JP3840423B2 - 木材の電気破砕方法及びその装置並びに木材中に存在する固形の異物を回収する異物回収装置 - Google Patents

木材の電気破砕方法及びその装置並びに木材中に存在する固形の異物を回収する異物回収装置 Download PDF

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  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電極間に発生させた雷放電によって木材を電気破砕する木材の電気破砕方法及びその装置並びに木材中に存在する固形の異物を回収する異物回収装置に関し、特に、内部に釘等の異物が存在する木材から異物を分離させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ツーバイフォー工法等のように特定住宅工法によって建築された工業生産性住宅の廃材、或いは、一般的な建築廃材からは、釘等の異物入りの廃木材が大量に発生するため、この廃材を如何に処分するかが問題となってきている。このような廃木材内の異物を分離除去する方法としては、従来から種々の方法が提案されている。
最も安易な処理法としては、焼却処理が挙げられる。この焼却処理では、廃木材を焼却炉内で燃焼させる。また、剪断破砕機のような大型粉砕機による処理方法も挙げられる。この破砕処理方法では、廃木材を破砕し、粉々になった廃木材中から釘を磁選機等で回収する。
【0003】
ところで、被破砕物を雷放電によって破砕する方法に、電気破砕方法がある。この電気破砕方法は、対向する電極の間に被破砕物を位置させ、高電圧を印加することにより対向電極間に発生させた雷放電を被破砕物に作用させることにより行う。電気破砕においては、被破砕物の電気抵抗率(電気伝導率)の差がある部位(境界面)を電流が流れる特性がある。従って、釘やその他異物が混入した木材を電気破砕した場合、木材と釘やその他異物の境界面から破砕が生じ、結果的に木材のみ、或いは釘のみの単体の物質に分離(単体分離)できる特徴がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した焼却処理は、釘が混入した廃木材を焼却炉に投入すると、鉄である釘の影響により炉体が過熱されて炉体にダメージを与えるという問題が生じる。また、異物や、異物からの被分離体をリサイクルすることができず、地球環境保全や省エネルギの観点からも好ましくない。
また、剪断破砕機による分離方法は、破砕後に磁選機により異物を回収しようとしても、木材が十分に破砕されておらず、釘の一部が木材中に突き刺さったままであることが多く、廃木材から釘等の異物を単体として確実に取り除くことは実質的に困難なことが多い。
【0005】
さらに、電気破砕方法は、これまで廃木材の処理のための方法としては検討されておらず、その理由は例えば以下に挙げる未解決の課題を包含しているためであった。即ち、廃木材の厚みは均一ではなく、厚い角材に合わせ電極間距離を長くとらなければならず、厚みのある被破砕物に雷放電が集中するなど破砕にムラが生じる。角材の場合、厚み方向の距離が長いため、雷放電の際に角材の外周に沿う短絡(いわゆる沿面放電)が発生し易くなる。さらに、木材が重なり合い釘等の異物が電極対向側に表出していない場合や木材内部に釘が埋まっているような場合には、雷放電による破砕を効率よく行うことができない。これらの問題から、従来、電気破砕方法によっては、釘やその他異物が混入した木材を確実に単体分離することは困難とされていた。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、電気破砕時における雷放電をムラなく、しかも確実に異物に当てることのできる木材の電気破砕方法及びその装置並びに木材中に存在する固形の異物を回収する異物回収装置を提供し、もって、釘やその他異物が混入した木材を確実に単体分離することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る請求項1記載の木材の電気破砕方法は、被破砕物となる木材を圧縮し、この圧縮した木材を液体中に浸漬して前記木材の圧縮方向から高電圧を印加して破砕することを特徴とする。
【0008】
この木材の電気破砕方法では、電気破砕処理に先立って木材が圧縮解砕される。この圧縮解砕により、木材内に釘やその他異物が混在していた場合でも、異物の混在する木材が扁平に潰され、釘やその他異物が適度に露出し、雷放電による破砕が効率よく行われる。また、圧縮解砕によって木材が薄厚となり、電極間距離を短くできる。このことから、印加電圧が小さくて済み、必要以上の大きな電圧の印加が不要となる。さらに、圧縮解砕によって木材の厚みが揃うので、電極間距離を一定間隔に保持した状態で連続的に破砕が行えるため、破砕のムラが生じにくくなる。以上のような圧縮解砕の作用によって木材が効果的に破砕され、電気破砕によって木材と異物との境界面から破砕が生じ、最終的に木材のみ、或いは異物のみの単体の物質に分離(単体分離)され、木材から異物が確実に取り出されることになる。
【0009】
請求項2記載の木材の破砕装置は、被破砕物となる木材を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機から排出された木材を液体中に浸漬し、木材の圧縮方向から高電圧を印加して雷放電を生じさせることにより該木材を破砕する電気破砕装置とを具備したことを特徴とする。
【0010】
この木材の破砕装置では、圧縮機によって木材を潰して扁平状としてから電気破砕装置によって高電圧を印加するので、木材内部に存在している釘等の異物を表出させた状態で電気破砕処理が行え、木材を異物に沿って効率よく破砕し、木材から異物を確実に取り出すことができる。以て、木材と異物との確実な分離が可能になる。
【0011】
請求項3記載の木材の破砕装置は、前記電気破砕装置が、搬送面に複数の透孔を有する搬送ベルトによって前記木材を載置して搬送する下側コンベヤと、前記下側コンベヤの上方に設けられ、搬送面に複数の透孔を有し少なくとも破砕処理領域で前記下側コンベヤの搬送ベルトに押し当てて前記木材を挟持する押圧搬送ベルトを有する上側コンベヤと、前記下側コンベヤ及び上側コンベヤの少なくとも前記破砕処理領域を浸漬する絶縁性の液体を貯留した処理槽と、前記処理槽内の前記下側コンベヤの破砕処理領域下方に設けた固定電極と、前記各コンベヤの破砕処理領域を挟んで前記固定電極に対向して設けた棒状の対向電極と、前記固定電極と前記対向電極との間に高電圧を印加する高電圧発生手段とを具備したことを特徴とする。
【0012】
この木材の破砕装置では、透孔を有する搬送ベルト上に木材を供給し、この木材を押圧搬送ベルトとの間で狭持させて処理層内に搬送し、固定電極と対向電極との間に高電圧を印加することにより、固定電極と対向電極との間で、搬送ベルトの透孔と木材を通過する雷放電が発生する。
【0013】
請求項4記載の木材の破砕装置は、前記圧縮機と前記電気破砕装置との間に、前記圧縮機から排出された木材を電気破砕装置へ供給する搬送手段を配設し、前記搬送手段が、搬送面上方に前記圧縮された木材をその圧縮方向を上下方向として1個のみが通過するだけの上下方向間隔を隔てて設けた厚み規制部を備えたことを特徴とする。
【0014】
この木材の破砕装置では、圧縮機から排出された木材を電気破砕装置へ供給する際に、搬送手段の厚み規制部によって、搬送面上で上下方向に重なり合う木材を平坦に均すことができる。
【0015】
請求項5記載の木材の破砕装置は、前記搬送手段の前記厚み規制部より搬送方向下流側で、それぞれ複数のピンが離散的に前記搬送面から突設された整列部を備えたことを特徴とする。
【0016】
この木材の破砕装置では、搬送手段の整列部によって、搬送面上を搬送される木材が、電極の存在する位置へと導かれ、雷放電を受けるのに最適な向きに姿勢転換される。
【0017】
請求項6記載の木材の破砕装置は、前記処理層内の少なくとも前記破砕処理領域の下側コンベヤ下方に、木材破砕後の小片を処理層外へ搬送する補助コンベヤを備えたことを特徴とする。
【0018】
この木材の破砕装置では、処理層内の破砕処理領域で、下側コンベヤの透孔から落下した木材破砕後の小片が補助コンベヤによって受け止められて、処理層外に搬送される。これにより、木材内に存在する釘等の異物が回収される。
【0019】
請求項7記載の木材中に存在する固形の異物を回収する異物回収装置は、請求項2〜請求項6のいずれか1項記載の木材の破砕装置と、該木材の破砕装置により破砕された処理物から異物を選別処理する選別手段とを具備し、木材と、該木材内に存在する異物とを分離回収することを特徴とする。
【0020】
この木材中に存在する固形の異物を回収する異物回収装置では、木材の破砕装置により木材中の異物が確実に分解され、選別手段によって木材と異物とが分離回収されるため、木材中の異物が確実に回収されて、これを高効率でリサイクルすることが可能となる。
【0021】
請求項8記載の木材中に存在する固形の異物を回収する異物回収装置は、前記選別手段が、磁力によって磁性物を吸着する磁選機であることを特徴とする。
【0022】
この木材中に存在する固形の異物を回収する異物回収装置では、一旦、木材と異物との分離がなされた後、この分離物の中から、釘等の磁性物、或いは磁性物を内部に含む木材が磁選機によって吸着選別される。このような、磁性物、或いは磁性物を内部に含む木材が磁選機によって吸着除去されることで、木材の単体分離が一層確実なものとなる。
【0023】
請求項9記載の木材中に存在する固形の異物を回収する異物回収装置は、前記磁選機によって吸着選別され内部に磁性物が存在する木材を前記圧縮機へ搬送して再投入するリターンコンベヤを備えたことを特徴とする。
【0024】
この木材中に存在する固形の異物を回収する異物回収装置では、磁選機によって吸着除去された釘等の磁性物、或いは内部に磁性物が存在する木材が、リターンコンベヤによって再び圧縮機へ再投入され、一度の電気破砕では釘と分離されなかった木材が再び電気破砕されることで、木材のみ、或いは釘のみの単体分離がより確実なものとなる。また、これにより、異物の回収効率も同時に向上することができる。
【0025】
なお、上記の木材の電気破砕装置では、搬送面に複数の透孔を有する搬送ベルトを備えたコンベヤの少なくとも破砕処理領域を処理層内の液中に浸漬し、該破砕処理領域を挟んで下方に設けた固定電極と上方に設けた棒状の対向電極との間に高電圧を印加して、前記破砕処理領域における搬送ベルト上の前記被破砕物を破砕する電気破砕方法として、対向電極に透孔が一致する位置で前記搬送ベルトの搬送動作を停止して、前記高電圧を印加するように制御したり、或いは、前記搬送ベルトを搬送動作させながら対向電極に透孔が一致したタイミングごとに前記高電圧を印加するように制御することが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る木材の電気破砕方法及びその装置並びに木材中に存在する固形の異物を回収する異物回収装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1に本発明に係る木材の破砕装置を表す概念図を示した。
本実施の形態による木材の破砕装置(木材の電気破砕装置)100は、被破砕物である木材Wが投入される被破砕物投入部3と、木材を所定厚みに圧縮すると共に一部解砕する圧縮機としての圧縮解砕機5と、圧縮された木材を整列搬送する搬送手段7と、搬送されてくる木材を電気破砕する電気破砕装置9とを主要な構成部として備えている。この木材の破砕装置100により、例えば廃木材のように、釘等の異物が内部に存在する木材を電気破砕法により連続的に解砕し、木材と異物とを高効率で分離可能な状態にすることができる。
【0027】
以下、この木材の破砕装置100の構成とその動作の概略を順次説明する。
まず、被破砕物投入部3は、投入ホッパ11と、この投入ホッパ11の下方に配置され投入ホッパ11から排出された木材Wを搬送する投入コンベヤ13からなる。投入ホッパ11は、投入口に投入された多量の木材Wを下部より一定量ずつ排出し、さらに投入コンベヤ13によってこの一定量の木材Wを圧縮機5へと供給する。なお、投入ホッパ11へ木材Wを投入する際、木材の長手方向を揃えた状態で投入することが望ましい。
【0028】
被破砕物投入部3の搬送方向下流側には圧縮解砕機5を配設している。図2に圧縮解砕機の概略構成を表す断面図を示した。圧縮解砕機5は、上面が開口し、この開口に投入コンベヤ13から搬出された木材Wが供給される。上部開口の下方には、回転軸を水平方向として互いに平行に配置した一対のローラ15a,15bを有している。一方のローラ15aは回転軸を固定しているのに対し、他方のローラ15bは回転軸を水平方向に移動可能にして、適宜の付勢手段によってローラ15aに近接する方向に押圧されている。また、他方のローラ15bは、図示しないストッパによってローラ15aへの近接距離が規制され、これによりローラ15a,15b同士の間で、所定の間隙dを形成している。この間隙dが、ローラ15a,15b通過後の木材Whの厚みと略等しくなる。
【0029】
また、上記ローラ15a,15bの外周面には複数の圧縮歯17が突設され、ローラ15a,15b間に木材Wが通過する際に、この木材Wを圧縮すると共に一部を解砕する。圧縮歯17は解砕力が高く、木材Wの確実な送りが得られる鬼歯型としている。このように、ローラ外周面に突起を設けることにより、内部に釘等の異物が存在する木材Wが潰れ、その異物が表出し易くなる。この様子を図3に示した。(a)は圧縮解砕機5に供給される木材Wの状態を示し、(b)は圧縮解砕機5を通過した後の木材Whの状態を示している。この圧縮解砕により、釘やその他異物の混入した木材が扁平に潰されて、釘やその他異物が適度に露出し、雷放電による破砕が効率よく行われる。
【0030】
圧縮解砕機5の下方には、搬送手段7を配設している。図4は搬送手段の構成図であって、(a)は平面図、(b)は側面図を示している。搬送手段7は、振動フィーダ19を基台として有し、この振動フィーダ19の振動搬送面21に圧縮解砕機5から落下する木材Whを受け止める木材受け部23、木材受け部23の搬送方向下流側の振動搬送面21上方に設けた厚み規制部25、厚み規制部25の搬送方向下流側に設けた整列部27がそれぞれ配設されてなる。
【0031】
振動フィーダ19は、搬送手段7の搬送駆動源であって、木材受け部23に落下した木材Whを、厚み規制部25を通じて整列部27へ微小振動により移動させる。
厚み規制部25は、振動フィーダ19の振動搬送面21を搬送方向に対して略直交する方向に横断する板状部材29からなり、この板状部材29は振動搬送面21から一定間隔を隔てて振動搬送面21に対して平行に配置されている。この一定間隔を圧縮解砕機5のロール間隔dより若干大きく設定することで、圧縮方向が振動搬送面21上で上下方向となって載置された木材Whを、上下方向の重なりをなくして一個のみを通過させるようにしている。つまり、上下方向に積み重なった木材Whが厚み規制部25を通過する際に、板状部材29によりその積載状態が崩され、各木材Whが振動搬送面21上に均されることになる。
【0032】
厚み規制部25より搬送方向下流側の振動搬送面21上に配設された整列部27は、複数のピン31が離散的に振動搬送面21から突設されてなる。ピン31の配列は、ピン間隔を、搬送する木材Whの最小幅よりも広く、且つ、木材Whがそれぞれ1個のみ通過可能な幅に設定している。整列部27は、このピン31の配列によって、搬送される木材Whを、電極の存在する位置へと導き、雷放電を受けるのに最適な向きに姿勢転換させる。また、本実施の形態において、ピン31は、千鳥状に配列している。また、ピン31は、前部における横方向の配列数を、後部に向かって徐々に増加させる配列パターンとしている。これにより、搬送されてきた木材Whが搬送方向に対して直角方向に二点支持され、堰き止められる状態となることが回避できるようになっている。
【0033】
図5は整列部による整列作用を示す説明図である。図5(a)に示すように、厚み規制部25を通過して平面状に均された木材Whが、振動搬送面21上を搬送されて整列部27のピン31同士の間に入り込む。そして、図5(b),(c)に示すように、木材Whがピン31によって向きを規制されながら整列される。これにより、木材Whが、図5(d)に示すように、電極の存在する位置へと導かれ、雷放電を受けるのに最適な向きに姿勢転換される。
【0034】
次に、電気破砕装置9を説明する。
搬送手段7の下流側に配設された電気破砕装置9は、振動フィーダ19の振動搬送面21から整列された木材Whを受け入れる。この電気破砕装置9は、搬送面に複数の透孔を有する搬送ベルト33によって木材Whを載置して搬送する下側コンベヤ35と、下側コンベヤ35の上方に設けられ、搬送面に複数の透孔を有し少なくとも破砕処理領域Pで下側コンベヤ35の搬送ベルト33に押し当てて木材Whを挟持する押圧搬送ベルト37を有する上側コンベヤ39と、下側コンベヤ35及び上側コンベヤ39の少なくとも破砕処理領域Pを浸漬する絶縁性の液体41を貯留した処理槽43と、処理槽43内の下側コンベヤ35の破砕処理領域P下方に設けた固定電極45と、各コンベヤ35,39の破砕処理領域Pを挟んで固定電極45に対向して設けた棒状の対向電極47と、固定電極45と対向電極47との間に高電圧を印加する高電圧パルス発生装置(高電圧発生手段)49と、制御装置50とを主要な構成として有している。
【0035】
下側コンベヤ35は、始端ローラ51と終端ローラ53との間で無端状の搬送ベルト33を矢印a方向に回転させる周回路を形成している。始端ローラ51と終端ローラ53との間の周回路には、搬送ベルト33を支持するためのガイドローラ55を適宜に配設している。周回路は、中央部が下方に突出する形状となっており、この下方に突出した周回路部分が破砕処理領域Pとなって処理槽43内に配置される。
【0036】
上側コンベヤ39は、無端状の押圧搬送ベルト37を逆台形状に張架した周回路を形成している。この押圧搬送ベルト37による周回路は、搬送ベルト33の処理槽43の搬入側の傾斜面、及び処理槽43の排出側の傾斜面においても木材Whが挟持されるように、搬送ベルト33を側方にも押圧するよう形成されている。
【0037】
図6に搬送ベルトの透孔と対向電極との位置関係を表す斜視図を示した。図示のように、搬送ベルト33は複数の透孔57を有しており、本実施形態では、格子状の搬送ベルト33を用いることにより透孔57を構成している。この他、搬送ベルト33は、帯状のゴムベルト等に、縦横所定間隔で丸孔等を穿設したものであってもよい。また、押圧搬送ベルト37は、搬送ベルト33と同様に、複数の透孔57を有した格子状に形成されている。
【0038】
この搬送ベルト33と押圧搬送ベルト37によって、破砕処理領域Pにおいて、各搬送ベルト33,37間に挟持された木材Whは、図7に図1のA−A断面を示すように、所定の挟持力で保持されて搬送される。なお、この押圧力は、搬送ベルト33及び押圧搬送ベルト37をゴム材により製作し、所定張力で張架することにより得ることができる。
【0039】
処理槽43は、絶縁性の液体41を貯留しており、図示しない供給タンク、供給ポンプ及び排出管等によって液体41の供給・排出が可能となっている。液体41は、絶縁媒体として水又はオイル等を好適に用いることができる。
処理槽43内における下側コンベヤ35の破砕処理領域Pの下方には、木材Whの搬送方向及び搬送ベルト33の幅方向に並んだ複数の固定電極45を配設している。固定電極45は、先端の尖った棒状に形成され、それぞれ搬送ベルト33の透孔57の位置に対応して2次元のマトリクス状に複数配列させてなる。
【0040】
一方、破砕処理領域Pの上方には、各固定電極45に対応して複数の対向電極47を配設している。対向電極47は、図6に示すように先端の尖った棒状の電極を、押圧搬送ベルト37の透孔57の位置に一致させると共に、その長手方向を固定電極45と略同一線上に配置している。従って、対向電極47は、押圧搬送ベルト37の透孔57、及び搬送ベルト33の透孔57を介して固定電極45に直線上で対向するようになっている。
【0041】
また、対向電極47は、搬送ベルト33へ近接・離反方向に昇降可能となっている。図8に対向電極を昇降動作させる昇降装置の動作説明図を示した。昇降装置63は制御装置50に接続され、図8(a)に示すように、下側コンベヤ35及び上側コンベヤ39の駆動時には対向電極47を上昇位置に待機させ、破砕処理領域Pにおける搬送ベルト33及び押圧搬送ベルト37の位置決め完了と同時に、図8(b)に示すように対向電極47を下降動作させる。また、木材Whの破砕完了後(所定回数の高電圧パルスの印加後)、対向電極47を上昇させて待機させる。
【0042】
そして、固定電極45と対向電極47との間には、制御装置50の指令により動作するスイッチ回路59を介して、高電圧パルス発生装置49から高電圧パルスが印加されるようになっている。
高電圧パルス発生装置49は、マトリクス状に配列された複数の対向電極47それぞれに対して個別に設けた構成としてもよいが、この他にも、構成と制御の簡略化のため、木材Whの搬送方向に沿った対向電極47の列毎に設けてもよく、搬送ベルト33の幅方向に沿った対向電極47の列毎に設けてもよい。また、全対向電極47に対して1つの高電圧パルス発生装置を設けた構成としてもよい。いずれの構成にするかは、発生させるエネルギの容量や設備コスト等の兼ね合いによって適宜設定される。
【0043】
制御装置50は、スイッチ回路59の他に、下側コンベヤ35の始端ローラ51や終端ローラ53等、及び上側コンベヤ39のローラ61等を回動させる図示しない駆動モータに接続され、下側コンベヤ35と上側コンベヤ39の搬送動作を制御している。搬送ベルト33及び押圧搬送ベルト37は、対向電極47に透孔57が一致する位置で停止されるように駆動され、この停止動作は、例えば、駆動モータの回転角や別途に設けた透孔検出センサ等からの検出値によって制御される。そして、制御装置50は、対向電極47が透孔57に一致し、搬送ベルト33が停止した状態で、高電圧パルスを断続的に複数回電極間に印加する。
【0044】
また、処理槽43内の破砕処理領域Pが含まれる搬送ベルト33下方の底面近傍には、補助コンベヤ65を配設している(図1参照)。搬送ベルト33は、破砕された木材Wh2及び鉄屑(釘等)が存在する木材Wh2を搬送する。これに対して補助コンベヤ65は、終端側が処理槽43の外部へと立ち上げられており、搬送ベルト33上で小さく破砕されて透孔57から落下した木材の屑や鉄屑(釘等)等の小片Wpを受け止め、これを処理槽43の外部へと排出する。
【0045】
下側コンベヤ35及び補助コンベヤ65の終端部の下方には、回収コンベヤ67が設けられ、回収コンベヤ67は下側コンベヤ35によって搬送されてくる破砕済みの木材Wh2を受け取り、図1の右方向の終端側へ搬送する。回収コンベヤ67の上方には磁選機69を設けてあり、磁選機69は下側コンベヤ35によって搬送されてくる破砕済みの木材Wh2から鉄屑(釘)等の磁性物を吸着選別し、木材と鉄屑とを分離する。このように破砕処理後であっても、釘、或いは釘を内部に含む木材が存在する場合に、この木材を磁選機69によって吸着除去することで、木材の単体分離が一層確実なものとなる。なお、磁性物としてアルミ等が含まれる可能性のある場合には、磁選機の代わりに或いは磁選機と共に渦電流選別装置等を設けてもよい。これにより、選別する材質に応じた適切な選別処理が行える。
【0046】
磁選機69の搬送方向下流側にはリターンコンベヤ81の始端を配設してあり、リターンコンベヤ81は終端を圧縮解砕機5の上面開口の上方に配設している。リターンコンベヤ81は、磁選機69によって吸着選別された内部に釘が存在する木材を圧縮解砕機5へ搬送して再投入する。これにより、一度の電気破砕では釘と分離されなかった木材が再び電気破砕されることで、木材のみ、或いは釘のみの単体分離がより確実なものとなる。従って、回収コンベヤ67の終端からは、釘、或いは釘を内部に含む木材を除いた、木材単体のみが回収される。
【0047】
また、補助コンベヤ65の下方には、副回収コンベヤ83が設けられ、副回収コンベヤ83は補助コンベヤ65によって搬送されてくる、透孔57から落下した木材や鉄屑を受け取り、図1の右方向の終端側へ搬送する。副回収コンベヤ83の上方には磁選機85を設けてあり、磁選機85は副回収コンベヤ83によって搬送されてくる木屑や鉄屑を吸着選別し、木材と鉄屑とを分離する。
【0048】
なお、処理槽43は、供給ポンプからの図示しない吐出口が図1の左側内壁面上方に、右側内壁面に向かって開口している。また、供給ポンプに接続される吸液口は、処理槽43の底面等に開口する。補助コンベヤ65の幅(図1の紙面垂直方向の距離)は、処理槽43の幅と略同一となっている。また、下側コンベヤ35の幅は、この補助コンベヤ65の幅より狭くなっている。そして、処理槽43の液面には、上側コンベヤ39の右側下部ローラ87の搬送方向手前側に、図示しないスクレーパを配設している。このスクレーパは、平面視で搬送方向上流側へ徐々に拡幅される「くの字」形状となっている。
【0049】
上記構成によれば、吐出口から液体41が吐出されることによって、処理槽43の液面に図1の右方向(搬送方向上流側)への液流が生じる。この液流により、電気破砕等によって発生した比重の小さい木屑は、処理層43の液面に浮いた状態で搬送方向上流側へと移動し、スクレーパによって上側コンベヤ39の両脇に分けられる。その後、木屑は処理槽43の右側内壁面に沿って上昇する補助コンベヤ65の傾斜搬送面まで移動するようになる。そして、この移動した木屑は、補助コンベヤ65の傾斜搬送面によってすくい上げられて、透孔57から落下した木屑や鉄屑と共に処理槽43の外へと排出されて処理されることになる。
【0050】
次に、上記のように構成した木材の破砕装置100を用いた木材の電気破砕方法の手順を説明する。
投入ホッパ11に木材Wが投入されると、投入ホッパ11はこれを下部より一定量ずつ排出し、投入コンベヤ13がこの一定量の木材Wを圧縮解砕機5へ供給する。圧縮解砕機5は、ローラ15a,15b同士の間に、木材Wを通すことで、木材Wを厚みが略dとなるように潰し、概略扁平状の木材Whとする。これにより、木材Wは図3(a)に示すように、内部に埋入していた釘71が、図3(b)に示すように木材W内部から表出するようになる。また、ローラ15a,15bにより木材Wの一部を解砕することで、木材W内部に多数のクラックを形成すると共に木材W表面を荒らすことで、電気破砕時における破砕を生じ易くする。また、木材Wを圧縮解砕することにより、木材Wを扁平に潰して釘やその他異物が適度に露出し、雷放電による破砕が効率よく行われる。
【0051】
圧縮解砕機5は、所定の厚みdの扁平状に潰した木材Whを下部より排出する。圧縮解砕機5の下方では、圧縮解砕機5から落下する木材Whを振動フィーダ19の木材受け部23で受け止め、振動搬送面21上で木材Whを微小振動により搬送する。
【0052】
木材Whが振動フィーダ19の厚み規制部25に到達すると、振動搬送面21上で上下方向に重なり合った木材Whが均され、重なりのない平面状に揃う。厚み規制部25を通過した木材Whは、次に、整列部27に到達し、木材Whをピン31により回転させ、電極の存在する位置へと木材Whを姿勢転換する。上記厚み規制部25及び整列部27は、木材Whが一度に多量に搬送されてきた場合に、木材Whの流れを一旦せき止めて、振動搬送面の幅方向全体に分散させる効果もある。これにより、搬送面の幅方向の一部に集中して木材Whが流れることを防止して、搬送面全体を有効利用することができる。
【0053】
このようにして長手方向を搬送方向に整列された木材Whは、電気破砕装置9の下側コンベヤ35上へ受け渡される。下側コンベヤ35は、搬送ベルト33を搬送方向aに駆動することにより、コンベヤの始端部に供給された木材Whを、処理槽43内へと搬送する。この際、上述のように搬送ベルト33と押圧搬送ベルト37との間に木材Whを挟持しながら処理槽43内へ搬送するので、処理槽43内の液体41中における木材Whの浮遊が防止される。また、バラバラの木材Whを塊状にでき、雷放電が木材Whを通過する確率を高められる。さらに、液体41内に木材Whを浸漬することにより、木材Whが空気より絶縁破壊強度の高い液体41雰囲気内に置かれることになり、木材Whを迂回する沿面放電の発生が抑制されるようになる。なお、本明細書中でいう「浸漬」とは、液体の中にひたすことを意味する。従って、木材の内部の空隙に水が充満していても、或いは空気が残っていてもよく、いずれの場合においても電気破砕は可能となる。
【0054】
木材Whを搬送する搬送ベルト33及び押圧搬送ベルト37が、処理槽43内の破砕処理領域Pに到達すると、制御装置50は各コンベヤ35,39の搬送動作を一旦停止する。次に、昇降装置63を動作させ、図8(b)に示すように、対向電極47を木材Whに近接するように下降させる。この搬送停止状態で、固定電極45と対向電極47との間に、高電圧パルスを印加する。なお、下側コンベヤ35の搬送ベルト33の透孔57と上側コンベヤ39の押圧搬送ベルト37の透孔57の位置は略一致するように各コンベア35,39が制御装置50によって同期制御されている。そして、一箇所の停止位置で断続的に複数回、高電圧パルスを印加すると、固定電極45と対向電極47との間で雷放電が発生して、木材Whの内部を釘71等に沿って雷電流が通過する。
【0055】
このように、木材Whへの雷放電を確実に発生させることができ、液体41中に木材Whを浸漬することで、木材Wh内の微細空隙を封鎖して、この微細空隙内で発生する爆発的膨張を木材Whに対する引っ張り力や剪断力として効率良く作用させることができる。従って、木材Whの微小空隙内における空気及び水分が効率よく爆発的に膨張し、その際に生じる引っ張り荷重により、木材Whが破砕されることになる。
また、木材は圧縮解砕されて薄厚となっているため、電極間距離を短くでき、これにより必要以上の大きな電圧印加が不要となり、印加電圧が小さく抑えられる。さらに、圧縮解砕によって木材の厚みが揃うので、電極間距離を一定に保ったまま連続的に破砕が行えるため、破砕にムラが生じ難くなる。
【0056】
所定回数の高電圧パルスの印加が終了した後、制御装置50により各コンベヤ35,39の搬送動作を再開し、破砕された木材Wh2が処理槽43の外部へと排出される。この際、透孔57から落下した木材Whからの小片Wpは、補助コンベヤ65上に受け止められ、同様に処理槽43の外部へと排出される。
【0057】
なお、ここでは透孔57の位置を固定電極45及び対向電極47に一致させた一回の停止位置のみで高電圧パルスを印加する場合を例に説明したが、本発明に係る木材の電気破砕方法は、搬送ベルト33及び押圧搬送ベルト37を透孔57のピッチごとに移動させて複数回停止させ、その停止位置毎に、複数回の高電圧パルスを断続的に印加するものであっても良い。この方法によれば、雷放電による雷電流をより均等に木材Whへ通すことができ、さらに確実な電気破砕を実現することができる。
【0058】
そして、処理槽43から排出された木材Wh2は、下側コンベヤ35及び補助コンベヤ65の終端から回収コンベヤ67へと移載される。回収コンベヤ67へ移載された木材Wh2と小片Wpからなる処理物は、選別手段としての磁選機69によって鉄屑(釘等)が取り除かれ、これにより、木材の破砕装置100を異物回収装置として機能させることができる。さらに、磁選機69によって吸着選別され内部に釘等が存在する木材がリターンコンベヤ81によって圧縮解砕機5へ再投入されることで、木材中の異物の分離がより確実に行われるようになる。従って、例えば廃木材中に存在する釘等の異物を確実に分離回収でき、異物のリサイクルを高効率で行うことが可能となる。
【0059】
以上説明した木材の破砕装置100を用いた破砕方法によれば、電気破砕処理に先立って釘やその他異物の混入した木材Wが圧縮解砕される。この圧縮解砕により木材Wが扁平に潰されて釘やその他異物が適度に露出し、雷放電による破砕が効率よく行われる。また、圧縮解砕によって木材Whを薄厚にでき、電極間距離を短くできるため、印加電圧を小さくでき、必要以上の大きな電圧の印加が不要となる。さらに、圧縮解砕によって木材Whの厚みが揃うので、一定の電極間距離で連続的に破砕が行えるため、破砕にムラが生じ難くなる。以上のような圧縮解砕の作用によって、電気破砕においては、木材Whと釘71やその他異物の境界面から破砕が生じ、最終的に木材のみ、或いは釘71のみの単体の物質に分離(単体分離)され、木材から異物が確実に取り出されることになる。このようにして、電気破砕処理により分離され回収された木材及び釘71等の異物はリサイクル可能となり、地球環境保全や省エネルギの観点から優れた効果が奏される。
【0060】
なお、上記した実施形態では、各コンベヤ35,39を停止させ、間欠的に木材Whを電気破砕する場合を例に説明したが、制御装置50からの制御形態を変更することにより、搬送ベルト33及び押圧搬送ベルト37を搬送駆動させながら、固定電極45及び対向電極47に透孔57が一致したタイミング毎に、高電圧パルスを印加する方法であってもよい。即ち、このような電気破砕方法によれば、各コンベヤ35,39を全く停止させることなく、連続した電気破砕を行うことができる。なお、この場合には、固定電極45及び対向電極47の数を増やすことで、雷放電による破砕効果を低下させずに木材Whの電気破砕が連続して行える。
【0061】
また、上記した固定電極45は、棒状の電極として説明したが、この他にも、例えば、図9に示すように、破砕処理領域Pの面と略同一面積で設けられ一部に破砕物排出用の開口孔73を有する板状の固定電極75であってもよい。また、図10(a)に示すように、搬送ベルト33の幅方向に長い短冊状の電極を木材Whの搬送方向に等間隔で設けた固定電極77、或いはこれとは逆に、図10(b)に示すように、木材Whの搬送方向に長い短冊状の電極を搬送ベルト33の幅方向に等間隔で設けた固定電極79等であってもよい。
【0062】
【発明の効果】
本発明に係る木材の電気破砕方法によれば、被破砕物となる木材を電気破砕処理に先立って圧縮解砕するので、釘やその他異物の混入した木材が扁平に潰され、釘やその他異物が適度に露出し、雷放電による破砕が効率よく行われる。また、圧縮解砕によって木材を薄厚にでき、電極間距離を短くできる。このことから、印加電圧が小さくて済み、必要以上の大きな電圧の印加が不要となる。さらに、圧縮解砕によって木材の厚みが揃うので、一定の電極間距離で連続的に破砕が行えるため、破砕にムラを生じ難くすることができる。
【0063】
本発明に係る木材の破砕装置によれば、投入された木材を圧縮し、所定の厚みの扁平状となるように潰して排出する圧縮機と、この圧縮機から排出された木材に、その圧縮方向から高電圧を印加して破砕する電気破砕装置とを備えたことにより、被破砕物となる木材を電気破砕処理に先立って圧縮解砕して、釘やその他異物の混入した木材を扁平に潰すことで、釘やその他異物を適度に露出させて、雷放電による破砕効率をよくすることができる。また、木材が薄厚となので、電極間距離を短くでき、印加電圧を小さくすることができる。さらに、木材の厚みを揃えることで、一定の電極間距離で連続的に破砕が行えるため、破砕にムラが生じ難くすることができる。その結果、木材と異物とを確実に単体分離することが可能となる。
【0064】
本発明に係る木材中に存在する固形の異物を回収する異物回収装置によれば、高効率で分離された木材と異物に対し、異物を選別処理することで、木材内に存在する異物を確実に分離回収することができる。そして、磁選機によって吸着選別され内部に鉄等の磁性物が存在する木材をリターンコンベヤによって圧縮機へ搬送して再投入するので、一度の電気破砕では異物と分離されなかった木材を再び電気破砕することができ、木材のみ、或いは異物のみの単体分離がより確実なものとなって、異物の回収効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る木材の破砕装置を表す概念図である。
【図2】圧縮解砕機の概略構成を表す断面図である。
【図3】内部に釘等の異物が存在する木材が潰れてその異物が表出する様子を示す説明図で、(a)は圧縮解砕機に供給される木材の状態、(b)は圧縮解砕機を通過した後の木材の状態を示す図である。
【図4】搬送手段の構成図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図5】整列部による整列作用を示す説明図である。
【図6】搬送ベルトの透孔と対向電極との位置関係を表す斜視図である。
【図7】図1のA−A断面を示す断面図である。
【図8】対向電極を昇降動作させる昇降装置の動作説明図である。
【図9】固定電極の板状とした構成例を示す図である。
【図10】固定電極を短冊状とした構成例を示す図である。
【符号の説明】
3 被破砕物投入部
5 圧縮解砕機(圧縮機)
7 搬送手段
9 電気破砕装置
19 振動フィーダ
21 振動搬送面
23 木材受け部
25 規制部
27 整列部
29 板状部材
31 ピン
33 搬送ベルト
35 下側コンベヤ
37 押圧搬送ベルト
39 上側コンベヤ
41 液体
43 処理槽
45 固定電極
47 対向電極
49 高電圧パルス発生装置(高電圧発生手段)
50 制御装置
57 透孔
59 スイッチ回路
65 補助コンベヤ
67 回収コンベヤ
69 磁選機(選別手段)
71 釘
81 リターンコンベヤ
100 木材の破砕装置
d ロール間隔
P 破砕処理領域
W 木材
h 圧縮後の扁平状木材
p 小片

Claims (9)

  1. 被破砕物となる木材を圧縮し、この圧縮した木材を液体中に浸漬して前記木材の圧縮方向から高電圧を印加して破砕することを特徴とする木材の電気破砕方法。
  2. 被破砕物となる木材を圧縮する圧縮機と、
    前記圧縮機から排出された木材を液体中に浸漬し、木材の圧縮方向から高電圧を印加して雷放電を生じさせることにより該木材を破砕する電気破砕装置とを具備したことを特徴とする木材の破砕装置。
  3. 前記電気破砕装置が、搬送面に複数の透孔を有する搬送ベルトによって前記木材を載置して搬送する下側コンベヤと、前記下側コンベヤの上方に設けられ、搬送面に複数の透孔を有し少なくとも破砕処理領域で前記下側コンベヤの搬送ベルトに押し当てて前記木材を挟持する押圧搬送ベルトを有する上側コンベヤと、前記下側コンベヤ及び上側コンベヤの少なくとも前記破砕処理領域を浸漬する絶縁性の液体を貯留した処理槽と、前記処理槽内の前記下側コンベヤの破砕処理領域下方に設けた固定電極と、前記各コンベヤの破砕処理領域を挟んで前記固定電極に対向して設けた棒状の対向電極と、前記固定電極と前記対向電極との間に高電圧を印加する高電圧発生手段とを具備したことを特徴とする請求項2記載の木材の破砕装置。
  4. 前記圧縮機と前記電気破砕装置との間に、前記圧縮機から排出された木材を電気破砕装置へ供給する搬送手段を配設し、
    前記搬送手段が、搬送面上方に前記圧縮された木材をその圧縮方向を上下方向として1個のみが通過するだけの上下方向間隔を隔てて設けた厚み規制部を備えたことを特徴とする請求項3記載の木材の破砕装置。
  5. 前記搬送手段の前記厚み規制部より搬送方向下流側で、それぞれ複数のピンが離散的に前記搬送面から突設された整列部を備えたことを特徴とする請求項4記載の木材の破砕装置。
  6. 前記処理層内の少なくとも前記破砕処理領域の下側コンベヤ下方に、木材破砕後の小片を処理層外へ搬送する補助コンベヤを備えたことを特徴とする請求項3〜請求項5記載の木材の破砕装置。
  7. 請求項2〜請求項6のいずれか1項記載の木材の破砕装置と、該木材の破砕装置により破砕された処理物から異物を選別処理する選別手段とを具備し、木材と、該木材内に存在する異物とを分離回収することを特徴とする木材中に存在する固形の異物を回収する異物回収装置。
  8. 前記選別手段が、磁力によって磁性物を吸着する磁選機であることを特徴とする請求項7記載の木材中に存在する固形の異物を回収する異物回収装置。
  9. 前記磁選機によって吸着選別され内部に磁性物が存在する木材を前記圧縮機へ搬送して再投入するリターンコンベヤを備えたことを特徴とする請求項8記載の木材中に存在する固形の異物を回収する異物回収装置。
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