JP3813805B2 - 整流子電動機およびこれを備えた電気掃除機 - Google Patents

整流子電動機およびこれを備えた電気掃除機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルプロテクタ付きのブラシ組立を具備する整流子電動機、およびこの整流子電動機にファンを連結して構成される電動送風機を具備する電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
整流子電動機には、オーバーヒートを防止するために、サーマルプロテクタが取り付けられているものがある。このサーマルプロテクタは、一般的に、整流子とステータ組立とを電気的に接続する通電経路に挿入されて、ブラシ組立に取り付けられる。
【0003】
ブラシ組立101は、図5(a),(b)に示すように、回転する整流子102とその径方向外側面において摺動接触するブラシとして、例えば、カーボンブラシ103を有している。このカーボンブラシ103は、真鍮により略筒形状に一体形成されているブラシホルダ104により整流子102の径方向に沿って摺動自在に保持されているとともに、このブラシホルダ104の内部に取り付けられているばね105により整流子102側に向けて付勢されている。また、カーボンブラシ103とブラシホルダ104とは、ブラシホルダ104の内部においてピッグテイル106により電気的に接続されている。カーボンブラシ103は、ブラシホルダ104ごと絶縁材料により形成されているホルダ絶縁107に取り付けられる。サーマルプロテクタ108は、ブラシホルダ104と同様にホルダ絶縁107に取り付けられる。この際、サーマルプロテクタ108は、ブラシホルダ104のプロテクタ接続部104a、およびステータ組立109の接続端子109aの双方に電気的に接触するようにホルダ絶縁107に取り付けられる。このような取り付け構成により、ステータ組立109の巻線と、整流子102との間には、カーボンブラシ103、ピッグテイル106、ブラシホルダ104、サーマルプロテクタ108を通電経路として電流が流れる。
【0004】
サーマルプロテクタ108には、例えば、バイメタル式のものが用いられる。サーマルプロテクタ108は、前述した通電経路に流れる電流に基づく自身の発熱による温度上昇、あるいはカーボンブラシ103およびブラシホルダ104などの発熱によるブラシ周りの雰囲気温度に反応し、予め設定されている温度を感知すると、前記通電経路を開く。これにより、このブラシ組立101を備えた図示しない電動機のオーバーヒートは未然に防がれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ブラシホルダ104を形成している真鍮は電気抵抗が小さいので、ブラシホルダ104の発熱量は小さい。これにより、ブラシ組立101での発熱による損失が抑制されて、電動機は効率よく作動できる。
【0006】
しかし、真鍮は比重が大きいため、重量が嵩むとともに、そのコストも高い。よって、従来のブラシ組立101、このブラシ組立101を有する電動機、ひいてはこの電動機を動力源として用いる電気掃除機の重量が嵩むとともに、それらの製造コストも高く付く。
【0007】
これを回避するために、本出願人はブラシホルダ104の電流を流す必要のない部分、具体的には、ブラシキャップ110以外の部分を真鍮よりも比重が小さく、かつ、低コストの金属である鉄により形成することにより、軽量化および低コスト化を図ることを試みた。
【0008】
ところが、鉄は電気抵抗が大きいので、電流を流した際の発熱量が大きい。よって、全体の殆どが鉄製のブラシホルダ104は温度上昇し易い。その結果、サーマルプロテクタ108が頻繁に作動するとともに、前記発熱に伴う損失が増えて効率を低下させ易い。
【0009】
よって、本発明が解決しようとする課題は、サーマルプロテクタ付きのブラシ組立を備えた整流子電動機において、軽量かつ低コストで効率よく作動できる整流子電動機、およびこれを備えた電気掃除機を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記第1の課題を解決するために、請求項1の発明に係る整流子電動機は、ステータ組立に対する通電経路にサーマルプロテクタ付きのブラシ組立を設けた整流子電動機であって、前記ブラシ組立が、ブラシと、一端部が前記ブラシに接続されたピッグテイルと、前記ブラシを摺動自在に保持する筒状の鉄系金属または耐熱性樹脂からなるブラシホルダと、このブラシホルダに流れる電流を抑制して発熱を抑えるために前記ブラシホルダよりも導電性の高い金属材料により形成されており、前記ピッグテイルの他端部に接続されるとともに、前記ブラシ側に延びるプロテクタ接続部を有するブラシキャップと、このブラシキャップと前記ブラシとの間に挟み込まれて前記ブラシを整流子側に向けて付勢するばねと、絶縁体により形成されており、前記ブラシホルダを支持するとともに、前記ブラシホルダと前記プロテクタ接続部とを絶縁する絶縁壁を有するホルダ絶縁と、前記プロテクタ接続部と接続して前記ブラシの近傍に位置して前記ホルダ絶縁に取り付けられ、所定の温度に応じて前記通電経路を開閉する前記サーマルプロテクタと、を具備することを特徴とするものである。
【0011】
この発明の整流子電動機においては、ブラシホルダを形成する材料が鉄系金属または耐熱性樹脂であるので、真鍮に比較してブラシホルダを軽量かつ安価にできる。そして、ブラシホルダよりも導電性の高い金属材料により形成されるブラシキャップのサーマルプロテクタと接するプロテクタ接続部と、ブラシホルダとの間に絶縁壁を設け、サーマルプロテクタとブラシホルダとが接しない構成とした。これにより、ブラシホルダを主通電経路としないで電流をブラシホルダに流すことができ、ブラシホルダでの熱損失を少なくできるとともに、ブラシホルダが発生する熱でサーマルプロテクタが過敏に作動するおそれをなくすことができる。
【0012】
また、前記課題を解決するために、請求項の発明に係る電気掃除機は、集塵室およびこの集塵室の上流側に、前記集塵室と連通する吸塵口を有した掃除機本体と、前記請求項1または2に記載の整流子電動機の回転軸にファンを連結するとともに、このファンを覆うファンカバーを設けて形成され、前記集塵室の下流側に位置して前記掃除機本体に内蔵された電動送風機と、先端に吸込口を有して前記吸塵口に接続される吸込通路手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0013】
この発明の電気掃除機においては、軽量かつ低コストで効率がよい前記請求項1または2に記載の整流子電動機を備えるので、本発明の課題を解決できる電気掃除機を提供できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一つの実施の形態に係る整流子電動機を、図1〜図3に基づいて説明する。
【0015】
この整流子電動機としてのACモータ1は、図1に示すように、ステータ組立2に対する通電経路にサーマルプロテクタ3付きのブラシ組立4を設けた構成となっている。また、このACモータ1は、これが有しているブラシ組立4が、図2および図3に示すように、ブラシ5と、一端部がブラシ5に接続されたピッグテイル6と、ブラシ5を摺動自在に保持するブラシホルダ7と、ピッグテイル6の他端部に接続されるとともに、ブラシ5側に延びるプロテクタ接続部8aを有するブラシキャップ8と、このブラシキャップ8とブラシ5との間に挟み込まれてブラシ5を整流子9側に向けて付勢するばね10と、ブラシホルダ7を支持するとともに、ブラシホルダ7とプロテクタ接続部8aとを絶縁する絶縁壁11aを有するホルダ絶縁11と、プロテクタ接続部8aと接続してブラシ5の近傍に位置してホルダ絶縁11に取り付けられたサーマルプロテクタ3とを具備するものである。
【0016】
ブラシとしてのカーボンブラシ5は、図1〜図3に示すように、一方向に長く延ばされた長尺の略直方体形状に形成されている。カーボンブラシ5は、整流子9をその直径方向両外側から対向して挟み込むように、その長手方向を整流子9の径方向と一致させられて2個配置される。このような配置状態において、カーボンブラシ5は、後述するブラシホルダ7により整流子9の径方向に沿って摺動自在に保持される。それとともに、カーボンブラシ5は、その一端部としての整流子側端部5aの先端が整流子9の外周面9aと接触するように、後述するばね10により整流子9側に向けて付勢される。
【0017】
ピッグテイル6は、図1〜図3に示すように、その一端部が、カーボンブラシ5の他端部としての、整流子側端部5aとは反対側のブラシキャップ側端部5bに接続されている。それとともに、ピッグテイル6はその他端部が、後述するブラシキャップ8に接続されている。ピッグテイル6は、その長さが、カーボンブラシ5が回転する整流子9との接触によって摩耗して擦り減り、そのブラシキャップ側端部5bが整流子9側に移動しても、カーボンブラシ5とブラシキャップ8との電気的な接続状態を維持できる大きさに形成されている。また、ピッグテイル6は、ブラシキャップ8と同程度の通電性を有する材料により形成されていることが好ましい。
【0018】
ブラシホルダ7は、図1〜図3に示すように、その内部にカーボンブラシ5を収容することにより、カーボンブラシ5をその長手方向に沿って摺動自在に保持できる大きさの筒状に形成されている。ブラシホルダ7は、一対のカーボンブラシ5を前述した配置状態において、整流子9の径方向に沿って摺動自在に保持できるように、後述するホルダ絶縁11を介して、このACモータ1の外殻を保護するモータフレーム本体12に2個取り付けられる。すなわち、一対のブラシホルダ7は、モータフレーム本体12内の径方向中央部に配置されている整流子9を、その直径方向両外側から対向して挟み込むように、その長手方向を整流子9の径方向と一致させられて、モータフレーム本体12にホルダ絶縁11を介して2個取り付けられる。
【0019】
また、このブラシホルダ7は、前述したカーボンブラシ5、ピッグテイル6、および後述するブラシキャップ8よりも導電性の低い材料、例えば、鉄系の金属または耐熱性樹脂により形成されていることが好ましい。本実施形態においては、このブラシホルダ7は、亜鉛メッキが施された鉄製の鋼板により形成されているものとする。これにより、カーボンブラシ5に流れる電流がブラシホルダ7に流れるのを抑制して、その電流の大部分をピッグテイル6および整流子9に流すことができる。したがって、このブラシホルダ7は、ステータ組立2、ブラシ組立4、および整流子9などから構成されている、このACモータ1の内部の通電経路において主通電経路になり難く、実質的に主通電経路から外された状態となっている。よって、ACモータ1の作動中において、この導電性の低いブラシホルダ7に電流が流れても、その発熱量は小さい。
【0020】
さらに、このブラシホルダ7を形成している鉄製の鋼板は、前述した従来技術に係るブラシホルダ104を形成している真鍮よりも比重が小さく、かつ、安価である。よって、鉄製の本実施形態のブラシホルダ7は、真鍮製の従来のブラシホルダ104に比べて、軽量であるとともに、低コストに製造できる。
【0021】
ブラシキャップ8は、図1〜図3に示すように、その中間部において略直角に折り曲げられて、かつ、この折り曲げ部分から一方の側に長く延ばされた略L字形状に形成されている。ブラシキャップ8は、その折り曲げ部分から長く延ばされた長手側端部をホルダ絶縁11に挿入されることにより、ホルダ絶縁11に取り付けられる。この際、ブラシキャップ8は、その長手側端部が、ブラシホルダ7を介してホルダ絶縁11に取り付けられたカーボンブラシ5の長手方向に沿って延びるように、ホルダ絶縁11に取り付けられる。それとともに、ブラシキャップ8の長手側端部はその先端付近に、カーボンブラシ5の近傍に位置するようにホルダ絶縁11に取り付けられる後述するサーマルプロテクタ3と接触して電気的に接続し合うプロテクタ接続部8aを有している。また、ブラシキャップ8の折り曲げ部分を挟んで、長手側端部とは反対側の端部には、ピッグテイル6のカーボンブラシ5と接続されている側とは反対側の他端部が接続されている。ブラシキャップ8は、図2に示すように、その内側面が、カーボンブラシ5、ピッグテイル6、およびばね10の周りに沿うようにその姿勢を保持されて、ピッグテイル6と接続される。
【0022】
本実施形態のブラシキャップ8においては、その長手側端部の長さは、図2に示すように、カーボンブラシ5の長さと、負荷が掛かっていない状態のばね10の長さとを足し合わせた長さよりも短く形成されている。
【0023】
また、このブラシキャップ8は、前述したブラシホルダ7を形成している亜鉛メッキ鋼板よりも導電性の高い材料、例えば、真鍮により形成されていることが好ましい。これにより、この真鍮製のブラシキャップ8、および前述した材料から形成されているピッグテイル6などを具備するブラシ組立4においては、カーボンブラシ5、ピッグテイル6、ブラシキャップ8、およびサーマルプロテクタ3が主通電経路を構成する。すなわち、前述したACモータ1の内部の通電経路を流れる電流は、その通電経路に設けられたブラシ組立4を通過する際に、導電性の低いブラシホルダ7に流れることは殆どなく、その大部分がカーボンブラシ5、ピッグテイル6、ブラシキャップ8、およびサーマルプロテクタ3から構成されている主通電経路を通過して、ステータ組立2と整流子9との間を流れるように設定されている。
【0024】
以上説明したように、この真鍮製のブラシキャップ8を含めたブラシ組立4の主通電経路は電気抵抗が低く導電性が高い。したがって、ACモータ1の作動中において、ACモータ1の内部の通電経路を流れる電流の大部分がこの主通電経路に流れても、その発熱量は小さい。
【0025】
カーボンブラシ5を整流子9側に向けて付勢するばね10は、カーボンブラシ5のブラシキャップ側端部5bと、ブラシキャップ8のピッグテイル6が接続されている側の端部との間に挟み込まれて取り付けられている。また、ピッグテイル6は、このばね10の内側に配置された状態でカーボンブラシ5とブラシキャップ8とを電気的に接続している。
【0026】
ホルダ絶縁11は、図1〜図3に示すように、前述した筒状のブラシホルダ7をその長手方向に沿って挿入するホルダ挿入孔11bを有している。このホルダ挿入孔11bは、ホルダ絶縁11の軸方向に沿って貫通して設けられている。ブラシホルダ7は、図2に示すように、ホルダ挿入孔11bの内部に、その一方の開口を通して挿入される。ブラシホルダ7は、ホルダ挿入孔11bの内部に所定の長さ(深さ)まで挿入された後、図3(a)に示すように、その挿入方向前方の一端部を外側に向けて折り返されて、これをホルダ挿入孔11bの他方の開口の縁部に係合されることにより外れ止めされる。これにより、ブラシホルダ7はホルダ挿入孔11bから外れ止めされた状態となってホルダ絶縁11に支持される。本実施形態において、ホルダ挿入孔11bの内部に挿入されるブラシホルダ7の所定の長さは、図3(a)に示すように、このホルダ絶縁11にブラシホルダ7およびブラシキャップ8などを取り付けてブラシ組立4を組み立てた際に、カーボンブラシ5の整流子側端部5aがブラシホルダ7の内部から整流子9側に突出するとともに、ピッグテイル6およびばね10の殆どがブラシホルダ7の内部に収容される大きさに設定されている。
【0027】
また、ホルダ絶縁11には、ホルダ挿入孔11bに隣接して、その軸方向に平行に、前述したL字形状のブラシキャップ8の長手側端部をその長手方向に沿って挿入するブラシキャップ挿入孔11cが並設されている。ブラシキャップ8は、図2に示すように、前述したブラシホルダ7の挿入の向きとは反対向きで、ブラシキャップ挿入孔11cの内部に、その一方の開口を通して挿入される。ブラシキャップ8はその折り曲げ部分が、ブラシキャップ挿入孔11cの縁部に当接して、その進入が止められるまで、ブラシキャップ挿入孔11cの内部に挿入される。ブラシキャップ挿入孔11cの軸方向中間部には、その内側に向けて絶縁側外れ止め13が突設されている。また、ブラシキャップ8の長手側端部には、そのプロテクタ接続部8aと折り曲げ部分との間に、その先端側から順番に、第1外れ止め14および第2外れ止め15が、折り曲げ方向とは反対向きに突設されている。前述した挿入状態において、図3(a)に示すように、ブラシキャップ挿入孔11cの絶縁側外れ止め13がブラシキャップ8の第1外れ止め14と第2外れ止め15との間に挟まれた状態となることにより、ブラシキャップ8はブラシキャップ挿入孔11cから外れ止めされた状態となってホルダ絶縁11に支持される。
【0028】
また、ホルダ絶縁11にブラシキャップ8を取り付ける際に、このブラシキャップ8に接続されているカーボンブラシ5を、予めブラシホルダ7の内部に挿入する。具体的には、ブラシキャップ8の長手側端部をブラシキャップ挿入孔11cに挿入するに先立って、カーボンブラシ5の整流子側端部5aを、ブラシホルダ7が挿入された状態のホルダ挿入孔11bの内部に、ブラシホルダ7が挿入される側とは反対側の開口を通して挿入する。カーボンブラシ5の整流子側端部5aの先端は、前述したように、ブラシキャップ8の長手側端部の先端よりも、それらの挿入方向に沿って前方に位置している。よって、以上説明したように、カーボンブラシ5の整流子側端部5aをホルダ挿入孔11bの内部に挿入した状態において、前述したようにブラシキャップ8をブラシキャップ挿入孔11cに挿入することにより、カーボンブラシ5はその整流子側端部5aからブラシホルダ7の内部に挿入される。また、カーボンブラシ5に接続されているピッグテイル6、およびカーボンブラシ5とブラシキャップ8との間に取り付けられているばね10もブラシホルダ7の内部に挿入される。前述したように、ブラシキャップ8をその進入が止められるまで、ブラシキャップ挿入孔11cの内部に挿入した状態においては、カーボンブラシ5は、その整流子側端部5aがブラシホルダ7の内部から整流子9側に突出している状態になるとともに、ピッグテイル6およびばね10は、それらの大部分がブラシホルダ7の内部に収容されている状態となる。
【0029】
ブラシホルダ7およびブラシキャップ8がともに外れ止めされてホルダ絶縁11に取り付けられて、かつ、カーボンブラシ5と整流子9とが接触していない状態においては、カーボンブラシ5とブラシキャップ8との間に挟み込まれているばね10には負荷が掛かっていない。これにより、カーボンブラシ5の整流子側端部5aは、前述したようにブラシホルダ7の整流子9側の開口から突出した状態となっている。このような状態のカーボンブラシ5を有しているホルダ絶縁11、ひいてはブラシ組立4を、図1に示すように、整流子9をその直径方向両外側から挟み込むようにモータケース本体12に取り付ける。カーボンブラシ5の長さとばね10の長さとを足し合わせた長さは、整流子9の外周面9aからモータケース本体12の内壁面12aまでの距離よりも、予め大きく設定されている。よって、ブラシ組立4をモータケース本体12に取り付けると、整流子9の外周面9aとカーボンブラシ5の整流子側端部5aの先端とが互いに接触するとともに、カーボンブラシ5はその長手方向に沿って、整流子9の径方向外側に向けて押される。これにより、ばね10に負荷が掛かった状態となるので、そのばね力(反力)により、カーボンブラシ5は整流子9側に向けて押し付けられるように付勢される。したがって、カーボンブラシ5は、このACモータ1の作動中に、回転している整流子9に振動やぶれなどが発生したり、あるいは回転している整流子9との接触によってカーボンブラシ5自体が摩耗して擦り減ったりした場合でも、回転している整流子9との電気的な接続状態を良好に保持できる。
【0030】
このホルダ絶縁11には、図2および図3(a),(b)に示すように、ブラシキャップ挿入孔11cを挟んでホルダ挿入孔11bとは反対側に、それらの軸方向と平行に、このホルダ絶縁11をモータケース本体12にねじ止めして取り付けるためのホルダ取り付け孔11dが設けられている。このホルダ取り付け孔11dをモータケース本体12側の図示しないブラシ組立取り付け孔に合わせた後、ホルダ取り付け孔11dとブラシ組立取り付け孔とに取り付けねじ16をねじ回して取り付けることにより、ホルダ絶縁11、およびこれを具備したブラシ組立4をモータケース本体12にねじ止めする。これにより、ブラシ組立4は、それが具備しているカーボンブラシ5、ピッグテイル6、ブラシキャップ8、およびサーマルプロテクタ3が、このACモータ1の内部の主通電経路を構成するように、予め設定された所定の姿勢でモータケース本体12に取り付けられる。
【0031】
また、このホルダ絶縁11は絶縁体、例えば、フェノール樹脂により樹脂形成されていることが好ましい。そして、このホルダ絶縁11は、これが有しているホルダ挿入孔11bとブラシキャップ挿入孔11cとが、それらの長手方向に沿って全長にわたって絶縁壁11aによって仕切られている構成となっている。これにより、このホルダ絶縁11に取り付けられたブラシホルダ7とブラシキャップ8とは、図1および図3(a),(b)に示すように、ホルダ絶縁11に取り付けられた状態においては、互いに直接接触することはできない。よって、このACモータ1の内部の主通電経路の一部を構成するブラシキャップ8に流れる電流が、主通電経路から外された状態、すなわち電流を流す必要のないブラシホルダ7に、ブラシキャップ8を介して直接流れるおそれをなくすことができる。したがって、主通電経路を流れる電流が、電気抵抗が高く、導電性の低いブラシホルダ7に直接かつ多量に流れて、ブラシホルダ7自体が発熱などすることによる電力の損失を抑制することができる。すなわち、以上説明した材料および形状からなるホルダ絶縁11を用いることにより、鉄製のブラシホルダ7を具備したブラシ組立4における電力(電気エネルギー)の損失(ロス)を抑制(少なく)することができる。
【0032】
さらに、このホルダ絶縁11を形成しているフェノール樹脂は、耐熱性にも優れている。よって、カーボンブラシ5からブラシホルダ7に電流が流れることにより、ブラシホルダ7が発熱しても、その熱は絶縁壁11aを介してブラシキャップ8側に伝わり難い。したがって、ブラシホルダ7が発熱して温度上昇しても、その温度に反応してサーマルプロテクタ3が不必要に、かつ、頻繁に作動するおそれは殆どない。すなわち、このACモータ1はその継続作動中に、通電状態のONおよびOFFが不必要に繰り返されるおそれが殆どない。よって、このACモータ1は安定して作動できるとともに、その内部の通電経路における発熱以外の電力の損失を抑制(少なく)することができる。
【0033】
サーマルプロテクタ3は、図1〜図3に示すように、ブラシキャップ8のプロテクタ接続部8aと接続して、カーボンブラシ5の近傍に位置するようにホルダ絶縁11に取り付けられる。具体的には、図2に示すように、ブラシキャップ8をホルダ絶縁11に取り付け終わった後、ブラシキャップ8の長手側端部をブラシキャップ挿入孔11cに挿入する向きとは反対の向きから、ブラシキャップ挿入孔11cの整流子9側に連続して設けられているプロテクタ取り付け部11eに、サーマルプロテクタ3をその進入が止められるまで挿入する。この際、サーマルプロテクタ3を、これと絶縁壁11aとで、ブラシキャップ8のプロテクタ接続部8aをその厚み方向両外側から挟み込むようにホルダ絶縁11に取り付ける。これにより、サーマルプロテクタ3は、その厚み方向一側面においてプロテクタ接続部8aと接触しつつ、ホルダ絶縁11に保持される。また、このようにサーマルプロテクタ3がホルダ絶縁11に取り付けられたブラシ組立4を、前述した所定の取り付け位置において、所定の姿勢でモータケース本体12に取り付ける。この取り付け状態において、サーマルプロテクタ3は、そのプロテクタ接続部8aと接触している側とは反対側の厚み方向他側面が、ステータ組立2の接続端子2aと接触している状態となる。また、本実施形態のサーマルプロテクタ3には、バイメタル式のものが用いられることが好ましい。
【0034】
サーマルプロテクタ3は、サーマルプロテクタ3自体の温度を直接感知できるように設定されている。それとともに、サーマルプロテクタ3は、これが近接されて取り付けられているカーボンブラシ5の周りの雰囲気温度を間接的に感知できるように設定されている。
【0035】
サーマルプロテクタ3は、本実施形態においては、これが取り付けられているACモータ1がオーバーヒートを起こさないように、サーマルプロテクタ3自体の温度、あるいはカーボンブラシ5の周りの雰囲気温度のうちの少なくとも一方の温度が、予め設定されている所定の温度に達すると、これを感知してACモータ1の内部の通電経路を開くように設定されている。これにより、ACモータ1の内部の通電経路には電流が流れなくなるので、ACモータ1はオーバーヒートを起こす前に、その作動を停止する。サーマルプロテクタ3は、サーマルプロテクタ3自体の温度、およびカーボンブラシ5の周りの雰囲気温度が、ともに前述したサーマルプロテクタ3が通電経路を開く温度を下回ると、これを感知してACモータ1の内部の通電経路を閉じるように設定されている。これにより、ACモータ1の内部の通電経路に電流が流れるので、ACモータ1はその作動停止状態を解除されて作動する。
【0036】
以上説明したように設定されているサーマルプロテクタ3によれば、これが取り付けられているACモータ1はオーバーヒートをするおそれが殆どない。よって、このACモータ1は安定して作動できる。それとともに、サーマルプロテクタ3は、前述したように、耐熱性に優れたフェノール樹脂により形成されているホルダ絶縁11に取り付けられており、不必要に、かつ、頻繁に作動するおそれは殆どない。よって、このACモータ1はその継続作動中に、通電状態のONおよびOFFが不必要に繰り返されるおそれが殆どなく、その内部の通電経路における発熱以外の電力の損失を抑制(少なく)することができる。
【0037】
本実施形態のサーマルプロテクタ3付きのブラシ組立4は、以上説明したカーボンブラシ5、ピッグテイル6、ブラシホルダ7、ブラシキャップ8、ばね10、ホルダ絶縁11、およびサーマルプロテクタ3などを具備して構成されている。これにより、このブラシ組立4は、その通電経路に用いられる真鍮の使用量(真鍮の体積)を削減できるので、軽量かつ低コストに製造できる。また、このブラシ組立4は、その主通電経路から鉄製のブラシホルダ7を外すとともに、主通電経路を真鍮製で導電性の高いブラシキャップ8などで構成し、これらを絶縁性および耐熱性の高いホルダ絶縁11に取り付けたので、このブラシ組立4における発熱などによる電力の損失を抑制(少なく)することができる。
【0038】
本実施形態のACモータ1は、これが有しているステータ組立2に対する通電経路に前述したサーマルプロテクタ3付きのブラシ組立4を設けて構成されている。以下、本実施形態のACモータ1を、図1に基づいて説明する。
【0039】
ACモータ1は、図1に示すように、これを保護するモータケース本体12の内部に収容されている。このモータケース本体12は、中空形状に形成されている筒部17と、この筒部17の軸方向一端部を塞いで一体に設けられた底部18と、筒部17の軸方向他端部において、底部18と平行となるように略直角に折り曲げられて、その径方向外側に向けて一体に張り出された環状フランジ部19などから構成されている。また、モータケース本体12の環状フランジ部19には、その底部18側とは反対側において、筒部17の一端開口であるケース本体開口20を、少なくともその一部分を塞ぐように、その径方向に沿って渡されて、モータケース端面板21が取り付けられている。このモータケース端面板21は、環状フランジ部19に端面板取り付けねじ22によって、ねじ止めされることにより取り付けられる。本実施形態においては、モータケース本体12とモータケース端面板21とでモータケース23を形成している。
【0040】
モータケース本体12内の径方向中央部には、図1に示すように、このACモータ1のアーマチュア組立(電機子)24が回転自在に取り付けられている。本実施形態のACモータ1においては、このアーマチュア組立は、実質的に回転子(ロータ)24のことである。この回転子24は、回転子鉄心32、およびこの回転子鉄心32と一体に回転する回転子軸25などから構成されている。回転子軸25は、回転子鉄心32をその径方向中心部において、回転子鉄心32の軸方向に沿って貫通している。それとともに、回転子軸25は、回転子鉄心32と一体に回転するように回転子鉄心32に取り付けられている。
【0041】
また、この回転子軸25はその長手方向が、モータケース本体12の筒部17の軸方向と一致するように、モータケース23の径方向中央部に回転自在に取り付けられている。モータケース本体12の底部18の径方向中央部には、底側軸受け保持部26がモータケース本体12の外側に向けて突設されて一体に形成されている。回転子軸25の一端部としての底部側端部25aは、この底側軸受け保持部26の内部に取り付けられている底側軸受け27によって回転自在に支持されている。また、モータケース端面板21の径方向中央部には、開口側軸受け保持部28がモータケース本体12の外側に向けて突設されて一体に形成されている。回転子軸25の他端部としての開口部側端部25bは、この開口側軸受け保持部28の内部に取り付けられている開口側軸受け29によって回転自在に支持されている。この回転子軸25の開口部側端部25bは、前述した支持状態において、その先端付近が、モータケース端面板21の開口側軸受け保持部28を、その底部18側から反対側に貫通した状態で支持されている。
【0042】
回転子軸25には、図1に示すように、その長手方向中間部に一体に取り付けられている回転子鉄心32と、その底部18側の先端との間に、同じく回転子軸25と一体に回転する整流子(コミュテータ)9が取り付けられている。前述した一対のブラシ組立4は、この整流子9をその直径方向両外側から対向して挟み込むように、モータケース本体12の筒部17の所定の位置にねじ止めされて取り付けられる。この取り付け状態において、各ブラシ組立4が具備しているカーボンブラシ5はその整流子側端部5aの先端が、整流子9の外周面9aと電気的に接触した状態に保持されている。
【0043】
回転子24の径方向外側には、図1に示すように、回転子24の回転子鉄心32の外周面32aに対向するように、モータケース本体12の筒部17内において、ステータ組立(固定子)2が配置されている。このステータ組立2は、固定子鉄心30、およびこの固定子鉄心30に巻き付けられている固定子巻線31などから構成されており、図示しない外部電源とともに、電磁石を構成するように設定されている。
【0044】
一対のブラシ組立4を、前述したように、整流子9をその直径方向両外側から対向して挟み込むように、モータケース本体12の筒部17に取り付ける。このような取り付け状態において、それら各ブラシ組立4とステータ組立2とが電気的に接続できるように、ステータ組立2の固定子鉄心30から各ブラシ組立4側に向けて、ステータ組立接続端子2aが延出されて設けられている。ステータ組立接続端子2aはその長さが、前述した取り付け状態の各ブラシ組立4のホルダ絶縁11に取り付けられている各サーマルプロテクタ3と、電気的に接触できる大きさに形成されている。これにより、ステータ組立接続端子2aは、前述したように、各サーマルプロテクタ3のプロテクタ接続部8aと接触している側とは反対側の厚み方向他側面において、各サーマルプロテクタ3と電気的に接触できる。すなわち、前述した取り付け状態において、各ブラシ組立4と、ステータ組立2とは、電気的に接触している状態を保持されて、これらを具備しているACモータ1の通電経路を構成している。
【0045】
以上説明した構成からなるACモータ1においては、これが有しているステータ組立2、整流子9、および回転子24に、前述したブラシ組立4を2個取り付けることにより、その通電経路が構成される。この通電経路と外部電源とを接続して通電させ、その通電経路に電流を流すことにより、ステータ組立2と回転子24との間に磁界を発生させて、整流子9と一体に回転子24を回転させる。これにより、ACモータ1は作動して動力を発生する。
【0046】
このACモータ1においては、その通電経路が、これに前述した一対のブラシ組立4を設けることにより構成される。各ブラシ組立4は、前述したように、その主通電経路における電力の損失が少ないので、通電状態において電磁力が弱まるおそれが殆どない。よって、ACモータ1は、その主通電経路の通電状態における電磁力の弱まりが殆どない。したがって、ACモータ1はその作動中に、回転子24の回転数(回転速度)が落ちるおそれが殆どないので、動力を安定して発生できる。すなわち、このACモータ1は、その作動中におけるACモータ1全体の電力の損失(電気的エネルギーのロス)を抑制(少なく)して、効率よく作動できるとともに、動力を安定して発生できる。
【0047】
また、各ブラシ組立4は、前述したように、軽量かつ低コストに製造できるため、これらを用いるこのACモータ1も軽量かつ低コストに製造できる。
【0048】
次に、前述したブラシ組立4を使用するACモータ1を備えた、本発明の一つの実施の形態に係る電気掃除機33を、図1および図4に基づいて説明する。
【0049】
本実施形態の電気掃除機33は、図4に示すように、集塵室34およびこの集塵室34の上流側に、集塵室34と連通する吸塵口35を有した掃除機本体36と、整流子電動機の回転軸としてのACモータ1の回転子軸25にファン37を連結するとともに、このファン37を覆うファンカバー38を設けて形成され、集塵室34の下流側に位置して掃除機本体36に内蔵された電動送風機39と、先端に吸込口40を有して吸塵口35に接続される吸込通路手段41と、を具備するものである。
【0050】
まず、電動送風機39を、図1に基づいて説明する。
【0051】
電動送風機39は、図1に示すように、ACモータ1の回転子軸25にファン37を連結するとともに、このファン37を覆うファンカバー38を設けて形成されている。本実施形態においては、このファン37には、遠心形ファンを用いることが好ましい。
【0052】
回転子軸25は、前述したように、その開口部側端部25bの先端付近が、モータケース端面板21の開口側軸受け保持部28を、モータケース本体12の底部18側から反対側に貫通して、モータケース23の外部に突出している。ファン37は、図1に示すように、回転子軸25と一体に回転できるように、その平板形状に形成されている厚み方向一側面の径方向中心部を、モータケース23の外部に突出している回転子軸25の開口部側端部25bの先端部に貫通させて、その先端部をナット42を用いて締め付けることにより、回転子軸25に取り付けられる。これにより、ファン37は、回転子軸25と一体に回転できる。
【0053】
ファン37には、複数枚の羽根部43が、その径方向中心部から径方向外側に向けて延ばされて設けられている。これら各羽根部43は、径方向中心部側が径方向外側よりも、ファン37の回転する向きの上流側に位置するように、所定の形状に湾曲されて形成されている。具体的には、各羽根部43は、ファン37が予め設定されている所定の回転数で回転している状態において、ファン37の周りの空気を、隣接している各羽根43部同士により形成されている図示しない通気路内に取り込んで、各羽根43によりファン37の径方向中心部から径方向外側に向けて効率よく案内して運ぶことができる形状に形成されている。それとともに、ファン37には、その厚み方向において、前述した回転子軸25への取り付け側とは反対側の径方向中央部に、ファン37の周りの空気を、予め設定されている所定の回転数で回転している状態のファン37の、前述した通気路内に取り込むための吸気口44が開口されて設けられている。
【0054】
以上説明した構成からなるファン37によれば、このファン37が予め設定されている所定の回転数で回転している状態、すなわち定常回転している状態においては、ファン37の周りの空気を、吸気口44から通気路内に吸込んで、各羽根43によりファン37の径方向中心部から径方向外側に向けて効率よく案内して運ぶことができる。各羽根43によりファン37の径方向中心部から径方向外側に向けて運ばれた空気は、ファン37の外周縁部を経てファン37の外部に吹き出される。ファン37の外部に吹き出された空気は、ファン37の外側に配置されている後述する整流板(ディフューザ)45に送り込まれる。
【0055】
ファンカバー38は、図1に示すように、ファン37を、これが取り付けられているACモータ1を収容しているモータケース本体12の環状フランジ部19まで含めて、それらの外側から覆うことができる大きさおよび形状に形成されている。モータケース本体12には、その環状フランジ部19の外周縁部から一体に延出されて、かつ、筒部17の軸方向に沿って底部18側に向けて折り返されて、第2筒部46が設けられている。この第2筒部46の先端部付近は、さらにこの第2筒部46の径方向外側に向けて略直角に折り曲げられており、その先端部としての外周縁部には、モータケース本体12にファンカバーを取り付けるためのファンカバー取り付け部47が設けられている。ファンカバー38はその外周縁部を、前述したモータケース本体12のファンカバー取り付け部47に係合させることにより、ファン37を覆うように、モータケース本体12に取り付けられる。
【0056】
このファンカバー38の径方向中央部には、この電動送風機39の外部の空気を、電動送風機39の内部に導き入れるための導風口48が開口されて設けられている。ファン37が回転すると、電動送風機39の外部の空気は、この導風口48を通って電動送風機39の内部に導き入れられる。電動送風機39の内部に導き入れられた空気は、前述したように、ファン37に設けられている吸気口44を通って通気路内に吸込まれた後、各羽根部43によって案内されて、ファン37の径方向中心部から径方向外側に向けて運ばれ、ファン37の外側に配置されている整流板45に向けて送り出される。
【0057】
整流板45は、図1に示すように、この電動送風機39の軸方向において、モータケース端面板21とファン37との間に配置されている。整流板45は、整流板取り付けねじ49によりモータケース端面板21にねじ止めされて取り付けられている。整流板45はその外形寸法が、環状フランジ部19の外形寸法と略同じ大きさに形成されている。また、整流板45は、ファン37の外周縁部を、その全周にわたって僅かな隙間を設けて囲むように形成されている。
【0058】
整流板45の、ファン37の外周縁部と対向している内周部には、ファン37から送り込まれる空気を整流板45の内部に通すための複数個の通風口50が設けられている。整流板45には、そのモータケース端面板21側とは反対側に、ファン37の外周縁部と対向して設けられている複数枚の第1整流羽根51と、整流板45の外周縁部に設けられている第1外周壁52とによって挟まれて、前記各通風口50に連通する複数個の第1整流風路53が形成されている。それとともに、整流板45には、そのモータケース端面板21側に、前記各第1整流羽根51とは反対向きに突設されている複数枚の第2整流羽根54と、整流板45の外周縁部に前記第1外周壁52とは反対向きに設けられている第2外周壁55とによって挟まれて、前記各第1整流風路53に連通する複数個の第2整流風路56が形成されている。また、整流板45には、そのモータケース端面板21側の径方向中央部に、前記各第2整流風路56に連通する第3整流風路57が設けられている。この第3整流風路57は、ケース本体開口20を通して、モータケース23の内部と連通している。
【0059】
回転するファン37によって整流板45に向けて送り出された空気は、整流板45が有している各通風口50を通って整流板45の内部に送り込まれる。整流板45の内部に送り込まれた空気は、各第1整流風路53、各第2整流風路56、そして第3整流風路57の順に通過する。この際、整流板45の内部に送り込まれた空気は、それら各風路53,56,57に沿って進むにつれて、徐々に整流(静圧化)される。このように整流板45によって整流された空気は、ケース本体開口20のモータケース端面板21によって塞がれていない部分を通過して、モータケース23の内部に流入する。このモータケース23内に流入した空気は、ケース本体開口20側から底部18側に向けて流れ、モータケース本体12の筒部17の底部18寄りにおいて、モータケース本体12の内部と外部とを連通して設けられている通気部58などを通って、モータケース23の外部に排気される。この際、モータケース23内に流入した空気は、ACモータ1がオーバーヒートなどすることなく、安定して作動できるように、前述したステータ組立2、一対のブラシ組立4、整流子9、および回転子24などによって構成されているACモータ1の通電経路の周囲などを通り抜けて、この通電経路を冷却(空気冷却)する。
【0060】
以上説明した構成からなる本実施形態の電動送風機39においては、その駆動源として、前述した一対のブラシ組立4を具備しているACモータ1を用いている。それとともに、この電動送風機39は、その作動中における自己冷却機能を有している。よって、この電動送風機39は、その作動中に電力の損失(電気的エネルギーのロス)を抑制(少なく)して、効率よく作動できるとともに、その送風能力を安定して発揮できる。
【0061】
また、この電動送風機39が具備しているACモータ1は、前述したように、軽量かつ低コストに製造できるため、これを用いるこの電動送風機39も軽量かつ低コストに製造できる。
【0062】
また、この電動送風機39作動して、これが有しているファン37が定常回転している状態の送風能力が、本実施形態の電気掃除機33の集塵力(吸塵力)となる。
【0063】
この電動送風機39は、その内部における空気の流れの向きが、電気掃除機33全体の空気の流れの向きと一致するように、後述する掃除機本体36の内部に取り付けられる。具体的には、電動送風機39は、図4に示すように、掃除機本体36内において、後述する集塵室34の下流側に配置される。この際、電動送風機39は、そのファンカバー38の導風口48が集塵室34と対向するように、かつ、モータケース本体12の底部18が掃除機本体36に設けられている図示しない排気口と対向するように、掃除機本体36の内部に取り付けられる。
【0064】
掃除機本体36は、図4に示すように、この電気掃除機33の最も下流側に配置されている。掃除機本体36はその内部に、吸い込んだ図示しないごみなどを溜める集塵室34、および前述した電動送風機39などを具備している。集塵室34および電動送風機39は、前述したように、掃除機本体36の内部において、集塵室34が空気の流れの上流側に、電動送風機39が空気の流れの下流側に位置するように配置されている。また、掃除機本体36には、前述した集塵室34の上流側に、集塵室34と掃除機本体36の外部とを連通する吸塵口35が開口されて設けられている。この電気掃除機33が吸い込んだごみなどは、この吸塵口35を通って集塵室34の内部に溜められる。
【0065】
また、この掃除機本体36には、一対の車輪59が回転自在に取り付けられている。これにより、図示しない電気掃除機33の使用者は、この電気掃除機33から掃除機本体36を外すことなく、電気掃除機33を所望する掃除場所付近まで容易に移動させることができる。
【0066】
この電気掃除機33は、図4に示すように、前述した掃除機本体36に接続されて、ごみを吸い込むとともに、吸い込んだごみを吸塵口35を通して集塵室34内に送り込む吸込通路手段としての吸込通路体41を具備している。吸込通路体41は、電気掃除機33全体の空気の流れの上流側から下流側に向けて、ごみなどを吸い込む吸込口40が設けられている吸込ヘッド60、この吸込ヘッド60に連通されて接続されるとともに、内側筒部61および外側筒部62などから構成されて、所定の範囲内で伸縮自在に形成されている吸込パイプ63、この吸込パイプ63と前述した掃除機本体36との間に配置されて、それらを連通するように両端が接続される吸込ホース64などから構成されている。
【0067】
吸込ヘッド60は、図4に示すように、床などに落ちているゴミなどを吸い込む吸込側端面に吸込口40が開口されて設けられている。この吸込ヘッド60には、その吸込側端面から一部分が突出して、床などと回転自在に接触できる図示しない複数個のローラが回転自在に取り付けられている。それとともに、この吸込ヘッド60には、後述する吸込パイプ63が着脱自在に、かつ、気密を保持して接続されるパイプ接続部65が設けられている。このパイプ接続部65は、吸込ヘッド60に対して所定の方向に自由に動くことができる構造となっている。このような構成により、床などに対する吸込パイプ63の向きが変わっても、吸込ヘッド60はその吸込側端面を床面に滑らかに追従させて、吸込口40からごみなどを吸い込むことができる。
【0068】
また、この吸込ヘッド60の内部には、図示しないブラシや、ブラシ付きローラなどが取り付けられている。電気掃除機33の使用者は、後述する操作部67を操作することにより、掃除する場所の形状や、材料などに応じて、それらブラシや、ブラシ付きローラの使用あるいは不使用を選択することができる。
【0069】
吸込パイプ63は、図4に示すように、内側筒部61および外側筒部62などから構成されており、所定の範囲内で伸縮自在に形成されている。吸込パイプ63は、外側筒部62の上流側端部に設けられているストッパ66を操作することにより、外側筒部62内への内側筒部61の挿入の深さを任意の大きさに設定できるとともに、その設定した深さを保持できる。これにより、電気掃除機33の使用者は、吸込パイプ63の全長を、使い易い長さに設定して掃除できる。
【0070】
吸込ホース64は、図4に示すように、可撓性を有するフレキシブルホースによって形成されている。吸込ホース64の上流側端部には、吸込パイプ63が着脱自在に、かつ、気密を保持して取り付けられるとともに、この電気掃除機33の作動、およびその作動の停止などを行う操作部67が設けられている操作部本体68が取り付けられている。電気掃除機33の使用者は、操作部67を操作することにより、電気掃除機33の作動、およびその作動の停止などを行うことができるとともに、掃除する場所の形状や、材料などに応じて、適切な掃除モードを選択して、電気掃除機33の集塵力など、その各種作動状態を適切な状態に設定できる。また、操作部本体68には、電気掃除機33の使用者が余計な力を入れることなく楽な姿勢でこの電気掃除機33を使用することができるように、把持部72が一体に設けられている。
【0071】
この吸込ホース64は、その操作部本体68に設けられているパイプ着脱ボタン69を操作することにより、吸込パイプ63を接続したり、あるいは取り外したりすることが容易にできる。それとともに、この吸込ホース64の下流側端部には、吸込ホース64を掃除機本体36の吸塵口35に連通させて接続するためのホース接続部70が取り付けられている。吸込ホース64は、そのホース接続部70の先端を吸塵口35に差し込むことにより、吸塵口35を介して、掃除機本体36内に設けられている集塵室34と気密を保持して容易に接続される。また、吸込ホース64は、そのホース接続部70に設けられているホース着脱ボタン71を押し込みつつ、吸塵口35からホース接続部70の先端を引き抜くことにより、掃除機本体36から容易に取り外すことができる。
【0072】
以上説明した構成からなる吸込通路体41によれば、電気掃除機33の使用者は、把持部72を握って楽な姿勢で電気掃除機33を操ることができるとともに、掃除場所に応じた適切な掃除モードを選択して、その先端に設けられている吸込口40からごみを吸い込んで容易に掃除できる。
【0073】
また、以上説明した構成からなる本実施形態の電気掃除機33においては、これが具備している駆動源が前述した電動送風機39なので、その作動中における電力の損失(電気的エネルギーのロス)を抑制(少なく)して、効率よく作動できるとともに、その集塵能力(吸塵能力)を安定して発揮できる。
【0074】
また、この電気掃除機33が具備している電動送風機39は、前述したように、軽量かつ低コストに製造できるため、これを用いるこの電気掃除機も軽量かつ低コストに製造できる。
【0075】
なお、本発明に係る整流子電動機、およびこれを備えた電気掃除機は、前述した一実施形態には制約されない。例えば、ACモータ1が具備するブラシ組立4のブラシホルダ7は、鉄系金属ではなく、フェノール樹脂などの耐熱性樹脂によって形成されても構わない。それとともに、ブラシ5は、黒鉛を主成分とするカーボンブラシではなく、貴金属製の金属ブラシでも構わない。また、電気掃除機33は、前述したような床上を転がして移動させるものではなく、例えば、簡単に持ち運びできる、充電式のハンディタイプでも構わない。
【0076】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、サーマルプロテクタ付きのブラシ組立のブラシホルダを主通電経路としないので、このブラシホルダを軽量かつ安価な鉄系金属または耐熱性樹脂で作ることができ、軽量かつ低コストで、しかも効率がよい整流子電動機を提供できる。
【0077】
また、請求項に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の整流子電動機を備えるので、軽量化および低コスト化を図ることができ、かつ、整流子電動機の効率も向上できる電気掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係る整流子電動機を備えた電動送風機を一部断面にして示す側面図。
【図2】図1に示されている電動送風機が備えている整流子電動機が有しているサーマルプロテクタ付きのブラシ組立を分解して示す縦断面図。
【図3】(a)は、図2に示されているサーマルプロテクタ付きのブラシ組立を組み立てた状態で示す縦断面図。
(b)は、図3(a)に示されているブラシ組立を示す正面図。
【図4】図1に示されている電動送風機を備えた本発明の一つの実施の形態に係る電気掃除機を示す斜視図。
【図5】(a)は、従来の技術に係るサーマルプロテクタ付きのブラシ組立を分解して示す縦断面図。
(b)は、図5(a)に示されているサーマルプロテクタ付きのブラシ組立を組み立てた状態で示す縦断面図。
【符号の説明】
1…ACモータ(整流子電動機)
2…ステータ組立
3…サーマルプロテクタ
4…ブラシ組立
5…カーボンブラシ
6…ピッグテイル
7…ブラシホルダ
8…ブラシキャップ
8a…プロテクタ接続部
9…整流子
10…ばね
11…ホルダ絶縁
11a…絶縁壁
25…回転子軸(回転軸)
33…電気掃除機
34…集塵室
35…吸塵口
36…掃除機本体
37…ファン
38…ファンカバー
39…電動送風機
40…吸込口40
41…吸込通路体(吸込通路手段)

Claims (3)

  1. ステータ組立に対する通電経路にサーマルプロテクタ付きのブラシ組立を設けた整流子電動機であって、
    前記ブラシ組立が、
    ブラシと、
    一端部が前記ブラシに接続されたピッグテイルと、
    前記ブラシを摺動自在に保持する筒状の鉄系金属または耐熱性樹脂からなるブラシホルダと、
    このブラシホルダに流れる電流を抑制して発熱を抑えるために前記ブラシホルダよりも導電性の高い金属材料により形成されており、前記ピッグテイルの他端部に接続されるとともに、前記ブラシ側に延びるプロテクタ接続部を有するブラシキャップと、
    このブラシキャップと前記ブラシとの間に挟み込まれて前記ブラシを整流子側に向けて付勢するばねと、
    絶縁体により形成されており、前記ブラシホルダを支持するとともに、前記ブラシホルダと前記プロテクタ接続部とを絶縁する絶縁壁を有するホルダ絶縁と、
    前記プロテクタ接続部と接続して前記ブラシの近傍に位置して前記ホルダ絶縁に取り付けられ、所定の温度に応じて前記通電経路を開閉する前記サーマルプロテクタと、
    を具備することを特徴とする整流子電動機。
  2. 前記ブラシホルダは前記ブラシキャップよりも比重が小さい材料により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の整流子電動機。
  3. 集塵室およびこの集塵室の上流側に、前記集塵室と連通する吸塵口を有した掃除機本体と、
    前記請求項1または2に記載の整流子電動機の回転軸にファンを連結するとともに、このファンを覆うファンカバーを設けて形成され、前記集塵室の下流側に位置して前記掃除機本体に内蔵された電動送風機と、
    先端に吸込口を有して前記吸塵口に接続される吸込通路手段と、
    を具備することを特徴とする電気掃除機。
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