JP3821506B2 - 液化天然ガス貯槽の蒸発ガス再液化装置 - Google Patents

液化天然ガス貯槽の蒸発ガス再液化装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液化天然ガス貯槽の蒸発ガス再液化装置に関し、詳しくは、液化天然ガスの貯蔵・圧送設備における液化天然ガス貯槽の蒸発ガスを再液化するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来の液化天然ガス貯蔵・圧送設備の一例を示す系統図であって、液化天然ガス(LNG)を貯蔵するLNG貯槽1には、LNG圧送ポンプ2及びLNG気化器3を有するLNG送出系統4と、蒸発ガス(BOG;BoilingOff Gas)圧縮機5を有するBOG圧送系統6と、フレアスタック7を有するBOG放出系統8とが設けられており、LNG送出系統4とBOG圧送系統6とは、カロリー調整装置9を有する天然ガス(NG)圧送系統10に合流し、所定圧力,所定流量,所定カロリーの天然ガスを需要先に送出する。
【0003】
LNG貯槽1内のLNGは、LNG送出系統4に導出され、LNG圧送ポンプ2で必要な圧力まで昇圧された後、海水や蒸気等を熱源としたLNG気化器3で気化して天然ガスとなり、需要先の都市ガス用や発電用燃料としてNG圧送系統10から送出される。需要先の圧力が低い場合や、比較的に圧送量の少ないLNGの地方用サテライト基地の場合等では、LNG圧送ポンプ2に代わり、LNG貯槽1に設けられた加圧装置(図示せず)により加圧され、自圧で圧送導出されることもある。
【0004】
LNG貯槽1においては、LNG輸送船からLNGを導入する時の導入設備(図示せず)での熱侵入や減圧による気化及びLNG貯槽1自体の断熱層からの熱侵入により、LNGの一部が気化してLNG貯槽1の頂部にBOGとして滞留する。
【0005】
このBOGは、有効利用のためにBOG圧縮機5でNG圧送系統10に相当する圧力まで圧縮され、BOG圧送系統6を経てNG圧送系統10の天然ガスに混合して送出されるようになっている。しかし、LNG輸送船からLNGを導入するときなど、BOGが大量に、かつ、流量が大きく変動しながら発生する場合には、BOG圧縮機5で吸収処理することが困難である。このような場合、BOGは、BOG放出系統8に設けたフレアスタック7から系外に放出される。また、NG圧送系統10の送出ガスの需要量がBOGの発生量より少ない場合にも、同様にフレアスタック7から系外に放出される。
【0006】
このようなLNGの貯蔵・圧送設備においては、設備完成後に需要量が計画量より大幅に増減する場合がある。需要量が増大した場合には、NG圧送系統10の配管設備が地下埋設等により敷設されていることから、配管設備の交換が実質上不可能なため、既設配管で増量対応ができるように、圧送設備、すなわち、LNG圧送ポンプ2の吐出圧力を高めるとともに、これに応じてBOG圧縮機5の吐出圧力も高め、NG圧送系統10全体の送ガス圧力を高めて送出ガス量を増大させる必要がある。そして、LNGをガスタービン発電用の燃料として使用する場合の送出ガス圧力は、都市ガス用として使用する場合に比べて一般的に高圧が要求されるため、BOGの圧縮動力費が大きくなる。
【0007】
また、BOGは、メタン,エタン,プロパン,ブタン,エチレン,プロピレン等からなるLNG成分の内、沸点が低くカロリーの低いメタン分を主成分とするため、BOGを系外に放出し続けると、LNG貯槽1内のLNGのカロリーが高くなりすぎるので、ガスを送出する際には、NG圧送系統10に窒素ガス等を用いたカロリー調整装置9を設けて送出ガスのカロリーを調整する必要がある。
【0008】
さらに、BOGを再液化する再液化器を設けてBOGの再液化を行う場合は、寒冷源として一般的にLNG送出系統4のLNGが使用されるが、BOGと寒冷源のLNGとの温度差が一般的に100℃以上と大きいこと、及び、BOG,送出LNG双方の流量が変動し、特に需要先のNG需要量は、季節や昼夜のみならず、時間単位でも変動することにより、再液化器の熱交伝熱表面温度が変動し、これにより再液化器に繰返し熱応力が生じる。そして、この繰返し熱応力は、温度差が大きいほど、流量の変動周期が短いほど、また、流量変動量が多いほど大きくなる。
【0009】
この解決策としては、伝熱管外表面温度を、可能な限り寒冷源のLNG温度に近接させる必要がある。このためには、伝熱管内に流すLNGの流速を毎秒5m程度に高めて、伝熱管内境膜伝熱係数を高める必要がある。すなわち、伝熱管本数を管内許容圧力損失範囲以内で可能な限り減らすか、あるいは、伝熱管直径を小さなものとし、伝熱面積確保のために伝熱管長を長くした構造としなければならない。
【0010】
上記した過酷な状態で使用されるBOGの再液化器として、従来から一般的な熱交換器として使用されていたシェルアンドチューブ式やプレートフィン式構造の熱交換器を採用すると、上記した解決策が十分とは言えず、熱応力で再液化器が破損する危険性があった。
【0011】
まず、シェルアンドチューブ式熱交換器は、基本的な伝熱管形状として、直管形状とU字管形状とがあり、一般的に、伝熱管の最大長さは、約6m程度である。また、熱交換器として要求される回収熱交換率を高くするためには交流型が望ましく、BOGの再液化にあっては、入口が常温のガスであるのに対し、出口ではBOGが液化するから、液化ガスを保有できる温度及び形状にする必要があるため、直管形状に比べて熱応力の吸収は容易ではあるが、U字管形状のものを用いることは困難であった。したがって、縦型で、かつ、直管式の固定管板型又は遊動頭型の熱交換器を用いなければならないが、この形式では、伝熱管の熱伸縮により発生する熱応力を回避し難く、信頼性に欠ける。また、シェル側流体となるBOGは、入口温度が高いために圧力損失が大きくなり易い。圧縮動力を低く抑えるためには、圧力損失を小さくしなければならないので、邪魔板間隔を広くすることになり、管束の支持スパンが長くなって流体の流動による振動が発生し、破損に至るまでの寿命が短くなる。
【0012】
次に、プレートフィン式熱交換器は、基本的な構造がサイドバーという剛性を持つ額縁の中に薄型の仕切り板を設け、この仕切り板を境にしてLNGとBOGとが熱交換する形式であるから、温端部,冷端部あるいは熱交換器内の流体間の最大温度差が100℃以上になると,寒冷側流体のLNGの流速を高くして仕切り板温度をLNG温度に近似させたとしても、流体流路が緻密なフィン流路であるため、温度差の大きなBOGが局部的に異なる温度の仕切り板を加熱する可能性があり、熱疲労破損を招く危険性が高い。さらに、プレートフィン式熱交換器は、流体間温度差が100℃以上となるような熱交換器として使用された実績はなく、したがって、信頼性に乏しく、かつ、上記したような流量変動が大きく変動周期の短い使用条件になるBOGの再液化器に採用すると、熱疲労破損の危険は更に高くなる。
【0013】
また、従来のBOGの液化方法では、寒冷源であるLNGの液顕熱のみならず、蒸発潜熱まで使用する方法が一般的であった。しかし、蒸発潜熱利用域では、寒冷源の沸騰を伴うので安定的な液化が行えず、NG圧送系統10、BOG圧縮系統6の双方ともに圧力変動が発生するという問題とともに、これに伴う配管系の振動発生や熱応力発生について、これらを最少に抑えるという考慮がなされていなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来は、不定期に不定流量で発生するBOGを有効に回収するためには、BOG圧縮機5の吐出圧力をNG圧送系統10の圧力まで高める必要があり、BOGのガス圧縮動力が嵩むばかりでなく、BOGを系外に放出した場合は、カロリー調整装置9を別途に設ける必要となる。また、熱応力排除や安定運転等に関しても問題があった。
【0015】
そこで本発明は、BOG圧送動力費を低減するとともに、BOGを安全かつ安定的に再液化できるLNG貯槽のBOG再液化装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の液化天然ガス貯槽の蒸発ガス再液化装置は、液化天然ガス(LNG)の貯蔵・圧送設備におけるLNG貯槽の蒸発ガス(BOG)を再液化する装置であって、LNGを貯蔵するLNG貯槽と、該LNG貯槽に貯蔵したLNGを所定圧力まで昇圧した後にLNG気化器にて気化して送出するLNG圧送系統と、前記LNG貯槽で発生したBOGを液化可能な圧力まで圧縮するBOG圧縮系統と、前記LNG圧送系統からコイル側に導入されたLNGと前記BOG圧縮系統からシェル側に導入されたBOGとを熱交換させて該BOGを液化してシェル内にLNGを生成して滞留させるシェルアンドコイル式の熱交換器からなるBOG再液化器と、該BOG再液化器のシェル内に滞留する生成LNGを前記LNG貯槽に戻す生成液化LNG返送系統とを備えたことを特徴としている。
【0017】
さらに、前記蒸発ガス再液化器で液化した生成液化液化天然ガスを、前記液化天然ガス圧送系統の前記蒸発ガス再液化器の出口側に送出して合流させる生成液化天然ガス圧送系統を設けたこと、前記BOG再液化器のコイル側を複数の系統で構成するとともに、該複数のコイル側に、同一又は異なるLNG圧送系統のLNG流体を通すことを特徴としている。
【0018】
また、前記液化天然ガス圧送系統の蒸発ガス再液化器入口側に、昇圧用の液化天然ガス圧送ポンプを設けたこと、前記LNG圧送系統のBOG再液化器出口側に、二次昇圧用のLNG圧送ポンプを設けたことを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面を参照してさらに詳細に説明する。図1及び図2は本発明のLNG貯槽のBOG再液化装置を適用したLNG貯蔵・圧送設備の系統例を示すもので、図1はLNG圧送系統が1系統の場合の系統図、図2はLNG圧送系統が2系統の場合の系統図である。
【0020】
まず、図1に示すLNG貯蔵・圧送設備は、LNGを貯蔵するLNG貯槽11と、該LNG貯槽11内からLNG送出系統12に導出されたLNGをLNG圧送ポンプ13で需要先の必要圧力まで昇圧した後に、海水や蒸気等を熱源とするLNG気化器14で気化し、NGとしてNG圧送系統15から需要先に送出するLNG圧送系統16と、前記LNG貯槽で発生したBOGを液化可能な圧力まで圧縮するBOG圧縮機17を備えたBOG圧縮系統18と、前記LNG圧送系統16を流れるLNGと前記BOG圧縮系統18で圧縮したBOGとを熱交換させ、BOGを液化してLNGを生成するシェルアンドコイル式のBOG再液化器19と、該BOG再液化器19で液化生成したLNG(生成LNG)の一部又は全部を前記LNG貯槽11に戻す生成LNG返送系統20と、前記BOG再液化器19で液化した生成LNGの一部又は全部を生成LNGポンプ21で昇圧し、前記LNG圧送系統16のBOG再液化器19の出口側に送出して合流させる生成LNG圧送系統22と、フレアスタック23を有するBOG放出系統24とにより形成されている。なお、LNG導入設備等は、図示及び説明を省略する。
【0021】
前記BOG再液化器19は、シェルアンドコイル式熱交換器であり、その構造は周知のように、直径の小さな、例えば直径10mm程度の伝熱管からなるコイル19aをシェル(外筒)19bの軸方向中心上に設けられた芯金(又は芯筒)の周りに螺旋状に多段に巻き付け、各コイル段間にシェル側流体の通路を形成するため、円周方向に放射状にかつ伝熱管巻き付け高さ範囲に、薄板帯状又は針金状のスペーサーを配設したものである。
【0022】
このシェルアンドコイル式熱交換器は、コイル内流体とシェル側流体との温度差により発生する熱歪を、螺旋状に巻き付けられた伸縮自在のコイル19aの伸縮で吸収できること、コイル19aの長さは100m以上でも可能であり、長さ方向の構造的制約がないこと、管内流速を高くできるので管内側境膜伝熱も高くなること、スペーサーの寸法及び個数を最適に選定することによりシェル側流体の圧力損失を抑えながら流速も高く設定できるからシェル側の境膜伝熱も高くできること、コイル19aがシェル19bを貫通する管板をシェル側の鏡板や胴体に複数個配設することにより、複数のコイル内流体を流すようにすることが容易であること、コイル内に高圧流体, シェル側に低圧流体を流すことにより、安価でかつ構造強度に優れたものであること等の長所を有するものであり、この結果、伝熱面積を小型化するとともに、シェル側形状を細長くできるから、据え付け面積も小さくできる。
【0023】
すなわち、シェルアンドコイル式の熱交換器は、他の形式の熱交換器に比較して熱応力吸収性,熱回収性,信頼性,小型化に優れ、いずれも不定期に不定量変動するBOGを圧送系統のLNGで液化するBOG再液化器19として、最適な構造,機能を有している。
【0024】
LNG貯槽11内のLNGは、LNG送出系統12に導出されてLNG圧送ポンプ13により需要先の必要圧力まで昇圧された後、LNG圧送系統16を通り、BOG再液化器19のコイル19a側に液化寒冷源として導入される。
【0025】
一方,LNG貯槽11の上部に滞留したBOGは、BOG圧縮系統18に設けられたBOG圧縮機17により、前記BOG再液化器19に液化寒冷源として導入されるLNG圧送系統16のLNGの温度で液化可能な圧力まで圧縮された後、BOG再液化器19のシェル19b側に導入される。
【0026】
BOG再液化器19のコイル19a側に導入されたLNGは、BOGに液顕熱の範囲で寒冷を与えて昇温し、ガス化せず液状のままBOG再液化器19を導出し、LNG圧送系統16のLNG気化器14で海水や蒸気等を熱源として気化し、NG圧送系統15から需要先に送出される。
【0027】
また、液化可能な圧力まで圧縮されてBOG再液化器19のシェル19b側に導入されたBOGは、上記コイル19a内を流れるLNG圧送系統16のLNGの液顕熱で冷却されて液化し、生成LNGとなってBOG再液化器19のシェル19b内に滞留する。
【0028】
そして、上記BOG再液化器19内の生成LNGは、その一部あるいは全部が、生成LNG圧送系統22に設けられた生成LNGポンプ21で、LNG圧送系統16と同じ圧力に昇圧された後、LNG圧送系統16のLNG気化器14の上流側に導入され、LNG圧送系統16のLNGと合流してLNG気化器14で気化し、NG圧送系統15から需要先に送出される。
【0029】
このように、BOGを、BOG再液化器19でLNGにより再液化させるために必要な圧力までBOG圧縮機17でガス圧縮し、BOG再液化器19で液化生成した後に需要先の必要圧力まで生成LNGポンプ21で液状で昇圧することにより、従来、需要先の必要圧力までガス圧縮していた場合に比べ、BOGの圧縮動力費を低減できる。例えば、圧力7Kg/cm2 Gで流量が毎時20トンのBOGを、ガス状で80Kg/cm2 Gまで圧縮する場合の圧縮動力は、約5000KWHであるが、圧力7Kg/cm2 GでBOGを液化した後、液状で80Kg/cm2 Gまで昇圧した場合の昇圧動力は、約350KWHとなる。
【0030】
また、BOGの発生量が多く、LNG圧送系統16のLNGの成分が変化し、NG圧送系統15で需要先へ送出するNGのカロリーが高くなり過ぎるような場合には、上述のようにして、BOG再液化器19で液化した生成LNGをLNG圧送系統16のLNGに混合したり、生成LNG返送系統20からカロリー調整に見合う量をLNG貯槽11に返送したりすることにより、BOG発生量が多い場合でも、従来のようにカロリー調整装置を設ける必要がなくなる。この生成LNGのLNG圧送系統16への導入とLNG貯槽11への返送は、両者を同時に行ってもよく、いずれか一方のみを行うようにしてもよい。
【0031】
さらに、BOG再液化器19におけるBOGの液化に際して寒冷源となるLNG圧送系統16のLNGが沸騰しないようにLNGの液顕熱のみを使用することにより、安定した寒冷供給を行うことができるとともに、沸騰による振動の発生も防止できる。また、LNG圧送系統16のLNGの圧力を臨界圧力以上に高めることにより、送出LNG及びBOGの流量変動による伝熱表面温度変化時でもLNG側の沸騰ガス化を確実に防止できるので、より安定した状態でBOGの液化運転を行うことができる。
【0032】
なお、送出NGの圧力や流量によっては、LNG圧送ポンプ13を設けることなくLNG貯槽11に需要先の必要圧力まで昇圧可能な加圧装置を設け、自圧でLNGを送出することも可能である。また、LNG貯槽11のLNGが、LNG送出系統12の自圧でBOG再液化器19に導入することが可能な場合は、LNG圧送ポンプ13をBOG再液化器19の出口側に設置し、LNG送出系統12のLNGをポンプで昇圧することなくBOG再液化器19でBOGの液化寒冷源として使用した後、需要先圧力まで昇圧するように形成することが望ましい。これにより、寒冷源としての送出LNGの昇圧による温度上昇がなくなり、LNGの寒冷を有効に利用できるので、BOGの液化可能な圧力を低くすることができ、BOG圧縮機17の動力費をさらに低減したり、BOG再液化器19を小型化したりすることができる。
【0033】
さらに、NG圧送系統15から需要先へ送出するNGの送出圧力が高い場合は、BOG再液化器19の出口側のLNG圧送系統16と生成LNG圧送系統22との合流後、あるいは合流前に、二次昇圧用のLNGポンプ(図示せず)を設けることで容易に対処できる。
【0034】
さらにまた、BOG再液化器19内の生成LNGの圧力が需要先の必要圧力以上の場合は、生成LNG圧送系統22の生成LNGポンプ21を省略できる。
【0035】
次に、図2に示すLNG貯蔵・圧送設備は、2基のLNG貯槽11a,11bを設け、一方のLNG貯槽11aのLNGを比較的低圧の需要先、例えば都市ガス用として、他方のLNG貯槽11bのLNGを比較的高圧の需要先、例えば発電用燃料ガスとして、それぞれ供給するように形成した例を示している。
【0036】
一方のLNG貯槽11aに貯蔵されているLNGは、該LNG貯槽11aに設けられたLNG送出系統12aに導出され、LNG圧送ポンプ13aで需要先の必要圧力まで昇圧された後、LNG圧送系統16aに設けられたBOG再液化器31の一方のコイル31aに導入される。
【0037】
また、他方のLNG貯槽11bに貯蔵されているLNGは、該LNG貯槽11bに設けられたLNG送出系統12bに導出され、LNG圧送ポンプ13bで臨界圧力以上(例えば50kg/cm2 G)に昇圧された後、LNG圧送系統16bを流れて前記BOG再液化器31の他方のコイル31bに導入される。
【0038】
各LNG貯槽11a,11bの上部に滞留したBOGは、それぞれのBOG圧縮系統18a,18bに導出されてBOG圧縮機17の手前で合流し、該BOG圧縮機17で前記BOG再液化器31の両コイル31a,31bを流れる液化寒冷源であるLNGの温度で液化可能な圧力まで昇圧された後、BOG再液化器31のシェル31c側に導入される。
【0039】
BOG再液化器31のコイル31a,31b側に導入された両LNGは、双方ともBOGに液顕熱の範囲(例えば、約−120〜約−155℃)で寒冷を与え、ガス化せずに液状のまま昇温して導出され、コイル31aを導出した低圧側のLNGは、LNG気化器14aで気化してNGとなり、NG圧送系統15aから需要先に送出される。また、コイル31bを導出した高圧側のLNGは、二次昇圧用のLNG圧送ポンプ32で需要先の必要な圧力(例えば80kg/cm2 G)まで更に昇圧された後、LNG気化器14bで気化してNGとなり、NG圧送系統15bから需要先に送出される。一方、液化可能な圧力まで圧縮されてBOG再液化器31に導入されたBOGは、両LNGの液顕熱で冷却され液化し、生成LNGとなってBOG再液化器31のシェル31cの底部に滞留する。
【0040】
そして、上記生成LNGは、その一部又は全部が生成LNG圧送系統22に導出され、生成LNGポンプ21で、前記高圧側のLNG圧送系統16bを流れるLNGの圧力に応じた圧力まで昇圧された後、第2LNG圧送ポンプ32の上流でLNG圧送系統16bを流れるLNGと合流し、LNG気化器14bで気化してNG圧送系統15bから送出される。
【0041】
また、BOGの発生量が多く、その結果、両LNG圧送系統16a,16bのLNGの成分が変化し、需要先へ送るNGのカロリーが高くなり過ぎるような場合には、BOG再液化器31で液化した生成LNGの適当量を生成LNG返送系統20に導出し、LNG貯槽11a,11bに、それぞれのカロリー調整に見合う量が分岐経路20a,20bを介して分配返送すればよい。なお、LNG圧送系統16a,16bへの導入混合でカロリー調整可能な場合は、前記生成LNG圧送系統22からLNG圧送系統16a,16bに生成LNGを導入混合させるようにしてもよい。このとき、高圧側の生成LNG圧送系統22から減圧弁を介して低圧側のLNG圧送系統16aに生成LNGを導入するようにしてもよく、これとは別に、低圧側用の生成LNG圧送系統を設けるようにしてもよい。
【0042】
なお、本形態例においても、前記図1の説明で記載したように、例えば、LNG貯槽から自圧でLNGを送出できる場合は、LNG圧送ポンプを設ける必要がないこと、生成LNG圧送系統のLNG圧送系統への接続位置を選択できることなど、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることが可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液化天然ガス貯槽の蒸発ガス再液化装置によれば、再液化させるBOGは、該BOGを液化するための寒冷源であるLNG圧送系統のLNGの温度で液化できる程度に圧縮すればよく、BOGを液化して生成した生成LNGを液化ポンプで圧送系統の必要圧力まで昇圧するから、従来のBOGを圧送系統の圧力までガス圧縮するよりも圧送動力費が低減できる。また、BOGを液化した生成LNGをLNG圧送系統のLNGに混合して送出したり、LNG貯槽に戻したりすることにより、圧送LNGの成分が高カロリー成分に偏ることが防止できるので、カロリー調整装置を不要とすることができる。
【0044】
特に、BOG再液化器としてシェルアンドコイル式の熱交換器を採用することにより、温度差が大きく、かつ、流量変動の大きいBOGを再液化する際に発生する熱応力を回避することが容易であり、安全性が高まるとともに、コイル側を複数の系統で構成すれば、同一又は異なる複数のLNGを、その寒冷を有効かつ容易に利用しながら圧送することができる。
【0045】
さらに、BOG再液化器を出た後のLNGを昇圧する二次昇圧用のLNG圧送ポンプを設置することにより、BOG再液化器における寒冷源としてのLNG圧送系統のLNG導入圧力を低くすることができるので、それに伴ってLNGの導入温度も低く設定でき、BOG再液化器の小型化が可能となる。
【0046】
また、本発明によれば、BOGの液化に際して寒冷源となるLNGの液顕熱のみを使用するようにしたり、LNGを臨界圧力以上に高めたりすることにより、寒冷側のLNGに沸騰が発生しないのでBOGを安定した状態で液化させることができ、温度変動及び熱応力発生を最少に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のLNG貯槽のBOG再液化装置を適用したLNG貯蔵・圧送設備の一例を示す系統図である。
【図2】 同じく他の形態例を示す系統図である。
【図3】 従来の液化天然ガス貯蔵・圧送設備の一例を示す系統図である。
【符号の説明】
11,11a,11b…LNG貯槽、12,12a,12b…LNG送出系統、13,13a,13b…LNG圧送ポンプ、14,14a,14b…LNG気化器、15,15a,15b…NG圧送系統、16,16a,16b…LNG圧送系統、17…BOG圧縮機、18,18a,18b…BOG圧縮系統、19,31…BOG再液化器、19a,31a,31bコイル、19b,31c…シェル、20…生成LNG返送系統、21…生成LNGポンプ、22…生成LNG圧送系統、23…フレアスタック、24…BOG放出系統

Claims (5)

  1. 液化天然ガスの貯蔵・圧送設備における液化天然ガス貯槽の蒸発ガスを再液化する装置であって、液化天然ガスを貯蔵する液化天然ガス貯槽と、該液化天然ガス貯槽に貯蔵した液化天然ガスを所定圧力まで昇圧した後に液化天然ガス気化器にて気化して送出する液化天然ガス圧送系統と、前記液化天然ガス貯槽で発生した蒸発ガスを液化可能な圧力まで圧縮する蒸発ガス圧縮系統と、前記液化天然ガス圧送系統からコイル側に導入された液化天然ガスと前記蒸発ガス圧縮系統からシェル側に導入された蒸発ガスとを熱交換させて該蒸発ガスを液化してシェル内に液化天然ガスを生成して滞留させるシェルアンドコイル式の熱交換器からなる蒸発ガス再液化器と、該蒸発ガス再液化器のシェル内に滞留する生成液化天然ガスを前記液化天然ガス貯槽に戻す生成液化天然ガス返送系統とを備えたことを特徴とする液化天然ガス貯槽の蒸発ガス再液化装置。
  2. 前記蒸発ガス再液化器で液化した生成液化液化天然ガスを、前記液化天然ガス圧送系統の前記蒸発ガス再液化器の出口側に送出して合流させる生成液化天然ガス圧送系統を設けたことを特徴とする請求項1記載の液化天然ガス貯槽の蒸発ガス再液化装置。
  3. 前記蒸発ガス再液化器のコイル側を複数の系統で構成するとともに、該複数のコイル側に、同一又は異なる液化天然ガス圧送系統の液化天然ガス流体を通すことを特徴とする請求項1又は2記載の液化天然ガス貯槽の蒸発ガス再液化装置。
  4. 前記液化天然ガス圧送系統の蒸発ガス再液化器入口側に、昇圧用の液化天然ガス圧送ポンプを設けたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の液化天然ガス貯槽の蒸発ガス再液化装置。
  5. 前記液化天然ガス圧送系統の蒸発ガス再液化器出口側に、二次昇圧用の液化天然ガス圧送ポンプを設けたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の液化天然ガス貯槽の蒸発ガス再液化装置。
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