JP3823533B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は従来の放電灯点灯装置の一例を示すブロック図である。この従来例は車両の前照灯等に用いるもので、自動車のバッテリなどから成る直流電源Eと、フライバックコンバータ構成のDC/DCコンバータから成る昇圧回路1と、昇圧回路1の直流出力を交流に変換するインバータ回路2と、HIDランプのような高圧放電灯から成る放電灯LPと、放電灯LPに高圧パルス電圧を印加して起動させるイグナイタ部3と、昇圧回路1が具備するスイッチング素子Q0 及びインバータ回路2が具備する1乃至複数のスイッチング素子(図示せず)を駆動制御する制御部4とで構成される。
【0003】
昇圧回路1は、直流電源EにトランスTの1次巻線を介してスイッチング素子Q0 を接続し、トランスTの2次巻線にはダイオードD1 を介して出力用のコンデンサC1 を接続し、このコンデンサC1 と2次巻線との接続点は出力電流検出用の抵抗R2 を介して直流電源Eの負電極に接続してある。なお、スイッチング素子Q0 のドレインと直流電源Eの負電極との間には、スイッチング素子Q0 に流れる電流(以下、「スイッチング電流」と呼ぶ。)Ip を検出するための抵抗R1 が挿入接続してある。また、コンデンサC1 と抵抗R2 との直列回路には昇圧回路1の直流出力電圧を検出するための抵抗R3 ,R4 の分圧回路が並列に接続してある。
【0004】
制御部4は昇圧回路1の出力電力制御とインバータ回路2の極性反転の制御とを行うものであり、このうちの昇圧回路1の出力電力制御に関わる回路構成を図8に示す。同図に示すように、上記分圧回路により分圧された電圧から昇圧回路1の直流出力電圧の検出電圧VLAが得られ、この検出電圧VLAが目標指令部5の目標出力電流演算回路5aに入力されている。この目標出力電流演算回路5aは、目標電力指令部5bにて放電灯LPの状態に応じて決定する目標出力電力の指令値と検出電圧VLAとから上記目標出力電力を得るために必要な目標出力電流を演算してPWM制御部6に出力するものである。
【0005】
また、PWM制御部6は上記検出電圧VLAと、昇圧回路1の出力電流に比例して発生する抵抗R2 の両端電圧から検出された出力電流ILAとに基づいて目標値の出力電力になるようにスイッチング素子Q0 のスイッチングをPWM制御するPWM信号を作成するものであって、目標指令部5から入力された目標出力電流に放電灯LPへの最大印加電流に応じた上限値を加える出力電流リミット回路6aと、抵抗R2 の両端電圧から出力電流ILAを検出するとともに増幅する出力電流検出増幅回路6bと、出力電流リミット回路6aからの出力電流の目標値Vref1と上記出力電流ILAの差分を増幅する誤差増幅器6cと、三角波信号を出力する発振器6dと、この三角波信号と誤差増幅器6cから出力されるしきい値Vth1 を比較して誤差増幅器6cから出力されるしきい値Vth1 に応じてデューティが制御されたPWM信号を出力するコンパレータ6eとを備えている。そして、このPWM制御部6から出力されるPWM信号がピーク値制御部7のラッチ回路7cを介して駆動部9に与えられる。
【0006】
駆動部9ではラッチ回路7cを介して入力されるPWM信号を電流バッファ9a及びドライバ9bを通じてスイッチング素子Q0 のゲートに印加しており、これによって昇圧回路1の出力電力が目標出力電力に一致するようにスイッチング素子Q0 がPWM制御される。
【0007】
さらに、制御部4は放電灯LPの無負荷時に昇圧回路1の直流出力電圧を所定値(例えば、380V)に保つような制御を行う定電圧制御部8と、後述するように昇圧回路1のスイッチング素子Q0 に流れるスイッチング電流Ipのピーク値が所定値を超えないような制御を行うピーク値制御部7とを備えている。
【0008】
定電圧制御部8は、抵抗R5 とコンデンサC2 から成るローパスフィルタを介して入力される検出電圧VLAを、上記所定値に対応して設定されたしきい値Vth2 とコンパレータ8aで比較し、検出電圧VLAがしきい値Vth2 を下回る時にはLレベルの信号を出力するとともに検出電圧VLAがしきい値Vth2 を上回るときにはHレベルの信号を出力するものである。そして、この定電圧制御部8の出力信号はピーク値制御部7のラッチ回路7cの動作を制御しており、上記出力信号がHレベルのときにラッチ回路7cが駆動部9に対して出力するPWM信号をラッチすることで出力電流ILAや放電灯LPの状態に関係なく昇圧回路1の出力電圧が所定の定電圧になるように制御される。
【0009】
一方、ピーク値制御部7は抵抗R1 の両端電圧から昇圧回路1のスイッチング素子Q0 に流れるスイッチング電流Ipを検出し且つ増幅するスイッチング電流検出増幅回路7aと、検出されるスイッチング電流Ipを所定の基準値Vref2と比較するコンパレータ7bと、このコンパレータ7bの出力がHレベルのときに駆動部9に対して出力するPWM信号をラッチするラッチ回路7cとを備えている。
【0010】
次に放電灯LPの状態に応じた本従来例の動作を、制御部4の制御動作を中心に説明する。まず、直流電源Eの投入直後のように放電灯LPが無負荷の時(あるいは微放電前)には、制御部4は定電圧制御部8によって昇圧回路1を定電圧制御し、直流電源Eの直流電圧を約300〜380Vの所定値まで昇圧させ、インバータ回路2及びイグナイタ部3を介して放電灯LPに印加する。この時同時にイグナイタ部3が高圧パルスを印加して放電灯LPの電極間でブレークダウンさせて放電を開始させる。
【0011】
放電灯LPの電極間でブレークダウンした後、グロー放電から安定なアーク放電ヘ移行させる。この時、放電灯LPの電極を予熱するために、制御部4はインバータ回路2のスイッチング素子を制御して数msecから数十msecの間だけ放電灯LPを直流点灯させる。この直流点灯区間(以下、「DCフェーズ」と呼ぶ。)を経て通常時の低周波で交番する矩形波電圧をインバータ回路2から放電灯LPに印加し、放電灯LPを安定(定常)点灯させる。上記DCフェーズの時に制御部4は昇圧回路1のスイッチング素子Q0 をPWM制御して放電灯LPの状態に応じた出力電力及び出力電流を供給する。
【0012】
一方、放電灯LPがDCフェーズを経て電極が充分に予熱されれば、制御部4はインバータ回路2の発振周波数を0(直流)から数百Hzの通常時の点灯周波数へ切り換えるようにインバータ回路2のスイッチング素子をスイッチング制御するとともに、昇圧回路1のスイッチング素子Q0をPWM制御して放電灯LPの状態に応じた目標値の出力電力が得られるようにする。なお、インバータ回路2の構成は従来周知の所謂ハーフブリッジ形やフルブリッジ形のものであってその発振周波数の制御についても従来周知の技術を用いて実現可能であるから詳細な構成並びに動作説明は省略する。
【0013】
ここで、放電灯LPの無負荷時に定電圧制御部8によって定電圧制御を行うとき、PWM制御部6と組み合わせた場合の欠点として以下のようなことがある。すなわち、無負荷であるために放電灯LPに対してインバータ回路2の出力電流がほとんど流れず、その検出値ILAが略ゼロとなって、例えば出力電流の目標値Vref1が2.0A相当のときに昇圧回路1のスイッチング素子Q0 を最大のオンデューティで動作させてしまうため、▲1▼電源電圧Eが通常よりも高く且つスイッチング素子Q0 の最大オンデューティが比較的に大きい場合(例えば95%)に昇圧回路1の直流出力電圧のリップル電圧が大きくなって昇圧回路1のコンデンサC1 等の素子の耐圧を上げなければならず、そのために装置全体が大型化するという問題、▲2▼スイッチング素子Q0 の最大オンデューティを比較的小さくする場合(例えば50%)には、無負荷時の定電圧制御における上記リップル電圧を小さくすることは可能であるが、起動直後の放電灯LPにランプ電流が流れ始めた時に十分な電力を供給することができず、充分な始動性能を確保するためには別に所謂押し込み電流回路が必要になるという問題がある。
【0014】
そのために上記従来例では、放電灯LPの無負荷時から起動直後の制御に、定電圧制御部6による定電圧制御とピーク値制御部7によるピーク値制御とを組み合わせることにより、直流電源Eの電源電圧が高い場合やPWM制御におけるスイッチング素子Q0の最大オンデューティが大きい場合でも、ピーク値制御部7にて定電圧制御部6よりも先にスイッチング素子Q0のオンデューティに制限を加えて放電灯LPの無負荷時におけるリップル電圧を低減できるとともに、電源電圧が低い場合でも放電灯LPの始動直後に充分な押し込み電流を供給できるだけの最大オンデューティを設定できて回路部品の大型化を招くことなく十分な始動性能を確保することができる。具体的には、図9に示すように無負荷時から起動直後にPWM制御部6における出力電流の目標値Vref1を安定点灯時よりも高い値に設定するとともにピーク値制御部7におけるスイッチング電流Ipの基準値Vref2を安定点灯時よりも低い値に設定し、安定点灯に移行する時に出力電流の目標値Vref1を安定点灯時の低い値に切り換えると同時にスイッチング電流Ipの基準値Vref2を安定点灯時の高い値に切り換えるのである。なお、この切換のタイミングは、例えば直流電源Eからの電源供給開始時点からの経過時間を図示しないタイマ回路を使って計時し、放電灯LPの起動から安定点灯に移行するまでの所定時間に予め設定された時間が経過したときにタイマ回路のタイムアップに同期させればよい。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来例では制御部4によって昇圧回路1のPWM制御(電圧モード制御)とピーク値制御(電流モード制御)を組み合わせることにより、直流電源Eの電源電圧変動に対する上記▲1▼及び▲2▼の問題に対処しているが、これら2つの制御モードを切り換える時、その指令値に対する応答性の違いから次のような問題が新たに発生する。
【0016】
つまり、図9に示すように放電灯LPの始動直後の状態から安定点灯に移行する時、PWM制御における出力電流の目標値Vref1、並びにピーク値制御におけるスイッチング電流Ipの基準値Vref2は同時に切り換えられるが、実際にPWM制御の基準値となる、誤差増幅器6cから出力されるしきい値Vth1はフィードバック制御での異常発振を防止するために放電灯LPの特性に応じて比較的大きな時定数(フィードバック抵抗RfとフィードバックコンデンサCfによって決まる時定数)を持たせてあるので、同図(c)の点線で示すように誤差増幅器6cから出力されるしきい値Vth1の切り換えの応答が遅い。それに対して基準値Vref2は同図(d)に示すように応答が速いので、実際の昇圧回路1の出力電流は、制御モードの切換時にスイッチング素子Q0のオンデューティが絞られるのが遅れて同図(b)に示すように過出力になるという問題がある。このように昇圧回路1の出力電流が過出力になると、放電灯LPの光に閃光が発生したり、直流電源Eからの入力電流が急激に増加するため、入力インピーダンスが大きい場合には直流電源Eの電源電圧が低下してロスが増えてしまう。
【0017】
本発明は上記問題点の解決を目的とするものであり、制御モード切換時の昇圧回路の過出力を防止した放電灯点灯装置を提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、1乃至複数のスイッチング素子を具備し該スイッチング素子のスイッチング動作により直流電源からの直流入力電圧を昇圧する昇圧回路と、該昇圧回路の出力直流電圧を交流電圧に変換して放電灯に供給するインバータ回路と、少なくとも前記昇圧回路の出力から検出される放電灯の状態に応じて該昇圧回路の出力電力を可変制御して放電灯を安定点灯させる制御部とを備え、該制御部は、前記昇圧回路の出力電圧及び出力電流の検出値と放電灯を安定点灯させるための出力電力の目標値あるいは出力電流の目標値との差分を出力するとともに、該出力に放電灯の特性に応じた時定数を持たせる誤差増幅器を有し、該誤差増幅器の出力に基づいて前記スイッチング素子のデューティ制御を行うPWM制御部と、前記スイッチング素子に流れるスイッチング電流のピーク値が所定の閾値を超えないように該スイッチング素子をオン・オフ制御するピーク値制御部とを具備し、放電灯の通常点灯時には前記PWM制御部により前記スイッチング素子のデューティ制御を行うとともに無負荷の状態から放電灯の起動直後までの間では前記ピーク値制御部により前記スイッチング素子のオン・オフ制御を行い、該PWM制御部とピーク値制御部との動作の切り換えを前記出力電力あるいは出力電流の目標値と前記閾値の切り換えによって行うようにした放電灯点灯装置において、前記閾値の切り換えよりも前記出力電力あるいは出力電流の目標値の切り換えを相対的に先に行わせる手段を備えたことを特徴とし、比較的切り換えの応答が遅い方の出力電力あるいは出力電流の目標値の切り換えを相対的に先に行わせることにより、PWM制御を放電灯の状態に十分に追従させて制御系の実質的な目標値の急変化を抑えて制御モード切換時の昇圧回路の過出力を防止することができ、その結果、放電灯の閃光の発生を最小限に抑えることが可能となる。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記手段が前記ピーク値制御部に設けられる遅延回路から成ることを特徴とし、請求項1の発明の作用に加えて、構成の簡素化が図れる。
【0020】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記インバータ回路が前記昇圧回路の直流出力電圧を矩形波電圧に変換することを特徴とし、請求項1又は2の発明の作用に加えて、HIDランプのような高輝度放電灯を矩形波点灯させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1〜図3を参照して本発明の実施形態1を説明する。但し、本実施形態の全体構成並びに制御部4の基本構成は従来例と共通であるので、共通する部分には同一の符号を付して説明を省略し、本実施形態の特徴となる制御部4の構成並びに動作についてのみ説明する。
【0022】
図1は制御部4における昇圧回路1の出力電力制御に関わる回路構成を示したブロック図である(但し、定電圧制御部8については図示を省略している。)。本実施形態の制御部4が従来例と異なる点は、放電灯LPの始動直後の状態から安定点灯に移行する時、ピーク値制御部7におけるスイッチング電流Ipの基準値Vref2の切り換えよりもPWM制御部6における出力電流の目標値Vref1の切り換えを相対的に先に行うようにしたことにある。具体的には、ピーク値制御部7のコンパレータ7bの反転入力端にRCの積分回路などで構成される遅延回路7dを設け、切り換えられた基準値Vref2が実際にコンパレータ7bに入力されるタイミングを遅らせている。なお、タイマ回路10は安定点灯に移行する時に出力電流の目標値Vref1を安定点灯時の低い値に切り換えると同時にスイッチング電流Ipの基準値Vref2を安定点灯時の高い値に切り換えるタイミングを決定するものであり、例えば直流電源Eからの電源供給開始時点から、予め放電灯LPの起動から安定点灯に移行するまでの所定時間に設定された限時時間がタイムアップしたときに上記目標値Vref1及び基準値Vref2の値を切り換える。
【0023】
ここで、基準値Vref2は従来例でも説明したように図2に示すような三角波状のスイッチング電流Ipのピーク値の上限を規定するものであり、放電灯LPの無負荷状態から起動直後におけるスイッチング電流Ipのピーク値が上記基準値Vref2を超えないようにピーク値制御を行うことで、放電灯LPの無負荷時におけるリップル電圧を低減するとともに、電源電圧が低い場合でも放電灯LPの始動直後に充分な押し込み電流を供給できるだけの最大オンデューティを設定して回路部品の大型化を招くことなく十分な始動性能を確保するようにしている。
【0024】
図3は本実施形態における昇圧回路1の出力電流ILA、上記目標値Vref1及び基準値Vref2の信号波形を示している。而して、タイマ回路10のタイムアップ信号により上記目標値Vref1及び基準値Vref2の値が切り換えられるのであるが、実際には相対的に応答の速い方のピーク値制御部7における基準値Vref2は、図3に示すように遅延回路7dによって徐々に上昇し、所定の移行期間(遅延回路7dの時定数)を経て値が切り換わるのである。
【0025】
一方、相対的に応答の遅い方の目標値Vref1(閾値Vth1 )は、図3に示すように上記移行期間よりも短い時間で値が切り換えられるため、PWM制御部6が放電灯PLの状態に十分対応した後にピーク値制御部7によるピーク値制御が絞られ、昇圧回路1の出力が過出力状態になるのを防ぐことができる。つまり、ピーク値制御部7の基準値Vref2の値が切り換えられる前にPWM制御部6によってスイッチング素子Q0 のオンデューティが絞られるので、昇圧回路1の出力がピーク値制御部7によって過出力の状態になることが防げるものである。
【0026】
なお、本実施形態では遅延回路7dによって基準値Vref2をアナログ的に滑らかに変化させているが、例えば、図4に示すようにディジタル的に段階的に変化させるようにしてもよい。このような段階的な変化は、例えばマイクロコンピュータのラダー回路出力を用いれば実現可能である。
【0027】
(実施形態2)
本実施形態は、実施形態1と略同一の回路構成において、相対的に応答の遅い方の目標値Vref1の切り換えを、相対的に応答の速い方の基準値Vref2の切り換えよりも先に実行するようにした点に特徴がある。なお、回路構成や基本動作については従来例及び実施形態1と共通であるから図示並びに説明は省略する。
【0028】
図5に示すようにタイマ回路10のタイムアップに同期して目標値Vref1の切り換えが行われ、PWM制御部6が放電灯PLの状態に十分追従可能な時間が経過した後、基準値Vref2の切り換えが行われる。よって、実施形態1と同様にピーク値制御部7の基準値Vref2の値が切り換えられる前にPWM制御部6によってスイッチング素子Q0 のオンデューティが絞られるので、昇圧回路1の出力がピーク値制御部7によって過出力の状態になることが防げるものである。
【0029】
なお、切り換え前の基準値Vref2の値が比較的高い設定値の場合には、基準値Vref2の値が急激に変化したとしても特に問題が生じることがないことから、遅延回路7dは特に必要ではない。
【0030】
(実施形態3)
本実施形態は、実施形態2に対して目標値Vref1の切り換えを放電灯LPの状態(無負荷並びに始動直後のDCフェーズ)に応じて段階的に行うようにした点に特徴がある。なお、回路構成や基本動作については従来例及び実施形態1と共通であるから図示並びに説明は省略する。
【0031】
而して、放電灯LPが無負荷状態から電極間でブレークダウンした後のDCフェーズに、目標値Vref1を中間段階の値に切り換え、DCフェーズの終了後に通常点灯時における値に切り換えるのである。なお、切り換え前の基準値Vref2の値が比較的高い設定値の場合には、基準値Vref2の値が急激に変化したとしても特に問題が生じることがないことから、本実施形態においては遅延回路7dを設けていない。
【0032】
本実施形態によれば、目標値Vref1の切り換えを放電灯LPの状態に応じて段階的に行うようにしているので、放電灯LPの状態に応じた適切で細かな制御が可能となる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1の発明は、1乃至複数のスイッチング素子を具備し該スイッチング素子のスイッチング動作により直流電源からの直流入力電圧を昇圧する昇圧回路と、該昇圧回路の出力直流電圧を交流電圧に変換して放電灯に供給するインバータ回路と、少なくとも前記昇圧回路の出力から検出される放電灯の状態に応じて該昇圧回路の出力電力を可変制御して放電灯を安定点灯させる制御部とを備え、該制御部は、前記昇圧回路の出力電圧及び出力電流の検出値と放電灯を安定点灯させるための出力電力の目標値あるいは出力電流の目標値との差分を出力するとともに、該出力に放電灯の特性に応じた時定数を持たせる誤差増幅器を有し、該誤差増幅器の出力に基づいて前記スイッチング素子のデューティ制御を行うPWM制御部と、前記スイッチング素子に流れるスイッチング電流のピーク値が所定の閾値を超えないように該スイッチング素子をオン・オフ制御するピーク値制御部とを具備し、放電灯の通常点灯時には前記PWM制御部により前記スイッチング素子のデューティ制御を行うとともに無負荷の状態から放電灯の起動直後までの間では前記ピーク値制御部により前記スイッチング素子のオン・オフ制御を行い、該PWM制御部とピーク値制御部との動作の切り換えを前記出力電力あるいは出力電流の目標値と前記閾値の切り換えによって行うようにした放電灯点灯装置において、前記閾値の切り換えよりも前記出力電力あるいは出力電流の目標値の切り換えを相対的に先に行わせる手段を備えたので、比較的切り換えの応答が遅い方の出力電力あるいは出力電流の目標値の切り換えを相対的に先に行わせることにより、PWM制御を放電灯の状態に十分に追従させて制御系の実質的な目標値の急変化を抑えて制御モード切換時の昇圧回路の過出力を防止することができ、その結果、放電灯の閃光の発生を最小限に抑えることが可能となるという効果がある。
【0034】
請求項2の発明は、前記手段が前記ピーク値制御部に設けられる遅延回路から成るので、請求項1の発明の効果に加えて、構成の簡素化が図れるという効果がある。
【0035】
請求項3の発明は、前記インバータ回路が前記昇圧回路の直流出力電圧を矩形波電圧に変換するので、請求項1又は2の発明の効果に加えて、HIDランプのような高輝度放電灯を矩形波点灯させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の制御部の要部回路図である。
【図2】同上の動作を説明するための波形図である。
【図3】同上における各部の波形図である。
【図4】同上における各部の波形図である。
【図5】実施形態2における各部の波形図である。
【図6】実施形態3における各部の波形図である。
【図7】従来例のブロック図である。
【図8】同上の制御部の要部回路図である。
【図9】同上における各部の波形図である。
【符号の説明】
1 昇圧回路
2 インバータ回路
3 イグナイタ部
4 制御部
5 目標指令部
6 PWM制御部
7 ピーク値制御部
7d 遅延回路
Claims (3)
- 1乃至複数のスイッチング素子を具備し該スイッチング素子のスイッチング動作により直流電源からの直流入力電圧を昇圧する昇圧回路と、該昇圧回路の出力直流電圧を交流電圧に変換して放電灯に供給するインバータ回路と、少なくとも前記昇圧回路の出力から検出される放電灯の状態に応じて該昇圧回路の出力電力を可変制御して放電灯を安定点灯させる制御部とを備え、該制御部は、前記昇圧回路の出力電圧及び出力電流の検出値と放電灯を安定点灯させるための出力電力の目標値あるいは出力電流の目標値との差分を出力するとともに、該出力に放電灯の特性に応じた時定数を持たせる誤差増幅器を有し、該誤差増幅器の出力に基づいて前記スイッチング素子のデューティ制御を行うPWM制御部と、前記スイッチング素子に流れるスイッチング電流のピーク値が所定の閾値を超えないように該スイッチング素子をオン・オフ制御するピーク値制御部とを具備し、放電灯の通常点灯時には前記PWM制御部により前記スイッチング素子のデューティ制御を行うとともに無負荷の状態から放電灯の起動直後までの間では前記ピーク値制御部により前記スイッチング素子のオン・オフ制御を行い、該PWM制御部とピーク値制御部との動作の切り換えを前記出力電力あるいは出力電流の目標値と前記閾値の切り換えによって行うようにした放電灯点灯装置において、前記閾値の切り換えよりも前記出力電力あるいは出力電流の目標値の切り換えを相対的に先に行わせる手段を備えたことを特徴とする放電灯点灯装置。
- 前記手段が前記ピーク値制御部に設けられる遅延回路から成ることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 前記インバータ回路が前記昇圧回路の直流出力電圧を矩形波電圧に変換することを特徴とする請求項1又は2記載の放電灯点灯装置。
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