JP3802715B2 - 部屋ボックスにおける補強仮設材の取付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ボックス式建築物を構成する部屋ボックスを補強するための補強仮設材の取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築物の構築にあたって、現場作業の軽減による工期の短縮及び均一な施工を実現するために、予め設備の整った工場等において複数の箱形の部屋ボックスを製造し、これら部屋ボックスを現場で組み合わせて建築物を完成させるといった工法が採用されている。
【0003】
この種の部屋ボックスの中には、天井フレームに面材を取り付けてなる天井、床フレームに面材を取り付けてなる床、及び軸フレームに面材を取り付けてなる壁を複合化したものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、上記のような部屋ボックスにおいては、特に天井と床の間に軸フレームが配されていない開放部を有する場合、単体で水平力、垂直力に耐えることができず、工場から現場への移送に際して、クレーンで吊り上げると、変形を生じてしまう虞がある。このため、部屋ボックスをクレーンで吊り上げるときには、特殊な大型治具を必要としていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑み、クレーン吊り上げ時の変形を、簡単且つ確実に防止することができる補強仮設材の取付け構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決するため、この発明では、天井、床及び壁とからなる部屋ボックスにおいて、壁が設けられていない開放部に取り付けられる補強仮設材の取付け構造であって、天井の下面には、L字形接合金具の水平片部を、その垂直片部が下向きとなるようにして取り付けるとともに、床の上面には、同じくL字形接合金具の水平片部を、その垂直片部が上方に突出するようにして取り付け、前記補強仮設材は、前記部屋ボックスを吊り上げるクレーンワイヤーの作用方向に沿ってハ字型に配される一対の方杖と、これら方杖間のほぼ中央位置に配される仮設柱とからなり、これら方杖及び仮設柱の上端及び下端を、上下の垂直片部へそれぞれ接合するようにした。
【0007】
また、接合金具の垂直片部には、天井若しくは床の前記開放部側の端縁方向に沿って、それぞれ複数の取付け穴を形成した。
【0008】
さらに、接合金具を、天井フレーム又は床フレームに取り外し可能に取り付けるとともに、方杖及び仮設柱を、それら接合金具に取り外し可能に取り付けた。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る部屋ボックスの一例を示す斜視図、図2は、同じくその分解斜視図である。
【0010】
本実施形態に係る部屋ボックス(2)は、予め設備の整った工場で製造されるもので、例えば図1及び図2に示すように、天井としての天井パネル(10)と、床としての床パネル(11)と、これら天井パネル(10)と床パネル(11)との間に差し渡した壁体(12)(13)(14)とから箱形に形成されている。
【0011】
天井パネル(10)は、天井フレーム(15)と、この天井フレーム(15)の下面に取り付けられたパーティクルボード及び内装面材からなる天板(16)とからなる。
【0012】
天井フレーム(15)は、軽量形鋼からなる一対の長尺横材(17)(17)と、同じく軽量形鋼からなる一対の短尺横材(18)(18)とを方形枠状に接合してなり、長尺横材(17)(17)間には、複数の横桟(19)(19)…が適宜間隔をあけて差し渡されている。そして、この天井フレーム(15)の枠内には、断熱材(20)(20)…が充填されている。また、天井フレーム(15)における一方の長尺横材(17)及び両方の短尺横材(18)(18)の側面には、一対のL字形の固定プレート(21)(21)が夫々取り付けられている。
【0013】
さらに、両方の長尺横材(17)(17)の上面には、紐状体である4本のクレーンワイヤー(28)(28)…を引っ掛ける一対のアイボルト(29)(29)が夫々取り外し可能に螺合されている。なお、アイボルト(29)(29)…に引っ掛けられた4本のクレーンワイヤー(28)(28)…は、天井パネル(10)の中央上方で1本に束ねられ、クレーンで引き上げられるようになっている。
【0014】
また、他方の長尺横材(17)には、その中央位置及び中央と両端とのほぼ中間の位置に、合計3個の接合金具(26)(26)…が取り外し可能に取り付けられている。
【0015】
この接合金具(26)は、図3に示すように、水平片部(22)と垂直片部(23)とからなるL字形のプレートで、これら水平片部(22)及び垂直片部(23)には、取付け穴としての3個のボルト穴(24)(24)…がそれぞれ形成されている。そして、天板(16)を切り欠くことによって、露出した他方の長尺横材(17)の下面に、接合金具(26)の水平片部(22)を当接させて、互いに一致した長尺横材(17)のボルト穴(25)(25)…と水平片部(22)のボルト穴(24)(24)…に下方から挿入したボルト(27)(27)…へ、ナット(70)(70)…を螺合して締め付けることで、接合金具(26)は、その垂直片部(23)が下向きになるようにして長尺横材(17)に取り付けられるようになっている。
【0016】
床パネル(11)は、床フレーム(30)と、この床フレーム(30)の上面に取り付けられたパーティクルボードからなる床板(31)とからなる。床フレーム(30)は、軽量形鋼からなる一対の長尺横材(32)(32)と、同じく軽量形鋼からなる一対の短尺横材(33)(33)とを方形枠状に接合してなり、長尺横材(32)(32)間には、複数の横桟(34)(34)…が適宜間隔をあけて差し渡されている。そして、床フレーム(30)における一方の長尺横材(32)及び両方の短尺横材(33)(33)には、一対のL字形の固定プレート(35)(35)…が夫々取り付けられている。
【0017】
また、他方の長尺横材(32)のには、その中央位置及び両端位置に、合計3個の接合金具(36)(36)…が取り外し可能に取り付けられている。
【0018】
この接合金具(36)は、図4に示すように、水平片部(37)と垂直片部(38)とからなるL字形のプレートで、これら水平片部(37)及び垂直片部(38)には、取付け穴としての3個のボルト穴(39)(39)…がそれぞれ形成されている。そして、床板(31)を切り欠くことによって、露出した他方の長尺横材(32)の上面に、接合金具(36)の水平片部(37)を当接させて、互いに一致した長尺横材(32)のボルト穴(42)(42)…と水平片部(37)のボルト穴(39)(39)…に上方から挿入したボルト(55)(55)…へ、ナット(56)(56)…を螺合して締め付けることで、接合金具(36)は、その垂直片部(38)が上向きになるようにして長尺横材(32)に取り付けられるようになっている。
【0019】
壁体(12)は、建築物の外壁を構成するもので、軸フレーム(40)と、この軸フレーム(40)の外面側に取り付けられた外壁材(41)と、軸フレーム(40)の内面側に断熱内壁枠(43)を介して取り付けられた内壁材(44)とからなる。軸フレーム(40)は、軽量形鋼からなる上下一対の横材(45)(45)と、同じく軽量形鋼からなる左右一対の縦材(46)(46)とを方形枠状にピン接合してなり、その上側の横材(45)が天井フレーム(15)における短尺横材(18)の固定プレート(21)(21)に固定され、その下側の横材(45)が床フレーム(30)における短尺横材(33)の固定プレート(35)(35)に固定され、これによって壁体(12)は、天井パネル(10)と床パネル(11)の短手方向に沿った一端部間に跨って配されている。
【0020】
壁体(13)は、建築物の間仕切り壁を構成するもので、壁体(12)に対向して天井パネル(10)と床パネル(11)の短手方向に沿った他端部間に跨って配されている。この壁体(13)は、方形枠状の軸フレーム(50)のみによって構成されているが、工場又は現場作業おいてその内面側に適宜内壁材(44)が取り付けられるようになっている。なお、この軸フレーム(50)も、壁体(12)の軸フレーム(40)と同様に軽量形鋼の横材(51)(51)及び縦材(52)(52)を方形枠状にピン接合してなり、その横材(51)(51)が対応する上下の固定プレート(21)(21)(35)(35)に夫々固定されている。
【0021】
壁体(14)は、壁体(12)と同様に建築物の外壁を構成するもので、並設された軸フレーム(57)(58)(59)と、これら軸フレーム(57)(58)(59)の外面側に取り付けられた外壁材(41)と、軸フレーム(57)(58)(59)の内面側に断熱内壁枠(43)を介して取り付けられた内壁材(44)とからなる。これら軸フレーム(57)(58)(59)は、壁体(12)の軸フレーム(40)と同様に軽量形鋼の横材及び縦材を方形枠状にピン接合してなるが、そのうちの1つの軸フレーム(57)の枠内には、ブレース(66)(66)が差し渡されて、この軸フレーム(57)部分が耐力壁を構成している。なお、軸フレーム(57)(58)(59)は、図示しないボルトによって互いに横綴りされている。
【0022】
そして、この壁体(14)は、その軸フレーム(58)(59)の上下端が、天井フレーム(15)における一方の長尺横材(17)及び床フレーム(30)の一方の長尺横材(32)の固定プレート(21)(21)…に夫々固定されて、天井パネル(10)と床パネル(11)の長手方向に沿った一端部間に跨って配されている。
【0023】
従って、上記構成の部屋ボックス(2)は、天井パネル(10)と床パネル(11)との間に、コ字型に並んだ壁体(12)(13)(14)を配置した構造となっており、天井パネル(10)と床パネル(11)の長手方向に沿った他端部間の面は開放されている。このような構造の場合、それ単体で構造的に独立して水平力や垂直力に耐えることができず、工場から現場への移送に際して、天井フレーム(15)のアイボルト(29)(29)…にクレーンワイヤー(28)(28)…を引っ掛けて、部屋ボックス(2)を吊り上げると、変形を生じる虞がある。
【0024】
そこで、部屋ボックス(2)の開放部(60)側には、部屋ボックス(2)の変形を防止するための補強仮設材(61)を取り付けるようにしている。この補強仮設材(61)は、吊り上げ時の開放部(60)側のクレーンワイヤー(28)(28)の作用方向に沿って、ハ字型に設けられた軽量形鋼からなる一対の方杖(62)(62)と、これら方杖(62)(62)間のほぼ中央位置に設けられた軽量形鋼からなる仮設柱(63)とから構成されている。
【0025】
これら方杖(62)(62)及び仮設柱(63)の上端は、図5に示すように、天井パネル(10)側の接合金具(26)の垂直片部(23)へ外側から当接した状態で、互いに一致した垂直片部(23)のボルト穴(24)と仮設材側のボルト穴(71)に外側から挿入したボルト(72)へ、ナット(73)を螺合して締め付けることで、取り外し可能に取り付けられている。また、下端は、床パネル(11)側の接合金具(36)の垂直片部(38)へ外側から当接した状態で、互いに一致した垂直片部(38)のボルト穴(39)と仮設材側のボルト穴(74)に外側から挿入したボルト(75)へ、ナット(76)を螺合して締め付けることで、取り外し可能に取り付けられている。
【0026】
この取付状態において、接合金具(26)(36)…の垂直片部(23)(38)…には、天井パネル(10)若しくは床パネル(11)の開放部(60)側の端縁方向、すなわち他方の長尺横材(17)(32)方向に沿ってボルト穴(24)(39)…が形成されているので、方杖(62)(62)や仮設柱(63)の取付位置をその方向に沿って微調節することができるようになっている。
【0027】
なお、上記の部屋ボックス(2)は、複数種類のうちの1つのタイプに過ぎず、この他にも各種タイプが用意されており、例えば、壁体(12)を外壁材(41)無しの間仕切り壁としたタイプ、或いは長手方向の壁体(14)を設けることなくその部分を開放部としたタイプ等がある。また。部屋ボックス(2)の適用場所に応じて、例えば、台所部分であればシステムキッチンを設置したり、洗面部分であれば洗面台やユニットバス等を設置する等、各種の内装が施されている。
【0028】
しかし、いずれのタイプも、ボックスとしての形状及び移送に際しての剛性を最低限確保できるように、天井フレーム(15)と床フレーム(30)との間に、少なくとも互いに対向する一対の軸フレームを差し渡した構造となっている点では共通している。
【0029】
このようにして工場で製造した各種の部屋ボックス(2)(2)…は、クレーンワイヤー(28)(28)…で順次吊り上げられてトラックに積載される。この吊り上げ時には、図1及び図6に示すように、クレーンワイヤー(28)(28)…が天井パネル(10)の中央上方からアイボルト(29)(29)…に向かって放射状に張られており、これらクレーンワイヤー(28)(28)…の引張力は、各軸フレーム(40)(50)(57)(58)(59)を介して床パネル(11)側に伝達されるだけでなく、開放部(60)側においても、方杖(62)(62)及び仮設柱(63)を介して床パネル(11)側に伝達される。従って、クレーンワイヤー(28)(28)…の引張力は、部屋ボックス(2)全体にまんべんなく分散されることになり、これによって部屋ボックスの(2)変形が防止される。
【0030】
特に、方杖(62)(62)をクレーンワイヤー(28)(28)の作用方向に沿ってハ字型に配置しているので、強度の弱い開放部(60)側においても、クレーンワイヤー(28)(28)の引張力を効率良く床パネル(11)側に伝達することができるとともに、クレーンワイヤー(28)(28)が引っ掛けられるアイボルト(29)(29)間に仮設柱(63)が存在するので、天井フレーム(15)の長尺横材(17)の座屈を確実に防止することができる。しかも、吊り上げた状態からトラックへ積載時、或いはトラックによる移送時に、部屋ボックス(2)に衝撃が加わっても、開放部(60)側には方杖(62)(62)及び仮設柱(63)があるので、ボックスとしての形状を確実に維持することができる。
【0031】
そして、トラックによって現場まで運搬された部屋ボックス(2)(2)…は、再びクレーンワイヤー(28)(28)…で吊り上げられて基礎上に順次設置される。そして、部屋ボックス(2)(2)…から方杖(62)(62)、仮設柱(63)、及び各種接合金具(26)(36)を取り外し、それら部屋ボックス(2)(2)…の上側に、構造梁、2階部分を構成する部屋ボックス(2)(2)…及び小屋組等を順次積み重ねることによって、建築物が構築されるようになっている。
【0032】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記の実施形態において多くの修正変更を加え得ることは勿論である。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の部屋ボックスによると、開放部側に補強仮設材をL字形接合金具を介して簡単に取り付けているので、枠状フレームを組み合わせた強度的に弱い構造であっても、従来のように大型の治具を用いることなく、クレーンワイヤーによる吊り上げ時の変形を防止することができる。
【0034】
また、接合金具の垂直片部には、天井若しくは床の端縁方向に沿って、複数の仮設材取付用の取付け穴が形成されているので、仮設材の取付位置を端縁方向に微調節することができ、仮設材を精度良く取り付けることができる。
【0035】
さらに、接合金具や補強仮設材は、取り外すことができるので、設計の妨げにならず、別の部屋ボックスの移送時には再度利用することも出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る部屋ボックスの一例を示す斜視図である。
【図2】同じくその分解斜視図である。
【図3】天井フレームへの接合金具の取付状態を示す分解斜視図である。
【図4】床フレームへの接合金具の取付状態を示す分解斜視図である。
【図5】天井フレームと接合金具の接合部、及び、床フレームと接合金具の接合部を示す断面図である。
【図6】クレーンワイヤーと方杖及び仮設柱との位置関係を示す図である。
【符号の説明】
(2) 部屋ボックス
(10) 天井
(11) 床
(12)(13)(14) 壁
(15) 天井フレーム
(26)(36) L字形接合金具
(22)(37) 水平片部
(23)(38) 垂直片部
(24)(39) 取付け穴
(30) 床フレーム
(60) 開放部
(61) 補強仮設材
(62) 方杖
(63) 仮設柱
Claims (4)
- 天井、床及び壁とからなる部屋ボックスにおいて、壁が設けられていない開放部に取り付けられる補強仮設材の取付け構造であって、天井の下面には、L字形接合金具の水平片部を、その垂直片部が下向きとなるようにして取り付けるとともに、床の上面には、同じくL字形接合金具の水平片部を、その垂直片部が上方に突出するようにして取り付け、前記補強仮設材は、前記部屋ボックスを吊り上げるクレーンワイヤーの作用方向に沿ってハ字型に配される一対の方杖と、これら方杖間のほぼ中央位置に配される仮設柱とからなり、これら方杖及び仮設柱の上端及び下端を、上下の垂直片部へそれぞれ接合するようにしたことを特徴とする部屋ボックスにおける補強仮設材の取付け構造。
- 接合金具の垂直片部には、天井若しくは床の前記開放部側の端縁方向に沿って、それぞれ複数の取付け穴を形成した請求項1記載の部屋ボックスにおける補強仮設材の取付け構造。
- 接合金具は、天井フレーム又は床フレームに取り外し可能に取り付けられるものである請求項1又は2記載の部屋ボックスにおける補強仮設材の取付け構造。
- 方杖及び仮設柱は、接合金具に取り外し可能に取り付けられるものである請求項1乃至3のいずれかに記載の部屋ボックスにおける補強仮設材の取付け構造。
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Applications Claiming Priority (1)
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