JP3797984B2 - ディスク記憶装置の制御方法及び制御装置 - Google Patents

ディスク記憶装置の制御方法及び制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク記憶媒体からヘッドにより情報を読み取る又は読み取り/書き込むディスク記憶装置において、ヘッドを目標位置まで移動するアクチュエータを制御する制御方法及び制御装置に関する。
【0002】
磁気ディスク装置、光ディスク装置等のディスク記憶装置は、コンピュータ等の記憶装置として広く利用されている。このようなディスク記憶装置では、ディスク媒体の偏心が生じる。この偏心は、位置情報を記憶しているディスク媒体の回転中心が、位置情報を記録した時のものからずれることにより生じる。
【0003】
セクターサーボ方式においては、アクチュエータの位置を求めるための位置情報(サーボ情報)は、各ディスク面に記録されている。この位置情報は、同心円上に形成されている。このディスクの回転中心と位置情報を記録した時の回転中心が一致していれば、理想的には偏心は生じない。
【0004】
しかし、実際には、回転中心は一致しておらず、偏心が生じる。この原因としては、ディスク媒体と、スピンドル軸の熱変形や、外部からの衝撃によるディスク媒体のずれが考えられる。この偏心があると、アクチュエータから見ると、回転周波数の整数倍の正弦波の外乱が加わっているように見える。このため、この偏心を補正する技術が必要となる。
【0005】
この偏心補正技術として、偏心推定オブザーバ(推定器)による制御が知られている。この偏心推定オブザーバによる偏心制御では、推定値による安定な位置制御が要求される。
【0006】
【従来の技術】
図12は、従来技術の構成図、図13は、従来技術の説明図である。
【0007】
偏心推定オブザーバによる磁気ヘッドの位置制御については、日本国特許公開第7ー50075号公報(米国特許第5404235号)に詳細に示されている。このため、偏心推定オブザーバについて、簡単に説明する。
【0008】
先ず、共振を含まない理想的なアクチュエータのモデルを考える。ここで、x1を位置、x2を速度とし、y を観測位置( 検出位置) 、u を制御電流、s をラプラス演算子とすると、状態方程式は、次の(1) 、(2) 式により表現される。
【0009】
【数1】
Figure 0003797984
【0010】
【数2】
Figure 0003797984
【0011】
ここで、Kpは、モデルの回転型アクチュエータを、等価な直進型アクチュエータとして考えた時の加速度定数である。
【0012】
電流フィードバックを考慮して、この状態方程式に、定常電流(バイアス電流)の状態x3を加えると、状態方程式は、次の(3) 、(4) 式で示される。
【0013】
【数3】
Figure 0003797984
【0014】
【数4】
Figure 0003797984
【0015】
更に、この状態方程式に、偏心外乱の状態を加える。偏心の状態変数をx4、x5とし、偏心の角周波数をω0 とすると、状態方程式は、次の(5) 、(6) 式で示される。
【0016】
【数5】
Figure 0003797984
【0017】
【数6】
Figure 0003797984
【0018】
ここで、x4=cos(ω0 ・t)、x5=sin(ω0 ・t)とすると、sx4 =- ω0 ・sin(ω0 ・t)、sx5 =ω0 ・cos(ω0 ・t)となるから、sx4 =- ω0 ・x5、sx5 =ω0 ・x4となる。従って、(5) 、(6) 式の状態方程式は、次の(7) 、(8) 式によりしめされる。
【0019】
【数7】
Figure 0003797984
【0020】
【数8】
Figure 0003797984
【0021】
(5) 式では、偏心をsin 関数の伝達関数(1/ ( s 2 +ω0 2 ) で仮定している。(7)式は、図13に示すように、(x4、x5) の直交座標で、半径(x4 2 +x52 ) の円上で、一定速度で回転する点の動きを示している。
【0022】
オブザーバは、この状態方程式(7) 、(8) を離散化して、設計される。零次ホールドを仮定して、離散化する。即ち、Z変換する。位置検出時刻からアクチュエータへの電流出力時刻の遅れ時間を考慮すると、状態方程式は6次となる。考慮しない場合でも、下記(9) 、(10)式となる。
【0023】
【数9】
Figure 0003797984
【0024】
【数10】
Figure 0003797984
【0025】
ここで、Tはサンプル周期である。なお、(9) 、(10)式の係数を(11)式に示すように、A、B、Cとする。
【0026】
【数11】
Figure 0003797984
【0027】
この時、オブザーバは、次の(12)、(13)、(14)式で表現される。
【0028】
【数12】
Figure 0003797984
【0029】
【数13】
Figure 0003797984
【0030】
【数14】
Figure 0003797984
【0031】
ここで、px1 は、位置の状態変数( 推定位置) 、px2 は、速度の状態変数( 推定速度) 、px3 は、バイアス電流の状態変数( 推定バイアス量) 、px4 、px5 は、偏心の状態変数( 推定偏心量) であり、u は制御電流、y は観測位置( 検出位置) 、pyは、推定位置である。
【0032】
又、L1〜L5 は、オブザーバの推定ゲインであり、L1は、位置推定ゲイン、L2は、速度推定ゲイン、L3は、バイアス推定ゲイン、L4、L5は、偏心推定ゲインである。更に、F1からF5は、状態フィードバック行列である。
【0033】
これを、ブロックに示すと、図12のようになる。即ち、プラント90は、磁気ディスク装置の物理的なヘッド位置決めを行う部分を示し、アクチュエータと、アンプと、磁気ヘッドとを含む。オブザーバ(推定器)91は、現在の状態から位置、速度、バイアス、偏心の状態を推定して、制御電流を出力する。
【0034】
プラント90からは、磁気ヘッドが読み取った位置信号(サーボ信号)y [k ]
が出力される。オブザーバ91では、誤差演算器92が、位置信号y [k ]と推定位置py[k ]( =px1 [k ]) との誤差(y[k ]-px1[k ])が演算される。誤差は、第4のゲイン乗算器96に入力する。ゲイン乗算器96は、誤差に、推定ゲインL(L1〜L5)(式(12)参照)を乗じる。尚、L1〜L3は、アクチュエータの動作推定ゲインであり、L4、L5は、偏心推定ゲインである。
【0035】
第2のゲイン乗算器94は、制御電流u [k ]に係数B(式(12)参照) を乗じる。第3のゲイン乗算器95は、今回のサンプル時の状態信号px[k ]に、係数A( 式(12)参照) を乗じる。加算器98は、3つの加算器94〜96の出力を加算する。これにより、式(12)の次のサンプル時の状態信号px[k +1 ]が出力される。
【0036】
この次のサンプル時の状態信号px[k +1 ]は、遅延器99により1サンプル遅延され、今回のサンプル時の状態信号px[k ]が得られる。この状態信号px[k ]は、第5の乗算器97により、帰還係数Cが乗じられる。これにより、式(13)で示した今回のサンプル時の推定位置py[k ]が得られる。
【0037】
更に、状態信号px[k ]は、第1の乗算器93により、フィードバック係数Fが乗じられる。これにより、式(14)で示した今回の制御電流u [k ]が得られる。この制御電流u [k ]は、プラント90に供給される。
【0038】
このように、オブザーバ91は、アクチュエータのモデルと偏心のモデルとからなる偏心推定オブザーバで構成され、検出位置と推定位置との誤差と、制御電流と、状態変数から、次の状態を予測して、且つ状態から制御電流を作成するものである。このように、実時間で偏心が補正されるため、偏心を迅速に補償することができる。この従来技術では、シーク制御時も、同一の構成により、制御信号を作成するものであった。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術では、次の問題があった。
【0040】
第1に、シーク時においては、アクチュエータが高速に移動するため、1サンプル当たり50トラック以上移動する場合がある。このように高速で移動すると、サンプル毎に位置を正確に検出することができない。このため、偏心推定オブザーバは、位置誤差から偏心量を推定するため、推定する偏心量に誤差が生じる。偏心の状態は、約90ヘルツと収束が遅いため、誤差を持つと、なかなか収束しない。これにより、シーク終了時の収束が遅くなるという問題があった。
【0041】
第2に、長い距離をシークする場合には、電流アンプの出力電流が飽和する。飽和時の最大電流は、電源電圧やアクチュエータの抵抗値等により異なり、環境や装置の個体差のバラツキの影響を大きく受ける。このため、偏心推定オブザーバは、電流アンプの出力電流の飽和を予定していないため、位置誤差から推定される偏心量に誤差が生じる。このため、シーク終了時の収束が遅くなるという問題があった。
【0042】
本発明の目的は、シーク終了時の収束が遅くなることを防止するためのディスク記憶装置の制御方法及び制御装置を提供することにある。
【0043】
本発明の他の目的は、偏心の補正を行っても、シーク終了時の収束が遅くなることを防止するためのディスク記憶装置の制御方法及び制御装置を提供することにある。
【0044】
本発明の更に他の目的は、位置誤差が偏心の推定値に影響することを防止するためのディスク記憶装置の制御方法及び制御装置を提供することにある。
【0045】
【課題を解決するための手段】
本発明のディスク記憶装置は、ディスク記憶媒体と、ディスク記憶媒体の情報を読み取るヘッドと、ヘッドを移動するアクチュエータと、アクチュエータのモデルと偏心のモデルを含む偏心推定オブザーバ制御により、ヘッドによりディスク記憶媒体から読みだされた位置信号に基づいて、アクチュエータを駆動するための制御信号を計算する制御回路とを有する。
【0046】
そして、本発明の制御方法及び装置は、シーク制御時には、第1の偏心推定ゲインを選択し、フォローイング制御時は、第2の偏心推定ゲインを選択するステップと、前記位置信号と推定位置信号との誤差と、前記アクチュエータの動作を推定するアクチュエータ推定ゲインと、前記選択された偏心推定ゲインとに基づいて、推定位置と推定速度と推定バイアス信号と推定偏心信号とを含む状態信号を計算し、且つ前記状態信号から前記制御信号を計算するステップとを有する。
【0047】
本発明では、シーク時には、位置誤差により、偏心量を推定すると、推定偏心量に大きな誤差が生じるため、シーク時は、位置誤差から偏心量を推定しないようにした。しかし、シークを安定に動作するためには、偏心の補正は必要である。そこで、本発明は、偏心推定オブザーバの偏心推定ゲインL4、L5を、シーク時には、フォローイング時に比し、極めて小さくして、位置誤差が偏心推定量に影響を与えることを防止するものである。
【0048】
例えば、シーク時に、偏心推定ゲインL4、L5を「0」とする。このようにすると、状態方程式(12)は、次の(15)式となる。
【0049】
【数15】
Figure 0003797984
【0050】
この式(15)において、偏心の状態変数X4、X5の計算を取り出すと、下記(16)式となる。
【0051】
【数16】
Figure 0003797984
【0052】
式(16)は、偏心の状態変数X4、X5が、観測位置yや推定位置x1 に関係なくなる。即ち、位置誤差(y [k ]-x1 [k ]) に影響されない偏心の状態変数X4、X5が得られる。式(16)において、ω0Tは、1 サンプルの位相に相当する。従って、(16)式は、現在の状態変数を1サンプルだけ位相をずらしたことを示す。即ち、式(16)は、正弦波の漸化式と見なせる。
【0053】
このため、シーク時には、位置誤差が、偏心推定値に影響を及ぼすことを防止できる。従って、シーク終了時の収束動作を速くすることができる。又、シーク時には、式(16)に示すように、偏心の補正は行われるため、シークの安定性を損なうこともない。尚、シーク時の偏心推定ゲインは、必ずしも「0」でなくても良く、「0」に近い値であればよい。
【0054】
更に、本発明では、ヘッド切替え指示に応じて、切替え前のヘッドに対する前記推定偏心信号をメモリに保存する保存ステップと、切替え先のヘッドに対する前記推定偏心信号を読みだし、前記読みだされた前記推定偏心信号を初期値として、前記計算ステップを実行するステップとを有する。
【0055】
この態様では、ヘッド毎に、即ちディスク媒体の面毎に、偏心量が異なるため、ヘッド毎に、偏心の状態変数を変える必要がある。この時、ヘッド毎に、偏心の状態変数を保持し、且つ切替え時に、状態変数を切り換えることにより、偏心推定オブザーバを、そのヘッドに合った状態変数に初期化できる。
【0056】
更に、本発明の他の態様では、保存ステップは、前記推定偏心信号を基準セクタの推定偏心信号に変換した後、前記変換値を保存するステップから構成され、前記実行するステップは、前記記憶された推定偏心信号を現在のセクタの推定偏心信号に修正するステップを有する。
【0057】
この態様では、各ヘッドの偏心推定オブザーバの初期値を記憶する際に、2つの状態変数を記憶するだけで済む。このため、偏心の状態変数を記憶するために必要なメモリ容量を削減できる。
【0058】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施の形態の構成図、図2は、図1の予測オブザーバのブロック図、図3は、サーボ制御処理フロー図、図4は、本発明の一実施の形態の説明図である。
【0059】
図1に示すように、磁気ディスクドライブ1は、磁気ディスク2と、磁気ヘッド3とを有する。磁気ディスク2は、データトラック中にサーボ信号が埋め込まれたデータ面を有する。磁気ヘッド3は、磁気ディスク2の情報を読み取り/書き込む。磁気ディスク2は、スピンドルモータ4により、回転される。
【0060】
ボイスコイルモータ(VCM)5は、磁気ヘッド3を磁気ディスク2のトラック横断方向に移動する。パワーアンプ6は、VCM5を駆動する。スピンドル駆動回路7は、スピンドルモータ4を駆動する。制御回路8は、マイクロプロセッサと、デジタルシグナルプロセッサと、アナログ/デジタル変換器と、デジタル/アナログ変換器と、RAMとからなる。
【0061】
制御回路(以下、プロセッサという)8は、磁気ヘッド3からの位置信号を読み取り、磁気ヘッドの現在位置y [k ]を把握し、シークすべき位置との距離に応じた制御値(制御電流値)u [k ]を作成する。
【0062】
リード/ ライト回路9は、プロセッサ8からの指示に応じて、磁気ヘッド3をリード/ライト制御する。位置検出回路10は、磁気ヘッド3のサーボ信号を復調して、位置信号をプロセッサ8に出力する。ROM11は、プロセッサ8の処理に必要なデータ、プログラムを格納する。
【0063】
ハードディスクコントローラ12は、ホストコンピュータとのインターフェース制御を行う。このハードディスクコントローラ12には、RAM13が設けられている。RAM13は、ホストコンピュータからのデータや、ホストコンピュータへデータを格納する。
【0064】
図2は、図1のプロセッサが実行するサーボ処理のブロック図である。図2において、プラント20は、磁気ディスク装置の物理的なヘッド位置決めを行う部分を示し、アクチュエータ5と、アンプ6と、磁気ヘッド3とを含む。予測オブザーバ(推定器)21は、現在の状態から次回の位置、速度、バイアス、偏心の状態を推定して、制御電流を出力する。
【0065】
プラント20からは、磁気ヘッド3が読み取った位置信号(サーボ信号)y [k]が出力される。オブザーバ21では、誤差演算器22が、位置信号y [k ]と推定位置py[k ]( =px1 [k ]) との誤差(y[k ]-px1[k ])が演算される。誤差は、第4のゲイン乗算器26に入力する。ゲイン乗算器26は、誤差に、推定ゲインL(L1〜L5)(式(12)参照)を乗じる。
【0066】
第2のゲイン乗算器24は、制御電流u [k ]に係数B(式(12)参照) を乗じる。第3のゲイン乗算器25は、今回のサンプル時の状態信号px[k ]に、係数A(式(12) 参照) を乗じる。加算器28は、3つの加算器24〜26の出力を加算する。これにより、式(12)の次のサンプル時の状態信号px[k +1 ]が出力される。
【0067】
この次のサンプル時の状態信号px[k +1 ]は、遅延器29により1サンプル遅延され、今回のサンプル時の状態信号px[k ]が得られる。この状態信号px[k ]は、第5の乗算器27により、帰還係数Cが乗じられる。これにより、式(13)で示した今回のサンプル時の推定位置py[k ]が得られる。
【0068】
更に、状態信号px[k ]は、第1の乗算器23により、フィードバック係数Fが乗じられる。これにより、式(14)で示した今回の制御電流u [k ]が得られる。この制御電流u [k ]は、プラント20に供給される。
【0069】
誤差算出器30は、目標位置rから現在位置y [k ]との位置誤差Δx を演算する。現在位置y [k ]は、プラント20から与えられる。目標速度生成器31は、位置誤差Δx から目標速度v0を生成する。速度差演算器32は、目標速度V0と予測オブザーバ21の推定速度px2 [k ]との速度差を計算する。
【0070】
ゲイン乗算器33は、速度差に速度ゲインCOを乗算する。補償器34は、速度差と予測オブザーバ21の推定バイアス電流px3 [k ]と、予測オブザーバ21の推定偏心量px4 [k ]とを加算して、それを反転したものを制御電流u [k ]とし出力する。従って、シーク時には、制御出力u [k ]は、下記(17)式で示される。
【0071】
【数17】
Figure 0003797984
【0072】
スイッチ35は、シーク時に、補償器34の出力を選択し、フォローイング時に、予測オブザーバ21の出力を選択する。尚、これらブロック21〜35は、プロセッサ8のプログラムによって実現される。
【0073】
図3及び図4により、サーボ割り込み処理を説明する。
【0074】
(S1)サーボ割り込み(サーボゲート信号)がプロセッサ8に与えられると、プロセッサ8は、位置検出回路10の位置信号y [k ]を読み取る。
【0075】
(S2)プロセッサ8は、目標位置rと現在位置(位置信号)y [k ]との差の絶対値abs [y-r ]を計算する。
【0076】
(S3)プロセッサ8は、絶対値abs [y-r ]が、4トラック以下かを判定する。ここでは、シークとフォローイングとの判定を4トラックと定めている。従って、絶対値abs [y-r ]が、4トラック以下ならフォローイング中と判定して、ステップS4に進む。絶対値abs [y-r ]が、4トラックを越えると、シーク中と判定して、ステップS6に進む。
【0077】
(S4)フォローイングと判定されると、プロセッサ8は、予測オブザーバ21のブロック26の偏心推定ゲインL4、L5に、設計値を代入する。この偏心推定ゲインL4、L5は、フォローイング時に、誤差(y[k ]-px1[k ]) がゼロに収束するように設計される。そして、プロセッサ8は、スイッチ35をb側に接続する。
【0078】
(S5)プロセッサ8は、予測オブザーバによる状態計算を行う。即ち、前述の式(12)により、前のサンプルの予測状態px[k ]と、誤差(y[k ]-px1[k]) を使用して、次のサンプル時の予測状態px[k +1 ](px1[k +1 ]〜px5
[k +1 ]を計算する。
【0079】
次に、式(14)により、前のサンプルの予測状態px[k ]を用いて、次の制御電流u [k ]を算出する。そして、制御電流u [k ]をプラント20(アンプ6)に出力する。そして、このサーボ割り込みを終了する。
【0080】
(S6)シーク中と判定されると、プロセッサ8は、予測オブザーバ21のブロック26の偏心推定ゲインL4、L5に、「0」を代入する。そして、プロセッサ8は、スイッチ35をa側に接続する。従って、ステップS8で演算する状態方程式は、式(15)となる。
【0081】
(S7)前述の絶対値abs [y-r ]は、残りトラック数を示す。従って、絶対値abs [y-r ]の大きさに応じて、加速区間か、定速区間か、減速区間かを判定する。加速区間なら、速度発生器31から加速区間の目標速度を発生する。又、定速区間なら、速度発生器31から定速区間の目標速度を発生する。更に、減速区間なら、速度発生器31から減速区間の目標速度を発生する。
【0082】
(S8)プロセッサ8は、予測オブザーバによる状態計算を行う。即ち、前述の式(15)により、前のサンプルの予測状態px[k ]と、誤差(y[k ]-px1[k]) を使用して、次のサンプル時の予測状態px[k +1 ](px1[k +1 ]〜px5[k +1 ]を計算する。この時、式(15)に示すように、偏心推定ゲインL4、L5はゼロである。
【0083】
次に、式(14)により、前のサンプルの予測状態px[k ]を用いて、状態変数としての制御電流u [k ]を算出する。シーク中は、この制御電流は、状態変数として保持され、出力には利用されない。更に、式(17)により、速度誤差、前のサンプルの予測状態px[k ]を用いて、制御電流u [k ]を演算する。シーク時には、この式(17)により演算された制御電流u [k ]がプラント20に出力される。
【0084】
このようにして、図4に示すように、シーク時には、オブザーバ21の偏心推定ゲインL4、L5を、フォローイング時の偏心推定ゲインより小さくしてため、検出位置と推定位置との誤差に影響されない推定偏心信号を演算できる。このため、誤差に影響されないシーク時の偏心補正が可能となる。
【0085】
尚、シーク時のオブザーバ21の偏心推定ゲインL4、L5は、ゼロが望ましいが、ゼロに近い値であっても良い。
【0086】
図5は、図2の予測オブザーバの変形例の処理フロー図である。次に、前記予測オブザーバの演算処理の変形について、説明する。前述の次のサンプルの状態px[k +1 ]と、制御電流u [k ]を演算する式(12)、(14)は、5次の式となる。このため、計算量が多い。そこで、アクチュエータの動作を推定する演算と外乱を推定する演算とを分離する。
【0087】
即ち、式(12)は、次の式(18)、(19)に分離する。
【0088】
【数18】
Figure 0003797984
【0089】
【数19】
Figure 0003797984
【0090】
式(18)は、アクチュエータの動作を推定するものである。又、式(19)は、外乱(バイアス、偏心)を推定するものである。
【0091】
同様に、制御電流(状態)u(k)も、アクチュエータの動作を推定する演算による制御電流uob と、外乱を推定する演算による制御電流uwに分離する。そして、制御電流uvcmは、制御電流uob と制御電流uwを加算して得る。即ち、式(14)は、式(20)に変形する。
【0092】
【数20】
Figure 0003797984
【0093】
尚、式(18)の制御電流uob は、式(20)のアクチュエータの動作を推定する演算による制御電流uob である点に注意が必要である。
【0094】
図5の処理フローにより説明する。
【0095】
(S10)式(18)により、次のサンプルの状態変数px1 [k +1 ]、px2 [k+1 ]を計算する。
【0096】
(S11)次に、式(19)により、次のサンプルの状態変数px3 [k +1 ]、px4[k +1 ]、px5 [k +1 ]を計算する。
【0097】
(S12)更に、式(20)に従い、アクチュエータの動作を推定する制御電流uob と、外乱を推定する制御電流uwとを計算する。そして、制御電流uvcmは、制御電流uob と制御電流uwを加算して得る。
【0098】
このように、外乱を推定する演算を分離すると、アクチュエータの動作の推定の演算を、外乱を推定する演算と別することができ、最大でも、3次式となるため、積和演算の数を減らすことができる。これにより、高速に状態を演算できる。
【0099】
次に、オブザーバの変形例を説明する。図2では、予測オブザーバを説明したが、現在オブザーバによっても、実現できる。図6は、図1のプロセッサが実行する他のサーボ処理のブロック図、図7は図6の現在オブザーバの演算処理フロー図である。
【0100】
図2は、予測オブザーバを示したが、図6は、現在オブザーバの構成を示すものである。図6において、図2に示すものと同一のものは、同一の記号で示してある。
【0101】
周知のように、予測オブザーバが、(12)、(14)式で定義された時には、現在オブザーバの状態方程式は、下記(21)、(22)、(23)式で定義される。
【0102】
【数21】
Figure 0003797984
【0103】
【数22】
Figure 0003797984
【0104】
【数23】
Figure 0003797984
【0105】
ここで、px[k ](px1[k ]〜px5 [k ]) は、補正された現サンプルの推定値、qx[k ](qx1[k ]〜qx5 [k ]) は、前のサンプルの推定値、qx[k +1 ](qx1[k+1 ]〜qx5 [k +1 ]) は、次のサンプルの推定値である。
【0106】
即ち、式(21)に示すように、誤差と、前のサンプルの推定値qx[k ](qx1[k ]〜qx5 [k ]) とから、補正された現サンプルの推定値px[k ](px1[k ]〜px5[k ]) を求める。尚、式(21)の推定ゲインL1’〜L5’は、予測オブザーバの推定ゲインL1〜L5とは異なる。
【0107】
又、式(22)に示すように、補正された現サンプルの推定値px[k ](px1[k]〜px5 [k ]) から制御電流uvcmを得る。この式(22)は、前述の式(20)に示したように、アクチュエータの推定式と外乱の推定式とが分離されている。
【0108】
最後に、式(23)に示すように、補正された現サンプルの推定値px[k ](px1 [k ]〜px5 [k ]) と制御電流uob [k ]から、次のサンプルの推定値qx[k +1 ](qx1[k +1 ]〜qx5 [k +1 ]) を得る。
【0109】
これをブロックにして示すと、図6のようになる。即ち、図6において、現在オブザーバ(推定器)36は、前の状態から現在の位置、速度、バイアス、偏心の状態を推定して、制御電流を出力する。
【0110】
プラント20からは、磁気ヘッド3が読み取った位置信号(サーボ信号)y [k]が出力される。オブザーバ36では、誤差演算器22が、位置信号y [k ]と推定位置py[k ]( =qx1 [k ]) との誤差(y[k ]-qx1[k ])を演算する。誤差は、第4のゲイン乗算器26に入力する。ゲイン乗算器26は、誤差に、推定ゲインL’(L1’〜L5’)(式(21)参照)を乗じる。
【0111】
加算器36は、ゲイン乗算器26の出力と、前の推定状態qx[k ]とを加算して、補正された現サンプルの推定値px[k ]を得る。第2のゲイン乗算器24は、制御電流u [k ]に係数B(式(23)参照) を乗じる。第3のゲイン乗算器25は、今回のサンプル時の状態信号px[k ]に、係数A(式(23)参照) を乗じる。加算器28は、2つの加算器24、25の出力を加算する。これにより、式(23)の次のサンプル時の状態信号qx[k +1 ]が出力される。
【0112】
この次のサンプル時の状態信号qx[k +1 ]は、遅延器29により1サンプル遅延され、今回のサンプル時の状態信号qx[k ]が得られる。前回のサンプルの状態信号qx[k ]は、第5の乗算器27により、帰還係数Cが乗じられる。これにより、式(21)で示した今回のサンプル時の推定位置qy[k ]が得られる。
【0113】
更に、補正された現サンプル時の状態信号px[k ]は、第1の乗算器23により、フィードバック係数Fが乗じられる。これにより、式(22)で示した今回の制御電流u [k ]が得られる。この制御電流u [k ]は、プラント20に供給される。
【0114】
誤差算出器30は、目標位置rから現在位置y [k ]との位置誤差Δx を演算する。現在位置y [k ]は、プラント20から与えられる。目標速度生成器31は、位置誤差Δx から目標速度v0を生成する。速度差演算器32は、目標速度V0と予測オブザーバ21の推定速度px2 [k ]との速度差を計算する。
【0115】
ゲイン乗算器33は、速度差に速度ゲインCOを乗算する。補償器34は、速度差と現在オブザーバ36の推定バイアス電流px3 [k ]と、現在オブザーバ36の推定偏心量px4 [k ]とを加算して、それを反転したものを制御電流u [k ]とし出力する。従って、シーク時には、制御出力u [k ]は、上記した(17)式で示される。
【0116】
スイッチ35は、シーク時に、補償器34の出力を選択し、フォローイング時に、予測オブザーバ21の出力を選択する。尚、これらブロック22〜36は、プロセッサ8のプログラムによって実現される。
【0117】
この実施例でも、図3に示す処理フローと同一の処理が行われ、シーク中には、偏心推定ゲインL4’、L5’が「0」に設定され、フォローイング中には、偏心推定ゲインL4’、L5’は、「0」以外の設計値に設定される。従って、この処理については、説明を省く。
【0118】
但し、図3中のオブザーバ制御は、図7の処理となる。これを説明する。
【0119】
(S20)式(21)に示すように、誤差(y [k ]-qx1[k ]) と、前のサンプルの推定値qx[k ](qx1[k ]〜qx5 [k ]) と、推定ゲインL1’〜L5’から、補正された現サンプルの推定値px[k ](px1[k ]〜px5 [k ]) を求める。
【0120】
(S21)次に、式(22)に示すように、補正された現サンプルの推定値px[k ](px1[k ]〜px5 [k ]) から制御電流uvcmを得る。そして、制御電流uvcmをプラント20に出力する。
【0121】
(S22)最後に、式(23)に示すように、補正された現サンプルの推定値px[k ](px1[k ]〜px5 [k ]) と制御電流uob [k ]から、次のサンプルの推定値qx[k +1 ](qx1[k +1 ]〜qx5 [k +1 ]) を得る。
【0122】
この例でも、図3に示したように、シーク時には、式(21)の偏心推定ゲインL4’、L5’がゼロに設定される。従って、(21)式は、下記(24)式に変形される。
【0123】
【数24】
Figure 0003797984
【0124】
尚、(22)式、(23)式により、制御電流uvcmと次のサンプルの推定値qx[k +1 ](qx1[k +1 ]〜qx5 [k +1 ]) が計算される。このようにして、現在オブザーバで構成しても、予測オブザーバと同様の効果を生じる。又、現在オブザーバを構成すると、プロセッサの処理による実現が容易となる。
【0125】
次に、現在オブザーバの変形例について、説明する。
【0126】
図8は、図6の現在オブザーバの変形例の処理フロー図である。現在オブザーバの演算処理の変形について、説明する。図6の例では、次のサンプルの状態px[k +1 ]は、(21)式で演算されていた。しかし、偏心の周波数は低いため、現在オブザーバにおける偏心の推定は、他の状態変数(位置、速度、バイアス)よりも1サンプル遅れても良い。即ち、偏心の状態については、1サンプル先の状態を推定しても良い。
【0127】
このように考えると、現サンプルの偏心の状態変数px4 [k ]、px5 [k ]を求めることを省略して、次のサンプルの偏心の状態変数qx4 [k +1 ]、qx5 [k +1 ]の計算時に、誤差(y[k ]-qx1[k ]) と偏心推定ゲインL4' 、L5' との演算による偏心の推定を行えば良いことになる。
【0128】
即ち、式(21)において、現サンプルの偏心の状態変数px4 [k ]、px5 [k ]を求めることを省略する。従って、(21)式は、下記(25)式に変形する。
【0129】
【数25】
Figure 0003797984
【0130】
又、現サンプルの偏心の状態変数px4 [k ]、px5 [k ]の代わりに、前のサンプルの偏心の状態変数qx4 [k ]、qx5 [k ]を用いて、制御電流uwを演算する。従って、(22)式は、下記(26)式に変形される。
【0131】
【数26】
Figure 0003797984
【0132】
更に、式(23)において、推定位置、推定速度の推定式には変化がなく、下記式(27)が適用される。しかし、式(23)において、偏心の推定式には、誤差(y[k ]-qx1[k ]) と偏心推定ゲインL4' 、L5' との演算が加わり、下記(28)式となる。
【0133】
【数27】
Figure 0003797984
【0134】
【数28】
Figure 0003797984
【0135】
このように、制御電流の演算に、前のサンプルの偏心推定値を使用するため、現サンプルの偏心推定値を計算する必要がなくなる。この代わりに、次のサンプルの偏心推定値に誤差を反映する。
【0136】
このようにすると、アクチュエータへの電流を出力する前に、偏心の状態変数を計算しなくて済む。従って、電流出力の時刻を早くすることができる。
【0137】
図8の処理フローにより説明する。
【0138】
(S30)式(25)により、現サンプルの状態変数px1 [k ]、px2 [k ]、px3 [k ]を計算する。
【0139】
(S31)式(26)に従い、アクチュエータの動作を推定する制御電流uobと、外乱を推定する制御電流uwとを計算する。そして、制御電流uvcmは、制御電流uob と制御電流uwを加算して得る。
【0140】
(S32)式(27)により、次のサンプルの状態変数qx1 [k +1 ]、qx2 [k+1 ]を計算する。
【0141】
(S33)式(28)により、次のサンプルの状態変数qx3 [k +1 ]、qx4 [k+1 ]、qx5 [k +1 ]を計算する。
【0142】
ここで、式(26)において、図5で示した実施例と同様に、制御電流(状態)u(k)も、アクチュエータの動作を推定する演算による制御電流uob と、外乱を推定する演算による制御電流uwに分離されている。制御電流uvcmは、制御電流uob と制御電流uwを加算して得る。
【0143】
又、式(27)と式(28)に示すように、アクチュエータの動作を推定する演算(式(27))と、偏心を含む外乱を推定する演算(式(28))とを分離している。このように、外乱を推定する演算を分離すると、アクチュエータの動作の推定の演算を、外乱を推定する演算と別することができ、最大でも、3次式となるため、積和演算の数を減らすことができる。これにより、高速に状態を演算できる。
【0144】
この実施例の方法は、偏心補正の対象とする周波数が2つ、3つとなるにつれてその効果が大きくなる。例えば、偏心の補正を、周期ω0と、その2倍の周期2ω0について行う場合には、偏心の状態変数は、(x4、x5) に、(X6、x7) が加わる。
【0145】
この場合には、式(28)の状態変数を(x3、x4、x5) から、(x3 、x4、x5、x6、x7) に増やせば良い。従って、式(28)は、下記式(29)に変形する。
【0146】
【数29】
Figure 0003797984
【0147】
このように、偏心の推定状態を増やしても、制御電流を計算する前に行われる計算は、式(25)のままであるため、偏心の推定状態を増やしても、制御電流を迅速に出力することができる。
【0148】
次に、ヘッドの切り換え動作について、説明する。図9は、本発明の他の実施の形態のヘッド切り換え処理フロー図、図10は、図9の状態変数の説明図、図11は、ヘッド切り換え動作の説明図である。
【0149】
磁気ディスクのディスク面毎に、偏心の波形は異なる。このため、ヘッド毎に、偏心の波形は異なる。従って、ヘッド毎に、偏心の状態変数が異なる。前述のオブザーバを用いた場合に、ヘッドを切り替える時に、オブザーバの偏心状態変数x4、x5を初期化する必要がある。しかし、この初期値を「0」とすると、偏心の推定値が偏心に追従するまで時間がかかる。
【0150】
このため、図10に示すように、プロセッサ8(図1参照)のメモリ(図示せず)に、各ヘッド毎の偏心の状態変数x4、x5を記憶しておく。そして、ヘッド切り換えが指示された時に、メモリに現在の偏心の状態変数を記憶する。そして、メモリに記憶された切り換え先のヘッドの偏心の状態変数を読み出し、オブザーバに設定する。このようにすれば、オブザーバの初期化が直ちにできる。
【0151】
図9により詳細に説明する。
【0152】
(S40)ホストからの磁気ヘッドの切り換えの指示に応じて、プロセッサ8は、オブザーバ21、36の現在の偏心の状態変数(x4、x5)を取り出す。
【0153】
(S41)プロセッサ8は、この現在のセクタ番号N1の状態変数(x4、x5)を、セクタ番号0の偏心の状態変数(x40,x50)に変換する。変換は、次の式(30)により行う。
【0154】
【数30】
Figure 0003797984
【0155】
即ち、図11に示すように、磁気ディスク2の1周には、多数のセクタST0〜STnがある。現在の状態変数は、磁気ヘッドが位置しているセクタ(セクタ番号N1)に対するものであるから、現在の状態変数を、基準セクタ(この場合セクタ番号0のセクタ)の状態変数に変換しておくものである。
【0156】
(S42)プロセッサ8は、変換した偏心の状態変数(x40,x50)を、現在のヘッド番号に対応するメモリの領域に記憶する。
【0157】
(S43)プロセッサ8は、メモリから切り換え先のヘッド番号の偏心の状態変数(x40,x50)を読みだす。
【0158】
(S44)プロセッサ8は、この読みだした状態変数は、基準セクタ(セクタ番号0)の値であるため、現在のセクタ(セクタ番号N2)に対応する偏心の状態変数(px4 、px5)に、次の(31)式により変換する。
【0159】
【数31】
Figure 0003797984
【0160】
(S45)プロセッサ8は、この偏心の状態変数(px4 、px5)をオブザーバ21、36の状態変数としてセットする。
【0161】
このようにすれば、ヘッド切り換えしても、オブザーバが、直ちに偏心に追従することができる。尚、状態変数を基準セクタ位置の値に変換しない時は、更に、セクタ番号をメモリに格納する。
【0162】
このメモリに格納された状態変数(px4 、px5)から、偏心補正電流の振幅が、sqrt(px42 + px52 ) により演算される。これは偏心量に一致する。この状態変数又は振幅又は偏心量を、コンピュータ等のホストから読みだすようにする。
【0163】
偏心の補正ができても、無限に大きい偏心に対して補正できるものではない。このため、ホストが、偏心が大きい場合に、利用者の警告を発する。特に、携帯型のコンピュータに搭載され、衝撃を受けやすいディスク装置では、偏心情報が予め定めた許容限度を越えた時に、警告を発して、データを別のディスクに退避する。
【0164】
上述の実施の態様の他に、本発明は、次のような変形が可能である。
【0165】
(1) ディスク記憶装置を、磁気ディスク装置で説明したが、光磁気ディスク装置、光ディスク装置等他のディスク記憶装置に適用できる。
【0166】
(2) オブザーバをプロセッサの処理により示したが、デジタル回路によっても、実現できる。
【0167】
以上、本発明の実施の形態により説明したが、本発明の主旨の範囲内で種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0168】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、次の効果を奏する。
【0169】
(1) 偏心推定オブザーバの偏心推定ゲインL4、L5を、シーク時には、フォローイング時に比し、極めて小さくして、位置誤差が偏心推定量に影響を与えることを防止した。このため、シーク終了時の収束動作を速くすることができる。
【0170】
(2) 又、シーク時には、偏心の補正は行われるため、シークの安定性を損なうこともない。更に、ヘッド毎に、偏心の状態変数を保持し、且つ切替え時に、状態変数を切り換えることにより、偏心推定オブザーバを、そのヘッドに合った状態変数に初期化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の構成図である。
【図2】図1のサーボ制御ブロック図である。
【図3】図1のサーボ制御処理フロー図である。
【図4】図3の説明図である。
【図5】図3の演算処理フロー図である。
【図6】本発明の他の実施の形態のサーボ制御ブロック図である。
【図7】図6の演算処理フロー図である。
【図8】本発明の他の演算処理フロー図である。
【図9】図1におけるヘッド切替え処理フロー図である。
【図10】図9の状態変数の説明図である。
【図11】図9のヘッド切替え処理の説明図である。
【図12】従来技術の構成図である。
【図13】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 磁気ディスクドライブ
2 磁気ディスク
3 磁気ヘッド
4 スピンドルモータ
5 ボイスコイルモータ
6 パワーアンプ
8 プロセッサ
20 プラント
21、36 オブザーバ

Claims (4)

  1. ディスク記憶媒体と、前記ディスク記憶媒体の情報を読み取
    るヘッドと、前記ヘッドを移動するアクチュエータと、前記アクチュエータのモデルと偏心のモデルを含む偏心推定オブザーバ制御により、前記ヘッドにより前記ディスク記憶媒体から読みだされた位置信号に基づいて、前記アクチュエータを駆動するための制御信号を計算する制御回路とを有するディスク記憶装置の制御方法において、
    シーク制御時には、第1の偏心推定ゲインを選択し、フォローイング制御時は、第2の偏心推定ゲインを選択するステップと、
    前記位置信号と推定位置信号との誤差と、前記アクチュエータの動作を推定するアクチュエータ推定ゲインと、前記選択された偏心推定ゲインとに基づいて、推定位置と推定速度と推定バイアス信号と推定偏心信号とを含む状態信号を計算し、且つ前記状態信号から前記制御信号を計算するステップと、
    ヘッド切替え指示に応じて、切替え前のヘッドに対する前記推定偏心信号をメモリに保存する保存ステップと、
    前記切替え先のヘッドに対する前記推定偏心信号を読みだし、前記読みだされた前記推定偏心信号を初期値として、前記計算ステップを実行するステップとを有することを
    特徴とするディスク記憶装置の制御方法。
  2. 請求項1のディスク記憶装置の制御方法において、
    前記保存ステップは、
    前記推定偏心信号を基準セクタの推定偏心信号に変換した後、前記変換値を保存するステップから構成され、
    前記実行するステップは、
    前記記憶された推定偏心信号を現在のセクタの推定偏心信号に修正するステップを有することを
    特徴とするディスク記憶装置の制御方法。
  3. ディスク記憶媒体と、前記ディスク記憶媒体の情報を読み取るヘッドと、前記ヘッドを移動するアクチュエータと、前記アクチュエータのモデルと偏心のモデルを含む偏心推定オブザーバ制御により、前記ヘッドにより前記ディスク記憶媒体から読みだされた位置信号に基づいて、前記アクチュエータを駆動するための制御信号を計算する制御回路とを有するディスク記憶装置の制御装置において、
    前記制御回路は、シーク時には、第1の偏心推定ゲインを選択し、フォローイング時は、第2の偏心推定ゲインを選択し、
    前記位置信号と推定位置信号との誤差と、前記アクチュエータの動作を推定するアクチュエータ推定ゲインと、前記選択された偏心推定ゲインとに基づいて、推定位置と推定速度と推定バイアス信号と推定偏心信号とを含む状態信号を計算し、且つ前記状態信号から前記制御信号を計算し、且つ
    前記制御回路は、
    ヘッド切替え指示に応じて、切替え前のヘッドに対する前記推定偏心信号をメモリに保存した後、前記切替え先のヘッドに対する前記推定偏心信号を読みだし、前記読みだされた前記推定偏心信号を初期値として、前記計算ステップを実行することを
    特徴とするディスク記憶装置の制御装置。
  4. 請求項3のディスク記憶装置の制御装置において、
    前記制御回路は、
    前記推定偏心信号を基準セクタの推定偏心信号に変換した後、前記変換値を保存した後、前記メモリから前記記憶された推定偏心信号を読み出し、前記推定偏心信号を現在のセクタの推定偏心信号に修正することを
    特徴とするディスク記憶装置の制御装置。
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