JP3829445B2 - 車両用側突型乗員保護システム及び衝突判定装置 - Google Patents

車両用側突型乗員保護システム及び衝突判定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用側突型乗員保護システム及びその衝突判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用乗員保護システムとしては、特開平8−67231号公報にて示すようなものがある。
この乗員保護システムは、自動車の中央に配置した中央側加速度センサと、自動車の左右両壁の各センターピラー近傍にそれぞれ配置した壁側加速度センサとを備える。
【0003】
ここで、中央側加速度センサは、障害物による当該自動車の正面及び側壁との衝突を検出する。また、左壁側加速度センサは、障害物による当該自動車の左壁との衝突を検出し、一方、右壁側加速度センサは、障害物による当該自動車の右壁との衝突を検出する。
そして、複数の閾値を設け、中央側加速度センサの検出レベルが各閾値のうちの最大閾値を超えた場合、或いは、各閾値のうち最大閾値よりも小さい閾値を超えかつ壁側加速度センサの検出レベルがある閾値を超えた場合に、当該自動車の衝突であるとして判定し、乗員保護システムを作動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような乗員保護システムでは、例えば、当該自動車の前輪の一方が縁石に乗り上げた場合のように乗員保護システムの作動を必要としない衝撃が前輪から発生したとき、この衝撃は、壁側加速度センサよりも早い時期に、中央側加速度センサに伝達され易い。
【0005】
このため、中央側加速度センサの加速度に対する検出レベルの立ち上がりが早く、また、当該検出レベルも高い。その結果、上述のような閾値のみでは、乗員保護システムが誤って作動するおそれがある。
これに対し、本発明者は、自動車の側突状況につき種々の検討を加えてみた。
一般に、自動車の側壁衝突時において、乗員保護システムを作動させるに要する衝突判定時間は非常に短い。このため、上述のような壁側加速度センサを採用する必要がある。
【0006】
この場合、壁側加速度センサ近傍を直撃する軽微な衝撃のような乗員保護システムの作動を必要としない衝撃でも、比較的大きな加速度が発生する。
これに対し、他の自動車が当該自動車のドアに斜め前方から侵入してくるような乗員保護システムの作動を必要とする衝撃では、壁側加速度センサを直撃しないような衝撃であっても、衝撃の発生初期の加速度は、上述した壁側加速度センサ近傍を直撃する軽微な衝撃による加速度以下のレベルである。
【0007】
このため、このような衝撃による加速度によっては、上述のような短い衝突判定時間内に当該自動車の衝突を正しく判定することができない。
このような現象につき詳細に検討したところ、次のような結果が得られた。
壁側加速度センサ(以下、加速度センサ1という)の配置位置は、図9及び図11にて示すごとく、自動車の側壁のセンターピラー近傍であるため、壁側加速度センサ1は自動車の剛性としては他の部分よりも高い部分にあるといえる。
【0008】
従って、壁側加速度センサ1近傍を直撃するような軽微な衝撃では、この壁側加速度センサ1及び中央側加速度センサ(以下、加速度センサ2という)の双方の検出加速度の間の位相差は殆どないことが分かった(図10(a)参照)。このようなことは、他の自動車が図9にて示すごとく当該自動車の側面に低速衝突する場合でも同様である。
【0009】
なお、図10(a)にて、符号P1及びR1は、加速度センサ2の検出レベルの積分出力の変化を示すグラフであり、符号Q1は、加速度センサ1の検出レベルの積分出力の変化を示すグラフである。
一方、当該自動車のドアの剛性は上記センターピラー近傍に比べ低い。このため、他の自動車が図11にて示すごとく当該自動車のドアへ斜め前方から侵入してくるような高速衝突では、壁側加速度センサの検出加速度の位相の方が中央側加速度センサの検出加速度の位相よりも進んでおり、両検出加速度間の位相差も大きいことが分かった(図12(a)参照)。なお、図12(a)にて、符号P2及びR2は、加速度センサ2の検出レベルの積分出力の変化を示すグラフであり、符号Q2は、加速度センサ1の検出レベルの積分出力の変化を示すグラフである。
【0010】
そこで、本発明は、以上のようなことに着目し、壁側加速度センサ及び中央側加速度センサの双方の検出加速度間の位相差を活用して、障害物との衝突を正しく判定するようにした車両用側突型乗員保護システム及びこの乗員保護システムに採用される衝突判定装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1乃至4、9乃至13に記載の発明によれば、積分手段が両第1加速度センサの一方及び第2加速度センサの両検出加速度を第1及び第2の積分出力として積分する。そして、これら第1及び第2の積分出力が積分手段から上記両検出加速度に対応する所定積分期間内の積分に応じて出力されたとき、位相判定手段が、第1積分出力が第2積分出力に対し進み位相か遅れ位相かを判定する。
【0012】
また、衝突判定手段が、位相判定手段の進み位相との判定時に、積分手段の第1及び第2の積分出力の少なくとも一方に基づき、乗員保護システムを作動させるための両側壁の各対向低剛性壁部のいずれかと障害物との高速衝突と判定する。
一方、衝突判定手段が、位相判定手段の遅れ位相との判定時に、積分手段の第1及び第2の積分出力の少なくとも一方に基づき、乗員保護システムの作動を禁止するための各対向高剛性壁部のいずれかと障害物との低速衝突と判定する。
【0013】
このように、第1及び第2の加速度センサの双方の検出加速度間の位相差を活用することで、上記高速衝突を低速衝突から正しく識別して判定し得る。従って、乗員保護システムの作動を必要としないような側突衝撃でもって、乗員保護システムを作動させてしまうような誤判定がなされることはない。
ここで、請求項5に記載の発明のように、衝突判定手段が論理積ゲートであれば、車両の側壁に対するハンマーリングやドアスラムによる衝撃を、衝突と誤判定することを防止できる。
【0014】
また、請求項乃至8、14乃至21に記載の発明によれば、積分手段が、両第1加速度センサの一方及び第2加速度センサの両検出加速度をそれぞれ第1及び第2の積分出力として積分する。そして、第1及び第2の積分出力が積分手段から上記両検出加速度に対する所定積分期間内の積分に応じて出力されたとき、位相判定手段が、第1積分出力が第2積分出力に対し進み位相か遅れ位相かを判定する。
【0015】
また、衝突判定手段が、位相判定手段の進み位相との判定時に、積分手段の第1及び第2の積分出力の少なくとも一方に基づき各対向低剛性壁部のいずれかと障害物との高速衝突である旨判定して起動装置のための起動出力を発生する。一方、衝突判定手段が、位相判定手段の遅れ位相との判定時に、積分手段の第1及び第2の積分出力の少なくとも一方に基づき、各高剛性壁部のいずれかと障害物との低速衝突である旨判定して起動装置のための起動禁止出力を発生する。
【0016】
これにより、請求項1に記載の発明の作用効果を達成し得る側突型乗員保護システムの提供が可能となる。ここで、請求項8、21に記載の発明のように、衝突判定手段が論理積ゲートであれば、請求項に記載の発明と同様の作用効果を達成し得る側突型乗員保護システムの提供が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、自動車用側突型エアバッグシステムAに適用された衝突判定装置Sの第1実施形態を示す電気回路図である。
【0018】
エアバッグシステムAは、起動装置10R、10Lと、これら起動装置10R、10Lの起動によりそれぞれ展開される右側(運転席側)エアバッグ20R及び左側(助手席側)エアバッグ20Lとにより構成されている。なお、両エアバッグ20R、20Lは、当該自動車の運転席及び助手席の各着座乗員を、当該自動車に対する右側衝突及び左側衝突から保護する。
【0019】
衝突判定装置Sは、センターユニットUCと、右側サテライトユニットUR及び左側サテライトユニットULとを備えている。
センターユニットUCは、加速度センサ30を備えており、この加速度センサ30は、図2にて示すごとく、当該自動車の中央に位置するように、その車室底壁に配設されている。以下、加速度センサをGセンサという。なお、Gセンサ30の配設位置は、上記車室底壁に限ることなく、当該自動車の車体の中央部であればよい。
【0020】
Gセンサ30は、当該自動車の左右側壁と他の自動車等の障害物との衝突時に生ずる加速度を検出し加速度信号として出力する。但し、このGセンサ30は、当該自動車の右壁の障害物との衝突に基づき生ずる加速度を正の値として検出し、一方、当該自動車の左壁の障害物との衝突に基づき生ずる加速度を負の値として検出するように配設されている。
【0021】
また、センターユニットUCは、4つの積分器40R、40L、50R、50Lを備えている。これら積分器40R、40L、50R、50Lは、Gセンサ30の出力信号のレベルを時間についてそれぞれ積分し積分出力として発生する。
なお、これら積分器40R、40L、50R、50Lは、衝突判定に十分な積分区間に相当する積分時間の経過毎にこの積分時間における積分を繰り返す。また、両積分器40R、40Lの積分機能は共に同一であり、両積分器50R、50Lの積分機能は共に同一である。但し、両積分器40R、50Rの積分機能は互いに同一でなくてもよく、また、両積分器40L、50Lの積分機能も互いに同一でなくてもよい。
【0022】
また、センターユニットUCは、4つのコンパレータ60R、70R、60L、70Lを備えている。
コンパレータ60Rは、積分器40Rの積分出力が閾値設定器80Rの設定閾値よりも高いとき、ハイレベルにて比較出力を発生する。この比較出力は、積分器40Rの積分出力が閾値設定器80Rの設定閾値以下のときローレベルとなる。コンパレータ70Rは、積分器50Rの積分出力が閾値設定器90Rの設定閾値よりも高いとき、ハイレベルにて比較出力を発生する。この比較出力は、積分器50Rの積分出力が閾値設定器90Rの設定閾値以下のときローレベルとなる。
【0023】
コンパレータ60Lは、積分器40Lの積分出力が閾値設定器80Lの設定閾値よりも低いとき、ハイレベルにて比較出力を発生する。この比較出力は、積分器40Lの積分出力が閾値設定器80Lの設定閾値以上のときローレベルとなる。コンパレータ70Lは、積分器50Lの積分出力が閾値設定器90Lの設定閾値よりも低いとき、ハイレベルにて比較出力を発生する。この比較出力は、積分器50Lの積分出力が閾値設定器90Lの設定閾値以上のときローレベルとなる。
【0024】
なお、各閾値設定器80R、90R、80L、90Lの設定閾値は、当該自動車の障害物とのエアバッグの起動を必要とする衝突により生ずる加速度の積分下限値よりも低い値を表す。
また、センターユニットUCは、位相判定手段としての役割を果たすリトリガー型の両タイマ100R、100L、両ANDゲート110R、110L及びリトリガー型の両タイマ120R、120Lを備えている。
【0025】
タイマ100Rは、コンパレータ60Rの比較出力の立ち上がり後の経過時間を計時しハイレベルにて計時出力を発生する。一方、タイマ100Lは、コンパレータ60Lの比較出力の立ち上がり後の経過時間を計時しハイレベルにて計時出力を発生する。なお、両タイマ100R、100Lの計時出力は、計時開始前ではローレベルとなっている。
【0026】
ANDゲート110Rは、タイマ100Rの計時出力を負論理にて入力されるとともに、サテライトユニットURの出力を正論理で入力される。そして、ANDゲート110Rへの両入力が共にハイレベルのときANDゲート110Rはハイレベルにてゲート出力を発生する。このゲート出力は、ANDゲート110Rへの両入力の一方がローレベルのときローレベルとなる。
【0027】
一方、ANDゲート110Lは、タイマ100Lの計時出力信号を負論理にて入力されるとともに、サテライトユニットULの出力を正論理で入力される。そして、ANDゲート110Lへの両入力が共にハイレベルのときANDゲート110Lはハイレベルにてゲート出力を発生する。このゲート出力は、ANDゲート110Lへの両入力の一方がローレベルのときローレベルとなる。
【0028】
ここで、ANDゲート110R又はANDゲート110Lの出力信号がローレベルのとき、Gセンサ30の出力信号がGセンサ140R又はGセンサ140Lの出力信号に対し進み位相となる。逆に、ANDゲート110R又はANDゲート110Lのゲート出力がハイレベルのとき、Gセンサ30の出力信号がGセンサ140R又はGセンサ140Lの出力信号に対し遅れ位相となる。
【0029】
また、上記各タイマ100R、100Lは、当該車両の衝突後この衝突現象が終了するのに十分な時間を計時するので、衝突の際、各タイマ100R、100Lの出力が一度ハイレベルになると、各ANDゲート110R、110Lの出力がハイレベルになることはない。
タイマ120Rは、ANDゲート110Rのゲート出力の立ち上がり後の経過時間を計時しハイレベルにて出力計時を発生する。一方、タイマ120Lは、ANDゲート110Lのゲート出力の立ち上がり後の経過時間を計時しハイレベルにて計時出力を発生する。
【0030】
ここで、各タイマ120R、120Lの計時時間は、各タイマ100R、100Lの計時時間よりも短く、かつ、エアバッグの展開が必要な衝突の際には各コンパレータ70R、70Lの出力がハイレベルになるのに十分な時間であり、当該計時時間が経過すれば、各タイマ120R、120Lの出力はローレベルとなる。
【0031】
なお、両タイマ120R、120Lの計時出力は、計時開始前ではローレベルとなっている。また、これら両タイマ120R、120Lは、その入力レベルの上昇に基づき、計時し直す。
また、センターユニットUCは両ANDゲート130R、130Lを備えている。
【0032】
ANDゲート130Rは、コンパレータ70R及びタイマ120Rの両出力レベルが共にハイレベルのときハイレベルにてゲート出力を発生する。このゲート出力は、ANDゲート130Rへの両入力の一方のレベルがローレベルのときローレベルとなる。ANDゲート130Lは、コンパレータ70L及びタイマ120Lの両出力レベルが共にハイレベルのときハイレベルにてゲート出力を発生する。このゲート出力は、ANDゲート130Lへの両入力の一方のレベルがローレベルのときローレベルとなる。
【0033】
ここで、ANDゲート130Rのゲート出力がハイレベルのとき起動装置10Rの起動条件が満たされる。また、ANDゲート130Lのゲート出力がハイレベルのとき、起動装置10Lの起動条件を満たす。また、両ANDゲート130R、130Lの各ゲート出力がローレベルのとき、各起動装置10R、10Lの起動禁止条件がそれぞれ満たされる。
【0034】
右側サテライトユニットURはGセンサ140Rを備えており、このGセンサ140Rは、図2にて示すごとく、当該自動車の右側壁中央のセンターピラー近傍壁部に配設されている。そして、このGセンサ140Rは、上記センターピラー近傍壁部を含む当該自動車の右側壁と障害物との衝突に基づき加速度を検出し加速度信号を出力する。
【0035】
また、サテライトユニットURは積分器150Rを備えており、この積分器150Rは、Gセンサ140Rの出力信号のレベルを時間について積分し積分出力を発生する。なお、Gセンサ140Rは、当該自動車の右側壁中央のセンターピラー近傍壁部に限ることなく、当該センターピラー自体に配設してもよい。
また、サテライトユニットURはコンパレータ160R及び閾値設定器170Rを備えている。このコンパレータ160Rは、積分器150Rの積分出力が閾値設定器170Rの設定閾値よりも高いとき、ハイレベルにて比較出力を発生する。この比較出力は、積分器150Rの積分出力が閾値設定器170Rの設定閾値以下のとき、ローレベルとなる。
【0036】
左側サテライトユニットULはGセンサ140Lを備えており、このGセンサ140Lは、図2にて示すごとく、当該自動車の左側壁中央のセンターピラー近傍に配設されている。そして、このGセンサ140Lは、当該センターピラー近傍を含む当該自動車の左側壁と障害物との衝突に基づき加速度を検出して加速度信号を出力する。なお、Gセンサ140Lは、当該自動車の左側壁中央のセンターピラー近傍壁部に限ることなく、当該センターピラー自体に配設してもよい。
【0037】
また、サテライトユニットULは積分器150Lを備えており、この積分器150Lは、Gセンサ140Lの出力信号のレベルを時間について積分し積分出力を発生する。
また、サテライトユニットULはコンパレータ160L及び閾値設定器170Lを備えている。このコンパレータ160Lは、積分器150Lの積分出力が閾値設定器170Lの設定閾値よりも高いとき、ハイレベルにて比較出力を発生する。この比較出力は、積分器150Lの積分出力が閾値設定器170Lの設定閾値以下のとき、ローレベルとなる。
【0038】
ここで、両サテライトユニットUL、URの閾値設定器の設定閾値(図10(a)、図12(a)参照)は、当該自動車の障害物とのエアバッグの起動を必要とする衝突により生ずる加速度の積分下限値よりも低い値であって、センターユニットUCの閾値設定器の設定閾値よりも高く設定されている。
この設定は、当該自動車の側壁に対する低速衝突時にその衝撃がGセンサ140R或いは140Lよりも幾分早く伝わることがあってもコンパレータ60R、70R或いは60L、70Lの比較出力の立ち上がり時期がコンパレータ160R或いは160Lの比較出力の立ち上がり時期よりも幾分早くなるようにしてある。
【0039】
なお、両積分器150R、150Lの積分機能は、各積分器40R、40Lの積分機能と同一である。
以上のように構成した本第1実施形態において、他の自動車が当該自動車の右側壁にGセンサ140Rの配置位置近傍にて低速衝突したとする。この場合、当該自動車のGセンサ140Rの配置位置近傍の剛性が高いため、上記右側壁の衝突位置からから両Gセンサ140R、30への衝撃の伝達時期には殆ど差がない。
【0040】
従って、この衝突に基づく加速度が加速度信号として両Gセンサ30、140Rにより殆ど同時に或いは合い前後して検出される。
これに伴い、両積分器40R、50RがGセンサ30の出力信号のレベルを積分し始めると殆ど同時に或いは合い前後して、積分器150RがGセンサ140Rの出力信号のレベルを積分し始める。
【0041】
ここで、各積分器40R、150Rの積分機能は共に同一である。従って、両積分器40Rの積分開始時期が、積分器150Rの積分開始時期よりも幾分早い場合には、両コンパレータ60R、70Rがハイレベルにて比較出力を発生する時期は、コンパレータ160Rがハイレベルにて比較出力を発生する時期よりも早い(図1及び図10(b)にて各符号(A)、(B)、(D)参照)。
【0042】
また、閾値設定器80Rの設定閾値は、閾値設定器170Rの設定閾値よりも上述のように低くしてある。従って、積分器40Rの積分開始時期が、積分器150Rの積分開始時期よりも幾分遅い場合にも、コンパレータ60Rがハイレベルにて比較出力を発生する時期は、コンパレータ160Rがハイレベルにて比較出力を発生する時期よりも早くなる。
【0043】
このため、タイマ100Rは、コンパレータ160Rがハイレベルにて比較出力を発生する前に、計時を開始しハイレベルにて計時出力を発生する。従って、ANDゲート110R及びタイマ120Rの各出力はローレベルのままである(図1及び図10(b)にて各符号(C)参照)。
よって、コンパレータ70Rの比較出力がハイレベルになっても、ANDゲート130Rのゲート出力はローレベルに維持される(図1及び図10(b)にて各符号(E)参照)。これにより、起動装置10Rの起動動作が禁止される。その結果、上記低速衝突のようにエアバッグシステムAの作動を不要とする場合には、エアバッグ20Rが作動することがない。
【0044】
なお、当該自動車の右側前輪が縁石に乗り上げた場合にその衝撃がGセンサ140RよりもGセンサ30に幾分早く伝わっても、上述と同様に、コンパレータ60Rがハイレベルにて比較出力を発生する時期は、コンパレータ160Rがハイレベルにて比較出力を発生する時期よりも早くなる。その結果、エアバッグシステムAが誤って作動することがない。
【0045】
また、以上のような作用効果は、他の自動車が当該自動車の左側壁のGセンサ140Lの配置位置近傍に低速衝突した場合や、当該自動車の左側前輪が縁石に乗り上げた場合にも同様に達成できる。なお、他の自動車が当該自動車の左側壁や右側壁のGセンサ近傍に高速衝突した場合には、他の論理回路により当該Gセンサの出力に基づき起動装置10Rや起動装置10Lを起動するようになっている。
【0046】
次に、他の自動車が当該自動車の右側ドアに前方斜めから高速衝突したものとする。この場合、当該自動車の右側ドアの剛性は、Gセンサ140Rの配置位置近傍に比べて低い。このため、上記高速衝突による衝撃はGセンサ30よりもGセンサ140Rにかなり早く伝わる。
従って、この衝撃に基づく加速度に対する加速度信号としてのGセンサ140Rによる検出時期は、Gセンサ30による検出時期よりもかなり早い。これに伴い、積分器150RがGセンサ140Rの出力信号のレベルを積分し始める時期は、両積分器40R、50RがGセンサ30の出力信号のレベルを積分し始める時期よりもかなり早い。
【0047】
よって、上述のごとく、各積分器40R、150Rの積分機能は共に同一であり、閾値設定器80Rの設定閾値は、閾値設定器170Rの設定閾値よりも上述のように低くしてあっても、コンパレータ160Rがハイレベルにて比較出力を発生する時期は、コンパレータ60Rがハイレベルにて比較出力を発生する時期よりもかなり早い(図1及び図12(b)にて各符号(A)、(B)、(D)参照)。
【0048】
このため、コンパレータ160Rは、タイマ100Rの計時開始前にハイレベルにて比較出力を発生する。このとき、タイマ100Rの出力はローレベルのままである。従って、ANDゲート110Rは、図1及び図12(b)にて各符号(C)により示すごとく、コンパレータ160Rのハイレベルの比較出力の発生と同時にハイレベルにてゲート出力を発生し、これに応答してタイマ120Rがその計時の開始によりハイレベルにて計時出力を発生する。なお、その後に、タイマ100Rがハイレベルの計時信号を発生しても、タイマ120Rは、リトリガー型故、そのまま計時し続ける。
【0049】
よって、コンパレータ70Rがタイマ120Rの計時中にハイレベルにて比較出力を発生すると、ANDゲート130Rがハイレベルにてゲート出力を発生する(図1及び図12(b)にて各符号(E)参照)。これにより、エアバッグシステムAでは、起動装置10Rがその起動によりエアバッグ20Rを作動させる。
【0050】
なお、以上のような作用効果は、他の自動車が当該自動車の右側ドアに後方斜めから高速衝突した場合や、他の自動車が当該自動車の左側ドアに前方斜め或いは後方斜めから高速衝突した場合にも同様に達成できる。
以上述べたように、本第1実施形態によれば、Gセンサ30に対し衝撃が伝わる時期が両Gセンサ140R、140Lの一方に伝わる時期よりも早い場合には、エアバッグシステムAの作動を不要とする衝撃とみなし、両起動装置10R、10Lの一方の起動を禁止することで、エアバッグシステムAの誤作動を防止できる。
【0051】
また、当該自動車の側壁をバット等で叩くような衝撃(所謂ハンマリングによる衝撃)が当該側壁に発生したり、或いは、当該自動車のドアを勢いよく閉めるときに生ずる衝撃(所謂ドアスラムによる衝撃)が当該側壁に発生しても、これらの衝撃は、Gセンサ30には伝わりにくい。しかも、センターユニットUCにおいては、タイマ120R及びコンパレータ70Rの両出力がANDゲート130Rにより論理積処理されるとともに、タイマ120L及びコンパレータ70Lの両出力がANDゲート130Lにより論理積処理される。
【0052】
このため、ANDゲート130R或いはANDゲート130Lがその論理積処理に基づきゲート出力をローレベルに維持するから、起動装置10がハンマリングやドアスラムによる衝撃によって誤って起動することもない。
図3は、上記第1実施形態の変形例の要部を示している。
この変形例では、上記第1実施形態にて述べたセンターユニットUCにおいて両積分器50R、50L、両コンパレータ70R、70L及び両閾値設定器90R、90Lを廃止し、かつ、サテライトユニットURにおいて積分器180R、コンパレータ190R及び閾値設定器200Rを付加するとともにサテライトユニットULにおいて積分器180L、コンパレータ190L及び閾値設定器200Lを付加してある。
【0053】
積分器180Rは、Gセンサ140Rの検出信号のレベルを積分する。コンパレータ190Rは、積分器180Rの積分出力が閾値設定器200Rの設定閾値よりも高いとき、ハイレベルにて比較出力を発生しANDゲート130Rに出力する。当該比較出力は、積分器180Rの積分出力が閾値設定器200Rの設定閾値以下のとき、ローレベルになる。なお、積分器180Rの積分機能は積分器150Rの積分機能とは異なっており、閾値設定器200Rの設定閾値は、閾値設定器170Rの設定閾値とは異なっている。
【0054】
積分器180Lは、Gセンサ140Lの検出信号のレベルを積分する。コンパレータ190Lは、積分器180Lの積分出力が閾値設定器200Lの設定閾値よりも高いとき、ハイレベルにて比較出力を発生しANDゲート130Lに出力する。当該比較出力は、積分器180Lの積分出力が閾値設定器200Lの設定閾値以下のとき、ローレベルになる。なお、積分器180Lの積分機能は積分器150Lの積分機能とは異なっており、閾値設定器200Lの設定閾値は、閾値設定器170Lの設定閾値とは異なっている。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
【0055】
このように構成した本変形例では、他の自動車が当該自動車の右側壁に衝突した場合、上記第1実施形態にて述べたようにGセンサ30の検出信号に基づきコンパレータ70Rの比較出力がANDゲート130Rに与えられるのではなく、Gセンサ140Rの検出信号に基づく積分器180Rの積分のもとコンパレータ190Rの比較出力がANDゲート130Rに与えられる。
【0056】
ここで、Gセンサ140Rが当該自動車の左側壁のセンターピラ近傍に位置しているから、上記衝突による衝撃は、Gセンサ30よりも早い時期にGセンサ140Rに伝わる。
従って、ANDゲート130Rのハイレベルのゲート出力の発生時期は、上記第1実施形態の場合に比べて早い。よって、起動装置10の起動時期の判定が上記第1実施形態の場合に比べて早くなる。その他の作用効果は上記第1実施形態と同様である。
【0057】
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施形態につき図4乃至図8を参照して説明する。
この第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べたセンターユニットUC及び両サテライトユニットUL、URに代えて、センターユニットUC1及び左右両サテライトユニットUL1、UR1が採用されている。
【0058】
センターユニットUC1は、センターユニットUCにて採用したGセンサ30と、A−D変換器210と、マイクロコンピュータ220を備えている。
A−D変換器210は、Gセンサ30の検出信号を加速度データにディジタル変換する。マイクロコンピュータ220は、センター側コンピュータプログラムを、図5及び図6にて示すフローチャートに従い実行し、この実行中において、両サテライトユニットUL1、UR1のいずれかの出力に応じて起動装置10の制御に要する演算処理をする。
【0059】
サテライトユニットUR1は、上記第1実施形態にて述べたサテライトユニットURにて採用したGセンサ140Rと、A−D変換器230Rと、マイクロコンピュータ240Rとを備えている。
A−D変換器230Rは、Gセンサ140Rの検出信号を加速度データにディジタル変換する。マイクロコンピュータ240Rは、右側コンピュータプログラムを、図7にて示すフローチャートに従い実行し、この実行中において、センターユニットUC1への出力制御に要する演算処理をする。
サテライトユニットUL1は、上記第1実施形態にて述べたサテライトユニットULにて採用したGセンサ140Lと、A−D変換器230Lと、マイクロコンピュータ240Lとを備えている。
【0060】
A−D変換器230Lは、Gセンサ140Lの検出信号を加速度データにディジタル変換する。マイクロコンピュータ240Lは、左側コンピュータプログラムを、図8にて示すフローチャートに従い実行し、この実行中において、センターユニットUC1への出力制御に要する演算処理をする。なお、各マイクロコンピュータ220、240R、240Lは、当該自動車に搭載したバッテリBaからイグニッションスイッチIGを介し給電されて作動する。また、各A−D変換器210、230R、230Lの機能は共に同一である。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
【0061】
このように構成した本第2実施形態において、各マイクロコンピュータ220、240R、240Lが、イグニッションスイッチIGの操作により、各コンピュータプログラムの実行を同時に開始する。
このような状態において、他の自動車が当該自動車の右側壁にGセンサ140Rの配置位置近傍にて低速衝突したとする。すると、上記第1実施形態と同様に、この衝突に基づく加速度が加速度信号として両Gセンサ30、140Rにより殆ど同時に或いは合い前後して検出されるとともに両A−D変換器210、230Rにより加速度データにそれぞれディジタル変換される。
【0062】
このため、両マイクロコンピュータ220、240Rでは、図5及び図6並びに図7の各フローチャートに従い、以下のような処理が行われる。
まず、両A−D変換器210、230Rの各加速度データが正負の符号付きの出力データとして、各ステップ300、400R(図5及び図7参照)にて、殆ど同時に或いは合い前後して各マイクロコンピュータ220、240Rに入力される。
【0063】
このため、ステップ301(図5参照)にてA−D変換器210の出力データの積分値V1 としての積分が開始される。このことは、積分値V1 が立ち上がってくることを意味する。一方、これと殆ど同時に或いは合い前後して、ステップ410R(図7参照)にて、A−D変換器230Rの出力データの積分値VR としての積分が開始される。このことは、積分値VR が立ち上がってくることを意味する。
【0064】
すると、ステップ420R(図7参照)において、積分値VR が閾値VRTH (閾値設定器170Rの設定閾値と同じ)よりも大きければ、YESとの判定がなされる。ついで、この判定結果が、ステップ430RにてサテライトユニットUR1の判定データDRとしてマイクロコンピュータ220に出力される。
また、現段階では、Gセンサ30の検出信号が正であるため、A−D変換器210の出力データは正の符号付きである。従って、ステップ310(図5参照)ではYESとの判定がなされる。
【0065】
また、現段階では、マイクロコンピュータ220に内蔵のタイマTR1は起動前であるから、ステップ320R(図5参照)における判定はNOとなる。
しかして、積分値V1 が閾値V1TH (閾値設定器80Rの設定閾値に等しい)よりも大きければ、ステップ330Rにおける判定がYESとなる。このため、ステップ331Rにおいて、タイマTR1が起動処理されその計時を開始する。
【0066】
ここで、両マイクロコンピュータ220、240Rの積分処理速度は異なっているが、積分出力の比較時期は同期している。従って、ステップ301における積分出力の立ち上がり時期が、ステップ410Rにおける積分出力の立ち上がり時期よりも幾分早い場合には、ステップ330RにてYESと判定する時期がステップ420RにてYESと判定する時期よりも早い。
【0067】
また、閾値V1TH は閾値VRTH よりも低い。このため、ステップ301における積分出力の立ち上がり時期が、ステップ410Rにおける積分出力の立ち上がり時期よりも幾分遅い場合にも、ステップ330RにてYESと判定する時期がステップ420RにてYESと判定する時期よりも早くなる。
よって、タイマTR1は、ステップ420RにてYESと判定する前に、計時を開始する。このため、後述するステップ360Rにおける判定がYESになっても、現段階ではマイクロコンピュータ220に内蔵のタイマTR2の起動前故、ステップ370Rにおける判定がNOとなる。
【0068】
これにより、起動装置10の起動が禁止される。その結果、上記低速衝突のようにエアバッグシステムAの作動を不要とする場合には、エアバッグ20Rが作動することがない。
なお、当該自動車の右側前輪が縁石に乗り上げた場合にその衝撃がGセンサ140RよりもGセンサ30に幾分早く伝わっても、上述と同様に、ステップ330RにおけるYESとの判定時期は、ステップ420RにおけるYESとの判定時期よりも早くなる。その結果、エアバッグシステムAが誤って作動することがない。
【0069】
次に、他の車両が当該自動車の右側ドアに前方斜めから高速衝突したものとする。この場合、上記第1実施形態と同様に上記高速衝突による衝撃はGセンサ30よりもGセンサ140Rにかなり早く伝わる。
従って、この衝撃に基づく加速度に対する加速度信号としてのGセンサ140Rによる検出時期は、Gセンサ30による検出時期よりもかなり早い。これに伴い、ステップ410Rにおける積分出力の立ち上がり時期は、ステップ330Rにおける積分出力の立ち上がり時期よりもかなり早い。
【0070】
よって、閾値V1TH が閾値V2TH (閾値設定器90Rの設定閾値と同じ)よりも低くしてあっても、ステップ420RにおけるYESとの判定時期は、ステップ330RにおけるYESとの判定時期よりもかなり早い。
このため、ステップ420RにおけるYESとの判定は、タイマTR1の計時開始前になされる。従って、ステップ350RにおけるYESとの判定は、ステップ420RにおけるYESとの判定と同時になされ、ステップ351Rにて上記タイマTR2の起動処理がなされる。これに伴い、タイマTR2がその計時を開始する。
【0071】
なお、ステップ350Rは、ステップ330Rと共に、両Gセンサ140、30の各出力の位相差を判定する役割を果たす。また、タイマTR2は、Gセンサ140の出力の立ち上がりから所定時間内にGセンサ30の出力の演算値(積分値に相当)が閾値を超えることを確認するために、当該所定時間を計時するものである。
【0072】
その後、ステップ360RにおけるYESとの判定がなされると、ステップ370RにてYESとの判定がなされる。なお、ステップ360Rは、当該自動車の衝突の有無を判定するために設けられていることから、当該ステップ360Rの判定基準はV2 >V2TH となっている。
その後、ステップ371Rにおいて起動装置10の起動処理がなされる。これにより、エアバッグシステムAでは、起動装置10がその起動によりエアバッグ20Rを作動させる。
【0073】
なお、ステップ320RにおけるYESとの判定後、両ステップ360R、370RにてYESと判定されても、起動装置10がその起動によりエアバッグ20Rを作動させる。
また、以上のような作用効果は、他の自動車が当該自動車の左側壁のGセンサ140Lの配置位置近傍に低速衝突した場合、当該自動車の左側前輪が縁石に乗り上げた場合や他の自動車が当該自動車の左側ドアに前方斜めから高速衝突した場合にも、図6及び図8のフローチャートに従い同様に達成できる。
【0074】
この場合、図6のフローチャートにおける各ステップ320L乃至371Lが図5のフローチャートにおける各ステップ320R乃至371Rにそれぞれ対応する。また、図8のフローチャートにおける各ステップ400L乃至430Lが図7のフローチャートにおける各ステップ400R乃至430Rにぞれぞれ対応する。
【0075】
以上述べたように、本第2実施形態のようにマイクロコンピュータを採用する構成でも、上記第1実施形態と同様に、Gセンサ30に対し衝撃が伝わる時期が両Gセンサ140R、140Lの一方に伝わる時期よりも早い場合には、エアバッグシステムAの作動を不要とする衝撃とみなし、起動装置10の起動を禁止することで、エアバッグシステムAの誤作動を防止できる。その他の作用効果は上記第1実施形態と同様である。
【0076】
なお、上記各実施形態では、本発明が自動車用側突型エアバッグシステムに適用された例について説明したが、これに限らず、自動車用シートベルトのプリテンショナやドアロックシステム等の乗員保護システムに本発明を適用して実施してもよい。
この場合、ドアロックシステムは、自動車の側突時に、ドアロックを自動的に解除するようにすればよい。なお、自動車に限らず各種車両の乗員保護システムに本発明を適用してもよい。
【0077】
また、本発明の実施にあたり、Gセンサ30に代えて、一対のGセンサを採用し、これら一対のGセンサの一方の出力を両積分器40R、50Rに入力するとともに、他方のGセンサの出力を両積分器40L、50Lに入力するようにしてもよい。
この場合、積分器40L及び閾値設定器80Lの各出力をコンパレータ60Lの正側及び負側の各入力端子に入力する。また、積分器50L及び閾値設定器90Lの各出力をコンパレータ70Lの正側及び負側の各入力端子に入力する。
【0078】
また、本発明の実施にあたり、当該自動車の側壁に他の自動車が低速衝突した場合において、Gセンサ30に対しGセンサ140Rよりも幾分早く衝撃が伝わるとき、回路素子や配線の浮遊容量等によりGセンサ30から積分器への信号の伝達がGセンサ140Rから積分器への信号伝達よりも遅延する場合には、上記各閾値はセンターユニット及びサテライトユニットにて同一にしてもよい。
【0079】
また、本発明の実施にあたり、遅れ位相との判定時に、エアバッグシステムAの作動を禁止するのではなく、閾値設定器90R(又は、90L)、200R(又は、200L)の閾値を、エアバッグシステムAの作動を不要とする衝撃では超えないような値に切り換える(例えば、閾値を高くする)等の制御を行うようにしてもよい。
【0080】
また、本発明の実施にあたり、積分器150Rの積分出力が積分器40R或いは50Rの積分出力に対し進み位相が遅れ位相かを判定した後、進み位相との判定時には、積分器150Rの積分出力及び積分器40R或いは50Rの積分出力の双方の少なくとも一方に基づき当該自動車の右側での高速衝突と判定し、一方、遅れ位相との判定時には、積分器150Rの積分出力及び積分器40R或いは50Rの積分出力の双方の少なくとも一方に基づき当該自動車の右側での障害物との低速衝突と判定するように実施してもよい。
【0081】
また、積分器150Lの積分出力が積分器40L或いは50Lの積分出力に対し進み位相が遅れ位相かを判定した後、進み位相との判定時には、積分器150Lの積分出力及び積分器40L或いは50Lの積分出力の双方の少なくとも一方に基づき当該自動車の左側での高速衝突と判定し、一方、遅れ位相との判定時には、積分器150Lの積分出力及び積分器40L或いは50Lの積分出力の双方の少なくとも一方に基づき当該自動車の左側での障害物との低速衝突と判定するように実施してもよい。
【0082】
これによっても、上記各実施形態にて述べたと同様の作用効果を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す電気回路図である。
【図2】図1の各Gセンサの自動車に対する配設位置を示す平面図である。
【図3】上記第1実施形態の変形例を示す要部電気回路図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示すブロック回路図である。
【図5】図5のセンターユニットUC1のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図6】当該フローチャートの他の一部である。
【図7】図5のサテライトユニットUR1のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートである。
【図8】図5のサテライトユニットUL1のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートである。
【図9】自動車の左側側壁に他の自動車が低速衝突する状態を示す平面図である。
【図10】(a)は、図9の低速衝突の場合の中央側加速度センサ及び側壁側加速度センサの検出レベルの時間的変化を示すタイミングチャートであり、(b)は、図9の低速衝突の場合の上記第1実施形態における主要構成素子の出力波形を示すタイミングチャートである。
【図11】自動車の左側側壁に斜め前方から他の自動車が高速衝突する状態を示す平面図である。
【図12】(a)は、図11の高速衝突の場合の中央側加速度センサ及び側壁側加速度センサの検出レベルの時間的変化を示すタイミングチャートであり、(b)は、図11の高速衝突の場合の上記第1実施形態における主要構成素子の出力波形を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
A…エアバッグシステム、S…衝突判定装置、UC…センターユニット、
UL、UL1、UR、UR1…サテライトユニット、
10…起動装置、20L、20R…エアバッグ、
30、140L、140R…Gセンサ、
40L、40R、50L、50R、150L、150R、180L、180R…積分器、
60L、60R、70L、70R、160L、160R、190L、190R…コンパレータ、
80L、80R、90L、90R、170L、170R、200L、200R…閾値設定器、100L、100R、120L、120R…タイマ、
110L、110R、130L、130R…ANDゲート、
220、240L、240R…マイクロコンピュータ。

Claims (21)

  1. 車両に搭載された側突型乗員保護システムを作動するために当該乗員保護システムに備えられる衝突判定装置において、
    車両の両側壁の各対向高剛性壁部にそれぞれ配設されて前記両側壁と障害物との衝突を加速度として検出する第1加速度センサ(140R、140L)と、
    車両の車体の中央部に設けられて前記両側壁の一方と障害物との衝突を加速度として検出する第2加速度センサ(30)と、
    前記両第1加速度センサの一方及び前記第2加速度センサの両検出加速度を第1及び第2の積分出力として積分する積分手段(40R、40L、50R、50L、150R、150L)と、
    前記第1及び第2の積分出力が前記積分手段から前記両検出加速度に対する所定積分期間内の積分に応じて出力されたとき前記第1積分出力が前記第2積分出力に対し進み位相か遅れ位相かを判定する位相判定手段(60R、60L、70R、70L、80R、80L、90R、90L、100R、100L、110R、110L、120R、120L、160R、160L、170R、170L)と、
    この位相判定手段の進み位相との判定時に、前記第1及び第2の積分出力の少なくとも一方に基づき、前記乗員保護システムを作動させるための前記両側壁の各対向低剛性壁部のいずれかと障害物との高速衝突であると判定し、前記位相判定手段の遅れ位相との判定時に、前記第1及び第2の積分出力の少なくとも一方に基づき、前記乗員保護システムの作動を禁止するための前記各対向高剛性壁部のいずれかと障害物との低速衝突であると判定する衝突判定手段(130R、130L)とを備える車両用側突型乗員保護システムのための衝突判定装置であって、
    前記位相判定手段が、
    前記所定積分期間に対応する閾値を設定する閾値設定手段(80R、80L、90R、90L、170R、170L)と、
    前記第1及び第2の積分出力が前記閾値を超えたときそれぞれ第1及び第2の比較出力を発生する比較手段(60R、60L、70R、70L、160R、160L)と、
    前記第2比較出力に応答して計時を開始する第1計時手段(100R、100L)と、
    この第1計時手段の計時開始前に前記第1比較出力を受けたとき前記進み位相と判定し、前記第1計時手段の計時開始後に前記第1比較出力を受けたとき前記遅れ位相と判定する位相判定器(110R、110L)と、
    この位相判定器の進み位相との判定に応答して計時を開始する第2計時手段(120R、120L)とを備え、
    前記衝突判定手段が、前記第2計時手段の計時開始前に前記第2比較出力を受けたとき前記低速衝突と判定し、前記第2計時手段の計時開始後に前記第2比較出力を受けたとき前記高速衝突と判定することを特徴とする車両用側突型乗員保護システムのための衝突判定装置。
  2. 前記各対向高剛性壁部が前記両側壁の各センターピラーを含む壁部であり、
    前記衝突判定手段が、前記各対向低剛性壁部のいずれかと障害物との高速衝突を、前記両側壁の各対向ドアのいずれかと障害物との高速衝突として判定し、前記各対向高剛性壁部のいずれかと障害物との低速衝突を、前記各センターピラーを含む壁部の一方と障害物との低速衝突として判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用側突型乗員保護システムのための衝突判定装置。
  3. 前記閾値設定手段が、第1閾値を設定する第1閾値設定器と、前記第1閾値よりも低い第2閾値を設定する第2閾値設定器からなり、
    前記比較手段が、前記第1積分出力が前記第1閾値を超えたとき前記第1比較出力を発生する第1比較器と、前記第2積分出力が前記第2閾値を超えたとき前記第2比較出力を発生する第比較器とからなることを特徴とする請求項に記載の車両用側突型乗員保護システムのための衝突判定装置。
  4. 前記衝突判定手段が、論理積ゲートであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載の車両用側突型乗員保護システムのための衝突判定装置。
  5. 車両の左右にそれぞれ装備される側突用乗員保護機構と、
    これら乗員保護機構を起動により作動させる起動装置と、
    車両の左右両側壁の各対向高剛性壁部にそれぞれ配設されて前記両側壁と障害物との衝突時にこれら衝突をそれぞれ加速度として検出する第1加速度センサ(140R、140L)と、
    車両の車体の中央部に設けられて前記両側壁の一方と障害物との衝突時にこの衝突を加速度として検出する第2加速度センサ(30)と、
    前記両第1加速度センサの一方及び前記第2加速度センサの両検出加速度をそれぞれ第1及び第2の積分出力として積分する積分手段(40R、40L、50R、50L、150R、150L)と、
    前記第1及び第2の積分出力が前記積分手段から前記両検出加速度に対する所定積分期間内の積分に応じて出力されたとき前記第1積分出力が前記第2積分出力に対し進み位相か遅れ位相かを判定する位相判定手段(60R、60L、70R、70L、80R、80L、90R、90L、100R、100L、110R、110L、120R、120L、160R、160L、170R、170L)と、
    この位相判定手段の進み位相との判定時に前記第1及び第2の積分出力の少なくとも一方に基づき前記両側壁の各対向低剛性壁部のいずれかと障害物との高速衝突である旨判定して前記起動装置のための起動出力を発生し、前記位相判定手段の遅れ位相との判定時に前記第1及び第2の積分出力の少なくとも一方に基づき前記各高剛性壁部のいずれかと障害物との低速衝突である旨判定して前記起動装置のための起動禁止出力を発生する衝突判定手段(130R、130L)とを備える車両用側突型乗員保護システムであって、
    前記位相判定手段が、
    前記所定積分期間に対応する閾値を設定する閾値設定手段(80R、80L、90R、90L、170R、170L)と、
    前記第1及び第2の積分出力が前記閾値を超えたときそれぞれ第1及び第2の比較出力を発生する比較手段(60R、60L、70R、70L、160R、160L)と、
    前記第2比較出力に応答して計時を開始する第1計時手段(100R、100L)と、
    この第1計時手段の計時開始前に前記第1比較出力を受けたとき前記進み位相と判定し、前記第1計時手段の計時開始後に前記第1比較出力を受けたとき前記遅れ位相と判定する位相判定器(110R、110L)と、
    この位相判定器の進み位相との判定に応答して計時を開始する第2計時手段(120R、120L)とを備え、
    前記衝突判定手段が、前記第2計時手段の計時開始前に前記第2比較出力を受けたとき前記低速衝突と判定し、前記第2計時手段の計時開始後に前記第2比較出力を受けたとき前記高速衝突と判定することを特徴とする車両用側突型乗員保護システム。
  6. 前記各対向高剛性壁部が前記両側壁の各センターピラーを含む壁部であり、
    前記衝突判定手段が、前記各対向低剛性壁部のいずれかと障害物との高速衝突を、前記両側壁の各対向ドアのいずれかと障害物との高速衝突として判定し、前記各対向高剛性壁部のいずれかと障害物との低速衝突を、前記各センターピラーを含む壁部のいずれかと障害物との低速衝突として判定することを特徴とする請求項に記載の車両用側突型乗員保護システム。
  7. 前記閾値設定手段が、第1閾値を設定する第1閾値設定器と、前記第1閾値よりも低い第2閾値を設定する第2閾値設定器からなり、
    前記比較手段が、前記第1積分出力が前記第1閾値を超えたとき前記第1比較出力を発生する第1比較器と、前記第2積分出力が前記第2閾値を超えたとき前記第2比較出力を発生する第比較器とからなることを特徴とする請求項に記載の車両用側突型乗員保護システム。
  8. 前記衝突判定手段が、論理積ゲートであることを特徴とする請求項乃至のいずれか一つに記載の車両用側突型乗員保護システム。
  9. 車両に搭載された側突型乗員保護システムを作動するために当該乗員保護システムに備えられる衝突判定装置において、
    車両の両側壁の各対向高剛性壁部にそれぞれ配設されて前記両側壁と障害物との衝突を加速度として検出する第1加速度センサ(140R、140L)と、
    車両の車体の中央部に設けられて前記両側壁の一方と障害物との衝突を加速度として検出する第2加速度センサ(30)と、
    前記両第1加速度センサの一方及び前記第2加速度センサの両検出加速度を第1及び第2の積分出力として積分する積分手段(40R、40L、50R、50L、150R、150L)と、
    前記第1及び第2の積分出力が前記積分手段から前記両検出加速度に対する所定積分期間内の積分に応じて出力されたとき前記第1積分出力が前記第2積分出力に対し進み位相か遅れ位相かを判定する位相判定手段(60R、60L、70R、70L、80R、80L、90R、90L、100R、100L、110R、110L、120R、120L、160R、160L、170R、170L)と、
    この位相判定手段の進み位相との判定時に、前記第1及び第2の積分出力の少なくとも一方に基づき、前記乗員保護システムを作動させるための前記両側壁の各対向低剛性壁部のいずれかと障害物との高速衝突であると判定し、前記位相判定手段の遅れ位相との判定時に、前記第1及び第2の積分出力の少なくとも一方に基づき、前記乗員保護システムの作動を禁止するための前記各対向高剛性壁部のいずれかと障害物との低速衝突であると判定する衝突判定手段(130R、130L)とを備え、
    前記位相判定手段は、前記第1及び第2の積分出力がそれぞれに対して設定された閾値を超えたとき第1及び第2の比較出力をそれぞれ発生する比較手段(60R、60L、70R、70L、160R、160L)を備え、前記第2の比較出力が発生される前に前記第1の比較出力が発生されたとき前記進み位相であると判定し、前記第1の比較出力が発生される前に前記第2の比較出力が発生されたとき前記遅れ位相であると判定することを特徴とする車両用側突型乗員保護システムのための衝突判定装置。
  10. 前記各対向高剛性壁部が前記両側壁の各センターピラーを含む壁部であり、
    前記衝突判定手段が、前記各対向低剛性壁部のいずれかと障害物との高速衝突を、前記両側壁の各対向ドアのいずれかと障害物との高速衝突として判定し、前記各対向高剛性壁部のいずれかと障害物との低速衝突を、前記各センターピラーを含む壁部の一方と障害物との低速衝突として判定することを特徴とする請求項9に記載の車両用側突型乗員保護システムのための衝突判定装置。
  11. 前記位相判定手段が、さらに
    前記第2比較出力に応答して計時を開始する第1計時手段(100R、100L)と、
    この第1計時手段の計時開始前に前記第1比較出力を受けたとき前記進み位相と判定し、前記第1計時手段の計時開始後に前記第1比較出力を受けたとき前記遅れ位相と判定する位相判定器(110R、110L)と、
    この位相判定器の進み位相との判定に応答して計時を開始する第2計時手段(120R、120L)とを備え、
    前記衝突判定手段が、前記第2計時手段の計時開始前に前記第2比較出力を受けたとき前記低速衝突と判定し、前記第2計時手段の計時開始後に前記第2比較出力を受けたとき前記高速衝突と判定することを特徴とする請求項9又は10に記載の車両用側突型乗員保護システムのための衝突判定装置。
  12. 前記閾値設定手段が、第1閾値を設定する第1閾値設定器と、前記第1閾値よりも低い第2閾値を設定する第2閾値設定器からなり、
    前記比較手段が、前記第1積分出力が前記第1閾値を超えたとき前記第1比較出力を発生する第1比較器と、前記第2積分出力が前記第2閾値を超えたとき前記第2比較出力を 発生する第2比較器とからなることを特徴とする請求項11に記載の車両用側突型乗員保護システムのための衝突判定装置。
  13. 前記衝突判定手段が、論理積ゲートであることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一つに記載の車両用側突型乗員保護システムのための衝突判定装置。
  14. 車両の左右にそれぞれ装備される側突用乗員保護機構と、
    これら乗員保護機構を起動により作動させる起動装置と、
    車両の左右両側壁の各対向高剛性壁部にそれぞれ配設されて前記両側壁と障害物との衝突時にこれら衝突をそれぞれ加速度として検出する第1加速度センサ(140R、140L)と、
    車両の車体の中央部に設けられて前記両側壁の一方と障害物との衝突時にこの衝突を加速度として検出する第2加速度センサ(30)と、
    前記両第1加速度センサの一方及び前記第2加速度センサの両検出加速度をそれぞれ第1及び第2の積分出力として積分する積分手段(40R、40L、50R、50L、150R、150L)と、
    前記第1及び第2の積分出力が前記積分手段から前記両検出加速度に対する所定積分期間内の積分に応じて出力されたとき前記第1積分出力が前記第2積分出力に対し進み位相か遅れ位相かを判定する位相判定手段(60R、60L、70R、70L、80R、80L、90R、90L、100R、100L、110R、110L、120R、120L、160R、160L、170R、170L)と、
    この位相判定手段の進み位相との判定時に前記第1及び第2の積分出力の少なくとも一方に基づき前記両側壁の各対向低剛性壁部のいずれかと障害物との高速衝突である旨判定して前記起動装置のための起動出力を発生し、前記位相判定手段の遅れ位相との判定時に前記第1及び第2の積分出力の少なくとも一方に基づき前記各高剛性壁部のいずれかと障害物との低速衝突である旨判定して前記起動装置のための起動禁止出力を発生する衝突判定手段(130R、130L)とを備え、
    前記位相判定手段は、前記第1及び第2の積分出力がそれぞれに対して設定された閾値を超えたとき第1及び第2の比較出力をそれぞれ発生する比較手段(60R、60L、70R、70L、160R、160L)を備え、前記第2の比較出力が発生される前に前記第1の比較出力が発生されたとき前記進み位相であると判定し、前記第1の比較出力が発生される前に前記第2の比較出力が発生されたとき前記遅れ位相であると判定することを特徴とする車両用側突型乗員保護システム。
  15. 前記各対向高剛性壁部が前記両側壁の各センターピラーを含む壁部であり、
    前記衝突判定手段が、前記各対向低剛性壁部のいずれかと障害物との高速衝突を、前記両側壁の各対向ドアのいずれかと障害物との高速衝突として判定し、前記各対向高剛性壁部のいずれかと障害物との低速衝突を、前記各センターピラーを含む壁部のいずれかと障害物との低速衝突として判定することを特徴とする請求項14に記載の車両用側突型乗員保護システム。
  16. 前記位相判定手段が、さらに
    前記第2比較出力に応答して計時を開始する第1計時手段(100R、100L)と、
    この第1計時手段の計時開始前に前記第1比較出力を受けたとき前記進み位相と判定し、前記第1計時手段の計時開始後に前記第1比較出力を受けたとき前記遅れ位相と判定する位相判定器(110R、110L)と、
    この位相判定器の進み位相との判定に応答して計時を開始する第2計時手段(120R、120L)とを備え、
    前記衝突判定手段が、前記第2計時手段の計時開始前に前記第2比較出力を受けたとき前記低速衝突と判定し、前記第2計時手段の計時開始後に前記第2比較出力を受けたとき前記高速衝突と判定することを特徴とする請求項14又は15に記載の車両用側突型乗員保護システム。
  17. 車両の左右にそれぞれ装備される側突用乗員保護機構と、
    これら乗員保護機構を起動により作動させる起動装置と、
    車両の左右両側壁の各対向高剛性壁部にそれぞれ配設されて前記両側壁と障害物との衝突時にこれら衝突をそれぞれ加速度として検出する第1加速度センサ(140R、140L)と、
    車両の車体の中央部に設けられて前記両側壁の一方と障害物との衝突時にこの衝突を加速度として検出する第2加速度センサ(30)と、
    前記両第1加速度センサの一方及び前記第2加速度センサの両検出加速度をそれぞれ第1及び第2の積分出力として積分する積分手段(40R、40L、50R、50L、150R、150L)と、
    前記第1及び第2の積分出力が前記積分手段から前記両検出加速度に対する所定積分期間内の積分に応じて出力されたとき前記第1積分出力が前記第2積分出力に対し進み位相か遅れ位相かを判定する位相判定手段(60R、60L、70R、70L、80R、80L、90R、90L、100R、100L、110R、110L、120R、120L、160R、160L、170R、170L)と、
    この位相判定手段の進み位相との判定時に前記第1及び第2の積分出力の少なくとも一方に基づき前記起動装置のための起動出力を発生し、前記位相判定手段の遅れ位相との判定時に前記第1及び第2の積分出力の少なくとも一方に基づき前記起動装置のための起動禁止出力を発生する衝突判定手段(130R、130L)とを備え、
    前記位相判定手段は、前記第1及び第2の積分出力がそれぞれに対して設定された閾値を超えたとき第1及び第2の比較出力をそれぞれ発生する比較手段(60R、60L、70R、70L、160R、160L)を備え、前記第2の比較出力が発生される前に前記第1の比較出力が発生されたとき前記進み位相であると判定し、前記第1の比較出力が発生される前に前記第2の比較出力が発生されたとき前記遅れ位相であると判定することを特徴とする車両用側突型乗員保護システム。
  18. 前記各対向高剛性壁部が前記両側壁の各センターピラーを含む壁部であり、
    前記衝突判定手段が、前記進み位相との判定時に前記第1及び第2の積分出力の少なくとも一方に基づき前記各対向低剛性壁部のいずれかと障害物との高速衝突であると判定して前記起動装置のための起動出力を発生し、前記位相判定手段の遅れ位相との判定時に前記第1及び第2の積分出力の少なくとも一方に基づき前記各対向高剛性壁部のいずれかと障害物との低速衝突であると判定して前記起動装置のための起動禁止出力を発生することを特徴とする請求項17に記載の車両用側突型乗員保護システム。
  19. 前記位相判定手段が、さらに
    前記第2比較出力に応答して計時を開始する第1計時手段(100R、100L)と、
    この第1計時手段の計時開始前に前記第1比較出力を受けたとき前記進み位相と判定し、前記第1計時手段の計時開始後に前記第1比較出力を受けたとき前記遅れ位相と判定する位相判定器(110R、110L)と、
    この位相判定器の進み位相との判定に応答して計時を開始する第2計時手段(120R、120L)とを備え、
    前記衝突判定手段が、前記第2計時手段の計時開始前に前記第2比較出力を受けたとき前記起動装置のための起動禁止出力を発生し、前記第2計時手段の計時開始後に前記第2比較出力を受けたとき前記起動装置のための起動出力を発生することを特徴とする請求項17又は18に記載の車両用側突型乗員保護システム。
  20. 前記閾値設定手段が、第1閾値を設定する第1閾値設定器と、前記第1閾値よりも低い第2閾値を設定する第2閾値設定器からなり、
    前記比較手段が、前記第1積分出力が前記第1閾値を超えたとき前記第1比較出力を発生する第1比較器と、前記第2積分出力が前記第2閾値を超えたとき前記第2比較出力を発生する第2比較器とからなることを特徴とする請求項16又は19に記載の車両用側突型乗員保護システム。
  21. 前記衝突判定手段が、論理積ゲートであることを特徴とする請求項14乃至20のいずれか一つに記載の車両用側突型乗員保護システム。
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