JP3719492B2 - 希土類系磁性粉末及びその表面処理方法並びにそれを用いた希土類ボンド磁石 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は希土類系磁性粉末の粒子表面にシリカの薄膜を形成することにより磁性粉末の耐酸化性を改良する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、高磁気特性を有する希土類磁石は、磁石の小型化、小片化を可能にし、それを組み込んだ通信機器、情報処理機器といったエレクトロニクス製品の小型化に欠くことのできない材料となっている。特に、希土類ボンド磁石は優れた形状加工性を有し、薄肉微小への成形が可能であることからその使用量は益々増加の一途をたどっている。
【0003】
代表的な希土類ボンド磁石には、Sm−Co系、Nd−Fe−B系、Sm−Fe−N系の磁性材料を使用し、これらはそれぞれ高い磁気特性を有している。ところが、これら希土類磁石は希土類元素を構成成分に含み、希土類元素は酸化されやすい元素であることから、基本的にそれを組成に含んだ希土類磁石は酸化されやすい。従って、実用性のある希土類ボンド磁石を得るためには、基本的には耐酸化性を克服しなければならない。
【0004】
このような希土類磁石に対して、特開平3−280404号公報には焼結磁石あるいはボンド磁石の表面に、テトラエトキシシランを用いたゾルゲル法によるシリカガラスを析出させる方法が開示されている。しかし、磁石成形品の表面にこのような特殊な被覆を行うことは、製造工程の複雑化及び製造コストの増大を招き得策ではない。これに対し特開昭62−152107号公報には、希土類磁性粉末そのものの粒子表面に、ケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩により被覆する方法が、また、特開平2−265222号公報には、希土類磁性粉末の粒子表面に亜鉛金属およびシリカ粉を機械的に付着する方法が、特開平8−111306にはNdFeB系合金粉末表面にエチルシリケートを原料とするゾルゲル反応、又はプラズマ化学蒸着法により二酸化珪素の保護被膜を形成する方法が開示されている。
【0005】
しかし、これらの方法から得られる保護膜は微粒子状であって、優れた耐酸化性を得るにはその隙間を詰めるために磁性粉末表面の保護膜を厚くしなければならず、その結果、磁性粉末本来の磁気特性を大幅に低下させてしまう。つまり、これらの技術では、耐酸化性と磁気特性がトレード・オフの関係となり、その点で十分に満足のいくものではない。また、たとえ粒子状で均一な被膜が形成されてもその後のボンド磁石作製時あるいはその原料のコンパウンド作製時の樹脂結合プロセスにおいて高温高圧に磁性粉末は高温高圧の環境にさらされ被膜が剥離してしまうことにより、その効果を発揮できないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は上述した問題を解決することを目的として成され、希土類磁性粉末の耐酸化性を改良すると同時に、耐酸化性を改良しても磁気特性を低下しない、また樹脂等との混練時の高温高圧の環境に影響されない高品質な希土類系磁性粉末を得ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述した課題を解決するためには、希土類磁性粉末の粒子表面に、耐酸化作用のある被覆物を従来の方法よりもさらに均一に被覆することで解決できると考え、種々の被覆材料について鋭意検討したところ、エチルシリケートに代表されるアルキルシリケート(ケイ酸エステル化合物、シリコンアルコキシドともいう)を塩基性触媒下で加水分解したときに得られるシリカゾルを不活性雰囲気中で希土類磁性粉末に均一混合し、それを加熱することでさらに縮合を進行し、強固で緻密なコロイド状のシリカの薄膜が形成され、そのシリカ膜に著しい耐酸化性の効果があることを見いだした。
【0008】
すなわち、本発明の希土類系磁性粉末は、希土類系磁性粉末の粒子表面に、アルキルシリケートが加水分解して得られるシリカが薄膜状に付着していることを特徴とする。
【0009】
本発明の希土類磁性粉末の表面処理方法は、組成中に希土類元素を含有する合金または金属間化合物からなる希土類系磁性粉末の表面にシリカ被膜を形成する方法において、
該磁性粉末に塩基を触媒とするアルキルシリケートの加水分解から生成するシリカゾルを混合し、不活性雰囲気中で加熱を行うことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するアルキルシリケートは、次のような一般式で示されるケイ酸エステルである。SinO(n-1)(OR)(2n+2)、ここでRはアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が使用できる。アルキル基は、特にコストが安価なこと、また、毒性がなく取り扱いが簡単なことからエチル基を使用したエチルシリケートが好ましく使用できる。また、nの値はアルキルシリケートの分子量に関係し、n=1〜10の範囲のものが好ましく使用できる。nが10よりも大きくなると、緻密なシリカは得られにくくなる。
【0011】
<アルキルシリケートの添加量>
シリカ薄膜形成に必要とされるアルキルシリケートの添加量は、エチルシリケートの種類、磁性粉末の種類、形状、粒子径等にも依存するが、平均粒径1〜10μm希土類磁性粉末100重量部に対して、1〜10重量部の範囲を添加することが好ましい。
【0012】
<アルキルシリケートの加水分解と塩基性触媒>
本発明の最も特徴的なのは、アルキルシリケートの加水分解を塩基性触媒中で行うことである。塩基性水溶液のアルキルシリケートの加水分解、縮合反応メカニズムは、酸性水溶液のそれと根本的に違うことが知られている。塩基性水溶液の場合、アルキルシリケートのアルコキシ基が同時に水酸基に置換される。そのため、Siからシロキサン結合が三次元的に成長し、凝縮した網目構造のシリカゾルが形成される。塩基性触媒としてアンモニア、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、あるいは水酸化物が塩基性を呈する水酸化金属を使用することができるが、アンモニアは後の加熱工程ですべて揮発し残留しないことから最も好ましく使用できる。塩基性触媒下のアルキルシリケートの加水分解及び縮合反応は、広範囲で起こるが、本発明において特に水素イオン濃度(pH)が7.5以上の塩基性が好ましく、特に、8〜13の範囲がより好ましい。
【0013】
図1にSm2Fe17N3系磁性粉末にアルキルシリケートからの加水分解から生成するシリカを被覆する際のpHと耐熱性の関係を、磁性粉末の磁気特性に優劣から調べた。Sm2Fe17N3系磁性粉末は、酸化されると磁気特性は大幅に低下することが知られている。
【0014】
この図より、pHが6以下では保磁力、残留磁化とも低いが、7.5以上では両特性とも大きく改善されている。ここで磁性粉末の磁気特性は、磁性粉末をパラフィンワックスと共にサンプルケースに詰め、ドライヤーでパラフィンワックスを溶融させてから20kOeの配向磁場でその磁化容易軸を揃え、着磁磁場40kOeでパルス着磁し、最大磁場20kOeのVSM(振動試料型磁力計)で磁気特性を測定した相対値である。
【0015】
加水分解に添加する水は、アルキルシリケートの加水分解に必要とされる理論量の0.1〜3倍である。この範囲より少ないと、加水分解が緻密なシリカ薄膜が得られず、この範囲より多いと、希土類系の磁性粉末は酸化してしまう。従って、水の添加量は好ましくは0.5〜2倍量であり、理論量の添加が最も好ましい。
【0016】
加水分解時に、アンモニアと水の添加と共にアルコールを同時に加えてもよい。アルコールはアルキルシリケート中への水の分散性を高める界面活性剤の働きがある。
【0017】
<磁性粉末とシリカゾルの混合>
磁性粉末表面への処理剤の被覆は、高速せん断式のミキサ中で乾式で行う。被覆はシリカゾルの濡れ性だけに依存するのではなく、ミキサのせん断力を利用し、磁性粉末を強力に撹拌分散させつつ、磁性粉末粒子表面に均一にシリカゾルを塗りつける。この段階でシリカゾルをできるだけ均一にしかも一様に分散させることが後のシリカ膜の耐酸化性能に大きく影響する。
【0018】
そのためには、エチルシリケートを予め磁性粉末に均一に分散被覆しておき、その後塩基性水溶液を添加して混合することでより均一な被覆が行うことができる。混合条件は撹拌速度、ミキサの容量、羽根の大きさ形状にも依存し、特定することは困難であるが、個々の系で全体が均一に混合されるように条件を設定すべきである。
【0019】
<加熱処理>
希土類磁性粉末の粒子表面に三次元網目構造をもつシリカ薄膜が形成されるが、加熱することにより残留するSiOHに重縮合反応させ安定化し、より強固なシリカ薄膜を形成する。この縮合に必要とされる処理温度は、60〜250℃、好ましくは100〜250℃である。
【0020】
このようにして得られたシリカ薄膜は0.01〜3μmの範囲の厚みで被覆されると、磁気性能を損なわず耐酸化性を向上することができる。
【0021】
本発明では、磁性粉末と樹脂との濡れ性、磁石の強度を改善する目的でカップリング剤を使用することができる。カップリング剤は、樹脂の種類に合わせて選定する。
【0022】
本発明に使用することが可能である。カップリング剤としてはγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチレンジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシル[3−(トリメトキシsリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、オレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ポリエトキシジメチルシロキサン、ポリエトキシメチルシロキサン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、1,3,5−N−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、t−ブチルカルバメートトリアルコキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン等のシランカップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピル(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクタチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、、テトライソプロピルチタネート、yテトラオクチルビス(トリオクチルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリオクチルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)、イソプロピルジメタクリレートイソステアロイルチタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスヘート)エチレンチタネート等のチタネート系カップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤が挙げられる。これらのカップリング剤の少なくとも1種または2種以上を使用できる。添加量としては0.01重量%〜10重量%である。0.01重量%以下ではカップリング剤の効果が小さく、10重量%以上では、希土類似性粉末の凝集により、希土類磁性粉末、希土類磁石の磁気特性を低下させる。また、本発明では希土類磁性粉末のシリカ薄膜とカップリング剤の反応性からシラン系カップリング剤が好ましい。
【0023】
本発明では、希土類磁石のバインダーを目的として樹脂を使用し、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー、熱可塑性エラストマー等の少なくとも1種または2種以上を使用できる。
【0024】
熱可塑性樹脂としては、12−ナイロン、6,12−ナイロン、4,6−ナイロン、6,10−ナイロン、ナイロン6T、ナイロンMXD6、芳香族ナイロン、11−ナイロン、非晶質ナイロン、共重合ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂エチレン系アイオマー樹脂等のアイオマー樹脂、エチレン・アクリル酸エチル共重合体等のEEA樹脂、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン共重合体等のアクリロニトリル系樹脂、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂等のポリビニル系樹脂、酢酸繊維素樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキシルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・エチレン重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド等のフッ素樹脂、ポリメタクリル酸メチル、エチレン・エチルアクリレート樹脂等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニルスルフィド、ポリオキシペンジレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアリルエーテルニトリル、ポリベンゾイミダール、ポリアラミド、ポリエステルアミド、全芳香族アミド、半芳香族アミド等の液晶樹脂といったエンジニアリングプラスチックス、スーパーエンジニアリングプラスチックス等の少なくとも1種または2種以上が使用できる。
【0025】
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミド系特殊樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹脂、メラニン樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性フッ素樹脂等の少なくとも1種または2種以上が使用できる。
【0026】
エラストマーとしては、天然ゴム、ニトリル・ブチルゴム、ポリイソプレンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、また、エステル系、特殊エステル系エーテル系、カプロラクトン系、アジペート系、カーボネート系、ラクトン系等の熱可塑性ウレタンエラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系系熱可塑性エラストマー、スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ニトリル系熱可塑性エラストマー、水添SBS系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーといった熱可塑性エラストマーの少なくとも1種または2種以上が使用できる。
【0027】
本発明では混練および成形の際の熱履歴によるバインダー樹脂の劣化を防止する目的で酸化防止剤を添加できる。酸化防止剤としてはトリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンンジオール−ビス[3−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(nオクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアリニノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロキシシナアミド)、3,5−ジ−butiru−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、N,N−ジベンザール、N,N−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシハイドロシンナート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニ)プロピオネーツ、2,2’−メチレン−ビス−(4メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ]−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、N,N’−ジアリル−p−フェニレンジアミン、ジアウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピンエート、ペンタエリスリトール−テトラキス(β−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンジイミダザール、チオフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’ビフェニレンフォスフォナイト、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラハイドロフタリミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル]ベンゾトリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、トリルトリアゾールアミン塩、トリルトリアゾールカリウム塩、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ニッケルジブチルジチオカーバメート、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シキルヘキサン、スチレン化フェノール、N.N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、フェニル−1−ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、2−メルカプトベンツイミダゾール、2−メルカプトベンツイミダゾール亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンツイミダゾール亜鉛塩、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素、トリブチルチオ尿素、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、チオジプロピオン酸ジラウリル、特殊ワックス等が挙げられる。
【0028】
これらの酸化防止剤は必要に応じて1種または2種以上で用いられるが、一次酸化防止剤と二次酸化防止剤の併用によって高い相乗効果がえられる。これらの酸化防止剤は加工温度に於いて安定であり磁性粉末、樹脂その他の添加物との反応性を考慮して適宜選択することが重要である。また、添加量は、磁性粉末とバインダーの総量に対して0.01〜5重量%が適当である。酸化防止剤の添加量が5%を越えると溶融状態における滑り性の低下およびボンド磁石の機械的強度の著しい低下をまねくので適当ではない。また、0.01%以下の添加量ではバインダー樹脂に対する酸化防止効果はほとんど現れない。
【0029】
本発明では溶融粘度を低下させ、射出成形性を向上させる目的で滑剤を添加できる。使用可能な滑剤としてはパラフィンワックス、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、エステルワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ケトンワックス、カルナウバ、マイクロワックス等のワックス類、ステアリン酸、12ーオキシステアリン酸、ラウリン酸、カプリン酸等の脂肪酸類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、リノール酸亜鉛、リノール酸カルシウム、2−エチルヘキソイン酸亜鉛、安息香酸鉛、パラターシャリーブチル安息香酸亜鉛、パラターシャリーブチル安息香酸バリウム、ステアリルアシッドホスファイト、マグネシウムステアリルアシッドホスファイト、アルミニウムステアリルアシッドホスファイト、カルシウムステアリルアシッドホスファイト、ジンクステアリルアシッドホスファイト、バリウムステアリルアシッドホスファイト、ジンクベヘニルアシッドホスファイト等の金属石鹸系、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド、パルミチン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N−N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジイソステアリルイソフタル酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、ジステアリルアジピン酸アミド、ジオレイルアジピン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N−12ヒドロキシステアリルステアリン酸アミド、N−12ヒドロキシステアリルオレイン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘン酸アミド等の脂肪酸アミド、N−ブチル−N’−ステアリル尿素、N−フェニル−N’−ステアリル尿素、N−ステアリル−N’−ステアリル尿素、キシリレンビスステアリル尿素、トルイレンビスステアリル尿素、ヘキサメチレンビスステアリル尿素、ジフェニルメタンビスステアリル尿素、ジフェニルメタンビスラウリル尿素等の置換尿素類、2−エチルヘキサン酸セチル、ヤシ油脂肪酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パーム脂肪酸メチル、牛脂脂肪酸メチル、ミリスチル酸オクチルドデシル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソトリデシル、カプリン酸メチル、ミリスチン酸メチルオレイン酸メチル、オレイン酸イソブチル、オレイン酸オクチル、オレイン酸ラウリル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、ベヘニン酸オクチルドデシル、ベヘニン酸ベヘニル、エルカ酸オクチルドデシル、オレイン酸イソブチル、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート等の脂肪酸エステル、エチレングリコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等のアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル類、シリコーンオイル、シリコーングリース等のポリシロキサン類、弗素系オイル、弗素系グリース、含弗素樹脂粉末といった弗素化合物等が挙げられる。これらの滑剤は1種または2種以上使用できるが、添加量が少なすぎる場合は流動性向上の効果が小さく、また多すぎる場合はボンド磁石の機械的強度が著しく小さくなり実用に適さなくなる。従って、添加量は磁性粉末とバインダーの総量に対して0.01〜5重量%が好ましい。
【0030】
【作用】
希土類磁石粉末表面にシリカの緻密な三次元的な縮重合体が形成されることで縮重合体を熱処理してシリカにゲル化する際、粉末に対し圧縮応力が働くように皮膜が形成される。これは耐酸化性や耐食性の向上はもちろん、皮膜が粒子に強固に接着し、樹脂結合磁石の製造プロセス中におけるコーティングの脱落が激減する。
【0031】
緻密なシリカ膜が密着して付着していることで、粒子の表面積がほとんど変化せず、樹脂と混練する際に樹脂への分散性や流動性に有利に働く。樹脂への最適な分散性を選るにはシランカップリング剤等のカップリング処理も必要であるが、シリカ膜が均一で平滑であるため、カップリング剤の必要量は少なくすることができる。
【0032】
【実施例】
[実施例1]
ミキサに、平均粒径3μmのSm2Fe17N3系磁性粉末300g、エチルシリケート(n=5)を2.5g噴霧添加して、窒素ガス中1分間混合した。その後、pHが12に調整されたアンモニア水1.08gとエタノール3.24gの混合溶液を噴霧添加し、ミキサで窒素ガス中1分間混合した。本発明に使用するミキサは磁性粉末が十分流動するものであれば特に問わない。混合分散が終了するとミキサから磁性粉末を取り出し、減圧下230℃で30分間加熱処理し、Sm2Fe17N3系磁性粉末シリカ薄膜が形成された。
【0033】
得られたシリカ被覆された磁性粉末について、XPS(X線光電子分光法)による表面分析を行ったところ、任意の位置に103.5eV付近にピークが観測され、二酸化ケイ素のSi2Pの束縛エネルギーと一致した。このことから、本法で確かにシリカの被覆が成されていることが確認された。この粉末を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、図2に示すようであり、図3に示す何も被覆しないものと外観の差はなかった。従って、Sm2Fe17N3磁性粉末の粒子表面には粒子状のシリカを観察されず、このことから上記処理により生成したシリカは粒子状ではなく均一な薄膜状に形成されていると結論される。
【0034】
また、得られた粉末のBET法よる比表面積を測定したところ0.7m2/gであり、これはシリカ被覆する前の磁性材料の0.6m2/gに対し1.2倍増加している程度であった。すなわち、シリカ被覆により比表面積の増加はそれほど大きな物ではない。
【0035】
[実施例2]
実施例1で得られた磁性粉末300gに、シランカップリング剤(γ―アミノプロピルトリエトキシシラン)1.2g、アンモニア水0.6gとエタノール3.6gの混合溶液を噴霧添加して、ミキサで窒素ガス中、1分間混合した。磁性粉末を取り出し、減圧下、90℃、30分間加熱処理することで、シリカ膜上にカップリング剤膜が形成された磁性粉末を得た。
【0036】
[実施例3−1]
実施例2で得られたSm2Fe17N3系磁性粉末を100重量部に9重量部のナイロン12樹脂(ポリアミド樹脂)を加え、同様に5分混合したものを2軸混練機により220℃で混練してコンパウンド・ペレットを得た。
【0037】
これを配向磁場9KOe、ノズル及びシリンダー温度250℃の条件で射出成形し、10φx7tの柱状ボンド磁石成形体を得た。得られたボンド磁石成形体を脱磁後25kOeでパルス着磁して磁石の磁気特性をBHカーブトレーサを用いて測定したところ、残留磁化Br:7500G、保磁力iHc:11kOe、BH(max):13M・G・Oeと極めて優れた磁気特性を有していた。
【0038】
また、このコンパウンド30gを分取し、東洋精機製メルトフロー測定機にてJIS−K7210Aにより250℃,98.07Nの荷重をかけメルトフローレート(M.F.R.)を測定した結果、107g/10minという高い結果を示した。
【0039】
得られたコンパウンドを、磁場射出成形機で外径10mm高さ7mmの円柱形に配向成形した。得られた成形体、保磁力iHcは10.7kOeであった。
【0040】
[実施例3−2]
実施例2で得られたSm2Fe17N3系磁性粉末を100重量部に9重量部のナイロン12樹脂(ポリアミド樹脂)を加え、酸化防止剤N,N−ビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル}ヒドラジン(チバガイギー製)を0.5重量部、滑剤m−キシリレンビスステアリン酸アミドを0.5重量部、ミキサーで5分混合し、2軸混練機により220゜Cで混練してコンパウンド・ペレットを得た。
【0041】
実施例2で得られたSm2Fe17N3系磁性粉末を100重量部に9重量部のポリアミド系エラストマー(ペバックス(東レ(株))、 酸化防止剤N,N−ビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル}ヒドラジン(チバガイギー製)を0.5重量部、滑剤m−キシリレンビスステアリン酸アミドを0.5重量部、ミキサーで5分混合し、2軸混練機により220゜Cで混練してコンパウンド・ペレットを得た。
【0042】
[比較例1]
ケイ酸ナトリウムを純水に溶解させ、14wt%ケイ酸ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液1リットル中で、平均粒径3μmのSm2Fe17N3系磁性粉末100gを30分間撹拌し、エタノールを0.5リットル投入して30分間撹拌しろ過した。得られた粉末は、減圧下、80℃、2時間乾燥することで、ケイ酸ナトリウム膜を形成させた磁性粉末を得た。
【0043】
得られたシリカ被覆された磁性粉末について、XPS(X線光電子分光法)による表面分析を行ったところ、任意の位置に103.0eV付近にピークが観測され、ケイ酸塩のSi2Pの束縛エネルギーと一致した。この粉末をSEMで観察したところ、Sm2Fe17N3磁性粉末の粒子表面には0.1μm程度の微粒子のケイ酸塩が観察された。このことから上記処理により粒子状のケイ酸塩が被覆していると結論された。
【0044】
また、得られた粉末のBET法よる比表面積を測定したところ1.9m2/gであり、これはシリカ被覆する前の磁性材料の0.6m2/gに対し3.2倍に増加していた。すなわち、この方法によるシリカ被覆により、比表面積は大幅に増加した。
【0045】
[比較例2]
テトラエトキシシランをイソプロピルアルコールに溶解して、50wt%テトラエトキシイランーイソプロピルアルコール溶液を得た。この溶液に対して、酸触媒として、0.3wt%の硝酸水溶液を7wt%添加撹拌し24時間放置した。この溶液をイソプロピルアルコールで20倍に希釈し表面処理溶液を得た。
【0046】
この表面処理溶液に、平均粒径3μmのSm2Fe17N3系磁性粉末を浸潰し撹拌した。その後ろ過して室温で乾燥した後、減圧下250℃で1時間加熱することでシリカ被覆した磁性粉末を得た。
【0047】
得られたシリカ被覆された磁性粉末について、XPS(X線光電子分光法)による表面分析を行ったところ、任意の位置に103.5eV付近にピークが観測され、二酸化ケイ素Si2Pの束縛エネルギーと一致した。この粉末をSEMで観察したところ、図4に示すように、Sm2Fe17N3磁性粉末の粒子表面には0.1μm程度の微粒子のシリカが観察された。このことから上記処理により生成したシリカは粒子状のシリカが被覆していると結論される
【0048】
また、得られた粉末のBET法よる比表面積を測定したところ1.3m2/gであり、これはシリカ被覆する前の磁性材料の0.6m2/gに対し2.2倍に増加していた。この方法によるシリカ被覆は粒子状であるため比表面積は大幅に増加したと結論できる。
【0049】
[比較例3]
比較例1で得られたSm2Fe17N3系磁性粉末に実施例2と同様のシランカップリング剤による処理を行い、同様にしてコンパウンドペレット、ボンド磁石を作製した。
【0050】
[比較例4]
シリカ被膜もシランカップリング剤による処理も行っていないSm2Fe17N3磁性粉末を用いて同様にボンド磁石を作製した。
【0051】
得られた磁石の耐熱性を調べるために、大気中100℃で所定の時間加熱した後、室温に冷却してフラックスを測定した。加熱前の値を100%としたときの相対フラックスの経時変化を図5に示した。この図より、本発明の表面処理を施した磁性粉末は経時的安定性が極めて高いことが分かる。
【0052】
[実施例4]
ミキサに、粒子径40〜300μmのメルトスピニング法によるNdFeB系急冷薄帯を粉砕してできる磁石粉末(Nd13.5Fe64.5Co16B6)を300g、エチルシリケート(n=5)を2.5g噴霧添加して、窒素ガス中1分間混合した。その後、pHが12に調整されたアンモニア水1.08gとエタノール3.24gの混合溶液を噴霧添加し、ミキサで窒素ガス中1分間混合した。混合分散が終了するとミキサから磁性粉末を取り出し、減圧下230℃で30分間加熱処理し、Nd2Fe14B系磁性粉末シリカ薄膜が形成された。
【0053】
得られたシリカ被覆された磁性粉末について、XPS(X線光電子分光法)による表面分析を行ったところ、任意の位置に103.5eV付近にピークが観測され、二酸化ケイ素Si2Pの束縛エネルギーと一致した。このことから、本法でシリカの被覆が成されていることが確認された。この粉末をSEMで観察したところ、図6に示すようであり、これは図7に示すシリカ被覆前の粒子写真と外観上の差がなかった。従って、磁性粉末粒子表面の微粒子はシリカとは無関係であると結論され、上記処理により生成したシリカは粒子状ではなく均一な薄膜状に形成されていると結論される。
【0054】
また、得られた粉末のBET法よる比表面積を測定したところ0.45m2/gであり、これはシリカ被覆する前の磁性材料の0.12m2/gに対し3.75倍に増加していた。このような増加は、生成したシリカ被膜が粒子状であることに起因する。
【0055】
[実施例5]
実施例4で得られた磁性粉末300gに、シランカップリング剤(γ―アミノプロピルトリエトキシシラン)1.2g、アンモニア水0.6gとエタノール3.6gの混合溶液を噴霧添加して、ミキサで窒素ガス中、1分間混合した。磁性粉末を取り出し、減圧下、90℃、30分間加熱処理することで、シリカ膜上にカップリング剤膜が形成された磁性粉末を得た。
【0056】
[実施例6]
次に得られた粉末100重量部に対し液状エポキシ樹脂2重量部を混合し、金型圧縮にて10φ×7tの成形体を得た。この成形体をキュアーおよび着磁した後、磁気特性を測定した。その結果は残留磁化Br:7.4kG、保磁力iHc:9.5kOe、BHmax:11.5MGOeであった。
【0057】
[比較例5]
ケイ酸ナトリウムを純水に溶解させ、14wt%ケイ酸ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液1リットル中で、実施例2で使用したのと同じNd2Fe14B系磁石粉末100gを30分間撹拌し、エタノールを0.5リットル投入して30分間撹拌し、濾過した。ろ過して得られた粉末は、減圧下、80℃、2時間乾燥することで、ケイ酸ナトリウム膜を形成させた磁性粉末を得た。
【0058】
得られた磁性粉末について、XPS(X線光電子分光法)による表面分析を行ったところ、任意の位置に103.0eV付近にピークが観測され、ケイ酸塩のSi2Pの束縛エネルギーと一致した。この粉末をSEMで観察したところ、図8に示すように磁性粒子以外の隙間部に多くの微粒子が観察され、これはXPSによりケイ酸塩であることが確認された。このことから、上記処理により生成したケイ酸塩は、粒子状のケイ酸塩が混合あるいは被覆されているものであると結論される。
【0059】
[比較例6]
比較例5で得られたNdFeB系磁性粉末に実施例5と同様のシランカップリング剤による処理を行い、同様にしてコンパウンドペレット、ボンド磁石を作製した。
【0060】
[比較例7]
比較例5で得られたNdFeB系磁性粉末にシランカップリング剤による処理をせずに、同様にしてコンパウンドペレット、ボンド磁石を作製した。
【0061】
[比較例8]
シリカ被膜もシランカップリング剤による処理も行っていないNdFeB系磁性粉末を同様にしてコンパウンドペレット、ボンド磁石を作製した。
【0062】
得られた磁石の耐熱性を調べるために、大気中100℃で所定の時間加熱した後、室温に冷却してフラックスを測定した。加熱前の値を100%としたときの相対フラックスの経時変化を図9に示した。この図より、本発明の表面処理を施した磁性粉末は経時的安定性が極めて高いことが分かる。
【0063】
図10にNdFeB系磁性粉末を大気中に200℃の環境下に置いたときの、重量の経時変化を示す。本発明の実施例5の磁性粉末は比較例に比べると、耐熱性が際だって改良されている。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の希土類磁性粉末の表面処理方法に従うと、希土類磁性粉末の耐酸化性を改良すると同時に、耐酸化性を改良しても磁気特性を低下しない。また樹脂等との混練時の高温高圧の環境に影響されない高品質な希土類系磁性粉末を及びボンド磁石を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリカ被覆時のpHとSm2Fe17N3磁性粉末の磁気特性の関係図
【図2】本発明のSm2Fe17N3磁性粉末のSEM写真図
【図3】本発明の比較のためのSEM写真図
【図4】本発明の比較のためのSEM写真図
【図5】磁性材料への種々のシリカ被膜とフラックスの経時変化を示す特性図
【図6】本発明のNdFeB系磁性粉末のSEM写真図
【図7】本発明の比較のためのSEM写真図
【図8】本発明の比較のためのSEM写真図
【図9】磁性材料への種々のシリカ被膜とフラックスの経時変化を示す特性図
【図10】磁性材料への種々のシリカ被膜と重量変化の経時変化を示す特性図
Claims (5)
- Sm2Fe17N3系磁性粉末の粒子表面に、アルキルシリケートが塩基性触媒中で加水分解して得られるシリカゾルとの乾式混合により形成されたシリカ膜が付着していることを特徴とする希土類磁性粉末。
- 前記シリカ膜上にカップリング剤膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の希土類磁性粉末。
- Sm2Fe17N3系磁性粉末の粒子表面にシリカ膜を形成する方法において、前記磁性粉末に予めアルキルシリケートを分散被覆し、その後塩基性水溶液を添加してせん断式ミキサ中で乾式混合ことを特徴とする希土類系磁性粉末の表面処理方法。
- 前記乾式混合後、シランカップリング剤を噴霧添加して混合することを特徴とする請求項3に記載の希土類系磁性粉末の表面処理方法。
- 前記乾式混合後、減圧下にて加熱処理を施すことを特徴とする請求項3に記載の希土類系磁性粉末の表面処理方法。
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