JP3810509B2 - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、目標液圧に応じて実液圧を制御するブレーキ液圧制御装置に係り、特に電子式制動力制御装置に用いて好適なブレーキ液圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の制動力制御装置に用いられているブレーキ液圧制御装置は周知のように電子化がなされており、各車輪の制動力を有効に利用したり、ブレーキペダルを踏み込んでいても各車輪がロックしないようにする制御を行っている。通常、このブレーキ液圧制御装置にはソレノイドが設けられており、このソレノイドに流す電流を制御することによって液圧制御弁を駆動して液圧の制御を行っている。
【0003】
この種のブレーキ液圧制御装置においては、液圧制御弁内に設けられているスプールの固着を防止するために上記ソレノイドを駆動する電流にディザ電流を重畳している。このディザ電流は三角波状の波形を有しており、その周期(以降、ディザ周期と称する)は、制御を行うために予め設定された制御周期と等しく設定されている。
【0004】
上記ディザ電流は、上述したように、スプールの固着を防止するためにソレノイドに流す電流であるため、その平均電流のズレは零であることが好ましい。つまり、ソレノイドを駆動する電流にディザ電流を重畳した場合、重畳後の電流の平均値が重畳前のソレノイドを駆動する電流の値と等しくなるように設定されることが好ましい。しかしながら、上述した平均電流のズレを完全に零とするのは困難であり零に近づけるように種々の制御が行われる。
【0005】
この制御の1つとして、上述した三角波状のディザ電流をPWM変調したパルスによって作成し、変調時のパルス幅を変化させることによって、つまり、デューティ比を変化させることによって上記の問題を解決するようにしたものがある。この制御においては、例えば、ディザ電流が上昇する箇所(以降、上昇ディザと称する)と、ディザ電流が下降する箇所(以下、下降ディザと称する)とにおいてPWM変調によるディザ電流の平均値を変えることによって上記の問題を解決するようにしている。
【0006】
図6はディザ電流の一例を示す図である。図6に示された例では、ディザ周期TDは制御周期と同一に設定されている。このディザ周期TDは大別すると上昇ディザ区間T1と下降ディザ区間T2とに分けられる。この例では、上昇ディザ区間T1と下降ディザ区間T2とは同一の時間が設定されている。また、図6からも分かるように、ディザ電流はPWM変調によって作られている。この例では、PWM変調周期TPはディザ周期TDの10分の1となるよう設定されている。つまり、PWM変調周期TPは、上昇ディザ区間T1に5周期分含まれ、下降ディザ区間T2に5周期分含まれることとなる。このPWM変調周期TPは固定に設定される。また、このディザ電流の平均値は図示したようにIaである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したように、従来は上記デューティ比を変化させることによって前述した処理が行われているが、近年は未然に事故を防止するために種々のフェイルセイフ処理がなされている。このフェイルセイフ処理が行われると、フェイルセイフ処理を最優先で行わなければならないため、前述した制御周期が延びることがある。
【0008】
図7は制御周期が変化してディザ周期がPWM変調周期TPの1周期分延長された場合のディザ電流を示す図である。この図に示されるように、ディザ周期TD′はPWM変調周期TPの11周期分(TD+TP)であるので、上昇ディザ区間T1と下降ディザ区間T2とを同一に設定した場合には、PWM変調周期TPの途中で処理が上昇ディザ区間T1から下降ディザ区間T2へ変更される。
この場合、図6に示された平均電流Iaに比べて平均電流がIa′に上昇してしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ディザ周期が変化したとしても、平均電流が変化することのないブレーキ液圧制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、ブレーキペダルの操作量を検出する検出手段と、当該検出手段の検出結果に応じて、ホイールシリンダへ加える目標液圧に対応する電流値を演算し、前記目標液圧にパルス幅変調により作成された三角波状のディザを重畳した駆動電流を出力する制御手段と、前記駆動電流に応じた液圧を前記ホイールシリンダへ供給する供給手段とを有するブレーキ液圧制御装置において、
前記ディザ周期が変更された場合に、前記パルス幅変調周期を、変更されたディザ半周期の整数分の一に設定する設定変更手段を具備することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるブレーキ液圧制御装置の全体を示した構成図である。
図1において、符号1はブレーキペダルであり、このブレーキペダル1の踏み込みによってマスターシリンダ2が液圧を発生するようになっている。
【0012】
また、符号3は液圧によって制動力を発生するホイールシリンダ、符号4は倍力された液圧を供給する外部液圧供給源、符号5はブレーキペダル1の操作量に基づいて前記外部液圧供給源4からホイールシリンダ3に作用する圧力を調整する液圧制御弁、符号30は、液圧制御弁5の駆動を制御することにより、外部液圧供給源4からホイールシリンダ3に供給される液圧を制御してホイールシリンダ3にブレーキペダル1の操作量に応じた制動力を発生させるコントローラECUである。このコントローラECU30は、CPU(中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置、及びクロックが備えられている。上記RAM記憶装置には、後述する種々の情報を記憶するための記憶領域が設けられている。
【0013】
コントローラECU30は、入力される各種信号に基づいて、後述するモータ4c、フェイルセーフ弁8、ソレノイド22、及び液圧通路開閉弁29等を制御するための信号を演算算出する機能を有する。また、上記ソレノイド22に供給する電流に重畳させるディザ電流値を演算するとともに、このディザ電流値をPWM変調によって作成する機能を有する。また、このコントローラECU30には上記PWM変調でディザ信号を作成するためのトランジスタ等からなるディザ信号発生回路が設けられている。
【0014】
前記マスターシリンダ2の出力側の管路43には、切り換え弁6を介してドライバーがブレーキペダル1を操作したときにストロークと反力とをあたえるストロークシミュレータ7が接続され、また、フェイルセーフ弁8を介して前記ホイールシリンダ3が接続されている。なお、符号9,10はそれぞれマスタシリンダ2及びホイールシリンダ3の液圧を測定する圧力センサであって、これらの出力はそれぞれコントローラECU30へ供給されるようになっている。
【0015】
次に前記外部液圧供給源4の内部構成を説明する。符号4aは液圧ポンプであって、この液圧ポンプ4aはモータ4cによって駆動され、リザーバ4dからブレーキ液を吸い上げ、倍力された液圧を発生するようになっている。前記液圧ポンプ4aの出力側にはアキュームレータ4bが接続され、ホイールシリンダ3に供給するための倍力された高い液圧を蓄えるようになっている。また、符号4Eは、アキュームレータ4b内の圧力を検出する圧力センサであり、この圧力センサ4Eからの検出結果に基づいて、コントローラECU30がアキュームレータ4bの圧力が所定値以下となった際に、前記モータ4cを駆動させて液圧ポンプ4aによって加圧を行なわせるようになっている。
【0016】
次に、前記液圧制御弁5の構造を説明する。
符号11はボディーであって、このボディー11の内部には段付きのバルブ穴12が設けられ、このバルブ穴12に連通する液圧供給ポート13、ドレーンポート14、出力ポート15がそれぞれ設けられ図示の位置でバルブ穴12内に開口している。すなわち前記液圧供給ポート13は外部液圧供給源4に接続され、前記ドレーンポート14はリザーバ4dに接続されて大気開放されている。また、前記出力ポート15は後述するフェイルセーフ弁8を介してホイールシリンダ3に接続されている。
【0017】
前記バルブ穴12には、スプール16が摺動自在に収容されている。このスプール16は、同軸に設けられ、径が異なる2つの円筒形部材からなり、前記液圧供給ポート13及びドレーンポート14と出力ポート15との連通を制御する働きを有する。前記液圧供給ポート13と小径スプール16aとの間には可変絞りsが形成され、また、前記ドレーンポート14と大径スプール16bとの間には可変絞りtが形成されている。したがってスプール16が図中左方向へ移動することによって前記可変絞りtが閉じるとともに前記可変絞りsが開き出力ポート15の圧力が増加する。
【0018】
前記出力ポート15の出力は、前記ホイールシリンダ3へ向かう管路32から分岐した管路17を介して、液圧制御弁5の一端の反力室18に接続されており、この反力室18は反力発生手段19を構成する。この反力室18は、バルブ穴12の一側端部と大径スプール16bとの間のバルブ穴12の空間からなり、さらに、反力室18にはスプール16へ図中右方へ弾性力を与え、ブレーキペダル1が操作されていない場合は図1のように可変絞りsを閉じ、可変絞りtを連通させておくための圧縮ばね21が介在させられている。
【0019】
また、前記圧力制御弁5の他端には、比例ソレノイド22が設けられている。このソレノイド22は、前記バルブ穴12と同軸上にかつ軸方向に移動可能に設けられた可動子23、この可動子23に軸方向への推進力を与えるべく設けられたコイル24およびヨーク25と、前記可動子23とヨーク25との間に介在して図中左方へ弾性力を与える圧縮ばね26とから構成されている。
【0020】
そして、前記外部液圧供給源4のアキュームレータ4bと上記構造の液圧制御弁5の液圧供給ポート13との間の管路には、コントローラECU30からの信号によって開閉駆動される液圧通路開閉弁29が設けられている。即ち、この液圧通路開閉弁29によって、外部液圧供給源4から液圧制御弁5への液圧の供給路が開閉され、図1のようなブレーキペダル1が操作されていない状態においては高圧のブレーキがホイールシリンダ3側へリークしないようになっている。
なお、ABS機能あるいはトラクションコントロール機能等の制御を行うときは、以下に述べるブレーキペダル1の操作量、すなわち本実施形態の場合はセンサ9の出力に基づいてだけではなく車輪速センサ44あるいは加速度センサ、ヨーレイトセンサ、ステアリングセンサ(いずれも図示略)等の車両の挙動を検出するセンサからの信号により、目標液圧を計算する。
【0021】
上記構成において、ブレーキペダル1が踏み込まれると、コントローラECU30は圧力センサ9からの信号を読み込み、ブレーキペダル1の操作量に応じて、ホイールシリンダ3に供給する液圧に対応する電流値を演算するとともに、切り換え弁6を開弁して液圧通路開閉弁29を開弁し、フェールセーフ弁8の連通を液圧制御弁5側に切り換える。次に、コントローラECU30はディザをこの演算した電流値にディザを重畳してソレノイド22へ供給する。ソレノイド22はコントローラECU30から供給される電流値に応じた推力を図1中の左方向に発生させスプール16を図中左方向に推進させる。尚、この場合に、コントローラECU30から出力される電流にはディザが重畳されているのでスプール16は、図1中左右方向にディザ振動しつつ図中左方向へ移動されることとなる。このようにして、スプール16が図1中左方向へ移動して液圧供給ポート13が開くと出力ポート15及び管路32を介して、液圧がホイールシリンダ3へ供給されるので、制動力が得られることになる。
【0022】
一方、ブレーキペダルが放されると、これをコントローラECU30は圧力センサ9から出力される信号で読み込み、各車輪に対応して設けられているホイールシリンダ3の液圧を0MPaにするような電流値を算出する。この電流値は予め、液圧制御弁5やホイールシリンダ3の特性に併せて設定されている。コントローラECU30は算出した電流値にディザを重畳させてソレノイド22に出力する。この結果、ソレノイド22が発生する推力は減少し、スプール16が図1中右方向へ戻されて可変絞りtを開き、外部液圧供給源4のリザーバ4dへホイールシリンダ3に供給されたブレーキ液が戻されてホイールシリンダ3の液圧はなくなる。そしてコントローラECU30は圧力センサ44の出力によってホイールシリンダ3の液圧が0MPaになったのを確認してフェールセーフ弁8をマスタシリンダ2側に切換えるとともに、液圧通路開閉弁29を閉弁する。
尚、ブレーキペダル1が操作されているにも拘らず、ホイールシリンダ3のブレーキ液圧が低下しているときは、コントローラECU30はこの検出信号に基づき、フェールセーフ弁8を液圧制御弁5側へ切換えず、マスタシリンダ2側に連通させてホイールシリンダ3にマスタシリンダ2からの液圧を供給する。
【0023】
以上、本発明の一実施形態によるブレーキ液圧制御装置の全体的な構成及び動作について説明したが、次にソレノイド22へ供給される電流に重畳されるディザ電流波形について説明する。
図6に示された波形が基本となる波形であるが、フェイルセーフ処理等によって図7に示すようにディザ周期がPWM変調周期TPの1周期分だけ延びた場合、前述したようにPWM変調周期TPの途中で上昇ディザ区間T1から下降ディザ区間T2へ変わったり、下降ディザ区間T2から上昇ディザ区間T1へ変わったりするためにディザ電流の平均電流が変化する。
【0024】
しかしながら、図2に示されるように、ディザ周期がTD″となった場合、つまりディザ周期T0がPWM変調周期TPの2周期分だけ延びた場合(TD+2TP)には、上昇ディザ区間T1と下降ディザ区間T2とを同一に設定したとしても上述したように、PWM変調周期TPの途中で上昇ディザ区間T1から下降ディザ区間T2へ変わったり、下降ディザ区間T2から上昇ディザ区間T1へ変わったりするためにディザ電流の平均電流が変化することはなくなる。
【0025】
つまり、制御周期、即ちディザ周期が変化した場合にディザ電流の平均電流の変動を防止するためには、上昇ディザ区間の長さと下降ディザ区間の長さとを同一に設定して、各々の区間の周期がPWM変調周期TPの偶数倍(2n倍)となるように設定すればよい。言い換えると、ディザ周期が変化した場合に平均電流の変動を防止するためには、PWM周期がディザ半周期の偶数分の1(2n分の1)と設定すれば良いことになる。これが、本発明のポイントである。
【0026】
次に、上述した制御を行う場合の実際の制御のフローを説明する。図3は本発明の一実施形態によるブレーキ液圧制御装置に設けられたコントローラECU30の制御例を示すフローチャートである。このフローチャートはディザ周期の1周期分の処理を示している。
以下の処理では、コントローラECU30内に設けられたRAM内には経過時間を計測するカウンタ、経過時間を保存するレジスタ、制御周期を保存するレジスタ、PWM変調周期を保存するレジスタ、及び下降ディザを出力する切り換え時間を保存するレジスタ等が設けられており、このレジスタの内容を参照して制御が進められる。
【0027】
制御周期を保存するレジスタには予め基本の制御周期として「10」が記憶されており、制御周期が10msecに設定されており、PWM変調周期を保存するレジスタには前記基準の制御周期に基づき「1」が記憶されており、PWM変調周期が1msecに設定されている。また、下降ディザを出力する切り換え時間を保存するレジスタは、上昇ディザ区間と下降ディザ区間とが同一に設定されているので「5」が記憶されており、上昇ディザ区間及び下降ディザ区間の長さが5msecに設定されている。
【0028】
処理が開始すると、ステップS1において、RAM中に設けられている経過時間を計測するカウンタが初期化される。つまり、このカウンタに「0」を代入する処理が行われる。この初期化が終了するとこのカウンタの内容は時間が経過する毎に経過時間を示す内容に書き換えられる。
ステップS1の処理が終了するとステップS2へ進む。ステップS2では経過時間が記憶されているカウンタの内容と制御周期を記憶しているレジスタの内容とが比較される。つまりステップS2では、制御周期を計測する処理が行われる。
【0029】
ステップS2において、「No」と判断された場合、つまり経過時間が制御周期分だけ経過していないと判断された場合には、再び経過時間が計測されているレジスタの内容と制御周期を記憶しているレジスタの内容の比較が行われる。
一方、ステップS2において、「Yes」と判断された場合、つまり経過時間が制御周期分だけ経過したと判断された場合には、経過時間を記憶するレジスタに経過時間を計測するカウンタの内容が代入される。
【0030】
ステップS3では、経過時間を保存するレジスタの内容を10(すなわち2n)で除算し、PWM周期を保存するレジスタに代入する処理が行われる。つまり、ステップS3の処理では、ディザ周期に含まれるPWM周期の数は変更しないで10周期分に固定され、PWM変調周期を変更する処理が行われる。言い換えると、PWM変調周期がディザ周期の10分の1(2n分の1)に設定される。
【0031】
以上の処理が終了すると、ステップS4へ進む。ステップS4は上昇ディザ区間のディザ電流を出力する処理が開始される。この際、PWM変調周期はステップS3で算出されたPWM変調周期に基づいて変調が行われる。
上昇ディザ区間の処理がステップS4によって開始されると、ステップS5へ進み、経過時間を計測するカウンタの内容を再初期化する処理、つまりこのカウンタに「0」を代入する処理が行われる。この場合も、ステップS1で説明したように、カウンタの内容は時間が経過する毎に経過時間を示す内容に書き換えられる。
【0032】
ステップS6では、下降ディザを出力する切り換え時間として前回の制御周期である経過時間を記憶するレジスタの内容を2で除算し、切り換え時間を示すレジスタに代入する処理が行われる。この切り換え時間を示すレジスタを設ける理由は、以下に示すその他の処理に時間が費やされて制御周期が延長された場合に、上昇ディザ区間と下降ディザ区間との間で折り返されるようにするためである。
【0033】
ステップS7では、ディザ電流に関する処理以外の他の処理、例えばフェイルセーフ処理等の処理が行われ、ステップS6で設定した時間が経過すると下降ディザ区間の処理が割り込み開始される。つまり、ステップS8の処理が割り込まれ、コントローラECU30から、下降ディザ区間用のディザが重畳された電流がソレノイド22へ出力する処理が行われる。ステップS8の処理が終了するとディザ周期の1周期分の処理が終了する。
以上説明した処理及びステップS7の処理が終了すると、処理はステップS2へ戻り前述した処理が繰り返し行われる。
【0034】
図4は上昇ディザ区間及び下降ディザ区間におけるPWM変調時のデューティと電流値との関係を示す図である。図3に示されたステップS4及びステップS8の処理は、三角波に以下に説明するPWM変調を加えて出力する。この処理は、ディザ電流の平均値を一定にするために必要な処理である。
上昇ディザ区間におけるPWM変調のデューティと電流値との関係は、図中符号I10が付された曲線で表され、下降ディザ区間におけるPWM変調のデューティと電流値との関係は、図中符号I20が付された曲線で表される。図中符号I30が付された直線は理想的なPWM変調のデューティと電流値との関係を示す。
【0035】
図において、例えば、電流値が1.0[A]である場合、上昇ディザ区間と下降ディザ区間とのデューティと電流値との関係が同じであれば、一定のデューティでPWM変調を行えば良いが、図4に示されたように、上昇ディザ区間及び下降ディザ区間における特性が異なるために、上昇ディザ区間においてはデューティが60%に設定され、下降ディザ区間は20%に設定される。
図5は、本発明によるディザ波形を示す図である。この図に示されるように制御周期(ディザ周期)が変化しても、PWM変調周期の途中で上昇ディザ区間から下降ディザ区間へ切り換わったり、反対に下降ディザ区間から上昇ディザ区間へ切り換わったりすることがない。
【0036】
以上説明したように、本実施形態ではPWM変調周期をディザ周期の10分の1に設定したが、ディザ周期を長く設定した場合にはPWM変調周期をディザ周期の12分の1に、反対にディザ周期を短く設定した場合にはPWM変調周期をディザ周期の8分の1にするなど、PWM変調周期がディザ半周期の偶数分の1(2n分の1)であればディザ周期の長さに応じてPWM変調周期を変更してもよい。
また、本実施形態においては、上昇ディザ区間と下降ディザ区間との長さを同一にして、各区間ををディザ周期の半分となるようにしたが、これに関わらずPWM周期を上昇ディザ区間及び下降ディザ区間の長さをディザ周期の偶数分の1(2n分の1)に設定しても良い。
【0037】
以上説明した本発明の実施形態においては、ディザ周期が変わった場合においてもディザ電流の平均値が変動しない。
従って、ディザ周期を適宜調整してディザ効果を変化させることができる。
また、任意にPWM変調周期を設定することができるため、PWM駆動動作が行われるトランジスタのオン・オフ頻度を少なくすることができるため、PWM駆動回路の発熱を抑えることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ディザ周期が変更された場合であってもパルス幅変調周期がディザ半周期の整数分の一に変更されるので、電流値の平均値が変動しないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるブレーキ液圧制御装置の全体を示した構成図である。
【図2】 制御周期が変化した場合のディザ平均電流を説明するための説明図である。
【図3】 本発明の一実施形態によるブレーキ液圧制御装置に設けられたコントローラECU30の制御例を示すフローチャートである。
【図4】 上昇ディザ区間及び下降ディザ区間におけるPWM変調時のデューティと電流値との関係を示す図である。
【図5】 本発明によるディザ波形を示す図である。
【図6】 ディザ電流の一例を示す図である。
【図7】 制御周期が変化してディザ周期がPWM変調周期TPの1周期分延長された場合のディザ電流を示す図である。
【符号の説明】
3 ホイールシリンダ
4 外部液圧供給源(供給手段)
5 液圧制御弁(供給手段)
9 圧力センサ(検出手段)
30 コントローラECU(制御手段,設定変更手段)
Claims (1)
- ブレーキペダルの操作量を検出する検出手段と、当該検出手段の検出結果に応じて、ホイールシリンダへ加える目標液圧に対応する電流値を演算し、前記目標液圧にパルス幅変調により作成された三角波状のディザを重畳した駆動電流を出力する制御手段と、前記駆動電流に応じた液圧を前記ホイールシリンダへ供給する供給手段とを有するブレーキ液圧制御装置において、
前記ディザ周期が変更された場合に、前記パルス幅変調周期を、変更されたディザ半周期の整数分の一に設定する設定変更手段を具備することを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
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