JP3769177B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性樹脂組成物に関し、特に、耐熱老化特性、耐熱変形性、難燃性および機械的強度に優れた非架橋タイプの難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、難燃性を有する電線ケーブルの被覆には、経済性および電気特性等を考慮して、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、低密度ポリエチレンあるいは直鎖状低密度ポリエチレン等の汎用ポリオレフィン樹脂を使用するのが普通であるが、難燃剤の混入増に伴い機械的強度が低下する性質があるため、これを防止することと耐熱性を向上させるためにポリマーの分子間を架橋化するのが通例である。
【0003】
しかし、ポリマー分子間の架橋は、これを行うための設備、工程、時間あるいは工数等に多くを要するため、できれば不要とすることが望ましく、このため、非架橋タイプであって、かつ架橋タイプと同等の特性を有する難燃性樹脂組成物の出現が望まれている。しかし、ポリオレフィン系樹脂をベースポリマとし、しかも、非架橋タイプとする限り、得られる組成物は熱変形し易いうえに老化後の機械的強度の低下が大きく、従って、このタイプの組成物によって確保することのできる特性には限界がある。
【0004】
これに対処する方法として、上記した汎用ポリオレフィンに高融点のポリオレフィンをブレンドすることが考えられ、一部において試みられたこともあるが、汎用ポリオレフィンと高融点ポリオレフィンとの親和性が低いため、機械的強度に充分なものが得られず、また、高融点ポリオレフィンの比率増に伴って柔軟性と難燃性が低下するなどの問題があるため、実用に応用するまでには至っていない。
【0005】
ところで、以上のブレンド樹脂間における親和性の問題を解決し、それによって機械的強度および耐熱性を向上させた電線被覆用の非架橋タイプの難燃性樹脂組成物として、特開平10−287777号と特開平10−302547号が提案されている。前者は、耐熱軟化性、引張強度特性、伸び特性および難燃性に優れ、しかも、有害なハロゲン系ガスを発生させない難燃性成型品の提供を目的としたもので、分子中に極性基を有するポリオレフィン共重合体と結晶融点が100℃以上のポリオレフィンとのブレンド樹脂に、グラフト変性ポリオレフィンおよび非ハロゲン系難燃剤を配合することを特徴としている。
【0006】
この組成物によれば、樹脂組成物中にグラフト変性ポリオレフィンを配合することによって、分子中に極性基を有するポリオレフィン共重合体と結晶融点が100℃以上のポリオレフィンとの相溶性を改善できるとされており、これにより成型品の引張強度および伸び特性の低下が防がれると同時に、良好な耐熱変形性を有する難燃性成型品が得られるとしている。
【0007】
一方、後者の特開平10−302547号は、火災時の安全性、および高温雰囲気下での耐荷重変形に優れるとともに、充分な引張強度を有する難燃性樹脂組成物とこれを使用した難燃性電線の提供を目的としており、分子主鎖中に無水マレイン酸がグラフト重合あるいは共重合されたポリオレフィン樹脂に、アルコキシ基を有したシラン化合物による表面処理金属水酸化物を加えることを特徴としている。
【0008】
この組成物によれば、金属水酸化物の粒子表面に配位しているアルコキシ基と水分によって一部開環したマレイン酸との間で反応が生ずる結果、ポリオレフィン樹脂と金属水酸化物の粒子間が化学的および物理的に結合するとともに、ポリオレフィン樹脂に結合したこの金属水酸化物粒子が架橋疑似点として作用するようになり、結果として、熱変形性および引張強度に優れた難燃性樹脂組成物が得られるとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上に述べた従来の非架橋タイプの難燃性樹脂組成物によると、重要特性である耐熱老化性において充分な性能を備えていないため、実用性の面で問題を有している。米国UL規格によれば、耐熱電線として要求される定格温度は105℃であり、これをクリアするためには、136℃×7日の熱老化試験において70%以上の破断強度残率と65%以上の破断伸び残率を有することが必要となるが、上記した両組成物は、これらの特性において充分な性能を備えていない。両組成物の場合には、融点が低いことと熱分解が早いことに起因する老化特性の不足を指摘することができる。
【0010】
従って、本発明の目的は、105℃の定格温度をクリアするため、136℃×7日の熱老化後において70%以上の破断強度残率と65%以上の破断伸び残率を確保することができ、さらに、優れた耐熱変形性、難燃性および機械的強度を有する非架橋タイプの難燃性樹脂組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、ポリオレフィン系樹脂95〜85に対して水酸基含有樹脂が5〜15の重量比で混合されたブレンド物100重量部に対して、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を5〜10重量部、反応性官能基としてエポキシ基を有するグラフトされたオレフィン重合体を5〜10重量部、および金属水酸化物を80〜150重量部混合して成ることを特徴とする難燃性樹脂組成物を提供するものである。
【0012】
本発明において、ポリオレフィン系樹脂95〜85に対して水酸基含有樹脂が5〜15の重量比で混合されたブレンド物に、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、グラフトされたオレフィン重合体、および金属水酸化物を混合することによって得られる効果は、以下のように推定される。即ち、金属水酸化物の表面に配位している水分(OH基)によって無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂における無水マレイン酸の一部開環が発生し、開環したマレイン酸と金属水酸化物との間に化学反応が生ずることによって金属水酸化物と無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂とが化学的に結合する。
【0013】
この結合は、機械的強度を向上させるように作用し、同時に、この反応によって生成した無水マレイン酸によるカルボン酸が、グラフトされたオレフィン重合体の官能基であるエポキシ基を開環し、この開環によって生成された水酸基をさらにエステル化する。このエステル化は、繰り返し行われることになり、エステル化が繰り返される結果、分子構成が架橋構造のようになり、耐熱老化性、耐熱変形性、耐溶剤性および機械的強度等が向上する。そして、これにポリオレフィン系樹脂とブレンドされた水酸基含有樹脂が関与することで、上記の反応がさらに助長されることになり、その結果、全体特性の優れた非架橋タイプの難燃性樹脂組成物が形成されるものと推定される。
【0014】
ポリオレフィン系樹脂と水酸基含有樹脂の混合比は、重量比において前者が95〜85に対し、後者が5〜15の範囲内にあるよう混合される。水酸基含有樹脂の量が上記範囲より少ないと、必要水準の機械的強度を得ることが難しくなり、逆に、上記の範囲を超えると、伸び特性が不充分となって、柔軟性および耐熱老化性が不足するようになる。
【0015】
本発明において、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂の量を5〜10重量部に限定する理由は、5重量部を下廻ると、金属水酸化物との親和性を得ることが難しくなって、組成物の機械的強度の低下を抑制することが難しくなるためであり、逆に、10重量部を超過すると、配合による機械的強度向上の効果が得られず、かえって、耐熱老化性の低下を招くようになるためである。
【0016】
また、反応性官能基としてエポキシ基を有するグラフトされたオレフィン重合体の配合量を5〜10重量部に限定する理由は、当該オレフィン重合体の量が5重量部未満になると、機械的強度の改良効果に充分なものが得られず、逆に、10重量部を超えると、機械的強度を向上させる配合効果が飽和するとともに、耐熱老化性の低下を招くことによる。難燃剤としての金属水酸化物の量を80〜150重量部に限定する理由は、80重量部未満では、難燃性に充分な効果が得られず、逆に、150重量部を超過すると、機械的強度の低下と押出加工時の外観の低下を招くようになるためである。
【0017】
本発明に使用されるポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体が好ましく、これらの1種、あるいは2種以上の混合物が使用される。なお、ポリオレフィン系樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を選択するときには、15〜35重量%の酢酸ビニル含有量と0.92〜0.96の密度を有するとともに、1.3〜3.0kgf/mm2の引張強度を有するものが好ましく、また、エチレン−エチルアクリレート共重合体を選択するときには、15〜25重量%のエチルアクリレート含有量と0.92〜0.94の密度を有するとともに、1.1〜2.0kgf/mm2の引張強度を有するものが好ましい。
【0018】
ポリオレフィン系樹脂と混合される水酸基含有樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物であって、かつ分子鎖中にアセトキシ基および水酸基を有する式(1)の分子構成を有する重合体であることが好ましい。そのケン化度は、高いほど機械的強度および熱安定性への寄与度が大きくなり、多くの場合、80〜90%の範囲に設定される。良好な機械的強度を得るためには、酢酸ビニルの含有量と密度を、それぞれ2〜6重量%および0.94〜0.99の範囲に設定することが好ましく、また、その引張強度は、1.1〜1.7kgf/mm2の範囲内あることが好ましい。
【0019】
【化2】
Figure 0003769177
【0020】
また、本発明において使用される無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂としては、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体であって、かつ主鎖に無水マレイン酸を共重合させた共重合体であることが好ましく、なかでも、1〜14重量%の1種以上のアクリル酸エステルと0.3〜4重量%の無水マレイン酸を含有し、残部がエチレンより構成される共重合体が好ましい。
【0021】
グラフトされたオレフィン重合体としては、エチレン共重合体を主鎖とし、ビニル系重合体を側鎖とするグラフト共重合体であって、かつ上記のエチレン共重合体が反応性官能基のエポキシ基を有するとともに、上記のビニル系重合体がアクリロニトリル−スチレン共重合体であることが好ましい。エチレンと共重合されて主鎖を構成するコモノマ成分としては、ビニルエステル、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステル等が挙げられ、なかでも、アクリル酸エステルの選択が好ましい。また、この主鎖には、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のα、β不飽和酸のグリシジルエステル、無水マレイン酸、あるいは無水イタコン酸などを共重合することが可能であり、なかでも、メタクリル酸グリシジルの共重合が好ましい。
【0022】
一方、側鎖を構成するビニル系重合体としては、スチレン、α−メチルスチレン、P−メチルスチレン、D−エチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;あるいはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル等のアクリル酸エステル単量体などによる単独重合体または共重合体の選択が好ましく、なかでも、上述したアクリロニトリル−スチレン共重合体の選択が特に好ましい。
【0023】
本発明において、難燃剤として使用される金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、ハイドロタルサイト、ハードクレー等が使用され、なかでも、シランカップリング剤で表面処理をされた水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムの使用が特に好ましい。
【0024】
本発明の難燃性樹脂組成物に酸化防止剤、顔料、滑剤、あるいはシリコーンパウダーのような他の添加剤を加えることは可能であり、また、架橋剤、架橋助剤等を加えての化学架橋あるいは電子線照射などによって分子間を三次元化処理することも可能である。本発明においては、ポリマ分子間を架橋する実施態様を否定するものでは決してなく、必要によって採用可能である。なお、組成物の調合に際しては、バンバリミキサ、加熱可能なヘンシルミキサあるいは二軸ミキシングロール等が使用され、一方、組成物の成型加工に際しては、単軸押出機あるいは二軸押出機等が使用される。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による難燃性樹脂組成物の実施の形態を説明する。
表1および表2に示される実施例および比較例ごとに各成分を120℃の二軸ミキシングロールにて混練した後、得られた組成物を加熱プレスを使用して170℃×10分の条件下で成型し、得られた試験用シートを対象に表1および表2に示される各特性の評価試験を実施した。
【0026】
【表1】
Figure 0003769177
【0027】
【表2】
Figure 0003769177
(備考)
※1 エチレン−酢酸ビニル共重合体
東ソー(株)商品名「ウルトラセン635」(酢酸ビニル含有量25重量%)
※2 エチレン−エチルアクリレート共重合体
日本ユニカー(株)商品名「DFDJ6169」(エチルアクリレート含有量18重量%)
※3 水酸基含有樹脂
東ソー(株)商品名「メルセンH6960」〔式(1)の分子構成を有するケン化度90%の重合体〕
※4 無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂
住化アケトム社商品名「ボンダインHX8140」(主鎖に無水マレイン酸を共重合させたエチレン−アクリル酸−無水マレイン酸三元共重合体)
※5 グラフトされたオレフィン重合体
日本油脂(株)商品名「モディパーA4400」
※6 酸化防止剤
旭電化工業(株)商品名「AO−412S」
【0028】
試験方法および評価方法は以下の通りである。
◇引張破断強度および引張破断伸び
JIS K 6723に規定される方法に準拠し、2号形ダンベル試験片を使用して200mm/minの引張速度条件にて実施した。
◇老化後の破断強度残率および破断伸び残率
次式により算出した。老化条件は、113℃×7日、121℃×7日、および136℃×7日の3段階とした。
【数1】
Figure 0003769177
☆目標:136℃×7日の熱老化後において、
・破断強度残率:70%以上
・破断伸び残率:65%以上
【0029】
◇加熱変形
JIS K 6723に規定される方法に準拠して実施した。条件は次の通りである。
・条件−1:加熱温度120℃×荷重1kg
・条件−2:加熱温度136℃×荷重1kg(☆目標:40%以下)
◇膨潤度
23℃の雰囲気中において、3mm幅×10mm長さ×1mm厚さの試験用シートをトルエン中に72時間浸漬したとき、試験用シートの体積が2倍を超えて膨潤したものを×、1.5〜2倍に膨潤したものを△(以上不合格)、および1.5倍未満の膨潤にとどまったものを○(合格)とした。
【0030】
◇溶融伸び
2号形ダンベル試験片を試料として使用し、次式により算出した。老化条件は、113℃×7日である。
【数2】
Figure 0003769177
◇酸素指数
JIS K 7201に規定される方法に準拠して実施した。
【0031】
表1によれば、実施例による組成物は、そのいずれもが、136℃×7日の老化後において破断強度残率70%以上および破断伸び残率65%以上の目標値をクリアする優れた耐熱老化特性を示しており、また、加熱変形特性においても、目標値である40%以下をクリアする良好な結果を示している。そして、初期の破断強度および破断伸びの機械的強度、疑似架橋の度合を示す膨潤度、老化後の溶融伸びおよび酸素指数においても、それぞれに優れた結果を示しており、非架橋タイプの難燃性樹脂組成物として高い実用性を備えていることが認められる。
【0032】
一方、これに対して比較例の場合には、113℃という低温での老化後において既にダンベル試験片が溶融して試験実施が不可能な例(比較例1〜3)をはじめとして、136℃×7日の老化後に伸び残率65%をクリアできないものが多数あり(比較例1〜5、7、8、11、12)、これらによって105℃の定格温度を達成することは到底不可能である。また、他の特性においても、熱変形において40%を超えるもの、膨潤度において×あるいは△評価のもの、あるいは老化後の溶融伸びにおいて著しく大きな値を示す例があるなど、これらの組成物を実用に供することは不可能である。
【0033】
表1および表2には、本発明における水酸基含有樹脂、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂、グラフトされたオレフィン重合体、および金属水酸化物の組み合わせの意義と、各成分の配合量をそれぞれに特定の範囲内に設定することの意義とが充分に示されており、さらに、表1の特性からは、本発明の有用性を明確に確認することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による難燃性樹脂組成物によれば、ポリオレフィン系樹脂95〜85に対して水酸基含有樹脂が5〜15の重量比で混合されたブレンド物100重量部に対し、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を5〜10重量部、反応性官能基としてエポキシ基を有するグラフトされたオレフィン重合体を5〜10重量部、および金属水酸化物を80〜150重量部混合した組成を有するため、105℃の定格温度をクリアできる優れた耐熱老化性、即ち、136℃×7日の熱老化後において70%以上の破断強度残率と65%以上の破断伸び残率を備える優れた特性を有するとともに、耐熱変形性、難燃性および機械的強度にも良好な特性を有する優れた非架橋タイプの難燃性樹脂組成物を提供することができる。
【0035】
また、水酸基含有樹脂として式(1)の分子構成を有する重合体を使用するとき、あるいは、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂として主鎖に無水マレイン酸を共重合させたエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体を使用するとき、さらには、グラフトされたオレフィン重合体として反応性官能基であるエポキシ基を有するエチレン共重合体を主鎖とするとともにアクリロニトリル−スチレン共重合体より構成されるビニル系重合体を側鎖とするグラフト共重合体を使用するとき、あるいは、これらを相互に組み合わせるとき、本発明の実用性はより高められることになり、高度に有用性に富む難燃性樹脂組成物の提供を可能にすることができる。

Claims (6)

  1. ポリオレフィン系樹脂95〜85に対して水酸基含有樹脂が5〜15の重量比で混合されたブレンド物100重量部に対して、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂を5〜10重量部、反応性官能基としてエポキシ基を有するグラフトされたオレフィン重合体を5〜10重量部、および金属水酸化物を80〜150重量部混合して成ることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体より選択される1種、あるいは2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1項記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 前記水酸基含有樹脂は、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物であって、分子鎖中にアセトキシ基および水酸基を有する重合体であることを特徴とする請求項1項記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 前記無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂は、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸三元共重合体であって、主鎖に無水マレイン酸を共重合させた共重合体であることを特徴とする請求項1項記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 前記グラフトされたオレフィン重合体は、エチレン共重合体を主鎖とし、ビニル系重合体を側鎖とするグラフト共重合体であって、前記エチレン共重合体が反応性官能基としてのエポキシ基を有するとともに、前記ビニル系重合体がアクリロニトリル−スチレン共重合体であることを特徴とする請求項1項記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 前記金属水酸化物は、シランカップリング剤で表面処理をされた水酸化マグネシウムあるいは水酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項1項記載の難燃性樹脂組成物。
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