JP3799756B2 - 光ヘッド装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD(コンパクトディスク)、CD−ROM、ビデオディスク等の光ディスク及び光磁気ディスク等の光学記録媒体に光学的情報を書き込んだり、光学的情報を読み取るための光ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスク及び光磁気ディスク等の光記録媒体に光学的情報を書き込んだり、光学的情報を読み取る光ヘッド装置において、CD/CD−ROMとDVDディスクのように異なる厚さのディスクに対して信号の読み書きを1つの光ヘッド装置で実現するために、次のような構成が採られていた。
【0003】
例えば、レンズの表面にフレネルレンズタイプのブレーズホログラムを形成し、半導体レーザからレンズに入射した光のうち、例えば約半分をホログラムによってビームが広がる方向に回折し、残り半分はそのまま透過せしめ、その後にレンズ本体によって各々のビームを収束せしめることによって、2つの焦点を持つ光を1つの光ヘッド装置によって作り出すことが行われてきた。
また、レンズは従来と同様のものにし、上記と同じ機能を持つフレネルホログラムレンズプレートを別途分離して配置させることも試みられている。
【0004】
しかしこれらの方式では、上記のホログラムによって往路で光の光量が半分になり、かつ復路でも再び光量が半分になるので、往復で光量が1/4以下になる問題があった。
【0005】
このため、特に大きな出力を得るのが困難である赤色の半導体レーザを利用した光ヘッド装置の場合、光源に対する負荷が大きくなり、消費電力の増加、光ヘッド装置の大型化、コストの上昇、信頼性の低下をもたらす問題があった。
【0006】
また、2個の焦点距離の異なるレンズを用意し、それを機械的に切り替えて使用することも行われているが、機械的に移動させて使用するので、光ヘッド装置の大型化、コストの上昇、信頼性の低下をもたらす問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の問題を解消し、光の利用効率を高め、小型化が容易で、安価に生産性良く製造できる2焦点レンズを組み込んだ光ヘッド装置の提供を目的とする。
また、偏光ホログラムや偏光ビームスプリッタを用いたいわゆる偏光系でも使用できる2焦点レンズを組み込んだ光ヘッド装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光源、ビームスプリッタ、位相差板、液晶レンズ及び光検出器を有する光ヘッド装置において、ビームスプリッタと光記録媒体との間に配置する液晶レンズとして、液晶セルの基板の少なくとも一方が凹部又は凸部を有しており、内部に充填された液晶がツイストしており、液晶の常光屈折率をn 、異常光屈折率をn 、ツイストピッチをP、真空中の波長をλとしたとき、(n −n P/(8λ)≦0.05であって、基板の少なくとも一部に設けられた電極によって焦点距離又は光の位相分布を可変としたものを使用し、位相差板により円偏光とされた光が液晶レンズに入射することを特徴とする光ヘッド装置を提供する。
【0009】
また、光源、ビームスプリッタ、位相差板、液晶レンズ及び光検出器を有する光ヘッド装置において、ビームスプリッタと光記録媒体との間に配置する液晶レンズとして、液晶セルの基板の少なくとも一方が微細な凹部又は凸部を有してフレネルレンズ構造とされており、内部に充填された液晶がツイストしており、液晶の常光屈折率をn 、異常光屈折率をn 、ツイストピッチをP、真空中の波長をλとしたとき、(n −n P/(8λ)≦0.05であって、基板の少なくとも一部に設けられた電極によって焦点距離又は光の位相分布を可変としたものを使用し、位相差板により円偏光とされた光が液晶レンズに入射することを特徴とする光ヘッド装置を提供する。
【0010】
さらに、それらの液晶レンズの中央部分の基板がほぼ平板とされている光ヘッド装置を提供する。
【0011】
さらには、それらの基板の屈折率を、液晶の常光屈折率又は異常光屈折率又は常光屈折率と異常光屈折率の平均にほぼ等しくした光ヘッド装置、及び、それらのビームスプリッタとして、格子状の凹部を設けた基板を少なくとも一方の基板として用い、基板間に光学異方性材料を充填した偏光回折素子を用いる光ヘッド装置を提供する。
【0012】
本発明では、液晶レンズを用いているので、外部からの電圧印加によって焦点距離又は光の位相分布を切り替え可能であり、利用効率の高い光ヘッド装置が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の基本的な構成を示す模式図である。図1において、1は半導体レーザ等の光源、2はビームスプリッタ、3は位相差板、4は液晶レンズ、5は集光レンズ、6は第1の光記録媒体、7は第2の光記録媒体、8は光検出器を示す。
【0014】
光源1から出た光は、ビームスプリッタ2を通過し、位相差板3を通過し、液晶レンズ4を通過して、集光レンズ5で集光されて光記録媒体に到達する。ここで、液晶レンズに電圧を印加するか否か又は印加する電圧を変えることにより、液晶レンズの焦点距離又は光の位相分布を変えて、第1の光記録媒体6又は第2の光記録媒体7に焦点を合わせる。なお、本発明でビームスプリッタは、プリズム状のもの、液晶ホログラム等の偏光ビームスプリッタが使用できる。
【0015】
この光記録媒体から反射して戻ってきた光は、再度集光レンズ5、液晶レンズ4、位相差板3、ビームスプリッタ2を順次通過し、ビームスプリッタ2で分離された光が光検出器8に到達する。
【0016】
図2は、基板が凹部又は凸部を有する液晶レンズの例を示す断面図である。図2において、11、12は基板、13はその基板に設けられた凹部、14、15は電極、16は周辺のシール材、17は基板間に充填された液晶を示す。
【0017】
この基板11、12は、プラスチック、ガラス等の透明基板が使用できる。この基板の少なくとも一方の内面側(液晶側)に凹部又は凸部を形成する。この図では基板12側に凹部を形成している。この凹部又は凸部は基板自体に形成してもよく、表面に有機又は無機の透明膜を所定の形状に形成してもよい。
【0018】
この加工は、基板自体に形成する場合には、機械的に削ったり、プレス成形したり、エッチングしたりして形成すればよい。表面に有機又は無機の透明膜を形成する場合には、透明膜を全面に形成後、基板自体の場合と同様に削ったり、エッチングしたりして形成してもよく、直接所定のパターンに堆積させたり、印刷したりして形成してもよい。
【0019】
図3は、基板をフレネルレンズ構造にした液晶レンズの例を示す断面図である。図3において、21、22は基板、23はその基板に設けられたフレネルレンズ構造の凹凸部、24、25は電極、26は周辺のシール材、27は基板間に充填された液晶を示す。
このフレネルレンズ構造の凹凸部も前記した基板に凹部又は凸部を形成する方法と同様の方法で形成できる。
【0020】
これらのレンズの凹凸は、完全に所定の形状としてもよく、加工が容易になるように中心部のみは平坦な形状にして用いてもあまり問題はない。特に、フレネルレンズ構造とする場合には、中心部を平坦にしておくことにより、加工が容易になり好ましい。この中心部とは、レンズの外径に対して20〜60%程度の径より内側の領域を意味する。
【0021】
電極14、15、24、25は、通常のITO等の透明電極が使用できる。通常は全面ベタ電極とすることでよいが、例えばリング状にパターニングして部分的にレンズ作用を変えさせるようにもできる。また、一部に金属線等を設けて低抵抗化することもできる。
【0022】
また、図示していないが、この電極上にポリイミド、ポリアミド、SiO等の配向膜を形成して用いる。代表的な例では、ポリイミド膜を形成し、表面をラビングして配向膜を形成する。この配向膜のラビング方向は、液晶が2枚の基板間でツイストさせるようにして使用できる。
【0023】
このようにして形成された2枚の基板を電極側が対向するように配置し、周辺でシール材16、26で接着して、内部に液晶17、27を充填する。この液晶としては、通常のネマチック液晶が使用される。
【0024】
次いで光ヘッド装置の動作を説明する。
光源1から出た光は、直線偏光、例えばP偏光(紙面に平行な方向の偏光)を有するとする。図2の液晶レンズで正の誘電異方性のネマチック液晶を用い、基板12の屈折率を液晶の常光屈折率nと異常光屈折率nとの中間の値(n+n)/2に一致するようにしたものを用い、その配向膜の光源側のラビング方向は紙面に平行な方向にする。
【0025】
この場合、液晶が右ねじれでツイストピッチP(360°ツイストするピッチ)でツイストしているとすると、右回り円偏光の光に対する液晶の実効的な屈折率は近似的に(n+n)/2+(n−nP/(8λ)と表される。また、左回り円偏光の光に対する液晶の実効的な屈折率は近似的に(n+n)/2−(n−nP/(8λ)と表される。
【0026】
液晶レンズ4がオフ状態の場合、光源側の基板では液晶は基板にほぼ平行にかつ紙面に平行な方向に配向している。反対側(光記録媒体側)の基板では、例えば90°ねじれた状態等の光源側の基板の配向角度と異なる角度で配向しているとする。
【0027】
往路では光源1から出た光は、ビームスプリッタ2を通過し、次いでλ/4板等の位相差板3により右回り円偏光にされ、液晶レンズ4に入射する。このビームスプリッタ2は、光の偏光方向によってビームスプリッタとして機能したり機能しなかったりする偏光系ビームスプリッタとされる。
【0028】
このとき、(n+n)/2に比して(n−nP/(8λ)が小さいとすると、右回り円偏光の光に対して液晶の実効的な屈折率は近似的に(n+n)/2に等しくなる。このため、往路では光源1から出た光は、基板の屈折率(液晶の常光屈折率と異常光屈折率との中間)とねじれた液晶の屈折率はほぼ一致することになり、屈折率が等しいので光は屈折せずにほぼ直進する。そして、集光レンズ5で集光されて第1の光記録媒体6に焦点を結ぶ。
【0029】
復路では、第1の光記録媒体6の表面で反射された光は、左回りの円偏光になり、再度集光レンズ5、レンズとして機能していない液晶レンズ4を通過し、位相差板3で直線偏光に戻され、ビームスプリッタ2で光が分離され光検出器8に到達する。
【0030】
また、本発明では、右回り円偏光に対する液晶部の実効屈折率と、左回り円偏光に対する液晶部の実効屈折率とが、実用上許容される範囲内でほぼ等しいことが重要になる。そのためには、ピッチPはあまり大きくないことが好ましい。具体的には、ピッチPは5μm以下にされることが好ましく、特に3μm以下にすることが好ましい。
【0031】
また、液晶のピッチPと液晶層の厚さdとの比d/Pが1.0を超える場合、電圧オフ時に液晶らせん軸の乱れたフォーカルコニック状態による光散乱のため、実質的にターンオフ時間が増大する傾向にある。このため、液晶の粘性を低くする、基板界面付近の液晶配向ベクトルと基板面とのなす角度すなわちプレチルト角を大きくする等が好ましい。
【0032】
液晶レンズ4に電圧が印加されてオン状態になると、液晶は電界方向に整列し、基板にほぼ垂直に(紙面の上下方向)に配向する。このため、往路では光源1から出た光は、ビームスプリッタ2を通過し、次いで位相差板3により右回り円偏光にされ、液晶レンズ4に入射する。
【0033】
ここで基板の屈折率(液晶の常光屈折率と異常光屈折率との中間)と液晶の屈折率(常光屈折率となる)は一致しないことになり、凹レンズとして機能することになり光は屈折する。このため、集光レンズ5で集光された際に焦点距離が長くなって、第2の光記録媒体7に焦点を結ぶ。
【0034】
復路では、第2の光記録媒体7の表面で反射された光は、左回り円偏光になり、再度集光レンズ5、凹レンズとして機能している液晶レンズ4を通過し、位相差板3で直線偏光に戻され、ビームスプリッタ2で光が分離され光検出器8に到達する。
【0035】
上記例では、基板12が凹部を有する基板を用いたが、同じ構成で凸部を有する基板を用いれば、凸レンズとして機能することになる。また、基板12の屈折率を液晶の常光屈折率nと一致するようにしたものを用いれば、電圧オフ時に基板12が凹部を有する基板を用いた場合には凸レンズとして機能し、凸部を有する基板を用いた場合には凹レンズとして機能する。
【0036】
この場合、配向処理は両側の基板とも水平配向処理をする、片側の基板のみを水平配向処理する、片側の基板のみを水平配向処理し他方の基板を垂直配向処理する、両側の基板とも垂直配向処理をする等の配向処理が可能である。
【0037】
垂直配向処理は、有機シラン、レシチン、界面活性剤等で電極基板表面を処理する方法で行えばよい。また、水平配向処理は、電極、基板又はその上に形成された有機、無機のオーバーコート材を布等で一方向にこする方法や、斜方蒸着法等により行えばよい。
【0038】
なお、本発明で使用する光源1は、通常の光ヘッド装置に使用される光源が使用できる。具体的には、半導体レーザによる光源が最も一般的であるが、他のレーザや波長変換素子を組み合わせた光源も使用できる。
【0039】
ビームスプリッタ2は、特定の偏光方向の光のみ回折させるものであり、往路の光源からの光はそのまま通過し、復路の光は回折又は反射する等して、光検出器に光を到達させうるものであればよい。具体的には、回折格子、液晶を用いた回折格子、複合プリズム等が使用できる。特に、特定の偏光方向の光のみ回折させる液晶を用いた回折格子が好適である。
位相差板3は、直線偏光で入射した光を円偏光に変換するλ/4板等の公知の位相差板が使用できる。
【0040】
集光レンズ5は、第1の光記録媒体又は第2の光記録媒体のいずれかに光を集光させるためのレンズである。液晶レンズ4が電圧オン状態とオフ状態とでいずれもある程度レンズとして機能する場合には、その使用状態のいずれかの状態で第1の光記録媒体又は第2の光記録媒体のいずれかに光を集光させうるようにする。
【0041】
【実施例】
「例1」
図2に示すように、基板11、12として厚さ0.5mmで、大きさが10×10mmで、屈折率が1.57のガラス基板を用い、下面のガラス基板の中心はプレスにより非球面凹レンズ状に凹部13を形成した。この非球面レンズは、直径2mm、中心の深さは5μmとした。上面、下面の基板11、12とも電極14、15としてITO電極を形成後、ポリイミドの膜を塗布し、ラビングして水平配向処理を行った。
【0042】
この2枚の基板11、12を夫々の配向方向が平行になるように対向させ、周辺でシールして、レンズ中心部で間隙が10μm、周辺部で間隙が5μmの空セルを形成した。なお、基板11、12の外面には夫々反射防止膜を形成した。
【0043】
この空セルに、液晶17として常光屈折率が1.52、Δnが0.1、ツイストピッチPが10μmの正の誘電異方性のネマチック液晶組成物を注入し、注入口を封止して液晶レンズを製造した。
【0044】
図1に示すように、この液晶レンズ4を配置して、波長650nmの右回り及び左回りの円偏光の透過率を測定したところ、右回りの円偏光(光ヘッド装置での往路)では95%、左回りの円偏光(光ヘッド装置での復路)でも95%の効率であり、往復で90%の効率が得られた。
【0045】
まず、液晶レンズ4の上下の基板11、12の電極14、15間に電圧を印加しない場合について説明する。光源1から出たP偏光(紙面に平行な偏光方向)の光は、偏光系のビームスプリッタ2を通過し、位相差板3で右回りの円偏光になった光は、液晶レンズ4でほとんど屈折されなく通過し、第1の光記録媒体6に焦点が合った。
【0046】
この第1の光記録媒体6で反射した光は左回りの円偏光になり、再度液晶レンズ4をほぼそのまま通過し、位相差板3で直線偏光に戻され、S偏光(紙面に垂直な偏光方向)の光になって、偏光系のビームスプリッタ2に入射する。S偏光の光はビームスプリッタ2で回折されて、光検出器8に到達した。
【0047】
一方、液晶レンズ4の上下の基板11、12の電極14、15間に100Hz、5Vの電圧を印加した場合について説明する。光源1から出たP偏光(紙面に平行な偏光方向)の光は、偏光系のビームスプリッタ2を通過し、位相差板3で右回りの円偏光になった光は、液晶レンズ4で屈折され、第2の光記録媒体7に焦点が合った。
【0048】
この第2の光記録媒体7で反射した光は左回りの円偏光になり、再度液晶レンズ4で屈折され、位相差板3で直線偏光に戻され、S偏光(紙面に垂直な偏光方向)の光になって、偏光系のビームスプリッタ2に入射する。S偏光の光はビームスプリッタ2で回折されて、光検出器8に到達した。
【0049】
「例2」
例1の液晶レンズの代わりに、同じガラス基板を使用し、図3に示すようにフレネルレンズ構造の凹凸部23をプレスにより形成した。フレネルレンズ構造の凹凸部23は、直径2mm、中心の深さは2μmとした。周辺部での間隙が4μmとする他は例1と同様にして空セルを形成した。
【0050】
この空セルに、液晶27として常光屈折率が1.52、Δnが0.1、ツイストピッチPが4μmの正の誘電異方性のネマチック液晶組成物を注入し、注入口を封止して液晶レンズを製造した。
【0051】
この液晶レンズを例1と同様に図1の構成の光ヘッド装置に組み込んだ。波長650nmの右回り及び左回りの円偏光の透過率を測定したところ、右回りの円偏光(光ヘッド装置での往路)では95%、左回りの円偏光(光ヘッド装置での復路)でも95%の効率であり、往復で90%の効率が得られた。例1と同様に100Hz、5Vの電圧のオン、オフにより、焦点を切り替えることができた。
【0052】
「例3」
図2に示すように、基板11、12として厚さ0.5mmで、大きさが10×10mmで、屈折率が1.62のガラス基板を用い、下面のガラス基板の中心はプレスにより非球面凹レンズ状に凹部13を形成した。この非球面レンズは、直径2mm、中心の深さは5μmとした。上面、下面の基板11、12とも電極14、15としてITO電極を形成した。次いで、上面の基板11にはポリイミドの膜を塗布し、ラビングして水平配向処理を行った。また、下面の基板12には有機シラン系の垂直配向剤を塗布した。
【0053】
この2枚の基板11、12を夫々の配向方向が平行になるように対向させ、周辺でシールして、レンズ中心部で間隙が10μm、周辺部で間隙が5μmの空セルを形成した。なお、基板11、12の外面には夫々反射防止膜を形成した。
【0054】
この空セルに、液晶17として常光屈折率が1.52、Δnが0.2、ツイストピッチPが2μmの正の誘電異方性のネマチック液晶組成物を注入し、注入口を封止して液晶レンズを製造した。
【0055】
この液晶レンズを例1と同様に図1の構成の光ヘッド装置に組み込んだ。波長650nmの右回り及び左回りの円偏光の透過率を測定したところ、右回りの円偏光(光ヘッド装置での往路)では95%、左回りの円偏光(光ヘッド装置での復路)でも95%の効率であり、往復で90%の効率が得られた。例1と同様に100Hz、5Vの電圧のオン、オフにより、焦点を切り替えることができた。
【0056】
「例4」
2枚の基板として厚さ0.5mmで、大きさが10×10mmで、屈折率が1.57のガラス基板を用いた。下面のガラス基板は中心が凸部になるようにエッチングにより非球面凸レンズ状に凸部を形成した。この非球面レンズは、直径1.5mm、中心の高さは4μmとした。上面、下面の基板とも電極としてITO電極を形成後、ポリイミドの膜を塗布し、ラビングして水平配向処理を行った。
【0057】
この2枚の基板を夫々の配向方向が平行になるように対向させ、周辺でシールして、レンズ中心部で間隙が4μm、周辺部で間隙が8μmの空セルを形成した。なお、2枚の基板の外面には夫々反射防止膜を形成した。
【0058】
この空セルに、液晶として常光屈折率が1.49、Δnが0.12、ツイストピッチPが3μmの正の誘電異方性のネマチック液晶組成物を注入し、注入口を封止して液晶レンズを製造した。
【0059】
このようにして製造した液晶レンズは、電圧を印加しない状態では液晶の分子はらせん構造を有し、そのらせん軸は基板面に垂直になる。このため、基板面に垂直に入射した波長633nmの光に対して、液晶の実効屈折率は常光屈折率1.49と異常光屈折率1.61との中間の値1.55になる。このことから、液晶の屈折率と基板の屈折率との屈折率差が小さくなり、液晶レンズを透過した光の位相分布は透過前の状態とほとんど変わらなかった。
【0060】
次に、液晶レンズの上下の基板の電極間に100Hz、10Vの電圧を印加すると、液晶分子が縦配向状態となる。このため、基板面に垂直に入射した波長633nmの光に対しては、液晶の実効屈折率は常光屈折率1.49に等しくなる。このことから、液晶の屈折率と基板の屈折率との屈折率差が大きくなり、液晶レンズを透過した光の位相分布はセルの基板面に形成された非球面形状高さに比例するように変化した。
【0061】
これにより、図1の構成で用いた場合、液晶レンズ4の上下の基板の電極間に電圧を印加しない場合には、第1の光記録媒体6からの信号が読み出せ、電圧を印加した場合には、第2の光記録媒体7からの信号が読み出せた。
【0062】
「例5」
例4と同じガラス基板を用いた。ただし、下面のガラス基板は中心が凸部になるようにエッチングにより非球面凸レンズ状に凸部を形成した。この非球面レンズは、直径1.5mm、中心の高さは3μmとした。この下面のガラス基板には、電極としてITO電極を形成後、有機シラン系の溶剤を塗布して垂直配向処理を行った。一方、上面のガラス基板は、電極としてITO電極を形成した後、ポリイミドの膜を塗布し、ラビングして水平配向処理を行った。
【0063】
この2枚の基板を対向させ、周辺でシールして、レンズ中心部で間隙が3μm、周辺部で間隙が6μmの空セルを形成した。なお、2枚の基板の外面には夫々反射防止膜を形成した。
【0064】
この空セルに、液晶として常光屈折率が1.49、Δnが0.12、ツイストピッチPが1.6μmの正の誘電異方性のネマチック液晶組成物を注入し、注入口を封止して液晶レンズを製造した。
【0065】
このようにして製造した液晶レンズは、電圧を印加しない状態では液晶の分子はらせん構造を有し、そのらせん軸は基板面に垂直になる。このため、基板面に垂直に入射した波長633nmの光に対して、液晶の実効屈折率は常光屈折率1.49と異常光屈折率1.61との中間の値1.55になる。このことから、液晶の屈折率と基板の屈折率との屈折率差が小さくなり、液晶レンズを透過した光の位相分布は透過前の状態とほとんど変わらなかった。
【0066】
次に、液晶レンズの上下の基板の電極間に100Hz、10Vの電圧を印加すると、液晶分子が縦配向状態となる。このため、基板面に垂直に入射した波長633nmの光に対しては、液晶の実効屈折率は常光屈折率1.49に等しくなる。このことから、液晶の屈折率と基板の屈折率との屈折率差が大きくなり、液晶レンズを透過した光の位相分布はセルの基板面に形成された非球面形状高さに比例するように変化した。
【0067】
これにより、図1の構成で用いた場合、液晶レンズ4の上下の基板の電極間に電圧を印加しない場合には、第1の光記録媒体6からの信号が読み出せ、電圧を印加した場合には、第2の光記録媒体7からの信号が読み出せた。
【0068】
「例6」
図4に示すように、2枚の基板として厚さ0.5mmで、大きさが10×10mmで、屈折率が1.49のガラス基板を用い、下面のガラス基板には、中心部が基板の平坦部と同じ高さの山となるようにプレスにより非球面同心円状に凹部を形成した。この非球面レンズは、直径2.3mm、凹部の深さは2.3μmとした。上面、下面の基板とも電極としてITO電極を形成後、ポリイミドの膜を塗布し、ラビングして水平配向処理を行った。
【0069】
この2枚の基板を夫々の配向方向が平行になるように対向させ、周辺でシールして、レンズ中心部で間隙が4μm、凹部で間隙が6.3μmの空セルを形成した。なお、2枚の基板の外面には夫々反射防止膜を形成した。
【0070】
この空セルに、液晶として常光屈折率が1.49、Δnが0.12、ツイストピッチPが1.6μmの正の誘電異方性のネマチック液晶組成物を注入し、注入口を封止して液晶レンズを製造した。
【0071】
このようにして製造した液晶レンズは、電圧を印加しない状態では液晶の分子はらせん構造を有し、そのらせん軸は基板面に垂直になる。このため、基板面に垂直に入射した波長633nmの光に対して、液晶の実効屈折率は常光屈折率1.49と異常光屈折率1.61との中間の値1.55になる。このことから、液晶の屈折率と基板の屈折率との屈折率差が大きくなり、液晶レンズを透過した光の位相分布はセルの基板面に形成された非球面形状高さに比例するように変化した。
【0072】
次に、液晶レンズの上下の基板の電極間に100Hz、10Vの電圧を印加すると、液晶分子が縦配向状態となる。このため、基板面に垂直に入射した波長633nmの光に対しては、液晶の実効屈折率は常光屈折率1.49に等しくなる。このことから、液晶の屈折率と基板の屈折率との屈折率差が小さくなり、液晶レンズを透過した光の位相分布は透過前の状態とほとんど変わらなかった。
【0073】
これにより、図1の構成で用いた場合、液晶レンズ4の上下の基板の電極間に電圧を印加しない場合には、第2の光記録媒体7からの信号が読み出せ、電圧を印加した場合には、第1の光記録媒体6からの信号が読み出せた。
【0074】
【発明の効果】
本発明の光ヘッド装置では、液晶がツイストした液晶レンズを用いているので、外部からの電圧印加によって焦点距離又は光の位相分布を切り替え可能であり、利用効率の高い光ヘッド装置を得ることができる。
本発明は、その効果を損しない範囲内で、種々の応用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ヘッド装置の例を示す模式図。
【図2】基板が凹部又は凸部を有する液晶レンズの例を示す断面図。
【図3】基板をフレネルレンズ構造にした液晶レンズの例を示す断面図。
【図4】基板の中心部に山を有する液晶レンズの例を示す断面図。
【符号の説明】
11、12、21、22:基板、
13:凹部、
14、15、24、25:電極、
16、26:シール材、
17、27:液晶
23:凹凸部。

Claims (5)

  1. 光源、ビームスプリッタ、位相差板、液晶レンズ及び光検出器を有する光ヘッド装置において、ビームスプリッタと光記録媒体との間に配置する液晶レンズとして、液晶セルの基板の少なくとも一方が凹部又は凸部を有しており、内部に充填された液晶がツイストしており、液晶の常光屈折率をn 、異常光屈折率をn 、ツイストピッチをP、真空中の波長をλとしたとき、(n −n P/(8λ)≦0.05であって、基板の少なくとも一部に設けられた電極によって焦点距離又は光の位相分布を可変としたものを使用し、位相差板により円偏光とされた光が液晶レンズに入射することを特徴とする光ヘッド装置。
  2. 光源、ビームスプリッタ、位相差板、液晶レンズ及び光検出器を有する光ヘッド装置において、ビームスプリッタと光記録媒体との間に配置する液晶レンズとして、液晶セルの基板の少なくとも一方が微細な凹部又は凸部を有してフレネルレンズ構造とされており、内部に充填された液晶がツイストしており、液晶の常光屈折率をn 、異常光屈折率をn 、ツイストピッチをP、真空中の波長をλとしたとき、(n −n P/(8λ)≦0.05であって、基板の少なくとも一部に設けられた電極によって焦点距離又は光の位相分布を可変としたものを使用し、位相差板により円偏光とされた光が液晶レンズに入射することを特徴とする光ヘッド装置。
  3. 液晶レンズの中央部分の基板がほぼ平板とされている請求項1又は2記載の光ヘッド装置。
  4. 基板の屈折率を、液晶の常光屈折率又は異常光屈折率又は常光屈折率と異常光屈折率の平均にほぼ等しくした請求項1、2又は3記載の光ヘッド装置。
  5. 格子状の凹部を設けた基板を少なくとも一方の基板として用い、基板間に光学異方性材料を充填した偏光回折素子を用いる請求項1、2、3又は4記載の光ヘッド装置。
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