JP3834779B2 - 中掘り掘削機における排土ホッパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート中空杭、鋼管杭等の中空杭内に挿通したオーガスクリューにより中空杭の先掘りを行いつつ掘削土砂を上方の排土ホッパーに搬送すると共に、中空杭を地中に圧入する中掘り掘削機における排土ホッパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、中掘り掘削機として、リーダマストに昇降自在に支持された駆動部の下端に反力板を水平に固定し、該反力板上に垂直に設置された上下動用油圧シリンダのピストンロッドに、下端に開閉蓋を有する箱状排土ホッパーを連結すると共に該ホッパー下端に中空杭の上端を着脱自在に接続し、上記中空杭内に挿通されたオーガスクリューの上端部を上記排土ホッパーを貫通して上記駆動部の出力軸に接続し、使用においては、上記オーガスクリューの掘削および土砂搬送と共に、絞りワイヤにより中空杭に下方へ引張力を加えて該中空杭を地中に圧入していき、硬質地盤に至ったとき上記上下動用油圧シリンダの駆動により中空杭の押しこみを行うものが一般に使用されている。
【0003】
しかし、上記の従来機は、作業能率向上の要請にこたえて排土ホッパーの容量を増大させたい場合リーダマストを長くする必要があり、その結果装置の大型化、強大化を招き、他方、排土ホッパー内に堆積された土砂がホッパー内面に付着し、その分離排出に繁雑な手作業が必要となる欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、リーダマストを延長することなく排土ホッパーの容量を増大すると共に、排土ホッパー内の土砂を容易に排出できるようにすることを課題とする。
【0005】
【課題を達成するための手段】
上記課題達成のため、本発明は、
マストに昇降自在に支持された駆動部に、中空杭内に回転自在に挿通されたオーガスクリューの上端を接続し、該オーガスクリューにより上方へ搬送される土砂を収容する排土ホッパーを備えた中掘り掘削機において、
上記排土ホッパーは、
一端を開口し、他端に開閉自在の蓋を有するほぼ筒状のホッパー外筒に、同じく一端を開口し、他端を閉成したホッパー内筒を互に開口端をつき合わせて摺動自在に差し合わせて伸縮による容量可変型ホッパーに形成すると共に、上記ホッパー内筒とホッパー外筒を伸縮駆動させる油圧シリンダを備えた、
中掘り掘削機における排土ホッパーを提案する。
以下図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0006】
【実施例】
図1において、ベースマシン(1)の前端部にリーダマスト(2)を垂直に支持し、該マスト(2)に長手方向全長にわたって敷設されたガイドレール(3)、(3)に、ホルダー(5)にモータ(6)、減速機(7)等を搭載してなる駆動部(4)を上下摺動自在に支持させると共に、トップシーブブロック(8)から垂下したワイヤ(9)により昇降自在に吊支し、該駆動部(4)のホルダー(5)下端に、本発明の伸縮による容量可変型排土ホッパー(10)を連結して垂下し、該排土ホッパー(10)の下端に、オーガスクリュー(11)を挿通された中空杭(12)を支持させてある。
【0007】
上記排土ホッパー(10)はホッパー外筒(13)とそれに摺動自在に差し合わされたホッパー内筒(14)とからなり、一方のホッパー外筒(13)は図2(ハ)に示す横断面ほぼ台形状の筒体で、同図(イ)、(ロ)に示すようにその一端を開口し、他端に蓋(15)をヒンジ(16)により開閉揺動自在に取りつけると共に、内部の中心位置に、該ホッパー外筒(13)よりも小径短小で両端開口の円筒からなる土砂案内筒(17)を、該ホッパー外筒(13)の蓋(15)がわ端面と案内筒(17)の一端面とを合致させた状態で、リブ(18)…により同心的に固定し、それにより該外筒(13)と案内筒(17)の間に環状スペースを形成している。
【0008】
上記蓋(15)には上記案内筒(17)に対応する位置に丸孔を開設し、その外側面に中空杭(12)の上端部を嵌合する杭支持キャップ(19)を突設してある。
【0009】
上記蓋(15)の開閉駆動手段として、図2(イ)に示すように上記外筒(13)の前面上部に突設されたブラケット(20)、(20)に蓋開閉用油圧シリンダ(21)、(21)をそれぞれ支持し、両シリンダの各ピストンロッド(22)、(22)の先端に連結したワイヤ(23)、(23)を、上記蓋(15)のヒンジ(16)と反対側端部に突設されたアーム(24)、(24)に連結してある。
【0010】
他方のホッパー内筒(14)は、上記外筒(13)に対応する横断面形状の筒体で、その一端を開口し、他端を閉成すると共に、内部の中心位置に、該内筒(14)よりも小径短小で上記案内筒(17)よりやや小径の両端開口の円筒からなる土砂案内筒(25)を、該案内筒(14)の開口端面と案内筒(14)の一端面とを合致させた状態で、該内筒(14)の閉成端寄りの位置でリブ(26)…により同心的に固定し、それにより該内筒(14)と案内筒(25)の間に環状スペースを形成してある。なお上記内筒(14)の開口端がわ周壁には、上記外筒(13)のリブ(18)…に対応する位置に該リブと係合すべき切りこみ溝(27)…を設けてある。
【0011】
上記のような構造のホッパー内、外筒(14)、(13)を互に開口端をつき合わせて摺動自在に差し合わせ、その際内筒(14)の土砂案内筒(25)を外筒(13)の土砂案内筒(17)内に摺動自在に挿入し、その状態で、内筒(14)の閉成端部を上記駆動部(4)のホルダー(5)下端部に着脱自在に連結してホッパー全体を吊支すると共に、内筒(14)上端部背面および外筒(13)背面にそれぞれ突設されたスライド金具(28)、(28)および(29)…をリーダマスト(2)のガイドレール(3)、(3)にそれぞれ摺動自在に係合して支持させてある。
【0012】
上記の内、外筒(14)、(13)の伸縮駆動手段として、上記内、外筒の左右両側面に設けた長手方向の凹陥部にホッパー伸縮用油圧シリンダ(30)、(30)を装入して各シリンダ(30)、(30)の一端部を上記内筒(14)の上端部にブラケット(31)、(31)を介して連結すると共に、そのピストンロッド(32)、(32)の先端部を上記外筒(13)の下端部にブラケット(33)、(33)を介してそれぞれ連結し、これらシリンダ(30)、(30)の伸縮駆動により内筒(14)と差し合う外筒(13)を上下動させ、それにより排土ホッパー(10)内の容量を増減することとなる。図3は、外筒(13)を最大限下方へ摺動させ、排土ホッパー(10)の容量を最大にした状態である。
【0013】
上記中空杭(12)は、その上端部を上記キャップ(19)に嵌合支持され、該中空杭(12)に挿通されたオーガスクリュー(11)は、上記排土ホッパー(10)の土砂案内筒(25)内に挿通されたホッパー用スクリューロッド(11’)と継手(38)により接続し、該スクリューロッド(11’)を上記ホッパー内筒(14)の閉成上端を貫通して上記駆動部(4)の出力軸(34)と接続してある。
【0014】
なお、上記オーガスクリュー(11)の下端の掘削ヘッド(35)は図1のように中空杭(12)下端からやや長めに突出させておくが、排土ホッパー(10)の伸長により中空杭(12)下端からの掘削ヘッド(35)の突出長が足りなくなったときは、オーガスクリュー(11)に適宜長のロッドを継ぎ足して調整する。
【0015】
(36)は上記ホッパー内筒(14)の背面上端部に取りつけたワイヤシーブで、これに掛けた絞りこみワイヤ(37)を下方へ導いてベースマシン(1)のウインチ(図示略)に巻いてある。
【0016】
上例の作用を作業とともに説明する。排土ホッパー(10)を縮小した状態で、駆動部(4)の始動によりオーガスクリュー(11)を回転させて地盤への掘削を開始する。オーガスクリュー(11)の掘削ヘッド(35)により中空杭(12)の下方地盤を先掘りし、掘削土砂はスクリュー羽根により中空杭(12)内を上方へ搬送し、さらに排土ホッパー(10)内の土砂案内筒(25)内へ搬送し、そして該案内筒(25)の開口上端からホッパー内に送り出す。それと共に中空杭(12)が絞りワイヤ(37)の下方への引張りにより、先掘りされた縦孔内に圧入されていく。
【0017】
上記の先掘および圧入を継続する過程で硬質地盤に至り、絞りワイヤ(37)の引張力では杭(12)を圧入できなくなったときは、上記伸縮用油圧シリンダ(30)、(30)を若干伸長駆動させてホッパー外筒(13)を介して中空杭(12)を若干長圧入し、ついで上記シリンダ(30)、(30)を縮小駆動させると共に駆動部(4)およびホッパー内筒(14)を若干長降下させ、以下これを繰返して若干長づつ間欠的に圧入を行って硬質地盤での圧入を果たす。
【0018】
先掘り、圧入を継続するにつれ図2(イ)、(ロ)のような最短縮小状態の排土ホッパー(10)に土砂が満杯となったときは、上記伸縮用シリンダ(30)、(30)の伸長駆動によりホッパー外筒(13)を下方へ適宜長伸長降下させ、それにより排土ホッパー(10)内の容量を適宜増大させ、その状態で同様の先掘り、圧入を再開していく。
【0019】
上記のように排土ホッパー(10)の容量増大を繰返すことにより通常深度への中空杭圧入までに掘削された土砂は排土ホッパー(10)内に収容できる。しかし大深度に圧入する場合等において、排土ホッパー(10)の容量増大とともにオーガスクリュー(11)の掘削ヘッド(35)が中空杭(12)下端から引っこむに至ったときは、排土ホッパー(10)を駆動部(4)から一旦離脱してオーガスクリュー(11)のロッド上端と出力軸(34)の間に所要長のロッドを継ぎ足す等の方法を採ればよい。
【0020】
中空杭(12)を所望深さに圧入したら該杭(12)とキャップ(19)を分離し、該杭(12)を地中に残して駆動部(4)、排土ホッパー(10)およびオーガスクリュー(11)を適宜長引き上げ、そこで上記オーガスクリュー(11)を解除操作により分離して蓋(15)を開放可能におく。次に蓋開閉用シリンダ(21)、(21)を伸長駆動すれば、蓋(15)が土砂の重量で開き、排土ホッパー(10)内の土砂を排出する。この場合土砂の相当量がホッパー内面に付着して残留するので、伸縮用シリンダ(30)、(30)の駆動によりホッパー内、外筒(14)、(13)を互に繰返し摺動させ、それにより付着する土砂の多くを剥落し排出する。
【0021】
【発明の効果】
本発明の中掘り掘削機における排土ホッパーによれば、該排土ホッパーを容量最小に縮小した状態で先掘り圧入を開始し、圧入が進んでから容量を増大すべく伸長することになるから、マストを長尺化することなくホッパー容量を増大させることができ、それにより従来機よりもホッパーからの土砂排出作業の回数を減少でき、作業能率を向上できるのであり、さらに排土ホッパー内の土砂を排出する際ホッパー外筒とホッパー内筒を互に摺動させることによりホッパー内面に付着した土砂の多くを剥落して排出することが可能となり、ホッパーからの土砂排出作業の能率向上をも実現できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】中掘り掘削機の一部切欠側面図である。
【図2】(イ)排土ホッパー部分の拡大縦断側面図である。
(ロ)同上拡大縦断正面図である。
(ハ)(ロ)図におけるA−A線断面図である。
【図3】伸長状態の排土ホッパー部分の拡大側面図である。
【符号の説明】
2 リーダマスト
4 駆動部
10 伸縮による容量可変型排土ホッパー
11 オーガスクリュー
12 鋼管杭
13 ホッパー外筒
14 ホッパー内筒
15 蓋
30 ホッパー伸縮用油圧シリンダ
Claims (1)
- マストに昇降自在に支持された駆動部に、中空杭内に回転自在に挿通されたオーガスクリューの上端を接続し、該オーガスクリューにより上方へ搬送される土砂を収容する排土ホッパーを備えた中掘り掘削機において、
上記排土ホッパーは、
一端を開口し、他端に開閉自在の蓋を有するほぼ筒状のホッパー外筒に、同じく一端を開口し、他端を閉成したホッパー内筒を互に開口端をつき合わせて摺動自在に差し合わせて伸縮による容量可変型ホッパーに形成すると共に、上記ホッパー内筒とホッパー外筒を伸縮駆動させる油圧シリンダを備えた、
中掘り掘削機における排土ホッパー。
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---|---|---|---|
JP07085797A JP3834779B2 (ja) | 1997-03-10 | 1997-03-10 | 中掘り掘削機における排土ホッパー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07085797A JP3834779B2 (ja) | 1997-03-10 | 1997-03-10 | 中掘り掘削機における排土ホッパー |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10252370A JPH10252370A (ja) | 1998-09-22 |
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JP07085797A Expired - Fee Related JP3834779B2 (ja) | 1997-03-10 | 1997-03-10 | 中掘り掘削機における排土ホッパー |
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-
1997
- 1997-03-10 JP JP07085797A patent/JP3834779B2/ja not_active Expired - Fee Related
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