JP3723111B2 - アルミ製浮子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、養殖漁業のいけすや、定置網等に使用する漁網を固定する浮きや航路標識、遊泳区域標識として表示するブイ等として使用する浮子(フロート)に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記浮子は、海水中に長時間漬けた状態にて設置し、使用されるものである。従来から、海水中における浮力及び成形性等を考慮してABS樹脂、ポリプロピレン、発泡樹脂等の樹脂成形品が広く採用されている。
しかし、これらの樹脂製浮子は、表面に貝や海藻等の海洋生物が付着しやすく、海洋生物の付着により浮力が低下したり、表面にピット状の穴があき、海水が浮子内部に浸入し、あるいは紫外線劣化によるヒビ割れが生じたりして浮子としての機能が低下するために、3〜4年毎に新品に交換しなければならず、耐用年数が短いがために交換作業が大変であるだけでなく、大量に発生する使用済みの樹脂製浮子を環境問題上焼却処分することも困難であり、その適切な廃棄処分方法が無いのが現状である。
【0003】
また、樹脂製の浮子は、海水中に長時間浸漬中に微量づつ溶出して海水を汚染する環境破壊の一因となるだけで無く、食物連鎖により、魚介類を介した人体への悪影響も懸念される。
【0004】
特に、浮子が定置網等の網の固定に使用される場合には、図6に示すように潮流、潮汐等の海水移動により、網が引っ張られ、それに伴い浮子1が水面下、数十m以上海中に引き込まれることになるが、樹脂製浮子の耐圧性は2〜3気圧が一般であるために20〜30m以上沈むと押しつぶされて、もはや浮力が著しく低下し、そのまま網等の漁具が海底近くに沈んでしまう技術的課題があった。
【0005】
また、上記のような樹脂製浮子の欠点を解消し、海洋生物の付着がしにくく、海水に対する耐久性が期待できるチタン製の浮子が提案されている(特開平8−9836号)。
しかし、チタンの比重が4.5と比較的重く、所定の浮力を得るには中空部を形成するための板厚を薄くせざるを得ず、しかも、しぼり加工等の成形性が悪く、比較的簡単な形状にしか成形できないため、海水中に網等に引っ張られて一時的に沈んだ際の耐水圧に劣り、しかも、材料費が高く、未だに実用化されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実状に鑑みて、加工成形性が良く、海水に対する耐久性及び海水中に一時的に沈んだ際の耐水圧性に優れ、材料のリサイクル性が良いため、環境保全に大きく寄与することができ、かつ、安価であるアルミニウム合金製の浮子(フロート)の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の技術的要旨は、円筒状のアルミニウム合金押出形材からなる支持部材挿入部を中央に有し、当該支持部材挿入部を貫通した中央の芯部とするように当該円筒状の支持部材挿入部の周囲を囲むアルミニウム合金の圧延材からなる外形部材にて中空部を形成したことを特徴とするアルミニウム合金製浮子とした点である。
【0008】
ここでアルミニウム合金とは、純アルミニウム金属にマグネシウム、鉄、ケイ素、亜鉛等の各種成分を添加して強度、圧延性、押出加工性を改善したアルミニウムを主成分とする各種合金をいい、いわゆる、JIS1000番系のアルミニウム材も含まれる。
【0009】
本発明は、アルミニウム合金の圧延材のしぼり加工性が優れていることに着目して、浮子の中空部を形成する外形部材をお椀状に成形し、アルミニウム合金押出形材の高強度に着目して円筒状の支持部材挿入部を形成し、これらを接合して浮子を製作したものである。
このような中央部にパイプ状の芯部を有する中空形状の浮子としたので耐水圧性に優れる。
なお、ここで支持部材挿入部とは、定置網等においてロープを挿入し、通して浮子に固定する部分をいう。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の浮子の製作にあたり、浮子の中空部を形成する複数の外形部材及びこの外形部材と円筒状の支持部材挿入部との接合を圧接手段にて接合したものである。
アルミニウム合金は、圧接のためのリブを形成するのが容易であり、圧接接続性に優れ、また、これらのリブ及び加工硬化により接合部の強度が向上することに着目したものである。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の浮子の中空部を形成する複数の外形部材を溶接にて接合する際に、接合部の裏側に補強部材を設けてこの補強部材とともにTIG(タングステン インナートガス)、MIG(メタル インナートガス)等のアーク溶接による接合を用いたものである。
アーク溶接等の溶融接合の場合には、溶接時の熱影響にて母材強度が部分的に低下するのでこの低下する部分を補強するために、接合部の裏側に補強部材を当てて補強部材とともに接合したものである。
これにより、浮子の中空部形成する外形部材の接合方法として溶接を採用した場合にも耐水圧性を確保できる。
なお、外形部材と芯部の支持部材挿入部との接合は、外形部材同志の接合部程に強度低下が問題にならないのでそのままアーク溶接してもよく、請求項2に記載した圧接接合でもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に本発明に係るアルミニウム合金製浮子の例の外観図を示し、図2にその断面図を示す。
板厚2.5mmのJISA5052Pアルミニウム合金圧延材を用いてしぼり加工をして浮子の外形部材11、12を成形し、外形部材同志の接合部側を折り曲げて折り曲げ部11a、12aを形成し、相互に嵌合させ、図3に示すように、下金型4に上金型3を矢印の方向に回転しながら加圧することにより、シーミング加工等して圧接接合する。
一方、芯部となるロープ等の支持部材挿入部13aの両端部をバルジ加工等によりリブ13を形成し、その凹部に外形部材11、12に孔を開け、嵌合させてカシメ等により圧接接合する。
【0015】
このようにして、直径約、280mm、長さ約380mmのアルミニウム合金製浮子が得られ、重さ約2820gで、浮力は約20000gfであった。
この浮子の耐水圧性を正確に測定するために、浮子の近傍に圧力計を備えて海中に沈めて試験した結果、鉛直水深200mに耐えられることが判明した。
【0016】
なお、比較のために板厚1mmのチタン材を用いて直径約275mm、長さ340mmの浮子を製作すると重量が約1850になり、浮力が19000gf得られるが、耐水圧性は、水深30mが限界である。
【0017】
図4に示すアルミニウム合金製浮子の例は、外形部材11、12の接合部裏面に補強部材15を当てて、JISA5356、JISA5556、JISA5183、JISA5554等の溶接棒を用いて、TIG又はMIGアーク溶接16をした。
なお、芯部(支持部材挿入部)13と外形部材11、12との接合部はそのままアーク溶接16aした。
【0018】
図5に示すアルミニウム合金製浮子の例は、押出成形にて得られた中央部外形部材17の両端開口部に、圧延材をしぼり加工して得られた塞ぎ部材18a、18bを溶接又はシーミング加工にて接合19したものである。
なお、押出形材からなる中央部外形部材には、必要に応じてリブ17aを形成し、取り付け孔17bが設けられている。
【0019】
次に図1に示したような中央部に、パイプ状の芯部を設けた浮子は、水深200mにも耐えられることが明らかになったので、中央部に芯部を設けずにお椀状にしぼり加工した板厚2.0mmのJISA5052P材からなる外形部材を二つ溶接接合して得られた直径約280mm、長さ380mm、重量1780gの浮子の耐水圧試験を実施すると120mの水深で潰れたが、それでもチタン製より優れることが判明した。
【0020】
このようにして得られたアルミニウム合金製浮子を4個と比較のために樹脂製浮子を4個海水面に浮かべて3cm波レーダ電波反射実験を行ったところ、500mの距離にてアルミニウム合金製浮子が確認され、樹脂製のものは300mの距離にてはじめて確認できることが判明し、アルミニウム合金製浮子は、レーダ電波反射性にも優れていることが明らかになった。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係る浮子は、アルミニウム合金製のため、従来の樹脂製に較べ、海水に対する耐久性に優れ、海水中への汚染も少なく、食物連鎖による人体への影響の恐れもない。
また、アルミニウム圧延材及びアルミニウム押出形材を単独又は組合せて接合し、形成しているので加工性に優れるとともに樹脂製やチタン製に比較して飛躍的に耐水圧性に優れる。
また、アルミニウム合金は、チタンより材料費が安く、加工性に優れるためにチタン製のものより安価であり、浮子として使用済み後は、再熔解によるリサイクル性に優れる。また、樹脂製のように廃棄処分に困ることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアルミニウム合金製浮子の例を示す。
【図2】図1の浮子の断面図を示す。
【図3】浮子の接合部を示す。
【図4】溶接接合によるアルミニウム合金製浮子の例を示す。
【図5】アルミニウム合金押出形材を用いた浮子の例を示す。
【図6】定置網に用いる浮子の動きを示す。
【符号の説明】
1 浮子(フロート)
11、12 外形部材
11a、11b 折り曲げ部
13 芯部(支持部材挿入部)
13a リブ
14 芯部と外形部材の圧接接合部
15 補強部材
16、16a アーク溶接部
17 中央部外形部材
17a リブ
17b 取り付け孔
18a、18b 塞ぎ部材
19 接合部
2 ロープ
3 上金型
4 下金型

Claims (3)

  1. 円筒状のアルミニウム合金押出形材からなる支持部材挿入部を中央に有し、当該支持部材挿入部を貫通した中央の芯部とするように当該円筒状の支持部材挿入部の周囲を囲むアルミニウム合金の圧延材からなる外形部材にて中空部を形成したことを特徴とするアルミニウム合金製浮子。
  2. 浮子の中空部を形成する複数の外形部材及び当該外形部材と円筒状の支持部材挿入部を圧接手段にて接合したことを特徴とする請求項1記載のアルミニウム合金製浮子。
  3. 浮子の中空部を形成する複数の外形部材を接合する際に、接合部裏側に補強部材を設けて溶接接合したことを特徴とする請求項1記載のアルミニウム合金製浮子。
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