JP3829576B2 - 造塊方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、Ni基超合金などの金属において、マクロ偏析およびザクの発生のない鋳塊を得るための造塊方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼などでは、連続鋳造法による鋳造が主流であるが、これらの鋼の小ロット品では、造塊法による鋳造も行われている。さらに、Ni基超合金に代表されるような連続鋳造の難しい金属では、造塊法による鋳造が主である。
【0003】
これら造塊法による鋳塊の内部には、V偏析、逆V偏析といったマクロ偏析、および粗大なポロシティの集まりであるザクなどの内部欠陥が存在しやすい。溶融金属が凝固する際の凝固収縮によって、鋳塊の中心部近傍に粗大なポロシティが生成し、これらポロシティが集まってザクが生成する。さらに、鋳型に注入された溶融金属が凝固する際に、偏析しやすい元素が濃化した溶融金属がデンドライトの隙間から移動し、ポロシティやザクに流入したまま凝固することにより、マクロ偏析が生成する。
【0004】
鋳塊は熱間鍛造または熱間圧延され製品に加工される。鋳塊が熱間加工される過程で、鋳塊の体積は縮小し、同時にマクロ偏析やザクの大きさも縮小する。ただし、鋳塊に顕著なマクロ偏析や粗大なザクが存在する場合には、鋳塊を熱間加工する際に、鋳塊に割れが発生しやすいため、熱間加工された中間素材および製品に割れが残存する場合がある。さらに、中間素材および製品にマクロ偏析やザクが残存しやすい。
【0005】
たとえば、Crを13質量%含有する高Cr鋼では、Crがマクロ偏析することにより鋳塊内部に粗大なCr炭化物が生成しやすい。このような高Cr鋼の鋳塊を熱間で鍛造または圧延する際には、これら粗大なCr炭化物を起点として、鋳塊に割れが発生しやすい。また、マクロ偏析が製品にまで残存し、製品の機械的性質が劣化しやすい。このような高Cr鋼を含めステンレス鋼やNi基超合金では、鋳塊に発生した顕著なマクロ偏析が製品に残存しやすいため、製品の機械的性質が劣化し、さらに製品の耐食性が悪くなりやすい。
【0006】
また、油井用シームレス管には、マクロ偏析しやすい元素を多量に含む合金鋼または超合金が用いられるが、その素材である鋳塊にザクが発生しやすいので、これらシームレス管では、内面疵が発生しやすい。
【0007】
鋳塊のマクロ偏析やザクの発生を防止または低減するためには、ESR、VARといった再溶解法の適用が最も効果的であり、Ni基超合金などに適用されている。ただし、通常の造塊法に較べて、製造コストが著しく高くなる。
【0008】
そこで、従来から鋳型の形状変更などが実施されてきた。しかし、鋳型テーパ変更程度の鋳型形状変更だけでは、鋳塊のザク低減に対する効果は小さく、鋳塊に粗大なザクが生成しやすい。
【0009】
特開昭63−2786543号公報には、大断面の鋳片を半連続的に水冷鋳型から引抜つつ、押圧装置により鋳片を圧下する方法が提案されている。しかし、この方法では、複雑で高価な設備が必要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、Ni基超合金などの金属において、マクロ偏析およびザクの発生のない鋳塊を得るための造塊方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、内部に溶融金属が存在する鋳塊を、その内部から上端部にかけて溶融金属が存在する状態で鋳型から取り出し、引き続き内部から上端部にかけて溶融金属が存在し、その溶融金属が存在する未凝固部の厚さが鋳塊の厚さまたは直径の20〜40%である時期に、少なくとも下記の(A)式または(B)式を満足する圧下回数に相当する鋳塊の相対する側面の高さ方向の位置を、その圧下位置の鋳塊内部の両側の凝固殻が圧着するまで圧下することを特徴とする造塊方法にある。
H≧3×Dの場合; N≧(H/D)−1 ・・・(A)
H<3×Dの場合; N=1 ・・・(B)
但し、Hは鋳塊の高さ(mm)、Dは鋳塊の厚さまたは直径(mm)、Nは圧下回数(回)であり、(A)式の右辺で算出した値の小数点以下は切り捨てるものとする。
【0012】
鋳塊の内部欠陥であるマクロ偏析およびザクは、鋳塊の凝固進行にともなって発生する凝固収縮に起因する欠陥である。本発明の方法は、この鋳塊内部で発生する凝固収縮を効果的に抑制することにより、マクロ偏析およびザクの発生を防止する方法である。そして、その本質は下記の通りである。
【0013】
(イ)鋳塊の内部から上端部にかけて溶融金属が存在する鋳塊の側面を圧下すること。
【0014】
(ロ)鋳塊内部の両側の凝固殻が圧着するように鋳塊の相対する側面を圧下すること。
【0015】
(ハ)鋳塊の全高さの範囲の側面を圧下するのではなく、後述するように、好ましくは、鋳塊の直径または厚さ(横断面形状が長方形の場合、短辺長さに相当)に対する鋳塊の高さの比に応じて、最低1回の局部圧下を行うこと。
【0016】
図1は、鋳塊の内部から上端部にかけて溶融金属が存在する状態で鋳塊を鋳型(図示していない)から取り出し、引き続き、鋳塊の高さ方向の2カ所の位置で、鋳塊内部の両側の凝固殻が圧着するように、鋳塊の相対する側面を圧下する状況を模式的に示した図である。圧下治具5により、鋳塊内部の両側の凝固殻が圧着するように、鋳塊の相対する側面を、圧下の方向6、7に同時に圧下する。鋳塊底部3近傍の圧下後に、鋳塊上部2を圧下する際、鋳塊上部における鋳塊内部の両側の凝固殻が圧着する直前の状態を模式的に示している。
【0017】
鋳塊1の内部から上端部にかけて溶融金属4が存在する状態で鋳塊の相対する側面を圧下することにより、圧下された位置の鋳塊内部では、凝固収縮以上の体積減少が発生するので、その部分に存在する未凝固の溶融金属は、圧下位置よりも鋳塊の高さ方向で上方および下方の部分に押しやられる。
【0018】
図1で説明すれば、側面を圧下されていない鋳塊内部の未凝固の溶融金属が存在する鋳塊の下方の2カ所では、圧下の効果により、それぞれ鋳塊内部の上方から未凝固の溶融金属が流入する。その際、鋳塊内部の未凝固の溶融金属は圧下の効果で加圧される。そのため、未凝固の溶融金属の周囲の既に凝固した凝固殻が弾性変形の範囲内で膨らみ、弾性ひずみエネルギーが凝固殻に蓄積されると推定される。圧下完了後の鋳塊の冷却過程で、上記の弾性ひずみエネルギーの作用により、鋳塊の内部の溶融金属が加圧状態に保持される。そのため、未凝固の溶融金属が凝固するにともない発生する凝固収縮は、蓄積された弾性ひずみエネルギーが開放されることにより補われ、マクロ偏析やザクが生成することなく凝固が完了すると推定される。
【0019】
図1中に示す鋳塊内部の未凝固の溶融金属が存在する鋳塊の上方の1カ所では、圧下の効果により、鋳塊内部の下方から未凝固の溶融金属が流入する。したがって、この未凝固の溶融金属の部分では、圧下完了後の鋳塊の冷却過程で、凝固収縮による体積減少分以上の未凝固の溶融金属が存在することになるので、凝固収縮に起因するポロシティの発生を防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明は、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、Ni基超合金などの金属を対象とする。また、対象とする鋳塊の大きさは、とくに限定しないが、3t程度以上の鋳塊に適用するのが効果的である。3tの鋳塊で、水平断面形状が長方形の鋳塊の場合に、おおよそ、そのサイズは、高さ2000mm、水平断面の厚さ400mm、幅500mm程度となる。また、水平断面形状が円形の鋳塊の場合に、おおよそ、そのサイズは、高さ2000mm、直径500mm程度となる。
【0021】
溶融金属を造塊用鋳型に注入した後、鋳塊上端部の湯面が凝固しないうちに、鋳塊の側面の圧下を終了する。したがって、通常用いられる保温剤で溶融金属の湯面を覆うのがよい。
【0022】
圧下装置には、一般的な油圧プレス装置などを用いればよい。また、鋳塊を圧下する圧下治具、すなわち圧下金型の大きさおよび形状は、鋳塊の大きさ、形状、圧下する回数などで決めればよく、とくに限定しない。3t程度以上の鋳塊の場合、たとえば、鋳塊と接する面の形状が、縦200〜400mm、横500〜1000mm程度の長方形の圧下治具を用いることができる。その際、長方形の各コーナー部には丸味をもたせるのがよい。丸味をもたせると、鋳塊の表面に圧下による疵が発生しにくい。鋳塊の横断面が円形の場合には、鋳塊と接する圧下治具の形状を疑似円形としてもよい。
【0023】
圧下する鋳塊の側面とは、水平断面形状が長方形の場合には、両側の長辺側であり、正方形の場合には、相対する側面である。円形の鋳塊の場合には、相対する位置から圧下すればよい。
【0024】
圧下を開始する時期は、たとえば、水平断面形状が長方形である鋳塊の両側の長辺側を圧下する場合、両長辺間の距離、すなわち鋳塊の厚さをベースとして、未凝固部の厚さが鋳塊の厚さの20〜40%程度となる時期が望ましい。また、水平断面形状が円形である鋳塊の相対する2方向から鋳塊の側面を圧下する場合も鋳塊の直径をベースとして、未凝固部の直径が鋳塊の直径の20〜40%程度となる時期が望ましい。
【0025】
圧下を開始する時期は、一般的に用いられている凝固厚さD(mm)と凝固時間T(分)との間の関係式であるD=K×T1/2 (一般的にルート則と言う)から求めることができる。ただし、Kは凝固係数で、鋳型の重量、溶融金属の注入温度などで決まる係数である。一般的には、ほぼ25(mm×分−1/2)の値である。鋳型内に注入した溶融金属にトレーサーを添加することにより、このK値を確認することができる。
【0026】
圧下を開始する時期における鋳塊の表面温度は、600〜900℃程度とするのが望ましい。600℃未満では、鋳塊の凝固殻の強度が高いため、圧下が困難となるので、圧下の効果が発揮できない。また、過大な圧下装置を用いるのは現実的でない。900℃を超える場合には、鋳塊の凝固殻の強度が低いため、圧下の効果を十分発揮できない。なお、鋳塊の表面温度は、鋳塊の側面の圧下する部分の温度とすることが望ましく、放射温度計などにより測定できる。
【0027】
圧下する際の圧下量は、圧下を開始する時期における未凝固部の厚さに相当する圧下量とする。この圧下量は鋳塊の厚さまたは直径から、上述のルート則から求まる凝固厚さまたは直径を引いた値として求めることができる。この圧下量の圧下により、圧下した位置の鋳塊内部に存在する両側の凝固殻を圧着することができる。
【0028】
圧下する際、鋳塊の高さ方向の1カ所以上の位置を圧下するが、鋳塊の直径または厚さに対する鋳塊の高さの比に応じて、圧下する位置の数、すなわち、圧下の最小回数を、次のように定めるのが望ましい。すなわち、鋳塊の高さH(mm)、鋳塊の厚さまたは直径D(mm)、圧下の回数N(回)との関係が下記(A)式または(B)式を満足するようにする。但し、(A)式の右辺で算出した値は、その小数点以下を切り捨てて得られる整数とする。
【0029】
H≧3×Dの場合;N≧(H/D)−1 ・・・(A)
H<3×Dの場合;N=1 ・・・(B)
望ましい最小圧下回数の求め方は、次のとおりである。たとえば、水平断面形状が円形で、直径D=1000mm、高さH=3500mmの鋳塊の場合に、(A)式は、N≧2.5となるので、最小の整数は2となる。したがって、望ましい最小の圧下の回数は2回である。また、たとえば、水平断面形状が円形で、直径D=1000mm、高さH=2500mmの鋳塊の場合に、(B)式からN=1であるので、最小の整数は1となる。したがって、望ましい最小の圧下の回数は1回である。
【0030】
たとえば、n回圧下する場合には、圧下する鋳塊の高さ方向の位置は、たとえば、高さを(n+1)等分して、等分された位置を圧下するのが望ましい。ただし、圧下位置はこの等分された位置に限定されるものではない。
【0031】
さらに、複数回圧下する場合に、鋳塊の高さ方向の位置における圧下の順番は、とくに限定しない。上方からでもよいし、下方からでもよいし、高さの中央部近傍から圧下を開始しても構わない。
【0032】
本発明が対象とする炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、Ni基超合金などの金属の鋳塊では、製品圧延用の中間素材を得るために、分塊圧延されるのが通常である。その際、鋳塊を圧下することによって生じた鋳塊表面の凹み部は、中間素材になる段階で消失する。また、たとえば、これら鋳塊を直接厚板などに熱間圧延する場合でも、圧下率などの圧延条件を工夫すれば、鋳塊を圧下することによって生じた鋳塊表面の凹み部の製品への影響を避けることができる。
【0033】
【実施例】
質量%で、Cr:13%、C:0.1%、Si:0.3%、Mn:0.4%をそれぞれ含有する高Cr鋼の溶鋼を、内法寸法で直径が1000mm、高さが直径の2、3、または4倍で、鋳型テーパが0.5%(鋳型下部を広くしている)の合計6種類の鋳型に下注鋳造し、溶鋼の注入完了後に、湯面上に通常用いられる保温剤を添加した。
【0034】
注入完了後、約3.5時間経過してから、鋳型より鋳塊を抜き出した。一部の試験では、鋳塊を圧下しなかったが、その他の試験では鋳塊を圧下した。
【0035】
鋳塊を圧下する際には、鋳型より鋳塊を抜き出して、引き続き、鋳塊と接する面の形状が縦400mm、横1000mmの圧下治具を有する油圧プレス機に鋳塊を設置し、鋳塊の側面を相対する2方向から圧下した。圧下力は最大で3000t、圧下シリンダの圧下速度は5mm/秒とした。圧下後は、圧下速度と同じ速度で圧下治具を開放した。
【0036】
圧下を開始する時期は、鋳塊の未凝固部の水平方向の直径が鋳塊の直径の25%になった時期、すなわち、未凝固部の直径が250mmとなった時期とした。その際、凝固殻の厚さは、凝固係数を25(mm×分−1/2)とするルート則による計算で求めた。ただし、予備試験において、鋳塊内部の未凝固溶鋼にトレーサを添加する試験によって、鋳塊内部の未凝固部の水平方向の直径を求めることにより、凝固係数を確認した。
【0037】
圧下の回数は1〜3回とした。また、圧下する鋳塊の側面の高さ方向の位置は、圧下の回数をn回とする場合に、鋳塊の高さを(n+1)等分し、それぞれ等分された位置を圧下治具の中心位置に合わせて圧下した。
【0038】
最大の圧下量は、圧下を開始する時期における未凝固部の直径の250mmとし、その範囲内で圧下量を変えて試験した。すなわち、一部の試験では、圧下量を未凝固部の直径より小さい圧下量とした。
【0039】
圧下しなかった鋳塊は鋳型から抜き出した後に、また圧下した鋳塊は圧下終了後に、それぞれ大気中で放冷した。その後、鋳塊から縦方向の中心軸を通る縦断サンプル板を採取し、マクロ組織観察によりマクロ偏析とザクの発生状況を調査した。マクロ偏析、ザクともに縦断サンプル内に目視で観察されるそれぞれの存在面積を求めた。存在面積は、マクロ偏析またはザクの形状を円または楕円形状に近似して求めた。縦断サンプルの全面積に対する存在面積を、それぞれマクロ偏析面積率(%)、ザク面積率(%)として表示した。表1に、試験条件および試験結果を示す。
【0040】
【表1】
試験No.1およびNo.2では、鋳塊の大きさは、直径1000mm、高さ2000mmとし、圧下回数は1回または2回とした。試験No.3〜No.5では、鋳塊の大きさは、直径1000mm、高さ3000mmとし、圧下回数は1〜3回とした。試験No.6〜No.8では、鋳塊の大きさは、直径1000mm、高さ4000mmとし、圧下回数は1〜3回とした。各圧下位置における圧下量は、未凝固部の直径と同じ250mmとした。また、各試験では、圧下開始時の鋳塊の表面温度を820〜880℃とした。
試験No.1およびNo.2では、いずれもマクロ偏析率は0%、ザク面積率も0%で、良好な結果であった。
【0041】
試験No.3では、マクロ偏析率は0.8%、ザク面積率は0.4%で、極わずかに鋳塊に内部欠陥が発生した。試験No.4およびNo.5では、いずれもマクロ偏析率は0%、ザク面積率も0%で、良好な結果であった。前述の(A)式を満足し、その際求められる最小の整数2を圧下の最小の回数とし、2〜3回の圧下を行った試験No.4およびNo.5の結果が、試験No.3より良い結果であった。
【0042】
試験No.6およびNo.7では、マクロ偏析率は0.6〜1.8%、ザク面積率は0.3〜1.2%で、鋳塊に内部欠陥が少し発生した。試験No.8では、マクロ偏析率は0%、ザク面積率も0%で、良好な結果であった。前述の(A)式を満足し、その際求められる最小の整数3を圧下の最小の回数とし、3回の圧下を行った試験No.8の結果が、試験No.6およびNo.7より良い結果であった。
【0043】
比較例の試験No.9、No.10およびNo.12では、鋳塊の大きさは、直径が1000mmで、高さをそれぞれ2000mm、3000mmおよび4000mmとして試験した。いずれの試験でも鋳塊の側面を圧下しなかった。いずれの試験結果でも、マクロ偏析およびザクが著しく発生し、マクロ偏析率は3.2〜4.0%、ザク面積率は2.5〜3.5%で悪かった。
【0044】
比較例の試験No.11では、鋳塊の大きさを、直径1000mm、高さ3000mmとして試験した。マクロ偏析およびザクが少し発生し、マクロ偏析率は2.8%、ザク面積率は2.0%で悪かった。圧下回数を2回としたが、未凝固部の直径に相当する250mmに満たない220mmしか圧下しなかったので、マクロ偏析およびザクが発生した。
【0045】
比較例の試験No.13では、鋳塊の大きさを、直径1000mm、高さ4000mmとして試験した。マクロ偏析およびザクが少し発生し、マクロ偏析率は2.6%、ザク面積率は2.2%で悪かった。圧下回数を3回としたが、未凝固部の直径に相当する250mmに満たない230mmしか圧下しなかったので、マクロ偏析およびザクが発生した。
【0046】
【発明の効果】
本法により、マクロ偏析、ザクの極めて少ない鋳塊を、安価に製造する方法を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋳塊の側面を圧下する状況を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1:鋳塊 2:鋳塊上部 3:鋳塊底部
4:溶融金属 5:圧下治具 6:圧下の方向
7:圧下の方向
Claims (1)
- 内部に溶融金属が存在する鋳塊を、その内部から上端部にかけて溶融金属が存在する状態で鋳型から取り出し、引き続き内部から上端部にかけて溶融金属が存在し、その溶融金属が存在する未凝固部の厚さが鋼塊の厚さまたは直径の20〜40%である時期に、少なくとも下記の(A)式または(B)式を満足する圧下回数に相当する鋳塊の相対する側面の高さ方向の位置を、その圧下位置の鋳塊内部の両側の凝固殻が圧着するまで圧下することを特徴とする造塊方法。
H≧3×Dの場合; N≧(H/D)−1 ・・・(A)
H<3×Dの場合; N=1 ・・・(B)
但し、Hは鋼塊の高さ(mm)、Dは鋼塊の厚さまたは直径(mm)、Nは圧下回数(回)であり、(A)式の右辺で算出した値の小数点以下は切り捨てるものとする。
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