JP3744501B2 - 建築板 - Google Patents

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JP3744501B2
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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,建築物の外壁として施工する建築板であって,特に凹凸模様を形成した意匠表面に塗装を行って形成した建築板に関する。
【0002】
【従来技術】
例えば,建築物の外壁として施工するために量産される建築板においては,単調な仕上り感を避けるために,建築板の意匠表面の凹凸模様,この意匠表面の塗装の仕方等の工夫がなされている。そして,例えば,特許文献1に示すように,上記意匠表面が,自然な外観や,立体的な外観を呈するように努力がなされている。また,特許文献1においては,建築板の意匠表面に凹凸の木目模様を形成し,上記意匠表面の全体に下側塗料層及び上側塗料層を形成した後,上記木目模様の凸部における上側塗料層を掻取り具によって掻き取って,木目模様における凸部と凹部との色彩を異ならせることにより,意匠表面が立体的な外観を呈する建築板を形成している。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−317631号公報
【0004】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記特許文献1の建築板における立体的な外観は,上記木目模様における凸部の突出に対応して形成されたものである。すなわち,上記立体的な外観は,あくまでも上記凸部が上記凹部よりも高く突出することにより形成されたものであり,よりリアリティのある立体的な外観を呈するためには,一層の工夫が必要とされる。
【0005】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,複雑な色外観を呈すると共にリアリティのある立体的な意匠外観を呈することができる建築板を提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】
第1の発明は,木目調を呈するための複数の木目形成凸部を形成してなる木目凹凸模様を有する原板の意匠表面に,下側塗料層及び上側塗料層を順次設けてなると共に,上記意匠表面の一部に上記下側塗料層が露出した露出表面を有してなる建築板において,
各木目形成凸部は,上記木目調の形成方向に直交する横方向断面において,それぞれ上記木目調の中心側に位置する内側壁面が,他方側に位置する外側壁面よりも緩やかな緩傾斜状に形成されており,
上記露出表面は,上記木目形成凸部における上記内側壁面と上記外側壁面との間の頂点部に形成されていることを特徴とする建築板にある(請求項1)。
また,第2の発明は,木目調を呈するための複数の木目形成凸部を形成してなる木目凹凸模様を有する原板の意匠表面に,下側塗料層及び上側塗料層を順次設けてなると共に,上記意匠表面の一部に上記下側塗料層が露出した露出表面を有してなる建築板において,
各木目形成凸部は,上記木目調の形成方向に直交する横方向断面において,それぞれ上記木目調の中心側に位置する内側壁面が,他方側に位置する外側壁面よりも緩やかな緩傾斜状に形成されており,
上記露出表面は,上記内側壁面に形成されていることを特徴とする建築板にある(請求項3)。
【0007】
上記木目調とは,樹木を挽いた断面において,この樹木の内部に形成された年輪により呈する外観とほぼ同様の外観もしくはこれに近似した外観のことをいう。また,上記木目調の中心側とは,この木目調で表現しようとする樹木の中心,すなわち樹木の髄のある側をいう。よって,上記木目調の中心側は,必ずしも上記意匠表面の中心側に位置するものではなく,場合によっては意匠表面の端部に位置することもある。
また,上記木目調の形成方向とは,この木目調が表現しようとする樹木の長手方向(樹木が伸びる方向)のことをいう。
【0008】
本発明の建築板は,上記木目形成凸部により,木材の外観に近似した凹凸外観を形成し,各木目形成凸部の両側の側壁面の傾斜角度に差をつけて,リアリティのある立体的な意匠外観を呈するように形成したものである。
すなわち,本発明の建築板においては,各木目形成凸部における内側壁面を外側壁面よりも緩やかな緩傾斜状に形成している。
【0009】
そして,各木目形成凸部における内側壁面は,上記木目調の中心側を向く明確な方向性を有して形成されており,上記緩傾斜状の内側壁面には光が照射され易く,外側壁面には光が照射され難い状態を形成することができる。そのため,上記木目調の中心側を向く内側壁面は明るい外観を呈し,この中心側とは反対側の他方側を向く外側壁面は暗い外観を呈することができる。
そのため,上記建築板の意匠表面の各木目形成凸部に意図的に陰影効果を発揮させることができ,上記建築板は,リアリティのある立体的な意匠外観を呈することができる。
【0010】
また,上記建築板の意匠表面の一部には上記露出表面が形成されており,上記意匠表面には,上記下側塗料層による色外観と上記上側塗料層による色外観とが混在する。そのため,上記建築板は,複雑な色外観を呈することもできる。
それ故,本発明の建築板は,複雑な色外観を呈すると共にリアリティのある立体的な意匠外観を呈することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記第1,第2の発明において,上記建築板としては,例えば量産を行う無機質建築板がある。また,無機質建築板としては,例えば窯業系建築板がある。
また,上記下側塗料層としては,例えば,上記原板の表面に塗布するシーラー層,又はこのシーラー層の表面に塗布する下塗り層がある。
また,上記上側塗料層としては,例えば,上記シーラー層の表面に塗布する塗料層,又は上記下塗り層の表面に塗布する中塗り層がある。
【0012】
また,上記上側塗料層の色彩又は色調は,上記下側塗料層の色彩又は色調よりも濃くすることができる。そして,上側塗料層は,下側塗料層よりも濃い色外観を呈することができる。また,下側塗料層の色彩又は色調は淡色にし,上側塗料層の色彩又は色調は濃色にすることができる。この場合には,上記露出表面の形成による色外観の違いを一層際立たせることができる。
【0013】
上記第1の発明において,上記露出表面は,上記木目形成凸部における上記内側壁面と上記外側壁面との間の頂点部に形成されている
これにより,上記内側壁面及び外側壁面の傾斜角度の違いによる陰影効果と,上記頂点部における露出表面による色外観とにより,上記建築板は,一層リアリティのある立体的な意匠外観を呈することができる。
【0014】
また,上記露出表面は,上記複数の木目形成凸部のうちの一部の木目形成凸部の頂点部に形成されていることができる。また,上記露出表面は,上記木目形成凸部同士の間における凹部の一部に形成されていることもできる。一方で,上記露出表面が形成された頂点部等以外の意匠表面の部分には,上記下側塗料層の表面を上側塗料層が覆った被覆表面が形成されている。
【0015】
上記第1の発明において,上記露出表面は,上記内側壁面に形成されていることが好ましい(請求項)。また,上記第2の発明において,上記露出表面は,上記内側壁面に形成されている。
これにより,特に上記下側塗料層の色彩又は色調を淡色にし,上記上側塗料層の色彩又は色調を濃色にしたときには,上記露出表面が形成された内側壁面は一層明るい外観を呈し,一方で,上記下側塗料層の表面を上側塗料層が覆った被覆表面が形成された外側壁面は一層暗い外観を呈することができる。そのため,上記各木目形成凸部に,一層明確な陰影効果を発揮させることができ,上記建築板は,一層リアリティのある立体的な意匠外観を呈することができる。
また,上記露出表面は,上記複数の木目形成凸部のうちの一部の木目形成凸部の内側壁面に形成されていることができる。
【0016】
また,上記露出表面は,上記下側塗料層の表面に上記上側塗料層を形成するための塗料を塗布した後,該塗料が乾燥する前に,該塗料を掻取り具により掻き取ることにより形成したものであることが好ましい(請求項4)。
この場合には,上記掻取り具を用いた掻取りにより,上記露出表面を容易に形成することができる。
【0017】
【実施例】
以下に,図面を用いて本発明の建築板にかかる実施例につき説明する。
本例の建築板1は,図1に示すごとく,木目調を呈するための多数の木目形成凸部21,22を形成してなる木目凹凸模様203を有する原板の意匠表面201に,シーラー層としての下側塗料層3,塗料層としての上側塗料層4を順次設けてなるものである。また,建築板1は,上記意匠表面201の一部に,上記下側塗料層3が露出した露出表面101を有しており,その他の部分に,下側塗料層3の表面を上側塗料層4が覆った被覆表面102を有している。
そして,各木目形成凸部21,22は,それらが伸びる木目調の形成方向(木目調の長尺方向)L(図2参照)に直交する横方向断面において,それぞれ上記木目調の中心側Aに位置する内側壁面211,221が,他方側Bに位置する外側壁面212,222よりも緩やかな緩傾斜状に形成されている。
【0018】
以下に,これを詳説する。
図1,図2に示すごとく,本例の建築板1は,量産可能な窯業系建築板1でありながら,木材の外観に近似した凹凸外観を有するものである。また,本例の建築板1は,上記多数の木目形成凸部21,22により木材の外観に近似した凹凸外観を呈する建築板1を形成し,互いに傾斜角度の異なる上記内側壁面211,221と外側壁面212,222との形成により上記凹凸外観に,リアリティのある立体的な意匠外観を持たそうとするものである。
【0019】
上記木目形成凸部21,22は,上記建築板1が表現しようとする木材(樹木)における年輪の晩材部を表現するものであり,各木目形成凸部21,22同士の間の凹部23は,上記年輪の早材部を表現するものである。
上記早材部とは,1年間に形成される1年輪において,春から初夏にかけて樹木の成長が早い時期にできる部分をいい,上記晩材部とは,初夏以後,樹木の生長が緩やかな時期にできる部分をいう。
【0020】
本例の木目形成凸部21,22は,上記年輪の外観を呈する木材(樹木)において,晩材部の硬さが早材部の硬さよりも硬いことに対応して,上記凹部23よりも突出させて形成したものである。
また,上記内側壁面211,221は,樹木の1年輪の形成過程において,早材部から晩材部に移り変わるときの年輪の状態を表現しており,上記外側壁面212,222は,晩材部から早材部に移り変わるときの年輪の状態を表現している。
【0021】
すなわち,上記内側壁面211,221は,早材部から晩材部に移り変わるときには,徐々に年輪の硬さが増加することに対応して形成しており,上記外側壁面212,222は,晩材部から早材部に移り変わるときには,急激に年輪の硬さが減少することに対応して形成したものである。
そして,上記内側壁面211,221及び外側壁面212,222はいずれも傾斜状に形成し,内側壁面211,221の傾斜角度を外側壁面212,222の傾斜角度よりも緩やかに形成した。
【0022】
図1は,上記建築板1を,上記木目調の形成方向(長尺方向)Lに直交する横方向断面において切断して観察した断面説明図である。
同図に示すごとく,上記木目形成凸部21,22は,木目調における柾目部205を呈するための柾目凸部21と,木目調における板目部206を呈するための板目凸部22として形成されている。
また,図2に示すごとく,上記柾目凸部21は,建築板1の一方向にほぼ平行に近い状態で長尺状に形成されている。一方で,上記板目凸部22は,上記意匠表面201の面方向に広がる山状又は波状等の不規則な形状を有して形成されている。また,上記年輪の晩材部は,ほとんどが柾目凸部21として表現されている。
【0023】
本例においては,上記露出表面101は,主に上記板目凸部22における上記内側壁面221,及び内側壁面221と外側壁面222との間の頂点部220に形成されている。また,主に上記柾目凸部21における内側壁面211,外側壁面212及び頂点部210には,上記被覆表面102が形成されている。
【0024】
また,図1に示すごとく,一部の上記凹部23の内面231(特に上記板目凸部22同士の間における凹部23の底面231)には,この内面231よりもさらに陥没した多数の微細凹部24が形成されている。そして,上記一部の凹部23の内面231には,上記露出表面101が形成されており,この内面231における多数の微細凹部24には,上記被覆表面102が形成されている。
【0025】
図3は,樹木をこれが伸びる長手方向に沿って挽いたときに,その切断断面に現れる外観を示す図である。そして,本例の建築板1における木目凹凸模様203は,同図に示すごとく,樹木の中心(髄)Oからずれた位置X1で挽いたときに現れる板目部206と柾目部205とが混在する外観を表現するものである。
一方で,上記木目凹凸模様203は,樹木の中心(髄)Oの位置X0又はその近傍の位置X0を通って挽いたときに現れる柾目部205のみの外観を表現することもできる。
【0026】
以下に,上記建築板1を製造する方法につき説明する。
本例の建築板1の製造方法においては,以下の準備工程,下側塗料層形成工程,上側塗料層形成工程,掻取り工程及びクリアー層形成工程を行って,上記建築板1を製造する。
すなわち,図4,図5に示すごとく,上記準備工程においては,木目調を呈するための多数の木目形成凸部21,22を形成してなる木目凹凸模様203を設けた意匠表面201を有する原板2を準備する。
【0027】
本例の原板2は,セメント質原料(セメント,ケイ酸原料等)に,木質原料(木繊維,木チップ等),添加剤及び水等を混合して混合原料とし,これを成形型の成形板上に散布して成形(フォーミング)したセメント系原板2である。
そして,このセメント系原板2の意匠表面201には,多数の木目形成凸部21,22が形成されている。また,このセメント系原板2の意匠表面201は,全体の木目形成凸部21,22の意匠表面突出高さHが,ほぼ同一の高さになるよう形成した。
なお,本例の意匠表面突出高さHとは,図4に示すごとく,上記セメント系原板2の裏面202から木目形成凸部21,22の頂点部210,220までの高さ(厚み)Hのことをいう。
【0028】
また,図5に示すごとく,上記セメント系原板2の意匠表面201においては,それぞれ上記内側壁面211,221及び外側壁面212,222を有する上記柾目凸部21と上記板目凸部22とにより,木材の外観に近似した複雑でリアリティのある凹凸外観が形成されている。
【0029】
次いで,図6に示すごとく,上記下側塗料層形成工程においては,上記セメント系原板2の意匠表面201に第1塗料30を塗布し,この第1塗料30を乾燥させる。そして,セメント系原板2の意匠表面201の全体,すなわち,上記各木目形成凸部21,22の全体及び各凹部23の全体に,下側塗料層3を形成する。
【0030】
次いで,上記上側塗料層形成工程においては,上記下側塗料層3の表面に第2塗料40を塗布して,上側塗料層4を形成する。
次いで,図7に示すごとく,上記掻取り工程においては,上記セメント系原板2の意匠表面201に当接して第2塗料40の一部を掻き取る掻取り具としての掻取りロール51と,この掻取りロール51に対向配設すると共に,上記セメント系原板2の裏面202に当接するバックアップロール52とを有する掻取り装置5を用いる。
そして,セメント系原板2を,掻取りロール51とバックアップロール52との間の隙間に搬入させたときには,掻取りロール51のロール表面510には,第2塗料40を塗布したセメント系原板2の意匠表面201が当接し,バックアップロール52のロール表面520には,セメント系原板2の裏面202が当接する。
【0031】
そして,図8に示すごとく,上記掻取り工程においては,上記塗布した第2塗料40が乾燥する前に,上記各木目形成凸部21,22に掻取りロール51を当接させる。
このとき,同図に示すごとく,上記柾目凸部21と板目凸部22との意匠表面突出高さHは,略同一になるよう形成されているため,上記掻取りロール51のロール表面510は,各木目形成凸部21,22の頂点部210,220のいずれに対しても接触する。
【0032】
そして,図9に示すごとく,上記木目形成凸部21,22の頂点部210,220及び内側壁面211,221の一部(ほとんどが上記板目凸部22における頂点部220及び内側壁面221の一部)に塗布された第2塗料40は,上記掻取りロール51のロール表面510に付着して掻き取られる。
また,このとき,上記凹部23の一部(ほとんどが上記板目凸部22同士の間における凹部23の底面231の一部)に塗布された第2塗料40も掻き取られることがある。
【0033】
そして,図1,図2に示すごとく,上記掻取りが行われた上記板目凸部22の頂点部220及び内側壁面221,上記板目凸部22同士の間における凹部23の底面231の一部等には,上記下側塗料層3が露出した露出表面101が形成される。
また,上記掻取りが行われていない上記板目凸部22の外側壁面222,上記柾目凸部21,上記凹部23及び上記微細凹部24には,上記下側塗料層3の表面を上記第2塗料40による上側塗料層4が覆った被覆表面102が形成される。特に,上記柾目凸部211の頂点部210に塗布された第2塗料40は,上記掻取りロール51に接触しながらもこの掻取りロール51によって掻き取られずに,柾目凸部211の頂点部210に残存することが多い。
【0034】
このように,上記板目凸部22の内側壁面221に露出表面101が形成された理由としては,板目凸部22の内側壁面221は,図8に示すごとく,上記外側壁面222に対して緩やかな緩傾斜状に形成されていることにより,掻取りロール51に対して接触し易いためであると考えられる。
【0035】
また,上記板目凸部22の頂点部220に露出表面101が形成された理由としては,板目凸部22の頂点部220は,図8に示すごとく,略平坦な平坦面を有しているためであると考えられる。そして,この板目凸部22の頂点部220は,上記掻取りロール51に対して平坦状に比較的広い接触面積で接触し,この板目凸部22の頂点部220に塗布された第2塗料40が掻き取られるため,上記露出表面101が形成されたと考えられる。
上記露出表面101が形成された板目凸部22の頂点部220は,1mm以上の幅の平坦面を有していた。また,各木目形成凸部21,22の全体において,上記平坦面は1〜15mmの幅の範囲内で形成した。
【0036】
また,上記板目凸部22同士の間における凹部23の底面231に露出表面101が形成された理由としては,図8に示すごとく,上記建築板1の上記横方向断面において,この板目凸部22同士の間における凹部23の幅が比較的大きいことにより,上記掻取りロール51に接触するためであると考えられる。
上記露出表面101が形成された凹部23の底面231は,3mm以上の幅を有しており,被覆表面102が形成された凹部23の底面231は3mm未満の幅を有していた。また,凹部23の底面231は,50mm以下の幅の範囲内で形成した。
【0037】
一方で,上記柾目凸部21及び板目凸部22の外側壁面212,222において被覆表面102が形成された理由としては,図8に示すごとく,これらの外側壁面212,222に塗布された第2塗料40には,掻取りロール51がほとんど接触しないためであると考えられる。
【0038】
また,ほとんどの柾目凸部21の内側壁面211,外側壁面212,頂点部210において被覆表面102が形成された理由としては,上記被覆表面102が形成された柾目凸部21の頂点部210は,上記1mm以上の幅の平坦面を有しておらず,その頂点部210がほぼ尖った尖り形状を有していたためであると考えられる。そして,この柾目凸部21に塗布された第2塗料40は,図8に示すごとく,掻取りロール51が柾目凸部21から離れる際に,柾目凸部21へと引っ張られて柾目凸部21に残存するため,上記被覆表面102が形成されたと考えられる。
【0039】
次いで,上記露出表面101及び被覆表面102を形成したセメント系原板2を乾燥させた後には,図示は省略するが,上記クリアー層形成工程として,上記乾燥させた露出表面101及び被覆表面102に,クリアー塗料層を形成するためのクリアー塗料を塗布して乾燥させる。そして,上記セメント系原板2の意匠表面201の最表面に,耐候性等を向上させるためのクリアー塗料層を形成する。
こうして,上記露出表面101及び被覆表面102を有する建築板1を製造することができる。
【0040】
以下に,上記製造方法により製造した建築板1の作用効果につき説明する。
本例の建築板1は,上記木目形成凸部21,22により,木材の外観に近似した凹凸外観を形成し,各木目形成凸部21,22の両側の側壁面211,212,221,222の傾斜角度に差をつけて,リアリティのある立体的な意匠外観を呈するように形成したものである。
すなわち,本例の建築板1においては,各木目形成凸部21,22における内側壁面211,221を外側壁面212,222よりも緩やかな緩傾斜状に形成している。
【0041】
そして,各内側壁面211,221は,上記木目調の中心側Aを向く明確な方向性を有して形成されており,上記緩傾斜状の内側壁面211,221には光が照射され易く,外側壁面212,222には光が照射され難い状態を形成することができる。そのため,上記木目調の中心側Aを向く内側壁面211,221は明るい外観を呈し,この中心側Aとは反対側の他方側Bを向く外側壁面212,222は暗い外観を呈することができる。
【0042】
また,本例においては,上記下側塗料層3を形成するための第1塗料30には淡色の塗料を使用し,上記上側塗料層4を形成するための第2塗料40には濃色の塗料を使用した。そのため,上記板目凸部22においては,上記露出表面101を形成した内側壁面221は一層明るい外観を呈し,上記被覆表面102を形成した外側壁面222は一層暗い外観を呈することができる。これにより,板目凸部22における明暗を鮮明に際立たせることができる。
そのため,上記建築板1の意匠表面201の各木目形成凸部21,22に意図的に陰影効果を発揮させることができ,上記建築板1は,リアリティのある立体的な意匠外観を呈することができる。
【0043】
また,上記露出表面101と被覆表面102との形成により,上記建築板1の意匠表面201には,上記下側塗料層3による色外観と上記上側塗料層4による色外観とが混在する。そのため,上記建築板1は,複雑な色外観を呈することもできる。
それ故,本例の建築板1は,複雑な色外観を呈すると共にリアリティのある立体的な意匠外観を呈することができる。
【0044】
なお,本例においては,図1に示したように,上記露出表面101は主に上記板目凸部22に形成した。一方で,図10に示すごとく,上記露出表面101は,上記柾目凸部21に形成することもできる。
また,図11に示すごとく,上記木目凹凸模様203によって,樹木の長手方向に沿った切断断面の左右いずれかの年輪による外観を表現することもできる。この場合には,上記木目調の中心側Aは,上記建築板1における一方向側Aとなり,各木目形成凸部21,22は,一方向側Aに上記内側壁面211,221を有すると共に,一方向側Aとは反対側の他方向側Bに上記外側壁面212,222を有することとなる。また,上記木目凹凸模様203は,ほとんどが上記柾目凸部21によって形成されたものとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における,建築板を示す断面説明図。
【図2】実施例における,建築板の意匠表面を示す平面図。
【図3】実施例における,樹木を挽いたときの切断断面の状態を示す説明図。
【図4】実施例における,セメント系原板を示す断面説明図。
【図5】実施例における,セメント系原板の意匠表面を示す平面図。
【図6】実施例における,上側塗料層を形成したセメント系原板を示す断面説明図。
【図7】実施例における,塗料の掻取り装置を示す説明図。
【図8】実施例における,セメント系原板の意匠表面に掻取りロールを当接させた状態を示す断面説明図。
【図9】実施例における,セメント系原板の意匠表面から第2塗料を掻き取った状態を示す断面説明図。
【図10】実施例における,柾目凸部にも露出表面を形成した建築板を示す断面説明図。
【図11】実施例における,木目調の中心側を一方向側に有する建築板を示す断面説明図。
【符号の説明】
1...建築板,
101...露出表面,
102...被覆表面,
2...セメント系原板(原板),
201...意匠表面,
202...裏面,
203...木目凹凸模様,
205...柾目部,
206...板目部,
21...柾目凸部(木目形成凸部),
210...頂点部,
211...内側壁面,
212...外側壁面,
22...板目凸部(木目形成凸部),
220...頂点部,
221...内側壁面,
222...外側壁面,
23...凹部,
231...内面(底面),
24...微細凹部,
3...下側塗料層,
30...第1塗料,
4...上側塗料層,
40...第2塗料,
A...中心側,
B...他方側,

Claims (4)

  1. 木目調を呈するための複数の木目形成凸部を形成してなる木目凹凸模様を有する原板の意匠表面に,下側塗料層及び上側塗料層を順次設けてなると共に,上記意匠表面の一部に上記下側塗料層が露出した露出表面を有してなる建築板において,
    各木目形成凸部は,上記木目調の形成方向に直交する横方向断面において,それぞれ上記木目調の中心側に位置する内側壁面が,他方側に位置する外側壁面よりも緩やかな緩傾斜状に形成されており,
    上記露出表面は,上記木目形成凸部における上記内側壁面と上記外側壁面との間の頂点部に形成されていることを特徴とする建築板。
  2. 請求項において,上記露出表面は,上記内側壁面に形成されていることを特徴とする建築板。
  3. 木目調を呈するための複数の木目形成凸部を形成してなる木目凹凸模様を有する原板の意匠表面に,下側塗料層及び上側塗料層を順次設けてなると共に,上記意匠表面の一部に上記下側塗料層が露出した露出表面を有してなる建築板において,
    各木目形成凸部は,上記木目調の形成方向に直交する横方向断面において,それぞれ上記木目調の中心側に位置する内側壁面が,他方側に位置する外側壁面よりも緩やかな緩傾斜状に形成されており,
    上記露出表面は,上記内側壁面に形成されていることを特徴とする建築板。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において,上記露出表面は,上記下側塗料層の表面に上記上側塗料層を形成するための塗料を塗布した後,該塗料が乾燥する前に,該塗料を掻取り具により掻き取ることにより形成したものであることを特徴とする建築板。
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