JP3780222B2 - 中空封着パッケージおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波半導体素子を気密封止する中空封着パッケージおよびその製造方法に関し、特に高周波半導体素子から発生する電磁波が外部に漏洩しないように電磁シールドを具備した中空封着パッケージおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路のパッケージの一形態として、中空封着パッケージがある。この中空封着パッケージは、パッケージ内部に設けられた空間内に集積回路を実装し、この空間を気密封止することで製品の高信頼性を保つものである。このため、種々の集積回路の実装に用いられている。
【0003】
この中空封着パッケージに搭載される集積回路の一例としては、マイクロ波半導体素子やミリ波半導体素子などの高周波半導体素子がある。高周波半導体素子は、商用の通信機器や、衛星、レーダーなどに汎用されており、信頼性が高く製品寿命が長いことが必要不可欠である。このため、高周波半導体素子を中空封着パッケージの気密空間内に実装することにより、製品の信頼性の向上が図られている。また近年、高周波半導体素子に加えて、ASIC(Application Specified Integrated Circuit)などの制御用半導体素子を気密空間内に同時に実装するパッケージも多く見られる。
【0004】
これら中空封着パッケージのうち、特に高周波増幅器として用いられる高周波半導体素子の中空封着パッケージでは、先に述べた高信頼性に加え、高周波半導体素子や高周波回路配線(以下、高周波半導体素子等という。)から発生する電磁波のパッケージ外部への漏洩を遮断する必要がある。このため、電磁シールド効果を有するパッケージを使用する必要性があり、金属製のパッケージや、一部に導体材料が使用されたセラミックスや樹脂などの絶縁材料によるパッケージが使用される。いずれにしても、気密空間内に実装された高周波半導体素子等から発生する電磁波を遮断するために、導体材料で高周波半導体素子等を取り囲む必要がある。
【0005】
図25は、高周波半導体素子の実装に用いられる従来の一般的な中空封着パッケージの構造を説明するための断面図である。中空封着パッケージは、上面開口の容器形状からなる金属製のフレーム1050と、この開口を塞ぐようにフレーム1050上部に取付けられる同じく金属製のキャップ1060とから構成されている。フレーム1050とキャップ1060とは、ろう材1090によって封着され、これによりパッケージ内部に気密空間であるキャビティ1070が形成される。このキャビティ1070を形成するフレーム1050の凹部底面には、高周波半導体素子1010が実装されている。
【0006】
高周波半導体素子1010は、キャビティ1070を形成するフレーム1050の凹部底面に設けられたリード1055にボンディングワイヤ1020によって接続されている。このリード1055は、パッケージからの電気的引出しを行なうためのものである。このリード1055が親回路基板(図示せず)の端子に接続される。なお、リード1055は、フレーム1050との短絡を避けるため、セラミック材1056を介してハーメチックシールされる。
【0007】
上述の従来例では、パッケージの材質として金属材料が選択されているが、前述したようにセラミックスや樹脂といった絶縁材料を主材料とし、その一部に導体材料が使用されているパッケージが利用される場合もある。この場合、たとえばセラミックス材料のフレームおよびキャップの表面にめっきなどでメタライズを施し、これらのフレームおよびキャップをろう材などの導電性の接合部材によって接合することで電磁シールド効果を得ている。
【0008】
しかしながら、上述の構成の中空封着パッケージにおいて、溶融したろう材やろう材中に含まれるフラックスがキャビティ内に流れ込むことにより、不具合を引き起こす場合がある。たとえば、ろう材やフラックスがボンディングワイヤや電極に接触することでショートを引き起こしたり、パッケージ内部の汚損を引き起こしたりする。これにより、歩留まりが低下するばかりでなく、製品の信頼性が大きく損なわれることもある。
【0009】
このろう材のキャビティ内への流入を防止する構造として、実開平1−174939号公報や特開平10−303323号公報に開示された構造がある。これらの公報に開示された構造では、フレーム上部のキャップとの接合面に溝を設けることにより、ろう付けの際にキャビティ内へ流れ込もうとするろう材やフラックスを回収し、キャビティ内へ流入することを防止している。
【0010】
また、導電性の接着剤を使用してフレームとキャップを接合する場合にも、この導電性接着剤が硬化工程において液状化し、キャビティ内に流れ込むことがある。この場合にも上述のろう材と同様の問題を引き起こす。
【0011】
この導電性接着剤の流入を防止する構造として、特許第2842355号公報に開示された構造がある。これは、キャップの内側に土手部を設けて、この土手部で樹脂をせき止めることによって、内部への樹脂の流入を防止するものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電磁シールドを有する中空封着パッケージに上述の構造を適用した場合には、いずれの構造にあっても問題が生ずる。以下にその問題点を個別に説明する。
【0013】
実開平1−174939号公報や特開平10−303323号公報に開示された構造では、ろう材の流入を防止するための溝をフレームの接合面に設ける必要があるが、特にフレームがセラミックス製である場合にはこの溝を形成することが非常に困難である。セラミックス製のフレームに溝を設けるためには、フレームの製造過程において工程を非常に複雑にする必要があり、またこれに伴う歩留まりの低下もあるため実現性に乏しい。また、樹脂製のフレームである場合には溝を設けることは容易であるが、耐熱性に乏しいため、ろう付けの高温に耐えられない可能性がある。
【0014】
また、一般に高周波半導体素子は、キャビティ内部の実装面に金−スズ半田によってダイボンドが行なわれる。このダイボンドに使用される金−スズ半田は、融点が約280℃程度(たとえば、80Au−20Sn)のものが使用される。一般的に高周波半導体素子は化合物半導体であるため、約280℃という高温に晒しても、特に素子に問題は生じない。ところが、近年よく行なわれる制御素子の同時封着において用いられる制御素子は、ASICなどのシリコン製の半導体素子である場合が多く、このような高温に晒すことで特性に悪影響が及ぶ懸念がある。
【0015】
このため、ダイボンド材として樹脂製のダイボンド材を選択することが必要となる。しかし、樹脂製のダイボンド材を使用した場合には、その後に行なわれるフレームとキャップの接合工程において、この樹脂製のダイボンド材が高温に晒されることで劣化する可能性がある。このダイボンド材の劣化は、中空封着パッケージの信頼性に悪影響を及ぼすため、制御素子の同時封着を目的とした場合には、パッケージとキャップのろう付けによる接合は好ましくない。
【0016】
特許第2842355号公報に開示された構造においては、フレームとキャップとを接続する樹脂製の接着剤として、エポキシ系樹脂やフェノール系樹脂を用いることが記載されているが、これらの樹脂はいずれも絶縁性の樹脂であるため、この接着剤単独では電磁シールド効果を得ることはできない。
【0017】
この問題を解決するために導電性接着剤を使用することが容易に想到されるが、この導電性接着剤はもともと不導体である樹脂に電気的導通をもたせるために多量の金属紛やカーボンなどの導体材料を混入しているため、接着性が絶縁性の接着剤に比べて格段に劣る。また、耐湿性能も不十分であるため、長期にわたって信頼性を保つことは困難であり、高周波半導体素子の実装には不向きである。
【0018】
したがって、本発明の目的は、容易かつ安価に製造することが可能であり、長期にわたって信頼性を維持することができる電磁シールド効果を備えた中空封着パッケージを提供することにある。また、他の目的としては、シリコン製の制御素子をキャビティ内に同時実装しても高信頼性の保たれる電磁シールド効果を備えた中空封着パッケージを提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明に基づく中空封着パッケージは、気密空間内に位置する高周波半導体素子と、高周波半導体素子の外部への電気的引出しを行なう高周波回路配線と、気密空間を取り囲むフレームおよびキャップとを備えた中空封着パッケージであって、フレームとキャップとを接続する接続部材は、内側に位置する内側接続部材と外側に位置する外側接続部材とを含み、内側接続部材は気密空間を封止するフィルムであり、外側接続部材はろう材である。
【0034】
本構成のように、フレームとキャップとの接続の際に、内側を気密空間を封止するフィルムにて接続し、外側をろう材にて接合することにより、ろう材の気密空間内への流入を防止することが可能になる。これは、先に接続されたフィルムによってろう材の気密空間内への流入が阻止されるためである。また、ろう材を使用することにより、フレームとキャップとの電気的接続が実現されるため、電磁シールド効果を確保することも可能である。これにより、気密空間内へのろう材の流入を防止した上で電磁シールド効果を維持できる高信頼性の中空封着パッケージが実現される。
【0035】
上記本発明に基づく中空封着パッケージにあっては、たとえば、内側接続部材であるフィルムは、樹脂製の接着フィルムであることが好ましい。
【0036】
このように、内側接続部材であるフィルムを樹脂製の接着フィルムとすることにより、後に実施されるろう付けの際にも、ろう材やフラックスが気密空間内に流入することが防止される。また、接着フィルムを用いることにより、フレームとキャップとの仮固定が行なえるため、製造の際の作業性の向上が図られる。
【0037】
上記本発明に基づく中空封着パッケージにあっては、たとえば、内側接続部材であるフィルムは、圧縮変形することによりフレームおよびキャップに密着するシール部材であることが望ましい。
【0038】
このように、内側接続部材であるフィルムをシール部材とすることにより、後に実施されるろう付けの際にも、ろう材やフラックスが気密空間内に流入することが防止される。また、シール部材を圧縮して用いることにより、気密空間内の封止が確実に行なえるため、歩留まりの向上が期待できる。
【0039】
上記本発明に基づく中空封着パッケージにあっては、たとえば、内側接続部材であるフィルムは、異方性導電フィルムであってもよい。
【0040】
このように、内側接続部材であるフィルムを異方性導電フィルムとすることも可能である。この異方性導電フィルムにより、後に実施されるろう付けの際にも、ろう材やフラックスが気密空間内に流入することが防止される。また、異方性導電フィルムを使用することにより、上述した本発明の第1の局面に基づいた中空封着パッケージと同様の効果を得ることが可能になる。
【0041】
上記本発明に基づく中空封着パッケージにあっては、たとえば、フレームとキャップの少なくとも一方が、高周波半導体素子または高周波回路配線から発生する電磁波を遮断するための導体部分を有していることが好ましい。
【0042】
本構成のように、フレームとキャップの一部に電磁シールドを備えたパッケージとすることにより、その部分において高周波半導体素子等から発生する電磁波の外部への漏洩を防止することができるようになる。また同時に、その部分において外部から気密空間内への電磁波の漏入も防止できるようになる。
【0043】
上記本発明に基づく中空封着パッケージあっては、たとえば、導体部分が気密空間を取り囲むようにフレームおよびキャップに配置された壁状導体であり、高周波半導体素子から見て全方位に位置していることが望ましい。
【0044】
特に電磁波の漏洩を完全に遮断したい場合には、本構成のように高周波半導体素子から見て全方位、すなわち高周波半導体素子を取り囲むようにフレームおよびキャップに導体部分を形成することによって電磁波の漏洩を完全に遮断することができるようになる。この場合、キャップおよびフレームの側面および下面のすべてに導体部分が形成されることになる。ただし、一部、中空封着パッケージが実装される親回路基板のグランド配線などによって代用することも可能である。
【0045】
上記本発明に基づく中空封着パッケージにあっては、たとえば、少なくともフレームおよびキャップのいずれか一方が気密空間を複数の空間に分割する隔壁を備えている場合に、フレームまたはキャップと隔壁とが導電ペーストによって接合されていることが望ましい。
【0046】
このように、気密空間内に実装される複数の電子回路を互いに電磁気的に分離する必要がある場合には、フレームまたはキャップのいずれかに設けられた隔壁によって気密空間が分離される。その場合に、本構成とすることにより、フレームまたはキャップと隔壁との電気的導通が確保されるため、気密空間同士における電磁シールド効果が実現されるようになる。
【0047】
上記本発明に基づく中空封着パッケージにおいては、たとえば、フレームとキャップとを含むパッケージ側面において、少なくともフレームおよびキャップのいずれか一方にキャスタレーションが形成されており、このキャスタレーションが形成された部位においてフレームとキャップとがろう付けにて接合されていることが好ましい。
【0048】
本構成のように、パッケージ外側面にキャスタレーションを形成し、このキャスタレーションが形成された部位においてろう材にてフレームとキャップとを接合することにより、効率よく中空封着パッケージを製造することが可能になる。
【0049】
上記本発明に基づく中空封着パッケージにおいては、たとえば、フレームとキャップとを含むパッケージ側面において、フレームおよびキャップのいずれか一方にキャスタレーションが形成されており、他方にキャスタレーションの端部と対面する端子電極が形成されており、キャスタレーションと端子電極との間にろう材のフィレットが形成されていることが望ましい。
【0050】
本構成のように、フレームとキャップとを接合するろう材にフィレットが形成されていることにより、熱履歴によって生ずる応力の緩和が可能となる。この結果、熱履歴に強い高信頼性の中空封着パッケージを提供することが可能になる。
【0051】
本発明の第1の局面に基づく中空封着パッケージの製造方法は、気密空間内に位置する高周波半導体素子と、高周波半導体素子の外部への電気的引出しを行なう高周波回路配線と、気密空間を取り囲むフレームおよびキャップとを備えた中空封着パッケージの製造方法であって、以下の工程を備える。
【0052】
(a) フレームとキャップとの接続部位のうち、気密空間に隣接する部分にシール部材を介挿する工程。
【0053】
(b) シール部材を圧縮変形させることにより、シール部材をフレームおよびキャップに密着させる工程。
【0054】
(c) シール部材を圧縮変形させた状態にて、フレームとキャップとをろう付けにて接合する工程。
【0055】
本構成のように、まず、圧縮変形することによりフレームとキャップとに密着するシール部材を用いて気密空間を密閉し、このシール部材が圧縮された状態にてフレームとキャップとの接続部位をろう材を用いて接合することにより、ろう材が気密空間内部に流入することなくキャップとフレームとを接合することが可能になる。これにより、簡便に高信頼性の中空封着パッケージを製造することが可能になる。
【0056】
本発明の第2の局面に基づく中空封着パッケージの製造方法は、気密空間内に位置する高周波半導体素子と、高周波半導体素子の外部への電気的引出しを行なう高周波回路配線と、気密空間を取り囲むフレームおよびキャップとを備え、フレームおよびキャップの少なくともいずれか一方の外側面にキャスタレーションが形成されており、少なくともキャスタレーションを含む部分においてフレームとキャップとがろう付けにて接合されてなる中空封着パッケージの製造方法であって、フレームとキャップとの接続部位のうち、気密空間に隣接する部分にシール部材を介挿する工程と、シール部材を圧縮変形させることにより、シール部材をフレームおよびキャップに密着させる工程と、シール部材を圧縮変形させた状態にて、フレームとキャップとをろう付けにて接合する工程とを備えるものである。そして、フレームとキャップとをろう付けにて接合する工程において、溶融前のろう材をキャスタレーションの下方に近接配置し、熱処理を施すことによってろう材を溶融させ、溶融したろう材がキャスタレーションに接して上がることによりフレームとキャップとの接続部位にまで達することによってフレームとキャップとの接合が行なわれる。
【0057】
本構成のように、パッケージの外側面にキャスタレーションが形成された中空封着パッケージにおいて、ろう材の這い上がりを利用してフレームとキャップとを接続することにより、簡便に効率よく中空封着パッケージを製造することが可能になる。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【0059】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における中空封着パッケージの組付け構造を説明するための分解斜視図であり、図2は、組付け後の図1中A−A面における断面図である。また、図3(a)は、フレームの接合面の形状を説明するための上面図であり、図3(b)は、キャップの接合面の形状を説明するための下面図である。また、図4は、フレームとキャップとの接続部分の構造を示す概略断面図である。
【0060】
(構造)
まず、図1および図2を参照して、本実施の形態における中空封着パッケージの構造について説明する。中空封着パッケージは、上面開口の容器形状からなるフレーム50、およびこの開口を塞ぐように取付けられるキャップ60とから構成されている。これらフレーム50およびキャップ60が気密に接合されることにより、パッケージ内部に気密空間であるキャビティ70が形成される。
【0061】
フレーム50はセラミックス材料から構成されており、グリーンシートを積層して焼成することによって容器形状が形成される。これらグリーンシート中には、予め高周波半導体素子等から発生する電磁波を遮断するための導体部分であるグランド配線54が、それぞれキャビティ70となる開口を取り囲むように配設されている。グリーンシートの積層時に、このグランド配線54が互いに接触することによって導通し、電磁シールド効果を発揮する壁となる。また、フレーム50上部の接合面には、このグランド配線54と導通するフレーム側端子電極であるフレームパッド51が所定の間隔をもって開口を取り囲むように点列状に配設されている。
【0062】
フレーム50に設けられたキャビティ70の底面には、回路配線(図示せず)が施されており、その所定位置に高周波半導体素子10が実装されている。この高周波半導体素子10と回路配線とは、金ワイヤなどのボンディングワイヤ20によって接続される。これらによって、高周波半導体素子10のパッケージ外部への電気的引出しを行なう高周波回路配線が構成されている。
【0063】
一方、フレーム50の下面には外部接続パッド55が設けられており、さらにこの外部接続パッド55上には半田ボール56が形成されている。中空封着パッケージの親回路基板80への実装の際に、この半田ボール56を親回路基板80の基板パッド81に取付けることにより、中空封着パッケージが親回路基板80へと実装される。なお、上述のグランド配線54もこの外部接続パッド55を経由して、親回路基板80のグランド配線へと接続される。
【0064】
フレーム50の底面においては、高周波半導体素子10のパッケージ外部への電気的引出しを行なう回路配線の都合から、電磁シールドとなる導体部分によって高周波回路配線全体を囲むことは実質的に不可能である。このため、フレーム50の底面に導体部分を2層に分けて設けてその間を縫うように回路配線を施したり、フレーム50には電磁シールドとなる導体部分を設けずに親回路基板80のグランド配線を代用して使用することで電磁シールド効果を得たりする手法が用いらることが多い。本実施の形態では、後者を採用している。
【0065】
キャップ60は、フレーム50と同じくセラミックス材料によって構成されており、その下面には電磁シールド効果を発揮する導体部分であるメタライズ領域62が形成されている。また、上述のフレームパッド51と対向する位置に、このメタライズ領域62と連続するキャップ側端子電極であるキャップパッド61が形成されている。
【0066】
次に、図4を参照して、フレーム50とキャップ60の接続部分について詳説する。フレーム50とキャップ60との接合には、異方性導電フィルム(以下、ACF(Anisotropic Conductive Film)という。)30が使用される。このACF30は、絶縁性のバインダである樹脂31中に導電フィラー32が分散した接着用のフィルムであり、電気的に接続する端子電極どうしの近接によってバインダ樹脂31が押し退けられた部分において、導電フィラー32が介在することで両者の間に導通が成立するものである。なお、この導通部分以外の部分では、導電フィラー32がバインダ樹脂31中に分散することで絶縁が保たれるようになっている。
【0067】
次に、図3を参照して、フレーム50およびキャップ60の接合面の形状について説明する。まず、図3(a)を参照して、フレーム50の接合面は、キャビティ70を構成する開口を囲むようにロの字型の形状をしている。このフレーム50の接合面には、上述したフレームパッド51が高周波半導体素子10等から発生する電磁波の波長の(1/4)より短い間隔で点列状に配設されており、このフレームパッド51以外の接合面はセラミックス基板が露出している。
【0068】
ここで、高周波半導体素子等から発生する電磁波の波長とは、電磁波の作用を問題とする部位の誘電体中における電磁波の波長λdのことであり、本実施の形態では、高周波半導体素子等から発生する電磁波の空気中またはセラミックス中、あるいは樹脂中における波長のうち、最も波長の短い誘電体中における波長のことを指す。すなわちフレームパッドの点列のピッチは、(1/4)λd以下で配列されることになる。なお、キャビティ内に充填される他の気体としてヘリウムなどの不活性ガスがあるが、この場合はその不活性ガス中における電磁波の波長を指すことになる。
【0069】
次に、図3(b)に示すように、キャップ60の下面のうちフレーム50の接合面と対向せず、キャビティ70の天面となる部分には、全面に電磁シールドとなるメタライズ領域62が形成されている。このメタライズ領域62は、キャップ60のセラミックス表面にめっきを施すことによって形成されている。このメタライズ領域62によって、キャップ60部分の電磁シールドが構成されることになる。
【0070】
フレーム50の接合面と対向するキャップ60の接合面は、前述の通り、上記キャップ60下面に設けられたメタライズ領域62と連続して、キャップパッド61が形成されている。このキャップパッド61は、その接合面において上述のフレームパッド51と対応するように点列状に配設される。なお、このフレームパッド61は、上述のメタライズ領域62の形成時に同時にめっきによって形成されてもよい。
【0071】
(作用・効果)
以上の構成のように、フレームとキャップの接合にACFを用いることにより、フレームに溝や土手部を設けることなく接合部材のキャビティ内への流入を防止することが可能になる。また、ACFというフィルム状の接合部材を使用することにより、簡易かつ迅速にフレームとキャップの接合が行なえるようになる。さらには、ASICなどのシリコン製の制御素子を同時実装した場合にもろう付けを必要としないため、高温に晒す必要がなくなる。この結果、安価に製造可能でかつ高信頼性の電磁シールド効果を備えた中空封着パッケージを提供することが可能になる。
【0072】
(実施例1)
上記実施の形態1に基づいた実施例を以下に示す。
【0073】
本実施例では、パッケージの構成要素であるキャップおよびフレームをLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)を用いて製作した。フレームの幅および奥行きはともに10mmとし、高さは2.5mmとした。キャップの幅および奥行きは、フレームにあわせて10mmとし、キャップの厚みは0.5mmとした。
【0074】
電磁シールドとなる導体部分は、フレームおよびキャップの内層部分では銀ペーストを使用し、露出部分に関してはこの下地の銀ペースト上にNi/Auのめっきを施した。なお、露出部分の下地の銀ペーストは印刷法で供給し、焼成後の仕上り厚さは10μmである。ニッケルめっきは、電解めっき法を用いて平均めっき厚が4μmとなるようにした。このニッケルめっき上に施した金めっきは、同じく電解めっき法を用いて平均めっき厚が0.3μmとなるようにした。金めっきを施すのは、金ワイヤ等の金属細線のボンディングを可能とするためや、接続部の電気抵抗を下げるため、露出配線部の酸化を防止するためなどの目的で実施した。
【0075】
次に、これらの構成部材を用いて中空封着パッケージを製作した手順を示す。まず、高周波半導体素子をフレームのキャビテイ底面にダイボンドし、金ワイヤを用いて所定の位置にボンディングした。次に、キャップより僅かに小さめにカットしたACFをキャップの下面に貼付けた。ACFの一辺の長さは9mmとし、厚さは0.05mmとした。なお、硬化前のACFは適度な粘性を有しているため、メタライズ部に容易に貼付けできる。つづいて、ACFの硬化を荷重2kg、加熱温度180℃、硬化時間20秒で行なった。最後に、フレーム下面の外部接続端子に半田ボールを形成して、中空封着パッケージが完成した。
【0076】
以上の条件および手順によって製作した中空封着パッケージを用いて信頼性試験を行なった結果を以下に示す。
【0077】
まず、ACF封着によるパッケージの気密性を確認するためにグロスリーク試験を実施した。グロスリーク試験はフッ素系不活性液体(フロリナート(R))中にパッケージを浸漬し、気泡の排出を確認することで封着性を確認する試験である。本実施例において製作した中空封着パッケージ11個を用いて気密性の良否を判断したところ、何ら異常は検出されず全数高い気密性が確保されていることが確認された。
【0078】
次に、ACF封着によるパッケージの長期信頼性試験として冷熱サイクル試験を実施した。冷熱サイクル試験は基板実装後のパッケージをくり返し冷熱サイクル環境下に晒し、試験後に封着部分の損傷の有無を電気的導通と断面研磨観察によって確認する試験である。本実施例において製作した中空封着パッケージ11個用いて、−40℃〜+125℃の冷熱サイクル試験を1000サイクル実施した後、まず電気的導通に異常が無いことを確認した。次に、各試料の4辺の封着部分を断面研磨観察したところ、冷熱サイクル試験後も封着部分には何ら異常が発生しておらず、高い気密性が確保されていることが確認できた。
【0079】
このように、実施の形態1における構造の中空封着パッケージとすることにより、電磁シールド効果を有した上で高い気密性を維持した高信頼性の中空封着パッケージが実現されることが確認された。
【0080】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における中空封着パッケージのフレームとキャップの接続部分の構造を説明するための概略断面図である。上述の実施の形態1と同様の部分は図中同じ符号を付し、その説明は省略する。なお、本実施の形態における中空封着パッケージは、上述の実施の形態1とほぼ同様の構造であり、フレームパッド上にバンプが形成されている点のみが異なる。
【0081】
パッケージの構成部品であるキャップやフレームにおいては、セラミックスまたは樹脂などの絶縁材料であるが故に、金属材料とは違ってその製造条件や製造ロットによっては反りやねじれ、うねりなどの変形が生じる場合がある。これを無視した場合には、フレームパッドとキャップパッドとの間に空隙が生じてしまい、パッド間で電気的導通が得られない状態(以下、オープン状態という。)が生じる場合がある。
【0082】
オープン状態が生じると、実施の形態1で述べた高周波半導体素子等から発生する電磁波から導かれる波長λdの(1/4)以下の接続ピッチを満足する事ができなくなる。これにより、フレームとキャップの接合部分において電磁シールドを構成することができなくなってしまい、電磁波の漏洩を遮断するという目的が実現できなくなってしまう。
【0083】
これを避けるために本実施の形態では、図5に示すように、封着時の荷重により変形するバンプ57をフレームパッド51上に形成することにより、フレーム50またはキャップ60の反りやねじれ、うねりなどによって生ずる空隙の吸収を図っている。これにより、キャビティ70の良好な気密性および電磁シールドが確保され、歩留まりが向上するようになる。
【0084】
ここで、適用可能なバンプの材質としては、たとえば金、はんだなどの柔らかい金属材料が考えられる。柔らかい金属材料で形成されたバンプを介して封着することにより、キャップとフレームの距離が短い部位のバンプはつぶれが大きく、距離が長い部位のバンプはつぶれが小さいため、すべての領域にわたって良好な電気的導通を維持することが可能になる。
【0085】
この場合、硬化条件を最適化すれば、接合部材としては必ずしも実施の形態1で用いたACFを用いなくてもよい。通常の絶縁性の接着剤または接着フイルムを用いた場合にも、硬化工程の加熱加圧時にバンプがパッドに接触して変形することにより、柔らかい金属材料のバンプがフレームパッドとキャップパッドの間の絶縁性樹脂を排除するため、導通が得られるようになる。ただし、絶縁性の接着剤を使用した場合には、キャビティ内への接合部材の流入が懸念されるため、接着フィルムを使用する方が好ましい。
【0086】
なお、本実施の形態では、バンプをフレームパッド上に形成したが、当然にキャップパッド上に形成しても同様の効果が得られる。また、本実施の形態における金バンプは1段で構成されているが、バンプを2段以上積み重ねる多段バンプとすることにより、より大きな反りやねじれ、うねりなどに対処する事も可能である。
【0087】
(実施例2)
以下、上記実施の形態2に基づいた実施例について詳説する。なお、フレームおよびキャップの形状および大きさは、上述の実施例1と同様である。
【0088】
本実施例ではバンプの材質を金とし、接合前のバンプの直径を80μm、高さを40μmとした。本実施例のキャップにはうねりがあり、その値は一辺10mmに対して最大30μmである。
【0089】
これらの構成要素を用いて、実施例1と同じ条件および手順にて中空封着パッケージを作製した。ただし、金バンプを変形させるために荷重は3kgとした。試料作成後、電気的導通試験と断面研磨を実施したところ、本実施例においても接合が良好に行われていることが確認された。また、実施例1と同様な信頼性試験を実施した結果、本実施例においても異常は検出されなかった。
【0090】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3における中空封着パッケージの構造を説明するための概略断面図である。また、図7(a)は、フレームの接続面の形状を説明するための上面図であり、図7(b)は、キャップの接続面の形状を説明するための下面図である。なお、上記実施の形態1と同様の部分は図中同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0091】
(構造)
まず、フレーム50とキャップ60の接続面の形状について説明する。図7(a)を参照して、フレーム50の接続面は、キャビティ70となる開口に隣接して形成された内側接続領域と、その外側に位置する外側接続領域とに2分され、内側接続領域ではセラミックスの下地が露出しており、外側接続領域ではセラミックス基板表面にめっきによるメタライズ領域52が形成されている。このメタライズ領域52はフレーム50内部のグランド配線54に電気的に接続されており、フレーム側端子電極をも兼ねている。
【0092】
次に、図7(b)に示すように、キャップ60のフレーム50の接続面に対向しない部分には、上述の実施の形態1と同様にめっきによるメタライズ領域62がキャビティ70の天面全面を覆うように形成されている。上述のフレーム60の外側接続領域に対向するキャップ60の接続面にも、同じくめっきによる外側メタライズ領域63が形成されている。これらキャップ60下面のメタライズ領域62,63の間に位置し、上述のフレームの内側接続領域に対向するキャップの接続面には、交互にメタライズ領域とセラミックスの下地が露出した非メタライズ領域とが設けられている。
【0093】
上記フレーム50とキャップ60の接合には、上述の実施の形態1と異なり、接合部材として非導電性樹脂製接着フィルム40およびろう材90の2種類が用いられる。まず、内側接続領域においては、非導電性樹脂製接着フィルム40が使用される。この非導電性樹脂製接着フィルム40により、フレーム50とキャップ60の内側接続領域が接合される。また、外側接続領域においては、前述の内側接続領域の接合が行なわれた後に、ろう材90による接合が行なわれる。このろう付けは、半田こてや加熱ツール、リフロー、レーザ溶接などによって実施される。なお、本実施の形態において、キャップ60の内側接続領域において、メタライズ領域と非メタライズ領域が交互に配設されているのは、キャップ60のキャビティ70天面となるメタライズ領域62と、外側接続領域となる外側メタライズ領域63の電気的接続と、非導電性樹脂製接着フィルム40による接合力の確保の両立を図るために施されたものである。
【0094】
(作用・効果)
上記構成のように、内側接続領域において非導電性の樹脂製接着フィルムを使用して接着することにより、キャビティ内へのろう材の流入が防止される。また、内側接続領域に非メタライズ領域が形成されているため、高い接合力が確保される。さらには、外側をろう付けすることによって樹脂フィルムのみで接合した場合に起こり得る水分のキャビティ内への浸入を阻止している。これにより、高い信頼性が実現された電磁シールド効果を有する中空封着パッケージを提供することが可能となる。
【0095】
(実施例3)
以下、上記実施の形態3に基づいた実施例について説明する。なお、本実施例では、上述の実施例1と同様の大きさのフレームおよびキャップを使用して、中空封着パッケージを製作した。
【0096】
これらフレームおよびキャップの接合に使用する非導電性の樹脂製接着フィルムは、一辺を8.5mmとし、その厚さを0.05mmとした。また、ろう付けに使用する半田として、一般的な鉛−スズ共晶半田(37Pb−63Sn、融点183℃)を使用した。
【0097】
上記条件にて製作した中空封着パッケージを実施例1と同様の信頼性試験にかけた結果、何ら異常は確認されなかった。また、外部からの水分の混入による高周波半導体素子等の腐食が起こり得ないかを確認するために、121℃、100%RH、2気圧、24時間のプレッシャークッカー試験を実施し、実施例1と同様の検査を行ったが、この信頼性試験においても異常は検出されず、良好な接合状態が確保されていることが確認された。
【0098】
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4における中空封着パッケージの構造を説明するための概略断面図である。また、図9(a)は、フレームの接続面の形状を説明するための上面図であり、図9(b)は、キャップの接続面の形状を説明するための下面図であり、図9(c)はキャップの上面図である。なお、上記実施の形態3と同様の部分は図中同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0099】
(構造)
図8に示すように、本実施の形態ではキャビティ70となるフレーム50の凹部側壁に段差形状を施しており、この段差部分にキャップ60が嵌め込まれる構成となっている。この嵌め込まれたキャップ60とフレーム50の段差部分との接合は、非導電性樹脂製接着フィルム40が使用される。さらにキャップ60とフレーム50との間に生ずる上下方向の空隙には、パッケージ上部からろう材90が流し込まれる。
【0100】
図9(a)に示すように、フレーム50の最上面には、キャップ60が嵌まり込む開口に隣接して上面メタライズ領域58が設けられている。また、この上面メタライズ領域58の外側は、セラミックスの露出した非メタライズ領域となっている。段差部分には、段差面メタライズ領域59を備えており、この段差面メタライズ領域59の内側は、キャビティ70を構成する開口となっている。
【0101】
図9(b)および(c)を参照して、キャップ60の下面には、全面にめっきによってメタライズ領域62が形成されており、キャップ60の上面には周縁部分のみに周縁メタライズ領域64が形成されている。
【0102】
(作用・効果)
本実施の形態では、上述の実施の形態3に比べ、段差構造を設けることによって飛び飛びのメタライズ領域を形成する必要がなくなっている。このため、より製造が容易に行なうことができ、製造コストの削減が図られる。また、段差構造を設けてこの段差内にキャップを嵌め込むことにより、組付け性の向上が図られている。
【0103】
(実施例4)
なお、本実施の形態4における中空封着パッケージを製作し、実施例1と同様の信頼性試験を実施したところ、何ら異常が発生しなかったことが確認されたが、その詳細な説明は繰り返しになるのでここでは省略する。
【0104】
(実施の形態5)
図10は、本発明の実施の形態5における中空封着パッケージの構造を説明するための概略断面図である。また、図11(a)は、フレームの接続面の形状を説明するための上面図であり、図11(b)は、キャップの接続面の形状を説明するための下面図である。本実施の形態における中空封着パッケージは、上述の実施の形態3とは異なり、内側接続領域を弾性変形可能なシール部材にて接続した場合を例示している。以下においては、上述の実施の形態3と異なる部分についてのみ説明し、同様の部分に付いては図中同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0105】
(構造)
まず、フレーム50とキャップ60の接続面の形状について説明する。図11(a)を参照して、フレーム50の接続面は、キャビティ70となる開口に隣接して形成された内側接続領域と、その外側に位置する外側接続領域とに2分され、内側接続領域ではセラミックスの下地が露出しており、外側接続領域ではセラミックス基板表面にめっきによるメタライズ領域52が形成されている。また、フレーム50の接続面には、点列状に配設されたフレームパッド51が形成されている。上述のメタライズ領域52はこのフレームパッド51を含み、かつ隣接するフレームパッド間に下地であるセラミックスが露出する領域が確保されるように、図11(a)の如くレイアウトされている。なお、フレームパッド51はフレーム50内部のグランド配線54に接続されている。
【0106】
次に、図11(b)に示すように、キャップ60の下面のうち、フレーム50の接続面と対向しない部分には、上述の実施の形態3と同様にめっきによるメタライズ領域62がキャビティ70の天面全面を覆うように形成されている。上述のフレーム50の外側接続領域に対向するキャップ60の接続面にも、同じくめっきによる外側メタライズ領域63が形成されている。これらキャップ60下面のメタライズ領域62,63の間に位置し、上述のフレーム50の内側接続領域に対向するキャップ60の接続面には、交互にメタライズ領域とセラミックスの下地が露出した非メタライズ領域とが設けられている。この交互に配設されたメタライズ領域と非メタライズ領域のうち、メタライズ領域は、フレーム50のフレームパッドに対向するキャップパッド61を構成している。
【0107】
上記フレーム50とキャップ60の接続には、上述の実施の形態3とは異なり、接続部材としてシール部材100およびろう材90の2種類が用いられる。まず、内側接続領域においては、シール部材100が使用される。シール部材100としては、荷重が付加されることにより圧縮変形し、フレーム50やキャップ60の接続面に密着する弾性材料が使用される。このシール部材100により、フレーム50とキャップ60の内側接続領域が接続され、気密空間が密閉される。また、シール部材100は、フレーム50やキャップ60に反りやねじれ、うねりなどがある場合にも、弾性変形することによってこれらを吸収する。なお、このとき圧縮変形したシール部材100が外側にはみ出すことによってフレーム50のメタライズ領域52に達するとメタライズ領域52と重なる部位の接着力が低下するおそれがある。このため、本実施の形態においては、フレームパッド51間に非メタライズ領域を構成しており、これにより接着力の低下の防止が図られている。
【0108】
また、外側接続領域においては、内側接続領域の封着が行なわれた後に、さらにキャップ60とフレーム50との間にパッケージ外部からろう材90を流し込むことによってろう付けが行なわれる。このろう付けは、半田こてや加熱ツール、リフロー、レーザ溶接などによって実施される。
【0109】
(作用・効果)
上記構成の中空封着パッケージとすることにより、より高い信頼性が実現された電磁シールド効果を有する中空封着パッケージを提供することが可能になる。つまり、弾性圧縮可能なシール部材を用いることによってキャビティ内への接合部材の流入を防止し、さらにその外側をろう付けすることでシール部材のみで接合した場合に起こり得る水分のキャビティ内への浸入を阻止しつつ、高い接合力を確保している。
【0110】
また、シール部材は外側接続領域のろう付けが完了するまでの間、シール効果が発揮出来れば良く、ゴム状の弾性材料などを用いることも可能である。この場合には、必ずしも接着性を有することは必要としない。ただし、弾性材料を用いる場合には、ろう材による接合が完了するまでの間、外部から加圧保持等を行うことによって、確実にシール性を保つことが必要である。
【0111】
また、非接着性のシール部材を用いる場合には、キャップ60の内側接続領域において、接着性向上のためのメタライズ領域と非メタライズ領域を交互に配設する必要はなくなる。つまり、図12(a)および図12(b)に示すように、フレーム50のメタライズ領域52とキャップ60のメタライズ領域62とは、ともに全面にベタに施されていても良い。この場合にはメタライズ領域の設計が簡単になるため、設計コストの削減が図られる。
【0112】
なお、適用可能なシール部材としては、たとえば、ろう材のろう付け温度に耐えるシリコーンゴム等の耐熱性ゴム系材料やテフロン(R)等の弾力を有する耐熱性高分子材料が考えられる。また、シール部材に粘着性をもたせることによってフレームとキャップを仮固定することが可能となる。これにより、作業性が大幅に向上する。この粘着性を有するシール部材としては、導電性または絶縁性のRTV(室温硬化ゴム)や弾性を有するエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、あるいは熱可塑性樹脂なども使用できる。なお、ここで用いるシール部材は導電性であっても非導電性であってもかまわないが、静電気等の影響を排除するなら導電性であることが望ましい。
【0113】
(実施例5)
以下、上記実施の形態5に基づいた実施例について説明する。なお、本実施例では、上述の実施例3と同様の大きさのフレームおよびキャップを使用して、中空封着パッケージを製作した。
【0114】
フレームとキャップの封止に使用するシール部材は、シリコーンゴムシートを使用し、外周の一辺を8.5mm、内周の一辺を7.5mmとし、その厚さを0.2mmとした。また、ろう付けに使用する半田としては、一般的な鉛−スズ共晶半田(37Pb−63Sn、融点183℃)を使用した。
【0115】
本実施例においては、シール部材をフレームとキャップとの接続面間に介在させ、外部治具によってシール部材を加圧して圧縮変形させ、その後フレームとキャップとの間に生じた空隙にパッケージ外部からろう材を半田こてを用いて流し込むことにより、フレームとキャップとを接合した。
【0116】
試料作成後、電気的導通試験と断面研磨を実施したところ、本実施例においても接合が良好に行われていることが確認された。また、実施例1と同様な信頼性試験を実施した結果、本実施例においても異常は検出されなかった。
【0117】
(実施の形態6)
図13は、本発明の実施の形態6における中空封着パッケージの構造を説明するための概略断面図である。また、図14(a)は、フレームの接続面の形状を説明するための上面図であり、図14(b)は、キャップの接続面の形状を説明するための下面図である。なお、上記実施の形態5と同様の部分は図中同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0118】
(構造)
図13に示すように、本実施の形態では、キャビテイ70内に実装される2つの電子回路のアイソレーション(電磁気的な分離)を確実に行なうために、キャビティ70がフレーム50に設けられた隔壁であるリブ53によって2室に分割されている。リブ53は、フレーム50の側壁と等しい高さに形成されており、その内部にはフレーム50の側壁と同様にグランド配線54が配設されている。
【0119】
図14(a)に示すように、フレーム50の上面のうち外周部分に相当する部分は、上述の実施の形態5と同様に、内側接続領域である非メタライズ領域と外側接続領域であるメタライズ領域52とを有している。リブ53の上面には、セラミック基板の下地が露出した非メタライズ領域に点列状にフレームパッド51が配設されている。図14(b)に示すように、キャップ60の下面のうち、リブ53に対向する領域には、交互にメタライズ領域と非メタライズ領域とが配設されている。このうちのメタライズ領域は、上述のリブ53の上面に点列状に配設されたフレームパッド51に対向するように形成されている。
【0120】
このリブ53の上面に配設されたフレームパッド51は、キャップ60のキャップパッド61を構成するメタライズ領域に電気的に接続される必要がある。このため、リブ53の上面とキャップ60の下面との接続には、エポキシ系やシリコーン系の導電ペースト110が使用される。
【0121】
(作用・効果)
上記構成のように、導電ペーストを用いてリブとキャップとを接続し、シール部材とろう材とを併用してフレームとキャップとを接続することにより、外部との気密性や電磁シールド効果を確保しつつ、キャビティ同士の気密性や電磁シールド効果をも実現した中空封着パッケージを提供することが可能になる。
【0122】
(実施例6)
以下、上記実施の形態40に基づいた実施例について説明する。なお、本実施例では、上述の実施例1と外形寸法が同じ大きさのフレームおよびキャップを使用して中空封着パッケージを製作した。ただし、本実施例のフレームにはグランド配線を内包するリブがあり、リブの幅は外壁と同じ1mmである。
【0123】
これらフレームとキャップの封止には非導電性の枠状のシリコーンゴムシートを用い、外周の一辺を8.5mm、内周の一辺を7.5mmとし、その厚さを0.2mmとした。リブとキャップとを接着する導電ペーストには封止用のシリコーン系接着剤を用いた。シリコーン系接着剤はシリンジでリブ上に供給し、リブからの盛り上がりは0.3〜0.5mmとした。位置あわせを行ってこれらを組付けた後に、キャップ上に5g/mm2の荷重を与えながら加熱し硬化させた。その後、ろう付けを行なった。なお、ろう付けに使用する半田としては、一般的な鉛−スズ共晶半田(37Pb−63Sn、融点183℃)を使用した。
【0124】
こうして得られた中空封着パッケージを用いて実施例1と同様の信頼性試験を実施したところ、何ら異常が発生しなかったことが確認された。
【0125】
(実施の形態7)
図15は、本発明の実施の形態7における中空封着パッケージの組付け構造を説明するための分解斜視図であり、図16は、組付け後の図16中B−B面における断面図である。また、図17(a)は、フレーム50の接続面の形状を説明するための上面図であり、図17(b)は、キャップ60の接続面の形状を説明するための下面図でる。さらに、図18ないし図23は、本実施の形態における中空封着パッケージの製造工程を示す模式図である。なお、上述の実施の形態5と同様の部分に付いては図中同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0126】
(構造)
まず、図15および図16を参照して、本実施の形態における中空封着パッケージの構造について説明する。本実施の形態における中空封着パッケージにあっては、フレーム50の外側面にキャスタレーション120が形成されており、また、キャップ60の外側面にもキャスタレーション130が形成されている。キャスタレーションとは、セラミックリードレスパッケージの一形態として広く知られた技術であり、焼成前のグリーンシートにスルーホールを形成し、このスルーホールの壁面を導体材料にて被覆した後にスルーホールを横断するようにグリーンシートを切断することによって製作される壁面配線のことである。なお、本実施の形態においては、キャスタレーション120および130の壁面導体は、他の配線パターンと同じ構成のメタライズによって行なわれている。
【0127】
本実施の形態においては、図17(a)および図17(b)に示すように、上述の実施の形態5とほぼ同様の接続面の形状を有するフレーム50およびキャップ60が使用される。ただし、フレーム50およびキャップ60の外側面には、上記のキャスタレーション120および130による窪みが複数形成されており、この窪み表面の壁面導体が外側接続領域であるメタライズ領域52および63と電気的に導通している。
【0128】
上述の実施の形態5と同様に、本実施の形態における中空封着パッケージにおいてもフレーム50とキャップ60の接続にシール部材100およびろう材90が用いられる。このうち外側接続部材であるろう材90は、フレーム50とキャップ60の外側接続領域のみならず、キャスタレーション120および130が形成された部位においてフレーム50とキャップ60とを接合している。
【0129】
(製造方法)
次に、図18ないし図23を参照して、本実施の形態における中空封着パッケージの製造方法の特徴部分であるキャップとフレームとの接続工程について説明する。まず、キャスタレーション120を有するフレーム50と、キャスタレーション130を有するキャップ60を準備する(図18参照)。キャップ60の接続面である下面の所定位置には、予めシール部材100が貼付されている。フレーム50にキャップ60を組付け、さらに荷重をキャップ60に加えることにより、接続面の内側接続領域においてシール部材100が圧縮変形し、フレーム50とキャップ60が密着されてキャビティ70が気密封止される。
【0130】
また、上記とは別に、ソルダ供給治具300を準備する(図19参照)。ソルダ供給治具300は、その主面に中空封着パッケージのフレーム50がセット可能となるように構成されており、その主面の所定位置には凹部が形成されている。このソルダ供給治具300の主面に印刷マスク310を載せる。印刷マスク310はソルダ供給治具300の凹部に対応する位置に貫通孔を有している。この印刷マスク310の上からスキージ320を用いてソルダペースト90aをソルダ供給治具300に印刷する。印刷が完了すれば印刷マスク310をソルダ供給治具300から取外す。以上により、ソルダ供給治具300の凹部内および凹部上に所定量のソルダペースト90aが印刷される。
【0131】
次に、ソルダペースト90aが印刷されたソルダ供給治具300上に、シール部材100によって接続されたフレーム50とキャップ60からなる中空封着パッケージのサブアッセンブリをセットする(図20参照)。このとき、ソルダ供給治具300に印刷されたソルダペースト90aは、フレーム50に設けられたキャスタレーション120に近接している。
【0132】
さらに、このサブアッセンブリがセットされた状態にて熱処理を行なう。具体的にはサブアッセンブリがセットされた状態にてソルダ供給治具350を乾燥炉あるいはリフロー炉、またはホットプレートなどで、ソルダペースト90aのろう材成分の融点以上に温度を上げる。これにより、ソルダーペースト90aのろう材成分が溶融し、キャスタレーション200を伝って溶融したろう材がフレーム50の外側面を這い上がる(図21参照)。
【0133】
溶融したろう材はメタライズされた部分に選択的に濡れ広がり、フレーム50とキャップ60との間を満たす(図22参照)。この後、加熱を止めるとろう材が冷え固まり、これによってフレーム50とキャップ60の接合が行なわれる(図22参照)。さらに、ソルダ供給治具300からサブアッセンブリを取り外すことにより、フレーム50とキャップ60との接続工程が完了する(図23参照)。
【0134】
(作用・効果)
上記構成のように、パッケージ外側面にキャスタレーションを形成し、このキャスタレーションが形成された部位においてフレームとキャップとをろう付けすることにより、高信頼性の中空封着パッケージを簡便に製造することが可能になる。また、上記のようにソルダ供給治具を用いてろう付けを行なうことにより、簡便に効率よく高信頼性の中空封着パッケージを製造することが可能になる。
【0135】
(実施例7)
以下、上記実施の形態7に基づいた実施例について説明する。なお、本実施例では、上述の実施例5と外形が同じ大きさのフレームおよびキャップを使用して中空封着パッケージを製作した。ただし、フレームおよびキャップの周辺には、メタライズを施したキャスタレーションが設けてある点が実施例5とは異なる。
【0136】
上記において説明した手法により、中空封着パッケージを製作した。この試料を用いて実施例1と同様の信頼性試験を実施したところ、何ら異常が発生しなかったことが確認された。
【0137】
(実施の形態8)
図24は、本発明の実施の形態8における中空封着パッケージの構造を説明するための概略断面図である。なお、上述の実施の形態7と同様の部分については図中同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0138】
(構造)
図24に示すように、本実施の形態における中空封着パッケージは、上述の実施の形態7と類似の構造ではあるが、キャップ60にはキャスタレーションが無く、フレーム50にのみキャスタレーション120が形成されている。フレーム50のキャスタレーション120の端部に対応する部分のキャップ60下面には、端子電極であるメタライズ領域が形成されている。このため、上述の実施の形態7と同様の接続工程にてフレーム50とキャップ60とを接続した場合には、フレーム50とキャップ60との間にろう材90によるフィレット91が形成される。
【0139】
(作用・効果)
上記構造の中空封着パッケージとすることにより、より高い信頼性が実現された電磁シールド効果を有する中空封着パッケージを提供することが可能になる。これは周知の如くフィレットを形成することにより、熱履歴によって生ずる応力の緩和が可能となるためである。上述の実施の形態7においては、フレームのキャスタレーションとキャップのキャスタレーションとが同一面上に位置しているためフィレットが形成されないのに対し、本実施の形態ではフレームのキャスタレーションとキャップのメタライズ領域とが交差するように配置されているため、この部分においてろう材が濡れ広がることによってフイレットが形成される。
【0140】
(実施例8)
以下、上記実施の形態8に基づいた実施例について説明する。なお、本実施例では、上述の実施例7と同じフレームを使用した。キャップはフレームよりも外形がやや大きく、幅および奥行きが11mmのものを使用した。
【0141】
以上の部材を用いて中空封着パッケージを製作し、実施例1と同様の信頼性試験を実施したところ、何ら異常が発生しなかったことが確認された。
【0142】
上記実施の形態では、中空封着パッケージを親回路基板に実装する手段として、はんだボールを用いる方式に関して述べたが、これ以外の手段である金属リードや金属ピンを用いた実装方法などであっても良い。
【0143】
また、上記実施の形態では、内部に実装する高周波半導体素子をワイヤボンディングによって実装しているが、特にこれに制限されるものではなく、フリップチップ実装などの実装技術を用いて実装してもよい。
【0144】
さらには、上記実施の形態では、すべてセラミックス製のパッケージを使用しているが、当然に樹脂製のパッケージでも良い。また、キャップに関しては、金属製のキャップを使用することも可能である。
【0145】
また、上記実施の形態3および4においては、内側接続部材として非導電性の樹脂製接着フィルムを使用し、上記実施の形態5ないし8ではシール部材を使用ているが、たとえば、上述のACFを使用してもよい。
【0146】
また、上記実施の形態では、一例としてメタライズ領域をめっきにより形成しているが、キャップ若しくはフレームに導体部分が形成されるならばその形成方法は特に限定されるものではない。同じく端子電極においても、導体材料からなるものであればどのようなものであってもよい。
【0147】
このように、今回開示した上記各実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0148】
【発明の効果】
本発明により、キャビティ内への接合部材の流入が防止された高信頼性の電磁シールド効果を備えた中空封着パッケージを容易かつ安価に製造することが可能となる。また、シリコン製の制御素子を同時実装した場合にも、高信頼性が確保された電磁シールド効果を備えた中空封着パッケージを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における中空封着パッケージの構造を説明するための分解斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態1における中空封着パッケージの構造を説明するための概略断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1における中空封着パッケージのフレームの上面図およびキャップの下面図である。
【図4】 本発明の実施の形態1における中空封着パッケージのフレームとキャップの接合部分の概略断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態2における中空封着パッケージのフレームとキャップの接合部分の概略断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態3における中空封着パッケージの構造を説明するための概略断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態3における中空封着パッケージのフレームの上面図およびキャップの下面図である。
【図8】 本発明の実施の形態4における中空封着パッケージの構造を説明するための概略断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態4における中空封着パッケージのフレームの上面図、キャップの下面図およびキャップの上面図である。
【図10】 本発明の実施の形態5における中空封着パッケージの構造を説明するための概略断面図である。
【図11】 本発明の実施の形態5における中空封着パッケージのフレームの上面図およびキャップの下面図である。
【図12】 本発明の実施の形態5における中空封着パッケージの変形例におけるフレームの上面図およびキャップの下面図である。
【図13】 本発明の実施の形態6における中空封着パッケージの構造を説明するための概略断面図である。
【図14】 本発明の実施の形態6における中空封着パッケージのフレームの上面図およびキャップの下面図である。
【図15】 本発明の実施の形態7における中空封着パッケージの構造を説明するための分解斜視図である。
【図16】 本発明の実施の形態7における中空封着パッケージの構造を説明するための概略断面図である。
【図17】 本発明の実施の形態7における中空封着パッケージのフレームの上面図およびキャップの下面図である。
【図18】 本発明の実施の形態7における中空封着パッケージの製造工程を示す図である。
【図19】 本発明の実施の形態7における中空封着パッケージの製造工程を示す図である。
【図20】 本発明の実施の形態7における中空封着パッケージの製造工程を示す図である。
【図21】 本発明の実施の形態7における中空封着パッケージの製造工程を示す図である。
【図22】 本発明の実施の形態7における中空封着パッケージの製造工程を示す図である。
【図23】 本発明の実施の形態7における中空封着パッケージの製造工程を示す図である。
【図24】 本発明の実施の形態8における中空封着パッケージの構造を説明するための概略断面図である。
【図25】 従来の中空封着パッケージの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 高周波半導体素子、20 ボンディングワイヤ、30 異方性導電フィルム(ACF)、31 バインダ樹脂、32 導電フィラー、40 非導電性樹脂製接着フィルム、50 フレーム、51 フレームパッド、52 (フレームの)メタライズ領域、53 リブ、54 グランド配線、55 外部接続パッド、56 半田ボール、57 バンプ、58 上面メタライズ領域、59 段差面メタライズ領域、60 キャップ、61 キャップパッド、62 (キャップの)メタライズ領域、63 外周メタライズ領域、64 周縁メタライズ領域、70 キャビティ、80 親回路基板、81 基板パッド、90 ろう材、90aソルダペースト、100 シール部材、110 導電ペースト、120 (フレームの)キャスタレーション、130 (キャップの)キャスタレーション、300 ソルダ供給治具、310 印刷マスク、320 スキージ。

Claims (11)

  1. 気密空間内に位置する高周波半導体素子と、前記高周波半導体素子の外部への電気的引出しを行なう高周波回路配線と、前記気密空間を取り囲むフレームおよびキャップとを備えた中空封着パッケージであって、
    前記フレームと前記キャップとを接続する接続部材は、内側に位置する内側接続部材と外側に位置する外側接続部材とを含み、
    前記内側接続部材は前記気密空間を封止するフィルムであり、
    前記外側接続部材はろう材である、中空封着パッケージ。
  2. 前記フィルムは、樹脂製の接着フィルムである、請求項に記載の中空封着パッケージ。
  3. 前記フィルムは、圧縮変形することにより前記フレームおよび前記キャップに密着するシール部材である、請求項に記載の中空封着パッケージ。
  4. 前記フィルムは、異方性導電フィルムである、請求項に記載の中空封着パッケージ。
  5. 前記フレームおよび前記キャップの少なくとも一方は、前記高周波半導体素子および前記高周波回路配線から発生する電磁波を遮断するための導体部分を有している、請求項からのいずれかに記載の中空封着パッケージ。
  6. 前記導体部分が、前記気密空間を取り囲むように前記フレームおよび前記キャップに配置された壁状導体であり、前記高周波半導体素子から見て全方位に位置している、請求項からのいずれかに記載の中空封着パッケージ。
  7. 少なくとも前記フレームおよび前記キャップのいずれか一方は、前記気密空間を複数の空間に分割する隔壁を備えており、前記フレームまたは前記キャップと前記隔壁とが導電ペーストによって接合されている、請求項からのいずれかに記載の中空封着パッケージ。
  8. 前記フレームと前記キャップとを含む当該パッケージ側面において、少なくとも前記フレームおよび前記キャップのいずれか一方にキャスタレーションが形成されており、このキャスタレーションが形成された部位において前記フレームと前記キャップとがろう付けにて接合されている、請求項からのいずれかに記載の中空封着パッケージ。
  9. 前記フレームと前記キャップとを含む当該パッケージ側面において、前記フレームおよび前記キャップのいずれか一方にキャスタレーションが形成されており、他方に前記キャスタレーションの端部と対面する端子電極が形成されており、前記キャスタレーションと前記端子電極との間にろう材のフィレットが形成されている、請求項に記載の中空封着パッケージ。
  10. 気密空間内に位置する高周波半導体素子と、前記高周波半導体素子の外部への電気的引出しを行なう高周波回路配線と、前記気密空間を取り囲むフレームおよびキャップとを備えた中空封着パッケージの製造方法であって、
    前記フレームと前記キャップとの接続部位のうち、前記気密空間に隣接する部分にシール部材を介挿する工程と、
    前記シール部材を圧縮変形させることにより、前記シール部材を前記フレームおよび前記キャップに密着させる工程と、
    前記シール部材を圧縮変形させた状態にて、前記フレームと前記キャップとをろう付けにて接合する工程とを備えた、中空封着パッケージの製造方法。
  11. 気密空間内に位置する高周波半導体素子と、前記高周波半導体素子の外部への電気的引出しを行なう高周波回路配線と、前記気密空間を取り囲むフレームおよびキャップとを備え、前記フレームおよび前記キャップの少なくともいずれか一方の外側面にキャスタレーションが形成されており、少なくとも前記キャスタレーションを含む部分において前記フレームと前記キャップとがろう付けにて接合されてなる中空封着パッケージの製造方法であって、
    前記フレームと前記キャップとの接続部位のうち、前記気密空間に隣接する部分にシー ル部材を介挿する工程と、
    前記シール部材を圧縮変形させることにより、前記シール部材を前記フレームおよび前記キャップに密着させる工程と、
    前記シール部材を圧縮変形させた状態にて、前記フレームと前記キャップとをろう付けにて接合する工程とを備え、
    前記フレームと前記キャップとをろう付けにて接合する工程において、前記フレームと前記キャップとの接合が、溶融前のろう材を前記キャスタレーションの下方に近接配置し、熱処理を施すことによって前記ろう材を溶融させ、溶融した前記ろう材が前記キャスタレーションに接して上がることにより前記フレームと前記キャップとの接続部位にまで達することによって行なわれる、中空封着パッケージの製造方法。
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