JP3732205B2 - 光ファイバの制御された永久接続 - Google Patents
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Description
永久接続部において、ファイバの縦軸方向に対して垂直な方向から観察した時、ファイバのクラッディングの外側表面に横方向のオフセット距離が存在するように、2個の光ファイバを融着または溶接により永久接続するには、多くの方法がある。けれども、高い精度で要求された値を達成するように、オフセット距離を制御または規制することは非常に困難である。その理由は、融解溶接の際に生ずる永久接続領域が溶融状態にある期間中、表面張力の効果により、ファイバ・クラッディングの外側表面の間の横方向オフセット距離はすべて、小さくなる傾向があるからである。ファイバの横方向に作用し、そして表面張力が原因で生ずる、張力速度は、永久接続領域の部材の温度の関数であり、かつファイバ・クラッディングの横方向オフセット距離の関数である。例えば、非常に小さなオフセット距離の場合には、張力速度は非常に小さい、または完全に省略できる程度に小さい。さらに、永久接続領域の温度は、種々の外部条件により変わる。例えば、2個の溶接電極の間に発生する電気アークによる従来の融解融合を行う場合、電極の状態や、融解融合を行う期間中に電極を流れる電流、雰囲気空気の圧力、などにより永久接続領域の温度が変わるから、ある時に行われた溶接とまた別の時に行われた溶接とで温度を一定に保持することは不可能である。したがって、融解溶接の後のファイバ・クラッディングの横方向オフセット距離は、融解溶接を同じ時間および同じ電流を用いて行っても、変動するであろう。さらに、ファイバ・クラッディングのオフセット距離が大きくなればなる程、前記で説明した回復速度、すなわち、表面張力によりファイバ・クラッディングの外側表面のオフセット距離をゼロに近い値に小さくしようとする速度が、ますます大きくなる。
ファイバの永久接続を行う技術に関連する先行技術は、特にスエーデン国特許、出願第SE−A9100979−5号、第9100978−7号、第9201817−5号、および第9201818−3号に開示されている。永久接続部のパルス加熱は、第JP−A 2−6908号に開示された方法において用いられる。この方法では、5個のファイバの永久接続部の外側直径と軸の移動とが監視される。
本発明の1つの目的は、永久接続工程の期間中、または光ファイバの2個の端部の間の永久接続部において、2個のファイバ端部のクラッディングの永久接続部の横方向オフセット距離、すなわち縦軸方向に垂直なオフセット距離、を制御する方法および装置を得ることである。
本発明のまた別の目的は、永久接続された光ファイバを通る光波について予め定められたおよび制御された減衰を有する永久接続部を、光ファイバの2個の端部の間に作成することができる、方法および装置を得ることである。
本発明のさらに別の目的は、利用可能な永久接続機械に応用することができる、または組み込むことができる、前記で説明された方式の方法および装置を得ることである。
前記で説明された目的は、本発明により達成することができる。本発明のさらに詳細な特性は、請求項に開示されている。
作成された永久接続部の中の外側表面がずれていることにより、したがってコアがずれていることにより、例えば、0.3dBないし10dBの間の減衰を有する減衰素子を作成することができる。
第1図〜第5図は、2個の光ファイバの端部の融解溶接の種々の段階を光ファイバの側方から観察した図である。第1図に示されている開始時の配置では、ファイバ端部はその縦軸方向が相互に平行に配置され、そしてこれらのファイバ端部の縦軸方向に事実上垂直であるファイバ端部表面は、相互に接近して配置される。次に、これらのファイバの端部は、ファイバの縦軸方向に関して相互に第2図に示されるように配置され、したがって、ファイバ端部の端面は相互に接触してまたはほぼ接触して配置される、または相互に非常に接近して配置される。この時、ファイバ端部の外側表面の間に、横方向のオフセット距離d2、すなわち、ファイバの縦軸方向に垂直な方向のオフセット距離d2、が存在する。標準型ファイバの外側表面は、通常、ファイバのクラッディングの円柱の外側表面である。次に、溶接電極5の間に高い電圧が加えられ、それにより電極5の先端の間に電気アーク7が発生する。この時、電気アーク7はファイバ1、1′の端部領域を包み込む。するとこの領域は非常に高い温度に加熱され、そのために2個の光ファイバ1、1′の相互に対置して配置された端部表面が相互に溶接される。この時、2個の光ファイバ端部の外側表面のオフセット距離はd3になる。このオフセット距離d3は、以前の横方向のオフセット距離d2よりは小さい。その理由は、溶融した領域の表面張力のためである。その後、電極5の間を流れる溶接電流を小さくするという方法により、電気アーク7による加熱作用が弱められる。この時、ファイバ端部の横方向オフセット距離が変化し、相互の整合がますます良くなる。このために、2個の光ファイバの外側表面はますます良好に接合されるであろう。光ファイバの外側表面の横方向のオフセット距離はd4となり、このd4は前のd3よりも小さい。要求されたオフセット距離dsetが到達された時、電気アーク7による加熱が完全に中止され、そしてファイバが冷却される。この時残るオフセット距離dは、第5図に示されているように、以前のファイバ端部の外側表面に関しd5である。
第7a図は、溶接電極5の間を流れる電流Iを時間の関数として示したグラフである。この図に示されているように、光ファイバの端部の表面をまえもって融解して不潔物粒子を除去するために、準備の時間間隔9の間、これらの電極に電圧が加えられる。この事前融解段階の後、溶接電流および電気アークのない状態で整合段階11が行われる。整合段階11は、第1図および第2図の段階に対応する。第3図の工程に対応する溶融融着段階13の期間中、かなり大きな溶接電流が流れ、それにより光ファイバ1、1′の端部表面が融解する。この溶融融着段階13の期間中、光ファイバ1、1′の中のファイバ・コア3、3′を、それぞれ、強い加熱の期間中にファイバ端部が放射する光を用いて観察することができる。次の段階15の期間中、溶接電流を小さくし、ファイバ端部の加熱された部分から直接に放射される光でファイバ・コアをそのままでは観察することができない状態で、ファイバ端部、特にそれらの外側表面、がランプ照明により継続して観察される。最後に、永久接続工程が完了し、そして溶接電流がオフにスイッチされる。この段階が第5図に対応し、そして第7a図の時間間隔17に対応する。初期の整合工程の期間中の可能な加熱段階が18に示されている。この加熱段階において、熱いファイバの画像を撮影することができる。このことにより、ファイバの外側表面に対するファイバ・コアの位置を決定することができる。
最後に、外部照明がオフにスイッチされ、2個のファイバ端部の外側表面の最終的なオフセット距離d5が決定される。
単一モード型の標準的な光ファイバに対し、少なくとも13mAの溶接電流が流れることにより、熱いファイバの画像を撮影することができる。この画像から、ファイバの外側表面に対するコアの位置を決定することができる。この値以下の電流の場合、ファイバ領域の溶融と表面張力による平滑化効果をなお得ることができ、それにより2個のファイバの外側表面が相互に整合しようとする傾向がある。このような小さな溶接電流の場合、なおいくらかの光が放射されるが、しかしこの光は外部照明を乱すことはない。したがって、ファイバの外側表面の位置を容易に判別することができ、そして決定することができる。
第9図はファイバ永久接続装置の概要図であって、自動式保持器47が示されている。この保持器47により、位置決め段階と永久接続段階の期間中、ファイバ1、1′が保持され、そして位置が定められる。これらの保持器は3次元の直角座標軸の方向に移動可能である。すなわち、ファイバの縦軸に平行な方向と、この方向と垂直な2つの方向、すなわち光源33からの照明光の方向に垂直な2つの方向、とに移動可能である。保持器47は、制御電動機49により、適切な機械的案内装置(図示されていない)に沿って動作する。電極5と、電動機49と、ランプ33とに導線が電子回路モジュール51から接続され、そしてそれぞれ具体的には、駆動器回路53、55、および57から接続される。TVカメラ41からの導線は、電子回路モジュール51の中のビデオ・インタフェース43′に接続される。TVカメラ41からの適切な画像信号は、第8図に示されているように、画像処理および画像解析装置43に送られる。種々の処理段階が、例えば適切なマイクロプロセッサの形式を有する、制御回路57により制御される。制御回路57は前記で説明した処理段階を実行し、そして適切な変位方向に電動機49を付勢することによりファイバ端部の相対的変位を制御し、そして画像処理および画像解析装置43に信号を送り、撮影された画像の解析を開始し、そして相互に垂直である2つの方向に観測されるオフセット距離の決定を行う。さらに、制御回路57は、光源33の作動と、融着電流を電極5に供給を開始するべき時刻と、この大きな永久接続電流が供給されるべき時間間隔と、また小さな永久接続電流、すなわち小さな電極電流、を供給することによりファイバ端部の外側表面の間のオフセット距離の制御された監視のための調整電流と、を制御する。
第12図は、この方法の精度の程度を示すグラフである。このグラフの横軸は、ファイバ端部の表面の要求された横方向オフセット距離であり、単位はμmである。縦軸は、測定により得られた実際のオフセット距離であり、単位は同じμmである。このグラフから、10mA〜12mAの範囲の制御電流に対し、ここで示された方法は、大抵の場合に良好な結果を与えることが分かる。
2個の光ファイバ端部の外側表面またはクラッディング表面に所定のオフセット距離を得るために前記工程が応用される範囲は、前記で説明されたように、光ファイバ装置の中に集積化された減衰素子を製造すること、および偏心して配置されたコアを有するファイバおよびまたこの範疇内に入るD−ファイバを永久接続すること、および2芯コアを有する光ファイバに単芯コアを有する従来の光ファイバを永久接続することである。クラッディング表面の外側表面のオフセット距離が約1μmないし2μmよりも小さい時、長い調整時間が必要であることにより、コアが相互に整合された標準型の光ファイバを永久接続することに対して、この工程は多くの場合あまり適切ではない。この場合、前記スエーデン国特許出願第9201235−0号に開示された工程を利点を有して用いることができる。この場合には、さらに大きな電流がパルスとして加えられる。
Claims (4)
- 2つの光ファイバの端部を相互に接続する方法であって、2つの光ファイバの一方に伝播される光波の所定の減衰を有する接続を生成し、光波は、接続を経て2つの光ファイバの他方に伝送され光ファイバの他方に伝播され続け、前記方法は、
2つの光ファイバの端部をその長さ方向または長さ軸が相互に平行となるように配置する段階と、
2つの光ファイバの端部の端表面を相互に対向又は相互に接触するように配置する段階と、
2つの光ファイバの端部の外部領域に熱を印加する印加段階であって、熱は、融着接続を形成する外部領域を溶融する高強度を有する印加手段と、
2つの光ファイバの端部の外部領域を冷却する段階と、
を含み、
端部の端表面を相互に接触する段階の前に実行される第1の段階であって、第1の段階は、
生成された接続の所定の減衰を付与する横断オフセット値が計算され、
横断オフセットの値は、所定の初期値(d 2 )を付与する量だけ増加され、その量は、横断オフセットの計算値に比較して小さい第1の段階と、
熱を印加する段階の前に端部の端表面を相互に接触する段階において、2つの光ファイバの端部の端表面は、2つの光ファイバの端部の横断オフセットで配置され、端部の長さ方向または長さ軸に実質的に垂直な選択された方向から見て2つの光ファイバの端部の外側は、所定の初期値(d 2 )だけ相互に一致がずれ、
高強度を有し溶融された接続を形成する段階の直後に実行される次の段階であって、次の段階は、
熱の印加は、溶融された接続を形成するには不十分である低強度で継続され、
熱の継続印加時に2つの光ファイバの端部は、選択された方向から監視され、監視時に横断オフセットの値(d 5 )は、決定され、その分だけ2つの光ファイバの端部の外側は、相互に一致がずれ、
熱の印加は、所定の値(d 5 )が所定の減衰を生成された接続に付与する計算された値以下であるときに非継続されることを特徴とする前記方法。 - 2つの光ファイバの2つの端部を接続する装置であって、2つの光ファイバの一方に伝播される光波の所定の減衰を有する接続が生成され、光波は、接続を経て2つの光ファイバの他方に伝送され2つの光ファイバの他方に伝播され続ける前記装置は、
保持/変位手段であって、
2つの光ファイバの端部をその長さ方向または長さ軸が相互に実質的に平行となるように保持し、
2つの光ファイバの端部を変位し端部を実質的に平行な状態に維持する保持/変位手段と、
加熱領域に熱を印加する熱印加手段であって、保持/変位手段により保持された端部は、保持/変位手段により変位され、端部の端表面に位置する端部の軸方向の外部領域が加熱領域に置かれる熱印加手段と、
保持/変位手段および熱印加手段を制御する制御手段であって、制御手段は、
保持/変位手段を制御し保持/変位手段により保持された端部の端表面を相互に対向または相互に接触するように熱が熱印加手段により印加される加熱領域の中心に配置し、
保持/変位手段を制御し横断オフセットの所定の初期値で端部の外部領域を配置し、端部の長さ方向と実質的に垂直な選択された方向から見て端部の外部領域の外側が横断オフセットの所定の初期値(d 2 )だけ相互にずれ、
熱印加手段を制御し高強度を有する熱を溶融された接続を形成する端部の外部領域に印加し、
熱印加手段を最終的に制御し熱の印加を遮断し端部の加熱された領域を冷却する制御手段と、
を含み、
制御手段は、高強度を有する熱を印加した直後に、さらに、
端部の外部領域の外側が相互に一致する横断オフセット値が所定の初期値以下になる所定の最終値(d 5 )と同等またはそれ以下になるまで溶融された接続を形成するには不十分である低強度で熱を印加し続け、
所定の最終値(d 5 )は、生成された接続の所定の減衰を付与する横断オフセット値として決定され、所定の初期値(d 2 )は、比較的少量だけ増加された所定の最終値に等しくなることを
特徴とする前記装置。 - 請求項2記載の装置であって、制御手段は、端部の長さ方向または長さ軸と実質的に垂直となる少なくとも1つの選択された方向から見て端部の外部領域の外側の横断オフセットを決定するオフセット決定手段を含むことを特徴とする前記装置。
- 請求項3記載の装置であって、オフセット決定手段は、選択された方向から見て画像を撮る画像撮像手段と、画像を評価し横断オフセット値を決定する評価手段とを含むことを特徴とする前記装置。
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