JP3771227B2

JP3771227B2 - Cloth and mask

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Publication number: JP3771227B2
Application number: JP2003150043A
Authority: JP
Inventors: 光志遠藤; 康彰遠藤
Original assignee: 光志遠藤
Priority date: 2003-05-28
Filing date: 2003-05-28
Publication date: 2006-04-26
Anticipated expiration: 2023-05-28
Also published as: JP2004353109A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の媒体に分散含蓄された場合に、光触媒反応の過程で生じる中間生成物の吸着除去機能、そして、空気中を浮遊する細菌類、病原菌ウィルスを始めとする有機物、有機化合物の有害ガス、などの分解機能を有するチタニア混合溶液、また該溶液を繊維素材に含蓄せしめて以上の機能が発揮可能になる医療用被服や手袋などに利用できる布状体、及びこのような布状体を利用して作成できるマスク（マスクの場合睡眠中の癒し機能も有する）に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
環境衛生上、安全衛生上のマスクは、主として浮遊している有機物塵埃の呼吸器感染症、花粉症などの予防と、臭気の刺激緩和に使われ、ガーゼ、晒し木綿、不織布製で、長さ１５ｃｍほど、鼻と口を覆い、両端に紐をつけて両耳にかけて留める構造が一般的である。最近では、濾過性、生産性、コスト性から化学繊維の不織布が主流を占めているが、静電気による付着塵埃の吸着が問題視されるようになっている。
【０００３】
酸化チタンは、近年有害な有機物を自然光に含まれる紫外線エネルギで分解浄化できるメリットから、ハウスシック症候群や化学物質過敏症問題がクローズアップされている新建材を使用した新築のマンションや一般住宅、オフィス、病院、老人施設等、広い範囲での用途が報告されている。これは塗料などに含まれるトルエンやＶＯＣガスが原因するもので、これの対応として紹介されてきた。しかし、光触媒の反応の過程で生じる生成物の中には危険が伴うものがあり、新たなる対応が論じられている。
【０００４】
例えば、トルエンは光触媒反応で大部分が炭酸ガス（ＣＯ_２）になるが、それ以外にフェノール、クレゾール、ベンズアルデヒドなどが生成される。さらに、問題として取り上げねばならない点は、揮発性有機塩素系化合物、例えばトリクロロエチレンを二酸化チタンと接触させると大部分は炭酸ガス（ＣＯ_２）とＨＣｌ(Ｃｌ⁻)になるが、分解の過程で、ほんの僅かではあるが、ホスゲン（ＣＯＣｌ_２）とクロロホルム（ＣＨＣｌ_３）が生成される。僅かでも長時間の使用では問題となる。
【０００５】
以上のことはマスクだけにとどまらず、感染予防用具として利用される、帽子、手袋、白衣、靴下、シューズカバー、シーツ、マクラカバーなど、人が着用するものなら数多く存在する（例えば病院内ではこれらの予防具が多数存在する）。従って、これらのフェノール、ホスゲン、クロロホルムなどの分解生成物あるいは中間生成物と呼ばれる有害物が確認された状況下では、使い方を誤ると思いもよらない障害を伴うので、注意を呼びかける声やその対策が急務となっている。
【０００６】
例えば、後述する特許文献1に開示されるように抗菌、殺菌、脱臭機能を備えるために、マスク本体に二酸化チタン等の光触媒だけを付着加工させている例がある。また、二酸化チタン等の光織媒体だけを含有せしめた不織布を加工して、マスク製造している例があり、中間生成物は無視されている。特に、呼吸により鼻や口から進入する有害ガスは、臓器による分解浄化作用を経ることなく、直接、肺から脳に直行するため、マスク表面から生成されるホスゲンなどの有害物は禁物であり、この中間生成物を短時間に分解あるいは除去することが強く望まれる。二酸化チタンの付着の方法は、浸漬方法や噴霧方式が使われている。
【０００７】
しかし、マスク素材の主流を占める化学繊維系の不織布は、ほとんどが撥水性素材であり、二酸化チタンと素材との結合作用とその接着力、密着力が不安定で、単に付着しているだけで結合の信頼性がない。そのため、効果の信頼性が乏しい欠点がある。光触媒を単に付着させるのではなく、きちんとした力でマスク素材に接合、含有、含蓄させることが望まれる。
【０００８】
また、特許文献２に開示されている例では、殺菌等に対する相乗効果を狙って、炭素繊維層と光触媒層からなる複合フィルタをマスク内部に設けている。静電気による付着塵埃と中間性生物への対応が十分でない。静電気に対しては、透過性素材のマスクカバーの裏面に光触媒層、光触媒層の裏面に炭素繊維層が設けられており、マスクカバーの表面は帯電しやすいため、帯電した浮遊塵埃は吸着されやすい。
【０００９】
中間生成物に対しては、本来なら炭素は、吸着効率の優れた微粒子を使うところ、ナノレベルの微粒子製造、微粒子の分散、膜にした場合微粒子の保持が技術的に難しい。炭素繊維は、吸着作用をする表面積が粉体に比べてはるかに小さいこと、原料などの黒鉛や活性炭ほど、多孔質でなく、気体の分子を高効率で吸着することは期待できないため、使用の目的にそわない。
【００１０】
また、粒状活性炭などを封入した袋をマスク内に装着した例が特許文献２にはあげられているが、吸引抵抗が大きく違和感があるばかりでなく、抵抗のない隙間が吸引通路となり、実用的でない。特に使い捨てマスクなどではコストが高くなる欠点がある。尚、この例の光触媒は、不織布表面に膜形成した構造であり、接着力は弱い。
【００１１】
【特許文献１】
特開平２０００−２０２０５２
【特許文献２】
特開平２０００−１９７７１１
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような問題に鑑み創案されたもので、後述する発明の開発経緯から明らかなように、浮遊している塵埃の静電気による呼込み、吸着を予防し、マスク表面で捕獲した有機物を分解し、この分解反応の過程で生成される有害な中間生成物を除去し、感染予防および体内への侵入を遮断する機能を合わせ持つマスクの開発に始まり、さらに有機物を分解させるアモルファス型チタニア微粒子と、分解作用で生成する有害な中間生成物を吸着するカーボン微粒子とを、繊維素材に安定した結合力で保持、含蓄させ、安定した品質を有するマスク等の素材として利用可能な布状体（感染予防用具の素材として使われている、帽子、手袋、白衣、靴下、シューズカバー、シーツ、マクラカバーなどに使用できる）を提供せんとするものである。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
本発明構成の開発経緯につき、以下詳述する。
まず本発明者は、本構成に開発に当たり、最初に医科用などに使用されるマスクについて、研究開発を行った。
【００１４】
マスク自体が呼吸により温まり、水滴が形成されると、細菌類の繁殖を助長することになる。細菌類の繁殖条件は、温度と、湿度と、栄養であり、３０〜５０℃、相対湿度９５％以上が最適条件である。特に、温まった水滴は微生物の住処になる。装着したマスクは、生憎この条件を満たし、さらに捕獲された有機物の浮遊塵埃は栄養源となる。従って、時間的な使用制限があり、１時間以上同一のものを使用しない方が良いとされている。そのため、微生物はマスク上で、短時間で、死滅させることが重要な課題である。
【００１５】
材質的には、マスク自体絶縁体であり、呼吸による捕獲に加えて、空気中に浮遊している微生物を含む帯電した塵埃が電気的に呼込まれ、吸着されるため、その密度を上げている。特に、化学繊維を中心とした不織布は電気抵抗が大きく、帯電した塵埃がより多く吸着されやすい。そのため前述の温湿度条件と重なって、微生物の住処に変化すると言う思いもつかない大きな問題があり、これを解決することも重要課題である。
【００１６】
人の息のよる口臭が付着し、臭気が蓄積するため、１０分も経たない内に、不快感が溢れる等の問題があり、マスク着用を遠ざける原因にもなっている。
【００１７】
以上の経緯から、本発明者は、上記課題の解決にあたり、マスクに除電機能を持たせて静電気による塵埃の呼込み吸着を予防すること、光触媒機能を持たせて細菌類を始めとする有機物塵埃および有機化合物のガスを分解浄化させること、親水性機能を持たせて呼吸に伴う水滴をマスク表面に作らないこと、さらに吸着機能を持たせて分解の過程で生成される有害な中間生成物を吸着除去し、体内への侵入を遮断する機能が、マスク上で一貫作用として働く新たな着想を持つに至った。折から、中国や東南アジアで猛威を振るう新型肺炎の重症急性呼吸器症候群ＳＡＲＳの感染阻止が急務となった経緯がある。
【００１８】
そこで発明者は、素材の持つ利点を積極的に活用し、マスク表面をイオン化させることにより、浮遊塵埃の吸着予防の作用から始まり、有機物の分解作用、さらに光触媒反応の過程で生成される中間生成物に着目し、分解効率の良い光触媒と吸着効率の良い吸着媒とを共存させ、中間生成物が生成されると同時に、吸着除去する作用、生成したマイナスイオン空気の供給作用まで、一貫する機能をマスクに併せ持たせる着想に至った。
【００１９】
マスク表面に除電機能を持たせて塵埃の呼込み吸着を予防する着想は、紫外線の得られる環境下と、紫外線の得られない環境下とでは考え方は異なる。前者は光触媒反応で表面はイオン化するため問題はない。しかし、後者の環境下では、イオン化することが出来ないので、何らかの工夫がいる。電気抵抗の小さい金属、カーボンの複合化もその手段である。化学的に安定したカーボンの電気的性質をそのまま利用することは、次に説明する中間生成物の吸着性と除電性の効率面からカーボン微粒子を点在させることに着目した。この点が炭素繊維層を用いる上記特許文献２の構成とは根本的に異なっている。
【００２０】
中間生成物の除去は、吸着媒即ち、吸着効率の優れたカーボン微粒子を光触媒反応の最も効率の高いアナターゼ型チタニア微粒子に隣接させ、共存共栄を発揮させる構造を思いついた。そのため、カーボン微粒子とアナターゼ型チタニア微粒子を分散、保持させる必要から、これら微粒子のバインダの役目をするアモルファス型チタニア水溶液に分散せしめたチタニア混合溶液を作り、これを機械的あるいは物理的な圧力を付加して、マスク素材の不織布に圧入して、水分を自然乾燥ないしは強制乾燥することで含蓄させる手法を考えた。
【００２１】
乾燥させたマスク素材には、カーボン微粒子およびアナターゼ型チタニア微粒子が表面から深部まで含蓄され、上記問題を解決するために有効であることがわかり、該マスクに、適用し、広い用途で、優れた利点を見出した。機械的な方法は高圧下でチタニア混合用液を吹付ける方法、物理的な方法は真空を利用して圧入する方法何れでも可能である。
【００２２】
主役となる微粒子、即ちカーボン微粒子とアナターゼ型チタニア微粒子は、濃度の安定化と水分蒸発後に形成されるチタニア膜内に均一に分散させる必要がある。そのため、２種類の粒子の大きさは、ニュートン力学の及ばない範囲、即ちブラウン運動の範囲の質量、重量が必要であって、ナノ粒子である必要がある。従って、５０ｎｍ以下の微粒子であることが望ましい。薬剤系の分散剤を使い各微粒子を分散させることも手段として考えられるが、分散剤自体ならびに光触媒反応で生じる親水基（活性酸素）が強力な分解力を持つため、分けの解らない分解生成物による障害を未然に防ぐこと、マスク素材を変質させる可能性があること、から使用しない方が望ましい。
【００２３】
さらに、チタニア混合溶液は、マスク素材の変質および化学反応による反応生成物の発生を予防するために、中性であることが重要である。
【００２４】
マスク面のイオン化は、マスク素材にアナターゼ型チタニアの微粒子を含蓄せしめ、太陽や蛍光灯の比較的弱い波長の紫外線を利用する。アナターゼ型チタニアは、紫外線を吸収して、高効率で光触媒作用を発揮する。電気的にマイナスの電子ｅは、空気中の酸素分子（Ｏ_２）と反応（Ｏ_２＋ｅ⁻＝Ｏ_２ ⁻）し、酸素イオンを生成して、マスク表面をイオン化する。マスク表面で生成された酸素のマイナスイオン（Ｏ_２ ⁻）は、直接吸い込むことになり、爽快な気分になると共に、有機物を分解する力も持っている。
【００２５】
電気的にプラスの正孔ｈは、空気中の水分子と反応（Ｈ_２Ｏ＋ｈ^＋＝ＯＨ＋Ｈ^＋）して、親水基（活性酸素：ＯＨ）を生成し、有機物、有機化合物は分解され、炭酸ガスと水になり浄化される。と同時に親水基がマスク表面を覆うため、親水基は水分と結合しやすい環境を作ることになり、撥水生面から親水性面へと変化させる。そのため、呼吸による水蒸気は水滴とならず、程よく湿ったマスク面が得られる。尚、チタニアは食品添加剤でもあり、人畜無害な物質である。
【００２６】
電磁波の波長で１００〜４００ｎｍは、紫外線であり、太陽光線から得られる地球上の紫外線の波長は、地上１０〜５０ｋｍに存在するオゾン層で吸収されてしまうため、概ね３００〜４００ｎｍである。アナターゼ型の結晶構造を持つチタニアのバンドギャップエネルギ３.２ｅＶは、光エネルギに換算すると３８８ｎｍであり、太陽光線下、さらに蛍光灯下でも光触媒反応は得られる。
【００２７】
物に電圧を加えたとき、「電流の流れやすいもの」、「電流の流れにくいもの」、「電流の流れないもの」、に区分される。チタニアは半導体であり「電流の流れにくいもの」に、マスク素材は絶縁体であり「電流の流れないもの」に該当する。従って、アナターゼ型チタニア微粒子とカーボン微粒子を含蓄したマスク素材は、電気抵抗が半導体レベルの１０^６〜１０^８Ωｃｍを示すため、「電流の流れないもの」から「電流の流れにくいもの」に変化する。
【００２８】
本発明で用いられるカーボン及びアナターゼ型チタニアは、いずれも微粒子であり、微粒子の尖端に集まった電荷は、イオン化したマスク素材の表面から絶えず放電が繰り返される。従って静電気による塵埃の吸着が阻害される。
【００２９】
また光触媒反応でイオン化したマスク表面は、マイナスイオンであり、還元作用により、精神的にも癒される効果を発揮し、リフレッシュされる。さらに、鼻腔内、口腔内に抗酸化力が高まり、口臭が予防できる。
【００３０】
以上のように、カーボン微粒子とアナターゼ型チタニア微粒子を含蓄せしめ、除電機能、光触媒機能、親水性機能、吸着機能を併せ持つマスクは、静電気による塵埃吸着の予防と、捕獲した有機物の塵埃や細菌類並びにガスの分解と、有機物の分解の過程で生じる生成物を捕獲し、体内への侵入を予防すること、が可能である。
【００３１】
とりわけ密閉度が高く、窓などを開放する期間が短い寒冷地の病院や一般住宅では、建材や家具から発せられる有害ガスによる室内汚染問題を、マスク装着で対応することもできる。近年、化学物質過敏症、ハウスシック症候群など社会的問題になっている原因は、建材や塗料、接着剤から気化するＶＯＣガスやホルムアルデヒドであり、刺激臭を感じなくなるまでには、個人差はあるものの新築の場合、法令で規制された０.０８ｐｐｍ以下にするには、少なくとも１年はかかる。日常生活でも室温が上昇するにつれて気化量も増えるため、換気をすることに抵抗がある寒冷地では、健康を維持する上で、効果的である。また、ペットブームの折、犬猫の化学物質による病気も増加の一途をたどり、無駄な出費がかさんでいる問題もあり、用途は広がっている。
【００３２】
カーボンと光触媒の作用が問題解決に及ぼす点は、特に院内感染予防に対しての効果が大きい。院内感染予防は、医療関係に携わっている者の重大テーマでもある。文化の大きな変化に伴い細菌類が強力化している現状下、診察する医師や看護士が着用する衣類、器具類、入院患者が利用する衣類、寝具類、間仕切りカーテン等に化学繊維やプラスチック素材化している現状下では、除電による吸着対策、付着細菌類の殺菌対策により効果的に活用でき、且つ簡単にまた安価に処置する必要がある。本願構成は、安価なカーボンの利点、太陽光線や蛍光灯から容易に得られる紫外線が建物内外ともに豊富である利点など、カーボンやチタニアの優れた性質を利用し、効果を発揮させることができる。有機物、特に細菌類は化学繊維、プラスチック製品に吸着しやすいため、細菌類の付着予防と殺菌に大きな効果を発揮する。
【００３３】
そこで本発明としては、マスクに上記機能を持たせるために大きな役割を果たすことになったカーボン微粒子と、アナターゼ型チタニア微粒子とを、バインダの役目をするアモルファス型チタニア水溶液に分散せしめたチタニア混合溶液を、マスクだけではなく、上記のように様々な媒体に分散含蓄させることで、それらの媒体を利用したものに上記の効果が発揮されるようになることが分かり、そのため上記のようなチタニア混合溶液を繊維素材（不織布状態のものを含む）に含蓄せしめて、上記機能が発揮できる種々の感染予防具などの素材として利用される布状体についても併せて提案する。
【００３４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成のうち、特にマスクの実施の形態について、詳述する。
［実施例１］
図１は、アナターゼ型チタニア微粒子の有害ガス分解による濃度変化とカーボン微粒子の分解生成物の吸着による濃度変化を示した図である。
【００３５】
試験内容は、化学物質過敏症やハウスシック症候群で、問題視されているＶＯＣガスの代表的存在であるトルエンやホルムアルデヒドを含む合板で作成した試験箱と、有機溶剤の揮発がないガラス試験箱を作り、また現在主流を占めている化学繊維製不織布で作った簡易形の使い捨てマスクを対象に、未処理マスクと、アナターゼ型チタニア微粒子のみを含蓄させたマスクと、アナターゼ型チタニア微粒子とカーボン微粒子を含蓄せしめたマスクと、の３種類の試験マスクを作成した。各試験マスクを試験箱の底部に置き、ガスの分解レベル差と生成物の吸着除去レベル差を比較したものである。
【００３６】
試験方法は、蒸気比重が、ホルムアルデヒドが１.１、トルエンが３.２であり、何れの蒸気も低部に沈降する、試験箱の底部に置いた試験マスクが、蒸気比重の重いガスは底部に沈降し、対流現象により試験マスクに繰り返し接触するため、自然に浄化されることに着目した。
【００３７】
ホルムアルデヒドの測定方法は、１Ｌ／分のアクティブサンプリング法で、ＤＮＰＨカートリッジを使用して、測定開始時より３０分間空気捕集し、高速液体クロマトグラフで定量分析を実施した。トルエンの測定方法は、２０ｍＬ／分のアクティブサンプリング法で、ＰＥＪ−０２チューブを使用して、測定開始時より３０分間空気捕集し、加熱脱着式クロマトグラフで定量分析を実施した。測定環境は、温度２１℃、湿度４２％である。
【００３８】
分析結果は、指針値１００μｇ／ｍ^３以下のホルムアルデヒドが、未処理マスクの２９μｇ／ｍ^３対して、アナターゼ型微粒子のみを含蓄せしめたマスクで約６６％減の１０μｇ／ｍ^３、カーボンとアナターゼ型微粒子を含蓄せしめたマスクでは約７２％減の７μｇ／ｍ^３、指針値２６０μｇ／ｍ^３以下のトルエンが、未処理マスクの３６μｇ／ｍ^３対して、其々約６７％減の１２μｇ／ｍ^３、７５％減の９μｇ／ｍ^３であり、大幅な改善を見た。
【００３９】
特に注目すべき点は、カーボン入りの効果である。アナターゼ型チタニア微粒子だけでカーボンのないマスクに対して、カーボン微粒子入りは、約１０％多く分解されている、ガスの吸着能力がある証明であり、これは分解過程で生じる中間生成物も合わせて吸着することが考えられ、予防は十分可能であると見ている。尚、アナターゼ型チタニア微粒子とカーボンの不織布への含蓄方法は、先ず、アナターゼ型チタニア微粒子をアモルファス型チタニアに分散せしめたチタニア混合溶液と、アナターゼ型チタニア微粒子とカーボン粒子を分散せしめたチタニア混合用液を作り、これを特殊ガンで５〜７Ｋｇ／ｃｍ^２の圧力で吹付けたものである。
【００４０】
［実施例２］
さらに、実施例として、同様な使い捨てマスクを使い、アナターゼ型チタニア微粒子とカーボン微粒子を含蓄させて、抗菌試験を実施した。
【００４１】
含蓄方法は、カーボン微粒子入りのチタニア混合溶液に浸漬して、乾燥させた方法と、特殊ガンで形成したミストを７Ｋｇ／ｃｍ^２の圧力で吹付けて乾燥させた方法との２種類のマスクを製作して、比較評価を行った。
【００４２】
図２および図３は、この２種類のマスクに対する抗菌試験であり、使用した試験株−ＭＲＳＡ・ＭＲ−１０８株の時間経過に伴う生菌数の変化を観察した結果を示したものである。
【００４３】
試験結果は、１分以内で９５％の生菌数の減少を確認することができた。これはマスクを着用し、太陽光線や蛍光灯の灯りがあるところでは、細菌類を死滅させることが可能であることを意味し、さらに動植物の細胞内に寄生しているウィルスも運命を共にすることになり、ウィルスの進入予防も可能である。
【００４４】
マスク表面に捕獲された微生物を始めとする細菌類は、光触媒反応で生じた酸素イオンや活性酸素で分解されるため、細菌類の繁殖や住処と化する問題は予防可能である。
【００４５】
分解の対象とする微生物や細菌類は、炭素を主成分とする有機化合物で、複数の原子が結合した分子の集まりである。分子自体複数の原子が結合した粒子であり、エネルギをもって結合している。分子の結合の種類としては、炭素−炭素の結合、炭素−水素の結合、炭素−窒素の結合、炭素−酸素の結合、などがあり其々の結合のエネルギは、１モルあたり、８３Ｋｃａｌ、９９Ｋｃａｌ、７３Ｋｃａｌ、８４Ｋｃａｌである。アナターゼ型チタニアの光触媒反応で得られる活性酸素の分解エネルギは、１モルあたり１２０Ｋｃａｌであり、何れの分子の結合エネルギを上回っているので、容易に分解することができる。
【００４６】
化学繊維で作られた簡易型使い捨てマスクへのチタニア含蓄方法に抗菌効果上、差が生じている。浸漬法によるチタニア膜付着のメカニズムは、マスク繊維の表面に分子間エネルギでの結合が主である。これに対して、高圧スプレー法では、機械的な力が加えられたため、光触媒反応効果の大きなアナターゼ型チタニア微粒子が、繊維内に深く埋め込まれる。そのため、菌を分解する作用がその分多くなるものと考えている。因みに浸漬法では、マスク素材が化学繊維の不織布であるため、撥水性を示す。そのため付着部分に斑が生じること、マスクを付けたり外したりしている内に、すぐ剥離してしまう等の欠点が目立った。
【００４７】
時間的な経過では、光のない暗所遮光状態でも、１時間で生菌数はゼロになる抗菌効果の確認をすることができた。特にこの確認は、睡眠中のマスク着用にも効果が発揮されることになり、睡眠中における呼吸に伴う細菌類による感染予防、ＶＯＣガスなどの有害物質の進入を予防するに大きな効果を発揮する。また、逆に感染者の細菌類を留めることにつながり、広い用途が考えられる。
【００４８】
この暗所遮光状態の効果は、マスクに限定されることなく、様々な衣料、寝具、カーテン、家具にも応用が可能であることが確認された。特筆すべき点は、除電機能、光触媒機能、親水性機能、吸着機能を併せ持つチタニア混合液を吹付けた室内は、空気中の酸素分子とチタニアとの反応でマイナスイオンが生成され、臭気を軽減するため、快適な生活空間が容易に得られる。この方法は、天井、壁、チタニア混合溶液の圧力ミスト吹付け、窓ガラス、床にチタニア膜を形成しておき、窓から侵入する紫外線や蛍光灯から得られる紫外線を利用することになる。従って本発明では、上記のようにチタニア混合溶液自身及び該溶液を繊維素材に含蓄させた布状体についても提案することになった。
【００４９】
使い捨てマスクは、文字通り用済み後、付着した塵埃に混入した微生物や細菌類が付着したままゴミ箱にそのまま捨てられたりするので、不衛生的な廃棄物に化していたが、本構成のマスクでは、細菌類を始めとする有機物は、分解浄化されるので環境衛生保全型のマスクとして普及する。
【００５０】
［実施例３］
図４は、マスク処理方法と帯電電圧を比較したものである。試験方法は、同様に、未処理マスク、チタニア混合溶液の浸漬処理マスク、チタニア混合溶液の圧力ミスト吹付け処理マスクの３種類を作成し、アクリル板で各々２０ｇ／ｃｍ^２の加重で５回摩擦をして帯電電圧を測定した結果である。測定環境は、２０ワットの蛍光灯下、温度２５℃、湿度４８％である。
【００５１】
結果はカーボンの除電作用、さらにチタニアのイオン化作用で著しい効果が得られている。乾燥した空気は、絶縁体レベルの電気抵抗を持っているが、湿ってくるとある程度の電流を流す。そして、何らかのエネルギが加わり、空気がイオン化すると電気抵抗はゼロになる。チタニアを含蓄したマスク表面に、紫外線があたると電子は励起されて、飛び出し、空気中の酸素分子は飛び出した電子の還元作用で酸素イオンとなり、表面に介在することになる。そのため帯電もしにくくなるため、静電気による浮遊塵埃の呼込み、吸着現象は激減する。
【００５２】
使い捨てマスクに限らずマスクの共通する問題は、人の息のよる口臭が蓄積し、臭気が付着するため、１時間も使用しない内に、不快感を伴う点である。臭気は、有機化合物の様々な分子であり、この分子がマスク表面に吸着することが原因している。光触媒反応で有機化合物の分子を容易に分解することが可能であり、臭気の蓄積が激減する。
【００５３】
付記：
(１). カーボン微粒子と、アナターゼ型チタニア微粒子とを、含蓄するマスク。
(２). (１)においてカーボン微粒子とアナターゼ型チタニア微粒子は、バインダ作用をするアモルファス型チタニア水溶液に分散させたチタニア混合溶液であること。
(３)． (２)においてチタニア混合溶液は、中性であること。
(４)． (２)、(３)において、アナターゼ型チタニア微粒子とカーボン微粒子の含蓄は、自然あるいは強制乾燥により、チタニア混合液の水分蒸発によるものであること。
(５)． (１)乃至(４)において、マスク表面の電気抵抗は、半導体レベルであること。
【００５４】
【発明の効果】
本発明によれば、上記のようにして混合されたチタニア混合溶液を繊維素材（不織布状態のものを含む）に含蓄せしめた布状体は、カーボンの除電による吸着予防の効果で、そしてチタニアのイオン効果で、有機物の分解機能、分解過程で生じる中間生成物の吸着機能、親水性機能、を積極的に利用して、光触媒反応の過程で生じる中間生成物の吸着除去機能、そして、空気中を浮遊する細菌類、病原菌ウィルスを始めとする有機物、有機化合物の有害ガス、などの分解機能と、無機物の塵埃の遮断機能を発揮できるようになるという優れた効果を奏することができるようになる。また以上の機能が発揮可能になるため、上記布状体は、医療用被服や手袋などの感染予防具の素材として利用できるようになる。
【００５６】
さらにこのような布状体を利用して作成できるマスクは、浮遊している塵埃の静電気による呼込み、吸着を予防し、マスク表面で捕獲した有機物を分解し、この分解反応の過程で生成される有害な中間生成物を除去し、感染予防および体内への侵入を遮断する機能を合わせ持ち、且つマスク表面のイオン化作用もあるため、細菌類、ウィルスに対する感染予防、有害なＶＯＣガスと分解生成物の呼吸による吸い込み予防に効果的であり、マイナスイオン効果で快適な癒し生活のツールとして活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係わるアナターゼ型チタニア微粒子の有害ガス分解による濃度変化とカーボン微粒子の分解生成物吸着による濃度変化を示すグラフである。
【図２】本発明に係る圧力ミスト法によるアナターゼ型チタニア微粒子とカーボン微粒子の含蓄マスクにおけるＭＲＳＡ抗菌効果を示すグラフである。
【図３】本発明に係る浸漬方法によるアナターゼ型チタニア微粒子とカーボン微粒子の付着形成マスクにおけるＭＲＳＡ抗菌効果を示すグラフである。
【図４】マスク処理方法と帯電電圧を示したグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention provides an adsorption and removal function for intermediate products generated in the process of photocatalytic reaction when dispersed and stored in various media, and organic substances such as bacteria floating in the air, pathogenic bacteria viruses, and organic compounds. A titania mixed solution having a function of decomposing toxic gases, etc., a cloth-like body that can be used for medical clothing and gloves that can be used by storing the solution in a fiber material, and such a cloth-like shape The present invention relates to a mask that can be created using the body (in the case of a mask, it also has a healing function during sleep).
[0002]
[Prior art]
Environmental hygiene and safety hygiene masks are mainly used for prevention of respiratory infections and pollen allergies of floating organic dust, and for mitigation of odor stimulation, and are made of gauze, bleached cotton, non-woven fabric, length About 15 cm, a structure that covers the nose and mouth, attaches a string to both ends, and fastens it over both ears is common. In recent years, non-woven fabrics of chemical fibers have been the mainstream because of filterability, productivity, and cost, but adsorption of adhering dust due to static electricity has been regarded as a problem.
[0003]
Titanium oxide has recently been able to decompose and purify harmful organic substances with the ultraviolet energy contained in natural light. Newly built condominiums, ordinary houses, and offices that use new building materials that have a close-up on the problem of house sickness and chemical sensitivity It has been reported to be used in a wide range of hospitals, elderly facilities, etc. This is caused by toluene and VOC gas contained in the paint, etc., and has been introduced as a countermeasure for this. However, some of the products produced during the photocatalytic reaction are dangerous and new responses are discussed.
[0004]
For example, toluene is a photocatalytic reaction and is mostly carbon dioxide (CO₂In addition, phenol, cresol, benzaldehyde, etc. are produced. Furthermore, the point that must be taken up is that when volatile organochlorine compounds such as trichlorethylene are brought into contact with titanium dioxide, most of them are carbon dioxide (CO2).₂) And HCl (Cl⁻However, in the process of decomposition, phosgene (COCl)₂) And chloroform (CHCl)₃) Is generated. Even a slight amount of time is a problem.
[0005]
The above is not limited to masks, but there are many things that people wear such as hats, gloves, lab coats, socks, shoe covers, sheets, and macula covers that are used as infection prevention tools (for example, in hospitals these are There are many preventive tools). Therefore, in the situation where harmful substances called decomposition products or intermediate products such as phenol, phosgene, chloroform, etc. have been confirmed, there are unexpected obstacles if used incorrectly. Is an urgent need.
[0006]
For example, as disclosed in Patent Document 1 described later, there is an example in which only a photocatalyst such as titanium dioxide is attached to the mask body in order to have antibacterial, sterilizing, and deodorizing functions. Further, there is an example in which a non-woven fabric containing only a photowoven medium such as titanium dioxide is processed to produce a mask, and the intermediate product is ignored. In particular, harmful gases that enter from the nose and mouth by breathing go directly from the lungs to the brain without undergoing decomposition and purification by the organs, so harmful substances such as phosgene generated from the mask surface are prohibited. It is highly desirable to decompose or remove this intermediate product in a short time. As a method of attaching titanium dioxide, a dipping method or a spray method is used.
[0007]
However, most of the non-woven fabrics made of chemical fibers that occupy the mainstream of mask materials are water-repellent materials. The bonding action of titanium dioxide and the material and its adhesion and adhesion are unstable. There is no reliable connection. Therefore, there is a drawback that the reliability of the effect is poor. It is desired that the photocatalyst be attached, contained, and contained in the mask material with a proper force, rather than simply attaching.
[0008]
In the example disclosed in Patent Document 2, a composite filter composed of a carbon fiber layer and a photocatalyst layer is provided inside the mask for the purpose of synergistic effects on sterilization and the like. Insufficient response to static dust and intermediate organisms. For static electricity, a photocatalyst layer is provided on the back side of the mask cover made of a transparent material, and a carbon fiber layer is provided on the back side of the photocatalyst layer. Since the surface of the mask cover is easily charged, charged floating dust is easily adsorbed. .
[0009]
For intermediate products, carbon uses fine particles with excellent adsorption efficiency. However, it is technically difficult to produce fine particles at a nano level, to disperse fine particles, and to hold fine particles when formed into a film. Carbon fiber has a much smaller adsorption surface area than powder and is not as porous as raw materials such as graphite and activated carbon, so it cannot be expected to adsorb gas molecules with high efficiency. Not fit for purpose.
[0010]
In addition, an example in which a bag enclosing granular activated carbon or the like is mounted in a mask is given in Patent Document 2, but not only the suction resistance is large and uncomfortable, but a gap without resistance becomes a suction passage, which is practical. Not. In particular, disposable masks and the like have the disadvantage of increasing costs. In addition, the photocatalyst of this example has a structure in which a film is formed on the surface of the nonwoven fabric, and the adhesive force is weak.
[0011]
[Patent Document 1]
JP 2000-202052
[Patent Document 2]
JP 2000-197711 A
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
  The present invention was devised in view of the above problems, and as is clear from the development of the invention described later, the organic matter captured on the mask surface is prevented from attracting and adsorbing floating dust due to static electricity. Amorphous titania that begins with the development of a mask that combines the functions of preventing infection and blocking entry into the body, removing harmful intermediate products generated during the decomposition reaction Cloth that can be used as a material such as a mask with stable quality by holding and storing fine particles and carbon fine particles that adsorb harmful intermediate products generated by decomposition action with a stable binding force to the fiber material (Can be used for hats, gloves, lab coats, socks, shoe covers, sheets, macula covers, etc. used as materials for infection prevention devices)Is intended to provide.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
The development process of the configuration of the present invention will be described in detail below.
First, the present inventor conducted research and development on a mask used for medical use or the like when developing this configuration.
[0014]
When the mask itself is warmed by respiration and water droplets are formed, it will encourage the growth of bacteria. Bacterial growth conditions are temperature, humidity, and nutrition, with 30-50 ° C. and relative humidity of 95% or more being the optimum conditions. In particular, warm water droplets become the home of microorganisms. The attached mask satisfies this condition, and the trapped organic dust is a nutrient source. Therefore, there is a time limit, and it is better not to use the same for more than one hour. Therefore, it is an important issue to kill microorganisms in a short time on the mask.
[0015]
In terms of material, the mask itself is an insulator, and in addition to being captured by respiration, charged dust containing microorganisms floating in the air is electrically attracted and adsorbed. Yes. In particular, non-woven fabrics centered on chemical fibers have high electrical resistance and are more likely to adsorb charged dust. Therefore, there is a big problem that can not be imagined that it will change to the place where microorganisms live, overlapping with the temperature and humidity conditions mentioned above, and solving this is also an important issue.
[0016]
Since bad breath from humans adheres and odor accumulates, there are problems such as overflowing discomfort within 10 minutes, which also causes the mask to be worn away.
[0017]
From the above circumstances, in order to solve the above-mentioned problems, the present inventor has provided a mask with a charge removal function to prevent the suction and adsorption of dust due to static electricity, and has a photocatalytic function to provide organic dust such as bacteria. Decomposes and purifies organic compound gases, does not create water droplets accompanying breathing on the mask surface with a hydrophilic function, and adsorbs harmful intermediate products generated during the decomposition process with an adsorption function The function of removing and blocking invasion into the body has led to a new idea that works as a coherent action on the mask. Occasionally, there is an urgent need to stop the infection of SARS, a severe acute respiratory syndrome with a new type of pneumonia that is rampant in China and Southeast Asia.
[0018]
Therefore, the inventor actively uses the advantages of the material and ionizes the mask surface, starting from the action of preventing the adsorption of suspended dust, the decomposition of organic matter, and the intermediate generation generated in the process of photocatalytic reaction Focusing on substances, coexistence of photocatalyst with good decomposition efficiency and adsorbent with good adsorption efficiency to produce intermediate products, at the same time, adsorption removal and supply of generated negative ion air This led to the idea of having a mask in combination.
[0019]
The idea of preventing dust from attracting and attracting by providing a static eliminating function on the mask surface is different in an environment where ultraviolet rays can be obtained and an environment where ultraviolet rays cannot be obtained. The former has no problem because the surface is ionized by the photocatalytic reaction. However, since the ionization cannot be performed in the latter environment, there is some ingenuity. Combining metals and carbon with low electrical resistance is another means. Using the chemically stable carbon electrical properties as they are focused on the fact that carbon fine particles are scattered from the viewpoint of the adsorbability and neutralization efficiency of the intermediate product described below. This point is fundamentally different from the configuration of Patent Document 2 using a carbon fiber layer.
[0020]
In order to remove the intermediate product, an adsorbent, that is, a carbon fine particle having excellent adsorption efficiency was adjacent to the anatase-type titania fine particle having the highest photocatalytic reaction to come up with a structure that exerts coexistence and mutual prosperity. Therefore, since it is necessary to disperse and hold carbon fine particles and anatase type titania fine particles, a titania mixed solution dispersed in an amorphous type titania aqueous solution that acts as a binder for these fine particles is created, and this is subjected to mechanical or physical pressure. Then, a method was conceived in which the moisture content was pressed into a non-woven fabric of the mask material and stored by natural drying or forced drying.
[0021]
The dried mask material contains carbon fine particles and anatase-type titania fine particles from the surface to the deep part, and is found to be effective for solving the above problems. Found an advantage. The mechanical method may be either a method of spraying a titania mixing liquid under high pressure, or the physical method may be a method of press-fitting using a vacuum.
[0022]
It is necessary to uniformly disperse the fine particles as the main role, that is, the carbon fine particles and the anatase-type titania fine particles in the titania film formed after the concentration stabilization and moisture evaporation. Therefore, the size of the two kinds of particles needs to be in the range that Newtonian mechanics do not reach, that is, the mass and weight in the range of Brownian motion, and must be nanoparticles. Therefore, it is desirable that the fine particles are 50 nm or less. Dispersion of each fine particle using a drug-based dispersant is also considered as a means. However, because the dispersant itself and the hydrophilic group (active oxygen) generated by the photocatalytic reaction have a strong decomposing power, it is an indispensable decomposition product. It is desirable not to use because it prevents the damage caused by, and may change the mask material.
[0023]
Furthermore, it is important that the titania mixed solution is neutral in order to prevent the generation of reaction products due to alteration of the mask material and chemical reaction.
[0024]
For ionization of the mask surface, anatase-type titania fine particles are contained in the mask material, and ultraviolet rays having a relatively weak wavelength of the sun or a fluorescent lamp are used. Anatase type titania absorbs ultraviolet rays and exhibits photocatalysis with high efficiency. Electrically negative electrons e are oxygen molecules (O₂) And reaction (O₂+ E⁻= O₂ ⁻) To generate oxygen ions and ionize the mask surface. Oxygen negative ions (O₂ ⁻) Will inhale directly, feel refreshed and have the power to decompose organic matter.
[0025]
Electrically positive holes h react with water molecules in the air (H₂O + h⁺= OH + H⁺) To generate a hydrophilic group (active oxygen: OH), and the organic substance and organic compound are decomposed to be purified into carbon dioxide gas and water. At the same time, since the hydrophilic group covers the mask surface, the hydrophilic group creates an environment that easily binds to moisture, and changes from a water-repellent raw surface to a hydrophilic surface. Therefore, water vapor due to respiration does not form water droplets, and a moderately moist mask surface can be obtained. In addition, titania is a food additive and a harmless animal.
[0026]
The wavelength of electromagnetic waves of 100 to 400 nm is ultraviolet rays, and the wavelength of ultraviolet rays on the earth obtained from solar rays is approximately 300 to 400 nm because it is absorbed by the ozone layer existing 10 to 50 km above the ground. The band gap energy of 3.2 eV of titania having an anatase type crystal structure is 388 nm in terms of light energy, and a photocatalytic reaction can be obtained even under sunlight or under a fluorescent lamp.
[0027]
When a voltage is applied to an object, it is classified into “thing that easily flows current”, “thing that does not flow current”, and “thing that does not flow current”. Titania is a semiconductor that is difficult to flow current, and the mask material is an insulator that does not flow current. Therefore, a mask material containing anatase type titania fine particles and carbon fine particles has an electrical resistance of 10⁶-10⁸In order to indicate Ωcm, it changes from “no current flow” to “no current flow”.
[0028]
The carbon and anatase titania used in the present invention are both fine particles, and electric charges collected at the tips of the fine particles are continuously discharged from the surface of the ionized mask material. Therefore, the adsorption of dust due to static electricity is hindered.
[0029]
Further, the mask surface ionized by the photocatalytic reaction is negative ions, and is refreshed by exerting a mental healing effect by a reducing action. Furthermore, the antioxidant power is increased in the nasal cavity and oral cavity, and bad breath can be prevented.
[0030]
As described above, masks that contain carbon fine particles and anatase titania fine particles, and have both static elimination function, photocatalytic function, hydrophilic function, and adsorption function, prevent dust adsorption due to static electricity, and capture organic dust and bacteria. It is possible to capture the products generated in the process of gas decomposition and organic substance decomposition and prevent entry into the body.
[0031]
In particular, in cold hospitals and general houses where the degree of sealing is high and the windows are opened for a short period of time, the problem of indoor pollution caused by harmful gases emitted from building materials and furniture can be dealt with by wearing a mask. In recent years, the causes of social problems such as chemical sensitivity and house sick syndrome are VOC gases and formaldehyde that evaporate from building materials, paints, and adhesives. In the case of a new construction, it takes at least one year to achieve 0.08 ppm or less as regulated by law. Even in daily life, the amount of vaporization increases as the room temperature rises, so it is effective in maintaining health in cold regions where it is difficult to ventilate. In addition, the use of chemicals in dogs and cats has been increasing steadily at the time of the pet boom, and there has been a problem that wasteful expenses have been incurred.
[0032]
The effect of the action of carbon and photocatalyst on problem solving is particularly effective for preventing nosocomial infections. Prevention of nosocomial infections is also a major theme for those involved in medical care. Under the current situation where bacteria are becoming more powerful due to a major cultural change, chemical fibers and plastic materials are used for clothing, equipment worn by doctors and nurses, clothing used by hospitalized patients, bedding, and partition curtains. Under the present circumstances, it is necessary to effectively take advantage of measures for adsorption by static elimination and measures for sterilization of attached bacteria, and it is necessary to treat them easily and inexpensively. The configuration of the present application can make use of the excellent properties of carbon and titania, such as the advantage of inexpensive carbon and the advantage that ultraviolet rays that can be easily obtained from sunlight and fluorescent lamps are abundant inside and outside the building, and can exert its effect. Organic substances, especially bacteria, are easy to adsorb on chemical fibers and plastic products, so they have a great effect on prevention and sterilization of bacteria.
[0033]
  Therefore, as the present invention, a titania mixed solution in which carbon fine particles that have played a major role in providing the mask with the above functions and anatase type titania fine particles are dispersed in an amorphous type titania aqueous solution serving as a binder. It is understood that the above effects can be exerted on those using these media by dispersing and storing them in various media as described above, not only in the mask.Mixed solution with fiber materialThe present invention also proposes a cloth-like body that is used as a raw material for various infection prevention devices that can be incorporated into (including non-woven fabrics) and exhibit the above functions.
[0034]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, of the configuration of the present invention, a mask embodiment will be described in detail.
[Example 1]
FIG. 1 is a diagram showing a change in concentration of anatase-type titania fine particles due to decomposition of harmful gas and a change in concentration due to adsorption of decomposition products of carbon fine particles.
[0035]
The contents of the test consisted of a test box made of plywood containing toluene and formaldehyde, which is a typical presence of VOC gas, which is regarded as a problem in chemical sensitivity and house sick syndrome, and a glass test box that does not volatilize organic solvents. For simple disposable masks made of chemical fiber non-woven fabrics that are currently in use, untreated masks, masks containing only anatase titania particles, anatase titania particles and carbon particles Three types of test masks were created: an impregnated mask. Each test mask is placed on the bottom of the test box, and the difference between the decomposition level of the gas and the difference in the adsorption removal level of the product are compared.
[0036]
The test method has a vapor specific gravity of 1.1 for formaldehyde and 3.2 for toluene. Both vapors sink to the lower part. The test mask placed at the bottom of the test box is the bottom of the gas with high vapor specific gravity. We paid attention to the fact that it settles naturally and is naturally purified because it repeatedly contacts the test mask due to the convection phenomenon.
[0037]
The measurement method of formaldehyde was an active sampling method of 1 L / min. Using a DNPH cartridge, air was collected for 30 minutes from the start of measurement, and quantitative analysis was performed with a high-performance liquid chromatograph. The measuring method of toluene was an active sampling method of 20 mL / min. Using a PEJ-02 tube, air was collected for 30 minutes from the start of the measurement, and quantitative analysis was performed with a heat desorption type chromatograph. The measurement environment is a temperature of 21 ° C. and a humidity of 42%.
[0038]
The analysis result is a guideline value of 100 μg / m.³The following formaldehyde is 29 μg / m of untreated mask:³On the other hand, the mask containing only the anatase type fine particles reduced by about 66% to 10 μg / m.³In the mask containing carbon and anatase type fine particles, it is reduced by about 72% to 7 μg / m³, Guideline value 260 μg / m³The following toluene is 36 μg / m of untreated mask:³On the other hand, 12μg / m, which is about 67% decrease³, 75% decrease 9μg / m³And saw a significant improvement.
[0039]
Of particular note is the effect of carbon. In contrast to a mask containing only anatase-type titania fine particles and no carbon, the inclusion of carbon fine particles is a proof of the ability to adsorb gas, which is about 10% more decomposed, and this includes intermediate products generated during the decomposition process. Adsorption is considered and prevention is considered possible sufficiently. In addition, the method of containing the anatase-type titania fine particles and carbon in the nonwoven fabric includes a titania mixed solution in which anatase-type titania fine particles are dispersed in amorphous titania, and a titania mixed solution in which the anatase-type titania fine particles and carbon particles are dispersed. Make this with a special gun 5-7Kg / cm²It was sprayed with the pressure of.
[0040]
[Example 2]
Further, as an example, an antibacterial test was conducted using a similar disposable mask and containing anatase-type titania fine particles and carbon fine particles.
[0041]
Containment methods include a method of dipping in a titania mixed solution containing carbon fine particles and drying, and a mist formed with a special gun at 7 kg / cm.²Two types of masks were manufactured and subjected to comparative evaluation with a method of spraying and drying at a pressure of.
[0042]
FIG. 2 and FIG. 3 are antibacterial tests for these two types of masks, and show the results of observing changes in the number of viable bacteria over time of the test strains used—MRSA · MR-108.
[0043]
The test results confirmed a 95% reduction in viable count within 1 minute. This means that if you wear a mask and there is sunlight or fluorescent light, you can kill bacteria, and viruses that are parasitic in the cells of animals and plants are doomed. Therefore, it is possible to prevent the entry of viruses.
[0044]
Bacteria such as microorganisms captured on the mask surface are decomposed by oxygen ions and active oxygen generated by the photocatalytic reaction, so that the problem of bacterial propagation and settlement can be prevented.
[0045]
Microorganisms and bacteria to be decomposed are organic compounds mainly composed of carbon, and are a collection of molecules in which a plurality of atoms are bonded. The molecule itself is a particle in which multiple atoms are bonded, and is bonded with energy. The types of molecular bonds include carbon-carbon bonds, carbon-hydrogen bonds, carbon-nitrogen bonds, carbon-oxygen bonds, etc., and the energy of each bond is 83 Kcal, 99 Kcal per mole. 73 Kcal and 84 Kcal. The decomposition energy of active oxygen obtained by the photocatalytic reaction of anatase-type titania is 120 Kcal per mole, which exceeds the binding energy of any molecule, and can be easily decomposed.
[0046]
There is a difference in the antibacterial effect in the method of containing titania in a simple disposable mask made of chemical fiber. The mechanism of adhesion of the titania film by the dipping method is mainly binding with intermolecular energy on the surface of the mask fiber. In contrast, in the high pressure spray method, mechanical force is applied, so that anatase-type titania fine particles having a large photocatalytic reaction effect are embedded deeply in the fiber. For this reason, it is believed that the action of decomposing bacteria increases accordingly. Incidentally, the immersion method shows water repellency because the mask material is a non-woven fabric of chemical fibers. For this reason, there were noticeable defects such as spots on the adhered part and peeling immediately while the mask was attached or removed.
[0047]
With the passage of time, it was possible to confirm the antibacterial effect that the number of viable bacteria became zero in one hour even in a dark place without light. In particular, this confirmation will also be effective when wearing a mask during sleep, and will have a great effect in preventing infection by bacteria associated with breathing during sleep and preventing the entry of harmful substances such as VOC gas. . On the other hand, it leads to keeping bacteria of the infected person, and can be used widely.
[0048]
It was confirmed that the effect of this dark-shading state can be applied to various clothing, bedding, curtains, and furniture without being limited to the mask. What should be noted is that in the room sprayed with a titania mixture that has a static elimination function, a photocatalytic function, a hydrophilic function, and an adsorption function, negative ions are generated by the reaction between oxygen molecules in the air and titania, reducing odor. Therefore, a comfortable living space can be easily obtained. In this method, a titania film is formed on a ceiling, a wall, a titania mixed solution, a window glass, and a floor, and ultraviolet rays entering from a window and ultraviolet rays obtained from a fluorescent lamp are used. Therefore, in the present invention, the titania mixed solution itself and a cloth-like body containing the solution in the fiber material as described above are also proposed.
[0049]
Since the disposable mask is literally used, it is discarded as it is in the trash box with microorganisms and bacteria mixed in the attached dust, but it has become unsanitary waste. Organic substances such as bacteria are decomposed and purified, so they are widely used as environmental hygiene conservation masks.
[0050]
[Example 3]
FIG. 4 compares the mask processing method and the charging voltage. Similarly, three types of test methods were prepared: an untreated mask, a titania mixed solution immersion treatment mask, and a titania mixed solution pressure mist spray treatment mask, each of which was 20 g / cm with an acrylic plate.²This is the result of measuring the charging voltage after rubbing 5 times with a weight of. The measurement environment is a temperature of 25 ° C. and a humidity of 48% under a 20-watt fluorescent lamp.
[0051]
As a result, a remarkable effect is obtained by the neutralizing action of carbon and the ionizing action of titania. Dry air has an electrical resistance of an insulator level, but when it gets wet, a certain amount of current flows. When some energy is applied and the air is ionized, the electrical resistance becomes zero. When the surface of the mask containing titania is exposed to ultraviolet rays, electrons are excited and jump out, and oxygen molecules in the air become oxygen ions due to the reduction action of the jumped-out electrons and intervene on the surface. As a result, it becomes difficult to charge, and the ingestion and adsorption phenomenon of floating dust due to static electricity is greatly reduced.
[0052]
A common problem with masks, not limited to disposable masks, is that the bad breath caused by the person's breath accumulates and the odor adheres, so that it is uncomfortable within 1 hour of use. Odor is a variety of molecules of organic compounds, which are caused by adsorption to the mask surface. Organic catalyst molecules can be easily decomposed by photocatalytic reaction, and the accumulation of odors is drastically reduced.
[0053]
Note:
(1). A mask containing carbon fine particles and anatase-type titania fine particles.
(2) The carbon fine particles and the anatase type titania fine particles in (1) are a titania mixed solution dispersed in an amorphous type titania aqueous solution that acts as a binder.
(3). The titania mixed solution in (2) must be neutral.
(4). In (2) and (3), the inclusion of the anatase-type titania fine particles and the carbon fine particles is due to moisture evaporation of the titania mixed solution by natural or forced drying.
(5). In (1) to (4), the electrical resistance of the mask surface is at the semiconductor level.
[0054]
【The invention's effect】
  According to the present invention, the titania mixed solution mixed as described aboveThe cloth-like body in which the fiber material (including the non-woven fabric) is impregnated isIn the process of photocatalytic reaction, by actively utilizing the decomposition function of organic matter, the adsorption function of intermediate products generated in the decomposition process, the hydrophilic function, due to the effect of preventing adsorption by neutralizing carbon and the ionic effect of titania It can function to adsorb and remove intermediate products generated in the air, and to decompose airborne bacteria, pathogenic bacteria and other organic substances, and harmful gases of organic compounds, and to block inorganic dust. An excellent effect of becoming can be produced.Moreover, since the above functions can be exhibited, the cloth-like body can be used as a material for infection prevention devices such as medical clothing and gloves.
[0056]
Furthermore, a mask that can be made using such a cloth-like body is generated in the process of this decomposition reaction, preventing the ingestion and adsorption of floating dust by static electricity, decomposing organic matter captured on the mask surface. It has the functions of removing harmful intermediate products, preventing infection and blocking invasion into the body, and also has an ionizing action on the mask surface, preventing infection against bacteria and viruses, harmful VOC gas and decomposition products It is effective in preventing inhalation due to breathing, and can be used as a tool for comfortable healing life due to the negative ion effect.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing a change in concentration of anatase-type titania fine particles according to the present invention due to decomposition of harmful gases and a change in concentration of carbon fine particles due to adsorption of decomposition products.
FIG. 2 is a graph showing the MRSA antibacterial effect of an anatase-type titania fine particle and carbon fine particle-containing mask by the pressure mist method according to the present invention.
FIG. 3 is a graph showing an MRSA antibacterial effect in an adhesion forming mask of anatase-type titania fine particles and carbon fine particles by the dipping method according to the present invention.
FIG. 4 is a graph showing a mask processing method and a charging voltage.

Claims

A titania mixed solution obtained by dispersing carbon fine particles and anatase type titania fine particles in an amorphous type titania aqueous solution serving as a binder is sprayed with a gun at a pressure of 5 to 7 Kg / cm ² and pressed into a fiber material . By evaporating the water, it is provided with a titania film formed on the fiber material, and carbon fine particles and anatase-type titania fine particles are uniformly dispersed in the titania film. A cloth-like body characterized by containing the above two fine particles .

A mask using the cloth-like body according to claim 1 .