JP3828813B2 - 体表面モニタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は体表面モニタに関し、特に体表面モニタの構造に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
体表面モニタは体表面用放射線測定装置として機能し、それは例えば原子力発電所、核燃料処理施設などに設置される。すなわち、放射線管理区域の出入口に体表面モニタが設置され、放射線管理区域に進入する作業者や放射線管理区域から退出する作業者に対して、その被曝管理のために放射線が測定される。
【0003】
従来の体表面モニタは、一般に、本体、入口扉、出口扉などによって構成される。従来において、入口扉が開状態且つ出口扉が閉状態で、作業者は測定室内に進入し、その測定室内で作業者は90度向きを変え、その正面に形成された右手用及び左手用の測定ユニット内に手を差し込む。その状態では入口扉が閉じられ、所定時間にわたって放射線が測定される。測定終了後には、出口扉が開放され、作業者は測定室から退出する。そして、出口扉が閉じられ、また入口扉が開かれる。この工程が作業者ごとに繰り返される。なお、特許第2807168号には、測定室内で向きを変えることなく測定を行える体表面モニタが開示されている。
【0004】
従来の体表面モニタにおいては、空洞としての測定室は箱形あるいは矩形形状を有している。そして、その内面に複数の面状の放射線検出器が配置されている。一方、立位状態にある人体は大雑把にいって中間部分が膨らんで上下が絞られた外形を有する。よって、測定室内において作業者の測定を行う場合、どうしても作業者の上部及び下部が放射線検出器から離れがちとなる。その結果、検出効率あるいは感度の低下といった問題が生じる。
【0005】
また、体表面モニタの中には、様々な身長の作業者に対応すべく、昇降運動する頭部検出器を有するものがある。しかし、測定室に閉じ込められた状態で、更に頭上付近に重量感ある頭部検出器が垂直下降して位置決めされると、かなりの心理的圧迫感が生じるという問題がある。
【0006】
また、様々な身長に対応するためには身長に応じて手部検出器を昇降させることが望まれるが、その場合には装置構成が複雑化するという問題がある。
【0007】
更に、測定室内で向きを変えずに、出口扉の内面に対面した状態で放射線の測定を行うことが望まれるが、その場合、出口扉に2つの手部検出器を配置することは困難であるという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、体表面モニタにおいて、検出感度を向上することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、心理的圧迫感をできるだけ解消することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、様々な身長の被測定者に対応できるようにすることにある。
【0011】
本発明の他の目的は、装置コストを低減することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、入口開口から出口開口まで貫通した空洞を有し、その空洞が被測定者を収容する測定室として機能する本体と、前記入口開口に設けられ、前記測定室内の前記被測定者の背面側で開閉可能な入口扉と、前記出口開口に設けられ、前記測定室内の前記被測定者の前面側で開閉可能な出口扉と、前記本体、前記入口扉及び前記出口扉に設けられ、前記測定室内において前記出口扉に対面する立位の状態におかれた被測定者について、体表面からの放射線を検出する複数の放射線検出器と、を含み、前記測定室の上部部分の左右幅は前記中間部分から上方にかけて徐々に狭くされたことを特徴とする。望ましくは、前記測定室の下部部分の左右幅は前記中間部分から下方にかけて徐々に狭くされる。
望ましくは、前記本体は、前記測定室に臨む右上面、右下面、左上面及び左下面を含み、前記右上面及び左上面は下方へ傾斜した傾斜面であり、前記右下面及び左下面は上方へ傾斜した傾斜面であり、前記右上面、右下面、左上面及び左下面にはそれぞれ放射線検出器が設けられる。望ましくは、前記各放射線検出器はシンチレータ板を有する面状放射線検出器である。
【0013】
上記構成によれば、測定室の上部部分及び下部部分が中間部分から徐々に内側へ絞られた形態を有するので、体表面に対して放射線検出器を近づけることができる。よって、感度を向上することができる。測定室の形態は、各種の身長及び各種の体型をカバーするように定められる。入口扉及び出口扉は1枚扉であってもよいし、2枚扉であってもよい。後者の場合には観音開き方式を採用するのが望ましい。
【0014】
望ましくは、前記測定室としての空洞はそれ全体としてほぼ菱形の形態を有する。菱形形状は、各種サイズの人体の外形をカバーしつつも、測定室の各内面を人体表面に近づけられる合理的な形態である。また、菱形形状は、単純矩形に比べて、形状自体に柔らかさがあり、親近感が生じやすいために、圧迫感の軽減という効果を期待できる。
【0015】
望ましくは、前記本体は、前記測定室に臨む右上面、右下面、左上面、左下面及び床面を含み、前記複数の放射線検出器には、前記右上面に設けられた右上用放射線検出器と、前記右下面に設けられた右下用放射線検出器と、前記左上面に設けられた左上用放射線検出器と、前記左下面に設けられた左下用放射線検出器と、前記床面に設けられた床面放射線検出器と、前記入口扉の測定室に臨む内面に設けられた背面用放射線検出器と、前記出口扉の測定室に臨む内面に設けられた正面用放射線検出器と、が含まれる。放射線検出器が複数のセンサユニットによって構成されてもよいし、2つの放射線検出器が1つのセンサユニットによって構成されてもよい。
【0016】
望ましくは、前記被測定者の身長に応じて、少なくとも1つの放射線検出器の姿勢を可変する姿勢可変手段が設けられる。望ましくは、前記右上用放射線検出器及び前記左上用放射線検出器の少なくとも一方は前記被測定者の身長に応じて前記測定室内へ傾斜運動する。望ましくは、前記右上用放射線検出器及び前記左上用放射線検出器はその下辺側を回転軸として傾斜運動する。頭部の位置が下がると、放射線検出器から頭部までの距離が減少する被測定者の身長に応じて、上部の放射線検出器の姿勢を変えて検出感度の向上を図るのが望ましい。
【0017】
望ましくは、前記本体には、前記測定室に連通し、前記測定室に収容された被測定者の右手が上方から差し込まれる右手用溝と、前記測定室に連通し、前記測定室に収容された被測定者の左手が上方から差し込まれる左手用溝と、が形成され、前記複数の放射線検出器には、前記右手用溝に差し込まれた右手からの放射線を検出する右手用放射線検出器と、前記左手用溝に差し込まれた左手からの放射線を検出する左手用放射線検出器と、が含まれる。
【0018】
上記構成によれば、両肩から両手を前方へ上げることなく、本人の左右に設けられた溝に手を差し込んで放射線の測定が行われる。一般的な体型では身長に応じて上腕を開く角度が異なることになるので、また、身長に応じて手の長さは長くなるので、2つの溝の高さを固定していても、様々な身長に対応できる。
【0019】
(2)また望ましい実施形態においては、入口開口から出口開口まで貫通した空洞を有し、その空洞が被測定者を収容する測定室として機能する本体と、前記入口開口に設けられた開閉可能な入口扉と、前記出口開口に設けられた開閉可能な出口扉と、前記本体、前記入口扉及び前記出口扉に設けられ、前記測定室内において前記出口扉に対面する立位の状態におかれた被測定者について、体表面からの放射線を検出する複数の放射線検出器と、を含み、前記複数の放射線検出器の中の少なくとも1つは、被測定者の身長に応じて前記測定室側への傾斜度を変化することが可能である。
【0020】
上記構成によれば、身長や体型に応じて放射線検出器の姿勢を変化させて、検出感度を向上することができる。身長などのデータは、被測定者が携帯するカードから読み取るようにしてもよいし、身長センサを入口開口付近又は測定室内に設けるようにしてもよい。
【0021】
望ましくは、前記本体の内面は、右上面、右下面、左上面、左下面及び床面を含み、前記複数の放射線検出器には、前記右上面に設けられた右上用放射線検出器と、前記右下面に設けられた右下用放射線検出器と、前記左上面に設けられた左上用放射線検出器と、前記左下面に設けられた左下用放射線検出器と、前記床面に設けられた床面放射線検出器と、が含まれる。
【0022】
望ましくは、前記右上用放射線検出器及び前記左上用放射線検出器の少なくとも一方はその下辺側を回転軸として傾斜運動する。この構成によれば、身長が高い者を測定する場合には右上用及び/又は左上用放射線検出器が退避しあるいは原姿勢になり、身長が低い者を測定する場合にはそれらの測定室側への傾斜度が大きくなり、頭部までの距離が短くなる。
【0023】
(3)また望ましい実施形態においては、入口開口から出口開口まで貫通した空洞を有し、その空洞が被測定者を収容する測定室として機能する本体と、前記入口開口に設けられた開閉可能な入口扉と、前記出口開口に設けられた開閉可能な出口扉と、前記本体、前記入口扉及び前記出口扉に設けられ、前記測定室において前記出口扉に対面する立位の状態におかれた被測定者について、体表面からの放射線を検出する複数の放射線検出器と、を含み、前記本体には、前記測定室に連通し、前記測定室に収容された被測定者の右手が上方から差し込まれる右手用溝と、前記測定室に連通し、前記測定室に収容された被測定者の左手が上方から差し込まれる左手用溝と、が形成され、前記複数の放射線検出器には、前記右手用溝に差し込まれた右手からの放射線を検出する右手用放射線検出器と、前記左手用溝に差し込まれた左手からの放射線を検出する左手用放射線検出器と、が含まれる。
【0024】
望ましくは、前記右手用溝及び前記左手用溝は、前記空洞の貫通方向に貫通した溝である。溝が貫通していれば挿入時の不安感や圧迫感を軽減できる。貫通しした溝は、測定時には両扉によってカバーされるのが望ましい。
【0025】
(4)また望ましい実施形態においては、入口開口から出口開口まで貫通した空洞を有し、その空洞が被測定者を収容する測定室として機能する本体と、前記入口開口に設けられた開閉可能な入口扉と、前記出口開口に設けられた開閉可能な出口扉と、前記本体、前記入口扉及び前記出口扉に設けられ、前記測定室において前記出口扉に対面する立位の状態におかれた被測定者について、体表面からの放射線を検出する複数の放射線検出器と、を含み、前記本体には、前記測定室に連通し、前記測定室に収容された被測定者の右手が上方から差し込まれる右手用溝と、前記測定室に連通し、前記測定室に収容された被測定者の左手が上方から差し込まれる左手用溝と、が形成され、前記複数の放射線検出器には、前記右手用溝と前記測定室との間の右側仕切壁に設けられ、両面において放射線の検出を行える右側用の両面型放射線検出器と、前記左手用溝と前記測定室との間の左側仕切壁に設けられ、両面において放射線の検出を行える左側用の両面型放射線検出器と、が含まれる。
【0026】
上記構成によれば、仕切壁の厚みを薄くでき、あるいは、放射線の検出を確実に行える。更に装置コストの低減という利点もある。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
図1には、本発明に係る体表面モニタの好適な実施形態が示されており、図1はその概略的な斜視図である。
【0029】
図1に示される体表面モニタは、例えば原子力発電所などに設置されるものであり、具体的には、放射線管理区域の出入口に設けられ、そこに入退出する作業者について体表面汚染を測定する装置である。
【0030】
体表面モニタは、大別して、本体10、入口扉12、出口扉14及びベース16によって構成される。本体10は、入口開口から出口開口にかけて形成された空洞としての測定室18を有している。なお、図1において、Y方向は作業者が進行する方向であり、X方向は作業者を基準として左右方向であり、Z方向は高さ方向である。
【0031】
空洞部としての測定室18は、大別して3つの部分に区分される。すなわち、上部部分18H、中間部分18M及び下部部分18Lに区分される。図1に示されるように、中間部分18MがX方向に幅広になっており、上部部分18Hは上方にかけて徐々にX方向の幅が狭くなっており、下部部分18Lは下方にかけてX方向の幅が徐々に狭くなっている。よって、測定室18は、その入口側から見て全体としてほぼ縦長の菱形形状を有している。この菱形形状は、およそ想定される作業者の身長及び体型に対応した形状であって、しかもできる限り、後述する放射線検出器を体表面に近づけることが可能な形態である。
【0032】
測定室18において、その中間部分18MのX方向の左右端には、一対の手部検出ユニット26が設けられている。手部検出ユニット26は、測定室18に連通した縦溝あるいはV字型溝としての溝28を有している。この溝28は、Y方向に貫通した溝である。その溝28内に右手あるいは左手が差し込まれ、その状態で手についての放射線の測定が行われる。溝28と中間部分18Mとの間には仕切壁30が形成されており、その仕切壁30には溝28に臨んで放射線検出器S10が設けられている。また、溝28における放射線検出器S10に対向する内面には放射線検出器S11が設けられている。これらの放射線検出器S10,S11及び後に説明する各放射線検出器は面状の放射線検出器であり、具体的にはシンチレータ板及び複数の光電子増倍管などによって構成されている。
【0033】
本体10には、測定室18に臨む面として2つの上部内面22及び2つの下部内面24が形成されている。上部内面22は測定室18側へ一定角度で傾斜しており、また下部内面24も上方に開きつつ一定角度で傾斜している。
【0034】
したがって、上述したように測定室18はそれ全体として縦長の菱形形状を有している。なお、測定室18は更に天井面及び床面を有しており、その床面には足の放射性汚染を測定するための放射線検出器S9が設けられている。測定時においては、作業者はこの床面上に直立し、両手をそれぞれの手部検出ユニット26内に差し込んだ状態で放射線の測定が行われる。
【0035】
さらに放射線検出器について説明すると、入口扉12には、本実施形態において、上方から下方にかけて3つの放射線検出器S1〜S3が設けられている。また、2つの上部内面22には上下に並んで2つの放射線検出器S4,S5が設けられている。また、2つの下部内面24にはそれぞれ上下に並んで2つの放射線検出器S6,S7が設けられている。
【0036】
もちろん、各放射線検出器の配置は一例であって、各種の配置手法を用いることができる。ただし、被測定者である作業者の体全体にわたって体表面汚染を測定できるように各放射線検出器を配置するのが望ましい。
【0037】
図2には、図1に示した体表面モニタを上方から見た概略的な断面が示されている。図2に示される構成において、18Aは入口開口を示しており、18Bは出口開口を示している。それぞれの開口には上述した入口扉12及び出口扉14が設けられる。図2においては、入口扉12の回動中心が進入方向からみて左側に設定されているが、もちろんそれは右側であってもよい。これと同様に、出口扉14の回動中心が入口から向かって右側に形成されているが、もちろんそれは左側であってもよい。また、入口扉12及び出口扉14が中央部から左右方向に開く観音開き方式の扉であってもよい。いずれにしても、これらの扉12,14によって測定室18における2つの開口18A,18Bを実質的に隠蔽することにより、バックグランドノイズを低減して、精度の良い体表面汚染検出が行える。なお、図2においては、各扉12,14が手部検出ユニット26の全体をカバーする長さを有していないが、もちろんより大きな扉を設置し、各手部検出ユニット26の全体が扉によって覆われるようにしてもよい。
【0038】
図1に戻って、本実施形態において、仕切壁30の頂点の高さは床面から例えば90〜100cmの範囲内に設定され、望ましくは95cmである。また2つの溝28の中心間距離は例えば60〜120cmであり、望ましくは90cmである。さらに、溝28の深さは例えば30〜45cmであり、望ましくは40cmである。さらに、床面から天井面までの高さは例えば2mであるが、もちろんそれ以外の値を採用してもよい。上部内面22の垂直からの傾斜角度は例えば0〜80°であり、望ましくは35°である。下部内面24の開いた傾斜角度は例えば0〜20°であり、望ましくは10°である。しかしながら、以上あげた各数値はいずれも一例であって、それ以外の値を採用することも可能である。たとえば、下部内面24についてはその全部あるいは一部分を垂直面とするようにしてもよい。また上部内面22についてもその全部あるいは一部分を垂直面とすることもでき、さらに傾斜角度を2段階あるいは複数段階に設定することも可能である。究極的には、縦長の楕円形状として測定室18を構成することも可能である。ただし、本実施形態の形態によれば、比較的シンプルな形態を有し、しかも効率的な測定を行えるため、実用的価値がある。
【0039】
次に動作について説明する。まず、出口扉14が閉じられた状態において、入口開口側から作業者が測定室18の内部へ進入し、床面上に起立する。その状態では作業者は出口扉14の内面に対面することになる。またその状態において、両手が2つの手部検出ユニット26内に差し込まれる。測定開始に先だって、入口扉12が閉じられる。そしてその閉じられた時点から所定時間にわたって放射線の測定が実行される。
【0040】
放射線測定が完了すると、出口扉14のみが開かれ、これによって作業者は前方に退出することが可能となる。その後、出口扉14が閉じられ、そして入口扉12が開かれ、上記同様の工程が繰り替えし実行される。したがって、被測定者としての作業者は、測定室18内部において向きを変える必要はないので、一人当たりの測定時間を短縮することが可能となる。また、特に作業者の上部及び下部においては放射線検出器が体表面に近づけられているため、検出感度を高められる。また、図1に示される測定室18は菱形形状を有しており、しかもその測定室18はある程度の高さをもって構成されているため、およそほとんどの作業者を収容して放射線測定を実施することが可能である。
【0041】
本実施形態の体表面モニタにおいては、測定室18の左右両端に手部検出ユニット26が固定的に設けられている。しかし、手の長さは身長に概ね比例しており、そのような固定配置であっても格別問題は生じない。しかも、一般的に、身長の高い者の場合には、2つの上腕をそれほど開かなくても2つの手を手部検出ユニット26内に差し込むことができ、その一方、身長が低い者の場合には2つの上腕をある程度開いて2つの手を手部検出ユニット26に差し込むことになるので、そのような上腕の開きあるいは関節の屈曲角の違いといったものによって腕の長さの違い及び身長差を吸収あるいは調整できる。このために、手部検出ユニット26が固定配置されていても、各種の身長に応じて両手についての放射線測定を確実に行える。ただし、必要に応じて手部検出ユニット26を上下方向に可動にしてもよい。
【0042】
図3には、体表面モニタの他の実施形態が示されている。図3において、測定室は全体として菱形形状を有する点は図1に示した構成と同様である。この図3に示す実施形態においては、仕切壁30内に両面検出型の放射線検出器S20が設けられている。すなわち、この放射線検出器S20は、一方面及び他方面の両者にシンチレータ板を具備し、そこにより生じた発光を一対あるいはそれ以上の光電子増倍管によって検出するものである。独立した2つの放射線検出器を仕切壁30に設けると、その仕切壁30の厚みが必要以上に厚くなったりあるいはその配置自体が困難になるが、本実施形態によれば、このような両面検出型の放射線検出器を用いることによって上記の各問題点を解消することができる。
【0043】
また、図3に示す実施形態においては、最上部に設けられている2つの放射線検出器S4が傾斜度を変化することが可能に構成されている。そのために姿勢可変機構としての傾斜機構32が設けられている。被測定者としての作業者の身長が低い場合、傾斜機構32が動作され、放射線検出器S4の傾き角度が増大される。これによって、主感度方向をできる限り被測定者の頭部に合わせることができるので、検出感度を高められる。もちろん、そのような傾斜角度は作業者の身長に応じて設定するのが望ましく、あるいは一定値より身長が低い場合には放射線検出器S4を傾けるようにしてもよい。作業者の身長が高い場合には、放射線検出器S4は原角度に戻され、その状態で放射線測定がなされる。
【0044】
図3に示した実施形態においては、最上部の2つの放射線検出器S4のみについてその姿勢調整がなされていたが、もちろん身長あるいは体型に応じて他の放射線検出器の姿勢などを可変するようにしてもよい。いずれにしても放射線検出器をできる限り体表面に近づけることによって検出効率を高めることができる。
【0045】
ちなみに、図3を示す実施形態においては、図1に示した下部内面に相当する面が垂直面と傾斜面とで構成されているが、測定室全体としては菱形形状が維持されている。
【0046】
上記説明においては、2つの放射線検出器S4が均等に傾斜していたが、一方のみを傾斜させるようにしてもよい。例えば、一方の放射線検出器S4が床面に対して平行(水平)になるまで傾斜させれば、より身長の低い者に対して頭部の検出感度を高められる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、検出感度を向上できる。また、本発明によれば、心理的圧迫感を軽減できる。また、本発明によれば様々な身長に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る体表面モニタの好適な実施形態を示す概略的な斜視図である。
【図2】 図1に示す体表面モニタの横断面図である。
【図3】 他の実施形態に係る体表面モニタの構成を示す概略図である。
【符号の説明】
10 本体、12 入口扉、14 出口扉、18 測定室(空洞部)、26 手部検出ユニット、28 溝、S1〜S11,S20 放射線検出器。
Claims (7)
- 入口開口から出口開口まで貫通した空洞を有し、その空洞が被測定者を収容する測定室として機能する本体と、
前記入口開口に設けられ、前記測定室内の前記被測定者の背面側で開閉可能な入口扉と、
前記出口開口に設けられ、前記測定室内の前記被測定者の前面側で開閉可能な出口扉と、
前記本体、前記入口扉及び前記出口扉に設けられ、前記測定室内において前記出口扉に対面する立位の状態におかれた被測定者について、体表面からの放射線を検出する複数の放射線検出器と、
を含み、
前記測定室としての空洞は前記入口開口側及び前記出口開口側から見てそれ全体としてほぼ菱形の形態を有し、
前記本体は、前記測定室に臨む右上面、左上面、右下面及び左下面を含み、
前記測定室の上部部分の左右幅は中間部分から上方にかけて徐々に狭くされ、これにより、前記右上面及び左上面は下方へ傾斜した傾斜面であり、
前記測定室の下部部分の左右幅は前記中間部分から下方にかけて徐々に狭くされ、これにより、前記右下面及び左下面は上方へ傾斜した傾斜面であり、
前記右上面、左上面、右下面及び左下面にはそれぞれ放射線検出器が傾斜状態で設けられた、
ことを特徴とする体表面モニタ。 - 請求項1記載の体表面モニタにおいて、
前記各放射線検出器はシンチレータ板を有する面状放射線検出器であることを特徴とする体表面モニタ。 - 請求項1記載の体表面モニタにおいて、
前記本体は、更に床面を含み、
前記複数の放射線検出器には、
前記右上面に設けられた右上用放射線検出器と、
前記右下面に設けられた右下用放射線検出器と、
前記左上面に設けられた左上用放射線検出器と、
前記左下面に設けられた左下用放射線検出器と、
前記床面に設けられた床面放射線検出器と、
前記入口扉の測定室に臨む内面に設けられた背面用放射線検出器と、
前記出口扉の測定室に臨む内面に設けられた正面用放射線検出器と、
が含まれることを特徴とする体表面モニタ。 - 請求項3記載の体表面モニタにおいて、
前記被測定者の身長に応じて、少なくとも1つの放射線検出器の姿勢を可変する姿勢可変手段が設けられたことを特徴とする体表面モニタ。 - 請求項3記載の体表面モニタにおいて、
前記右上用放射線検出器及び前記左上用放射線検出器の少なくとも一方は前記被測定者の身長に応じて前記傾斜状態から前記測定室内へ傾斜運動することを特徴とする体表面モニタ。 - 請求項5記載の体表面モニタにおいて、
前記右上用放射線検出器及び前記左上用放射線検出器はその下辺側を回転軸として傾斜運動することを特徴とする体表面モニタ。 - 請求項1記載の体表面モニタにおいて、
前記本体には、
前記測定室に連通し、前記測定室に収容された被測定者の右手が上方から差し込まれる右手用溝と、
前記測定室に連通し、前記測定室に収容された被測定者の左手が上方から差し込まれる左手用溝と、
が形成され、
前記複数の放射線検出器には、
前記右手用溝に差し込まれた右手からの放射線を検出する右手用放射線検出器と、
前記左手用溝に差し込まれた左手からの放射線を検出する左手用放射線検出器と、
が含まれることを特徴とする体表面モニタ。
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