JP3743397B2 - 画像処理方法、画像処理プログラム、および画像処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

画像処理方法、画像処理プログラム、および画像処理プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真処理の分野において、現像済みフィルムから得られたデジタル画像データに基づいてベタ焼きプリントを作成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、写真フィルム上に記録されているコマ画像を一覧、検索したり、写真の出来の良否を調べることを目的として、複数のコマの画像を構成するピースフィルム(以下、「ピース」という)が一列に密着焼付けされている「ベタ焼きプリント(コンタクトプリント)」と称するものが写真の分野で利用されている。
【0003】
ベタ焼きプリントとは、例えば、一本の写真フィルムを、数コマからなる複数のピースに分割して、各ピースをフレームごと一枚の印画紙に焼き付けをして、写真フィルム上のコマ画像を再現したものである。すなわち、ベタ焼きプリントでは、各コマ画像のみならず、各コマに対応したパーフォレーションおよびDXコードが明確になっている。これにより、ユーザや写真店等は、1本の写真フィルムに記録されている各コマ画像のIDナンバー等を容易に知ることができ、例えば、焼き増し時の写真フィルムでの各コマの検索が容易になる。
【0004】
このようなベタ焼きプリントを作成する方法として、アナログ方式のプリンタで画像を焼き付ける方法がある。この方法は、ベタ焼き専用露光ユニットを用いて行われる。上記ベタ焼き専用露光ユニットとは、印画紙上に写真フィルムを載せ、写真フィルムのサイズにあわせたベタ焼き用プレート(マスク)で写真フィルムを固定し、写真フィルムごと印画紙を露光するものである。ところが、上記方法によれば、写真フィルムを直接露光しなければならないことから、ピースごとの写真フィルムを一旦フィルムホルダーから取り出さなければならないという手間が生じる。
【0005】
ところで、このようなアナログ方式による焼き付け方法における濃度補正は、光源からの露光量を調整することにより行われる。しかし、上記アナログ方式では、一枚の印画紙上に再現される各ピースおよび各ピースを構成する各コマが、同一の光源からの光によって同時かつ一体に焼き付けられるので、コマ画像ごとに画像濃度を調整することができない。したがって、オペレータが、光源の露光量を調整しつつ何度も焼き付けを繰り返し、印画紙上に再現される全コマの濃度について、全体観察を行いながら、適正なプリントとなるような露光タイムを設定しなければならないという手間が生じる。
【0006】
一方、上述した手間を解消する手段として、デジタル方式によるベタ焼きプリントを作成する方法が、例えば、特開平7−250217号公報に開示されている。この方法によれば、写真フィルム(各ピース)をフィルムホルダーに入れたまま、スキャナに画像を読み込ませることができ、デジタル画像データに基づいて印画紙を露光することで、上記ベタ焼きプリントを得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記フィルムホルダーにおいて、ピース単位の写真フィルムをそれぞれ収納するポケット幅は、フィルム幅よりも広く構成されている。したがって、各ポケットに収納されている各写真フィルム(ピース)は、それぞれが異なる方向で傾くことがあり、このような状態でスキャナに画像を読み込ませると、印画紙上に再現される各写真フィルムの方向、傾きが印画紙の長手方向または幅方向に一致しないという問題が生じる。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、デジタル方式によって、フィルムホルダーに収納された写真フィルムからベタ焼きプリントを作成する場合に、印画紙上に再現される写真フィルムの傾き、方向を印画紙の長手方向または幅方向と一致させることができる画像処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理方法は、上記の課題を解決するために、1枚の写真フィルムを複数に分割した各ピースを、フレームごと、1つの画像に取り込んだデジタル画像データを取得し、ベタ焼きプリントを作成するための画像処理方法であって、上記デジタル画像データから得られる画像が示す各画素値に対しての含有画素数を示したヒストグラムを作成するステップと、上記ヒストグラムから上記写真フィルムの非画像領域であるフレームの画素値を検出すると共に、上記写真フィルムのフレームの画素値を基に、上記ピースにおけるいずれか1つの辺を第1辺として特定し、第1辺と基準方向との傾き角θを取得するステップと、上記写真フィルムに対し、傾き角θ分回転処理を行うことにより、ピースの第1辺と基準方向とを一致させるステップとを備え、すべての上記各ピースについて上記3つのステップ行うことを特徴とする。
【0010】
ベタ焼きプリントとは、例えば、一本のフィルムを、数コマからなる複数のピースに分割して、各ピースフィルムをフレームごと一枚の印画紙に焼き付けをして、フィルム上のコマ画像を再現したものである。ここで、上記手順にいう「写真フィルム」は、少なくとも1片以上のフィルムであればよい。また、基準方向は、主走査方向または副走査方向とする。
【0011】
上記手順によれば、写真フィルムからフレームごと、デジタル画像データを取得する。そして、上記デジタル画像データから得られる画像が示す各画素値に対しての含有画素数を示したヒストグラムを作成する。ここで、写真フィルムにおいて、コマ画像に係る画素の取り得る画素値の範囲は広範である一方、フレームに係る画素の取り得る画素値はほぼ一定であるので、上記ヒストグラムにおいて、画素値の偏りの傾向から写真フィルムのフレームに係る画素値を予測することができる。すなわち、上記ヒストグラムから、写真フィルムのフレーム(最端部)の画素値を検出することができる。
【0012】
上記写真フィルムのフレームの画素値を検出できると、該画素値を手がかりとして画像を構成する各画素を探索することにより、上記写真フィルムにおけるいずれか1つの辺を第1辺として特定することができる。これにより、第1辺の方向も明確になるので、上記写真フィルムの第1辺と、基準方向との傾き角θを取得することができる。
【0013】
さらに、上記写真フィルムに対し、傾き角θ分回転処理を行うことにより、上記ピースの第1辺の方向と、基準方向とを一致させることができる。これにより、本発明に係る画像処理方法により得られた画像データに基づいて、ベタ焼きプリントを作成すると、印画紙上に配列される各写真フィルムの方向を基準方向に揃えることが可能になる。ここで、基準方向は主走査方向または副走査方向であるので、印画紙上に配列される各写真フィルムの長手方向または幅方向を、印画紙の長手方向または幅方向と一致させることが可能になる。
【0014】
また、上記手順によれば、写真フィルムを複数のピースに分割し、各ピースを一括して1つの画像に取り込む場合であっても、各ピースに対して上述した処理を実行することで、印画紙上に配列される各ピースの方向を基準方向に揃えることが可能になる。すなわち、印画紙上に配列される各ピースの長手方向または幅方向を、印画紙の長手方向または幅方向と一致させることが可能になる。
【0015】
本発明の画像処理方法は、上記の手順に加えて、上記ピース全体の頂点であって、上記第1辺における一方の頂点から基準方向へ第1の引き出し線を設定すると共に、他方の頂点から、基準方向と直交する方向へ第2の引き出し線を設定し、上記一方の頂点と、第1の引き出し線および第2の引き出し線の交点との間に占める基準方向の画素数から、上記一方の頂点と上記交点との距離nを取得すると共に、上記他方の頂点と、上記交点との間に占める基準方向と直交する方向の画素数から、上記他方の頂点と、上記交点との距離mを取得し、
θ=tan- (m/n)
により、上記第1辺と、基準方向との傾き角θを取得することを特徴としてもよい。
【0016】
上記手順によれば、第1の引き出し線は基準方向と平行になると共に、第2の引き出し線は、基準方向と直交する方向と平行になる。したがって、このような引き出し線を設定することで、第1の引き出し線と第2の引き出し線との交点が直角を形成すると共に、上記2つの引き出し線を底辺にし、上記第1辺を斜辺とした直角三角形を構成することができる。
【0017】
一方、上記第1辺の一方の頂点と、上記交点との間に占める基準方向の画素数から、上記距離nを取得できる。また、上記第1辺の他方の頂点と、上記交点との間に占める基準方向と直交する方向の画素数から、上記距離mを取得できる。
【0018】
さらに、θ=tan- (m/n)より、上記第1辺と第1の引き出し線との傾き角θを求めることができる。ここで、第1の引き出し線は基準方向と平行であるので、θは上記第1辺と基準方向との傾きを示す。
【0019】
本発明の画像処理方法は、上記の手順に加えて、上記ピースの第1辺のサイズHおよび、第1辺と直交する第2辺のサイズWを取得した後、基準方向と平行かつサイズがHである2つの辺と、基準方向と直交する方向と平行かつサイズがWの2つの辺とから構成され、上記ピースと中心が重複する回転後写真フィルムの各座標を設定し、
上記ピースの各座標を(x,y)、回転後写真フィルムの各画素の座標を(x´,y´)とすると、
【0020】
【数2】
Figure 0003743397
【0021】
により、回転後ピースの各画素の座標に対応する上記ピースの各座標位置を算出した後、線形補間により、上記ピースの各座標位置の画素値を算出し、
算出した上記ピースの各座標位置の画素値を、対応する回転後ピースの各画素の座標にはめ込むことにより、上記ピースの回転処理を行うことを特徴としてもよい。
【0022】
上記手順によれば、上記ピースの第1辺のサイズおよび、第1辺と直交する第2辺のサイズWを取得する。これにより、上記ピースと中心を同一にすると共に、基準方向と平行かつサイズがHである2つの辺と、基準方向と直交する方向と平行かつサイズがWである2つの辺とを構成することにより、回転後ピースの各座標を設定することができる。
【0023】
そして、上記ピースの各座標を(x,y)、回転後ピースの各座標を(x´,y´)として、
【0024】
【数3】
Figure 0003743397
【0025】
に上記回転後ピースの各画素の座標値を代入すると、回転後ピースの各画素の座標に対応する、上記ピースの各座標位置を算出することができる。さらに、線形補間処理を行うことで、上記ピースの各座標位置について適切な画素値を算出できる。
【0026】
さらに、算出した上記ピースの各座標位置の画素値を、対応する回転後ピースの各画素の座標にはめ込むことにより、上記ピースの回転処理を行うことができる。ここで、上記手順によれば、まず、回転後ピースの各画素の座標を設定し、これに対応する上記ピースの座標位置を求め、上記座標位置の画素値を線形補間により決定しているので、回転後の各画素の座標を整数に設定することができ、適切な画像処理を行うことができる。
【0027】
本発明の画像処理方法は、上記の手順に加えて、上記第1辺のサイズHは、
H=n/cosθ
により算出することを特徴としてもよい。
【0028】
上記手順によれば、第1の引き出し線と第2の引き出し線との交点が直角を形成すると共に、上記2つの引き出し線を底辺にし、第1辺を斜辺とした直角三角形が構成されている。また、上記傾斜角θは、第1辺と第1の引き出し線とから形成される角であるので、第1辺の一方の頂点と上記交点との基準方向の距離をnとすると、第1辺のサイズHは、H=n/cosθにより算出することができる。
【0029】
本発明の画像処理方法は、上記の手順に加えて、第2辺のサイズWは、基準方向と直交する方向からθ傾いた方向について、第1辺と、第1辺と平行な辺との間の画素数を検出することにより得られることを特徴としてもよい。
【0030】
第1辺は、基準方向から角度θだけ傾いているので、第1辺と直交する辺を第2辺とすると、第2辺は、基準方向と直交する方向から角度θだけ傾いていることになる。したがって、基準方向と直交する方向からθ傾いた方向について、第1辺と、第1辺と平行な辺との画素数を検出することにより、第2辺のサイズW(すなわち、第1辺と、第1辺と平行な辺との間隔)を取得することができる。
【0031】
本発明の画像処理方法は、上記の手順に加えて、上記各ピースは、複数のピースを収納できるフィルムホルダーに収納されていて、フィルムホルダーごと上記写真フィルムからデジタル画像データを取得することを特徴としてもよい。
【0032】
通常、ベタ焼きプリントを作成するために用いられるフィルムホルダーにおいて、ピースをそれぞれ収納するためのポケット幅は、フィルム幅よりも広く構成されている。したがって、各ポケットに収納されている各ピースは、それぞれが異なる方向で傾くことがあり、このような状態でスキャナに画像を読み込ませると、印画紙上に再現される各ピースフィルムの方向、傾きがそれぞれ一致しない。ところが、上記手順によれば、デジタル画像データを取得するときの各ピースの方向がバラバラであっても、印画紙上に配列される各ピースの長手方向または幅方向を、印画紙の長手方向または幅方向と一致させることができるので、フィルムホルダーごと上記写真フィルムからデジタル画像データを取得しても、上述した問題は起こらない。
【0033】
本発明の画像処理方法は、上記の手順に加えて、写真フィルムのコマ画像を構成する各画素における色成分ごとの画素値を対象に、グレー濃度を示す画素値をバランス値として、
補正後画素値=(平均画素値)−(補正前画素値)+バランス値
により、画素値の補正を行うことを特徴としてもよい。
【0034】
ここで、平均画素値とは、写真フィルムのコマ画像を構成する全画素の画素値の平均値である。
【0035】
フィルムホルダーごと写真フィルムからデジタル画像データを取得した場合、各画素の画素値には、フィルムホルダーに相当する画素値も含まれている。この場合、各画素の画素値のうち、写真フィルムのコマ画像に相当する画素値は画素ごとに異なるが、フィルムホルダーに相当する画素値は画素ごとで一定である。
【0036】
したがって、写真フィルムのコマ画像を構成する各画素における色成分ごとの画素値を対象に、平均画素値から補正前各画素値を減算すると、写真フィルムを構成する各画素において、フィルムホルダーに相当する画素値を補正できる。
【0037】
一方、上記減算により得られた値は、各画素のコマ画像に相当する画素値の平均値を0としたときの、各画素における画素値の高低を示すものである。したがって、写真フィルムのコマ画像を構成する各画素において、上記減算値に、グレー濃度を示す上記バランス値を加算すると、グレーを画像平均濃度とした色調の整った画像、すなわちエバンスの定理に従った画像を得ることができる。
【0038】
本発明の画像処理方法は、上記の手順に加えて、上記写真フィルムには、各コマに対して、コマを識別するための情報を示した読み取り記号が付されていることを特徴としてもよい。
【0039】
上記手順によれば、上記写真フィルムからデジタル画像データを取得すると共に上記読み取り記号を認識することができる。これにより、写真フィルム(各ピース)の配置において、順番/表裏/上下方向等を解析することができる。したがって、上記順番/表裏/上下方向等が正確でない場合、これらを正すようにピース単位でのソート処理、鏡像反転、回転処理を行うことが可能となる。なお、各コマを識別するための情報として、例えば、DXコードが挙げられる。
【0040】
本発明の画像処理方法は、上記の手順に加えて、フィルムの長手方向と直交する方向に、少なくとも1列以上の複数のフィルムを配列すると共に、焼き付け時における各フィルムの縮小率が最も小さくなるように、上記配列数および縮小率を決定することを特徴としてもよい。
【0041】
本発明の画像処理プログラムは、上記の課題を解決するために、上記画像処理方法をコンピュータに実行させるための画像処理プログラムであってもよい。
【0042】
本発明の画像処理プログラムを記録した記録媒体は、上記の課題を解決するために、上記画像処理プログラムをコンピュータに読み取り可能に記録してなることを特徴としてもよい。
【0043】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本実施の形態は、図2に示すような複数の保存ポケットから構成されるフィルムホルダー5に収納された、複数の写真フィルム(以下、単に「フィルム」とする)6…から、フィルムホルダーごとスキャンすることにより、デジタル画像データを取得し、該デジタル画像データに画像処理を施した後、該デジタル画像データに基づいて、ベタ焼きプリントを作成するものである。したがって、該デジタル画像データの取得および処理、上記ベタ焼きプリントを作成する露光ユニットの構成について説明し、後に該デジタル画像データの画像処理およびベタ焼きプリントの作成手順について図に基づき説明する。なお、上記複数の写真フィルムとは、1枚の写真フィルムを複数のピースに分割することにより得られるものとする。
【0044】
本発明の実施の一形態について図に基づいて説明すれば、以下のとおりである。図3は、本実施形態の画像出力システムの概略構成を示すブロック図である。上記画像出力システムは、スキャナユニット(以下、「スキャナ」とする)1、画像処理装置2、写真焼付装置3、モニター4を備えた構成となっている。
【0045】
スキャナ1は、図4に示すように、複数のフィルムをコンタクトグラス1a上に設置することで、画像データを読み取るためのいわゆる透過型フラットベットスキャナである。なお、本実施の形態において、複数のフィルムは、上述したフィルムホルダーに収納されたままコンタクトグラス1a上に設置されることとするが、各フィルムをそのままコンタクトグラス1a上に設置してもよい。また、上記フィルムホルダーは、透明材料または半色透明材料からなるポリエチレンで作成されている。これは、上記複数のフィルムをフィルムホルダーに入れたままスキャニングを行えるようにするためである。なお、図2の参照付Cに示すように、フィルムホルダーに付されるメーカーのロゴマークや商標等は、これらによってフィルム6…が隠されないような位置に付されていなければならない。
【0046】
スキャナ1には、カバー1bに光源が備えられていると共に、コンタクトグラス1aの下部にCCD(CCDラインセンサ)1cが備えられている。すなわち、スキャナ1は、コンタクトグラス1a上に設置された複数ピースに、上部から光を照射すると共に、CCD1cが副走査方向に移動しながら複数のピースとコンタクトグラス1aとを透過した光を読み取ることにより、各ピースから色成分(赤、緑、青)ごとのデジタル画像データ(以下、「画像データ」とする)を取得できる。そして、スキャナ1は、読み取った画像データを画像処理装置2に出力する。
【0047】
画像処理装置2は、PC(Personal Computer)などによって構成されており、スキャナ1から送られた画像データに、種々の画像処理を施し、良質な画像データを写真焼付装置3に供給するブロックである。なお、本実施の形態に係るベタ焼きプリントを作成するための画像処理は、画像処理装置2によって実行されるものであるが、この処理の手順は後に詳述する。
【0048】
プリンタとしての写真焼付装置3は、画像処理装置2によって処理がなされた画像データに基づいて感光材料である印画紙を露光することにより、印画紙上に画像を焼き付けるためのブロックである。すなわち、本実施の形態においては、写真焼付装置3が、スキャナ1によって読み込まれた複数のピースに係る画像データに基づいて、印画紙を焼き付けることでいわゆるベタ焼きプリントを作成する。なお、画像データに応じた光を印画紙に照射するヘッドとしては、画像データに応じて画素ごとに印画紙への照射光を変調できる光変調素子が用いられる。このような光変調素子としては、例えばPLZT露光ヘッド、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)、LCD(液晶表示装置)、LED(Light Emitting Diode)パネル、レーザー、FOCRT(Fiber Optic Cathode Ray Tube)、CRT(Cathode Ray Tube)等が挙げられる。
【0049】
なお、写真焼付装置3は、スキャニングと印画紙の露光とを両方行うことができるオートプリンタとして構成してもよい。この場合、画像出力システムを、画像の読み取りから焼付けまでを行うオートプリンタと、画像処理装置2とを接続した構成とすることにより、システムの簡素化を図ることができる。
【0050】
モニター4は、スキャナ1から読み取られた画像、画像処理中の画像、画像処理がなされた画像、システムの動作状況等をオペレータに表示するためのものであり、オペレータがシステム操作を行うためのポインティングデバイス(図示せず)が構成されていてもよい。
【0051】
つぎに、画像処理装置2によって実行される本実施の形態の画像処理について図1に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、以下の処理は、各色成分の画像データに対して、それぞれ同様に行われる。
【0052】
まず、スキャナ1が、フィルムホルダーに収納されている状態の複数のピースをスキャニングし、スキャニングした画像データを画像処理装置へ出力する(S1)。ここで、スキャナ1により、図5に示すような画像が得られたとする。
【0053】
つぎに、画像処理装置2は、得られた画像データについて、図6に示すようなヒストグラムを色成分ごとに作成する(S2)。上記ヒストグラムは、画像が示す各画素値を横軸に、画素数を縦軸に示したものである。さらに、画像処理装置2は、上記ヒストグラムから、フィルムと、フィルムホルダーのみの部分との境目の画素値(以下、「境界画素値」とする)を色成分ごとに検出する。これは、上記ヒストグラムに示す如く、フィルムホルダーのみの部分の画素値および、フィルムのフレーム(非画像領域)の画素値は画素ごとで一定であるので、分布の偏りから上記2つの画素値を予測できると共に、これらの画素値の中間値を境界画素値として検出するものである。なお、ここでは、フィルムと、フィルムホルダーのみの部分との境目の画素値を上記境界画素値としているが、フィルムホルダーを用いずにフィルムから画像データを取得した場合は、フレームを示す画素値を上記境界画素値とする。
【0054】
さらに、画像処理装置2は、フィルムの切り出し処理(S3)を行う。この切り出し処理とは、図7(a)に示すように各フィルムについて、主走査方向(基準方向)と平行な2辺と副走査方向と平行な2辺から構成されると共に、各頂点を通過するような枠を設定し、この枠を構成する辺とフィルム辺との傾きを求め、フィルム幅、フィルム長さを求める処理をいう。この切り出し処理の手順を図1(b)に基づいて説明すると以下の通りである。
【0055】
まず、画像処理装置2は、画像を構成する各画素の画素値を探索していき、図7(a)に示すように、フィルムの左上の画素(一方の頂点)を特定する(S3a)。なお、この探索は、S1において検出した境界画素値に基づいて行われる。また、この特定は、図7(a)に示すように、(1)(2)の方向にフィルムに該当する画素が存在せず、(3)の方向にフィルムに該当する画素が存在する場合の、上記境目画素値を示す画素を特定することにより行われる。
【0056】
つぎに、画像処理装置2は、フィルムの左下の画素(他方の頂点)を特定する(S3b)。この特定は、上記境界画素値に基づいて、図7(b)に示すように、副走査方向に向けて、フィルム左上からフィルムの左辺の画素を順に検出していき、境界画素値が途切れた部分を特定することにより行われる。これにより、上記フィルムの左辺(第1辺)を特定することができる。
【0057】
さらに、画像処理装置2は、図7(c)に示すように、フィルム左上の画素から主走査方向へ第1の引き出し線を設定するとともに、左下の画素から副走査方向へ第2の引き出し線を設定する。そして、上記左上の画素と、第1の引き出し線および第2の引き出し線の交点との間に占める画素数から、上記左上の画素と上記交点との距離nを取得できる。また、上記左下の画素と、上記交点との間に占める副走査方向の画素数から、上記左下の画素と上記交点との距離mを取得することができる。これにより、画像処理装置2は、
θ=tan- (m/n)
により、主走査方向に対するフィルムの傾きθを求めることができる(S3c)。
【0058】
また、画像処理装置2は、副走査方向に対してθ傾いた方向における、フィルム左辺から右辺の距離(画素数)、すなわち上辺(第2辺)のサイズWを探索できる。これは、フィルム幅方向のサイズW(以下、フィルム幅Wとする)を算出したものといえる(S3d)。また、画像処理装置2は、H=n/cosθの演算により、フィルムの長手方向の長さ、すなわち左辺のサイズH(以下、「フィルム長さ」とする)を求めることができる(S3e)。以上のような処理を行い、傾きθ、フィルム幅W、フィルム長さHを求めることにより、図1(a)のS2の切り出し処理は完了する。
【0059】
そして、画像処理装置2は、アフィン変換により、フィルムをθだけ回転させ、フィルムの幅方向(第2辺の方向)と副走査方向とを一致させ、フィルムの長手方向(第1辺の方向)と主走査方向とを一致させる回転処理を行う(S4)。この処理を図1(c)に基づいて、以下に説明する。
【0060】
まず、画像処理装置2は、フィルム長さHおよびフィルム幅Wから、フィルムの中心に該当する画素を検出し、フィルム中心を原点にすると共に、主走査方向と平行な方向をy軸とし、副走査方向と平行な方向をx軸としたxy座標系を設定する(S4a)。
【0061】
つぎに、画像処理装置2は、原点をフィルムの中心、主走査方向をフィルム長手方向、副走査方向をフィルム幅方向とし、フィルム長さH、幅Wとしたフィルムを回転後フィルムの各画素の座標を設定する(図8中破線)。これにより、画像処理装置2は、回転後フィルムの各画素の座標を特定することができる(S4b)。
【0062】
ここで、画像処理装置2は、アフィン変換により、回転後フィルムの各画素の座標に対応する回転前フィルムの各座標位置を求める(S4c)。回転後フィルムの各画素の座標を(x´,y´)、回転前フィルムの各座標を(x,y)とすると、フィルムをθ回転させるから、以下の式が成立する。
【0063】
【数4】
Figure 0003743397
【0064】
これにより、回転後フィルムの各画素の座標に対応する回転前フィルムの各座標位置(x,y)を求めることができる。
【0065】
さらに、画像処理装置2は、線形補間により、回転前フィルムの上記各座標位置の画素値を算出する(S4d)。ここで、線形補間を行う理由を以下に説明する。回転後フィルムの各画素の座標から回転前フィルムの座標位置を求めた場合、得られる座標位置は小数となる場合が多い。したがって、この値から最適な画素値を求める必要があり、線形補間により、求めた回転前座標位置に係る周囲の画素の画素値に重みを持たせて、最適な画素値を取得するようにしたものである。
【0066】
そして、画像処理装置2は、フィルムの回転を行う(S4e)。この処理は、上記線形補間により求めた回転前フィルムの各座標位置の画素値を、回転後フィルムにおいて対応する各画素の座標に当てはめることによって行われる。以上のような処理を行うことにより、フィルムをθだけ回転させることができる。
【0067】
さらに、画像処理装置2は、スキャナ1から得られた画像データから構成される画像内に含まれる全てのフィルム(ピースフィルム)について、S2〜S4と同様の処理を実行する(S5)。これにより、全てのフィルムの長手方向を主走査方向、フィルムの幅方向を副走査方向に揃えることができる。
【0068】
さらに、各フィルムの方向を揃える処理が完了した後、画像処理装置2は、フィルムのコマ画像を構成する各画素に関して、以下の演算式により画素値の補正を施す。
【0069】
【数5】
Figure 0003743397
【0070】
ここで、平均画素値とは、写真フィルムのコマ画像を構成する全画素の画素値の平均値である。なお、バランス値とは、グレーを示す画素値をいい、上式は、最大出力階調が255の場合のものである。また、ネガフィルムにおいては、画素値の濃淡をそろえなければならないことから、対数変換を行っている。
【0071】
ここで、上記補正においては、ガンマ値をかけることによるガンマ補正を行っていると同時に、フィルムホルダーの色成分を除去する処理も行われている。上記演算によって、フィルムホルダーの色成分を除去する処理がなされる理由を以下に示す。
【0072】
スキャナ1から取り込んだ画像においては、フィルムおよびフィルムを覆うフィルムホルダーも取り込まれている。この場合、フィルムのコマ画像を構成する各画素の画素値は、フィルムに相当する画素値は画素ごとに異なるが、フィルムホルダーに相当する画素値は画素ごとで一定である。したがって、図9に示すように、フィルムのコマ画像を構成する各画素の画素値を対象に、平均画素値から各画素値を減算すると、フィルムホルダーに相当する画素値を補正できる。そして、上記減算により得られた値は、フィルムのコマ画像に相当する画素値の平均値を0としたときの、フィルムのコマ画像に相当する画素値の高低を示すものである。したがって、上記減算により得られた値に上記バランス値を加算すると、グレーを画像平均濃度とした色調の整った画像、すなわちエバンスの定理に従った画像を得ることができる。なお、上記ガンマ値の除算は行わなくても構わない。
【0073】
その後、画像処理装置2は、処理後の画像データをプリンタ3へ出力すると共に、プリンタ3は、上記画像データに基づいて印画紙を露光することにより、各フィルムの方向が整ったベタ焼きプリントを作成することができる。
【0074】
なお、本実施の形態では、ピース単位の複数のフィルムからフレームごと画像を取り込んでいるが、取り込むフィルムの数は少なくとも1つあれば足りる。また、「主走査方向」を副走査方向とすると共に、「副走査方向」を主走査方向とすることも可能である。
【0075】
〔実施の形態2〕
また、画像処理装置2によれば、印画紙のサイズに応じて、印画紙に焼き付けられる各フィルムの焼き付け位置や焼き付けサイズをユーザー設定により変更することが可能である。以下、この処理について説明する。
【0076】
まず、フィルムサイズを等倍率で焼き付ける手順を説明する。この場合、S2の切り出し処理によって、各フィルムの幅Wおよびフィルム長さHは、既に算出されているから、印画紙上の余白部分のサイズさえわかればよい。例えば、図10に示すように、複数のフィルムのうち、2ピースのフィルムのみを等倍率で印画紙に焼き付ける場合について説明する。図中、Pは印画紙を示し、Fはフィルムを示すものとする。なお、別のピースについては他の印画紙に焼き付けることが可能である。
【0077】
図10のようなベタ焼きプリントを作成する場合の余白部分のサイズは以下のようにして求めることができる。
余白X=〔(印画紙幅)−(各フィルムの幅Wの合計)〕/(フィルムの数+1)
余白Y=〔(印画紙長さ)−(MAXフィルムの長さH)〕/2
なお、(MAXフィルムの長さH)は、各フィルムの長さのうち、最も高い値とする。すなわち、各フィルム長さは異なることがあるので、余白Yは最も高い値のフィルムの長さから算出することとし、一方の端部の余白長さを、各フィルムで揃えることしたものである。このようにして余白部分のサイズが定まると、各フィルムの焼き付け位置も必然的に定まることになる。
【0078】
つぎに、複数のフィルムを拡大/縮小して、1枚の印画紙上に収める手順について説明する。この場合は、原画像および印画紙のサイズから拡大/縮小率を算出する。そして、この拡大/縮小率から、焼き付けるフィルムサイズおよび印画紙上の余白部分のサイズを算出することで、上記拡大/縮小を行うことができる。例えば、図11(a)に示す4ピースのフィルムを、図11(b)に示す印画紙へ、フィルムおよび印画紙の幅方向の倍率を基準に、縮小焼き付けを行う場合は、以下の計算手順でフィルムサイズおよび余白部分のサイズを算出する。
(1)幅方向の拡大/縮小
倍率=(印画紙幅)/(原画像幅)
原画像の各フィルム幅×倍率=処理後のフィルム幅
原画像の各フィルム高さ×倍率=処理後のフィルム高さ
原画像の各余白幅×倍率=処理後の余白幅
図11(a)に示す画像について、幅方向の拡大/縮小を行うと、図11(b)の画像を得ることができる。
【0079】
さらに、図11(a)に示す幅方向に並んだ各フィルムを、図11(c)に示すように,フィルム長手方向に並べ替えることも可能である。この場合、フィルムの長さおよび印画紙の長さの倍率を基準にして、縮小焼き付けを行うが、この場合以下の演算により求めることができる。
(2)長手方向の拡大/縮小
倍率=(印画紙長さ)/{[(MAXフィルム長さH)+(原画像の余白長さ)]×(処理後長手方向のフィルムの数)}
原画像の各フィルム長さ×倍率=処理後のフィルム長さ
原画像の各フィルム幅×倍率=処理後のフィルム幅
印画紙長さ−[(処理後フィルムの長さH)×(処理後長さ方向のフィルムの数)]/(処理後長さ方向のフィルムの数+1)=処理後の余白長さ
このような処理を行うことにより、図11(a)に示す原画像から図11(c)に示すようなベタ焼きプリントを得ることが可能になる。
【0080】
ここで、(2)の長手方向の拡大/縮小においては、フィルム数を長手方向に2段としているが、何段であっても構わない。また、(1)(2)の手順を組み合わせて、上記倍率が等倍付近になるように、倍率および、長手方向におけるフィルムの配列数を決定することが好ましい。すなわち、上記の手順によれば、フィルムの長手方向と直交する方向に、少なくとも1列以上の複数のフィルムを配列すると共に、焼き付け時における各フィルムの縮小率が最も小さくなるように、上記配列数および縮小率を決定することが可能となる。
【0081】
〔実施の形態3〕
また、画像処理装置2は、図12に示すように、フィルムの各コマに付されているDXコードによって、原画像におけるフィルムの順番/表裏/上下方向を自動判別できる。さらに、画像処理装置2は、この判別結果に基づき、フィルムの順番/表裏/上下方向が正確でない場合は、ソート、鏡像反転、回転処理により補正することが可能である。以下、この補正処理について図14に基づいて説明する。
【0082】
まず、画像処理装置2は、スキャナ1が取り込んだ画像データから各フィルムの各コマに付されているDXコードを読み取る(S50)。ここで、DXコードを解析できないフィルムについては、表裏逆で画像が読み取られたものと判断することができる(S51,No)。したがって、画像処理装置2は、このようなフィルムを構成する画素に対して、鏡像反転処理を行い(S52)、フィルムを構成する画像の表裏を反転させることができる。
【0083】
つぎに、全てのフィルムのDXコードを解析できた場合(S51,Yes)、またはS52の処理後、画像処理装置2は、DXコードから各フィルムの方向を解析し、逆方向で読み込まれたフィルムについては回転処理(180度)を施すことにより(S53,No)(S54)、各フィルムの方向を整えることができる。
【0084】
さらに、全てのフィルムの方向が整っている場合(S53,Yes)、またはS54の処理後、画像処理装置2は、DXコードから各コマの番号を解析する。そして、画像処理装置2は、ピース単位でフィルムの順序が整っていない場合は(S55,No)、フィルムの順序をピース単位でソートする(S56)。
【0085】
フィルムの順序が整っている場合(S55,Yes)、またはS56の処理後、補正処理を完了する。このような処理を実行することで、各フィルム片が、表裏または上下逆、若しくは番号の若い順にフィルム片が並べられていない状態でフィルムホルダーに収納されていたとしても、画像処理によって、各フィルムの表裏/上下方向/順序をソートすることができる。また、画像処理装置2は、図15に示すように、オペレータの設定に応じて各コマのそばに対応するコマ番号を付する処理を実行したり、DXコードを記述して、画像を出力することもできる。
【0086】
ところで、以上の実施の形態で説明した処理は、プログラムで実現することが可能である。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。本発明では、この記録媒体として、画像処理装置2で処理が行われるために必要な図示していないメモリ(例えばROMそのもの)であってもよいし、また図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであっても構わない。
【0087】
上記いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサ(図示せず)のアクセスにより実行される構成であってもよいし、格納されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムを図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードすることにより、そのプログラムが実行される構成であってもよい。この場合、ダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0088】
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピーディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリーカードを含む)/光カードのカード系、あるいはマスクROM、EPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0089】
最後に、上述した実施の形態は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0090】
【発明の効果】
本発明の画像処理方法は、以上のように、1枚の写真フィルムを複数に分割した各ピースを、フレームごと、1つの画像に取り込んだデジタル画像データを取得し、ベタ焼きプリントを作成するための画像処理方法であって、上記デジタル画像データから得られる画像が示す各画素値に対しての含有画素数を示したヒストグラムを作成するステップと、上記ヒストグラムから上記写真フィルムの非画像領域であるフレームの画素値を検出すると共に、上記写真フィルムのフレームの画素値を基に、上記ピースにおけるいずれか1つの辺を第1辺として特定し、第1辺と基準方向との傾き角θを取得するステップと、上記写真フィルムに対し、傾き角θ分回転処理を行うことにより、ピースの第1辺と基準方向とを一致させるステップとを備え、すべての上記各ピースについて上記3つのステップ行うことを特徴とする。
【0091】
それゆえ、印画紙上に配列される各ピースの長手方向または幅方向を、印画紙の長手方向または幅方向と一致させることが可能になる。
【0092】
本発明の画像処理方法は、上記の手順に加えて、上記第1辺における一方の頂点から基準方向へ第1の引き出し線を設定すると共に、他方の頂点から、基準方向と直交する方向へ第2の引き出し線を設定し、上記一方の頂点と、第1の引き出し線および第2の引き出し線の交点との間に占める基準方向の画素数から、上記一方の頂点と上記交点との距離nを取得すると共に、上記他方の頂点と、上記交点との間に占める基準方向と直交する方向の画素数から、上記他方の頂点と、上記交点との距離mを取得し、
θ=tan- (m/n)
により、上記第1辺と、基準方向との傾き角θを取得することを特徴としてもよい。
【0093】
それゆえ、θ=tan- (m/n)より、上記第1辺と第1の引き出し線との傾き角θを求めることができる。ここで、第1の引き出し線は基準方向と平行であるので、θは上記第1辺と基準方向との傾きを示す。
【0094】
本発明の画像処理方法は、以上のように、上記ピースの第1辺のサイズHおよび、第1辺と直交する第2辺のサイズWを取得した後、基準方向と平行かつサイズがHである2つの辺と、基準方向と直交する方向と平行かつサイズがWの2つの辺とから構成され、上記ピースと中心が重複する回転後ピースの各座標を設定し、
上記ピースの各座標を(x,y)、回転後ピースの各画素の座標を(x´,y´)とすると、
【0095】
【数6】
Figure 0003743397
【0096】
により、回転後ピースの各画素の座標に対応する上記ピースの各座標位置を算出した後、線形補間により、上記ピースの各座標位置の画素値を算出し、
算出した上記ピースの各座標位置の画素値を、対応する回転後ピースの各画素の座標にはめ込むことにより、上記ピースの回転処理を行うことを特徴としてもよい。
【0097】
それゆえ、回転後の各画素の座標を整数に設定することができ、適切な画像処理を行うことができる。
【0098】
本発明の画像処理方法は、上記の手順に加えて、上記第1辺のサイズHは、
H=n/cosθ
により算出することを特徴としてもよい。
【0099】
それゆえ、上記傾斜角θは、第1辺と第1の引き出し線とから形成される角であるので、第1辺の一方の頂点と上記交点との基準方向の距離をnとすると、第1辺のサイズHは、H=n/cosθにより算出することができる。
【0100】
本発明の画像処理方法は、上記の手順に加えて、第2辺のサイズWは、基準方向と直交する方向からθ傾いた方向について、第1辺と、第1辺と平行な辺との間の画素数を検出することにより得られることを特徴としてもよい。
【0101】
それゆえ、基準方向と直交する方向からθ傾いた方向について、第1辺と、第1辺と平行な辺との画素数を検出することにより、第2辺のサイズW(すなわち、第1辺と、第1辺と平行な辺との間隔)を取得することができる。
【0102】
本発明の画像処理方法は、上記の手順に加えて、上記各ピースは、複数のピースを収納できるフィルムホルダーに収納されていて、フィルムホルダーごと上記写真フィルムからデジタル画像データを取得することを特徴としてもよい。
【0103】
それゆえ、デジタル画像データを取得するときの各ピースの方向がバラバラであっても、印画紙上に配列される各ピースの長手方向または幅方向を、印画紙の長手方向または幅方向と一致させることができる。
【0104】
本発明の画像処理方法は、上記の手順に加えて、写真フィルムのコマ画像を構成する各画素における色成分ごとの画素値を対象に、グレー濃度を示す画素値をバランス値として、
補正後画素値=(平均画素値)−(補正前各画素値)+バランス値
により、画素値の補正を行うことを特徴としてもよい。
【0105】
それゆえ、グレーを画像平均濃度とした色調の整った画像、すなわちエバンスの定理に従った画像を得ることができる。
【0106】
本発明の画像処理方法は、上記の手順に加えて、上記写真フィルムには、各コマに対して、コマを識別するための情報を示した読み取り記号が付されていることを特徴としてもよい。
【0107】
それゆえ、上記順番/表裏/上下方向等が正確でない場合、これらを正すようにピース単位でのソート処理、鏡像反転、回転処理を行うことが可能となる。
【0108】
本発明の画像処理方法は、上記の手順に加えて、フィルムの長手方向と直交する方向に、少なくとも1列以上の複数のフィルムを配列すると共に、焼き付け時における各フィルムの縮小率が最も小さくなるように、上記配列数および縮小率を決定することを特徴としてもよい。
【0109】
本発明の画像処理プログラムは、上記の課題を解決するために、上記画像処理方法をコンピュータに実行させるための画像処理プログラムであってもよい。
【0110】
本発明の画像処理プログラムを記録した記録媒体は、上記の課題を解決するために、上記画像処理プログラムをコンピュータに読み取り可能に記録してなることを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の実施の一形態に係る画像処理の手順を示したフローチャートであり、(b)は、上記画像処理にて実行されるフィルムの切り出し処理の詳細な手順を示したフローチャートであり、(c)は、上記画像処理にて実行されるフィルムの回転処理を示したフローチャートである。
【図2】 本発明の実施の一形態に係る複数のフィルムおよびフィルムホルダーを示した説明図である。
【図3】 上記画像処理が実行される画像処理システムを示したブロック図である。
【図4】 上記画像処理システムの構成要素であるスキャナ(フラットべットスキャナ)を示した斜視図である。
【図5】 上記スキャナが、複数のフィルムおよびフィルムホルダーをデジタル画像データとして取り込んだ場合に、上記デジタル画像データから再現される画像を示した説明図である。
【図6】 上記デジタル画像データから色成分ごとに作成されるヒストグラムであって、縦軸は画素数を示し、横軸は画素値を示す。
【図7】 上記フィルムの切り出し処理を示した説明図であり、(a)はフィルムの左上を特定する処理を示し、(b)はフィルムの左下を特定する処理を示し、(c)は、引き出し線の距離から傾き角を算出する処理を示し、(d)は、フィルム長さおよびフィルム幅Wを取得する処理を示す。
【図8】 上記フィルムの回転処理を示した説明図である。
【図9】 上記画像処理にてなされる、フィルムに係る画像を構成する各画素の画素値の補正処理を示した説明図である。
【図10】 他の実施の形態に係る画像処理にて、2ピースのフィルムを等倍率で印画紙上に焼き付けるイメージを示した説明図である。
【図11】 上記画像処理にて、フィルムの縮小焼き付けを行うイメージを示した説明図であり、(a)は原画像を示し、(b)は印画紙幅と原画像幅とから倍率を求めて縮小焼き付けを行うイメージを示し、(c)は印画紙高さと原画像高さとから倍率を求めて縮小焼き付けを行うイメージを示したものである。
【図12】 上記フィルムに付されているDXコードを示した説明図である。
【図13】 さらに他の実施の形態に係る画像処理にて実行される、180°回転、鏡像反転、ソートを示した説明図である。
【図14】 上記画像処理にて実行される手順を示したフローチャートである。
【図15】 上記画像処理後の画像データから得られるベタ焼きプリントを示した説明図である。
【符号の説明】
1 スキャナ
2 画像処理装置
3 写真焼付装置
4 モニター

Claims (11)

  1. 1枚の写真フィルムを複数に分割した各ピースを、フレームごと、1つの画像に取り込んだデジタル画像データを取得し、ベタ焼きプリントを作成するための画像処理方法であって、
    上記デジタル画像データから得られる画像が示す各画素値に対しての含有画素数を示したヒストグラムを作成するステップと、
    上記ヒストグラムから上記写真フィルムの非画像領域であるフレームの画素値を検出すると共に、上記写真フィルムのフレームの画素値を基に、上記ピースにおけるいずれか1つの辺を第1辺として特定し、第1辺と基準方向との傾き角θを取得するステップと、
    上記写真フィルムに対し、傾き角θ分回転処理を行うことにより、ピースの第1辺と基準方向とを一致させるステップとを備え、すべての上記各ピースについて上記3つのステップを行うことを特徴とする画像処理方法。
  2. 上記ピース全体の頂点であって、上記第1辺における一方の頂点から基準方向へ第1の引き出し線を設定すると共に、他方の頂点から、基準方向と直交する方向へ第2の引き出し線を設定し、
    上記一方の頂点と、第1の引き出し線および第2の引き出し線の交点との間に占める基準方向の画素数から、上記一方の頂点と上記交点との距離nを取得すると共に、上記他方の頂点と、上記交点との間に占める基準方向と直交する方向の画素数から、上記他方の頂点と、上記交点との距離mを取得し、
    θ=tan- (m/n)
    により、上記第1辺と、基準方向との傾き角θを取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 上記ピースの第1辺のサイズHおよび、第1辺と直交する第2辺のサイズWを取得した後、
    基準方向と平行かつサイズがHである2つの辺と、基準方向と直交する方向と平行かつサイズがWの2つの辺とから構成され、上記ピースと中心が重複する回転後ピースの各座標を設定し、
    上記ピースの各座標を(x,y)、回転後ピースの各画素の座標を(x´,y´)とすると、
    Figure 0003743397
    により、回転後ピースの各画素の座標に対応する上記ピースの各座標位置を算出した後、線形補間により、上記ピースの各座標位置の画素値を算出し、
    算出した上記ピースの各座標位置の画素値を、対応する回転後ピースの各画素の座標にはめ込むことにより、上記ピースの回転処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。
  4. 上記第1辺のサイズHは、
    H=n/cosθ
    により算出することを特徴とする請求項3に記載の画像処理方法。
  5. 第2辺のサイズWは、基準方向と直交する方向からθ傾いた方向について、第1辺と、第1辺と平行な辺との間の画素数を検出することにより得られることを特徴とする請求項3または4に記載の画像処理方法。
  6. 上記各ピースは、複数のピースを収納できるフィルムホルダーに収納されていて、フィルムホルダーごと上記写真フィルムからデジタル画像データを取得することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  7. 写真フィルムのコマ画像を構成する各画素における色成分ごとの画素値を対象に、グレー濃度を示す画素値をバランス値として、
    補正後画素値=(平均画素値)−(補正前画素値)+バランス値
    により、画素値の補正を行うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  8. フィルムの長手方向と直交する方向に、少なくとも1列以上の複数のフィルムを配列すると共に、
    焼き付け時における各フィルムの縮小率が最も小さくなるように、上記配列数および縮小率を決定することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  9. 上記写真フィルムには、各コマに対して、コマを識別するための情報を示した読み取り記号が付されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
  11. 請求項10に記載の画像処理プログラムをコンピュータに読み取り可能に記録してなることを特徴とする画像処理プログラムを記録した記録媒体。
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