JP3796416B2 - 電解法を用いた有機性汚水の浄化方法 - Google Patents

電解法を用いた有機性汚水の浄化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解法を用いた有機性汚水の浄化方法に関し、特に、生物学的汚水処理手段からの余剰汚泥に塩化物を添加して電解槽で電気分解処理し、塩化物イオンを塩素分子へ変換して得た塩素分子によって汚泥細胞を殺傷して死滅化し、有機性汚水の浄化を行うための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、用いられていたこの種の有機性汚水の浄化方法としては、次の表1に示される第1表の方法が採用されていた。
【0003】
【表1】
Figure 0003796416
【0004】
すなわち、ミル法、ディスク法及び超音波法により細胞破壊、分解酵素を行う破砕法による第1従来例。
酵素法、好熱細菌法及び腐植土法により酵素分解及び増殖抑制を行う生物法による第2従来例。
オゾン法、塩素法及び酸・アルカリ法による化学法の第3従来例。
高温高圧法及び曝砕法により細胞破砕を行う物理法による第4従来例。が各々採用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の有機性汚水の浄化方法は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、一般に、下水等の有機性汚水の生物学的汚水処理(活性汚泥法、好気嫌気活性汚泥法、硝化脱窒法)をすると余剰汚泥が発生する。この余剰汚泥を減容する手段として、前述のような増殖微生物(余剰汚泥)を処理して生物処理槽へ返送し、微生物により代謝分解して減容させる方法が開発されている。これらの方法は、破砕法(ミル法、ディスク法、超音波法)、生物法(酵素法、好熱細菌法)、化学法(オゾン法、塩素法、酸、アルカリ法)、物理法(高温高圧水法、爆砕法)に分解される。
この余剰汚泥を構成する菌体細胞である汚泥細胞の処理原理より分類すると、図6のように、A細胞殺傷法(オゾン法・塩素法)、B細胞質漏出法(ミル・ディスク法、超音波法)、C細胞構成成分の低分子化・溶解法(酸・アルカリ法、酵素法、高温高圧水法)に分類される。なお、前記生物学的汚水処理手段により処理される原水である有機性汚水は、その約50%がCO2として排気され、残りの約50%が余剰汚泥として残る。
一般的に、A、B、C、の順に運転コストが高いか、又は、装置化に高度な技術が要求される。さらに、個々の問題点として、次の項目が挙げられる。
ミル・ディスク法:ミル・ディスクの消耗、砂・髪等の異物による目詰まり、発熱
超音波法:運転コストがやや高い。
酵素法:酵素が高価である。
好熱細菌法:菌体細胞の溶解効率が低い。
腐植土法:負荷条件等、運転条件が限定され、確実性に欠ける。
オゾン法:設備及び運転コストが高い。
塩素法:塩素の吸収効率が低く、高濃度菌体の殺菌効果が低い。
酸・アルカリ法:薬品代が高コスト、加熱が必要で、処理後の中和処理を要していた。
高温高圧水法:高効率で、多機能であるが、装置化の技術レベルが高く、運転コストが高くなっていた。
爆砕法:装置化の技術レベルが高く、運転コストが高くなっていた。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、余剰汚泥を電解槽で電気分解処理し、塩素分子によって汚泥細菌殺傷し、化学法で細胞殺傷法に分類される方法で、装置化が簡単で、殺菌殺傷効率が高く、運転コストが極めて低コストで、処理施設の規模、生物処理法の種類を問わず適用可能とした電解法を用いた有機性汚水の浄化方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本出願人は、生物学的汚水処理により発生した活性余剰汚泥を電解法により死滅処理し、これを再び生物処理槽に返送することにより代謝分野が効率的に行われることを見い出したもので、有機性汚水を生物学的汚水処理手段で浄化する有機性汚水の浄化方法において、前記生物学的汚水処理手段で発生する余剰汚泥に塩化物を添加してチタン板に二酸化鉛又は貴金属酸化物を被覆した陽極を具備した隔膜のない電解槽にて前記余剰汚泥を電気分解処理することにより、塩化物イオンを塩素分子に変換し、前記塩素分子または前記塩素分子が水と反応して生じた次亜塩素酸イオンにより汚泥細胞を死滅させる第1工程と、前記第1工程で電気分解処理した余剰汚泥を前記生物学的汚水処理手段に返送する第2工程とよりなる方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による電解法を用いた有機性汚水の浄化方法の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本発明による浄化方法を適用した浄化装置を概略的に示す構成図である。
すなわち、図1において符号11で示されるものは、下水等の有機性汚水が原水10として提供される曝気槽からなる生物学的汚水処理手段であり、この曝気槽11からは処理水14がオーバーフローするように構成されている。
【0009】
前記曝気槽11には、その底部11a側から空気源15によって曝気を行う曝気管16が設けられており、前記曝気槽11からの余剰汚泥17が循環タンク31に供給され、この循環タンク31と電解槽21との間は循環ポンプ30により循環され、排気ガス50が排気され、撹拌装置40により撹拌されるように構成されている。また、この循環ポンプ30には塩素等の塩化物22を供給するポンプ23が接続されている。
【0010】
前記電解槽21は、密封型で直流電源26に接続された陰極24と陽極25を交互に一定間隔で並べた積層型よりなり、電極間隙を前記原水10が一定流速の上向流となるように構成されている。すなわち、この上向流の方がH2が汚泥細胞に付着して電解槽21外へ搬送しやすくなり、陰極24へのH2の付着が阻止できるからである。
この電解槽21の前記陽極25は、チタン板に二酸化鉛や貴金属酸化物を被覆したもの、あるいはフェライト板でもよいが、小型化には貴金属被膜チタン板が好適である。また、陰極24はステンレス又はチタン板でよい。
前記循環タンク31には、水素ガスを排気するための排気手段が設けられ、陰極24で発生した水素ガスが汚泥に付着して循環タンク31内で浮上するので、循環タンク31には撹拌装置40による脱気ができるように構成されている。
また、この電解槽21による電解処理はバッチ式又は連続式の何れも可である。
【0011】
前記電解槽21における汚泥混合液に塩化物22として食塩又は海水を添加して電気分解すると、塩化物イオンは塩素分子へ変換され、この塩素分子が汚泥細胞を殺傷し、死滅化するものである。なお、電解槽21で死滅化した死滅余剰汚泥17aは循環タンク31を経て曝気槽11内へ返送される。
従って、図2及び図3で示されるように、陽極25の近傍では塩化物イオンは陽極25へ電子を供与して塩素分子Clへ変換される。
前記陽極25から離れた中性(余剰汚泥)及びアルカリ性では、塩素分子は直ちに水と反応して次亜塩素酸イオンClOに変化する。尚、前記電解槽21は図1及び図2で示されているように、隔膜のない構成で形成されている。
【0012】
このCl(酸性)またはClO(中性・アルカリ性)は細胞壁を透過して、細胞内の酵素・遺伝子等の生命活動物質を酸化してClになる。生命活動物質を破壊された細胞は死滅する。このClは再び陽極に移動し電子を供与して塩素へ変換され、上記反応が繰り返されるリサイクル反応である。
電解酸化で発生した塩素の酸化力は極めて反応活性である。陽極25表面で発生した塩素(Cl分子、又はClOイオン)は高エネルギーを有し化学的に活性で、しかも電極表面近傍の塩素濃度は図3で示されるように極めて高い。この活性塩素の高濃度領域と内部溶液相との界面で反応が進行するので、電解塩素の細胞殺傷力は極めて強い。オゾン・塩素ガスの吹き込みや次亜塩素酸溶液の添加では得られない殺傷力を有する。
細胞殺傷に必要な量のみ活性塩素を供給すればよく、その活性塩素の濃度としては1%NaCl濃度でよい。また、電解処理された汚泥はガスの吸収液となるので、極めて過剰の電解処理を行わない限り、陽極で発生する塩素や副生ガスが外部へ漏洩することはない。ただし、陰極より水素ガスが発生するが、この水素ガスは汚泥と共に循環タンク31に戻され、ここで排気ガス50として大気放出される。
【0013】
また、図4で示される本発明による第1の発明である図1の他の形態としての活性汚泥法による場合は、図1の循環タンク31を必要とせず、余剰汚泥17の一部を返送汚泥18として第1ポンプ19を介して曝気槽11に返送している。前記曝気槽11には、その底部11a側から空気源15によって曝気を行う曝気管16が設けられている。
前記余剰汚泥17は、第2ポンプ20を介して電解槽21に供給され、塩素等の塩化物22は第3ポンプ23を介して電解槽21内へ供給されている。この電解槽21は密封型で直流電源26に接続された陰極24と陽極25を交互に一定間隔で並べた積層型よりなり、電極間隔を原水10が一定流速の上向流となるように構成されている。
【0014】
実施例1
次に、本出願人は、人工的に製造した人工下水100を用いて汚水の浄化実験を次のように行った。この人工下水は水道水10L中に脱脂粉乳6g、硫酸アンモニウム2.82g、リン酸2水素カリウム0.27g、炭酸水素ナトリウム0.75g及び炭酸水素ナトリウム0.375gを加えてBOD300mg/L、COD300mg/L、TOC260mg/Lとなるように作った。
人工下水100を用いた図5の活性汚泥装置の曝気槽11から余剰汚泥17を抜き取り、食塩濃度が1%になるように食塩を添加して電解した後、原液である原水10と混合して曝気槽11へ投入した。全く同じ装置及び運転条件で、余剰汚泥17を抜き取り、電解槽21を介さない比較例実験を行った。
(実験方法)
曝気槽11の容積は10L、沈澱槽12の容積は3Lで上記人工下水を曝気槽11に投入した。汚泥滞留時間SRT(固形物滞留時間)を20日となるように、2日1回、1Lの混合液を曝気槽11より引き抜いた。
w160mm×H275mmの二酸化鉛皮膜チタン製陽極を同じサイズのチタン製陰極2枚を12mmの間隔で挟んだ電極を有効容積1Lの直方体PVC製電解槽21へ取り付けた。抜き取り混合液を電解槽21へ投入し、混合液を小型ポンプで循環撹拌した。食塩を10g添加して、1Aの定電流で30分間電解した。
(汚泥性状)
MLSSは比較例では平均2,200mg/Lであったが、実験例では平均4,000mg/Lであった。MLVSS/MLSSは電解槽を介さない系比較例では平均0.97、実験例では平均0.97であった。
曝気槽11内の混合液を30分間静置し、沈降濃縮したときの汚泥容積の割合SVI(汚泥容量指標)を調べた。比較例は平均140であったが、実験例では平均230であった。SVIの値が高いにも関わらず、汚泥フロックと上澄み液の界面は明確で、沈澱槽12による固液分離は良好(沈降汚泥の高さは三角錐分離槽の有効高さの1/3以内)で、貯留タンク内の処理水は透明で流出した汚泥は目視観察では分離性能には異常が認められなかった。
【0015】
(処理水)
処理水中のBOD、COD、TOCはそれぞれ5、10、10mg/L以下で良好に維持された。
(処理コスト)
本技術は、従来法に比べて画期的な低コストにより汚泥減容型生物法を提供するものである。
例えば、重力濃縮した余剰汚泥(MLSS約10,000mg/L)を処理したときの、処理コストは次のようになる。1Lの濃縮汚泥を1Aの定電流で、二酸化鉛皮膜チタン板の陽極により電解電圧3Vで0.5時間処理したときの電力は、1[A]×3[V]×0.5[h]/1L−濃縮汚泥で、1.5kWh/kL−濃縮汚泥となり、電気料12円/kWhとすると、18円/kL−濃縮汚泥となる。濃縮余剰汚泥/下水=0.2〜1%(平均0.5%)とすると、0.1円/kL−下水となる。また、岩塩添加量は10kg−岩塩/kL−濃縮汚泥で、50g−岩塩/kL−下水となる。また、処理水中の塩分濃度の増加は50mg/Lで、下水の塩分濃度数百mg/Lを考えると、岩塩添加による処理水放流による生態系への影響は無視できる。また、臨海域における処理場においては、海水を汚泥濃縮液の1/3容量添加すればよい。また、し尿処理においては、岩塩の添加は不要である。
【0016】
図7は、本発明による第2の発明による浄化方法を適用した浄化装置を概略的に示す構成図である。尚、図4と同一部分には同一符号を付しその説明は省略すると共に、前述の図4と同様に余剰汚泥17の一部を返送汚泥18として第1ポンプ19を介して曝気槽11に返送している。
前記曝気槽11には、その底部11a側から空気源15によって曝気を行う曝気管16が設けられている。
塩化物含有水60は第3ポンプ23を介して電解槽21に供給されており、この電解槽21は密封型で直流電源26に接続された陰極24と陽極25を交互に一定間隔で並べた積層型よりなり、電極間隙を原水10が一定流速の上向流となるように構成されている。
電解処理された電解処理塩化物含有水60aは電解槽21から混合タンク61へ供給されると共に前記余剰汚泥17も、第2ポンプ20を介して混合タンク61に供給され、混合タンク61で電解処理塩化物含有水60aと余剰汚泥17が混合された後、曝気槽11に返送される構成となっている。
この混合タンク61には、電解槽21で発生した水素ガスが汚泥に付着して混合タンク61内で浮上するので、撹拌装置32により水素ガスと汚泥を分離し、水素ガスを脱気するための排気手段34が設けられている。
また、混合タンク61は電解処理された塩化物含有水中の塩素イオンが余剰汚泥の汚泥細胞と十分な反応時間がとれるような容積である。また、滞留時間としては30分〜60分が好ましい。
【0017】
実施例2
この実施例2は図8の実験例を示す構成図により説明する。
実験に供した有機性汚水は実験例1と同一性状の人工的に製造した人工下水100を用いた。
食塩濃度が3%になるように食塩を添加して電解した水と、活性汚泥装置の曝気槽11から抜き取った余剰汚泥17とを容積比1:2で混合し基質化(すなわち、本発明では汚泥細胞を殺傷・死滅、細胞質漏出及び低分子化することである)した後、原液である原水10と混合して曝気槽11へ投入した。
【0018】
実験方法
実施例1と同様に、曝気槽11の容積は10L、沈澱槽12の容積は3Lで上記人工下水10を曝気槽11に投入した。汚泥滞留時間SRT(固形物滞留時間)を20日となるように、2日1回、1Lの混合液を曝気槽11より抜き取った。
電解槽21も実験例1と同一の装置を用い、食塩を電解槽21へ投入し水に溶解させ電解して塩素を発生させたものと、曝気槽11から抜き取った余剰汚泥17を、撹拌、混合した。
【0019】
(電解条件)
電解した食塩水を混合する前の余剰汚泥の酸素消費量と、混合後の余剰汚泥の酸素消費量を測定し、殺傷率を求めることによって電解条件を設定した。
蒸留水1Lに食塩30gを添加し1Aの定電流で電解を行い、塩素を発生させ、塩素水を得た。この時の電圧は3Vであった。電解を20分間行った塩素水1Lを4,000mg/Lの余剰汚泥2Lに混合することにより、殺傷率100%を得た。この結果から最適電解条件は、(1A×1/3h)/(4,000mg/L×2L)=0.042Ah/g−SSとなった。
例えば、3,000mg/Lの余剰汚泥1Lを基質化(すなわち、本発明では汚泥細胞を殺傷・死滅、細胞質漏出及び低分子化することである)する場合には、3%の塩化物を含む水を1Aの定電流で7.5分間電解すればよい。
【0020】
(汚泥性状)
MLSSについては、実施例2では3,500mg/Lで安定していた。
【0021】
(処理水)
処理水14の水質に顕著な差異は認められず、処理水中のBOD、COD、TOCはそれぞれ5、10、10mg/L以下で良好に維持された。
従って、本発明の図1から図5で示される第1の発明は、有機性汚水10を生物学的汚水処理手段11で浄化する有機性汚水の処理方法において、前記生物学的汚水処理手段11で発生する余剰汚泥17に塩化物22を添加して電解槽21にて電気分解処理する第1工程(電気分解で生成される活性塩素で余剰汚泥中の汚泥細菌を基質化すなわち死滅化する工程)と、前記第1工程で電気分解処理した前記余剰汚泥17aを前記生物学的汚水処理手段11に返送する第2工程(基質化すなわち死滅化した汚泥細菌を生物学的汚水処理手段中の微生物群により消化処理する工程)とよりなることを特徴とする電解法による有機性汚水の浄化方法である。すなわち、本発明における第1の発明の観点は、有機性汚水を生物処理により浄化する方法であって、第1の工程で生物学的汚水処理により発生する余剰汚泥に塩化物を添加し、これを電気分解し、電気分解により発生した塩素と汚泥細胞を接触させ基質化すなわち死滅化させた後、第2の工程で該余剰汚泥を生物処理工程に返送して同工程内の微生物群により消化させることにより、余剰汚泥を削減するものである。
これによれば、余剰汚泥細菌を低コストで効率的に殺傷して、汚泥処理に不必要なエネルギーを投入することなく、該汚泥処理を低コストでかつ効率的に行うことができ、余剰汚泥の削減を図ることができる。
【0022】
また、本発明の図7及び図8で示される第2の発明は、有機性汚水10を生物学的汚水処理手段11で浄化する有機性汚水の処理方法において、電解槽21にて塩化物含有水60を電気分解処理する第1工程(塩化物含有水を電気分解して活性塩素を生成する工程)と、前記生物学的汚水処理手段11で発生する余剰汚泥17と前記第1工程で電気分解処理した塩化物含有水60とを混合タンク61で混合する第2工程(電気分解で生成される活性塩素で余剰汚泥中の汚泥細菌を基質化すなわち死滅化する工程)と、前記第2工程の混合タンク61で混合した前記余剰汚泥17aと電気分解処理した塩化物含有水60とを前記生物学的汚水処理手段11に返送する第3工程(基質化すなわち死滅化した汚泥細菌を生物学的汚水処理手段中の微生物群により消化処理する工程)
とよりなることを特徴とする電解法による有機性汚水の処理方法である。すなわち、本発明における第2の発明の観点は、有機性汚水を生物処理により浄化する方法であって、第1の工程で予め塩化物含有水を電気分解処理し塩素を発生させておき、第2の工程で、この塩素を生物学的汚水処理により発生する余剰汚泥と混合槽で混合して、この混合槽で汚泥細胞と電気分解処理で発生した塩素とを接触させ基質化すなわち死滅化した後、第3の工程で該余剰汚泥を生物処理工程に返送して同工程内の微生物群により消化させることにより、余剰汚泥を削減するものである。
また、第2の発明によれば、電解槽において電極への余剰汚泥中の無機質及び有機質に起因するスケール付着が抑制でき維持管理費の低減が図られると共に、塩化物含有水として海水を利用すれば更に低コスト化を図ることができる。
また、前述の第1及び第2の発明によれば、電解による余剰汚泥基質化のための消費電力量が低く、処理時間も短時間であり、省エネルギーである。沈澱槽からの処理水14の水質についても、余剰汚泥の削減化処理しない通常の生物処理法と同等の水質基準を達成することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明による電解法を用いた汚泥の浄化方法は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、生物学的汚水処理手段からの余剰汚泥に塩化物を添加して電解槽で電気分解処理し、塩化物イオンを塩素分子へ変換して得た塩素分子によって汚泥細菌を殺傷して死滅化し、汚泥の浄化を行うため、従来方法に比べると、装置構成が簡略化され、かつ、コストダウンされると共に、処理水質についてはオゾン法と同等の性能を達成することができる。また、前記塩素分子によって汚泥細菌を殺傷して基質化すなわち死滅化させて浄化を行っているため、前述の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電解法を用いた汚泥の浄化方法の第1形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の電解塩素法による汚泥細胞殺傷機構を示す説明図である。
【図3】図1の電極表面近傍の電解塩素反応モデルを示す説明図である。
【図4】図1の他の形態を示す概略構成図である。
【図5】図1の実験例を示す構成図である。
【図6】従来の汚泥可溶化技術の原理と分離を示す説明図である。
【図7】本発明による第2形態を示す概略構成図である。
【図8】図7の実験例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 汚泥細胞
10 有機性汚水(原水)
11 生物学的汚水処理手段(曝気槽)
17 余剰汚泥
17a 死滅余剰汚泥
21 電解槽
22 塩化物
60 塩化物含有水
61 混合タンク

Claims (1)

  1. 有機性汚水(10)を生物学的汚水処理手段(11)で浄化する有機性汚水の浄化方法において、前記生物学的汚水処理手段(11)で発生する余剰汚泥(17)に塩化物(22)を添加してチタン板に二酸化鉛又は貴金属酸化物を被覆した陽極を具備した隔膜のない電解槽(21)にて前記余剰汚泥(17)を電気分解処理することにより、塩化物イオンを塩素分子に変換し、前記塩素分子または前記塩素分子が水と反応して生じた次亜塩素酸イオンにより汚泥細胞を死滅させる第1工程と、
    前記第1工程で電気分解処理した余剰汚泥(17a)を前記生物学的汚水処理手段(11)に返送する第2工程とよりなることを特徴とする電解法を用いた有機性汚水の浄化方法。
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