JP3797626B2 - 研磨テープ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、超精密加工分野に利用するのに好適な研磨テープに関する。
【0002】
【従来の技術】
研磨テープ用基材に対して、研磨材粒子をバインダー用の樹脂液中に分散させた塗工剤による研磨層を形成した研磨テープは、精密機械部品や精密電子部品等の仕上げ研磨に使用されている。
【0003】
この樹脂塗工層からなる研磨層を有する研磨テープにおいては、研磨作業時に発生する研磨屑による被研磨体の表面のスクラッチ傷を防ぐために、研磨層の表面に研磨屑を捕集するチップポケットとなる凹部を、バーナードセル現象によって生成させた研磨テープが、特開昭62−255069号公報によって提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、研磨テープ用基材に対して、研磨材粒子をバインダー用の樹脂液中に分散させた塗工剤による研磨層を形成した研磨テープは、研磨層中の研磨材粒子の粒子径が小さくなるに従って、バーナードセル現象の発生がなくなり、研磨層の表面が平滑状態になる。
【0005】
一般に、研磨テープの研磨材粒子の粒子径が小さく、かつ研磨層の表面が平滑になるに従って、研磨テープの研削効率が低下する。また同時に、研磨作業時に発生する研磨屑を捕集するチップポケットが微小になり、研磨屑によるチップポケットの目詰まりが早く、研磨テープの研削力が低下するだけでなく、被研磨体の表面にスクラッチ傷を発生させ易くなる。
【0006】
また、例えばハードディスク基板のテクスチャー加工等に利用されている研磨テープ方式の湿式研磨加工においては、表面が平滑状態の研磨層を有する研磨テープは、該研磨テープと被研磨体との間に液膜が発生するためにスリップしてしまい、初期の目的の研削を行なうことができない。
【0007】
したがって本発明の目的は、樹脂塗工層からなる研磨層に含有させる研磨材の粒子が、平均粒子径1μm以下(#8000以上)という微細な研磨材からなるものであって、しかもこの研磨層の表面に研磨屑を捕集するチップポケットとなる凹凸を有している研磨テープを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下に記載する構成による本発明の研磨テープによって解決することができる。すなわち本発明は、研磨テープ用基材に対して、平均粒子径が2〜10μmの有機質粒子による充填材と平均粒子径が1μm以下の研磨材粒子とを含有する樹脂塗工層からなる研磨層を有する研磨テープであって、該研磨層の表面にはこの研磨層中の充填材に起因する凹凸が生成していると共に、その研磨層の表面の中心線平均粗度(Ra)が0.1〜1.0μmになっており、しかも前記研磨層における充填材と樹脂との重量比が2/8〜8/2にある研磨テープからなる。
【0009】
本発明の研磨テープにおける研磨テープ用基材としては、機械的強度,寸法安定性,耐熱性等に優れた性質を有する合成紙やプラスチックフィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート,延伸ポリプロピレン,ポリカーボネート,アセチルセルロースジエステル,アセチルセルローストリエステル,延伸ポリエチレン,ポリブチレンテレフタレート等による厚さ20〜100μm程度のものが好適である。
【0010】
研磨テープ用基材に対して形成される研磨層の表面には、研磨層中の有機質粒子による充填材に起因する凹凸が現出されていなければならない。
【0011】
このため、平均粒子径が2〜10μmの有機質粒子による充填材を利用する。
【0012】
研磨層中に含有させる有機質粒子による充填材は、研削性能を極力有しない粒子からなるものであって、例えばシリコーン樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、架橋ポリメタクリル酸メチル微粒子、架橋ポリアクリル酸エステル微粒子、架橋ポリスチレン微粒子等が使用される。
【0013】
有機質粒子による充填材の粒子形状は、不定形であっても又は真球状であってもよいが、研削性能を有しない点で真球状のものの方が好ましく、不定形の場合には鋭利なものでないものが望ましい。
【0014】
この研磨層中の有機質粒子による充填材の粒子径を変えることにより、また、研磨層における有機質粒子による充填材とバインダー用樹脂との比率を変えることにより、研磨層の表面の凹凸の大小をコントロールすることができるが、充填材とバインダー用樹脂との比率は、最も好適な範囲の重量比である2/8〜8/2にする。
【0016】
研磨層中の研磨材粒子には、酸化アルミニウム,炭化珪素,酸化ジルコニウム,酸化クロム,酸化鉄,ダイヤモンド,窒化ホウ素,エメリー等が利用される。
【0017】
研磨層中の有機質粒子による充填材に起因して、研磨層の表面には凹凸が生成しており、しかも、該研磨層の表面の中心線平均粗度(Ra)が0.1〜1.0μmになっている。
【0018】
上記の研磨層は、ポリエステル樹脂,ウレタン樹脂,塩化ゴム,硝化綿,ブチラール樹脂等のバインダー用樹脂と、該樹脂に応じて選択される有機質溶剤、例えば、トルエン,キシレン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,アノン,酢酸エチル,酢酸ブチル等から選択される単独溶剤や混合溶剤と、有機質粒子による充填材と研磨材粒子とを利用して得られる粘度10〜1000cpsの塗工剤による塗工層として形成される。
【0019】
研磨層は、ロールコート,グラビアコート,キスコート,ナイフコート,バーコート,ロッドコート,コンマコート,スプレーコート,パークコート等を利用して形成することができる。
【0020】
尚、研磨層に使用するバインダー用樹脂における官能基(−OH,−NH2 ,−COOH等)に対して、トルイレンジイソシアナート(TDI),キシリレンジイソシアナート(XDI), ヘキサメチレジイソシアナート(HMDI)等のイソシアナート系硬化剤を、[イソシアナート基(−NCO)/樹脂の官能基]で表示される当量比が0.5〜10.0程度の範囲内となる程度に混合した塗工剤を利用し、バインダー用樹脂における官能基と硬化剤との反応による硬化樹脂層からなる研磨層にすることにより、耐溶剤性と密着強度とに優れたものにすることができる。
【0021】
【作用】
本発明の研磨テープは、研磨テープ用基材に対して、平均粒子径が2〜10μmの有機質粒子による充填材と平均粒子径が1μm以下の研磨材粒子とを含有する樹脂塗工層からなる研磨層が形成されているものであって、該研磨層の表面にはこの研磨層中の充填材に起因する凹凸が生成していると共に、研磨層の表面の中心線平均粗度(Ra)が0.1〜1.0μmであり、しかも、前記研磨層における充填材と樹脂との重量比が2/8〜8/2にある研磨テープである。
【0022】
従って、上記の構成による本発明の研磨テープは、研磨層の表面に、有機質粒子による充填材に起因する凹凸が現出されていて、研磨層の表面の中心線平均粗度(Ra)が0.1〜1.0μmになっているものであるから、平均粒子径が1μm以下という微細な研磨材粒子を含有する研磨層を具備する研磨テープであっても、研削効率の良好な研磨テープになる。
【0023】
また本発明の研磨テープは、研磨層の表面の凹凸が、研磨作業時に発生する研磨屑を捕集するチップポケットになるため、研磨層中の研磨材粒子の粒子径が小さくても研磨層の表面が平滑面になることがなく、これにより被研磨体の表面にスクラッチ傷を生じることのない研磨を行なえる研磨テープになる。
【0024】
また、例えばハードディスク基板のテクスチャー加工等に利用されている研磨テープ方式の湿式研磨加工においては、本発明の研磨テープは、研磨層中の研磨材粒子の粒子径が小さくても、該研磨テープと被研磨体との間に液膜が発生することがなく、良好な研削を行なうことができる研磨テープになる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の研磨テープの具体的な構成を製造実施例に基づいて説明する。
【0026】
実施例1
研磨層用の塗工剤の調製
線状飽和ポリエステル樹脂[東洋紡績 (株) :バイロン#530]20重量部とトルエン120重量部とメチルエチルケトン30重量部との樹脂溶液中に、架橋ポリメタクリル酸メチル微粒子[積水化成品工業 (株) :MBX]40重量部と酸化アルミニウム微粉末[昭和電工 (株) :WA#8000]160重量部とを添加してサンドミルで良く分散させた後、キシリレンジイソシアナート[ザ・インクテック (株) :XEL硬化剤(D)]10重量部を添加し、さらにトルエンとメチルエチルケトンとの等量混合溶剤で希釈することにより、粘度120cpsの研磨層用の塗工剤[a]を得た。
【0027】
研磨テープの製造
[図1]において、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[帝人 (株) :低熱収縮SGタイプ]からなる研磨テープ用基材2の片面に、上記の研磨層用の塗工剤[a]を、3本リバース法により50g(dry)/m2 に塗工 乾燥し、さらに50℃の雰囲気中にて2日間のエージングを行なうことにより研磨層3を形成し、本発明の実施例品である研磨テープ1を得た。
【0028】
研磨テープ1の研磨層3の表面には、研磨層3中の充填材である架橋ポリメタクリル酸メチル微粒子4に起因する不規則な凹凸が現出されていた。なお、符号5は研磨層3中の研磨材粒子である。
【0029】
【発明の効果】
本発明の研磨テープは、研磨層の表面に、該研磨層中の有機質粒子による充填材に起因する凹凸が現出されていて、該研磨層の表面の中心線平均粗度(Ra)が0.1〜1.0μmになっているものであるから、研磨層中の研磨材粒子の平均粒子径が1μm以下という微細な研磨材粒子であっても、研削効率の良好な研磨テープになる。
【0030】
また本発明の研磨テープは、研磨層中の研磨材粒子の平均粒子径が1μm以下という微細な研磨材粒子を使用したものでありながら、研磨層の表面の中心線平均粗度(Ra)が0.1〜1.0μmになっているものであるから、これによって被研磨体の表面にスクラッチ傷を生じることのない研磨を行なえる研磨テープになる。
【0031】
さらに、例えばハードディスク基板のテクスチャー加工等に利用されている研磨テープ方式の湿式研磨加工においては、本発明の研磨テープは、研磨層中の研磨材粒子の平均粒子径が1μm以下という微細な研磨材粒子であっても、該研磨テープと被研磨体との間に液膜が発生することがなく、良好な研削を行なうことのできる研磨テープになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の研磨テープの1実施例品を模式的に示す切断端面図である。
【符号の説明】
1・・・・研磨テープ
2・・・・研磨テープ用基材
3・・・・研磨層
4・・・・研磨層中の有機質粒子による充填材
5・・・・研磨材粒子
Claims (1)
- 研磨テープ用基材に対して、平均粒子径が2〜10μmの有機質粒子による充填材と平均粒子径が1μm以下の研磨材粒子とを含有する樹脂塗工層からなる研磨層が形成されている研磨テープからなり、該研磨層の表面にはこの研磨層中の充填材に起因する凹凸が生成していると共に、その研磨層の表面の中心線平均粗度(Ra)が0.1〜1.0μmになっており、しかも前記研磨層における充填材と樹脂との重量比が2/8〜8/2であることを特徴とする研磨テープ。
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- 1995-01-06 JP JP01639895A patent/JP3797626B2/ja not_active Expired - Lifetime
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