JP3746207B2 - シート型マイクロリアクタ及びモバイル型化学分析装置 - Google Patents

シート型マイクロリアクタ及びモバイル型化学分析装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小な領域において、化学的、生物学的、生化学的あるいは物理学的な状態の変化を生じさせる新規なシート型マイクロリアクタ及びそれを用いたモバイル型化学分析装置に関し、例えば、カップリング反応、有機金属反応、触媒合成反応、電解合成反応、酸アルカリ分解、電気分解、血液検査、感染症診断、遺伝子診断、遺伝子解析、遺伝子合成、メカノフュージョンなどを行うために使用するシート型マイクロリアクタ及びバック等に入れて持ち運びが出来、収納性が良いモバイル型化学分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学反応や生化学反応を少ない反応液や検体でより効率良く実施するために、反応容器を微小にするコンセプトが提案され、大学、企業などの研究機関で研究および開発されている。前記の微少な反応容器と、同じくして小型化したその周辺機器、すなわち反応容器に取り付けられる液送装置や加熱装置、温度センサーや流量センサー、分光装置などを含めてマイクロリアクタと呼ばれている。マイクロリアクタを構成する方法として主流となっているものが、シリコンのウェットエッチング法により、流路や反応槽、さらには送液用のポンプまでも形成するマイクロマシニングである。
【0003】
最近では、さらに微細な構造を形成するためにリアクティブイオンエッチングなどのドライプロセスの使用も増加している。一方、シリコン以外のマイクロリアクタ用の材質としては、ガラス、樹脂、金属など様々な材料に関して研究されているが、医療に関係する生化学反応などは個々の検体のコンタミネーションを防ぐためにもディスポーザブルの方が都合よい。そのため量産性が良く、安価な樹脂を素材とするマイクロリアクタの開発も増加している。
【0004】
シリコンの異方性エッチングを使用したマイクロリアクタアーとしては、特開平10−337173公報に記載されている。また、光造形ファブリケーションを利用して光造形樹脂の微小立体構造の作成方法が特開平7−329188公報に記載されている。また、特表2000−515630公報には、ベースユニット、アダプタおよび基板を備え、アダプタはベースユニット上の取り付け領域に取り付けられ、基板はアダプタ上の取り付け領域に取り付けられ、アダプタによってベースユニットは非常に様々な異なる基板とインターフェイスをとることが可能になり、それによって化学的および生化学的分析および調整手順を行うことが可能になる分析システムについて記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のマイクロリアクタや分析システムに関して解決しなければならない以下の3つの課題がある。
【0006】
(1)マイクロリアクタや分析システムの用途が生化学分析などを対象としている場合で、ディスポーザブルの方が都合良く、消費数量も多数量に及ぶ場合などでは、反応に不必要なバルク部分は極力省略して、より省スペースにし、なおかつ取り扱いし易く、コストが安いことである。上記のシリコン製マイクロリアクタでは、加工素材のシリコンウエハの大きさ等にもよるが、コスト低減には限界がある。また、シリコンは脆性材料であるため、省スペース化するために薄型にすればするほど割れ易くなり、取り扱いが困難になる。また、樹脂成形の場合は、成形の方法にもよるが、大量生産性の高い射出成形などでは、溶融樹脂を流すためにある程度の隙間が必要なことから、薄型にするには限界がある。
【0007】
(2)マイクロリアクタや分析システムの用途が、強酸や強アルカリなどを扱う場合で、さらに発熱を伴う場合などでは、素材に耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性が要求される。シリコンマイクロリアクタでは、特に強アルカリに対して弱いため、そのままでは使用困難であり、耐アルカリ性の金や白金コーティングなどを施す必要があるが、微細な流路にコーティングを施すには多くの技術課題がある。
【0008】
(3)大量生産による生産性の向上とコスト低減が重要となるマイクロリアクタや分析システムの場合で、例えば、毎朝、毎晩自宅で検査し、なおかつディスポーザブルが良い在宅健康検査や、食品の鮮度や安全性を検査するような場合などでは、生産コストを下げることが重要になる。射出成形を利用した樹脂製マイクロリアクタなどは、シリコン製マイクロリアクタよりも安価に生産出来るが、射出成形においても金型の製作費が高かったり、排気装置や油圧装置など大掛かりとなる。そのため、設備費、メンテナンス費、維持費等を易くする必要がある。
【0009】
特開平10−337173公報に記載のマイクロリアクタをディスポーザブルが主体となる医療分野に適用するには、生産性とコストの低減が必要となるが、シリコンのマイクロマシニングでは、素材費の低減に限界がある。また、特開平7−329188公報に記載の光造形ファブリケーション法では、製作前後で光硬化性樹脂の出し入れを必要とし、さらに、製造品の洗浄などの工程が必要であるため、これらの工程を削除し、生産性を高めることは課題である。また、特表2000―515630公報に記載の分析システムはコンパクトではあるが、収納性に乏しく、携帯して持ち運ぶには適していない。
【0010】
本発明の目的は、省スペースで、高い生産性を有し、かつ簡便に血液検査、化学反応を実施することが可能なシート型マイクロリアクタとそれを用いたモバイル型化学検査装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数枚の可撓性シートが重なって密着され、重ね合わされた積層体の内部に、液体または気体が通過または保持される非密着部を有し、検体を注入するための非接触部となる第1の空隙部と、試薬が通過する流路となる複数の非密着部となる第2の空隙部と、試薬を保持し化学反応させるための複数の非密着部となる第3の空隙部を有し、該第3の空隙部が設けられている側の表面に前記シート面に沿って回転させる軸となる固定部材が設けられているシート型マイクロリアクタにある。
【0012】
本発明は、前記シート型リアクタにICチップが装着されていること、シートが熱融着樹脂シートであり熱融着によって一体に接合されていること、前記第2の空隙部から前記第1の空隙部への流入、及び前記第3の空隙部から前記第2の空隙部への流入を防止するシート弁が前記第2の空隙部に設けられていることが好ましい。
【0013】
更に、本発明は、前述に記載のシート型マイクロリアクタと、該マイクロリアクタを前記シート面に沿って前記検体に遠心力を与える回転を行う回転駆動手段と、前記遠心分離した前記検体を前記第2の空隙部から第3の空隙部にかけて移動させる移動手段と、前記分離された検体と試薬との反応物に光を照射する発光素子と、前記反応物から出た光を受光する光検出器とを有することを特徴とするモバイル型化学分析装置にある。
【0014】
前記移動手段が、前記遠心分離した前記検体を前記第2の空隙部から第3の空隙部にかけて移動させるスライドバーと、該スライドバーを駆動するスライドバー駆動装置とを有すること、又、前記移動手段が、前記遠心分離した前記検体を前記第2の空隙部から第3の空隙部にかけて移動させる電磁誘導装置であることが好ましい。
【0015】
又、本発明は、前記回転駆動手段、スライドバー駆動装置、発光素子及び光検出器制御する制御回路基板と、これらの電源となるバッテリとを有することが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のモバイル型化学分析装置に使用するシート型マイクロリアクタの斜視図である。このシート型マイクロリアクタ1は、シート1aとシート1bとが張り合わされた構造で、シート1aとシート1bとの接触面に張り合わされず、間隙となりうる部分が残されている。この間隙に検体を注入し、血液や薬品などの検査に供する。シートの材質は、軟質プラスチックや樹脂などで、フレキシブルであれる。シート型マイクロリアクタ1の表面には、検査データの保存、基準データや個人データ読み出しのためのICチップ2が搭載される。また、シート型マイクロリアクタ1にはそれを回転させる軸となる固定板3が取り付けられる。シート型マイクロリアクタ1の回転は、検体注入室4aに注入された検体に対して遠心力を与え、検体を遠心分離させるものである。
【0017】
図2は、図1のシート型マイクロリアクタ1のシート1aとシート1bとを分解した様子を示す斜視図である。シート1aとシート1bとの密着面となる、張り合わされていない部分を示しており、検体注入室4aとなる第1の空隙部、流路4bとなる第2の空隙部、反応槽兼試薬入れ4cとなる第3の空隙部からなる。検体中入室4a、流路4bおよび反応槽兼試薬入れ4cは連結する。シートは、検体の流れや様子が観察されるので、全体が透明の方が良いが、不透明のものを使用するときは、少なくとも、反応槽兼試薬入れ4c部分は、光学検査を行うため透明品を張り合わせる。反応槽兼試薬入れ4cには、予め、検査のための試薬を入れて保持させておく。
【0018】
図3は、図1に示す本発明におけるシート型マイクロリアクタ1の断面A-A、B-B、C-C、D-Dを示す。シート1aとシート1bとの間の間隙は、検体注入室4a、流路4bおよび反応槽兼試薬入れ4cである。
【0019】
検体の注入方法は、小型シリンジ23の注射針を検体注入室4aに突き刺すことにより行う。シート型マイクロリアクタのシート材質が柔軟な場合は、注入後に注射針を引き抜いても孔が閉塞し検体が漏れ出さない。又、シート材質が柔軟で無い場合は、検体注入室部分に乗軟な別材質を予め張り合わせておく。従って、注入口を特別に設ける必要はない。
【0020】
試薬の注入方法は、2種類の構成が有り、一つは検体の注入方法と同様で、シリンジなどで注射針を使って、反応槽兼試薬入れ4cに事前に入れておく。もう一つの方法は、反応槽兼試薬入れ4cに、張り合わせたシートの側面に向かってシート外部と連通する流路を設けておき、その流路から試薬を、例えぱシリンジポンプなどで注入し、注入後に前記流賂を融着して、反応槽兼試薬入れ4cを閉塞する方法である。この場合は、注入口を設けておき、注入後に熱融着で消滅させる。
【0021】
リアクタの繰り返し利用については、検体注入及び試薬と検体との反応は1度だけであるが、反応完了後の光学検査は、何度でも出来る構成になっている。また、ICチップにデータを記録できるため、検査結果のサンプルとデータを同時に保存できる。検査後に、単に捨ててしまうのではなく、保管、収納しておき、必要になれぱICチップからデータを取り出すことが出来る。被検者の疾患回復状況が悪く、治療前に溯って再検査をしたり、学術的な原因追求で色々な検査をするために、既に検査が完了し保管されていたシート状マイクロリアクタから検査後の検体を注射器などで抽出したり、場合によっては、リアクタを破壊して検体を取り出し、再検査や研究に利用することが出来る。
【0022】
図4は、前述のシート型マイクロリアクタ1を用いた実施例であるモバイル型化学分析装置の斜視図であり、上ベース6と下ベース5とを分解した図である。ただし、サイドカバーは省略する。本発明におけるモバイル型化学分析装置とは、前記シート型マイクロリアクタ1、上ベース6および下ベース5とを合わせたセットから成る。下ベース5には、シート型マイクロリアクタ1を乗せて、この上で回転させるプレート7がある。シート型マイクロリアクタ1を回転させるための回転軸8は、図4では下ベース5側に見られるが、この構成では、シート型マイクロリアクタ1に穴を開けなければならないため、実際には、上ベース側に取り付ける。ただし、回転軸8の構成はどちらでもかまわない。上ベース6には、検体注入穴10が設けられ、この穴から小型シリンジにて検体または非検査物をシート型マイクロリアクタ1に注入する。上ベース6には、検体注入孔10の蓋9もある。上ベース6と下ベース5には結合して一体化するためのコネクタ11aおよび11b、12aおよび12bが設けられる。また、下ベース5には、携帯電話や送受信設備と接続するためのソケット13とコンピュータやデータ記憶装置等と接続するためのコネクタ14が側面に設けられる。図4中に記した矢印は、シート型マイクロリアクタ1が回転する様子を示すものである。例えば血液検査の場合は、遠心分離により、血液が血漿と血球に分離される。
【0023】
図5は、前記の血液の遠心分離後の本発明におけるシート型マイクロリアクタ1の斜視図である。シート型マイクロリアクタ1は検体注入室4aと反対側にある固定板3を中心に回転する。そのため、検体注入室4aの血液は、血球30と血漿31に液相分離される。血球30と血漿31との間に隔壁を設けて完全に分離するために加熱したスライドバー15を上から押し当て、シート1aとシート1bとを熱融着する。スライドバー15の加熱温度は、シートの材質によるが、100℃〜300℃程度とする。300℃以上の温度になると、検体成分が変質する。また100℃以下では、熱融着が十分に起こらない。熱融着時間は、検体への影響を少なくするため短い方がよく、1秒を目安とする。
【0024】
図6は、スライドバー15により、血球30と血漿31とを分離する動作を示した断面図と斜視図である。図6(a)でスライドバー15がシート型マイクロリアクタ1に押し付けられて熱融着し、血球30と血漿31が分離される。その後、スライドバー15は、短時間で冷やされる。図6(b)では、血漿31を流路4bを通して、反応槽兼試薬入れ4cに送るためにスライドバー15が反応槽兼試薬入れ4c側に移動している様子を示している。スライドバー15は、しごくように血漿31を移動させる。
【0025】
図7は、前記スライドバー15が移動して、血漿31を移動させる本発明のモバイル型化学反応装置全体図である。サイドカバーは省略してある。上ベース6には、スライドバー駆動装置16、シート型マイクロリアクタ1を回転軸8で押し付けるための加圧機18、血液反応後の光学検査用の発光素子17a、検体注入用で小型シリンジを挿入する孔22が設けられる。下ベース5には、光学検査用の受光素子17b、バッテリ19、遠心分離のためにシート型マイクロリアクタ1を回転させる駆動部20、制御用の回路基板21が設けられる。バッテリ19は交換及び充電可能である。
【0026】
図8は、本発明におけるモバイル型化学検査装置の使用行程の一部を説明する断面図である。はじめ、上ベース6と下ベース5とは分割されている。下ベース5に、シート型マイクロリアクタ1を置き、上ベース6を下ベース5に組み合わせる。この時、回転軸8がシート型マイクロリアクタ1の固定板3に付き当てられて固定される。次に図8(b)に示すように、検体や非検査液を採取した小型シリンジ23を孔22に挿入し、検体をシート型マイクロリアクタ1に注入する。マイクロシリンジの針先端とシート型マイクロリアクタ1の検体注入室4aとの位置合わせは、上ベース6とマイクロシリンジ本体下部で行うよう加工する。その後、シート型マイクロリアクタ1を回転させ遠心分離を行い、遠心分離後は、図7に示すようにシート型マイクロリアクタ1がスライドバー15側に配置され、前記図6及び図7で説明したスライドバー15の行程に移る。
また、図8で上ベース6と下ベース5とが連結される時には、それぞれのコネクタ12aと12bに設けられた電気接点25aと25bとが接触し下ベース5の電源を上ベース6側に供給する。
【0027】
図9は、遠心分離してスライドバー15により移動させた血漿や反応槽兼試薬入れ4cで反応した液が流路4bに逆流しないようにシート弁24a、24bを設けていることを示す斜視図及び断面図である。逆流は、シート弁が図9(c)の状態となって、防止する。通常流れのシート弁は図9(d)に示した状態となる。
【0028】
図10及び図11は、シート型マイクロリアクタ1の製作方法の一例を示す各部品の斜視図で、簡単な流路とリアクタからなる構造の場合を示す。図10は、製作に必要な治具やシートを示す。各シートは、樹脂からなり、熱融着又は、予め接着剤をシートにパターンニングしておいて熱接着可能な材質とする。台座44の上に断熱シート43を置き、その上に流路ロッド42a、42c、42dとリアクタ板42bを置く。流路ロッド42a、42c、42dは、液体が通る流路の型となり、リアクタ板42bは、検体注入室4aや反応槽兼試薬入れ4cの型となる。さらにその上にシート41a、41bを2枚重ねて置き、その上から加熱押し付け型40a、40b、40cで押し付け、シート41a、41bを融着させる。図11に融着前のセット状態を示す。流路ロッド42a、42c、42dとリアクタ板42bの部分は、加熱されないので、融着しない。また、断熱シート43を敷くことにより、加熱押し付け型40a、40b、40cからの熱の逃げを少なくする。なお、逆流防止用のシート弁24a、24bは、片面の半分ずつが融着しないように予めフッ素等軟化温度の高い樹脂を複合またはコーティングしたものを使う。
【0029】
図12は、図10及び図11に示した方法で製作したシートで、流路とリアクタ部分が突出している。シートを横から見ると図12(b)のような形状である。この流路に液体または気体が流れた場合には、2枚のシート間に間隙ができる。この間隙となる空間は、流路ロッド42a、42c、42dやリアクタ板42bの部分がシートから飛び出すことによって形成される。
【0030】
図13は、シート型マイクロしアクタを熱融着によって接合する製作方法を示す斜視図である。熱融着部分をレーザ照射により作成する。図13にレーザ照射機45、集光レンズ46、レーザ光47を示す。レーザ照射を使うことにより、流路を微細化することが可能となり、高密度の検査シートで検査数を増やすことができる。また、加熱押し付け型が必要なくなるため、製作装置も簡素となる。
【0031】
図14は、その他のシート型マイクロしアクタの他の製作方法を示す図である。六角柱の加熱押し付け型48を組み合わせることにより、流路の構成を簡単に変更することができる。図14(b)は流入口60が2個所、流出口1個所、リアクタ1個所の流体回路となる。また、図14(c)も(b)と同様であるが、流れ方が異なる。このように六角柱の加熱押し付け型48を組み合わせを換えれば、流入3個所や、リアクタ3個所等いろいろな組み合わせができ、複雑な反応系にも対応し易くなる。
【0032】
図15は、スライドバー15を使わずにリアクタ部や検体注入室から検体や非検査液を搬送する他の手段による方法を示す斜視図及び断面図である。リアクタ部や検体注入室の上下に電磁コイル49a、49bと配線50を搭載し、電磁誘導で吸引力や反発力を利用して、リアクタや検体注入室の容積を変化させて液体を移動させる。吸引、反発を連続的に繰り返し行えばポンプとして使用することができる。
【0033】
本発明のモバイル型化学検査装置で取り扱う検体の量は、10マイクロリットル〜300マイクロリットルと微量である。装置の大きさは縦横10センチメートル以下高さ3センチメートル以下が好適である。シート型マイクロリアクタの大きさは縦横3センチメートル以下であることが好ましい。
【0034】
本発明のモバイル型化学検査装置のシステムとしては、シート型マイクロリアクタに搭載されたICチップに検査結果、参照用基礎データ、これまでの個人検査データなどが記録、再生、さらに追加できるようになっており、検体とともにシートを保管することによって、ファイルとしての役割を持つ。モバイル型検査装置は、携帯電話や通信機器と接続できるため、検査結果を集中管理センタに送り、全国データと比較参照が可能であるとともに、逐次医師が検査結果を監視することができる。また、コンピュータとの接続が可能であるため、自分でデータを参照することができる。
【0035】
本発明のモバイル型化学検査装置のメリットは、検体や試薬が微量で良く、そのため多種に及ぶ反応や検査が可能である。シートであるため容器が不要である。ディスポーザブルであるため、検体間の汚染がない。また、シート型マイクロリアクタそのものがファイルとなるため廃棄物が少ない。
【0036】
本発明のモバイル型化学検査装置の用途としては、救急車に備え付けて、急病人の搬送中に検査する。小さい診療所に備え付けて、検査センタに出す検査コスト、検査時間を削減する。医師が緊急や通常の往診時に持ち歩いて、現場で検査する。在宅医療用として、家庭で検査してデータを蓄積するとともに、通信で医師に診断してもらい、通院せずに済む。例えば食事療法の効果確認や投薬中の薬の血中濃度確認等。飛行機や長距離列車、船、宇宙船等に備え付けて緊急時対応する。
【0037】
本発明のモバイル型化学検査装置用のシート型マイクロリアクタは、シート状であるのでかさ張らず、収納性が良い。
本発明のシート型マイクロリアクタにおいて上記では、シート2枚の構成としたが、3枚以上を重ね合わせて立体流路として活用することができる。
【0038】
【発明の効果】
上述のように、本発明のモバイル型化学検査装置によって、省スペースで、高い生産性を有し、かつ簡便に血液検査、化学反応を実施することが可能となるシート型マイクロリアクタ及びそれを用いたモバイル型化学検査装置を提供することが出来る。そのため、緊急現場や、航空機や船等での移動時でも検査や分析が出来、在宅医療において活用でき、又、ICチップや携帯電話接続用コネクタを備えているため、データの管理や整理、照合などが短時間で実施できる。更に、シート型マイクロリアクタ自体を検体ファイルとして保存することにより、個人情報としての管理がし易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のモバイル型化学検査装置用シート型マイクロリアタの斜視図。
【図2】 本発明のモバイル型化学検査装置用シート型マイクロリアクタの分解斜視図。
【図3】 シート型マイクロリアクタの断面図。
【図4】 本発明のモバイル型化学検査装置の分解斜視図。
【図5】 本発明のシート型マイクロリアクタ内の血液を遠心分離した後に血球と血漿との分離を説明する斜視図。
【図6】 本発明のシート型マイクロリアクタ内の血液を遠心分離した後に血球と血漿との分離を説明する断面図と斜視図。
【図7】 本発明のモバイル型化学検査装置にシート型マイクロリアクタを装着し、血漿の移動を説明する断面図。
【図8】 本発明のモバイル型化学検査装置にシート型マイクロリアクタを装着し、検体を注入する工程を説明する断面図。
【図9】 本発明のシート型マイクロリアクタに設けた逆流防止シート弁を説明する斜視図及び断面図。
【図10】 本発明のシート型マイクロリアクタ製作に使うシート及び治具類を説明する分解図。
【図11】 本発明のシート型マイクロアレイの製作方法を説明する分解斜視図。
【図12】 本発明のシート型マイクロリアクタを説明する斜視図。
【図13】 本発明の一実施例であるシート型マイクロリアクタの他の製作方法を説明する斜視図。
【図14】 本発明のシート型マイクロリアクタのその他の製作方法を説明する図。
【図15】 本発明の他のシート型マイクロリアクタの送液方法を説明する図。
【符号の説明】
1…シート型マイクロリアクタ、2…ICチップ、3…固定板、4a…検体注入室、4b…流路、4c…反応槽兼試薬入れ、5…下ベース、6…上ベース、7…プレート、8…回転軸、10…検体注入孔、13、14…ソケット、30…血球、31…血漿、16…スライドバー駆動装置、18…加圧機、19…バッテリ、20…駆動部、21…回路基板、23…小型シリンジ、24…シート弁、25…電気接点、40…加圧押し付け型、48…加圧押し付け型。

Claims (9)

  1. 複数枚の可撓性シートが密着して積層された積層体の内部に検体が保持される第1の空隙部、該第1の空隙部に連通した複数の第2の空隙部及び該第2の空隙部に連通し試薬を保持し前記検体との化学反応を行う第3の空隙部を有し、該第3の空隙部が設けられている側の表面に前記シート面に沿って回転させる軸となる固定部材が設けられていることを特徴とするシート型マイクロリアクタ。
  2. 請求項1において、前記積層体内部にICチップが設けられていることを特徴とするシート型マイクロリアクタ。
  3. 請求項1又は2において、前記シートが熱融着樹脂シートであり、熱融着されていることを特徴とするシート型マイクロリアクタ。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記シートが透明であることを特徴とするシート型マイクロリアクタ。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記第2の空隙部から前記第1の空隙部への前記化学反応した液の流入、及び前記第3の空隙部から前記第2の空隙部への前記化学反応した液の流入を防止するシート弁が前記第2の空隙部に設けられていることを特徴とするシート型マイクロリアクタ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のシート型マイクロリアクタと、該マイクロリアクタを前記シート面に沿って前記固定部材を軸として回転させ前記検体に遠心力を与える回転駆動手段と、前記遠心分離した前記検体を前記第2の空隙部から前記第3の空隙部にかけて移動させる前記移動手段と、前記分離された検体と前記試薬との反応物に光を照射する発光素子と、前記反応物から出た光を受光する光検出器とを有することを特徴とするモバイル型化学分析装置。
  7. 請求項6において、前記移動手段が、前記遠心分離した前記検体を前記第2の空隙部から前記第3の空隙部にかけて移動させるスライドバーと、該スライドバーを駆動するスライドバー駆動装置とを有することを特徴とするモバイル型化学分析装置。
  8. 請求項6において、前記移動手段が、前記遠心分離した前記検体を前記第2の空隙部から第3の空隙部にかけて移動させる電磁誘導装置であることを特徴とするモバイル型化学分析装置。
  9. 請求項6〜8のいずれかにおいて、前記回転駆動手段、スライドバー駆動装置、発光素子及び光検出器制御する制御回路基板と、これらの電源となるバッテリとを有することを特徴とするモバイル型化学分析装置。
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