JP3739848B2 - 一群の物品を担持するための担持器具 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は全体的に、飲料または食物等を保持する缶または瓶等の物品(item)のグループ用の新規なプラスチック製担持器具に関する。本発明は特に、プラスチック製担持器具であって、物品をグループにまとめると共に、各物品上の個別のバーコードが典型的なレーザ形バーコードリーダ（レーザ形バーコード読み取り機）のビームによって読み取られることを防止する、プラスチック製担持器具に関する。
【０００２】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
物品に関する情報、例えば価格が、バーコードリーダのビームによってバーコードを走査することにより容易かつ迅速に読み取られることができるように、バーコードが物品上に広範に使用されている。バーコードが走査されると、バーコード番号がコンピュータに入力されて、物品に関する記憶されている情報を検索するようにする。
【０００３】
物品が、販売用のパッケージを形成するようにグループにまとめられたとき、典型的には各物品は機械によって読み取り可能な個別のバーコードを備えている。パッケージには更に、物品のグループの価格に対応したバーコードが付けられる。
【０００４】
ほぼ透明な担持器具、例えば米国特許明細書第４，２１９，１１７号または米国特許明細書第４，５５７，３７５号に記載されているようなバンド型担持器具を有するパッケージでは、価格を調べるためにパッケージが走査されたとき、パッケージ自体上のバーコードの代わりに個別の物品上のバーコードが走査されてしまうことがあり得る。もしこのような事態が発生すると、個別の物品に関連した情報が検索され、その結果パッケージの購入者は、パッケージを形成するグループの価格の代わりに個別の価格を請求されることになる。このことは、販売者に重大な損失をもたらす可能性がある。
【０００５】
本発明は、これらの問題点を克服または最小化すると共に、改良および追加の利点を提供することを意図している。
本発明の全体的な目的は、飲料または食物等を保持する缶または瓶等の物品のグループ用の新規なプラスチック製担持器具であって、個別の物品上のバーコード又は他の指標が走査されることを阻止するプラスチック製担持器具を提供することにある。
【０００６】
本発明の別の目的は、不透明帯を有するプラスチック製担持器具であって、不透明帯が、各物品上の個別のバーコードが典型的なレーザ形バーコードリーダのビームによって読み取られることを防止する、プラスチック製担持器具を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するための本発明による担持器具は、各々が所定幅を有しかつ一緒に結合された複数のプラスチック製個別環状バンド、および各前記環状バンド上に設けられた不透明材料による環状帯を含み、各前記環状帯は前記環状バンドの所定幅よりも小さい所定幅を有し、かつ不透明材料による各前記環状帯が各前記環状バンドの全周に延在することを特徴とする。
好適形態において、不透明材料による各前記環状帯は不透明な実線である。
好適形態において、不透明材料による各前記環状帯は、相互に対して間隔を置いて密集配置された不透明なドットパターンを形成している。
好適形態において、各前記環状バンドは、不透明材料による各前記環状帯の全周に少なくとも一つの実質的透明の環状部を含む。
好適形態において、不透明材料による各前記環状帯は各前記環状バンドの表面上に印刷されている。
好適形態において、不透明材料による前記環状帯によって被覆されていない前記担持器具上に機械によって読み取り可能なバーコードを更に含む。
好適形態において、前記環状バンドを形成するプラスチック材料はポリエチレンである。
本発明は更にパッケージを提供し、本発明によるパッケージは、
担持器具、および前記担持器具によって保持された物品のグループを含み、
各前記物品は機械によって読み取り可能なバーコードをその物品上に有し、各前記バーコードは複数の平行線により形成され、
前記担持器具は一緒に結合された複数のプラスチック製個別環状バンド、および各前記環状バンド上に設けられた不透明材料による環状帯を含み、
各前記環状バンドは所定幅を有し、かつ前記物品の一つをそのバンド内に把持し、かつ前記物品上で前記バーコード上を覆い、
不透明材料による各前記環状帯は、前記バーコードの少なくとも一つの線を全体的に被覆しかつその線の機械による読み取りを阻止するために、前記環状バンドにより覆われた前記バーコードの複数の平行線と平行に配置され、
前記環状バンド上の不透明材料による各前記環状帯は前記環状バンドの所定幅よりも小さい所定幅を有しかつ各前記環状バンドの全周に延在し、それにより前記環状バンドにより把持される物品が不透明な前記環状帯により完全に取り囲まれていることを特徴とする。
好適形態において、不透明材料による各前記環状帯は各前記環状バンドの周りの不透明な実線で形成されている。
好適形態において、不透明材料による各前記環状帯は、各前記環状バンドの周りの相互に間隔を置いて密集配置された不透明ドットパターンである。
好適形態において、前記環状バンドを形成するプラスチック材料はポリエチレンである。
好適形態において、不透明材料による各前記環状帯は各前記環状バンドにより把持される物品上の前記バーコードの線と合致している。
簡潔に言えば、本発明は、飲料または食物等を保持する缶または瓶等の物品のグループを担持する担持器具を開示する。物品群が担持器具によって包囲されたとき、これらの物品がパッケージを形成する。担持器具はプラスチック材料からなり、担持器具は、担持器具の表面上に不透明材料帯を有する。不透明帯は、不透明な実線または一連の不透明なドット（点）群からなることができる。各個別の物品は、機械によって読み取り可能な個別のバーコードを備える。担持器具が物品に取り付けられたとき、これらの個別のバーコードが、担持器具上の不透明帯によって少なくとも部分的に覆われる。不透明帯は、個別の物品上の個別のバーコードが典型的なレーザ形バーコードリーダによって読み取られることを防止する。パッケージは、機械によって読み取り可能なバーコードをパッケージ上に備えることができ、このバーコードは不透明帯によって覆われない。パッケージのバーコードがレーザ形バーコードリーダによって読み取られることができ、その結果パッケージに関するデータ、例えば完全なパッケージの価格が検索されることができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。なお、図面中において同様の構成要素には同様の参照符号を用いる。
本発明には種々の形式の実施形態が可能であるが、図面中および以下に記載する詳細な説明では特定の実施形態について説明する。本開示は、本発明の原理を例示するものとして解釈されるべきであり、本発明は、図示されかつ以下に記載される特定の実施形態に限定されないということを理解されたい。
【０００９】
図２に示されるように、複数の物品(item)、例えば缶２０が、図１に詳細に示される新規な担持器具２２によってグループにまとめられると共に包囲される。図２に示される物品２０は、飲料または食物等を保持する典型的な缶であり、各缶は、外側表面を有する円筒状の側壁２４と、頂壁２６と、底壁２８とを備える。側壁２４の外側表面は、美観を増すため又は製品を識別するために、図形または文字３０によって装飾されることができる。
【００１０】
各物品２０の側壁２４の外側表面はまた、機械によって読み取り可能なバーコード３２を備え、バーコード３２は複数の水平な線（ライン）を有する。個々のバーコード３２は、物品２０の外側表面上に印刷されることができ、または適切な公知の手段、例えば接着剤によって物品２０に固着されることができる。各個別の物品２０上のバーコード３２は、物品２０が典型的なレーザ形バーコードリーダ（レーザ形バーコード読み取り機）によって走査されることを可能にする。物品２０上のバーコード３２がバーコードリーダ（図示しない）によって走査されたとき、個別の物品２０に関する情報、例えば価格が、バーコードリーダに付属されたコンピュータから検索される。
【００１１】
今日使用されているバーコードスキャナ又はバーコードリーダは、ヘリウム／ネオンレーザ形バーコードリーダである。これらのヘリウム／ネオンレーザ形バーコードリーダは典型的には、約６３０ナノメートル又は約６７０ナノメートルの波長のビーム光を放出して、物品またはパッケージ上のバーコードを走査しかつ読み取るようにする。
【００１２】
本発明による担持器具２２は適切なプラスチック材料、例えば低密度から中密度の弾性ポリエチレンから形成される。担持器具２２は、ほぼ透明な部分３４と、不透明な材料帯３６とを有する。本明細書において『不透明』とは、レーザビームが担持器具２２を透過して線（ライン）の領域内に達することを防止するのに十分な性質のことを意味する。図１に示されるように、不透明帯３６は不透明な実線３８であることができる。図３に示されるように、不透明帯３６は、互いに間隔を隔てて且つ密集して配置されたドットパターン４０であることができる。このドットパターン４０は、図１に示される不透明な実線３８の幅と全体的に同一の幅を有する。不透明帯３６、即ち実線３８またはドットパターン４０は、適切な公知の方法により、例えば担持器具２２の表面上に不透明帯３６を印刷することにより、担持器具２２に固着される。不透明帯３６は適切な公知の材料、例えばインク等から形成される。もし望まれるならば、不透明帯３６は担持器具２２の両側面に固着されることができる。図面中に示されるように、不透明帯３６は全体的に透明部分３４と透明部分３４間に配置される。好ましくは不透明帯３６又はドットパターン４０は、バーコード３２の内の少なくとも二つのモジュール又は２本の線を覆うように１／８インチ（３．２ミリメートル）の寸法を有する。
【００１３】
図１および図３に示されるように、担持器具２２は、開孔４４を有する複数のバンド４２から構成される。これらのバンド４２は、箇所４６において互いに一体的に結合される。各缶２０は各開孔４４内にしっかりと保持され、斯くして各バンド４２は各個別の缶２０を完全に包囲する。担持器具２２の各バンド４２は、各缶２０の側壁２４に沿って缶２０と弾性的に接触して各缶２０を把持するようにする。図１に示されるように、担持器具２２は一体的なハンドル部４９を備えることができる。担持器具２２は物品２０をグループにまとめ、その結果物品２０のグループがパッケージ４８として販売されることができる。
【００１４】
不透明帯３６、即ち実線３８またはドットパターン４０は、担持器具２２の各開孔４４周りに環状のバンドを形成する。担持器具２２が缶２０に取り付けられるとき、個別の缶２０上のバーコード３２がバーコードリーダのビームによって読み取られることを防止するために、担持器具２２は側壁２４に沿った次のような所定の位置に設置される。即ち、バーコード３２の各線が担持器具２２の不透明な線に平行をなすようにバーコード３２が整列されたときに、不透明帯３６が、各個別の缶２０上の各バーコード３２の少なくとも一つの線を完全に覆うように、担持器具２２が側壁２４に沿った所定の位置に設置される。不透明な実線３８は担持器具２２の縁部と縁部の中間に位置するように図示されているが、この不透明な実線３８は担持器具２２の縁部上に配置されることもでき、その場合にも不透明な実線３８は上述の機能を果たす。
【００１５】
不透明帯３６はレーザ形バーコードリーダによって放出される光を透さないので、レーザ形バーコードリーダのビームがパッケージ４８を走査したとき、個別のバーコード３２の内の不透明帯３６によって覆われた一つ又は複数の線が、バーコードリーダのビームによって読み取られることが不透明帯３６により阻止される。斯くして、個別の物品２０に関する情報が検索されることはあり得ない。
【００１６】
不透明帯３６はレーザビームを透さないが、缶２０上の図形および／または文字３０は人間の目に対して部分的に覆い隠されるに過ぎない。従って、図形および／または文字３０は依然として全体的に人間の目によって不透明帯３６を通して見られることができ、斯くして不透明帯３６は缶２０の外面の美観を最小限に減じるのみである。
【００１７】
不透明帯３６は、各個別の缶２０上のバーコード３２の内の最低限一つの線を覆うことが必要とされるだけである。その結果バーコードリーダからのビーム光が混乱せしめられ、缶２０上の個別のバーコード３２が読み取られることができなくなる。しかしながら、不透明帯３６が各個別の缶２０上の各バーコード３２を完全に覆うようにすることもでき、このように不透明帯３６が各個別の缶２０上の各バーコード３２を完全に覆う場合も本発明の範囲内に含まれる。
【００１８】
パッケージ４８は機械によって読み取り可能なバーコード５０をパッケージ４８上に有することができ、このバーコード５０は担持器具２２によって覆われない。この代わりに、機械によって読み取り可能なバーコードが担持器具２２の外側表面上に配置されることもでき（図示しない）、その場合このバーコードは不透明帯３６上に配置される。これらのバーコードがレーザ形バーコードリーダのビームによって走査されたとき、これらのバーコードは、レーザ形バーコードリーダがパッケージ４８に関する情報、例えば物品２０のグループの価格を検索することを可能にする。パッケージ４８のバーコード５０は、一つの缶２０の外面上または担持器具２２上に印刷されることができる。或いは、パッケージ４８のバーコード５０は適切な公知の手段、例えば接着剤によって缶２０または担持器具２２に固着されることができる。
【００１９】
図２に示される物品２０は、飲料または食物等を保持する典型的な缶である。しかしながら、他の種類の物品、例えば瓶または箱が、担持器具２２によってグループにまとめられ且つ担持器具２２によって包囲されることができるということを理解されたい。また、図２に示されるように、担持器具２２は複数の連続的なバンド４２を有し、各バンド４２が缶２０を包囲する。担持器具２２は種々の形態をとることができ、例えば物品２０群の周りに嵌合するように形成された単一のプラスチックシートからなることができるということを理解されたい。
【００２０】
これまで本発明の好ましい実施例について説明してきたが、当業者は、特許請求の範囲に記載された精神および範囲を逸脱することなく、本発明の種々の変形例を考案することができるであろう。従って、本発明は上述の特定の実施例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施例に従った特徴を有する、表面上に不透明帯を有する担持器具の平面図である。
【図２】図１に示す担持器具によって包囲された複数の缶を示す斜視図である。
【図３】本発明の第２の実施例に従った特徴を有する、表面上に不透明なドット群からなる帯を有する担持器具の平面図である。
【図４】図３の部分拡大図である。
【符号の説明】
２０…物品（缶）
２２…担持器具
３２…バーコード（個別のバーコード）
３４…ほぼ透明な部分
３６…不透明帯
３８…不透明な実線
４０…不透明なドットパターン
４２…バンド
４４…開孔
４８…パッケージ
５０…バーコード（パッケージのバーコード）

Claims (5)

1. 各々が所定幅を有しかつ一緒に結合された複数の伸縮可能プラスチック製個別環状バンド、および
   各前記環状バンド上に設けられた不透明材料による環状帯を含み、
   各前記環状帯は前記環状バンドの所定幅よりも小さい所定幅を有し、
   各前記環状帯は各前記環状バンドの全周に延在し、かつ
   不透明材料による各前記環状帯は、相互に対して間隔を置いて密集配置された不透明なドットパターンである、担持器具。
2. 各前記環状バンドは、不透明材料による各前記環状帯の全周に少なくとも一つの実質的透明の環状部を含む、請求項１に記載の担持器具。
3. 不透明材料による各前記環状帯は各前記環状バンドの表面上に印刷されている、請求項１に記載の担持器具。
4. 不透明材料による前記環状帯により被覆されていない前記担持器具上に機械によって読み取り可能なバーコードを更に含む、請求項１に記載の担持器具。
5. 前記環状バンドを形成するプラスチック材料はポリエチレンである、請求項１に記載の担持器具。

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