JP3789606B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空気入りタイヤに関し、詳しくは走行初期から中期、末期までタイヤのウエット操縦安定性(以下、単に操縦性という)及び振動乗り心地性(以下、単に乗り心地性という)に優れた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の高馬力化、高機能化、高寿命化に伴って、タイヤにも操縦性、乗り心地性を高度に両立し、走行中期、末期に至るまで、これらの性能を維持することが求められている。特に、乗用車タイヤにおいては、バイアスタイヤからラジアルタイヤへ変化し、ラジアルタイヤでも偏平率を82から70、さらに65へと変化させるに伴って、操縦性は大きく向上するが乗り心地性は必ずしも改善されず、この両性能を高度に両立させることが強く要請されている。
【0003】
この解決法の一つとして、タイヤトレッド用の各種ゴム配合剤が検討されているが加硫促進剤に着目すれば、特開昭58−87138公報では、特定の加硫促進剤と特定の老化防止剤を配合したゴム組成物が耐熱硬化性を改良し、タイヤ走行末期の外観を改善することが開示されているがタイヤの運動性能、乗り心地性については全く検討されていない。また、特開昭56−139542公報では、特定の加硫促進剤を用いたゴム組成物がゴム練りにおける燒け(スコーチ性)を改良することを開示しているが、タイヤの性能に関しては記載もなく、示唆もない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事実に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、走行初期から末期までタイヤの操縦性及び乗り心地性に優れた空気入りタイヤを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、トレッドゴムに配合されるポリマーや各種配合剤に着目し、鋭意検討の結果、下記の手段によって、課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、(1)本発明の空気入りタイヤは、ラジアル方向外側に配置されたキャップゴム層とラジアル方向内側に配置されたベースゴム層の二層からなるトレッド部又は一層からなるトレッド部を有する空気入りタイヤにおいて、該トレッド部は、二層からなるトレッド部のキャップゴム及びベースゴムの少なくとも一つのゴム又は一層からなるトレッド部のゴムが、原料ゴム100重量部中に、SBRを50重量部以上含有し、原料ゴム100重量部に対して、軟化剤を20重量部以上含有し、該軟化剤重量部のうち5〜55重量部が35℃〜150℃の軟化点を有する、クマロン樹脂、フェノール・テルペン系樹脂及び石油系炭化水素樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂系軟化剤であり、かつ下記一般式(I) で表されるジチオリン酸金属塩、O,O’−ジアルキルジチオリン酸ジスルフィド及びO,O’−ジアルキルジチオリン酸テトラスルフィドからなる群より選択される少なくとも1種のジチオリン酸化合物系加硫促進剤を原料ゴム100重量部に対して、0.2〜5.0重量部を含むゴム組成物からなることを特徴とする。
【0007】
【化3】
Figure 0003789606
【0008】
(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を表す。このアルキル基は直鎖状、分枝鎖状、環状のいずれでもよい。M1 はZn原子、Sb原子、Fe原子又はCu原子を表し、nは結合する金属の原子価の数を表す。)
(2)前記(1)項に記載の一般式(I) で表されるジチオリン酸金属塩は下記一般式(II)で表されるジチオリン酸化合物系加硫促進剤であることが好ましい。
【0009】
【化4】
Figure 0003789606
【0010】
(式中、M2 はZn原子又はSb原子を表し、nは結合する金属の原子価の数を表す。)
【0019】
)前記(1)項に記載の樹脂系軟化剤の軟化点は70〜130℃であることが好ましい。
【0020】
)前記(1)項に記載の樹脂系軟化剤のクマロン樹脂は軟化点が70〜130℃のクマロン・インデン樹脂であることが好ましい。
【0021】
)前記(1)項に記載の樹脂系軟化剤のフェノール・テルペン系樹脂はフェノール・アセチレン樹脂又はフェノール・ホルムアルデヒド樹脂であることが好ましい。
【0022】
)前記(1)項に記載の樹脂系軟化剤の石油系炭化水素樹脂は脂肪族系環状炭化水素樹脂又は芳香族系炭化水素樹脂であることが好ましい。
【0023】
)前記(1)項に記載のゴム組成物は、原料ゴム100重量%中に、SBRのスチレン単位が20重量%以上を含有するようにSBRが配合されることが好ましい。
【0024】
)前記(1)項又は(7)項に記載のゴム組成物は、原料ゴム100重量部中に、スチレン含有率が30重量%以上のSBRを含有することが好ましい。
【0025】
本発明は上記のように特に、特定の樹脂系軟化剤と特定の加硫促進剤とを併用することに大きな特徴がある。
【0026】
本発明における特定の樹脂系軟化剤を用いない場合、タイヤは走行中期頃まではトレッドゴムの硬化を抑制するが末期には次第に硬化していく。本発明の特定の樹脂系軟化剤が併用された場合、すなわち本発明ではタイヤの走行末期において樹脂系軟化剤の他部材への移行によるゴムの硬化が抑制される。このため、本発明では特にタイヤの走行末期における操縦性及び乗り心地性の低下を抑制することができる。
【0027】
従来、軟化剤は通常の配合では芳香族系オイルが用いられることが多いが、この軟化剤はオイル含有量の少ない他部材(例えばケース)へ移行し、移行することでトレッドゴムの硬化が起こり、ひいてはタイヤの操縦性及び乗り心地性が悪化する。しかし、本発明における特定の樹脂系軟化剤は他部材へ移行しにくいため、ゴムの硬化を大幅に抑制できるという新知見を得るに至り、特定の加硫促進剤と組み合わせることにより、優れた操縦性と乗り心地性を有する本発明の空気入りタイヤが得られたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明では、前記二層からなるトレッド部のキャップゴム及びベースゴムの少なくとも一つのゴム又は前記一層からなるトレッド部ゴムが原料ゴム100重量部中に、SBR(スチレンブタジエンゴム)を50重量部以上、好ましくは70重量部以上含有することが必要である。SBRの配合量が50重量部未満では操縦性、乗り心地性が劣るので好ましくない。このSBRについては、SBRに含まれるスチレン単位が原料ゴム100重量%中に、20重量%以上含有するようにSBRを配合することが好ましい。例えばSBRを50重量部と他の原料ゴムの天然ゴム50重量部を配合する場合、このSBRのスチレン含有率は40重量%以上であることを意味する。
【0029】
また、上記とは別の態様であるが原料ゴム100重量部中に、スチレン含有率が30重量%以上のSBRを含有することが好ましい。例えばスチレン含有率が35重量%のSBRを10重量部、スチレン含有率が23.5重量%のSBRを40重量部と他の原料ゴムの天然ゴム50重量部を配合する場合、全原料ゴム100重量%中のスチレン単位は20重量%未満となるがこういう配合でもよいことを示す。
【0030】
本発明に用いられるSBRは上記のような条件を満たすものであれば制限されないが、市販の乳化重合SBR、溶液重合SBR等を用いることができる。
【0031】
本発明における、原料ゴムとしては本発明のSBRのほか、他のSBR、天然ゴム、合成ゴム、例えばイソプレンゴム,ブタジエンゴム,ブチルゴム(ハロゲン化ブチルゴムを含む)、エチレン−プロピレンゴム等を挙げることができる。
【0032】
また、本発明では樹脂系軟化剤の総量が原料ゴム100重量部に対して、20重量部以上含まれる。該軟化剤重量部のうち5〜55重量部、効果の点から好ましくは10〜55重量部が35℃〜150℃、効果の点から好ましくは70〜130℃の軟化点を有する、クマロン樹脂、フェノール・テルペン系樹脂及び石油系炭化水素樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂系軟化剤である。この樹脂系軟化剤の量が5重量部未満では十分な効果が得られず、55重量部を越えると、作業性、耐摩耗性の低下をひきおこすので好ましくない。
【0033】
また、樹脂系軟化剤の軟化点が35℃未満では他部材への移行の点から、軟化点が150℃を越えると混練作業性の悪化、分散性の悪化の点から好ましくない。
【0034】
クマロン樹脂としては、例えばクマロン・インデン樹脂;クマロン樹脂、ナフテン系油、フェノール樹脂、ロジンの混合樹脂等を挙げることができる。中でも、効果の点からクマロン・インデン樹脂が好ましい。
【0035】
フェノール・テルペン系樹脂としては、例えばフェノール・アセチレン樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、テルペン・フェノール樹脂、ポリテルペン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂等を挙げることができる。中でも、効果の点から、フェノール・アセチレン樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂が好ましい。
【0036】
石油系炭化水素樹脂としては、例えば合成ポリテルペン樹脂、芳香族系炭化水素樹脂(例えば日石ネオポリマー80(商品名、日本石油社製))、脂肪族系炭化水素樹脂(例えばタッキロール1000(商品名、住友化学社製))、脂肪族系環状炭化水素樹脂(例えばジシクロペンタジエン)、脂肪族・芳香族系石油樹脂(例えばハイレッツG100X(商品名、三井石油化学社製))、水素添加炭化水素樹脂(例えばエスコレッツ5300(商品名、エクソン化学社製))、炭化水素系粘着化樹脂(例えばPiccotac resins A(商品名、ハーキュリーズ ジャパン社製))、脂肪族・脂環族系石油樹脂(例えばエスコレッツ1401(商品名、エクソン化学社製))、ロジン誘導体、テルペン系樹脂等を挙げることができる。中でも効果の点から、脂肪族系環状炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂が好ましい。
【0037】
本発明の一態様において用いられるジチオリン酸化合物系加硫促進剤は前記一般式(I) で表されるジチオリン酸金属塩、O,O’−ジアルキルジチオリン酸ジスルフィド及びO,O’−ジアルキルジチオリン酸テトラスルフィドからなる群より選択される少なくとも1種である。
【0038】
前記一般式(I)で表されるジチオリン酸金属塩のR1 及びR2 はそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基であり、このアルキル基は直鎖状、分枝鎖状、環状のいずれでもよい。M1 はZn原子、Sb原子、Fe原子又はCu原子であり、nは結合する金属の原子価の数である。中でも、R1 及びR2 は、炭素数3〜4のアルキル基が好ましい。炭素数が2以下のアルキル基を有するジチオリン酸金属塩はゴムへの溶解性が低下する傾向があり、炭素数が5以上では効果のさらなる向上が得られず、経済的な観点からもこれ以上の炭素数の増大は必ずしも効果的ではない。また、金属としては、Zn原子又はSb原子が好ましい。つまり、前記式(II)に示すようなジチオリン酸金属塩が好ましい。
【0039】
すなわち、これらのジチオリン酸金属塩としては、例えばO,O’−ジプロピルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジ−n−ブチルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジ−sec−ブチルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジ−t−ブチルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジフェニルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジシクロヘキシルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジプロピルジチオリン酸アンチモン、O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸アンチモン、O,O’−ジ−n−ブチルジチオリン酸アンチモン、O,O’−ジ−sec−ブチルジチオリン酸アンチモン、O,O’−ジ−t−ブチルジチオリン酸アンチモン、O,O’−ジフェニルジチオリン酸アンチモン、O,O’−ジシクロヘキシルジチオリン酸アンチモン等が挙げられ、中でも、O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジ−n−ブチルジチオリン酸亜鉛、O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸アンチモン、O,O’−ジ−n−ブチルジチオリン酸アンチモンが好ましい。これらの加硫促進剤は単独で、又は2種以上の混合物で用いることができる。
【0040】
O,O’−ジアルキルジチオリン酸ジスルフィド又はO,O’−ジアルキルジチオリン酸テトラスルフィドのとしては、例えばO,O’−ジブチルジチオリン酸ジスルフィド、O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸ジスルフィド、O,O’−ジプロピルジチオリン酸ジスルフィド、O,O’−ジエチルジチオリン酸ジスルフィド、O,O’−ジメチルジチオリン酸ジスルフィド、O,O’−ビス(2−エチルヘキシル)ジチオリン酸ジスルフィド、O,O’−ビス(4−メチルペンチル)ジチオリン酸ジスルフィド、O,O’−ジオクタデシルジチオリン酸ジスルフィド、O,O’−ジブチルジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ジプロピルジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ジエチルジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ジメチルジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ビス(2−エチルヘキシル)ジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ビス(4−メチルペンチル)ジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ジオクタデシルジチオリン酸テトラスルフィド等が挙げられる。中でも効果の点から、O,O’−ジブチルジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸テトラスルフィド、O,O’−ビス(2−エチルヘキシル)ジチオリン酸テトラスルフィドが好ましい。
【0041】
また、前記ジチオリン酸化合物系加硫促進剤は原料ゴム100重量部に対して0.2〜5.0重量部含むことが必要である。0.2重量部未満では走行後の操縦性及び乗り心地性向上効果が低く、5.0重量部を越えて配合しても、効果のさらなる向上は認められず、経済的な観点からもこれ以上の増量は効果的ではない。
【0055】
本発明に用いられるこれらの加硫促進剤は、この他に汎用加硫促進剤である2−メルカプトベンゾチアゾリルジスルフィド、N−t−ブチルベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−シクロヘキシルベンゾチアゾリルスルフェンアミドのようなチアゾール類加硫促進剤やテトラ(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドのようなチウラム類加硫促進剤を適宜配合できる。
【0056】
本発明の空気入りタイヤ用ゴム組成物として前記必須成分と共に通常用いられる、カーボンブラック、シリカ、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、WAX、シランカップリング剤、加硫剤等の成分を本発明の効果を損なわない範囲において適宜配合することができる。
【0057】
加硫剤としては、硫黄等が挙げられ、この使用量は、原料ゴム100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは1〜2重量部である。0.1重量部未満では加硫ゴムの破壊強度、耐摩耗性が低下し、5重量部を越えるとゴム弾性が損なわれる。
【0058】
本発明の空気入りタイヤ用ゴム組成物は、ロール、インターナルミキサー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッド等に用いられる。
【0059】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明の主旨を越えない限り、本実施例に限定されるものではない。
【0060】
各種の測定は下記の方法によった。
(1)操縦性評価
テストコースにて、FF4ドアセダンを用いて、ウエットアスファルト路面にて、実車走行を行い、駆動性、制動性、ハンドル応答性、操舵時のコントロール性をテストドライバーが総合評価して、新品タイヤの(走行前)操縦性の評価とした。さらに、同一のタイヤを一般市場を2万km及び4万km走行させ、それぞれ走行中期操縦性及び走行末期操縦性の評価とした。
【0061】
(2)乗り心地性評価
テストコースにて、FF4ドアセダンを用いて、乾燥アスファルト路面にて、実車走行を行い、テストドライバーのフィーリングにより総合評価した。これも新品タイヤ、2万km走行後及び4万km走行後のタイヤにて評価を行った。
【0062】
尚、評価結果としては、操縦性、乗り心地性とも、実施例1、2、3及び比較例2、3、4、5及び6はいずれも比較例1をコントロールとして、コントロールとの差を±の数値で示した。+の数値が大きい程、性能が優れていることを示す。ここで、±0とはテストドライバーがコントロールタイヤ対比の性能差を検知できないこと、+1とはテストドライバーがコントロールタイヤ対比で有意に性能差を検知できる程度に性能が優れていること、+2とはテストドライバーが明確に性能差を感知できる程度に性能が優れていること、+3とはテストドライバーが非常に明確に性能差を感知できる程度に性能が優れていること、を示す。また、−の数値が大きいほど、性能が劣っていることを示す。−1、−2、−3の劣っている程度は上記+の数値に対応して「優れている」を「劣っている」と読み代えたものとする。
【0063】
[実施例1〜3,比較例1〜6]
下記の表1、2に示す配合処方に従って、混練配合を行い、このトレッドゴム配合物を用いて、195/60R14サイズのタイヤを試作し、タイヤの性能を測定した。結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
Figure 0003789606
【0065】
【表2】
Figure 0003789606
【0066】
表中の付番の説明を下記に示す。
1)SBR 1500 (スチレン含有率23.5重量%、日本合成ゴム社製)
2)SBR 0120 (スチレン含有率35重量%、37.5%油展、日本合成ゴム社製)
3)カーボンブラック:ISAF、シースト7H(東海カーボン社製)
4)TMDQ:2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合物
5)IPPD:N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
6)ジシクロペンタジエン樹脂:軟化点80〜92℃、商品名Escorez8180、エクソン社製
7)クマロン・インデン樹脂:軟化点25℃、クマロンインデンオイル、神戸油化学工業社製
8)MBTS:ビス−(ベンゾチアゾリル−2)ジサルファイド
9)DPG:ジフェニルグアニジン
10)MMBTS:ビス−(4−メチルベンゾチアゾリル−2)ジサルファイド
11)TBBS:N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
12) DIPDPZn:O,O’−ジイソプロピルジチオリン酸亜鉛
13)原料ゴム中の重量%
14) 芳香族系炭化水素樹脂:日石ポリマー80、商品名、日本石油社製
表1、2に示されるように、本発明の空気入りタイヤは、走行前の操縦性、乗り心地性に対して、走行中期、末期まで操縦性、乗り心地性を高度に維持することができる。
【0067】
従来の加硫促進剤(比較例2)、芳香族オイル軟化剤と従来の加硫促進剤との組み合わせ(比較例1)、芳香族オイル軟化剤と本発明の加硫促進剤との組み合わせ(比較例4)、本発明の樹脂系軟化剤と従来の加硫促進剤との組み合わせ(比較例5)、本発明の請求範囲外の樹脂系軟化剤と本発明の加硫促進剤との組み合わせ(比較例6)はいずれも効果が十分に得られないが、一方、本発明の樹脂系軟化剤と特定の加硫促進剤の組み合わせによる本発明では優れた効果を発現することがわかる。
【0068】
【発明の効果】
本発明の空気入りタイヤは、上記のような構成としたので、走行初期から中期、末期まで操縦性及び乗り心地性を高度に維持するという優れた効果を奏する。

Claims (8)

  1. ラジアル方向外側に配置されたキャップゴム層とラジアル方向内側に配置されたベースゴム層の二層からなるトレッド部又は一層からなるトレッド部を有する空気入りタイヤにおいて、
    該トレッド部は、二層からなるトレッド部のキャップゴム及びベースゴムの少なくとも一つのゴム又は一層からなるトレッド部のゴムが、原料ゴム100重量部中に、SBRを50重量部以上含有し、原料ゴム100重量部に対して、軟化剤を20重量部以上含有し、該軟化剤重量部のうち5〜55重量部が35℃〜150℃の軟化点を有する、クマロン樹脂、フェノール・テルペン系樹脂及び石油系炭化水素樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂系軟化剤であり、かつ下記一般式(I) で表されるジチオリン酸金属塩、O,O'−ジアルキルジチオリン酸ジスルフィド及びO,O'−ジアルキルジチオリン酸テトラスルフィドからなる群より選択される少なくとも1種のジチオリン酸化合物系加硫促進剤を原料ゴム100重量部に対して、0.2〜5.0重量部を含むゴム組成物からなることを特徴とする空気入りタイヤ。
    Figure 0003789606
    (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を表す。このアルキル基は直鎖状、分枝鎖状、環状のいずれでもよい。M1 はZn原子、Sb原子、Fe原子又はCu原子を表し、nは結合する金属の原子価の数を表す。)
  2. 前記一般式(I) で表されるジチオリン酸金属塩が下記一般式(II)で表されるジチオリン酸化合物系加硫促進剤であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
    Figure 0003789606
    (式中、M2 はZn原子又はSb原子を表し、nは結合する金属の原子価の数を表す。)
    ヤ。
  3. 前記樹脂系軟化剤の軟化点が70〜130℃であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記樹脂系軟化剤のクマロン樹脂が軟化点70〜130℃のクマロン・インデン樹脂であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記樹脂系軟化剤のフェノール・テルペン系樹脂がフェノール・アセチレン樹脂又はフェノール・ホルムアルデヒド樹脂であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記樹脂系軟化剤の石油系炭化水素樹脂が脂肪族系環状炭化水素樹脂又は芳香族系炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ゴム組成物は、原料ゴム100重量%中に、SBRのスチレン単位が20重量%以上を含有するようにSBRが配合されることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記ゴム組成物は、原料ゴム100重量部中に、スチレン含有率が30重量%以上のSBRを含有することを特徴とする請求項1又は7記載の空気入りタイヤ。
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