な作業が不可避となるため、省力化や合理化を目指してもなかなかこれを達成することが困難であった。
【0005】
また、逆梁工法で、例えば図22(a)に示すように、片持床板100を一体に形成したプレキャストコンクリート製の桁行方向梁101と床板102を接合する場合、桁行方向梁101と床板102は連結鉄筋103,104を突設したものを用い、桁行方向梁101と床板102の接合部を現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することが考えられるが、現場打ち部分が多いため、型枠工事に手間がかかる。
【0006】
また、図22(b)に示すように、桁行方向梁101の梁下部に型枠用プレキャストコンクリート板101aを突設するようにすると、型枠部材が不要となるが、桁行方向梁101の製作が複雑かつ運搬上も問題がある。
【0007】
さらに、図22(c)に示すように、半プレキャストコンクリート製の床板102を用い、この床板102上に鉄筋110を配置して現場打ちコンクリートを打設するようにすると、現場打ち部分が多いため、型枠工事に手間がかかる。
【0008】
また、図23に示すように、梁間方向梁120が上下に貫通する複数のシース管121を埋設したプレキャストコンクリート製であって、これらシース管121にプレキャストコンクリート連層耐震壁122の鉛直接合鉄筋123を挿通して梁間方向梁120を配置し、梁間方向梁120の上面から突出する鉛直接合鉄筋123の先端部に上部のプレキャストコンクリート連層耐震壁122のスリーブ継ぎ手124を挿入し、その後グラウト材を注入して定着する。この梁間方向梁120と床板102は連結鉄筋120a,104を突設したものを用い、梁間方向梁120と床板102の接合部を現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築すると、プレキャストコンクリート連層耐震壁122は、鉛直接合鉄筋123を含めて全長がL1もあり大きくて運搬上問題があり、また現場打ち部分が多いため、型枠工事に手間がかかる。
【0009】
この発明は、上記課題を解決し、請求項1乃至請求項5記載の発明では、構造物の品質を精度、耐力の面で十分に確保することができ、しかも施工が容易であって、熟練した専門工がいなくとも短期間で確実に構造物を構築することができ、さらに請求項6乃至請求項10記載の発明では、前記の目的に加え現場打ちコンクリート部分の型枠工事を削減可能であり、しかも運搬や施工が容易であって、熟練した専門工がいなくとも短期間で確実に構造物を構築することができる逆梁工法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0011】
請求項1記載の発明は、『梁間方向梁及び桁行方向梁の下部に周辺固定床板及び片持床板を有する逆梁工法において、前記梁間方向梁は、梁下部側面に周辺固定床板用の連結鉄筋を突設し、梁端部下端から下端主筋を柱にアンカーするように突設すると共に、梁端部上部切り込み部から上端主筋を柱の手前まで突設した半プレキャストコンクリート製であり、他方前記桁行方向梁は、梁下部側面に周辺固定床板用の連結鉄筋を突設したプレキャストコンクリート製であり、さらに前記周辺固定床板は、これら連結鉄筋に接続する重ね継手用鉄筋を突設するプレキャストコンクリート製の床板であって、これらの部材を用い、前記梁間方向梁を既に先行して梁下端までコンクリート打設が完了している柱の頂部に載置し、次いで前記桁行方向梁を設置した後、前記梁間方向梁の上端主筋と現場にて挿入する柱内への定着用アンカー筋とを接続し、柱・梁接合部、梁間方向梁の梁端部上部切り込み部、桁行方向梁・梁接合部及び周辺固定床板の接合部に現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することを特徴とする逆梁工法。』である。
【0012】
この請求項1記載の発明によれば、梁間方向梁及び桁行方向梁の下部に周辺固定床板及び片持床板を有する逆梁工法において、前記梁間方向梁は、梁下部側面に周辺固定床板用の連結鉄筋を突設し、梁端部下端から下端主筋を柱にアンカーするように突設すると共に、梁端部上部切り込み部から上端主筋を柱の手前まで突設した半プレキャストコンクリート製であり、他方前記桁行方向梁は、梁下部側面に周辺固定床板用の連結鉄筋を突設したプレキャストコンクリート製であり、さらに前記周辺固定床板は、これら連結鉄筋に接続する重ね継手用鉄筋を突設するプレキャストコンクリート製の床板であって、これらの部材を用い、前記梁間方向梁を既に先行して梁下端までコンクリート打設が完了している柱の頂部に載置し、次いで前記桁行方向梁を設置した後、前記梁間方向梁の上端主筋と現場にて挿入する柱内への定着用アンカー筋とを接続し、柱・梁接合部、梁間方向梁の梁端部上部切り込み部、桁行方向梁・梁接合部及び周辺固定床板の接合部に現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することを特徴としている。
【0013】
逆梁工法で構築する構造物の柱は、プレキャストコンクリート製、現場打ちコンクリート製の何れでもよい。梁間方向梁及び桁行方向梁をプレキャストコンクリート製とし、梁間方向梁を既に先行して梁下端までコンクリート打設が完了している柱の頂部に載置し、次いで桁行方向梁を設置した後、梁間方向梁の上端主筋と現場にて挿入する柱内への定着用アンカー筋とを接続し、柱・梁接合部、梁間方向梁の梁端部上部切り込み部、桁行方向梁・梁接合部及び周辺固定床板の接合部に現場打ちコンクリートを打設するので、浮き型枠の面倒な組立や難しいコンクリートの打設をせずにすみ、梁の建入れや通りを正確にでき、しかも梁にコンクリートの水平打ち継目が生じないので耐力も十分に確保することができる。また、梁間方向梁は、その梁端部上部に切り込み部を設け、上端主筋を柱の手前までしか突設していないので、桁行方向梁の落とし込みが可能となり、柱・梁接合部での接合作業が大幅に削減できる。
【0014】
請求項2記載の発明は、『前記片持床板は、前記桁行方向梁と一体に製作したプレキャストコンクリート製であることを特徴とする請求項1記載の逆梁工法。』である。
【0015】
この請求項2記載の発明によれば、柱外面に跳ね出す床板を有する構造物の場合には、片持構造の床板を桁行方向梁と一体にプレキャストコンクリートで製作する。
【0016】
請求項3記載の発明は、『片持梁は、前記片持床板と一体に製作し、梁端部から主筋を柱にアンカーするように柱の手前まで突設したプレキャストコンクリート製であり、前記主筋と現場にて挿入する柱内への定着用アンカー筋とを接続し、柱・梁接合部に現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することを特徴とする請求項2記載の逆梁工法。』である。
【0017】
この請求項3記載の発明によれば、柱外面に長く跳ね出す床板を有する構造物の場合には、片持梁が片持床板に一体化され、片持床板の跳ね出し長さが長い場合でも耐力を十分に確保することができる。
【0018】
請求項4記載の発明は、『前記梁間方向梁及び前記桁行方向梁は、梁下部に型枠用プレキャストコンクリート板を突設することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の逆梁工法。』である。
【0019】
この請求項4記載の発明によれば、現場打ちコンクリートにより周辺を固定する床板は、その下面に型枠支保工を必要とするが、型枠用プレキャストコンクリート板を梁間方向梁及び桁行方向梁の梁下部に突設することで型枠部材が不要となる。
【0020】
請求項5記載の発明は、『前記梁間方向梁は、その上下面にプレキャストコンクリート連層耐震壁接合用のシャーコッタを設けると共に上下に貫通する複数のシース管を埋設し、その両端部には壁・柱鉛直接合部へのコンクリート打込用の打設孔を穿設するプレキャストコンクリート製であって、これらシース管内にプレキャストコンクリート連層耐震壁の鉛直接合筋を挿通した後、グラウト材を注入して定着することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の逆梁工法。』である。
【0021】
この請求項5記載の発明によれば、梁間方向梁の上下面に耐震壁を接合する架構の場合には耐震壁と枠梁とを分離してプレキャストコンクリートにより製作する。その際各水平接合面にはシャーコッタを設ける。また、耐震壁と柱が当接する部分には鉛直接合部を設けておき打設孔を利用して同部にコンクリートを打ち込み、耐震壁の鉛直接合筋は枠梁のシース管を挿通し上部の耐震壁の鉛直接合筋に連結する。
【0022】
請求項6記載の発明は、『梁間方向梁及び桁行方向梁の下部に周辺固定床板及び片持床板を有する逆梁工法において、前記梁間方向梁は、梁下部側面に周辺固定床板用の連結鉄筋のみを突設し、梁端部下端から下端主筋のみを柱にアンカーするように突設すると共に、梁端部上部切り込み部から上端主筋のみを柱の手前まで突設した半プレキャストコンクリート製であり、他方前記桁行方向梁は、梁下部側面に周辺固定床板用の連結鉄筋のみを突設したプレキャストコンクリート製であり、さらに前記周辺固定床板は、その周辺部が前記連結鉄筋の下側に配置される半プレキャストコンクリート製の床板であって、これらの部材を用い、前記半プレキャストコンクリート製の床板を前記梁間方向梁及び桁行方向梁に先行して配置し、次いで前記梁間方向梁を既に先行して梁下端までコンクリート打設が完了している柱の頂部に載置し、前記桁行方向梁を設置した後、前記半プレキャストコンクリート製の床板の上に鉄筋を配置し、前記梁間方向梁の上端主筋と現場にて挿入する柱内への定着用アンカー筋とを接続し、前記半プレキャストコンクリート製の床板の上、柱・梁接合部、梁間方向梁の梁端部上部切り込み部及び桁行方向梁・梁接合部に現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することを特徴とする逆梁工法。』である。
【0023】
この請求項6記載の発明によれば、半プレキャストコンクリート製の床板を梁間方向梁及び桁行方向梁に先行して建方することで梁間方向梁及び桁行方向梁から突出した連結鉄筋が邪魔にならずに施工できる。また、半プレキャストコンクリート製の床板は、その周辺部が連結鉄筋の下側に配置され、この床板の上に鉄筋を配置し現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することで、現場打ちコンクリート部分の型枠工事を削減できる。
【0024】
請求項7記載の発明は、『前記片持床板は、前記桁行方向梁と一体に製作した半プレキャストコンクリート製の床板であり、この片持床板の上に鉄筋を配置し、現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することを特徴とする請求項6記載の逆梁工法。』である。
【0025】
この請求項7記載の発明によれば、柱外面に長く跳ね出す床板を有する構造物の場合には、片持床板を半プレキャストコンクリート化することで軽量化ができ、運搬や取扱が容易で、バルコニー・廊下部分に採用可能である。
【0026】
請求項8記載の発明は、『前記片持床板は、前記桁行方向梁と別体に製作したプレキャストコンクリート製の床板であり、片持床板・桁行方向梁接合部に現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することを特徴とする請求項6記載の逆梁工法。』である。
【0027】
この請求項8記載の発明によれば、柱外面に長く跳ね出す床板を有する構造物の場合には、片持床板と桁行方向梁とを別体にすることで軽量化ができ、運搬や取扱が容易で、バルコニー・廊下部分に採用可能である。
【0028】
請求項9記載の発明は、『前記片持床板は、前記桁行方向梁と別体に製作した半プレキャストコンクリート製の床板であり、この片持床板の上に鉄筋を配置し、現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することを特徴とする請求項6記載の逆梁工法。』である。
【0029】
この請求項9記載の発明によれば、柱外面に長く跳ね出す床板を有する構造物の場合には、片持床板と桁行方向梁とを別体にし、片持床板を半プレキャストコンクリート化することで軽量化ができ、運搬や取扱が容易で、バルコニー・廊下部分に採用可能である。
【0030】
請求項10記載の発明は、『前記梁間方向梁は、梁下部側面に周辺固定床板用の連結鉄筋のみを突設し、その下面に接合用のシャーコッタを設けると共に、複数のスリーブ継ぎ手とこのスリーブ継ぎ手から上方に延びて前記梁間方向梁上面から先端部が突出する鉛直接合筋とを埋設し、その両端部には壁・柱鉛直接合部へのコンクリート打込用の打設孔を穿設するプレキャストコンクリート製であって、この梁間方向梁を前記半プレキャストコンクリート製の床板の端部上に前記スリーブ継ぎ手をプレキャストコンクリート連層耐震壁の鉄筋に挿入して配置し、前記半プレキャストコンクリート製の床板の上に鉄筋を配置して現場打ちコンクリートを打設し、その後に前記鉛直接合筋の梁間方向梁上面から突出する先端部にプレキャストコンクリート連層耐震壁のスリーブ継ぎ手を挿通した後、グラウト材を注入して定着し構造物を構築することを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の逆梁工法。』である。
【0031】
この請求項10記載の発明によれば、梁間方向梁の上下面に耐震壁を接合する架構の場合には耐震壁と梁間方向梁とを分離してプレキャストコンクリートにより製作し、梁間方向梁を半プレキャストコンクリート製の床板の端部上に配置し、この床板の上に鉄筋を配置し現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することで、スラブ型枠やスラブ支保工等の現場打ちコンクリート部分の型枠工事を削減できる。また、下部のプレキャストコンクリート連層耐震壁の鉄筋に梁間方向梁のスリーブ継ぎ手を挿入し、この梁間方向梁上面から突出する鉛直接合筋の先端部にプレキャストコンクリート連層耐震壁のスリーブ継ぎ手を挿通して梁間方向梁と耐震壁を接合する構造であり、スリーブ継ぎ手を採用することで、鉄筋まで含めた耐震壁のせいを小さくでき、運搬上の制約を少なくできる。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を添付図面に基づき説明する。図1はこの発明の逆梁工法で構築する構造物の平面図、図2乃至図6は図1のII-II断面、III-III断面、IV-IV断面、V-V断面及びVI-VI断面を各々示す断面図である。図1に示す構造物の主要構造部材は柱1、梁間方向梁2、桁行方向梁3、周辺固定床板4及び片持床板5である。
【0033】
柱1は、プレキャストコンクリート製でも現場打ちコンクリート製でもよいが、梁下までの高さにして頂部には主筋1aを突設する。図1及び図2に示す柱1はプレキャストコンクリート製であるが、この場合には上層階の柱11とはグラウト充填方式のスリーブ1bにより連結する。
【0034】
梁間方向梁2は、梁下部側面に周辺固定床板用の連結鉄筋2aを突設し、梁端部下端から下端主筋2eを柱1にアンカーするように突設すると共に、梁端部上部切り込み部2gから上端主筋2iを柱1の手前まで突設した半プレキャストコンクリート製である。梁端部上部切り込み部2gを設け、上端主筋2iを柱1の手前まで突設することで、柱1の手前にジョイント部2cを設けることができ、桁行方向梁3の主筋3aを落とし込むことができる。また、柱1との鉛直接合面にはシャーコッタ2dを形成する。
【0035】
桁行方向梁3もプレキャストコンクリート製であり、室内側の梁下部側面には連結鉄筋3bを突設するが、柱1近傍で梁間方向梁2の連結鉄筋2aと交差する部分には特殊カプラー3cを埋設して梁設置後に連結鉄筋をねじ込めるようにする。また、柱1の外面に廊下やバルコニー等の片持床板5を有する構造物では桁行方向梁3と一体にプレキャストコンクリートで製作し、その跳ね出し長さが長い場合には適宜片持梁5aを配置する。
【0036】
片持梁5aの梁端部から主筋5bを柱1にアンカーするように柱1の手前まで突設し、梁間方向梁2及び桁行方向梁3を設置後に定着用アンカー筋を接続できるようにジョイント部5eを設け、鉛直接合面にはシャーコッタ5cを形成する。
【0037】
また、一体に製作する桁行方向梁3と片持床板5の部材には、適当なスパンでジョイント部6を設けておき、梁主筋をエンクローズ溶接により連結する。このジョイント部6は梁間方向梁2にも設けてもよい。また、構造物の妻側にバルコニー等の跳ね出し床板を設ける場合には、梁間方向梁2に片持床板を取り付けて一体にプレキャスト化する。
【0038】
構造物の室内側に逆梁構造で構築する周辺固定床板4は、複数枚のプレキャストコンクリート床板4aとその外周の現場打ちコンクリート床板4bからなる。プレキャストコンクリート床板4aは、連結鉄筋2a,3bに接続する重ね継手用鉄筋4cを外周面に突設する。現場打ちコンクリート床板4bは、連結鉄筋2a,3bと重ね継手用鉄筋4cを連結し、コンクリートを打設して構築するが、梁間方向梁2及び桁行方向梁3の梁下部より突設する型枠用プレキャストコンクリート板7を型枠として用いる。
【0039】
上記のような構造部材を用いて逆梁の構造物を構築する場合には、梁間方向梁2を既に先行して梁下端までコンクリート打設が完了している柱1の頂部に載置し、次いで桁行方向梁3を設置した後、梁間方向梁2の上端主筋2iと現場にて挿入する柱1内への定着用アンカー筋2bとを接続し、柱・梁接合部、梁間方向梁2の梁端部上部切り込み部2g、桁行方向梁・梁接合部及び周辺固定床板の接合部に現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築する。
【0040】
このようにして固定される梁間方向梁2及び桁行方向梁3の梁下部側面より突設する連結鉄筋2a,3bと、内部に配置したプレキャストコンクリート床板4aの重ね継手用鉄筋4cを連結し、現場打ちコンクリート床板4bを構築する。これにより内部の床板は周辺固定となり各梁に剛接合することになる。重ね継手を利用することで特殊な継手部材を必要とせず容易、かつ安価な逆梁構造の床板構築が実現できる。
【0041】
以上説明した構造物はいわゆるラーメン架構の例であるが、この発明の逆梁工法は連層耐震壁架構の構造物にも適用可能である。その実施の形態を図7乃至図9に基づき説明する。図7は他の実施形態の逆梁工法で構築する構造物の平面図、図8及び図9は図7のVIII-VIII断面、IX-IX断面を各々示す断面図である。なお、この実施形態では、耐震壁の存在する部分を除く他の構造部材の構成、作用は前述したラーメン架構のそれと同一であるので図1乃至図6で用いた符号を付して詳細な説明は省略する。
【0042】
連層耐震壁8は、梁間方向梁である枠梁22の上下面に接続するプレキャストコンクリートの構造部材であるが、一般的にプレキャスト部材の重量に制限があるため、枠梁22と連層耐震壁8とは分離して製作する。枠梁22も両端部の上部を除いてプレキャストコンクリートで製作し、下部側面には所定長さの連結鉄筋2aを突設する。また、現場打ちコンクリート床板4bを構築するための型枠用プレキャストコンクリート板7も下面より突設する。また、現場打ちコンクリート内に埋設する両端部の上端主筋2bは、柱21の手前にジョイント部2cを設ける。
【0043】
この枠梁22の上下面には、耐震壁との水平接合部を構成するシャーコッタ22aを設け、また上下に貫通する複数のシース管22bを埋設し、両端部には壁・柱鉛直接合部へのコンクリート打込用の打設孔22cを穿設する。また、柱21と連層耐震壁8との間には鉛直接合部9を設け各々にシャーコッタ9aを形成する。
【0044】
連層耐震壁8の上部には複数本の鉛直接合筋8aを突設するが、これをシース管22b内に挿通してグラウト材を注入し相互を連結する。また、打設孔22cよりコンクリートを鉛直接合部9に打ち込み、柱・耐震壁・枠梁の一体化を図る。なお、鉛直接合筋8aは柱主筋と同様に上層階の連層耐震壁18とグラウト充填方式のスリーブ8bにより連結する。
【0045】
次に、この発明の他の実施の形態を添付図面に基づき説明する。図10はこの発明の逆梁工法で構築する構造物の平面図、図11乃至図13は図10のXI-XI断面、XII-XII断面、XIII-XIII断面を各々示す断面図である。
【0046】
この実施の形態は、図1乃至図6と同様に構成されるものは同じ符号を付して説明を省略するが、梁間方向梁2は、梁下部側面に周辺固定床板用の連結鉄筋2aのみを突設し、梁端部下端から下端主筋2eを柱1にアンカーするように突設すると共に、梁端部上部切り込み部2gから上端主筋2iを柱1の手前まで突設した半プレキャストコンクリート製である。桁行方向梁3もプレキャストコンクリート製であり、室内側の梁下部側面には連結鉄筋3bのみを突設するが、柱1近傍で梁間方向梁2の連結鉄筋2aと交差する部分には特殊カプラー3cを埋設して梁設置後に連結鉄筋をねじ込めるようにする。構造物の室内側に逆梁構造で構築する周辺固定床板4は、複数枚の半プレキャストコンクリート床板4aとその上部の現場打ちコンクリート床板4bからなる。半プレキャストコンクリート床板4aの上部には、鉄筋4cを配置し、この鉄筋4cを連結鉄筋2a,3bと重ねて連結し、コンクリートを打設して現場打ちコンクリート床板4bを構築する。
【0047】
上記のような構造部材を用いて逆梁の構造物を構築する場合には、半プレキャストコンクリート床板4aを梁間方向梁2及び桁行方向梁3に先行して配置し、その後梁間方向梁2を既に先行して梁下端までコンクリート打設が完了している柱1の頂部に載置し、次いで桁行方向梁3を設置した後、梁間方向梁2の上端主筋2iと現場にて挿入する柱1内への定着用アンカー筋2bとを接続し、半プレキャストコンクリート床板4aの上部には、鉄筋4cを配置し、半プレキャストコンクリート床板4aの上、柱・梁接合部、梁間方向梁2の梁端部上部切り込み部2g及び桁行方向梁・梁接合部に現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築する。
【0048】
このようにして周辺固定床板4の半プレキャストコンクリート床板4aを梁間方向梁2及び桁行方向梁3に先行して建方することで梁間方向梁2及び桁行方向梁3から突出した連結鉄筋2a,3bが邪魔にならずに施工できる。また、周辺固定床板4は、その周辺部が連結鉄筋2a,3bの下側に配置される半プレキャストコンクリート製の床板4aであって、この半プレキャストコンクリート製の床板4aの上に鉄筋4cを配置し現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することで、現場打ちコンクリート部分の型枠工事を削減できる。
【0049】
次に、片持床板5の他の実施の形態を、図14乃至図17に基づいて説明する。図14の実施の形態では、片持床板5が桁行方向梁3の下部と一体に製作した半プレキャストコンクリート製の床板であり、この片持床板5の上に鉄筋5fを配置し、現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築する。片持床板5を半プレキャストコンクリート化することで軽量化ができ、運搬や取扱が容易で、バルコニー・廊下部分に採用可能である。
【0050】
図15の実施の形態では、片持床板5が、桁行方向梁3の上部と一体に製作した半プレキャストコンクリート製の床板であり、この片持床板5の上に鉄筋5fを配置し、現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築する。図14の実施の形態と同様に、片持床板5を半プレキャストコンクリート化することで軽量化ができ、運搬や取扱が容易で、バルコニー・廊下部分に採用可能である。
【0051】
図16の実施の形態では、片持床板5が、桁行方向梁3と別体に製作したプレキャストコンクリート製の床板であり、片持床板・桁行方向梁接合部に現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築する。片持床板5と桁行方向梁3とを別体にすることで軽量化ができ、運搬や取扱が容易で、バルコニー・廊下部分に採用可能である。
【0052】
図17の実施の形態では、片持床板5が、桁行方向梁3と別体に製作した半プレキャストコンクリート製の床板であり、この片持床板5の上に鉄筋5fを配置し、現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築する。片持床板5と桁行方向梁3とを別体にし、片持床板5を半プレキャストコンクリート化することで軽量化ができ、運搬や取扱が容易で、バルコニー・廊下部分に採用可能である。
【0053】
以上図10乃至図17において説明した構造物はいわゆるラーメン架構の例であるが、この発明の逆梁工法は連層耐震壁架構の構造物にも適用可能である。その実施の形態を図18乃至図21に基づき説明する。図18は他の実施形態の逆梁工法で構築する構造物の平面図、図19及び図20は図18のXIX-XIX断面、XX-XX断面を各々示す断面図、図21は図20の一部の拡大断面図である。なお、この実施の形態では、耐震壁の存在する部分を除く他の構造部材の構成、作用は前述したラーメン架構のそれと同一であるので図10乃至図17で用いた符号を付して詳細な説明は省略する。
【0054】
連層耐震壁8は、梁間方向梁である枠梁22の上下面に接続するプレキャストコンクリートの構造部材であるが、一般的にプレキャスト部材の重量に制限があるため、枠梁22と連層耐震壁8とは分離して製作する。枠梁22も両端部の上部を除いてプレキャストコンクリートで製作し、下部側面には所定長さの連結鉄筋2aのみを突設する。また、現場打ちコンクリート内に埋設する両端部の上端主筋2iは、柱21の手前にジョイント部2cを設ける。
【0055】
この枠梁22の下面には、連層耐震壁8との水平接合部を構成するシャーコッタ22aを設け、複数のスリーブ継ぎ手60とこのスリーブ継ぎ手60から上方に延びて枠梁22上面から先端部61aが突出する鉛直接合筋61とを埋設し、両端部には壁・柱鉛直接合部へのコンクリート打込用の打設孔22cを穿設するプレキャストコンクリート製である。
【0056】
この枠梁22を周辺固定床板4の半プレキャストコンクリート床板4aの端部上にスリーブ継ぎ手60を連層耐震壁8の鉄筋62に挿入して配置し、半プレキャストコンクリート床板4aの上に鉄筋4cを配置して現場打ちコンクリートを打設し、その後に鉛直接合筋61の枠梁22上面から突出する先端部61aに連層耐震壁8のスリーブ継ぎ手60を挿通した後、スリーブ継ぎ手60内にグラウト材を注入して定着し構造物を構築する。
【0057】
枠梁22を周辺固定床板4の半プレキャストコンクリート床板4a上に配置し、半プレキャストコンクリート床板4aの上に鉄筋4cを配置し現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することで、スラブ型枠やスラブ支保工等の現場打ちコンクリート部分の型枠工事を削減できる。また、下部のプレキャストコンクリート連層耐震壁8の鉄筋62に枠梁22のスリーブ継ぎ手60を挿入し、この枠梁22上面から突出する鉛直接合筋61の先端部61aに上部のプレキャストコンクリート連層耐震壁8のスリーブ継ぎ手63を挿通して枠梁22と耐震壁8を接合する構造であり、スリーブ継ぎ手を採用することで、鉄筋まで含めた耐震壁8の全長がLであり、耐震壁8のせいを小さくでき、運搬上の制約を少なくできる。
【0058】
また、打設孔22cよりコンクリートを鉛直接合部9に打ち込み、柱・耐震壁・枠梁の一体化を図り、連層耐震壁架構の構造物であってもラーメン架構と同様に品質の確保された逆梁構造の構造物を提供することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明では、梁間方向梁及び桁行方向梁をプレキャストコンクリート製とし、梁間方向梁を既に先行して梁下端までコンクリート打設が完了している柱の頂部に載置し、次いで桁行方向梁を設置した後、梁間方向梁の上端主筋と現場にて挿入する柱内への定着用アンカー筋とを接続し、柱・梁接合部、梁間方向梁の梁端部上部切り込み部、桁行方向梁・梁接合部及び周辺固定床板の接合部に現場打ちコンクリートを打設するので、浮き型枠の面倒な組立や難しいコンクリートの打設をせずにすみ、梁の建入れや通りを正確にでき、しかも梁にコンクリートの水平打ち継目が生じないので耐力も十分に確保することができる。また、梁間方向梁は、その梁端部上部に切り込み部を設け、上端主筋を柱の手前までしか突設していないので、桁行方向梁の落とし込みが可能となり、柱・梁接合部での接合作業が大幅に削減できる。
【0060】
請求項2記載の発明では、片持床板が桁行方向梁と一体に製作したプレキャストコンクリート製であるから、浮き型枠の面倒な組立や難しいコンクリートの打設をせずにすみ、構造体の精度や耐力も十分確保することができる。
【0061】
請求項3記載の発明では、柱外面に長く跳ね出す床板を有する構造物の場合には、片持梁が片持床板に一体化され、片持床板の跳ね出し長さが長い場合でも耐力を十分に確保することができる。
【0062】
請求項4記載の発明では、現場打ちコンクリートにより周辺を固定する床板は、その下面に型枠支保工を必要とするが、型枠用プレキャストコンクリート板を梁間方向梁及び桁行方向梁の梁下部に突設することで型枠部材が不要となる。
【0063】
請求項5記載の発明では、梁間方向梁の上下面にシャーコッタを設け上下に貫通する複数のシース管を埋設し両端部にコンクリート打込用の打設孔を穿設するので、枠梁・耐震壁及び柱を一体に構築することが可能となり、連層耐震壁架構の構造物であってもラーメン架構と同様に品質の確保された逆梁構造の構造物を提供することができる。
【0064】
請求項6記載の発明では、半プレキャストコンクリート製の床板を梁間方向梁及び桁行方向梁に先行して建方することで梁間方向梁及び桁行方向梁から突出した連結鉄筋が邪魔にならずに施工できる。また、半プレキャストコンクリート製の床板は、その周辺部が連結鉄筋の下側に配置され、この周辺固定床板半プレキャストコンクリート製の床板の上に鉄筋を配置し現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することで、現場打ちコンクリート部分の型枠工事を削減できる。
【0065】
請求項7記載の発明では、片持床板が桁行方向梁と一体に製作した半プレキャストコンクリート製の床板であり、この片持床板の上に鉄筋を配置し、現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築するから、柱外面に長く跳ね出す床板を有する構造物の場合には、片持床板を半プレキャストコンクリート化することで軽量化ができ、運搬や取扱が容易で、バルコニー・廊下部分に採用可能である。
【0066】
請求項8記載の発明では、片持床板が桁行方向梁と別体に製作したプレキャストコンクリート製の床板であり、片持床板・桁行方向梁接合部に現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築するから、柱外面に長く跳ね出す床板を有する構造物の場合には、片持床板と桁行方向梁とを別体にすることで軽量化ができ、運搬や取扱が容易で、バルコニー・廊下部分に採用可能である。
【0067】
請求項9記載の発明では、片持床板が桁行方向梁と別体に製作した半プレキャストコンクリート製の床板であり、この片持床板の上に鉄筋を配置し、現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築するから、柱外面に長く跳ね出す床板を有する構造物の場合には、片持床板と桁行方向梁とを別体にし、片持床板を半プレキャストコンクリート化することで軽量化ができ、運搬や取扱が容易で、バルコニー・廊下部分に採用可能である。
【0068】
請求項10記載の発明では、梁間方向梁の上下面に耐震壁を接合する架構の場合には耐震壁と梁間方向梁とを分離してプレキャストコンクリートにより製作し、その際梁間方向梁の水平接合下面にはシャーコッタを設け、梁間方向梁を半プレキャストコンクリート製の床板の端部上に配置し、その床板の上に鉄筋を配置し現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築するから、スラブ型枠やスラブ支保工等の現場打ちコンクリート部分の型枠工事を削減できる。また、下部のプレキャストコンクリート連層耐震壁の鉄筋に梁間方向梁のスリーブ継ぎ手を挿入し、この梁間方向梁上面から突出する鉛直接合筋の先端部にプレキャストコンクリート連層耐震壁のスリーブ継ぎ手を挿通して梁間方向梁と耐震壁を接合する構造であり、スリーブ継ぎ手を採用することで、鉄筋まで含めた耐震壁のせいを小さくでき、運搬上の制約を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】逆梁工法で構築する構造物の平面図である。
【図2】図1のII-II断面を示す断面図である。
【図3】図1のIII-III断面を示す断面図である。
【図4】図1のIV-IV断面を示す断面図である。
【図5】図1のV-V断面を示す断面図である。
【図6】図1のVI-VI断面を示す断面図である。
【図7】他の実施形態の逆梁工法で構築する構造物の平面図である。
【図8】図7のVIII-VIII断面を示す断面図である。
【図9】図7のIX-IX断面を示す断面図である。
【図10】他の実施形態の逆梁工法で構築する構造物の平面図である。
【図11】図10のXI-XI断面を示す断面図である。
【図12】図10のXII-XII断面を示す断面図である。
【図13】図10のXIII-XIII断面を示す断面図である。
【図14】片持床板の他の実施の形態を示す図である。
【図15】片持床板の他の実施の形態を示す図である。
【図16】片持床板の他の実施の形態を示す図である。
【図17】片持床板の他の実施の形態を示す図である。
【図18】他の実施形態の逆梁工法で構築する構造物の平面図である。
【図19】図18のXIX-XIX断面を示す断面図である。
【図20】図18のXX-XX断面を示す断面図である。
【図21】図20の一部の拡大断面図である。
【図22】従来の逆梁工法を示す図である。
【図23】従来の他の逆梁工法を示す図である。
【符号の説明】
1 柱
2 梁間方向梁
2a 連結鉄筋
3 桁行方向梁
3b 連結鉄筋
4 周辺固定床板
4a プレキャストコンクリート床板
4b 現場打ちコンクリート床板
4c 重ね継手用鉄筋
5 片持床板
7 型枠用プレキャストコンクリート板

Claims (10)

  1. 梁間方向梁及び桁行方向梁の下部に周辺固定床板及び片持床板を有する逆梁工法において、前記梁間方向梁は、梁下部側面に周辺固定床板用の連結鉄筋を突設し、梁端部下端から下端主筋を柱にアンカーするように突設すると共に、梁端部上部切り込み部から上端主筋を柱の手前まで突設した半プレキャストコンクリート製であり、他方前記桁行方向梁は、梁下部側面に周辺固定床板用の連結鉄筋を突設したプレキャストコンクリート製であり、さらに前記周辺固定床板は、これら連結鉄筋に接続する重ね継手用鉄筋を突設するプレキャストコンクリート製の床板であって、これらの部材を用い、前記梁間方向梁を既に先行して梁下端までコンクリート打設が完了している柱の頂部に載置し、次いで前記桁行方向梁を設置した後、前記梁間方向梁の上端主筋と現場にて挿入する柱内への定着用アンカー筋とを接続し、柱・梁接合部、梁間方向梁の梁端部上部切り込み部、桁行方向梁・梁接合部及び周辺固定床板の接合部に現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することを特徴とする逆梁工法。
  2. 前記片持床板は、前記桁行方向梁と一体に製作したプレキャストコンクリート製であることを特徴とする請求項1記載の逆梁工法。
  3. 片持梁は、前記片持床板と一体に製作し、梁端部から主筋を柱にアンカーするように柱の手前まで突設したプレキャストコンクリート製であり、前記主筋と現場にて挿入する柱内への定着用アンカー筋とを接続し、柱・梁接合部に現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することを特徴とする請求項2記載の逆梁工法。
  4. 前記梁間方向梁及び前記桁行方向梁は、梁下部に型枠用プレキャストコンクリート板を突設することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の逆梁工法。
  5. 前記梁間方向梁は、その上下面にプレキャストコンクリート連層耐震壁接合用のシャーコッタを設けると共に上下に貫通する複数のシース管を埋設し、その両端部には壁・柱鉛直接合部へのコンクリート打込用の打設孔を穿設するプレキャストコンクリート製であって、これらシース管内にプレキャストコンクリート連層耐震壁の鉛直接合筋を挿通した後、グラウト材を注入して定着することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の逆梁工法。
  6. 梁間方向梁及び桁行方向梁の下部に周辺固定床板及び片持床板を有する逆梁工法において、前記梁間方向梁は、梁下部側面に周辺固定床板用の連結鉄筋のみを突設し、梁端部下端から下端主筋のみを柱にアンカーするように突設すると共に、梁端部上部切り込み部から上端主筋のみを柱の手前まで突設した半プレキャストコンクリート製であり、他方前記桁行方向梁は、梁下部側面に周辺固定床板用の連結鉄筋のみを突設したプレキャストコンクリート製であり、さらに前記周辺固定床板は、その周辺部が前記連結鉄筋の下側に配置される半プレキャストコンクリート製の床板であって、これらの部材を用い、前記半プレキャストコンクリート製の床板を前記梁間方向梁及び桁行方向梁に先行して配置し、次いで前記梁間方向梁を既に先行して梁下端までコンクリート打設が完了している柱の頂部に載置し、前記桁行方向梁を設置した後、前記半プレキャストコンクリート製の床板の上に鉄筋を配置し、前記梁間方向梁の上端主筋と現場にて挿入する柱内への定着用アンカー筋とを接続し、前記半プレキャストコンクリート製の床板の上、柱・梁接合部、梁間方向梁の梁端部上部切り込み部及び桁行方向梁・梁接合部に現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することを特徴とする逆梁工法。
  7. 前記片持床板は、前記桁行方向梁と一体に製作した半プレキャストコンクリート製の床板であり、この片持床板の上に鉄筋を配置し、現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することを特徴とする請求項6記載の逆梁工法。
  8. 前記片持床板は、前記桁行方向梁と別体に製作したプレキャストコンクリート製の床板であり、片持床板・桁行方向梁接合部に現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することを特徴とする請求項6記載の逆梁工法。
  9. 前記片持床板は、前記桁行方向梁と別体に製作した半プレキャストコンクリート製の床板であり、この片持床板の上に鉄筋を配置し、現場打ちコンクリートを打設して構造物を構築することを特徴とする請求項6記載の逆梁工法。
  10. 前記梁間方向梁は、梁下部側面に周辺固定床板用の連結鉄筋のみを突設し、その下面に接合用のシャーコッタを設けると共に、複数のスリーブ継ぎ手とこのスリーブ継ぎ手から上方に延びて前記梁間方向梁上面から先端部が突出する鉛直接合筋とを埋設し、その両端部には壁・柱鉛直接合部へのコンクリート打込用の打設孔を穿設するプレキャストコンクリート製であって、この梁間方向梁を前記半プレキャストコンクリート製の床板の端部上に前記スリーブ継ぎ手をプレキャストコンクリート連層耐震壁の鉄筋に挿入して配置し、前記半プレキャストコンクリート製の床板の上に鉄筋を配置して現場打ちコンクリートを打設し、その後に前記鉛直接合筋の梁間方向梁上面から突出する先端部にプレキャストコンクリート連層耐震壁のスリーブ継ぎ手を挿通した後、グラウト材を注入して定着し構造物を構築することを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の逆梁工法。
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