JP3749382B2 - 非固定式ルーフのシール構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オープンカーなどの車両に取付けられた可動または取外し自在な非固定式ルーフのシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、非固定式ルーフ1である幌が取付けられたオープンカーを示す外観図である。非固定式ルーフ1は折り畳自在の開閉式のルーフであり、開放時には折り畳まれたルーフ1は車体後方側下部(図示しない)に収納され、閉鎖時には図4に示すようにフロントガラス2上端を固定するヘッダ3及びフロントピラー4上端部にルーフ1前端が接するようになっている。
より具体的には、図5及び図6に示すように、フロントピラー4上端部からヘッダ3に沿って取付けられたフロントピラーウェザーストリップ5のコーナー部5Aに、ルーフ1の前端及び側端に沿って取付けられたルーフウェザーストリップ7のコーナー部7Aをルーフ1の閉鎖時には外側から被せて弾接させることで水洩れ防止を図っている。なお、図6は図5のA−A線拡大断面図である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、建付バラツキによって、図7に示すようにフロントピラーウェザーストリップ5に対するルーフウェザーストリップ7の弾接がほとんどないように、両者間に大きな隙間があいた場合には、水Wがルーフウェザーストリップ7のフロントピラーウェザーストリップ5側のシール面を伝って室内に進入するという問題がある。
【0004】
そこで本発明の目的は、建付バラツキが生じても十分なシール性を確保することができる非固定式ルーフのシール構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の非固定式ルーフのシール構造は、可動または取外し自在な非固定式ルーフ(1)を有する車両のフロントピラー(4)上端部からフロントガラス(2)上端を固定するヘッダ(3)に沿って取付けられたフロントピラーウェザーストリップ(5)のコーナー部(5A)に、ルーフ(1)の前端及び側端に沿って取付けられたルーフウェザーストリップ(7)のコーナー部(7A)をルーフ閉鎖時に外側から被せて弾接させるもので、しかもフロントピラーウェザーストリップ(7)の中空部(11)の車外側外面にサイドガラス(9)が当接する外側シールリップ部(12)が突設され、外側シールリップ部(12)と中空部(11)の外面との間に排水溝(15)が形成されてなる非固定式ルーフのシール構造であって、ルーフウェザーストリップ(7)のシール面側からフロントピラーウェザーストリップ(5)側に突起部(20)を下向きに設け、その先端部(20a)の位置を排水溝(15)に相対向する位置に設定し、建付バラツキによりルーフ閉鎖時にフロントピラーウェザーストリップ(5)とルーフウェザーストリップ(7)との間に隙間が生じ、両者が弾接しない場合に、車室外側からルーフウェザーストリップ(7)のシール面を伝わって車室内側に進入しようとする水(W)を、突起部(20)を介してフロントピラーウェザーストリップ(5)の排水溝(15)に落下させて車室内側に進入させないようにしたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載の非固定式ルーフのシール構造は、請求項1に記載の突起部(20)の先端部(20a)の位置を弾接時にフロントピラーウェザーストリップ(5)の中空部(11)及び外側シールリップ部(12)に干渉しない位置に設定したことを特徴とする。
【0007】
なお、上記の括弧内の記号は図面及び後述する発明の実施の形態に記載された記号に対応するものである。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、ルーフウェザーストリップのフロントピラーウェザーストリップ側に突起部を下向きに設け、その先端部の位置をフロントピラーウェザーストリップに形成された排水溝に相対向する位置に設定したので、建付バラツキによりルーフ閉鎖時にフロントピラーウェザーストリップとルーフウェザーストリップとの間に大きな隙間が生じ、両者が弾接しない場合に、車室外側からルーフウェザーストリップのシール面を伝わって車室内側に進入しようとする水は突起部を介してフロントピラーウェザーストリップの排水溝に落下する。したがって、水が車室内側に進入することはない。
なお、ルーフ閉鎖時にフロントピラーウェザーストリップとルーフウェザーストリップとが密着して弾接する場合にはシール性が弾接によって確保されるので特に問題はない。
【0009】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の作用効果に加えて、突起部の先端部の位置を弾接時にフロントピラーウェザーストリップの中空部及び外側シールリップ部に干渉しない位置に設定したので、突起部の形状が経時的に変形することはない。よって、車室外側からの水を正確に排水溝に落下させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。従来例と同一の部分には同一符号を付した。図1は、本発明の実施の形態に係る非固定式ルーフのシール構造であり、図5のA−A線拡大断面図に相当する。
【0011】
本発明の実施の形態に係る非固定式ルーフのシール構造は、可動または取外し自在な非固定式ルーフの一例である折り畳自在の自動開閉式のルーフ1を有するオープンカーのフロントピラー4上端部からフロントガラス2上端を固定するヘッダ3に沿って取付けられたフロントピラーウェザーストリップ5のコーナー部5Aに、ルーフ1の前端及び側端に沿って取付けられたルーフウェザーストリップ7のコーナー部7Aをルーフ閉鎖時に外側から被せて弾接させるシール構造である。
フロントピラーウェザーストリップ7の中空部11の車外側外面にはサイドガラス9が当接する外側シールリップ部12が突設され、また中空部11の車内側外面にはボディパネルに当接する内側シールリップ部13が突設されている。そして、外側シールリップ部12と中空部11の外面との間に排水溝15が形成されている。
【0012】
また、ルーフウェザーストリップ7のシール面側からフロントピラーウェザーストリップ5側には突起部20が下向きに設けられ、しかも突起部20の先端部20aの位置は排水溝15に相対向する位置に設定してある。
より具体的には、突起部20の先端部20aの位置は、ルーフウェザーストリップ7がフロントピラーウェザーストリップ5に弾接する時にフロントピラーウェザーストリップ5の中空部11及び外側シールリップ部12に干渉しない位置にしてある。
【0013】
以上のように構成されたシール構造によれば、フロントピラーウェザーストリップ5とルーフウェザーストリップ7が十分密着して弾接する場合は問題ないが、図2及び図3に示すように、たとえ建付バラツキによりルーフ閉鎖時にフロントピラーウェザーストリップ5とルーフウェザーストリップ7との間に大きな隙間が生じ、フロントピラーウェザーストリップ5とルーフウェザーストリップ7が弾接しない場合にでも、車室外側からルーフウェザーストリップ7のシール面を伝わって車室内側に進入しようとする水Wは突起部20を介してフロントピラーウェザーストリップ5の排水溝15に落下させられるので、水Wが車室内側に進入することが防止される。
【0014】
なお本実施形態例では、突起部20の先端部20aの位置をフロントピラーウェザーストリップ5の中空部11及び外側シールリップ部12に干渉しない位置としたがその位置でシール性が得られるので干渉させることも可能である。ただし、干渉させることにより突起部20の先端部20aの変形を招きその結果、車室外側から伝わってきた水Wが突起部20を超えて車室内側に入らないように注意する必要がある。
【0015】
【発明の効果】
以上のとおり請求項1に記載の発明によれば、たとえ建付バラツキによりルーフ閉鎖時にフロントピラーウェザーストリップとルーフウェザーストリップとの間に大きな隙間が生じ、両者が弾接しない場合が生じても、ルーフウェザーストリップのフロントピラーウェザーストリップ側に下向きに設けられた突起部によって、車室外側からルーフウェザーストリップのシール面を伝わって車室内側に進入しようとする水はフロントピラーウェザーストリップの排水溝に落下するようにされているので、水が車室内側に進入することはない。
よって、シール性に優れた非固定式ルーフのシール構造が提供される。
【0016】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の作用効果に加えて、突起部の先端部の位置を弾接時にフロントピラーウェザーストリップの中空部及び外側シールリップ部に干渉しない位置に設定したので、突起部の形状が経時的に変形することはない。よって、車室外側からの水を正確に排水溝に落下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る非固定式ルーフのシール構造を示す、図5のA−A線拡大断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る非固定式ルーフのシール構造において、フロントピラーウェザーストリップに対するルーフウェザーストリップの弾接がない状態を示す、図5のA−A線拡大断面図である。
【図3】図2において水の流れを示す断面図である。
【図4】オープンカーを示す外観斜視図である。
【図5】非固定式ルーフのシール構造を示す斜視図である。
【図6】従来例に係る非固定式ルーフのシール構造を示す、図5のA−A線拡大断面図である。
【図7】従来例に係る非固定式ルーフのシール構造において、フロントピラーウェザーストリップに対するルーフウェザーストリップの弾接がない状態を示す、図5のA−A線拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ルーフ
2 フロントガラス
3 ヘッダ
4 フロントピラー
5 フロントピラーウェザーストリップ
5A コーナー部
7 ルーフウェザーストリップ
7A コーナー部
9 サイドガラス
11 中空部
12 外側シールリップ部
13 内側シールリップ部
15 排水溝
20 突起部
20a 先端部
W 水
Claims (2)
- 可動または取外し自在な非固定式ルーフを有する車両のフロントピラー上端部からフロントガラス上端を固定するヘッダに沿って取付けられたフロントピラーウェザーストリップのコーナー部に、前記ルーフの前端及び側端に沿って取付けられたルーフウェザーストリップのコーナー部をルーフ閉鎖時に外側から被せて弾接させるもので、しかも前記フロントピラーウェザーストリップの中空部の車外側外面にサイドガラスが当接する外側シールリップ部が突設され、該外側シールリップ部と前記中空部の外面との間に排水溝が形成されてなる非固定式ルーフのシール構造であって、
前記ルーフウェザーストリップのシール面側から前記フロントピラーウェザーストリップ側に突起部を下向きに設け、その先端部の位置を前記排水溝に相対向する位置に設定し、
建付バラツキによりルーフ閉鎖時に前記フロントピラーウェザーストリップと前記ルーフウェザーストリップとの間に隙間が生じ、両者が弾接しない場合に、車室外側からルーフウェザーストリップのシール面を伝わって車室内側に進入しようとする水を、前記突起部を介してフロントピラーウェザーストリップの排水溝に落下させて車室内側に進入させないようにしたことを特徴とする非固定式ルーフのシール構造。 - 前記突起部の先端部の位置を前記弾接時にフロントピラーウェザーストリップの中空部及び外側シールリップ部に干渉しない位置に設定したことを特徴とする請求項1に記載の非固定式ルーフのシール構造。
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1998
- 1998-08-04 JP JP23365498A patent/JP3749382B2/ja not_active Expired - Fee Related
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