JP3770361B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

スイッチング電源装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3770361B2
JP3770361B2 JP21495498A JP21495498A JP3770361B2 JP 3770361 B2 JP3770361 B2 JP 3770361B2 JP 21495498 A JP21495498 A JP 21495498A JP 21495498 A JP21495498 A JP 21495498A JP 3770361 B2 JP3770361 B2 JP 3770361B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switching element
sub
transformer
winding
power supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21495498A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000050627A (ja
Inventor
俊幸 岡
正人 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP21495498A priority Critical patent/JP3770361B2/ja
Publication of JP2000050627A publication Critical patent/JP2000050627A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3770361B2 publication Critical patent/JP3770361B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Dc-Dc Converters (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業用や民生用の機器に直流安定化電圧を供給するスイッチング電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11は、従来例のスイッチング電源装置の概略的構成を示すブロック回路図、図12は、従来例のスイッチング電源装置の動作波形を示す説明図である。以下、図11と図12を用い、従来の技術を説明する。
【0003】
図11の従来例のスイッチング電源装置100は、以下の構成からなる。直流電源101は、交流電源を整流平滑して得られた生の直流電源であり、スイッチング電源装置100の入力電源である。直流電源101は、トランス104の1次巻線104aに、主スイッチング素子103を介して供給される。主スイッチング素子103は、MOSFETで構成し、ゲートに印加される主制御部102のオン・オフ信号により、オン・オフ制御され、直流電源101からの入力電圧を、1次巻線104aに印加したり、遮断したりする。103aは、主スイッチング素子103のドレイン・ソース間に寄生する寄生ダイオード、103bはドレイン・ソース間に寄生する寄生容量を表している。2次巻線104bの誘起電圧は、整流ダイオード105により整流された後、平滑コンデンサ106により平滑されて、出力電圧として出力端子109a、109bより出力される。
【0004】
また、検出部107は、前記出力電圧を基準電圧と比較し、比較結果を比較信号として、絶縁伝達部108を介して、主制御部102にフィードバックされる。主制御部102は、検出部107からの比較信号に基づいて、主スイッチング素子103のオン期間を制御することで、出力電圧の安定化を行っている。絶縁伝達部108は、トランス104の1次巻線104a側と2次巻線104b側を絶縁するとともに、検出部107からの比較信号を主制御部102に伝達する。即ち、スイッチング電源装置100は、トランス104と絶縁伝達部108により、1次巻線104a側(1次側)と2次巻線104b側(2次側)とに分離されている。図11のように構成されたスイッチング電源装置100の動作を図12の動作波形図を用いてさらに詳細に説明する。
【0005】
以下の説明で、主スイッチング素子103を「スイッチング素子QA」と標記する。図12において、
(a)はスイッチング素子QAのドレイン・ソース間電圧VDS
(b)はトランス104の1次巻線104a側1次電流I1
(c)はスイッチング素子QAのゲート電圧VG1
(d)はトランス104の2次巻線104b側2次電流I2
の各波形を横軸に共通の時間軸をとって表してある。
【0006】
各時間軸に沿って説明する。
(1)期間t0−t1間の動作(QAオン)
主制御部102からのオン信号により、スイッチング素子QAのゲート電圧VG1は「H」となり、スイッチング素子QAはオンし、ドレイン・ソース間電圧VDSは、ほぼゼロである。直流電源101より供給された入力電圧は、トランス104の1次巻線104aに印加され、スイッチング素子QAがオンすることにより、トランス104の1次巻線104aに1次電流I1が流れ、トランス104に磁束が発生し、エネルギーが蓄積される。このとき、トランス104の2次巻線104bに誘起電圧が発生するが、整流ダイオード105を逆バイアスする方向に電圧が印加されるように構成されているため、トランス104の2次巻線104b側2次電流I2は流れない。
【0007】
(2)期間t1−t2間の動作(QAオフ)
主制御部102からのオフ信号により、スイッチング素子QAのゲート電圧VG1は「L」となり、スイッチング素子QAがオフしドレイン・ソース間電圧VDSは「H」、前記1次電流I1はゼロとなる。スイッチング素子QAがオフすることにより、前記1次巻線104aに誘起電圧が発生すると同時に、前記2次巻線104bにも誘起電圧が発生し、整流ダイオード105を順バイアスする方向に電圧が印加されるため、トランス104に蓄積されたエネルギーが前記2次巻線104bを介して2次電流I2として放出され、整流ダイオード105により整流された後、平滑コンデンサ106により平滑されて、出力電圧VOとして出力端子109a、109bに供給される。トランス104に蓄積されたエネルギーが放出されるにともない、2次電流I2は減少し、時刻t2でゼロになると、前記1次巻線104a、2次巻線104bの誘起電圧はなくなる。このとき、主制御部102からのオン信号により、スイッチング素子QAのゲート電圧VG1は「H」となり、スイッチング素子QAは再びオンし、上記(1)、(2)の動作が繰り返されることで、出力電圧VOは連続的に出力端子109a、109bに供給される。
【0008】
また、図12において、実線は出力端子109a、109bより出力電流IOが多く流れ出ているときで、いわゆる重負荷時の電圧値、電流値を示し、点線は出力端子109a、109bより出力電流IOが少なく流れ出ているときで、いわゆる軽負荷時の電圧値、電流値を示している。検出部107は、出力電圧VOと基準電圧とを比較し、比較結果を比較信号として、絶縁伝達部108を介して、主制御部102にフィードバックする。主制御部102は、前記比較信号に基づいてスイッチング素子QAのオン期間(期間t0−t1間)を、重負荷時には長く、軽負荷時には短くなるように、制御することにより、出力電圧VOは、直流電源101からの入力電圧及び出力電流IOの変動対しても、スイッチング素子QAのオン期間(期間t0−t1間)が変化して、常に一定に保たれる。
【0009】
一般にスイッチング電源装置100は、スイッチング素子QAのスイッチング周波数が高くなるにつれて、トランス104及び平滑コンデンサ106を小型化出来る。従って、スイッチング電源装置100を小型にするためには、スイッチング周波数の更なる高周波化が要求される。ところがスイッチング周波数を上げると、スイッチング素子QA及び整流ダイオード105のスイッチング損失が増加するとともに、高周波帯域でスイッチングノイズが発生し、発熱及びノイズ障害が大きな問題となる。特に、スイッチング素子QAの寄生容量103bには、スイッチング素子QAのオフ時に電荷が蓄えられ、スイッチング素子QAのオン時に寄生容量103bに蓄えられた電荷がショートされるため、最も大きな損失及びノイズの発生となる。そこで、従来から、スイッチング素子QAがオンする前に寄生容量103bに蓄えられた電荷を共振によって引き抜く方式、即ち、「2次側回生による部分共振回路方式」が提案されている。
【0010】
以下、図13と図14を用い、上記の「2次側回生による部分共振回路方式」について説明する。
【0011】
図13は他の従来例のスイッチング電源装置の概略的構成を示すブロック回路図、図14は他の従来例のスイッチング電源装置の動作波形を示す説明図である。図13に示す他の従来例のスイッチング電源装置120は、以下の構成からなる。先に説明した図11と同じ部分には同じ記号を付けると、図11と比較して、整流ダイオード105が削除され、遅延部110、絶縁伝達部111、副スイッチング素子112、副制御部113が追加されている点が異なる。
【0012】
直流電源101は、交流電源を整流平滑して得られた生の直流電源であり、スイッチング電源装置120の入力電源である。直流電源101はトランス104の1次巻線104aに主スイッチング素子103を介して供給される。主スイッチング素子103はMOSFETで構成され、遅延部110を介してゲートに印加される主制御部102のオン・オフ信号により、オン・オフ制御され、直流電源101からの入力電圧を1次巻線104aに印加したり遮断したりする。103aは主スイッチング素子103のドレイン・ソース間に寄生する寄生ダイオード、103bはドレイン・ソース間に寄生する寄生容量を表す。2次巻線104bの誘起電圧は副スイッチング素子112がオン時に、平滑コンデンサ106により平滑されて出力電圧として出力端子109a、109bより出力される。副スイッチング素子112はMOSFETで構成される。
【0013】
また、検出部107は前記出力電圧を基準電圧と比較し、比較結果は比較信号として絶縁伝達部108を介して主制御部102にフィードバックされる。主制御部102は検出部107からの比較信号に基づいて、主スイッチング素子103のオン期間を制御することで、出力電圧の安定化を行っている。また、主制御部102は絶縁伝達部111を介して副制御部113に副スイッチング素子112のオン・オフ信号を送出し、副制御部113は主制御部102からのオン・オフ信号に基づいて副スイッチング素子112のオン・オフを制御する。絶縁伝達部108、111はトランス104の1次巻線104a側と2次巻線104b側を絶縁するとともに、絶縁伝達部108は検出部107からの比較信号を主制御部102に伝達し、絶縁伝達部111は主制御部102からのオン・オフ信号を副制御部113に伝達する。即ち、スイッチング電源装置120はトランス104と絶縁伝達部108、111により、1次巻線104a側(1次側)と2次巻線104b側(2次側)とに分離されている。
【0014】
図13のように構成されたスイッチング電源装置120の動作を図14の動作波形図を用いてさらに詳細に説明する。
【0015】
以下の説明で、主スイッチング素子103を「スイッチング素子QA」と標記し、副スイッチング素子112を「スイッチング素子QB」と標記する。図14において、
(a)はスイッチング素子QAのドレイン・ソース間電圧VDS
(b)はトランス104の1次巻線104a側1次電流I1
(c)はスイッチング素子QAのゲート電圧VG1
(d)はトランス104の2次巻線104b側2次電流I2
(e)はスイッチング素子QBのゲート電圧VG2
の各波形を横軸に共通の時間軸をとって表してある。
【0016】
各時間軸に沿って説明する。
(1)期間t0−t1間の動作(QAオン、QBオフ)
主制御部102からのオン信号によりスイッチング素子QAのゲート電圧VG1は「H」となり、スイッチング素子QAはオンしドレイン・ソース間電圧VDSは、ほぼゼロである。直流電源101より供給された入力電圧は、トランス104の1次巻線104aに印加され、スイッチング素子QAがオンすることにより、トランス104の1次巻線104aに1次電流I1が流れ、トランス104に磁束が発生しエネルギーが蓄積される。このときトランス104の2次巻線104bに誘起電圧が発生するが、スイッチング素子QBがオフしているため、トランス104の2次巻線104b側2次電流I2は流れない。
【0017】
(2)期間t1−t2間の動作(QAオフ、QBオン)
主制御部102からのオフ信号によりスイッチング素子QAのゲート電圧VG1は「L」となり、スイッチング素子QAがオフしドレイン・ソース間電圧VDSは「H」、前記1次電流I1はゼロとなる。スイッチング素子QAがオフすることにより、前記1次巻線104aに誘起電圧が発生すると同時に、前記2次巻線104bにも誘起電圧が発生する。スイッチング素子QBは、時刻t1で副制御部113からのオン信号によりオンしているため、トランス104に蓄積されたエネルギーが前記2次巻線104bを介して2次電流I2として放出され、平滑コンデンサ106により平滑されて出力電圧VOとして出力端子109a、109bに供給される。トランス104に蓄積されたエネルギーが放出されるにともない、2次電流I2は減少し時刻t2でゼロになると、前記1次巻線104a、2次巻線104bの誘起電圧はなくなる。
【0018】
(3)期間t2−t3間の動作(QAオフ、QBオン)
トランス104に蓄積されたエネルギーが全て放出され、2次電流I2が時刻t2でゼロになると、すでにオンしているスイッチング素子QBを介して平滑コンデンサ106の両端電圧、即ち出力電圧VOは前記2次巻線104bに印加されるため、平滑コンデンサ106から上記(2)と逆方向に2次電流I2′が流れ、トランス104には、前記とは逆方向の磁束が発生しエネルギーが蓄積される。この状態ではトランス104の各巻線に発生する誘起電圧の極性は変化しない。
【0019】
(4)期間t3−t4間の動作(QAオフ、QBオフ)
時刻t3で副制御部113からのオフ信号によりスイッチング素子QBのゲート電圧VG2は「L」となり、スイッチング素子QBがオフする。スイッチング素子QBがオフすると前記2次電流I2′はゼロとなり、トランス104の各巻線に発生する誘起電圧の極性が反転するため、トランス104の1次巻線104aの誘起電圧には、直流電源101の接続端を正電圧に、スイッチング素子QAの接続端を負電圧にする方向に発生するため、スイッチング素子QAの寄生容量103bにたまった電荷を引き抜く(放電させる)方向に1次電流I1′が流れ、寄生容量103bの電荷が放出されるにともない、1次電流I1′は減少し時刻t4でゼロになる。このとき主制御部102からのオン信号によりスイッチング素子QAのゲート電圧VG1は「H」となり、スイッチング素子QAは再びオンし、上記(1)から(4)の動作が繰り返されることで、出力電圧VOは連続的に出力端子109a、109bに供給される。また、遅延部110は時刻t3でスイッチング素子QBがオフした後、時刻t4まで遅らせて、スイッチング素子QAをオンさせるように動作する。
【0020】
上記で説明したように、スイッチング素子QAは、常に寄生容量103bにたまった電荷が引き抜かれ、スイッチング素子QAのドレイン・ソース間電圧VDSがゼロになった時点でオンとなるようにスイッチングするため、前記図11に示すスイッチング電源装置の問題点であったスイッチング素子QAがオン時に寄生容量103bにたまった電荷がショートされることによるスイッチング損失及びスイッチングノイズが解消される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の技術のスイッチング電源装置は、次のような問題点があった。
【0022】
前記図13に示す「2次側回生による部分共振回路方式」を採用したスイッチング電源装置においては、トランス2次側の副スイッチング素子は、大電流を開閉する大容量のスイッチング素子が必要であり、スイッチング素子のゲート容量が増えることによるドライブ損失が生じる。また、逆励磁の期間(図14の期間t2−t3間で2次電流I2′が流れる期間)が延びた場合には、大きな回生損失(主にコア損失)が生じる。また、大電流を開閉する大容量のスイッチング素子のコストが高い。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のスイッチング電源装置は、入力電圧をオン・オフ制御する主スイッチング素子と、少なくとも1次巻線と2次巻線を備えたトランスと、トランスの1次巻線に該主スイッチング素子が接続され、トランスの2次巻線に整流平滑回路と、該整流平滑回路の出力が一定となるように該主スイッチング素子をオン・オフ制御する主制御部を備えたスイッチング電源装置において、副スイッチング素子とコンデンサとを含む副スイッチ部を有し、副スイッチング素子を制御して該副スイッチ部のコンデンサに蓄えられた電荷を該トランスを介して該主スイッチング素子に供給し、該主スイッチング素子の寄生容量の電荷を抜き取る動作を含むことを特徴とするものである。
【0024】
また、本発明の請求項2記載のスイッチング電源装置は、前記トランスの2次巻線には副スイッチ部と副制御部とが接続され、前記副スイッチ部はダイオードと副スイッチング素子とが並列接続された回路にコンデンサとインダクタとが直列接続された回路が接続された構成からなり、該副制御部は前記主スイッチング素子がオン時に該副スイッチ部の該コンデンサに電荷を蓄え、主スイッチング素子がオンする迄の期間に、該トランスを介して前記コンデンサの該電荷により主スイッチング素子の寄生容量の電荷を抜き取るように動作させることを特徴とするものである。
【0025】
また、本発明の請求項3記載のスイッチング電源装置は、前記トランスは副制御用補助巻線を備え、前記副スイッチ部と前記副制御部が前記トランスの該補助巻線にそれぞれ並列に接続され、前記副スイッチ部はダイオードと副スイッチング素子とが並列接続された回路にコンデンサとインダクタとが直列接続された回路が接続された構成からなり、前記主スイッチング素子がオンする迄の期間に前記副スイッチ部のコンデンサに電荷を蓄え、前記主スイッチング素子のオフ時にトランスに蓄積された励磁エネルギーが放出された後、副スイッチング素子をオンさせて前記コンデンサに蓄えられていた電荷をトランスの副制御用補助巻線に印加し、トランスの1次巻線の誘起電圧により主スイッチング素子の寄生容量の電荷を、前記主スイッチング素子がオンする迄の期間に、抜き取るように制御する副制御部と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0026】
また、本発明の請求項4記載のスイッチング電源装置は、前記トランスは1次巻線と2次巻線と充電用補助巻線とを備え、該充電用補助巻線には前記副スイッチ部のコンデンサと充電用ダイオードが接続され、前記トランスの2次巻線には前記副スイッチ部と前記副制御部がそれぞれ並列に接続され、前記副スイッチ部にはダイオードと副スイッチング素子とが並列接続された回路にコンデンサが直列接続され、前記主スイッチング素子のオフ時に前記副スイッチ部のコンデンサに電荷を蓄え、トランスに蓄積された励磁エネルギーが放出された後、副スイッチング素子をオンさせて前記コンデンサに蓄えられていた電荷をトランスの2次巻線に印加し、トランスの1次巻線の誘起電圧により前記主スイッチング素子の寄生容量の電荷を、主スイッチング素子がオンする迄の期間に、抜き取るように制御する副制御部と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0027】
また、本発明の請求項5記載のスイッチング電源装置は、前記トランスは1次巻線と2次巻線と副制御用補助巻線と充電用補助巻線とを備え、該副制御用補助巻線には前記副スイッチ部と前記副制御部とがそれぞれ並列に接続され、該充電用補助巻線には前記副スイッチ部のコンデンサと充電用ダイオードとが接続され、前記副スイッチ部はダイオードと副スイッチング素子とが並列接続された回路にコンデンサとダイオードとが直列接続された回路が接続された構成からなり、前記主スイッチング素子のオフ時に前記副スイッチ部のコンデンサに電荷を蓄え、トランスに蓄積された励磁エネルギーが放出された後、副スイッチング素子をオンさせ該コンデンサに蓄えられた電荷をトランスの制御用補助巻線に印加し、トランスの1次巻線の誘起電圧により主スイッチング素子の寄生容量の電荷を、主スイッチング素子がオンする迄の期間に、抜き取るように制御する副制御部と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0028】
また、本発明の請求項6記載のスイッチング電源装置は、負荷電流を検出するための検出部を前記トランスの2次側出力部の整流平滑回路側に備え、前記副制御部は該負荷電流が少ない場合には副制御部の副スイッチング素子を常にオフ制御とすることを特徴とするものである。
【0029】
また、本発明の請求項7記載のスイッチング電源装置は、前記負荷電流を検出するための検出部はコンパレータを用いた回路で構成されていることを特徴とするものである。
【0030】
また、本発明の請求項8記載のスイッチング電源装置は、前記トランスの1次巻線と主スイッチング素子を介して流れる1次電流を検出するための検出部を該トランスの1次巻線側に備え、前記副制御部は該1次電流が少ない場合には副制御部の副スイッチング素子を常にオフ制御とすることを特徴とするものである。
【0031】
さらに、本発明の請求項9記載のスイッチング電源装置は、前記トランスの1次巻線と主スイッチング素子を介して流れる1次電流を検出するための検出部はコンパレータを用いた回路で構成されていることを特徴とするものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態に係わるスイッチング電源装置に関する図であり、特許請求の範囲の請求項1と請求項2と請求項6と請求項7に関するものである。図1は本発明のスイッチング電源装置の概略的構成を示すブロック回路図、図2は本発明のスイッチング電源装置の詳細な回路図例、図3は本発明のスイッチング電源装置の動作波形を示す説明図である。
【0033】
図1の本発明のスイッチング電源装置1は以下の構成からなる。
図1において、トランス13は1次巻線13a、2次巻線13bより成る。トランス13の1次巻線13a側は、いわゆる直流電圧入力側に当たり、1次巻線13aに、主スイッチング素子12(Q1)及び直流電源11が直列接続され、1つのループを構成している。そして、主スイッチング素子12(Q1)を制御する主制御部20及びトリガ信号発生部80が配設されている。
【0034】
また、トランス13の2次巻線13b側は、いわゆる整流出力側に当たり、2次巻線13bに、副スイッチ部30、副制御部40、及び平滑コンデンサ15が並列接続され、出力端子18a、18bより制御された直流電圧が出力される。また、副スイッチ部30と平滑コンデンサ15の間には、整流ダイオード14が接続されている構成となっている。副スイッチ部30は、副スイッチング素子31(Q2)とダイオード32との並列接続に、インダクタ33と電荷用コンデンサ34とが直列接続された回路とからなる。次に、各回路の動作について説明する。
【0035】
直流電源11は交流電源を整流平滑して得られた生の直流電源であり、スイッチング電源装置1の入力電源である。直流電源11は、トランス13の1次巻線13aに主スイッチング素子12(Q1)を介して供給される。主スイッチング素子12はMOSFETで構成され、ゲートに印加される主制御部20のオン・オフ信号により、オン・オフ制御され、直流電源11からの入力電圧を1次巻線13aに印加したり、遮断したりする動作をする。主スイッチング素子12(Q1)には、寄生ダイオードと寄生容量とが存在し、主スイッチング素子12のドレイン・ソース間に寄生する寄生ダイオードを12a、ドレイン・ソース間に寄生する寄生容量を12bとして表示する。
【0036】
2次巻線13bの誘起電圧は、整流ダイオード14及び平滑コンデンサ15により整流平滑されて、出力電圧として出力端子18a、18bより出力される。
【0037】
検出部16は、前記出力電圧を基準電圧と比較し、比較結果は比較信号として、絶縁伝達部17を介して、主制御部20にフィードバックされる。主制御部20は、検出部16からの比較信号に基づいて、主スイッチング素子12のオン期間を制御することで、出力電圧の安定化を行っている。
【0038】
絶縁伝達部17は、トランス13の2次巻線13b側の検出部16の比較信号を、トランス13の1次巻線13a側と2次巻線13b側とを絶縁した状態で、トランス13の1次巻線13a側に配設されている主制御部20に伝達する。即ち、スイッチング電源装置1は、トランス13と絶縁伝達部17とにより、1次巻線13a側(1次側)と2次巻線13b側(2次側)とが電気的に分離されている。
【0039】
副制御部40は、主スイッチング素子12のオフ時に、主スイッチング素子12の寄生容量12bの電荷を抜き取る制御を行う。即ち、主スイッチング素子12がオン時、副スイッチ部30の電荷用コンデンサ34に蓄えられた電荷を、主スイッチング素子12のオフ時に、トランス13に蓄積された励磁エネルギーが放出された後、副スイッチング素子31をオンさせ、トランス13の2次巻線13bに印加し、トランス13の1次巻線13aの誘起電圧により、主スイッチング素子12の寄生容量12bの電荷を抜き取るように動作する。
【0040】
トリガ信号発生部80は、副スイッチング素子31がオン時のトランス13の1次巻線13aの誘起電圧を検知し、主制御部20に主スイッチング素子12をオンさせるためのトリガ信号を発生する。
【0041】
上記の結果、寄生容量12bに溜っていた電荷が無い状態(ドレイン・ソース間電圧VDSがゼロの状態)で、主スイッチング素子12がオンされるため、スイッチング損失の発生及びスイッチングノイズの発生が解消される。
【0042】
上記スイッチング電源装置1において、負荷電流が少ない場合、電荷用コンデンサ34の充放電は、トランス13の損失へ影響を大きく与える。また、主スイッチング素子12のオン期間が、電荷用コンデンサ34とインダクタ33の共振期間より短くなると、電荷用コンデンサ34に印加される電圧が下がり、電荷用コンデンサ34に溜まる電荷の量が、主スイッチング素子12の寄生容量12bの電荷を抜き取るに充分でない状態となるので、主スイッチング素子12のドレイン・ソース間電圧VDSがゼロにならない場合が発生する。
【0043】
そこで、トランス13の2次巻線13b側に配設されている検出部60は、負荷電流を検出し、負荷電流が少ない場合(軽負荷時)には、副制御部40が副スイッチング素子31を常にオフとするための検出信号を発生する。
【0044】
図1のように構成されたスイッチング電源装置1の動作を図3の動作波形図を用いてさらに詳細に説明する。
以下の説明で、主スイッチング素子12を「スイッチング素子Q1」と標記し、副スイッチング素子31を「スイッチング素子Q2」と標記する。図3において、
(a)はスイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧VDS
(b)はトランス13の1次巻線13a側1次電流I1
(c)はスイッチング素子Q1のゲート電圧VG1
(d)はトランス13の1次巻線13a側1次電圧VH
(e)はトリガ信号発生部80のトリガ信号電圧VTR
(f)はトランス13の2次巻線13b側2次電流I2
(g)はスイッチング素子Q2のゲート電圧VG2
(h)は電荷用コンデンサ34の電圧VC
の各波形を横軸に共通の時間軸をとって表してある。また、スイッチング素子Q1はゲート電圧VG1が「H」(ハイ、またはある高さの電圧値)の時にオン、ゲート電圧VG1が「L」(ロー、またはある値以下の電圧値)の時にオフし、スイッチング素子Q2はゲート電圧VG2が「L」の時にオン、ゲート電圧VG2が「H」の時にオフするように構成されている。
【0045】
時間軸に沿って説明する。
(1)時刻t0までの動作(Q1オン、Q2オフ)
主制御部20の制御により、スイッチング素子Q1のゲート電圧VG1は「H」であり、スイッチング素子Q1はオンし、ドレイン・ソース間電圧VDSはほぼゼロである。直流電源11より供給された入力電圧は、トランス13の1次巻線13aに印加され、スイッチング素子Q1がオンしていることにより、トランス13の1次巻線13aに1次電流I1が図1に示される矢印の方向に流れ、トランス13に磁束が発生し、エネルギーが蓄積される。このときトランス13の2次巻線13bに誘起電圧(●の方向)が発生するが、整流ダイオード14を逆バイアスする方向に電圧が印加されるように構成されているため、トランス13の2次巻線13b側の2次電流I2は流れない。
【0046】
(2)期間t0−t1間の動作(Q1オフ、Q2オフ)
時刻t0で、主制御部20はスイッチング素子Q1のゲート電圧VG1を「L」とし、スイッチング素子Q1がオフし、ドレイン・ソース間電圧VDSは「H」、前記1次電流I1はゼロとなる。スイッチング素子Q1がオフすることにより、前記1次巻線13aに誘起電圧(●と逆方向)が発生すると同時に、前記2次巻線13bにも誘起電圧(●と逆方向)が発生し、整流ダイオード14を順バイアスする方向に電圧が印加されるため、トランス13に蓄積されたエネルギーが前記2次巻線13bを介して、2次電流I2として(図1に示される矢印の方向に流れて)放出され、平滑コンデンサ15により平滑されて、出力電圧VOとして出力端子18a、18bに供給される。トランス13に蓄積されたエネルギーが放出されるに伴い、2次電流I2は暫時減少し、時刻t1でゼロになると、前記1次巻線13a、2次巻線13bの誘起電圧はなくなる。
【0047】
(3)期間t1−t2間の動作(Q1オフ、Q2オン)
トランス13に蓄積されたエネルギーが全て放出され、2次電流I2が時刻t1でゼロになると、副制御部40はスイッチング素子Q2のゲート電圧VG2を「L」とし、スイッチング素子Q2がオンする。スイッチング素子Q2がオンすると、電荷用コンデンサ34の両端電圧が前記2次巻線13bに印加され、電荷用コンデンサ34に蓄えられていた電荷が放出されるため、電荷用コンデンサ34から上記(2)と同方向に2次電流I2′が流れ、トランス13の2次巻線13bに誘起電圧(●の方向)が発生すると同時に、1次巻線13aにも誘起電圧(●の方向)が発生するため、スイッチング素子Q1の寄生容量12bに溜っていた電荷を引き抜く(放電させる)方向に1次電流I1′が流れ、寄生容量12bの電荷が放出されるに伴い、スイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧VDSは低下しゼロになる。
【0048】
(4)期間t2−t3間の動作(Q1オン、Q2オン)
トリガ信号発生部80は、上記(3)におけるトランス13の1次巻線13aに発生した誘起電圧(●の方向)を検知し、主制御部20にスイッチング素子Q1をオンさせるためのトリガ信号を発生し、スイッチング素子Q1はオンする。スイッチング素子Q1は、寄生容量12bの電荷が放出され、スイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧VDSがゼロになった後オンするため、スイッチング素子Q1がオン時には、寄生容量12bに溜っていた電荷がショートされて、電荷が無い状態で、スイッチング素子Q1がオンされるため、スイッチング損失の発生及びスイッチングノイズの発生が解消される。
【0049】
スイッチング素子Q1がオンし、トランス13の1次巻線13aに1次電流が流れ、トランス13の1次巻線13aに誘起電圧(●の方向)が発生すると同時に、2次巻線13bにも誘起電圧(●の方向)が発生する。副制御部40は2次巻線13bの誘起電圧(●の方向)を検知し、スイッチング素子Q2をオフする。また、2次巻線13bの誘起電圧(●の方向)は、整流ダイオード14を逆バイアスし、ダイオード32を順バイアスする方向に電圧が印加されるように構成されているため、ダイオード32とインダクタ33を介して、2次電流i2′が流れ、電荷用コンデンサ34を充電する。インダクタ33は、電荷用コンデンサ34との共振により、電荷用コンデンサ34に印加される電圧を、インダクタ33がない場合に比べて2倍以上高い電圧にしている。
【0050】
(5)期間t3−t4間の動作(Q1オン、Q2オフ)
トランス13の2次巻線13bの誘起電圧(●の方向)が、整流ダイオード14を逆バイアスし、ダイオード32を順バイアスする方向に電圧が印加され、ダイオード32とインダクタ33を介して2次電流i2′が流れ、電荷用コンデンサ34が充電されるにつれて2次電流i2′は減少し、時刻t4でゼロとなる。以後は上記(1)から(5)の動作を繰り返す。
【0051】
図2は本発明のスイッチング電源装置の第1の実施の形態に係わるスイッチング電源装置の詳細な回路図例であり、副制御部40、検出部60、トリガ信号発生部80の構成及び動作を以下に説明する。
【0052】
副制御部40は以下の構成からなる。主スイッチング素子12オン時に副スイッチ部30の電荷用コンデンサ34に電荷が蓄えられ、主スイッチング素子12(Q1)がオフすることにより、トランス13の1次巻線13aに誘起電圧(●と逆方向)が発生し、同時に、2次巻線13bにも誘起電圧(●と逆方向)が発生し、整流ダイオード14を順バイアスする方向に電圧が印加されるため、トランス13に蓄積されたエネルギーが2次巻線13bを介して2次電流I2として放出される。副制御部40は、2次電流I2を抵抗50で検出し、電圧に変換して、コンパレータ47の反転入力に印加する。コンパレータ47の非反転入力には、出力電圧を抵抗48と抵抗49とで分割した基準電圧が印加されている。
【0053】
2次電流I2が流れている場合、コンパレータ47の非反転入力に印加されている抵抗50の検出電圧は、コンパレータ47の反転入力に印加されている基準電圧よりも高いため、コンパレータ47の出力は「L」となり、トランジスタ46がオフからトランジスタ41がオンする。また、トランジスタ42がオフから副スイッチング素子31のゲート電圧が「H」となり、副スイッチング素子31はオフしている。次にトランス13に蓄積されたエネルギーが放出され、2次電流I2が減少した場合、2次電流I2が減少し、コンパレータ47の非反転入力に印加されている抵抗50の検出電圧も低下し、コンパレータ47の反転入力に印加されている基準電圧よりも低くなると、コンパレータ47の出力は「H」となり、トランジスタ46がオンし、トランジスタ41がオフする。トランジスタ42がオンし、副スイッチング素子31のゲート電圧が「L」となり、副スイッチング素子31はオンする。副スイッチング素子31がオンすると、電荷用コンデンサ34に蓄えられた電荷がトランス13の2次巻線13bに印加され、トランス13の1次巻線13aに発生した誘起電圧(●の方向)により、主スイッチング素子12の寄生容量12bの電荷が抜き取られる。
【0054】
また、トリガ信号発生部80は以下の構成からなる。トリガ信号発生部80は、副スイッチング素子31がオン時のトランス13の補助巻線13cの誘起電圧を検知し、主制御部20に主スイッチング素子12をオンさせるためのトリガ信号を発生する。
【0055】
トランス13の補助巻線13cに誘起電圧が発生していない場合、ツェナーダイオード88を介してトランジスタ86のベースに電流が流れ、トランジスタ86がオンし、トランジスタ83がオフしている。トランス13の補助巻線13cに誘起電圧が発生した場合、ツェナーダイオード88がオフし、トランジスタ86がオフし、トランジスタ83がオンするため、コンデンサ82が充電される間、パルス状のトリガ信号を発生する。
【0056】
トリガ信号発生部80からのトリガ信号により、主スイッチング素子12がオンし、トランス13の1次巻線13aに1次電流I1が流れ、トランス13の1次巻線13aに誘起電圧(●の方向)が発生すると同時に、2次巻線13bにも誘起電圧(●の方向)が発生する。2次巻線13bの誘起電圧(●の方向)により、電荷用コンデンサ34→インダクタ33→副スイッチング素子31の経路で電流i2′が流れ、電荷用コンデンサ34は充電される。この時、電荷用コンデンサ34の電圧が振動しないようにするため、副制御部40にトランジスタ51、コンデンサ53、抵抗52、抵抗54からなる回路を付加している。即ち、2次巻線13bの誘起電圧(●の方向)が抵抗54を介してコンデンサ53を充電し、トランジスタ51がオン→トランジスタ46がオフ→トランジスタ41がオンし、トランジスタ42がオフ→副スイッチング素子31のゲート電圧が「H」となり、副スイッチング素子31はオフする。そして、電荷用コンデンサ34の容量Cとインダクタ33のインダクタンスLの共振期間の半分(1/2×√(LC))以内に副スイッチング素子31をオフするように構成されている。
【0057】
また、検出部60は以下の構成からなる。検出部60は、負荷電流を検出し負荷電流I0が少ない(軽負荷)場合には、副制御部40の副スイッチング素子31を常にオフとするための検出信号を発生する。検出部60は、負荷電流I0を抵抗63で検出し、電圧に変換してコンパレータ64の非反転入力に印加する。コンパレータ64の反転入力には出力電圧を抵抗61と抵抗62とで分割した基準電圧が印加されている。負荷電流I0が多い(重負荷)場合、基準電圧よりも抵抗63の検出電圧が高いので、コンパレータ64の出力は「H」となり、副制御部40は前記に示した通常の動作を行う。負荷電流I0が少ない(軽負荷)場合、基準電圧よりも抵抗63の検出電圧が低くなるので、コンパレータ64の出力は「L」となり、副制御部40のトランジスタ46は常にオフ→トランジスタ41オンし、トランジスタ42オフ→副スイッチング素子31のゲート電圧が「H」となり、副スイッチング素子31は常にオフする。
【0058】
また、副スイッチ部30において、電荷用コンデンサ34に直列にインダクタ33が挿入されている。即ち、電荷用コンデンサ34だけであると電荷用コンデンサ34に印加される電圧は、電圧=(入力電圧×トランスの巻数比)、だけになり、副スイッチング素子31がオンして、電荷用コンデンサ34に蓄えられた電荷がトランス13の2次巻線13bに印加され、トランス13の1次巻線13aに発生した誘起電圧(●の方向)により、主スイッチング素子12の寄生容量12bの電荷を完全に抜き取ろことが出来ない。従って、電荷用コンデンサ34に直列にインダクタ33を挿入し、電荷用コンデンサ34とインダクタ33の共振を利用して電荷用コンデンサ34に印加される電圧を、電圧=(入力電圧×トランスの巻数比)×2倍、に高めている。
【0059】
[第2の実施の形態]
図4〜図6は、本発明の第2の実施の形態に係わるスイッチング電源装置に関する図であり、特許請求の範囲の請求項1と請求項3と請求項8と請求項9に関するものである。図4は本発明のスイッチング電源装置の概略的構成を示すブロック回路図、図5は本発明のスイッチング電源装置の詳細な回路図例、図6は本発明のスイッチング電源装置の動作波形を示す説明図である。
【0060】
図4の本発明のスイッチング電源装置2は以下の構成からなる。
図4において、トランス13は1次巻線13a、2次巻線13b、補助巻線13cより成る。トランス13の1次巻線13a側は、いわゆる直流電圧入力側に当たり、1次巻線13aに、主スイッチング素子12(Q1)及び直流電源11が直列接続され、1つのループを構成している。そして、主スイッチング素子12(Q1)を制御する主制御部20、遅延部22が配設されている。
【0061】
また、トランス13の2次巻線13b側は、いわゆる整流出力側に当たり、整流ダイオード14、平滑コンデンサ15が並列接続され、出力端子18a、18bより制御された直流電圧が出力される。また、直流出力電圧の変動を検出する検出部16が配設されている。
【0062】
また、トランス13の補助巻線13cには、副スイッチ部30、副制御部40、整流ダイオード23、及びコンデンサ24が配設され、1つの回路を構成している。そして、主制御部20からの信号を検出部60を介して、副制御部40にフィードバックする構成になっている。副スイッチ部30は、副スイッチング素子31(Q2)とダイオード32との並列接続に、インダクタ33と電荷用コンデンサ34とが直列接続された回路とからなる。次に、各回路の動作について説明する。
【0063】
直流電源11は交流電源を整流平滑して得られた生の直流電源であり、スイッチング電源装置2の入力電源である。直流電源11は、トランス13の1次巻線13aに主スイッチング素子12(Q1)を介して供給される。主スイッチング素子12はMOSFETで構成され、遅延部22を介してゲートに印加される主制御部20のオン・オフ信号により、オン・オフ制御され、直流電源11からの入力電圧を1次巻線13aに印加したり、遮断したりする動作をする。主スイッチング素子12(Q1)には、寄生ダイオードと寄生容量とが存在し、主スイッチング素子12のドレイン・ソース間に寄生する寄生ダイオードを12a、ドレイン・ソース間に寄生する寄生容量を12bとして表示する。2次巻線13bの誘起電圧は、整流ダイオード14及び平滑コンデンサ15により整流平滑されて、出力電圧として出力端子18a、18bより出力される。
【0064】
検出部16は、前記出力電圧を基準電圧と比較し、比較結果は比較信号として、絶縁伝達部17を介して、主制御部20にフィードバックされる。主制御部20は、検出部16からの比較信号に基づいて、主スイッチング素子12のオン期間を制御することで、出力電圧の安定化を行っている。
【0065】
絶縁伝達部17は、トランス13の2次巻線13b側の検出部16の比較信号を、トランス13の1次巻線13a側と2次巻線13b側とを絶縁した状態で、トランス13の1次巻線13a側に配設されている主制御部20に伝達する。即ち、スイッチング電源装置2は、トランス13と絶縁伝達部17とにより、1次巻線13a側(1次側)と2次巻線13b側(2次側)とが電気的に分離されている。
【0066】
副制御部40は、主スイッチング素子12のオフ時に、主スイッチング素子12の寄生容量12bの電荷を抜き取る制御を行う。即ち、主スイッチング素子12がオン時、副スイッチ部30の電荷用コンデンサ34に蓄えられた電荷を、主スイッチング素子12のオフ時に、トランス13に蓄積された励磁エネルギーが放出された後、副スイッチング素子31をオンさせ、電荷用コンデンサ34に蓄えられた電荷をトランス13の補助巻線13cに印加し、トランス13の1次巻線13aの誘起電圧により、主スイッチング素子12の寄生容量12bの電荷を抜き取るように動作する。
【0067】
また、遅延部22は、主制御部20のオン信号を、上記で述べた主スイッチング素子12の寄生容量12bの電荷が抜き取られ、主スイッチング素子12のドレイン・ソース間電圧VDSがゼロになるまで遅延して、主スイッチング素子12のゲートに伝達する。
【0068】
上記の結果、寄生容量12bに溜っていた電荷が無い状態(ドレイン・ソース間電圧VDSがゼロの状態)で、主スイッチング素子12がオンされるため、スイッチング損失の発生及びスイッチングノイズの発生が解消される。
【0069】
上記スイッチング電源装置2において、負荷電流が少ない場合、電荷用コンデンサ34の充放電は、トランス13の損失へ影響を大きく与える。また、主スイッチング素子12のオン期間が、電荷用コンデンサ34とインダクタ33の共振期間より短くなると、電荷用コンデンサ34に印加される電圧が下がり、電荷用コンデンサ34に溜まる電荷の量が、主スイッチング素子12の寄生容量12bの電荷を抜き取るに充分でない状態となるので、主スイッチング素子12のドレイン・ソース間電圧VDSがゼロにならない場合が発生する。
【0070】
そこで検出部60は、主スイッチング素子12を介して流れるトランス13の1次巻線13a側1次電流I1を検出し、1次電流I1が少ない、即ち負荷電流が少ない(軽負荷)場合には、副制御部40が副スイッチング素子31を常にオフとするための検出信号を発生する。
【0071】
図4のように構成されたスイッチング電源装置2の動作を図6の動作波形図を用いてさらに詳細に説明する。
以下の説明で、主スイッチング素子12を「スイッチング素子Q1」と標記し、副スイッチング素子31を「スイッチング素子Q2」と標記する。図4において、
(a)はスイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧VDS
(b)はトランス13の1次巻線13a側1次電流I1
(c)はスイッチング素子Q1のゲート電圧VG1
(d)は主制御部20のオン・オフ信号VON
(e)はスイッチング素子Q2のゲート電圧VG2
(f)はトランス13の2次巻線13b側2次電流I2
(g)はトランス13の補助巻線13c側電流I3
(h)は電荷用コンデンサ34の電圧VC
の各波形を横軸に共通の時間軸をとって表してある。また、スイッチング素子Q1はゲート電圧VG1が「H」(ハイ、またはある高さの電圧値)の時にオン、ゲート電圧VG1が「L」(ロー、またはある値以下の電圧値)の時にオフし、スイッチング素子Q2はゲート電圧VG2が「L」の時にオン、ゲート電圧VG2が「H」の時にオフするように構成されている。
【0072】
時間軸に沿って説明する。
(1)時刻t0までの動作(Q1オン、Q2オン)
主制御部20によりスイッチング素子Q1のゲート電圧VG1は「H」、スイッチング素子Q2のゲート電圧VG2は「L」であり、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2は共にオンし、スイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧VDSはほぼゼロである。直流電源11より供給された入力電圧は、トランス13の1次巻線13aに印加され、スイッチング素子Q1がオンしていることにより、トランス13の1次巻線13aに1次電流I1が流れ、トランス13に磁束が発生しエネルギーが蓄積される。このときトランス13の2次巻線13bに誘起電圧(●の方向)が発生するが、整流ダイオード14を逆バイアスする方向に電圧が印加されるように構成されているため、トランス13の2次巻線13b側2次電流I2は流れない。また、このときトランス13の補助巻線13cに誘起電圧(●の方向)が発生するが、整流ダイオード23を逆バイアスする方向に電圧が印加されるように構成されているため、トランス13の補助巻線13c側電流I3は流れない。また、補助巻線13cの誘起電圧(●の方向)により、電荷用コンデンサ34→インダクタ33→スイッチング素子Q2の経路で電流i3′が流れ、電荷用コンデンサ34は充電を完了した後は、電流i3′は流れない。
【0073】
(2)期間t0−t1間の動作(Q1オフ、Q2オフ)
時刻t0で主制御部20はスイッチング素子Q1のゲート電圧VG1を「L」、スイッチング素子Q2のゲート電圧VG2を「H」とし、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2は共にオフし、スイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧VDSは「H」、前記1次電流I1はゼロとなる。スイッチング素子Q1がオフすることにより、前記1次巻線13aに誘起電圧(●と逆方向)が発生すると同時に、前記2次巻線13bにも誘起電圧(●と逆方向)が発生し、整流ダイオード14を順バイアスする方向に電圧が印加されるため、トランス13に蓄積されたエネルギーが前記2次巻線13bを介して2次電流I2として放出され、平滑コンデンサ15により平滑されて出力電圧VOとして出力端子18a、18bに供給される。また、前記1次巻線13aに誘起電圧(●と逆方向)が発生すると同時に、補助巻線13cにも誘起電圧(●と逆方向)が発生し、整流ダイオード23を順バイアスする方向に電圧が印加されるため、トランス13に蓄積されたエネルギーが前記補助巻線13cを介して電流I3として放出され、平滑コンデンサ24により平滑されて、主制御部20及び副制御部40の電源として供給される。また、このときスイッチング素子Q2はオフ、ダイオード32は逆バイアスされているため、副スイッチ部30を介して電流I3は流れない。トランス13に蓄積されたエネルギーが放出されるにともない、2次電流I2及び電流I3は減少し時刻t1でゼロになると、前記1次巻線13a、2次巻線13b、補助巻線13cの誘起電圧はなくなる。
【0074】
(3)期間t1−t2間の動作(Q1オフ、Q2オン)
トランス13に蓄積されたエネルギーが全て放出され、2次電流I2及び電流I3は減少し時刻t1でゼロになると、前記1次巻線13a、2次巻線13b、補助巻線13cの誘起電圧はなくなる。時刻t1で、主制御部20はオン信号を出力し、スイッチング素子Q2のゲート電圧VG2を「L」とし、スイッチング素子Q2がオンする。スイッチング素子Q2がオンすると、電荷用コンデンサ34の両端電圧が前記補助巻線13cに印加され、電荷用コンデンサ34にたくわえられていた電荷が放出されるため、電荷用コンデンサ34から上記(2)と同方向に電流I3′が流れ、トランス13の2次巻線13bに誘起電圧(●の方向)が発生すると同時に、1次巻線13aにも誘起電圧(●の方向)が発生するため、スイッチング素子Q1の寄生容量12bにたまった電荷を引き抜く(放電させる)方向に1次電流I1′が流れ、寄生容量12bの電荷が放出されるにともない、スイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧VDSは低下しゼロになる。
【0075】
(4)期間t2−t3間の動作(Q1オン、Q2オン)
前記時刻t1で主制御部20から出力されたオン信号は、遅延部22により期間t1−t2間遅延されて、時刻t2でスイッチング素子Q1のゲート電圧VG1を「H」にし、スイッチング素子Q1はオンする。従って、スイッチング素子Q1は、ドレイン・ソース間電圧VDSがゼロの時にオンするため、スイッチング素子Q1がオン時に寄生容量12bにたまった電荷がショートされることによるスイッチング損失及びスイッチングノイズが解消される。
【0076】
スイッチング素子Q1がオンし、トランス13の1次巻線13aに1次電流が流れ、トランス13の1次巻線13aに誘起電圧(●の方向)が発生すると同時に、2次巻線13bにも誘起電圧(●の方向)が発生する。このときトランス13の2次巻線13bに誘起電圧(●の方向)が発生するが、整流ダイオード14を逆バイアスする方向に電圧が印加されるように構成されているため、トランス13の2次巻線13b側2次電流I2は流れない。また、このときトランス13の補助巻線13cに誘起電圧(●の方向)が発生するが、整流ダイオード23を逆バイアスする方向に電圧が印加されるように構成されているため、トランス13の補助巻線13c側電流I3は流れない。また、補助巻線13cの誘起電圧(●の方向)により、電荷用コンデンサ34→インダクタ33→スイッチング素子Q2の経路で電流i3′が流れ、電荷用コンデンサ34を充電し、時刻t3で充電を完了した後は、電流i3′は流れない。インダクタ33は、電荷用コンデンサ34との共振により電荷用コンデンサ34に印加される電圧をインダクタ33がない場合に比べて2倍に上げている。以後は上記(1)から(4)の動作を繰り返す。
【0077】
図4のように構成されたスイッチング電源装置2の副制御部40、検出部60の動作を図5に示す詳細な回路図例を用いて説明する。
【0078】
副制御部40は以下の構成からなる。主制御部20よりオン信号が出力されると、抵抗25を介してトランジスタ46のベースが「H」となり、トランジスタ46がオン→トランジスタ41がオフ、トランジスタ42がオン→副スイッチング素子31のゲート電圧が「L」となり、副スイッチング素子31はオンする。副スイッチング素子31がオンすると、電荷用コンデンサ34の両端電圧が前記補助巻線13cに印加され、電荷用コンデンサ34にたくわえられていた電荷が放出されるため、電荷用コンデンサ34から電流I3′が流れ、トランス13の2次巻線13bに誘起電圧(●の方向)が発生すると同時に、1次巻線13aにも誘起電圧(●の方向)が発生するため、主スイッチング素子12の寄生容量12bにたまった電荷を引き抜く(放電させる)方向に1次電流I1′が流れ、寄生容量12bの電荷が放出されるにともない、主スイッチング素子12のドレイン・ソース間電圧VDSは低下しゼロになる。
【0079】
また、主制御部20から出力されたオン信号は、抵抗からなる遅延部22により、上記の寄生容量12bの電荷が放出され主スイッチング素子12のドレイン・ソース間電圧VDSが低下しゼロになるまでの期間だけ遅らせて、主スイッチング素子12をオンさせる。従って、主スイッチング素子12は、ドレイン・ソース間電圧VDSがゼロの時にオンするため、主スイッチング素子12がオン時に寄生容量12bにたまった電荷がショートされることによるスイッチング損失及びスイッチングノイズが解消される。
【0080】
主スイッチング素子12がオン時、補助巻線13cの誘起電圧(●の方向)により、電荷用コンデンサ34→インダクタ33→スイッチング素子Q2の経路で電流i3′が流れ、電荷用コンデンサ34が充電される。この時、電荷用コンデンサ34の電圧が振動しないようにするため、副制御部40にトランジスタ51、コンデンサ53、抵抗52、抵抗54からなる回路を付加している。即ち、補助巻線13cの誘起電圧(●の方向)が抵抗54を介してコンデンサ53を充電し、トランジスタ51がオン→トランジスタ46がオフ→トランジスタ41がオン、トランジスタ42がオフ→副スイッチング素子31のゲート電圧が「H」となり、副スイッチング素子31はオフする。そして、電荷用コンデンサ34の容量Cとインダクタ33のインダクタンスLの共振期間の半分(1/2×√(LC))以内に副スイッチング素子31をオフするように構成されている。
【0081】
また、検出部60は以下の構成からなる。検出部60は、主スイッチング素子12を介して流れるトランス13の1次巻線13a側1次電流I1を検出し、1次電流I1が少ない、即ち負荷電流が少ない(軽負荷)場合には、副制御部40が副スイッチング素子31を常にオフとするための検出信号を発生する。
【0082】
検出部60は、上記1次電流I1を抵抗66で検出し、電圧に変換してコンパレータ68の非反転入力に印加する。コンパレータ68の反転入力には基準電圧69が印加されている。負荷電流I0が多い(重負荷)場合、1次電流I1が多くなり、基準電圧よりも抵抗66の検出電圧が高いので、コンパレータ68の出力は「H」となり、副制御部40は前記に示した通常の動作を行う。負荷電流I0が少ない(軽負荷)場合、1次電流I1が少なくなり、基準電圧よりも抵抗66の検出電圧が低くなるので、コンパレータ68の出力は「L」となり、副制御部40のトランジスタ46は常にオフ→トランジスタ41オン、トランジスタ42オフ→副スイッチング素子31のゲート電圧が「H」となり、副スイッチング素子31は常にオフする。
【0083】
また、副スイッチ部30において、電荷用コンデンサ34に直列にインダクタ33が挿入されている。即ち、電荷用コンデンサ34だけであると電荷用コンデンサ34に印加される電圧は入力電圧×トランスの巻数比だけになり、副スイッチング素子31がオンして、電荷用コンデンサ34に蓄えられた電荷がトランス13の補助巻線13cに印加され、トランス13の1次巻線13aに発生した誘起電圧(●の方向)により主スイッチング素子12の寄生容量12bの電荷を完全に抜き取ろことが出来ない。従って、電荷用コンデンサ34に直列にインダクタ33を挿入し、電荷用コンデンサ34とインダクタ33の共振を利用して電荷用コンデンサ34に印加される電圧を最大、入力電圧×トランスの巻数比の2倍に高めている。
【0084】
[第3の実施の形態]
図7と図8は、本発明の第3の実施の形態に係わるスイッチング電源装置に関する図であり、特許請求の範囲の請求項1と請求項4と請求項6と請求項7に関するものである。図7は本発明のスイッチング電源装置の概略的構成を示すブロック回路図、図8は本発明のスイッチング電源装置の動作波形を示す説明図である。
【0085】
図7の本発明のスイッチング電源装置3は以下の構成からなる。
図7において、トランス13は1次巻線13a、2次巻線13b、補助巻線13dより成る。トランス13の1次巻線13a側は、いわゆる直流電圧入力側に当たり、1次巻線13aに、主スイッチング素子12(Q1)及び直流電源11が直列接続され、1つのループを構成している。そして、主スイッチング素子12(Q1)を制御する主制御部20及びトリガ信号発生部80が配設されている。
【0086】
また、トランス13の2次巻線13b側は、いわゆる整流出力側に当たり、2次巻線13bに、副スイッチ部30、副制御部40、及び平滑コンデンサ15が並列接続され、出力端子18a、18bより制御された直流電圧が出力される。また、副スイッチ部30と平滑コンデンサ15の間には、整流ダイオード14が接続されている構成となっている。直流出力電圧の変動を検出する検出部16が配設されている。
【0087】
副スイッチ部30は、副スイッチング素子31(Q2)とダイオード32との並列接続に、電荷用コンデンサ34が直列接続された回路とからなる。また、電荷用コンデンサ34は、補助巻線13dのインダクタとダイオード26が接続されて、1つのループを形成し、主スイッチング素子12オフ時に、補助巻線13dに発生した誘起電圧(●と逆方向)によりダイオード26を介して充電される。
【0088】
検出部16は、前記出力電圧を基準電圧と比較し、比較結果は比較信号として、絶縁伝達部17を介して、主制御部20にフィードバックされる。主制御部20は、検出部16からの比較信号に基づいて、主スイッチング素子12のオン期間を制御することで、出力電圧の安定化を行っている。
【0089】
絶縁伝達部17は、トランス13の2次巻線13b側の検出部16の比較信号を、トランス13の1次巻線13a側と2次巻線13b側とを絶縁した状態で、トランス13の1次巻線13a側に配設されている主制御部20に伝達する。即ち、スイッチング電源装置1は、トランス13と絶縁伝達部17とにより、1次巻線13a側(1次側)と2次巻線13b側(2次側)とが電気的に分離されている。
【0090】
副制御部40は、主スイッチング素子12のオフ時に、主スイッチング素子12の寄生容量12bの電荷を抜き取る制御を行う。即ち、主スイッチング素子12がオン時、副スイッチ部30の電荷用コンデンサ34に蓄えられた電荷を、主スイッチング素子12のオフ時に、トランス13に蓄積された励磁エネルギーが放出された後、副スイッチング素子31をオンさせ、電荷用コンデンサ34に蓄えられた電荷をトランス13の2次巻線13bに印加し、トランス13の1次巻線13aの誘起電圧により、主スイッチング素子12の寄生容量12bの電荷を抜き取るように動作する。
【0091】
トリガ信号発生部80は、副スイッチング素子31がオン時のトランス13の1次巻線13aの誘起電圧を検知し、主制御部20に主スイッチング素子12をオンさせるためのトリガ信号を発生する。
【0092】
上記の結果、寄生容量12bに溜っていた電荷が無い状態(ドレイン・ソース間電圧VDSがゼロの状態)で、主スイッチング素子12がオンされるため、スイッチング損失の発生及びスイッチングノイズの発生が解消される。
【0093】
上記スイッチング電源装置3において、負荷電流が少ない場合、電荷用コンデンサ34の充放電は、トランス13の損失へ影響を大きく与える。そこで、トランス13の2次巻線13b側に配設されている検出部60は、負荷電流を検出し、負荷電流が少ない場合(軽負荷時)には、副制御部40が副スイッチング素子31を常にオフとするための検出信号を発生する。
【0094】
図7のように構成されたスイッチング電源装置3の動作を図8の動作波形図を用いてさらに詳細に説明する。
以下の説明で、主スイッチング素子12を「スイッチング素子Q1」と標記し、副スイッチング素子31を「スイッチング素子Q2」と標記する。
(a)はスイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧VDS
(b)はトランス13の1次巻線13a側1次電流I1
(c)はスイッチング素子Q1のゲート電圧VG1
(d)はトランス13の1次巻線13a側1次電圧VH
(e)はトリガ信号発生部80のトリガ信号電圧VTR
(f)はトランス13の2次巻線13b側2次電流I2
(g)はスイッチング素子Q2のゲート電圧VG2
(h)は電荷用コンデンサ34の電圧VC
(j)はトランス13の補助巻線13d側電流I4
の各波形を横軸に共通の時間軸をとって表してある。また、スイッチング素子Q1はゲート電圧VG1が「H」の時にオン、ゲート電圧VG1が「L」の時にオフし、スイッチング素子Q2はゲート電圧VG2が「L」の時にオン、ゲート電圧VG2が「H」の時にオフするように構成されている。
【0095】
時間軸に沿って説明する。
(1)時刻t0までの動作(Q1オン、Q2オフ)
主制御部20によりスイッチング素子Q1のゲート電圧VG1は「H」であり、スイッチング素子Q1はオンし、ドレイン・ソース間電圧VDSはほぼゼロである。直流電源11より供給された入力電圧は、トランス13の1次巻線13aに印加され、スイッチング素子Q1がオンしていることにより、トランス13の1次巻線13aに1次電流I1が流れ、トランス13に磁束が発生しエネルギーが蓄積される。このときトランス13の2次巻線13bに誘起電圧(●の方向)が発生するが、整流ダイオード14及びダイオード35を逆バイアスする方向に電圧が印加されるように構成されているため、トランス13の2次巻線13b側2次電流I2は流れない。また、トランス13の補助巻線13dに誘起電圧(●の方向)が発生するが、整流ダイオード14及びダイオード35を逆バイアスする方向に電圧が印加されるように構成されているため、トランス13の補助巻線13d側電流I4は流れない。
【0096】
(2)期間t0−t1間の動作(Q1オフ、Q2オフ)
時刻t0で主制御部20はスイッチング素子Q1のゲート電圧VG1を「L」とし、スイッチング素子Q1がオフしドレイン・ソース間電圧VDSは「H」、前記1次電流I1はゼロとなる。スイッチング素子Q1がオフすることにより、トランス13の1次巻線13aに誘起電圧(●と逆方向)が発生すると同時に、2次巻線13bに誘起電圧(●と逆方向)が、補助巻線13dに誘起電圧(●と逆方向)が発生する。2次巻線13bの誘起電圧(●と逆方向)は、整流ダイオード14を順バイアスする方向に電圧が印加されるため、トランス13に蓄積されたエネルギーが2次巻線13bを介して2次電流I2として放出され、平滑コンデンサ15により平滑されて出力電圧VOとして出力端子18a、18bに供給される。また、補助巻線13dの誘起電圧(●と逆方向)は、ダイオード26を順バイアスする方向に電圧が印加されるため、トランス13に蓄積されたエネルギーが補助巻線13dを介して電流I4として放出され電荷用コンデンサ34を充電する。トランス13に蓄積されたエネルギーが放出されるにともない、2次電流I2は減少し時刻t1でゼロになると、前記1次巻線13a、2次巻線13b、補助巻線13dの誘起電圧はなくなる。
【0097】
(3)期間t1−t2間の動作(Q1オフ、Q2オン)
トランス13に蓄積されたエネルギーが全て放出され、2次電流I2が時刻t1でゼロになると、副制御部40はスイッチング素子Q2のゲート電圧VG2を「L」とし、スイッチング素子Q2がオンする。スイッチング素子Q2がオンすると、電荷用コンデンサ34の両端電圧が前記2次巻線13bに印加され、電荷用コンデンサ34にたくわえられていた電荷が放出されるため、電荷用コンデンサ34から上記(2)と同方向に2次電流I2′が流れ、トランス13の2次巻線13bに誘起電圧(●の方向)が発生すると同時に、1次巻線13aにも誘起電圧(●の方向)が発生するため、スイッチング素子Q1の寄生容量12bにたまった電荷を引き抜く(放電させる)方向に1次電流I1′が流れ、寄生容量12bの電荷が放出されるにともない、スイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧VDSは低下しゼロになる。
【0098】
(4)期間t2−t3間の動作(Q1オン、Q2オン)
トリガ信号発生部80は上記(3)におけるトランス13の1次巻線13aに発生した誘起電圧(●の方向)を検知し、主制御部20にスイッチング素子Q1をオンさせるためのトリガ信号を発生し、スイッチング素子Q1はオンする。スイッチング素子Q1は、寄生容量12bの電荷が放出され、スイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧VDSがゼロになった後オンするため、スイッチング素子Q1がオン時に寄生容量12bにたまった電荷がショートされることによるスイッチング損失及びスイッチングノイズが解消される。
【0099】
スイッチング素子Q1がオンし、トランス13の1次巻線13aに1次電流が流れ、トランス13の1次巻線13aに誘起電圧(●の方向)が発生すると同時に、2次巻線13bにも誘起電圧(●の方向)が発生する。副制御部40は2次巻線13bの誘起電圧(●の方向)を検知し、スイッチング素子Q2をオフする。以後は上記(1)から(4)の動作を繰り返す。
【0100】
図7のように構成されたスイッチング電源装置3の副制御部40、検出部60、トリガ信号発生部80の動作は図2の実施例を示す回路図を用いて説明したものと同じであるため、ここでの説明は省略する。
【0101】
[第4の実施の形態]
図9と図10は、本発明の第4の実施の形態に係わるスイッチング電源装置に関する図であり、特許請求の範囲の請求項1と請求項5と請求項8と請求項9に関するものである。図9は本発明のスイッチング電源装置の概略的構成を示すブロック回路図、図10は本発明のスイッチング電源装置の動作波形を示す説明図である。
【0102】
図9の本発明のスイッチング電源装置4は以下の構成からなる。
図9において、トランス13は1次巻線13a、2次巻線13b、補助巻線13c、補助巻線13dより成る。トランス13の1次巻線13a側は、いわゆる直流電圧入力側に当たり、1次巻線13aに、主スイッチング素子12(Q1)及び直流電源11が直列接続され、1つのループを構成している。そして、主スイッチング素子12(Q1)を制御する主制御部20、遅延部22が配設されている。
【0103】
また、トランス13の2次巻線13b側は、いわゆる整流出力側に当たり、整流ダイオード14、平滑コンデンサ15が並列接続され、出力端子18a、18bより制御された直流電圧が出力される。また、直流出力電圧の変動を検出する検出部16が配設されている。
【0104】
また、トランス13の補助巻線13cには、副スイッチ部30、副制御部40、整流ダイオード23、及びコンデンサ24が配設され、1つの回路を構成している。そして、主制御部20からの信号を検出部60を介して、副制御部40にフィードバックする構成になっている。副スイッチ部30は、副スイッチング素子31(Q2)とダイオード32との並列接続に、電荷用コンデンサ34が直列接続された回路とからなる。また、電荷用コンデンサ34は、補助巻線13dのインダクタとダイオード26が接続されて、1つのループを形成し、主スイッチング素子12のオフ時に、補助巻線13dに発生した誘起電圧(●と逆方向)によりダイオード26を介して充電される。次に、各回路の動作について説明する。
【0105】
直流電源11は交流電源を整流平滑して得られた生の直流電源であり、スイッチング電源装置2の入力電源である。直流電源11は、トランス13の1次巻線13aに主スイッチング素子12(Q1)を介して供給される。主スイッチング素子12はMOSFETで構成され、遅延部22を介してゲートに印加される主制御部20のオン・オフ信号により、オン・オフ制御され、直流電源11からの入力電圧を1次巻線13aに印加したり、遮断したりする動作をする。主スイッチング素子12(Q1)には、寄生ダイオードと寄生容量とが存在し、主スイッチング素子12のドレイン・ソース間に寄生する寄生ダイオードを12a、ドレイン・ソース間に寄生する寄生容量を12bとして表示する。2次巻線13bの誘起電圧は、整流ダイオード14及び平滑コンデンサ15により整流平滑されて、出力電圧として出力端子18a、18bより出力される。
【0106】
検出部16は、前記出力電圧を基準電圧と比較し、比較結果は比較信号として、絶縁伝達部17を介して、主制御部20にフィードバックされる。主制御部20は、検出部16からの比較信号に基づいて、主スイッチング素子12のオン期間を制御することで、出力電圧の安定化を行っている。
【0107】
絶縁伝達部17は、トランス13の2次巻線13b側の検出部16の比較信号を、トランス13の1次巻線13a側と2次巻線13b側とを絶縁した状態で、トランス13の1次巻線13a側に配設されている主制御部20に伝達する。即ち、スイッチング電源装置4は、トランス13と絶縁伝達部17とにより、1次巻線13a側(1次側)と2次巻線13b側(2次側)とが電気的に分離されている。
【0108】
副制御部40は、主スイッチング素子12のオフ時に、主スイッチング素子12の寄生容量12bの電荷を抜き取る制御を行う。即ち、主スイッチング素子12がオン時、副スイッチ部30の電荷用コンデンサ34に蓄えられた電荷を、主スイッチング素子12のオフ時に、トランス13に蓄積された励磁エネルギーが放出された後、副スイッチング素子31をオンさせ、電荷用コンデンサ34に蓄えられた電荷をトランス13の補助巻線13cに印加し、トランス13の1次巻線13aの誘起電圧により、主スイッチング素子12の寄生容量12bの電荷を抜き取るように動作する。
【0109】
また、遅延部22は、主制御部20のオン信号を、上記で述べた主スイッチング素子12の寄生容量12bの電荷が抜き取られ、主スイッチング素子12のドレイン・ソース間電圧VDSがゼロになるまで遅延して、主スイッチング素子12のゲートに伝達する。
【0110】
上記の結果、寄生容量12bに溜っていた電荷が無い状態(ドレイン・ソース間電圧VDSがゼロの状態)で、主スイッチング素子12がオンされるため、スイッチング損失の発生及びスイッチングノイズの発生が解消される。
【0111】
上記スイッチング電源装置4において、負荷電流が少ない場合、電荷用コンデンサ34の充放電は、トランス13の損失へ影響を大きく与える。そこで検出部60は、主スイッチング素子12を介して流れるトランス13の1次巻線13a側1次電流I1を検出し、1次電流I1が少ない、即ち負荷電流が少ない(軽負荷)場合には、副制御部40が副スイッチング素子31を常にオフとするための検出信号を発生する。
【0112】
図9のように構成されたスイッチング電源装置2の動作を図10の動作波形図を用いてさらに詳細に説明する。
以下の説明で、主スイッチング素子12を「スイッチング素子Q1」と標記し、副スイッチング素子31を「スイッチング素子Q2」と標記する。図10において、
(a)はスイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧VDS
(b)はトランス13の1次巻線13a側1次電流I1
(c)はスイッチング素子Q1のゲート電圧VG1
(d)は主制御部20のオン・オフ信号VON
(e)はスイッチング素子Q2のゲート電圧VG2
(f)はトランス13の2次巻線13b側2次電流I2
(g)はトランス13の補助巻線13c側電流I3
(h)は電荷用コンデンサ34の電圧VC
(j)はトランス13の補助巻線13d側電流I4
の各波形を横軸に共通の時間軸をとって表してある。また、スイッチング素子Q1はゲート電圧VG1が「H」の時にオン、ゲート電圧VG1が「L」の時にオフし、スイッチング素子Q2はゲート電圧VG2が「L」の時にオン、ゲート電圧VG2が「H」の時にオフするように構成されている。
【0113】
時間軸に沿って説明する。
(1)時刻t0までの動作(Q1オン、Q2オン)
主制御部20によりスイッチング素子Q1のゲート電圧VG1は「H」、スイッチング素子Q2のゲート電圧VG2は「L」であり、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2は共にオンし、スイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧VDSはほぼゼロである。直流電源11より供給された入力電圧は、トランス13の1次巻線13aに印加され、スイッチング素子Q1がオンしていることにより、トランス13の1次巻線13aに1次電流I1が流れ、トランス13に磁束が発生しエネルギーが蓄積される。このときトランス13の2次巻線13bに誘起電圧(●の方向)が発生するが、整流ダイオード14を逆バイアスする方向に電圧が印加されるように構成されているため、トランス13の2次巻線13b側2次電流I2は流れない。また、このときトランス13の補助巻線13cに誘起電圧(●の方向)が発生するが、整流ダイオード23を逆バイアスする方向に電圧が印加されるように構成されているため、トランス13の補助巻線13c側電流I3は流れない。また、トランス13の補助巻線13dに誘起電圧(●の方向)が発生するが、整流ダイオード23及びダイオード35を逆バイアスする方向に電圧が印加されるように構成されているため、トランス13の補助巻線13d側電流I4は流れない。
【0114】
(2)期間t0−t1間の動作(Q1オフ、Q2オフ)
時刻t0で主制御部20はスイッチング素子Q1のゲート電圧VG1を「L」、スイッチング素子Q2のゲート電圧VG2を「H」とし、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2は共にオフし、スイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧VDSは「H」、前記1次電流I1はゼロとなる。スイッチング素子Q1がオフすることにより、前記1次巻線13aに誘起電圧(●と逆方向)が発生すると同時に、前記2次巻線13bにも誘起電圧(●と逆方向)が発生し、整流ダイオード14を順バイアスする方向に電圧が印加されるため、トランス13に蓄積されたエネルギーが前記2次巻線13bを介して2次電流I2として放出され、平滑コンデンサ15により平滑されて出力電圧VOとして出力端子18a、18bに供給される。また、前記1次巻線13aに誘起電圧(●と逆方向)が発生すると同時に、補助巻線13cにも誘起電圧(●と逆方向)が発生し、整流ダイオード23を順バイアスする方向に電圧が印加されるため、トランス13に蓄積されたエネルギーが前記補助巻線13cを介して電流I3として放出され、平滑コンデンサ24により平滑されて、主制御部20及び副制御部40の電源として供給される。また、このときスイッチング素子Q2はオフ、ダイオード32は逆バイアスされているため、副スイッチ部30を介して電流I3は流れない。また、補助巻線13dの誘起電圧(●と逆方向)は、ダイオード26を順バイアスする方向に電圧が印加されるため、トランス13に蓄積されたエネルギーが補助巻線13dを介して電流I4として放出され、電荷用コンデンサ34を充電する。トランス13に蓄積されたエネルギーが放出されるにともない、2次電流I2は減少し時刻t1でゼロになると、前記1次巻線13a、2次巻線13b、補助巻線13c、補助巻線13dの誘起電圧はなくなる。
【0115】
(3)期間t1−t2間の動作(Q1オフ、Q2オン)
トランス13に蓄積されたエネルギーが全て放出され、2次電流I2及び電流I3は減少し時刻t1でゼロになると、前記1次巻線13a、2次巻線13b、補助巻線13c、補助巻線13dの誘起電圧はなくなる。
【0116】
時刻t1で、主制御部20はオン信号を出力し、スイッチング素子Q2のゲート電圧VG2を「L」とし、スイッチング素子Q2がオンする。スイッチング素子Q2がオンすると、電荷用コンデンサ34の両端電圧が前記補助巻線13cに印加され、電荷用コンデンサ34にたくわえられていた電荷が放出されるため、電荷用コンデンサ34から上記(2)と同方向に電流I3′が流れ、トランス13の2次巻線13bに誘起電圧(●の方向)が発生すると同時に、1次巻線13aにも誘起電圧(●の方向)が発生するため、スイッチング素子Q1の寄生容量12bにたまった電荷を引き抜く(放電させる)方向に1次電流I1′が流れ、寄生容量12bの電荷が放出されるにともない、スイッチング素子Q1のドレイン・ソース間電圧VDSは低下しゼロになる。
【0117】
(4)期間t2−t3間の動作(Q1オン、Q2オン)
前記時刻t1で主制御部20から出力されたオン信号は、遅延部22により期間t1−t2間遅延されて、時刻t2でスイッチング素子Q1のゲート電圧VG1を「H」にし、スイッチング素子Q1はオンする。従って、スイッチング素子Q1は、ドレイン・ソース間電圧VDSがゼロの時にオンするため、スイッチング素子Q1がオン時に寄生容量12bにたまった電荷がショートされることによるスイッチング損失及びスイッチングノイズが解消される。
【0118】
スイッチング素子Q1がオンし、トランス13の1次巻線13aに1次電流が流れ、トランス13の1次巻線13aに誘起電圧(●の方向)が発生すると同時に、2次巻線13bにも誘起電圧(●の方向)が発生する。このときトランス13の2次巻線13bに誘起電圧(●の方向)が発生するが、整流ダイオード14を逆バイアスする方向に電圧が印加されるように構成されているため、トランス13の2次巻線13b側2次電流I2は流れない。また、このときトランス13の補助巻線13cに誘起電圧(●の方向)が発生するが、整流ダイオード23を逆バイアスする方向に電圧が印加されるように構成されているため、トランス13の補助巻線13c側電流I3は流れない。また、このときトランス13の補助巻線13dに誘起電圧(●の方向)が発生するが、整流ダイオード26を逆バイアスする方向に電圧が印加されるように構成されているため、トランス13の補助巻線13d側電流I4は流れない。以後は上記(1)から(4)の動作を繰り返す。
【0119】
図9のように構成されたスイッチング電源装置4の副制御部40、検出部60の動作は図5の実施例を示す回路図を用いて説明したものと同じであるため、ここでの説明は省略する。
【0120】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載のスイッチング電源装置によれば、入力電圧をオン・オフ制御する主スイッチング素子と、少なくとも1次巻線と2次巻線を備えたトランスと、トランスの1次巻線に該主スイッチング素子が接続され、トランスの2次巻線に整流平滑回路と、該整流平滑回路の出力が一定となるように該主スイッチング素子をオン・オフ制御する主制御部を備えたスイッチング電源装置において、副スイッチング素子とコンデンサとを含む副スイッチ部を有し、副スイッチング素子を制御して該副スイッチ部のコンデンサに蓄えられた電荷を該トランスを介して該主スイッチング素子に供給し、該主スイッチング素子の寄生容量の電荷を抜き取る動作を含むことを特徴とするものである。
【0121】
従って、主スイッチング素子がオン直前時に、オフ時に寄生容量にたまった電荷が抜かれることにより、スイッチング損失及びスイッチングノイズを改善できる。
【0122】
また、本発明の請求項2記載のスイッチング電源装置によれば、前記トランスの2次巻線には副スイッチ部と副制御部とが接続され、前記副スイッチ部はダイオードと副スイッチング素子とが並列接続された回路にコンデンサとインダクタとが直列接続された回路が接続された構成からなり、該副制御部は前記主スイッチング素子がオン時に該副スイッチ部の該コンデンサに電荷を蓄え、主スイッチング素子がオンする迄の期間に、該トランスを介して前記コンデンサの該電荷により主スイッチング素子の寄生容量の電荷を抜き取るように動作させることを特徴とするものである。
【0123】
従って、主スイッチング素子がオン直前時に、オフ時に寄生容量にたまった電荷が抜かれることにより、スイッチング損失及びスイッチングノイズを改善できる。また、副スイッチング素子は従来と比べて小電流を開閉する小容量のスイッチング素子で構成されるため、スイッチング素子のゲート容量が減ることによりドライブ損失が減少し、かつコストも低減できる。
【0124】
また、本発明の請求項3記載のスイッチング電源装置によれば、前記トランスは副制御用補助巻線を備え、前記副スイッチ部と前記副制御部が前記トランスの該補助巻線にそれぞれ並列に接続され、前記副スイッチ部はダイオードと副スイッチング素子とが並列接続された回路にコンデンサとインダクタとが直列接続された回路が接続された構成からなり、前記主スイッチング素子がオンする迄の期間に前記副スイッチ部のコンデンサに電荷を蓄え、前記主スイッチング素子のオフ時にトランスに蓄積された励磁エネルギーが放出された後、副スイッチング素子をオンさせて前記コンデンサに蓄えられていた電荷をトランスの副制御用補助巻線に印加し、トランスの1次巻線の誘起電圧により主スイッチング素子の寄生容量の電荷を、前記主スイッチング素子がオンする迄の期間に、抜き取るように制御する副制御部と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0125】
従って、主スイッチング素子がオン時に寄生容量にたまった電荷がショートされることによるスイッチング損失及びスイッチングノイズを改善できる。また、副スイッチング素子は従来と比べて小電流を開閉する小容量のスイッチング素子で構成されるため、スイッチング素子のゲート容量が減ることによりドライブ損失が減少し、かつコストも低減できる。
【0126】
また、本発明の請求項4記載のスイッチング電源装置によれば、前記トランスは1次巻線と2次巻線と充電用補助巻線とを備え、該充電用補助巻線には前記副スイッチ部のコンデンサと充電用ダイオードが接続され、前記トランスの2次巻線には前記副スイッチ部と前記副制御部がそれぞれ並列に接続され、前記副スイッチ部にはダイオードと副スイッチング素子とが並列接続された回路にコンデンサが直列接続され、前記主スイッチング素子のオフ時に前記副スイッチ部のコンデンサに電荷を蓄え、トランスに蓄積された励磁エネルギーが放出された後、副スイッチング素子をオンさせて前記コンデンサに蓄えられていた電荷をトランスの2次巻線に印加し、トランスの1次巻線の誘起電圧により前記主スイッチング素子の寄生容量の電荷を、主スイッチング素子がオンする迄の期間に、抜き取るように制御する副制御部と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0127】
従って、主スイッチング素子がオン直前時に、オフ時に寄生容量にたまった電荷が抜かれることにより、スイッチング損失及びスイッチングノイズを改善できる。また、副スイッチング素子は従来と比べて小電流を開閉する小容量のスイッチング素子で構成されるため、スイッチング素子のゲート容量が減ることによりドライブ損失が減少し、かつコストも低減できる。また、前記トランスの2次側に前記副スイッチ部のコンデンサに電荷を蓄えるためのダイオード及び充電用の補助巻線とを備えているため、充電用の補助巻線の巻数比を変えることによりコンデンサの充電電圧をトランスの1次巻線の誘起電圧により主スイッチング素子の寄生容量の電荷を主スイッチング素子がオンする直前に抜き取るための任意の最適値に設定できる。
【0128】
また、本発明の請求項5記載のスイッチング電源装置によれば、前記トランスは1次巻線と2次巻線と副制御用補助巻線と充電用補助巻線とを備え、該副制御用補助巻線には前記副スイッチ部と前記副制御部とがそれぞれ並列に接続され、該充電用補助巻線には前記副スイッチ部のコンデンサと充電用ダイオードとが接続され、前記副スイッチ部はダイオードと副スイッチング素子とが並列接続された回路にコンデンサとダイオードとが直列接続された回路が接続された構成からなり、前記主スイッチング素子のオフ時に前記副スイッチ部のコンデンサに電荷を蓄え、トランスに蓄積された励磁エネルギーが放出された後、副スイッチング素子をオンさせ該コンデンサに蓄えられた電荷をトランスの制御用補助巻線に印加し、トランスの1次巻線の誘起電圧により主スイッチング素子の寄生容量の電荷を、主スイッチング素子がオンする迄の期間に、抜き取るように制御する副制御部と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0129】
従って、主スイッチング素子がオン直前時に、オフ時に寄生容量にたまった電荷が抜かれることにより、スイッチング損失及びスイッチングノイズを改善できる。また、副スイッチング素子は従来と比べて小電流を開閉する小容量のスイッチング素子で構成されるため、スイッチング素子のゲート容量が減ることによりドライブ損失が減少し、かつコストも低減できる。また、前記トランスの1次側に前記副スイッチ部のコンデンサに電荷を蓄えるためのダイオード及び充電用の補助巻線とを備えているため、充電用の補助巻線の巻数比を変えることによりコンデンサの充電電圧をトランスの1次巻線の誘起電圧により主スイッチング素子の寄生容量の電荷を主スイッチング素子がオンする直前に抜き取るための任意の最適値に設定できる。
【0130】
また、本発明の請求項6記載のスイッチング電源装置によれば、負荷電流を検出するための検出部を前記トランスの2次側出力部の整流平滑回路側に備え、前記副制御部は該負荷電流が少ない場合には副制御部の副スイッチング素子を常にオフ制御とすることを特徴とするものである。
【0131】
従って、負荷電流が少ない場合の前記副スイッチング部のコンデンサの充放電による前記トランスの損失を改善できる。また、負荷電流が少ない場合、主スイッチング素子のオン期間が短くなり、副スイッチング部のコンデンサの充電電圧が下がるために、主スイッチング素子の寄生容量の電荷を充分に抜き取ることができなくなる問題を改善できる。
【0132】
また、本発明の請求項7記載のスイッチング電源装置によれば、前記負荷電流を検出するための検出部はコンパレータを用いた回路で構成されてなることを特徴とするものである。
【0133】
従って、前記負荷電流を検出するための検出部を、簡単な回路構成で実現でき、回路の省スペース化、低コスト化が図れる。
【0134】
また、本発明の請求項8記載のスイッチング電源装置によれば、前記トランスの1次巻線と主スイッチング素子を介して流れる1次電流を検出するための検出部を該トランスの1次巻線側に備え、前記副制御部は該1次電流が少ない場合には副制御部の副スイッチング素子を常にオフ制御とすることを特徴とするものである。
【0135】
従って、負荷電流が少ない場合の前記副スイッチング部のコンデンサの充放電による前記トランスの損失を改善できる。また、負荷電流が少ない場合、主スイッチング素子のオン期間が短くなり、副スイッチング部のコンデンサの充電電圧が下がるために、主スイッチング素子の寄生容量の電荷を充分に抜き取ることができなくなる問題を改善できる。
【0136】
さらに、本発明の請求項9記載のスイッチング電源装置によれば、前記トランスの1次巻線と主スイッチング素子を介して流れる1次電流を検出するための検出部はコンパレータを用いた回路で構成されていることを特徴とするものである。
【0137】
従って、前記1次電流を検出するための検出部を、簡単な回路構成で実現でき、回路の省スペース化、低コスト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わるスイッチング電源装置の概略的構成を示すブロック回路図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係わるスイッチング電源装置の詳細な回路図例である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係わるスイッチング電源装置の動作波形を示す説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係わるスイッチング電源装置の概略的構成を示すブロック回路図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係わるスイッチング電源装置の実施例を示す回路図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係わるスイッチング電源装置の動作波形を示す説明図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係わるスイッチング電源装置の概略的構成を示すブロック回路図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係わるスイッチング電源装置の動作波形を示す説明図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係わるスイッチング電源装置の概略的構成を示すブロック回路図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係わるスイッチング電源装置の動作波形を示す説明図である。
【図11】従来例のスイッチング電源装置の概略的構成を示すブロック回路図である。
【図12】従来例のスイッチング電源装置の動作波形を示す説明図である。
【図13】他の従来例のスイッチング電源装置の概略的構成を示すブロック回路図である。
【図14】他の従来例のスイッチング電源装置の動作波形を示す説明図である。
【符号の説明】
1 スイッチング電源装置
11 直流電源
12 主スイッチング素子(Q1)
13 トランス
13a トランスの1次巻線
13b トランスの2次巻線
13c トランスの副制御用補助巻線
13d トランスの充電用補助巻線
14 整流ダイオード
15 平滑コンデンサ
16 検出部
17 絶縁伝達部
18 出力端子
20 主制御部
22 遅延部
26 ダイオード
30 副スイッチ部
31 副スイッチング素子(Q2)
32 ダイオード
33 インダクタ
34 電荷用コンデンサ
35 ダイオード
40 副制御部
47 コンパレータ
60 検出部
64 コンパレータ(コンパレータ回路)
68 コンパレータ(コンパレータ回路)
80 トリガ信号発生部

Claims (9)

  1. 少なくとも1次巻線と2次巻線を備えたトランスと、上記トランスの1次巻線に接続された、入力電圧をオン・オフ制御する主スイッチング素子上記トランスの2次巻線に接続された整流平滑回路と、上記整流平滑回路の出力が一定となるように上記主スイッチング素子をオン・オフ制御する主制御部を備えたスイッチング電源装置において、
    副スイッチング素子とコンデンサとが直列接続されてなる副スイッチ部が上記トランスに備えられる巻線の1つに並列接続されており、
    副スイッチング素子を制御して該副スイッチ部のコンデンサに蓄えられた電荷を該トランスを介して該主スイッチング素子に供給し、該主スイッチング素子の寄生容量の電荷を抜き取る動作を行うことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 請求項1記載のスイッチング電源装置において、
    前記トランスの2次巻線には副スイッチ部と副制御部とが接続され、
    前記副スイッチ部はダイオードと副スイッチング素子とが並列接続された回路にコンデンサとインダクタとが直列接続された回路が接続された構成からなり、
    該副制御部は前記主スイッチング素子がオン時に該副スイッチ部の該コンデンサに電荷を蓄え、主スイッチング素子がオンする迄の期間に、該トランスを介して前記コンデンサの該電荷により主スイッチング素子の寄生容量の電荷を抜き取るように動作させることを特徴とするスイッチング電源装置。
  3. 請求項1記載のスイッチング電源装置において、
    前記トランスは副制御用補助巻線を備え、
    前記副スイッチ部と前記副制御部が前記トランスの該補助巻線にそれぞれ並列に接続され、
    前記副スイッチ部はダイオードと副スイッチング素子とが並列接続された回路にコンデンサとインダクタとが直列接続された回路が接続された構成からなり、
    前記主スイッチング素子がオンする迄の期間に前記副スイッチ部のコンデンサに電荷を蓄え、
    前記主スイッチング素子のオフ時にトランスに蓄積された励磁エネルギーが放出された後、副スイッチング素子をオンさせて前記コンデンサに蓄えられていた電荷をトランスの副制御用補助巻線に印加し、トランスの1次巻線の誘起電圧により主スイッチング素子の寄生容量の電荷を、前記主スイッチング素子がオンする迄の期間に、抜き取るように制御する副制御部と、を備えてなることを特徴とするスイッチング電源装置。
  4. 請求項1記載のスイッチング電源装置において、
    前記トランスは1次巻線と2次巻線と充電用補助巻線とを備え、
    該充電用補助巻線には前記副スイッチ部のコンデンサと充電用ダイオードが接続され、
    前記トランスの2次巻線には前記副スイッチ部と前記副制御部がそれぞれ並列に接続され、
    前記副スイッチ部にはダイオードと副スイッチング素子とが並列接続された回路にコンデンサが直列接続され、
    前記主スイッチング素子のオフ時に前記副スイッチ部のコンデンサに電荷を蓄え、トランスに蓄積された励磁エネルギーが放出された後、副スイッチング素子をオンさせて前記コンデンサに蓄えられていた電荷をトランスの2次巻線に印加し、トランスの1次巻線の誘起電圧により前記主スイッチング素子の寄生容量の電荷を、主スイッチング素子がオンする迄の期間に、抜き取るように制御する副制御部と、を備えてなることを特徴とするスイッチング電源装置。
  5. 請求項1記載のスイッチング電源装置において、
    前記トランスは1次巻線と2次巻線と副制御用補助巻線と充電用補助巻線とを備え、
    該副制御用補助巻線には前記副スイッチ部と前記副制御部とがそれぞれ並列に接続され、
    該充電用補助巻線には前記副スイッチ部のコンデンサと充電用ダイオードとが接続され、
    前記副スイッチ部はダイオードと副スイッチング素子とが並列接続された回路にコンデンサとダイオードとが直列接続された回路が接続された構成からなり、
    前記主スイッチング素子のオフ時に前記副スイッチ部のコンデンサに電荷を蓄え、トランスに蓄積された励磁エネルギーが放出された後、副スイッチング素子をオンさせ該コンデンサに蓄えられた電荷をトランスの制御用補助巻線に印加し、トランスの1次巻線の誘起電圧により主スイッチング素子の寄生容量の電荷を、主スイッチング素子がオンする迄の期間に、抜き取るように制御する副制御部と、を備えてなることを特徴とするスイッチング電源装置。
  6. 請求項2または請求項4記載のスイッチング電源装置において、
    負荷電流を検出するための検出部を前記トランスの2次側出力部の整流平滑回路側に備え、
    前記副制御部は該負荷電流が少ない場合には副制御部の副スイッチング素子を常にオフ制御とすることを特徴とするスイッチング電源装置。
  7. 請求項6記載のスイッチング電源装置において、
    前記負荷電流を検出するための検出部はコンパレータを用いた回路で構成されてなることを特徴とするスイッチング電源装置。
  8. 請求項3または請求項5記載のスイッチング電源装置において、
    前記トランスの1次巻線と主スイッチング素子を介して流れる1次電流を検出するための検出部を該トランスの1次巻線側に備え、
    前記副制御部は該1次電流が少ない場合には副制御部の副スイッチング素子を常にオフ制御とすることを特徴とするスイッチング電源装置。
  9. 請求項8記載のスイッチング電源装置において、
    前記トランスの1次巻線と主スイッチング素子を介して流れる1次電流を検出するための検出部はコンパレータを用いた回路で構成されてなることを特徴とするスイッチング電源装置。
JP21495498A 1998-07-30 1998-07-30 スイッチング電源装置 Expired - Fee Related JP3770361B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21495498A JP3770361B2 (ja) 1998-07-30 1998-07-30 スイッチング電源装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21495498A JP3770361B2 (ja) 1998-07-30 1998-07-30 スイッチング電源装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000050627A JP2000050627A (ja) 2000-02-18
JP3770361B2 true JP3770361B2 (ja) 2006-04-26

Family

ID=16664324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21495498A Expired - Fee Related JP3770361B2 (ja) 1998-07-30 1998-07-30 スイッチング電源装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3770361B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1845606A1 (en) 2005-01-31 2007-10-17 Murata Manufacturing Co., Ltd. Isolation dc/dc converter

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000050627A (ja) 2000-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7710751B2 (en) Secondary-side power receiving circuit of noncontact power supplying equipment
US5301095A (en) High power factor AC/DC converter
KR102139841B1 (ko) 유도 전력 전송 시스템용 수신기 및 유도 전력 전송 시스템용 수신기를 제어하는 방법
CN105703624B (zh) 绝缘型直流电源装置以及控制方法
CN100525036C (zh) 开关电源装置
EP0404191A2 (en) Switching power supply device
US20070041222A1 (en) Dc-dc converter
KR20020079861A (ko) 2차 펄스폭 변조 제어를 가지는 플라이백 컨버터를 위한시동 회로
JP2010226890A (ja) 非接触電力伝送装置
JP2012139011A (ja) 非接触給電設備の2次側受電回路
MXPA01000391A (es) Suministro de energia de conmutacion de voltaje cero con modo a rafaga.
JPH04299070A (ja) スイッチングレギュレータ
JP2020036421A (ja) 電源装置及び画像形成装置
US7002323B2 (en) Switching power supply circuit capable of reducing switching loss and control method used therein
KR20000038038A (ko) 변압기 권선에 결합된 인덕터를 구비한 순방향 컨버터
JP2001333576A (ja) Dc/dcコンバータの制御方法
JP3770361B2 (ja) スイッチング電源装置
JPH08317575A (ja) 電気自動車用充電装置
JP3518197B2 (ja) 無接触給電設備の2次側受電回路
JPH09131058A (ja) 同調スイッチ・モード電源装置
WO2022091903A1 (ja) 半導体リレー装置
JP3354454B2 (ja) スイッチング電源装置
JP2814917B2 (ja) スイッチング電源回路
JP2002044946A (ja) スイッチング電源装置
TWI553993B (zh) Non-contact power supply equipment secondary side of the receiving circuit

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040630

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040630

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060110

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees