JP3720616B2 - ファラデー回転角可変装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファラデー効果を有するガーネット単結晶に2方向以上から外部磁界を印加し、それらの合成磁界を可変することにより、ガーネット単結晶を透過する光線のファラデー回転角を制御する装置に関するものである。更に詳しく述べると本発明は、合成磁界の可変によりファラデー回転角が変化するガーネット単結晶基本膜と、ファラデー回転角がほぼ一定のガーネット単結晶補償膜とを組み合わせ、基本膜と補償膜のファラデー回転角の波長係数の符号が異なるようにして、補償膜により基本膜のファラデー回転角の波長変化分を減少させるようにしたファラデー回転角可変装置に関するものである。この装置は、光アッテネータなどの光デバイスに有用である。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムなどでは、透過光量を制御するための光アッテネータ、あるいは偏光方向を連続的且つ周期的に可変する偏波スクランブラ等が必要であり、それにはファラデー回転角可変装置が組み込まれている。このファラデー回転角可変装置は、ファラデー効果を有するガーネット単結晶に2方向以上から外部磁界を印加し、それらの合成磁界を可変することにより、ガーネット単結晶を透過する光線のファラデー回転角を制御するように構成されている。
【0003】
ファラデー回転角可変装置を使用する代表的な光デバイスである光アッテネータの典型的な例を図1に示す。ここでAは光アッテネータの全体構成を、Bはファラデー回転角可変装置の構造を、それぞれ示している。偏光子10、ファラデー回転角可変装置12、検光子14が、その順序で配列されている。入力ファイバ16からの入射光は、コリメートレンズ18で平行光となって偏光子10、ファラデー回転角可変装置のガーネット単結晶20、検光子14の順に通過し、コリメートレンズ22で集光されて出力ファイバ24に結合する。ガーネット単結晶20には永久磁石26,28によって光線方向に平行な固定磁界が印加され、電磁石30によって光線方向に直交する可変磁界が印加される。合成磁界を変えてガーネット単結晶20の磁化方向を変えると、ファラデー回転角が可変され、それによって検光子14を通過する光量を制御できる。
【0004】
具体的には、例えば偏光子と検光子は通過する光の偏光面のなす角が105度になるように設置されており、電磁石磁界がゼロの時、ガーネット単結晶のファラデー回転角は最大となり96度である。偏光子と検光子での偏光面のなす角が105度なので、検光子を通過する光量(出射光量)は角度ずれにより減少するが、その値はごく僅かである。それに対して、電磁石に磁界を印加してファラデー回転角が減少していくと、角度ずれが大きくなり減衰量が大きくなる(出射光量が少なくなる)。そして、ファラデー回転角が15度の時、検光子とクロスニコル状態になり減衰量は最大になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近年、波長多重通信が実用化され始めたことにより、光デバイスには波長依存性が小さいことが求められている。そのため、ファラデー回転角可変装置も波長依存性を小さくしなけれはならない。
【0006】
上記光アッテネータの例では、電磁石磁界がゼロの時、波長変化によりファラデー回転角が多少変動しても、検光子を通過する光量(出射光量)は殆ど変化しない。電磁石に磁界を印加して角度ずれを大きくすると減衰量が大きくなる(出射光量が少なくなる)が、その時の減衰量D(dB)は次式で表される。
D=−10*log(10(-k0/10)+sin2(Δθ))
但し、k0 :ガーネット単結晶の消光比
Δθ:クロスニコル状態からの角度ずれ
この式から、大きな減衰量が得られるクロスニコル状態付近では、減衰量はずれ角のsin 関数の2乗に依存しており、角度に対して非常に敏感である。つまり、この領域では、波長変化によるファラデー回転角の変動により、減衰量が大きく変動してしまう問題がある。
【0007】
ファラデー回転角が常に一定の状態で使用するファラデー回転子については、波長依存性を小さくするための種々の構成が案出されている(例えば特開平2−256018号、特開平10−273397号など参照)。しかし、ファラデー回転角が変化するファラデー回転角可変装置に関しては、波長依存性低減の報告は見当たらない。そのため、波長多重通信で使用する光アッテネータについて、使用状態に応じて特に必要とする減衰量の近傍(とりわけ減衰量が大きい領域)で、波長依存性を低減することが強く求められている。
【0008】
本発明の目的は、波長依存性を小さくできるファラデー回転角可変装置を提供することである。本発明の他の目的は、波長依存性が小さく、且つ温度依存性も小さくできるファラデー回転角可変装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るファラデー回転角可変装置は、基本的には、ファラデー効果を有するガーネット単結晶に2方向以上から外部磁界を印加して、それらの合成磁界を可変することにより、該ガーネット単結晶を透過する光線のファラデー回転角を制御する構成である。本発明では、合成磁界の可変によりファラデー回転角が変化するガーネット単結晶基本膜の他に、ファラデー回転角がほぼ一定のガーネット単結晶補償膜を配置し、前記基本膜と補償膜にはファラデー回転角の波長係数の符号が異なるものを用いる。つまり、基本膜がファラデー回転角を可変するという主たる機能を果たし、補償膜によって基本膜のファラデー回転角の波長変化分を減少させるようにしている。
【0010】
外部磁界は、通常、光線方向に対して平行方向と直交方向の2方向から印加する。その場合、光線方向に対して平行方向の磁界は永久磁石による固定磁界として、その強さは基本膜が磁気飽和する大きさとし、直交方向の磁界は電磁石による可変磁界とするのが好ましい。
【0011】
基本膜には必ず2方向以上から外部磁界が印加されるが、補償膜はその磁気的特性に応じて外部磁界との関係を調整する。例えば、補償膜の垂直磁気異方性が大きい場合には、基本膜と同様、固定磁界と可変磁界の両方が印加される位置に配置しても特に問題はない。補償膜の垂直磁気異方性が小さい場合には、固定磁界は印加されるが可変磁界は印加され難い位置に配置する。垂直磁気異方性が大きくて且つ保磁力が大きいため外部磁界無しで磁化方向が垂直方向に揃っている補償膜は、外部磁界が印加されない位置に配置しても良い。但し、いずれの場合においても、例えば光アッテネータに組み込むような場合には、偏光子と検光子の間に基本膜と補償膜が挿入されるようにする。基本膜及び補償膜それぞれの個数は任意である。
【0012】
特に、垂直磁気異方性が大きい補償膜を用いる構成は、基本膜と補償膜を一緒に合成磁界の内部に組み込んでよいため、組み立て易く、従来の永久磁石や電磁石をそのまま使用しても大型化することはない。その場合の概略構成を図2に示す。永久磁石40,42による光線方向に平行な磁界と、電磁石44による光線方向に直交する磁界の中に、基本膜46と補償膜48を組み込む。電磁石44による磁界がゼロの時、基本膜46と補償膜48の磁化方向は光線方向である(図2のA参照)。電磁石44による磁界を印加すると、基本膜46の磁化方向は回転するが、補償膜48の磁化方向は回転しない(図2のB参照)。このように、本発明では、基本膜46によって所望の範囲でファラデー回転角が可変し、補償膜48によって波長依存性が低減するのである。
【0013】
基本膜と補償膜の物性の一例を以下に示す。これは後述する実施例1と同じである。
〔基本膜〕
組成:Tb1.000.65Bi1.35Fe4.05Ga0.9512
電磁石磁界がゼロの時のファラデー回転角:96度(32度×3)
波長変化率:−0.15%/nm
〔補償膜〕
組成:Gd1.000.75Bi1.25Fe4.00Ga1.0012
電磁石磁界がゼロの時のファラデー回転角:−19.7度
波長変化率:+0.15%/nm
【0014】
この基本膜と補償膜をそれぞれ単独で外部磁界中に挿入し、ファラデー回転角の電磁石磁界依存性を測定すると、図3に示す結果が得られる。なお使用波長は1550nmであり、25℃の定温状態での測定値である。基本膜は電磁石磁界が大きくなるとファラデー回転角が減少しているが、補償膜のファラデー回転角はほぼ一定である。これは、上記のように、補償膜の磁化方向が電磁石による磁界印加時でも光線方向を向いたままであるためと考えられる。
【0015】
次に、基本膜のみの場合と、基本膜と補償膜を組み合わせた場合について、ファラデー回転角の波長依存性を測定した結果を図4のA〜Cに示す。電磁石磁界がゼロの時(図4のA)、基本膜+補償膜の方がファラデー回転角の波長依存性が少し小さくなっている。基本膜+補償膜の場合は、電磁石磁界が505Oeの時(図4のB)には、かなり波長依存性が小さくなっており、更に電磁石磁界が939Oeの時(図4のC)には、波長依存性は極めて小さく波長変化に対してほぼフラットになっている。
【0016】
この理由は、次のように考えられる。電磁石磁界ゼロの時は基本膜のファラデー回転角の絶対値が96度であるのに対し、補償膜は約1/5の19.7度であるため、基本膜の波長変化分を1/5程度までしか低減できない。これに対し、電磁石磁界が大きいところでは基本膜のファラデー回転角が減少し補償膜のファラデー回転角は変わらないので、ファラデー回転角の絶対値の差が小さくなり、波長変化分の補償効果が大きくなる。電磁石磁界939Oeの時はほぼ同じファラデー回転角なので、波長変化分はほぼ完全に相殺され、波長依存性はゼロになる。この場合、基本膜と補償膜の合計のファラデー回転角もゼロになるが、ファラデー回転角の可変幅には影響がないので、ファラデー回転角可変装置としては全く問題がない。この点は、ファラデー回転角固定のファラデー回転子と全く異なる点である。補償膜のファラデー回転角がほぼ一定であるから、ファラデー回転角の可変幅は、基本膜のファラデー回転角の最大値と最小値の差で決まり、補償膜が加わった場合は最大値も最小値も同程度大きくなったり小さくなったりするだけで、可変幅としては変わらないのである。
【0017】
本発明において、「補償膜のファラデー回転角がほぼ一定」とは、基本膜のファラデー回転角の可変範囲に対して補償膜のファラデー回転角がほぼ一定と見なしううると言うことである。具体的には、基本膜のファラデー回転角の可変範囲に対して補償膜のファラデー回転角の変動範囲が5%以内、より好ましくは3%以内とすることである。勿論、1%以内とすることが最良である。補償膜のファラデー回転角が変動しても波長依存性は低減できるが、基本膜と補償膜との合計のファラデー回転角可変範囲は狭くなり、それを広げようとすると基本膜の厚みを厚くするか、個数を多くしなければならなくし、あるいは必要な電磁石の磁界を大きくしなければならなくなり、いずれにしても好ましくないからである。
【0018】
基本膜のファラデー回転角の絶対値の最大値をFamax、補償膜のファラデー回転角の絶対値をFb とした時、Famax>Fb 、特に基本膜のファラデー回転角の絶対値の最小値をFaminとした時、Famax>Fb >Faminとするのが好ましい。このようにすると、FamaxとFaminの中間の任意のファラデー回転角の時(その時のファラデー回転角の絶対値=Fb )の波長依存性を最小にすることが可能となる。なお、補償膜のファラデー回転角の絶対値Fb は、補償膜の膜厚を調整することで任意の値に設定できる。
【0019】
このように補償膜を加えることにより、波長依存性を低減できる。特に、光アッテネータで必要な電磁石磁界が大きい領域での波長依存性をかなり小さくできるため有効である。そのためには、補償膜のファラデー回転角の絶対値Fb を、基本膜のファラデー回転角の絶対値の最小値Faminの近傍寄りの値に設定すればよい。
【0020】
基本膜としては、例えば(RBi)3 (FeM)5 12で表される組成の材料を用いる。補償膜としては、例えばR3 Fe5 12、又は補償温度が最高使用温度よりも高い(RBi)3 (FeM)5 12で表される組成の材料を用いる。但し、Rはイットリウムを含む希土類元素から選ばれた1種以上の元素、Mは鉄と置換できる1種以上の元素である。これらの膜はLPE(液相エピタキシャル)法により効率よく成膜できる。なお、補償温度とは、その温度を境として磁気モーメントが反転する温度を言い、現象的にはその温度を境としてファラデー回転角の符号が反転する。
【0021】
本発明としては、基本膜に印加する外部磁界の合成磁界ベクトルの変位経路を特定して、波長依存性と温度依存性の両方を低減する構成もある。この場合も、合成磁界の可変によりファラデー回転角が変化するガーネット単結晶基本膜の他に、ファラデー回転角がほぼ一定のガーネット単結晶補償膜を配置する。但し、基本膜と補償膜にはファラデー回転角の波長係数及び温度係数の符号が異なるものを用いる。基本膜と補償膜は、共に(111)面で研磨されていて、光線は、(111)面に垂直な〈111〉方向に透過するように作製する。そして、基本膜に印加される外部磁界の合成ベクトルの変位経路が、ガーネット単結晶の(111)面を中心としたステレオ投影図における中心の(111)面と、最外周円上の(110)面と等価な面から左右に5度の位置を結んだ線で囲まれた扇形範囲(図5で斜線を付した領域)に入るようにする。最外周円上の(110)面と等価な面とは、(-101)、(-110)、(01-1)、(10-1)、(1-10)、(0-11)のことである。(なお、結晶の面を表す表記法では、負の指数についてはその数値の上に横棒を引いて表すが、本明細書ではそれができないために指数にマイナス符号を付して表記している。)
【0022】
図5に示すステレオ投影図は、隣り合う同心円は互いに10度ずつ異なっている面を意味し、隣り合う径方向の線は互いに10度ずつ異なっている面を意味する。従って、ガーネット単結晶の任意の面は、このステレオ投影図内の点として示すことができる。基本膜には永久磁石により図5の紙面垂直方向の磁界が印加され、電磁石により紙面中心から径方向へ磁界が印加される。
【0023】
基本膜に印加される外部磁界の合成ベクトルの変位経路は、ガーネット単結晶の(111)面を中心としたステレオ投影図における中心の(111)面と、最外周円上の(110)面と等価な面を結んだ線とすることが最も好ましいが、製作上の誤差も考慮し、上記扇形範囲に入っていれば、特性の劣化は最小限に止めることができるからである。
【0024】
ファラデー回転角可変装置におけるファラデー回転角の波長及び温度依存性は次式で示される。
θF (λ,T)=θFmax(λ,T)×cosα(T)
ここでθFmaxはファラデー効果によるファラデー回転角であり、それには波長及び温度依存性がある。図6に示すように、αは、ガーネット単結晶の磁化方向と光線方向とのなす角度であり、これはガーネット単結晶の磁気異方性に起因するもので温度依存性がある。上式より、θF の波長依存性を低減するには、θFmaxの波長依存性を小さくすればよいことが分かる。これに対し、θF の温度依存性はθFmaxの温度依存性とαの温度依存性によって決まるので、θF の温度依存性を小さくするには、両者を相殺させるか、両方共にゼロに近づけなければならない。本発明は、両方共にゼロに近づける構造である。
【0025】
即ち、基本膜と、該基本膜とは温度係数が異なる補償膜とを組み合わせることで、θFmaxの温度依存性を小さくできる。また、基本膜に印加する外部磁界方向を上記特定の範囲内とすることで、異方性の寄与が低減され、αの温度依存性が小さくなる。磁気異方性の要因である磁化容易軸、磁化困難軸が、ステレオ投影図の中心の(111)面と最外円周上の(110)面を結んだ線を対称軸として存在しているため、それらの影響が、線上では相殺され、その付近では低減されている。これによって、αの温度依存性が低減される。また、本発明では波長係数も異なるので、波長依存性も低減される。基本膜に印加する外部磁界を上記特定の範囲内にすれば、αの項が小さくなるので、温度依存性はθFmaxの寄与が主になり、その場合は、θFmaxの温度依存性を低減すれれば、θF の温度依存性を低減できることになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明に係るファラデー回転角可変装置は、前述したように、光アッテネータや偏波スクランブラなどに組み込まれる。光アッテネータでは、ファラデー回転角可変装置の前後に偏光子と検光子を設置する。偏光子と検光子は、原理的には図1に示したような複合偏光プリズムを用いてもよいが、楔形複屈折結晶を用いて偏波無依存型とする方が実際的である。その例を図7に示す。
【0027】
図7のAに示すように、それぞれコリメートレンズ50,51を有する入力ファイバ52と出力ファイバ53との間に、楔形複屈折結晶(例えばルチル)からなる偏光子54と、ファラデー回転角可変装置55と、楔形複屈折結晶(例えばルチル)からなる検光子56を、この順序で光軸上に配置する。ファラデー回転角可変装置55は、図7のBに示すように、基本膜57と補償膜58、それらに90度異なる2方向から磁界を印加する永久磁石59と電磁石60との組み合わせからなる。基本膜57は、永久磁石59による固定磁界と電磁石60による可変磁界の合成磁界の変化によりその磁化方向が変わり、それに応じてファラデー回転角が変化する。
【0028】
例えば、偏光子54と検光子56を、それら両複屈折結晶の光学軸が互いに平行となるように配置した場合、次のように動作する。入力ファイバ52から出射しコリメートレンズ50で平行ビームとなった光は、偏光子54により常光oと異常光eに分離する。常光oと異常光eの偏光方向は互いに直交している。そして、各々の光はファラデー回転角可変装置55を通過する際、光軸に平行方向の磁化の大きさに応じて偏光方向が回転し、それぞれ検光子56により常光o1 と異常光e1 、常光o2 と異常光e2 とに分離する。検光子56から出射する常光o1 と異常光e2 とは互いに平行で、コリメートレンズ51によって出力ファイバ53に結合する(実線で示す)が、検光子56から出射する異常光e1 と常光o2 は互いに平行ではなく広がるために、コリメートレンズ51を通っても出力ファイバ53には結合しない(破線で示す)。
【0029】
電磁石60による印加磁界がゼロの時、ファラデー回転角は90度(磁化が光軸と平行)であり、偏光子54から出射した常光oは検光子16から異常光e1 として出射し、偏光子54から出射した異常光eは検光子から常光o2 として出射するために、コリメートレンズ51を通っても出力ファイバ53には結合しない。それに対して電磁石による印加磁界が十分大きいと、ファラデー回転角は0度に近づき、偏光子54から出射した常光oは殆どそのまま検光子16から常光o2 として出射し偏光子54から出射した異常光eは殆どそのまま検光子16から異常光e2 として出射するため、両光は平行で全てコリメートレンズ51によって出力ファイバ53に結合する。このようにして電磁石60による印加磁界の強さに応じて、基本膜57の磁化が回転してファラデー回転角は約90度から約0度までの範囲で変化し、それに応じて出力ファイバ53に結合する光量が異なることになり、光アッテネータとして機能することになる。
【0030】
但し、実際には電磁石に加えるパワーの都合上、ファラデー回転角は、基本膜の磁化が光線方向を向いているとき90度以上になるようにし、且つ90度よりも小さな角度範囲で変化させる。例えば、磁化が光線方向を向いたときファラデー回転角が96度となり、電磁石の磁界を印加して15度まで低減させる。その場合、偏光子、検光子である両複屈折結晶の光学軸のなす角度を105度に設定すれば、ファラデー回転角15度の時、クロスニコル状態になり、大きな減衰量が得られる。従って、このような場合でも、動作原理は上記と同様である。
【0031】
【実施例】
(実施例1)
基本膜の作製
基本膜の作製工程を図8に示す。まず、PbO−B2 3 −Bi2 3 を融剤とし、LPE法により、格子定数が12.496Å、組成が(CaGd)3 (MgZrGa)5 12である直径3インチ、厚み1170μmの非磁性ガーネット基板70の(111)面上に、Bi置換希土類鉄ガーネット単結晶72(LPE膜、組成Tb1.000.65Bi1.35Fe4.05Ga0.9512、膜厚450μm)を育成した(図8のA参照)。基板には大小二つのフラット面(オリエンテーションフラット)が付けられており、大きなフラット面は(-110)面、小さなフラット面は(11-2)面である。得られたLPE膜を7.6×5.0mmに切断し(切断線を図8のBで破線で示す)、研磨により基板を除去した後、大気中で1100℃、8時間熱処理した。熱処理したのは、as-grownの(育成したままの)LPE膜は成長誘導による一軸磁気異方性が大きく、それを低減するためである。その後、再度研磨して、7.6×5.0×0.33mmの形状に鏡面仕上げをし、表裏両面の(111)面に反射防止膜を蒸着した(図8のC)。そして、1.0×1.2×0.33mmに切断し(切断線を図8のCで破線で示す)、最後に(111)面と(-110)面と(-1-12)面の交点の角を少し削って方位マーカーとした(図8のD)。このようにして作製した基本膜74は、磁化方向が光線方向と平行方向を向いた時、32度のファラデー回転角を有する。
【0032】
補償膜の作製
はじめに、PbO−B2 3 −Bi2 3 を融剤として、LPE法により、格子定数が12.496Å、組成が(CaGd)3 (MgZrGa)5 12である直径3インチ、厚み1170μmの非磁性ガーネット基板の(111)面上に、Bi置換希土類鉄ガーネット単結晶(LPE膜、組成Gd1.000.75Bi1.25Fe4.00Ga1.0012、膜厚350μm)を育成した。得られたLPE膜を7.6mm角に切断し、研磨により基板を除去した。その後、再度研磨して、7.6×7.6×0.22mmの形状に鏡面仕上げし、表裏両面の(111)面に反射防止膜を蒸着した。そして、1.2×1.2×0.22mmに切断した。振動試料型磁力計(VSM)を用いてこの膜の飽和磁化の温度依存性を測定したところ、補償温度は136℃であり、その温度以下では、ファラデー回転角の回転方向が基本膜とは反対であった。また、磁化方向が光線方向と平行方向を向いた時、ファラデー回転角は−19.7度であった。
【0033】
図9のAに示すように、基本膜74を3個、方位を指定して並べ、一番手前の基本膜の角を切除した側の(-1-12)面を電磁石のS極側に、後ろの2個の基本膜の角を切除した側の(-1-12)面を電磁石のN極側に配置した。補償膜は基本膜に隣接して配置した。基本膜、補償膜とも、光は(111)面にほぼ垂直に入射する。基本膜を3個使用しているのは、育成したガーネット単結晶の膜厚が450μmであり、それを加工するため膜厚は更に薄くなり、1個当たりのファラデー回転角が小さいためである。現時点では、LPE法によるガーネット単結晶育成は、膜厚が500μmを超えると、欠陥や割れが生じて育成が困難である。しかし、結晶育成技術の進歩により500μmを超える厚い膜の育成が可能になり、加工後のガーネット単結晶1個当たりの厚みを大きくしてファラデー回転角を大きくできれば、使用する基本膜の個数は2個以下でもかまわない。
【0034】
このように基本膜と補償膜を配列したファラデー回転角可変装置の前後に、偏光子と検光子を配置し、波長可変光源を用いて直交偏光子法によりファラデー回転角の波長依存性を、任意の電磁石磁界のとき測定した。測定結果は前述した図4のA〜Cに示す通りであり、波長依存性は低減された。
【0035】
次に、偏光子と検光子のなす角度を85.3度に固定し、減衰量(透過光量)の波長依存性を測定した。これは、基本的に光アッテネータと同じ構成である。まず、波長1550nmで電磁石磁界に対する減衰量を求めた(図10)。そして図10から減衰量が0,5,10,20dBになる電磁石磁界を求め、電磁石の磁界をそれらの磁界に固定し、波長を変えたときの減衰量の変化量を測定した。その結果を図11のAに示す。比較のため、補償膜を取り除いて基本膜だけにして、偏光子と検光子の角度を105度に固定し、同様の方法で減衰量を測定した(比較例1)。測定結果を図11のBに示す。図10より、実施例1のファラデー回転角可変装置を用いても、光アッテネータの動作が正常に行われることが分かる。また、図11のAとBの比較により、実施例1のファラデー回転角可変装置を用いると、減衰量の波長特性を低減できることが分かる。
【0036】
この実施例1では、3個の基本膜のファラデー回転角は、電磁石磁界がゼロの時96度、電磁石磁界を印加し減衰量20dBの時15度である。それに対して補償膜のファラデー回転角は、電磁石磁界がゼロの時−19.7度、電磁石磁界を印加し減衰量20dBの時−19.4度である。従って、基本膜のファラデー回転角可変範囲に対する補償膜のファラデー回転角の変化は約0.4%と極めて小さく、補償膜のファラデー回転角は一定である。
【0037】
この実施例1における基本膜と補償膜の組み合わせは、測定してみると、上記のようにファラデー回転角の波長依存性を低減できるのみならず、温度依存性も低減できることが判明した。基本膜の0〜60℃での変化率は、25℃のファラデー回転角を基準として−0.22%/℃であり、補償膜の0〜60℃での変化率は、25℃のファラデー回転角を基準として+0.25%/℃である。
【0038】
このファラデー回転角可変装置の前後に偏光子と検光子を配置し、1550nmの光源を用いて直交偏光子法によりファラデー回転角の温度特性を、任意の電磁石磁界強度のとき測定した。測定結果を図12のAに示す。比較のため、補償膜を取り除き基本膜だけにしてファラデー回転角を測定した結果を図12のBに示す。
【0039】
次に、偏光子と検光子のなす角度を85.3度に固定し、減衰量の温度特性を測定した。これは、基本的に光アッテネータと同じ構成である。測定結果を図13のAに示す。比較のため、補償膜を取り除き基本膜だけにして、偏光子と検光子の角度を105度に固定して減衰量を測定した結果を図13のBに示す。
【0040】
これらの測定結果から、基本膜と補償膜を組み合わせることにより、ファラデー回転角と減衰量の両方とも温度依存性も小さくなることが分かる。
【0041】
なお、図9のBに示すように、3個の基本膜74を方位を揃えて並べて、角を切除した側の(-1-12)面を電磁石のN極側に配置して同様に測定したところ、上記(実施例1)の温度特性よりは劣るが、補償膜を組み合わせた場合と基本膜だけの場合を比較すると、補償膜を組み合わせることによって温度特性が改善されていることが確認できた。つまり、基本膜の方位に対する印加磁界経路にかかわらず、補償膜を組み合わせることは温度特性の改善に有効であった。
【0042】
(実施例2)
実施例1で補償膜として育成したLPE膜(研磨により基板を除去した状態のもの)を、大気中で1100℃、2時間熱処理し、その後、実施例1の場合と同様に加工して、1.2×1.2×0.11mmに仕上げた。この補償膜は、磁化方向が光線方向と平行方向を向いたとき、−10度のファラデー回転角を有するものであった。この補償膜を用いて、実施例1と同様に、ファラデー回転角、減衰量の電磁石磁界依存性と波長依存性を測定した。減衰量を測定したときの、偏光子と検光子のなす角度は95度とした。なお、補償膜、及び偏光子と検光子のなす角度以外は全て実施例1と同じとした。測定結果を図14〜図17に示す。
【0043】
図14は、基本膜と補償膜のファラデー回転角の電磁石磁界依存性をしめしている。電磁石の磁界が大きくなると、補償膜のファラデー回転角の絶対値が多少小さくなるように変化していることが分かる。これは、補償膜の磁化方向が若干光線方向から傾いたためと考えられる。しかし、その変化量は十分小さい。3個の基本膜のファラデー回転角は、電磁石磁界がゼロの時96度、電磁石磁界を印加し減衰量20dBの時15度である。それに対して補償膜のファラデー回転角は、電磁石磁界がゼロの時−10度、電磁石磁界を印加し減衰量20dBの時−7.8度である。従って、基本膜のファラデー回転角可変範囲に対する補償膜のファラデー回転角の変化は約2.7%であり、補償膜のファラデー回転角はほぼ一定と見なせる。
【0044】
図15のA〜Cに、ファラデー回転角の波長依存性を示す。比較のため、基本膜のみの場合も記載した。補償膜を組み合わせることにより、ファラデー回転角の波長依存性が小さくなっていることが分かる。図16は、減衰量の電磁石依存性である。電磁石磁界が大きくなると減衰量も大きくなっており、光アッテネータとして正常に動作することが分かる。図17は減衰量の波長依存性を示したものである。図11のBとの比較により、波長依存性が低減されていることが分かる。このように、補償膜のファラデー回転角が完全に一定ではなく多少変化する場合でも、波長依存性の効果は生じる。
【0045】
(実施例3)
基本膜と補償膜には実施例1で作製したのと同じものを使用する。実施例1との違いは、基本膜の並べ方と電磁石による磁界の印加方向のみである。図9のBに示すように、3個の基本膜を方位を揃えて並べ、(-110)面を電磁石のN極側に配置した。比較のため基本膜のみの場合も作製した。光線は基本膜及び補償膜の(111)面に垂直方向に通過し、基本膜に印加される外部磁界の合成磁界ベクトルの変位経路が、ガーネット単結晶の(111)面を中心としたステレオ投影図における中心の(111)面と、最外周円上の(1-10)面を結ぶ線上に設定する。その状態で、ファラデー回転角、減衰量の波長及び温度特性を測定した。図18はファラデー回転角の波長特性、図19は減衰量の波長特性を示し、図20はファラデー回転角の温度特性、図21は減衰量の温度特性を示す。各図において、Aは補償膜を組み合わせた実施例3であり、Bは基本膜のみの比較例3である。これらの測定結果から、実施例3では、波長依存性、温度依存性が共に小さくなっていることが分かる。
【0046】
上記の各実施例では、補償膜に補償温度が高温(136℃)のものを用いて、基本膜のファラデー回転角とその波長依存性の符号と反対になるようにしたが、それ以外でも、例えばY3 Fe5 12やTb3 Fe5 12等のビスマスが置換されていない希土類鉄ガーネット単結晶は、ビスマスを0.3程度以上置換されたもののファラデー回転角、波長係数と符号が異なるため、それらを用いても同様の効果が得られる。
【0047】
【発明の効果】
本発明は上記のように、外部印加磁界によりファラデー回転角が可変するガーネット単結晶基本膜の他に、ファラデー回転角がほぼ一定のガーネット単結晶補償膜を配置し、前記基本膜と補償膜にはファラデー回転角の波長係数の符号が異なるものを用いるように構成したことにより、前記補償膜により基本膜のファラデー回転角の波長変化分を減少させ、ファラデー回転角可変装置の波長依存性を低減することができる。そのため、ファラデー回転角可変装置を用いる特に波長多重通信用の各種光デバイスの実用化、高性能化に有用である。
【0048】
本発明では、補償膜の膜厚を変えてそのファラデー回転角を変えれば、基本膜と補償膜のファラデー回転角の絶対値が同じになった時にファラデー回転角の波長依存性をほぼゼロにできるため、どのファラデー回転角で波長依存性をゼロにするか設計の自由度がある。つまり、補償膜のファラデー回転角が、基本膜のファラデー回転角の最大値と最小値の間にあれば、その中の任意のファラデー回転角の時の波長依存性をゼロにできる。特に光アッテネータに組み込んだ場合に、波長変化に敏感な減衰量が大きい領域で波長依存性を低減できるため、その効果は非常に大きい。
【0049】
更に、基本膜と補償膜にファラデー回転角の波長係数と温度係数の符号の両方が異なるものを用いるように構成すると、前記補償膜により基本膜のファラデー回転角の波長変化分及び温度変化分を減少させ、ファラデー回転角可変装置の波長依存性と温度依存性の両方を低減することができる。
【0050】
また、光線の通過面、基本膜に印加される外部磁界の合成ベクトルの変位経路を特定することによっても、補償膜により基本膜のファラデー回転角の波長変化分及び温度変化分を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光アッテネータの基本構成を示す説明図。
【図2】本発明に係るファラデー回転角可変装置の構成と動作の説明図。
【図3】実施例1における基本膜と補償膜の磁界依存性を示すグラフ。
【図4】実施例1におけるファラデー回転角の波長依存性を示すグラフ。
【図5】ガーネット単結晶の(111)面を中心とするステレオ投影図。
【図6】基本膜と磁化方向の関係を示す説明図。
【図7】偏波無依存型光アッテネータの構成と動作説明図。
【図8】基本膜の製造工程と最終形状と方位の説明図。
【図9】基本膜の配列方位の説明図。
【図10】実施例1の減衰量の電磁石磁界依存性を示すグラフ。
【図11】実施例1と比較例1の減衰量の波長依存性を示すグラフ。
【図12】実施例1と比較例1のファラデー回転角の温度特性を示すグラフ。
【図13】実施例1と比較例1の減衰量の温度特性を示すグラフ。
【図14】実施例2における基本膜と補償膜の磁界依存性を示すグラフ。
【図15】実施例2におけるファラデー回転角の波長依存性を示すグラフ。
【図16】実施例2の減衰量の電磁石磁界依存性を示すグラフ。
【図17】実施例2の減衰量の波長依存性を示すグラフ。
【図18】実施例3と比較例3のファラデー回転角の波長特性を示すグラフ。
【図19】実施例3と比較例3の減衰量の波長特性を示すグラフ。
【図20】実施例3と比較例3のファラデー回転角の温度特性を示すグラフ。
【図21】実施例3と比較例3の減衰量の温度特性を示すグラフ。
【符号の説明】
40,42 永久磁石
44 電磁石
46 基本膜
48 補償膜

Claims (13)

  1. ファラデー効果を有するガーネット単結晶に2方向以上から外部磁界を印加して、それらの合成磁界を可変することにより、該ガーネット単結晶を透過する光線のファラデー回転角を制御するファラデー回転角可変装置において、
    合成磁界の可変によりファラデー回転角が変化するガーネット単結晶基本膜の他に、ファラデー回転角がほぼ一定のガーネット単結晶補償膜を配置し、前記基本膜と補償膜にはファラデー回転角の波長係数の符号が異なるものを用い、前記補償膜により基本膜のファラデー回転角の波長変化分を減少させるようにしたことを特徴とするファラデー回転角可変装置。
  2. 基本膜と補償膜にはファラデー回転角の波長係数及び温度係数の符号が異なるものを用い、それらは共に(111)面で研磨されていて、光線は(111)面に垂直な〈111〉方向に透過し、基本膜に印加される外部磁界の合成ベクトルの変位経路が、ガーネット単結晶の(111)面を中心としたステレオ投影図における中心の(111)面と、最外周円上の(110)面と等価な面から左右に5度の位置を結んだ線で囲まれた扇形範囲に入っており、それによって前記補償膜により基本膜のファラデー回転角の波長変化分及び温度変化分を減少させるようにした請求項1記載のファラデー回転角可変装置。
  3. 基本膜のファラデー回転角の絶対値の最大値をFamax、補償膜のファラデー回転角の絶対値をFb とした時、Famax>Fb である請求項1又は2記載のファラデー回転角可変装置。
  4. 基本膜のファラデー回転角の絶対値の最大値をFamax、基本膜のファラデー回転角の絶対値の最小値をFamin、補償膜のファラデー回転角の絶対値をFb とした時、Famax>Fb >Faminである請求項3記載のファラデー回転角可変装置。
  5. 光線方向に対して平行方向と直交方向の2方向から磁界を印加する請求項1乃至4のいずれかに記載のファラデー回転角可変装置。
  6. 光線方向に対して平行方向の磁界は永久磁石による固定磁界であり、直交方向の磁界は電磁石による可変磁界である請求項5記載のファラデー回転角可変装置。
  7. 基本膜と補償膜の両方に2方向の磁界を印加する請求項5又は6記載のファラデー回転角可変装置。
  8. 基本膜には2方向から磁界を印加し、補償膜には光線方向に対して平行方向の永久磁界による固定磁界のみを印加する請求項5又は6記載のファラデー回転角可変装置。
  9. 基本膜には2方向から磁界を印加し、補償膜には外部磁界を印加しない請求項5又は6記載のファラデー回転角可変装置。
  10. 基本膜には垂直磁気異方性が小さい材料を、補償膜には垂直磁気異方性が大きい材料を使用し、それらを並べて2方向以上から外部磁界が印加される位置に設置する請求項7記載のファラデー回転角可変装置。
  11. 基本膜が、(RBi)3 (FeM)5 12であり、補償膜が、R3 Fe5 12又は補償温度が最高使用温度よりも高い(RBi)3 (FeM)5 12(但しRはイットリウムを含む希土類元素から選ばれた1種以上の元素、Mは鉄と置換できる1種以上の元素)である請求項1乃至10のいずれかに記載のファラデー回転角可変装置。
  12. 基本膜は、組成がTb1.000.65Bi1.35Fe4.05Ga0.9512で、大気中1100℃で8時間熱処理されたものであり、補償膜は、組成がGd1.000.75Bi1.25Fe4.00Ga1.0012で熱処理されていないものであり、それら基本膜と補償膜に光線と平行方向に永久磁石により210エルステッドの磁界を印加し、光線と直交方向に電磁石による可変磁界を印加する請求項5記載のファラデー回転角可変装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載のファラデー回転角可変装置を、偏光子と検光子の間に組み込んだ光アッテネータ。
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