JP3766463B2 - 2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸の鏡像異性体の製造方法 - Google Patents

2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸の鏡像異性体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸の鏡像異性体の製造方法、特に、(R)または(S)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸を、それに対応するアミドの誘導体を1−(4−メチルチオフェニル)−2−アミノ−1,3−プロパンジオールまたはその誘導体を用いて分割することによって製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸は、鎮痛及び抗炎症活性を有する薬剤であり、フルビプロフェン(Flurbiprofen)という国際非専売名で良く知られている(メルクインデックス、第11版、第657頁、No.4124)。
【0003】
過去の文献において、フルビプロフェンの(S)鏡像異性体(以下、(S)−フルビプロフェンと称す)がラセミ化合物よりも治療上の利点を示すことが広範に述べられてきた。更に、より最近では、国際特許出願WO9204018(PAZ製薬会社(Arzneimittelenwicklungsgesellschaft)GmbH)において、(S)−フルビプロフェンが抗炎症特性を有し、またその(R)鏡像異性体(以下、(R)−フルビプロフェンと称す)は鎮痛特性を有することが記載されている。
文献にはフルビプロフェンの鏡像異性体を調製するための幾つかの方法が述べられている。それらの中には、ジアステレオマー塩の分割を含む幾つかの方法も含まれている。
【0004】
米国特許第4,209,638号(ブーツ(Boots)社)には、好適な溶媒中においてフルビプロフェンの塩を窒素有機塩基(例えば、フェニルエチルアミン)と共に加熱して目的とするフルビプロフェン鏡像異性体の割合を高める方法が記載されている。この記載された方法は、実際には、二次(II order)分割(または変換)にその本質とするものであって、溶液中の2種のジアステレオマー塩の間の平衡をこれらの2種の塩の一方を選択的に析出させることによって連続的にシフトし、単一のジアステレオマー塩が100%の理論収率で得られるまでこのシフトを行う(Enantiomers,Racemates and Resolutions、ジェイ・ジャックス(J. Jacques)、エイ・コレット(A. Collet)、及びエス・エィチ・ウイーレン(S. H. Wilen)、ジョン・ウイリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)編、1981年、第6章、369〜377頁)。しかし、プロセス条件が極めて激烈(還流温度で数日間の加熱)で、しかも何れの場合にもラセミ化合物から光学的に純粋な化合物を得ることはできない。
【0005】
米国特許第4,973,745号(メディス・ケム−ファーム・ファブリーク・プュッター(Medice Chem.-Pharm. Fabrik Puetter)GmbH&Co.KG)には、ラセミフルビプロフェンを光学的に純粋な形のトレオ−1−(4−ニトロフェニル)−2−アミノ−1,3−プロパンジオールと混合することによってジアステレオマー塩としてフルビプロフェンの鏡像異性体を分割することが記載されている。
記載された反応条件には、二次分割が含まれておらず、又希望する鏡像異性体を純粋な形で得るためには結晶化を繰り返さなければならない。
【0006】
米国特許第4,983,765号(PAZ製薬会社(Arzneimittelenwicklungsgesellschaft)GmbH)には、フェニルエチルアミンを分割剤として使用することによってジアステレオマー塩を分割してフルビプロフェンの鏡像異性体を分離することが記載されている。
希望の鏡像異性体が高い光学純度で得られる場合でも、それは二次分割でないため分割収率が低い。
【0007】
欧州特許出願第0143371号及び第0182279号(両者ともアルファケミカルズ・イタリアーナ(Alfa Chemicals Italiana)S.p.A.名義)には、ラセミ酸をβ−アミノアルコール、特にS(+)−2−アミノブタノールと反応させることによって得られるジアステレオマーアミドの二次分割による(S)−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオン酸(ナプロキセン(Naproxen)の製造方法が記載されている。
その後、スレーゲル(Slegel)らによって発表された論文(Journalof Pharmaceutical & Biomedical Analysis、第5巻、第7号、665〜673頁、1987年)には、ナプロキセンやフェノプロフェン(Fenoprofen)等の幾つかのアリールアルカノール酸のアミドを1−(4−ニトロフェニル)−2−アミノ−1,3−プロパンジオールと共に使用して、薄膜クロマトグラフィー(TLC)によってアリールアルカノール酸の鏡像異性体を分離できることが報告されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
斯かる実情において、本発明者は鋭意研究を行った結果、ラセミフルビプロフェンを、トレオ−1−(4−メチルチオフェニル)−2−アミノ−1,3−プロパンジオールの好適な誘導体のアミドに変換すれば、その結果として得られるジアステレオマー混合物を二次分割によって分離できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち本発明は、2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸の鏡像異性体を製造する方法であって、
(a) 2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸または次の一般式(1)
【0010】
【化6】
Figure 0003766463
【0011】
〔式中、RはC1 〜C4 アルコキシ基、または塩素若しくは臭素原子であり、アスタリスクは対掌性の炭素原子を示す〕で表されるその誘導体を、トレオ−1−(4−メチルチオフェニル)−2−アミノ−1,3−プロパンジオールまたは次の一般式(2)
【0012】
【化7】
Figure 0003766463
【0013】
〔式中、R1 とR2 は互いに同一であって、水素原子若しくはC1 〜C3 アルキル基を示すか、またはそれらが結合する炭素原子と共にC5 〜C6 シクロアルキル基を形成し、α及びβで示す不斉炭素原子は何れもRまたはS構造を有する〕で表されるその誘導体の光学的に純粋な立体異性体と反応させる工程と、
(b)得られたアミドのジアステレオマー混合物を、次の一般式(3)
【0014】
【化8】
Figure 0003766463
【0015】
〔式中、R1 とR2 は前述の意味を有し、アスタリスクは対掌性の炭素原子を示し、α及びβで示す不斉炭素原子は何れもRまたはS構造を有する〕
で表される対応するケタールの混合物に変換する工程と、
(c)式(3)のケタールの2種のジアステレオマーの一方を選択的に結晶化し、C1 〜C4 のアルコール性溶媒中の等モル量のアルカリ金属C1 〜C4 アルコキシドの存在下、式(3)の2種のジアステレオマーの混合物を加熱することによってアスタリスクによって示した炭素原子を同時にエピ化する工程と、
(d)得られたジアステレオマー性の純粋なケタールを酸加水分解して対応する2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸の鏡像異性体を光学的に純粋な形で得る工程とを含む方法を提供するものである。
また、本発明は、2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸の鏡像異性体を製造する方法であって、上記一般式(3)で表されるケタールの2種のジアステレオマーの一方を選択的に結晶化する工程と、
1 〜C4 のアルコール性溶媒中の等モル量のアルカリ金属C1 〜C4 アルコキシドの存在下、式(3)の2種のジアステレオマーの混合物を加熱することによってアスタリスクによって示した炭素原子を同時にエピ化する工程とを含む方法を提供するものである。
更に、また本発明は、上記一般式(3)で表される化合物を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の方法は、一般式(3)のケタールのジアステレオマー混合物の二次分割から成り、これによりフルビプロフェンの鏡像異性体を光学的に純粋な形で得ることができる。
実際、本発明方法の特徴は、一般式(3)で表されるケタール混合物の溶液中においてエピ化することと、これと同時に溶液中の2種のジアステレオマー性ケタールの一方を選択的に結晶化することにある。
【0017】
このエピ化反応は、アスタリスクで示した対掌性炭素原子、即ち、2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸から誘導された炭素を選択的に含むことは明らかである。エピ化と選択的結晶化とを同時に行うことにより、希望するジアステレオマー性ケタールを得ることができ、従って、対応するフルビプロフェン鏡像異性体を100%の理論収率で得ることができる。これに対し、従来の分割では、理論収率が50%であった。
【0018】
更に、本発明による方法の工程(a)において使用されるトレオ−1−(4−メチルチオフェニル)−2−アミノ−1,3−プロパンジオール(以下、チオミカミン( Thiomicamine )と称す)または一般式(2)で表されるその誘導体の構造を変えることにより、加水分解の後に得られるフルビプロフェンを選択することができることは明らかである。
【0019】
例えば、(S,S)構造を有するトレオチオミカミンまたは一般式(2)で表されるその誘導体を出発物質とし、好適なアルコール性溶媒中で処理を行うことにより、(S,S,S)構造を有する一般式(3)のケタールが析出し、加水分解の後、(S)−フルビプロフェンが得られる。同じアルコール性溶媒を使用した場合でも、(R,R)構造を有するトレオチオミカミンまたは一般式(2)で表されるその誘導体を出発物質とすることにより、(R,R,R)構造を有する一般式(3)のケタールが析出し、加水分解の後、(R)−フルビプロフェンが同じ様にして得られる。
【0020】
本発明による方法の各工程におけるパラメータと特徴的な面を以下に説明する。
工程(a)
この工程は、一般式(1)を一般式(2)と反応させることから成る。
【0021】
出発化合物としては、2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸(フルビプロフェン)または一般式(1)で表されるその誘導体のラセミ混合物だけでなく、2種の鏡像異性体の何れかに富んだ混合物であってもよく、特にラセミ混合物を出発化合物して使用することが好ましい。
【0022】
一般式(1)の任意的な誘導体は、2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸(フルビプロフェン)自体から、エステルまたはアシルハロゲン化物を調製するための慣用の方法によって調製される。
【0023】
Rが塩素原子、またはメトキシ若しくはブトキシ基である式(1)の誘導体を出発化合物として使用することが好ましい。
【0024】
Rが塩素原子である式(1)の誘導体としては、例えば、好適な溶媒中で、かつ触媒量のN,N−ジメチルフォルムアミドの存在下における塩化チオニルとの反応により、2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸からその場で調製でき、また有利である。又、Rがメトキシ若しくはブトキシ基である式(1)の誘導体としては、好適な溶媒中で、かつ触媒量の鉱酸(例えば、硫酸)の存在下における対応するアルコールとの反応によりその場で調製でき、また有利である。得られた一般式(1)の誘導体は、単離や精製を行うことなく、トレオチオミカミンまたは一般式(2)で表されるその誘導体と直接反応させればよい。一般式(2)で表される化合物は、トレオチオミカミンを使用するのが好ましく、トレオチオミカミンまたは一般式(2)で表されるその誘導体の鏡像異性体の両方、即ち、(S,S)構造を有する鏡像異性体と(R,R)構造を有する鏡像異性体の両方を使用できる。使用する鏡像異性体は、得たいと希望するフルビプロフェンの鏡像異性体に従って選択する。
【0025】
トレオチオミカミンまたは一般式(2)で表されるその誘導体との反応は、アミドを調製するための慣用の方法に従って行うことができる。例えば、一般式(1)(R=C1 〜C4 アルコキシ)のエステルを出発化合物として使用し、C1 〜C4 アルコール性溶媒中において、触媒量のアルカリ金属C1 〜C4 アルコキシドの存在下、好適な溶媒中において加熱することによって反応させればよい。
【0026】
アルカリ金属C1 〜C4 アルコキシドとしては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムn−ブトキシド、及びカリウムt−ブトキシドが挙げられる。
【0027】
1 〜C4 アルコール性溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン及び1−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエタンが挙げられる。このうち、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液を使用するのが好ましい。
【0028】
一方、一般式(1)(R=塩素または臭素)のアシルハロゲン化物を使用した場合、好適な有機溶媒中において第三級アミン、好ましくはトリエチルアミンの存在下でトレオチオミカミンと反応させればよい。
【0029】
上記のように、フルビプロフェンまたは一般式(1)で表されるその誘導体のラセミ混合物を出発物質とし、上記した方法でトレオチオミカミンまたはその誘導体(2)と反応させ、フルビプロフェンの2種の対応するジアステレオマーアミドを実質的に1:1の混合物として得る。
【0030】
トレオチオミカミンと一般式(2)で表されるオキサゾリジンは、例えば、欧州特許出願第0130633号(ザンボン(Zambon)S.p.A.)に記載されているように既知の化合物である。
【0031】
工程(b)
この工程は、前工程で得られたアミドのジアステレオマー混合物を、
一般式(3)で表されるケタールの対応する混合物に変換する工程から成る。
【0032】
変換は、ケタール化またはケタール化に続いて行うオキサゾリジン環の公知の開環方法に従って行うことができる。実際には、トレオチオミカミンとの反応によって得られるアミドの場合、対応するケタールへの変換は、例えば、式R1COR2 (R1 とR2 は前述の意味を有する)によって表されるケトンとの反応による直接的なケタール化によって行うことができる。
【0033】
そのような反応は、例えば、触媒量の鉱酸を使用し、脱水剤の存在下、またはその他の水分除去(共沸蒸留)のための通常の条件下で、慣用のケタール化技法によって行われる。
該ケタール化反応としてはトリエチルオルトギ酸と触媒量の硫酸の存在下で行うのが好ましく、ケタール化剤としてはアセトンを使用してR1 とR2 がメチル基である一般式(2)のケタールを得ることがより好ましい。
【0034】
一般式(2)のトレオチオミカミンの誘導体との反応によって得られるアミドの場合、一般式(3)で表される対応するケタールへの変換は、酸を用いた簡単な処理により、単一の工程でのオキサゾリジン環の開環とこれに引き続くケタール化によって行えばよい。
【0035】
一般式(3)のケタールは新規化合物であり、本発明が更に目的とするものである。
一般式(3)で表される好適な化合物は、R1 とR2 が共にメチル基である化合物である。
更に、一般式(3)の化合物は、本発明の方法の特徴の一つとなっている。
【0036】
それらの独自性は、我々の知る限り、本発明による二次の分割を生じさせるフルビプロフェンのアミドの唯一の例であることによって示されている。
事実、トレオチオミカミンとの直接反応によって得たケタール化してないアミドのジアステレオマー混合物、または、例えば2−アミノブタノール等のβ−アミノアルコールとの反応によって得たアミドについて、既に述べた欧州特許出願第0143371号及び第0182279号に記載されたナプロキセンを分割するための方法に従って二次分割を試みたが、何れの場合にもジアステレオマー純度が著しく増加した生成物は得られなかった。
【0037】
工程(c)
この工程は、一般式(3)で表されるケタールの2種のジアステレオマーの一方を選択的に結晶化し、C1 〜C4 アルコール性溶媒中の等モル量のアルカリ金属C1 〜C4 アルコキシドの存在下、一般式(3)の2種のジアステレオマーの混合物を加熱することによってアスタリスクによって示した炭素原子を同時にエピ化する工程から成る。
既に強調したように、この工程は、二次の分割を含み、本発明によるフルビプロフェン鏡像異性体を製造するための全体的な方法の特徴的な部分を構成する。
従って、本発明の好適な目的の一つである。
【0038】
この工程の特徴は、一般式(3)によって表されるケタールの2種のジアステレオマーの一方を選択的に結晶化するのに加え、その場でエピ化も行い、必要とされるジアステレオマーの理論収率を、出発混合物に存在する2種のジアステレオマーの総量に対して100%にすることである。
エピ化が、同じ場所で、即ち同一の結晶化環境で生じることは強調に値することである。実際面から見ると、これは著しい利点をもたらす。何故なら、選択的結晶化とエピ化が同時に起き、その結果得られる最終的に分離される生成物は、希望するジアステレオマーだけであるからである。実際に、本発明による二次分割の収率は常に75〜80%よりも高い。
【0039】
アルカリ金属C1 〜C4 アルコキシドの具体例としては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムn−ブトキシド、及びカリウムt−ブトキシドが挙げられる。
【0040】
1 〜C4 アルコール性溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン及び1−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエタンが挙げられる。このうち、ナトリウムメトキシド(メタノール溶液の形で)のイソプロパノール溶液を使用するのが好ましい。
【0041】
本発明による選択的結晶化及びエピ化の工程の好ましい実施例は以下のとおりである。
メタノール溶液中に等モル量のナトリウムメトキシドを溶解したものを、R1 とR2 がメチル基である一般式(3)のジアステレオマーケタールの1:1混合物を含む溶液に温かい状態で加える。温かい状態を何時間か維持した後、何時間かかけて室温までゆっくり冷却する。冷却段階の間、一般式(3)のケタールの純粋なジアステレオマーの自然に生じる析出を濾過により分離して観察する。
【0042】
工程(d)
この工程では、一般式(3)のジアステレオマーの純粋なケータルを酸加水分解して対応する2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸の鏡像異性体を光学的に純粋な形で得る。
酸加水分解は、好適な溶媒に溶解した濃鉱酸を用いた温かい状態の処理で行い、加水分解は、熱い酢酸に溶解した濃塩酸を用いて行うのが好ましい。また、50℃〜75℃の温度で、3〜5Mの塩酸の酢酸溶液を用いて加水分解を行うことがより好ましい。
本発明の方法による加水分解の条件により、希望するフルビプロフェン鏡像異性体を、前の工程での分割によって得られた一般式(3)のケタールの鏡像異性体と同じ純度で得られることは強調に値する。
【0043】
これは、実際面からみて極めて重要なことである。何故なら、加水分解を行う条件はしばしばラセミ化の条件でもあって、その結果、最終生成物の光学純度が完全にまたは部分的に消失することが知られているからである。
【0044】
【発明の効果】
本発明の方法は、工業的な観点から見て幾つかの利点を有する。
既に強調したその利点の内の代表的なものは、高収率、産業上の利用の容易性、及び多機能性である。本発明の方法は、フルビプロフェン鏡像異性体を分割するための他の既知の方法と大きく異なる。特に、高収率と産業上の利用の容易性を達成できる最大の要因は、工程(c)の実施条件である。実際に、既に強調したように、エピ化は、同じ場所で、即ち、同じ結晶化環境で生じる。実際面から見て、これは顕著な利点を伴う。何故なら、選択的な結晶化とエピ化が同時に生じ、結果として得られる最終的には分離される生成物は、希望のジアステレオマーのみで、これが純粋な形で100%の理論収率で得られるからである。
更に、一般式(3)のジアステレオマーの純粋な化合物を加水分解することにより、既に光学的に純粋で更なる精製を必要としないフルビプロフェン鏡像異性体が産生される。
【0045】
【実施例】
以下、本発明を、実施例により更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
【0046】
実施例1
(RS)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸メチルエステルの調製
磁気攪拌機、温度計及び還流フローレンスフラスコを備えた250cm3 の反応器に、トルエン(78g)、(RS)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸(100g、0.41モル)、メタノール(66g)及び96%硫酸(1g、0.01モル)を窒素雰囲気下、室温で加えた。混合物を約3時間メタノール還流温度に保ち、その後室温まで冷却した。5%のNaOHを用いてアルカリ性とした後、相分離した。脱ミネラル水(200g)を用いて有機相を中和した。真空状態で残渣となるまで蒸発させた後、得られた濃い油を温かい温度(50〜60℃)でイソプロパノール(40g)を用いて取り出した。室温で冷却して沈澱を生じさせ、これを45℃で一夜かけて真空下で乾燥し、標記の(RS)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸メチルエステルを得た(68g、収率64%)。
【0047】
m.p.50〜52℃
1H−NMR(CDCl3 ,300MHz):δ(ppm):153(d,3H,J=7.2Hz);3.70(s,3H);3.75(q,1H,J=7.2Hz);7.10〜7.60(m,8H)
【0048】
実施例2
N−〔(2S,3S)−2−〔1,3−ジヒドロキシ−3−(4−メチルチオフェニル)プロピル〕−2(RS)−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオンアミドの調製
【0049】
磁気攪拌機、温度計及び還流フローレンスフラスコを備えた250cm3 の反応器に、トルエン(150g)、実施例1に記載した方法で調製した(RS)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸メチルエステル(50g、0.19モル)、(1S,2S)−1−(4−メチルチオフェニル)−2−アミノ−1,3−プロパンジオール(48.6g)及び30%メタノールに溶解したナトリウムメトキシド(7g、0.038モル)を窒素雰囲気下、室温で加えた。
メタノールを留出させながら反応混合物を約5時間、85℃に保ち、その後、室温まで冷却し、脱ミネラル水(300g)中に注いだ。
96%のH2 SO4 を用いて酸性化し、相分離した後、脱ミネラル水(100g)を更に用いて有機相を取り出し、真空状態で残渣となるまで蒸発させた。得られた粗生成物であるN−〔(2S,3S)−2−〔1,3−ジヒドロキシ−3−(4−メチルチオフェニル)プロピル〕−2(RS)−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオンアミド(207g)を精製を更に行うことなく次の工程で使用した。
【0050】
実施例3
N−〔(2S,3S)−2−〔1,3−ジヒドロキシ−3−(4−メチルチオフェニル)プロピル〕−2(RS)−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオンアミドの調製
磁気攪拌機、温度計及び還流コンデンサを備えた250cm3 の反応器に、塩化メチレン(78g)、N,N−ジメチルフォルムアミド(0.38g、0.005モル)及び(RS)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸(40g、0.16モル)を窒素雰囲気下、室温で加えた。同じ温度で、塩化チオニル(21.4g、0.18モル)を約15分で加えた。3.5時間後、溶媒と揮発性残渣を減圧下で除去した。得られた油状残渣を塩化メチレン(78g)を用いて取り出した(溶液A)。
磁気攪拌機、温度計及び溶液Aを含む滴下漏斗を備えた第2の500cm3 無水反応器に、塩化メチル(47g)、トリエチルアミン(24.8g、0.25モル)及び(1S,2S)−1−(4−メチルチオフェニル)−2−アミノ−1,3−プロパンジオール(35g、0.16モル)を窒素雰囲気下、室温で加えた。混合物を15℃で冷却し、約60分かけて、溶液Aを滴下した。約30分後、脱ミネラル水(200g)と5Mの塩酸(25g)を同じ温度で加えた。相分離し、塩化メチレン(40g)を用いて水性相を取り出した。
回収した有機相を重曹(50g)の8%水溶液を用いて中和し、真空下で残渣となるまで蒸発を行い、粗生成物であるN−〔(2S,3S)−2−〔1,3−ジヒドロキシ−3−(4−メチルチオフェニル)プロピル〕−2(RS)−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオンアミド(74.3g)を得た。この生成物を精製を更に行うことなく次の工程で使用した。
純粋な分析サンプルを下記のm.p.と 1H−NMRによって特性化した。
【0051】
m.p.112〜116℃
1H−NMR(CDCl3 +D2 O,300MHz):δ(ppm):1.4(d,3H,J=7.1);2.3(s,3H);3.5(q,1H,J=7.1);3.72(dd,1H,J=11.2 J=4.9);3.77(dd,1H,J=11.2 J=5.25);4.04(dddd,1H,J=8.18J=4.9 J=5.25 J=3.05);4.93(d,1H,J=3.05);6.2(d,1H,J=8.18);6.9−7.6(m,12H)
【0052】
実施例4
N−〔(2S,3S)−2−〔1,3−ジヒドロキシ−3−(4−メチルチオフェニル)プロピル〕−2(RS)−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオンアミドの調製
磁気攪拌機、温度計及び還流フローレンスフラスコを備えた250cm3 の反応器に、トルエン(100g)、nブタノール(9.1g、0.123モル)、(RS)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸(20g、0.082モル)、及び96%硫酸(0.42g、0.0041モル)を窒素雰囲気下、室温で加えた。約2mlの水分を留出させながら反応混合物を1.5時間、115℃に保った。反応の最後に、溶媒(25ml)を大気圧で留出して、トルエンのみを反応溶媒とした。15℃に冷却した後、メタノール中の30%ナトリウムメトキシド(3.68g、0.094モル)溶液と(1S,2S)−1−(4−メチルチオフェニル)−2−アミノ−1,3−プロパンジオール(19.2g、0.094モル)を加えた。混合物を3.5時間還流(110℃)下に置き、実施例2に記載した手順に従って粗生成物であるN−〔(2S,3S)−2−〔1,3−ジヒドロキシ−3−(4−メチルチオフェニル)プロピル〕−2(RS)−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオンアミドを分離した。
【0053】
実施例5
(4S,5S)−2,2−ジメチル−4−(4−メチルチオフェニル)−5−N−〔(2RS)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオンアミド〕−1,3−ジオキサンの調製
磁気攪拌機、温度計及び還流コンデンサを備えた500cm3 の反応器に、アセトン(230g)、実施例2、3または4に記載した方法で調製した粗生成物であるN−〔(2S,3S)−2−〔1,3−ジヒドロキシ−3−(4−メチルチオフェニル)プロピル〕−2(RS)−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオンアミド(83.4g、0.19モル)及び96%硫酸(1g、0.01モル)を窒素雰囲気下、室温で加え、引続き同じ温度でトリエチルオルトギ酸(70.3g、0.47モル)を約30分加えた。約14時間の攪拌により、揮発性残渣を真空下で除去し、油状の残渣をトルエン(500g)を用いて取り出した。次いで、8%の重曹(30g)と脱ミネラル水(100g)を加えた。
脱ミネラル水(100g)を用いて有機相を取り出すことにより、相分離した。得られた有機溶液を真空下で残渣となるまで蒸発を行い、粗生成物である(4S,5S)−2,2−ジメチル−4−(4−メチルチオフェニル)−5−N−〔(2RS)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオンアミド〕−1,3−ジオキサン(95g)を得た。この生成物を精製を更に行うことなく次の工程で使用した。
【0054】
実施例6
(4S,5S)−2,2−ジメチル−4−(4−メチルチオフェニル)−5−N−〔(2S)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオンアミド〕−1,3−ジオキサンの調製
磁気攪拌機、温度計、還流コンデンサ、及び滴下漏斗を備えた500cm3 の反応器に、イソプロパノール(39g)、及び実施例5に記載した方法で調製した粗生成物である(4S,5S)−2,2−ジメチル−4−(4−メチルチオフェニル)−5−N−〔(2RS)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオンアミド〕−1,3−ジオキサン(114g)を窒素雰囲気下、室温で加えた。その不均質な混合物を攪拌しながら70℃で加熱し、溶液を得た。この温度で、メタノール中の30%ナトリウムメトキシド(4.5g)溶液を加えた。反応混合物を2時間同じ温度に維持し、約3時間かけて約55℃まで冷却した。この温度で、析出が自然に始まり、約6℃/時間の割合で冷却を継続した。温度が5℃に達した直後、脱ミネラル水(1g)を加え、温度を20℃にした。析出物を濾過し、イソプロパノール(2×4g)を使用して取り出した。オーブン内において真空下60℃で一晩乾燥し、(4S,5S)−2,2−ジメチル−4−(4−メチルチオフェニル)−5−N−〔(2S)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオンアミド〕−1,3−ジオキサン(88g、収率76%(出発物質であるラセミ粗生成物の100%滴定濃度に等しいと仮定して計算)を得た。
【0055】
m.p.132〜137℃
〔α〕D 25=+104°(c=1.0;CHCl3
1H−NMR(CDCl3 ,300MHz):1.34(d,3H,J=7.16);1.43(s,3H);1.51(s,3H,J=7.1);2.3(s,3H);3.44(q,1H,J=7.16);3.83(dd,1H,J=12.21 J=1.87);4.19(ddd,1H,J=9.24 J=1.68 J=1.68 J=1.87);4.21(dd,1H,J=12.21 J=1.68);5.08(d,1H,J=1.68);6.03(d,1H,J=9.24);6.7−7.6(m,12H)
【0056】
実施例7
2(S)−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸の調製
磁気攪拌機、温度計及び還流コンデンサを備えた100cm3 の反応器に、氷酢酸(10.5g)、5Mの塩酸(14g、0.063モル)、及び実施例6に記載した方法で調製した(4S,5S)−2,2−ジメチル−4−(4−メチルチオフェニル)−5−N−〔(2S)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオンアミド〕−1,3−ジオキサン(10g、0.021モル)を窒素雰囲気下、室温で加えた。その不均質な混合物を攪拌しながら70℃で2時間加熱し、透明で均質な溶液を得た。30℃に冷却した後、光学的に純粋な2(S)−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸の小さなシードを加えた。析出後、15℃になるまで冷却を継続し、固形物を濾過して、脱ミネラル水(3×10g)を用いて洗浄した。
得られた湿った固形物をオーブン内で真空下55℃で6時間乾燥して2(S)−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸(3.56g、収率65%(出発物質であるラセミ粗生成物の100%滴定濃度に等しいと仮定して計算)を得た。
【0057】
HPLC滴定値94%(純度99%)
e.e.(HPLC)98%
〔α〕D 25=+44.6°(c=1.03;CHCl3

Claims (16)

  1. 2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸の鏡像異性体を製造する方法であって、
    (a) 2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸または次の一般式(1)
    Figure 0003766463
    〔式中、RはC1 〜C4 アルコキシ基、または塩素若しくは臭素原子であり、アスタリスクは対掌性の炭素原子を示す〕で表されるその誘導体を、トレオ−1−(4−メチルチオフェニル)−2−アミノ−1,3−プロパンジオールまたは次の一般式(2)
    Figure 0003766463
    〔式中、R1 とR2 は互いに同一であって、水素原子若しくはC1 〜C3 アルキル基を示すか、またはそれらが結合する炭素原子と共にC5 〜C6 シクロアルキル基を形成し、α及びβで示す不斉炭素原子は何れもRまたはS構造を有する〕で表されるその誘導体の光学的に純粋な立体異性体と反応させる工程と、
    (b)得られたアミドのジアステレオマー混合物を、次の一般式(3)
    Figure 0003766463
    〔式中、R1 とR2 は前述の意味を有し、アスタリスクは対掌性の炭素原子を示し、α及びβで示す不斉炭素原子は何れもRまたはS構造を有する〕で表される対応するケタールの混合物に変換する工程と、
    (c)式(3)のケタールの2種のジアステレオマーの一方を選択的に結晶化し、C1 〜C4 のアルコール性溶媒中の等モル量のアルカリ金属C1 〜C4 アルコキシドの存在下、式(3)の2種のジアステレオマーの混合物を加熱することによってアスタリスクによって示した炭素原子を同時にエピ化する工程と、
    (d)得られたジアステレオマー性の純粋なケタールを酸加水分解して対応する2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸の鏡像異性体を光学的に純粋な形で得る工程とを含む方法。
  2. 2−(2−フルオロ−4ビフェニル)プロピオン酸または式(1)の化合物のラセミ混合物の形態のものを出発物質として工程(a)を行う、請求項1に記載の方法。
  3. Rが塩素原子またはメトキシ若しくはブトキシ基である式(1)の化合物を出発物質として工程(a)を行う、請求項1に記載の方法。
  4. 工程(a)において、トレオ−1−(4−メチルチオフェニル)−2−アミノ−1,3−プロパンジオールの光学的に純粋な立体異性体を使用する、請求項1に記載の方法。
  5. 互いに同じであるR1 とR2 がメチル基である式(3)のケタールを工程(c)で使用する、請求項1に記載の方法。
  6. アルカリ金属C1 〜C4 アルコキシドが、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムn−ブトキシド、及びカリウムt−ブトキシドから選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 1 〜C4 アルコール性溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン及び1−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエタンから選択される、請求項1に記載の方法。
  8. イソプロパノールに溶解したナトリウムメトキシドを工程(c)において使用する、請求項1に記載の方法。
  9. 工程(d)において、温酢酸中に溶解した濃塩酸を用いて加水分解を行う、請求項1に記載の方法。
  10. 2−(2−フルオロ−4−ビフェニル)プロピオン酸の鏡像異性体を製造する方法であって、次の一般式(3)
    Figure 0003766463
    〔式中、R1 とR2 は互いに同一であって、水素原子若しくはC1 〜C3 アルキル基を示すか、またはそれらが結合する炭素原子と共にC5 〜C6 シクロアルキル基を形成し、アスタリスクは対掌性の炭素原子を示し、α及びβで示す不斉炭素原子は何れもRまたはS構造を有する〕で表されるケタールの2種のジアステレオマーの一方を選択的に結晶化する工程と、C1 〜C4 のアルコール性溶媒中の等モル量のアルカリ金属C1 〜C4 アルコキシドの存在下、式(3)の2種のジアステレオマーの混合物を加熱することによってアスタリスクによって示した炭素原子を同時にエピ化する工程とを含む方法。
  11. 互いに同じであるR1 とR2 がメチル基である式(3)のケタールを使用する、請求項10に記載の方法。
  12. アルカリ金属C1 〜C4 アルコキシドが、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムn−ブトキシド、及びカリウムt−ブトキシドから選択される、請求項10に記載の方法。
  13. 1 〜C4 アルコール性溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン及び1−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエタンから選択される、請求項10に記載の方法。
  14. イソプロパノールに溶解したナトリウムメトキシドを使用する、請求項10に記載の方法。
  15. 次の一般式(3)
    Figure 0003766463
    〔式中、R1 とR2 は互いに同一であって、水素原子若しくはC1 〜C3 アルキル基を示すか、またはそれらが結合する炭素原子と共にC5 〜C6 シクロアルキル基を形成し、アスタリスクは対掌性の炭素原子を示し、α及びβで示す不斉炭素原子は何れもRまたはS構造を有する〕で表される化合物。
  16. 互いに同じであるR1 とR2 がメチル基である、請求項15に記載の化合物。
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