JP3719181B2 - 冷凍装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍装置に関し、特に、膨張弁を制御する開度制御対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、空気調和装置には、特開平10−132410号公報に開示されているように、圧縮機と室内熱交換器と膨張弁と室外熱交換器とが順に接続されて構成されているものがある。上記空気調和装置は、圧縮機を駆動制御するためにインバータ回路を搭載し、該インバータ回路の出力周波数を変更して圧縮機の運転容量を制御している。また、上記空気調和装置は、圧縮機の冷媒の吸入過熱度が所定値になるように膨張弁の開度を制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した空気調和装置において、膨張弁の開度は、各膨張弁ごとにバラツキがある。つまり、膨張弁は、弁本体に対してニードルを移動させて開度を設定している。このニードルの移動量を指令値として制御開度が設定され、膨張弁が完全に閉鎖された状態から制御開度にしたがってニードルが移動し、膨張弁が開閉する。
【0004】
上記制御開度と膨張弁の実際の開度である実開度とには、各膨張弁ごとにバラツキがあり、偏差が生じている場合がある。図2の特性線Aに示すように、膨張弁は、開度を大きくするに従って流れる流量、つまり、冷媒量が増大する。従来、各膨張弁の開度のバラツキを考慮し、各膨張弁の平均的な開度を制御開度に設定している。
【0005】
例えば、膨張弁が完全に閉じた状態から全開状態までを480パルスとし、制御開度を60パルスにすると、冷媒が膨張弁を流れ始めるとし、膨張弁を制御している。
【0006】
しかしながら、図2の特性線B及びCの範囲内で膨張弁の開度にバラツキがある。この図2に示すように、膨張弁には、制御開度を20パルスにすると冷媒が流れ始めるもの、又は制御開度を100パルスにすると冷媒が流れ始めるものもある。
【0007】
したがって、膨張弁を最小開度の近傍で制御すると、制御上は膨張弁が小開度で開いて冷媒が流れている状態であるにも拘わらず、実際は膨張弁が全閉となって冷媒が流れていない場合がある。逆に、制御上は膨張弁が最小開度となって少しの冷媒が流れている状態であるにも拘わらず、実際は膨張弁が大きく開いて多くの冷媒が流れている場合がある。この結果、膨張弁制御の信頼性が低いという問題があった。
【0008】
そこで、何れの膨張弁であっても開く状態の特性線Bを制御開度に設定すると、制御上は最小開度であるにもかかわらず、実開度が大きく、多量の冷媒が流れ、圧縮機が湿り運転となって該圧縮機の損傷を招くという問題がある。
【0009】
逆に、何れの膨張弁であっても閉じる状態の特性線Cを制御開度に設定すると、制御上は最小開度であるにもかかわらず、全閉となって冷媒が流れず、各種のセンサが冷媒状態を検知することができず、制御の破綻を招くという問題がある。
【0010】
また、開度のバラツキが小さくなるように膨張弁を選別するようにすると、膨張弁の選別工程を要すると共に、歩留まりが悪くなり、膨張弁が高価になるという問題がある。
【0011】
本発明は、斯かる点に鑑みて成されたもので、膨張弁の制御開度と実開度とを一致させるようにして制御の信頼性を向上させると共に、膨張弁の選別を要しないようにすることを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
〈発明の概要〉
本発明は、膨張弁の制御開度を補正して実開度に一致させるようにしたものである。
【0013】
〈解決手段〉
具体的に、図1に示すように、第1の発明は、開度調整自在な膨張弁(36)を有し、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた冷凍装置を前提している。そして、上記膨張弁(36)の開度を制御する弁制御手段(82)を備えている。更に、該弁制御手段(82)が膨張弁(36)を最小開度近傍の小開度に制御しているときに、冷媒回路(20)における圧縮機(30)の冷媒の吸入過熱度が所定値以上で且つ圧縮機(30)の吸入側の低圧冷媒圧力が所定値以下の冷媒状態が継続すると、弁制御手段(82)の制御開度の最小開度を開き側に補正する開補正部(85)を備えている。加えて、上記弁制御手段(82)が膨張弁(36)を最小開度近傍の小開度に制御しているときに、冷媒回路(20)における圧縮機(30)の冷媒の吸入過熱度が所定値以下の冷媒状態が継続すると、弁制御手段(82)の制御開度の最小開度を閉じ側に補正する閉補正部(86)を備えている。
【0014】
また、第2の発明は、上記第1の発明において、上記開補正部(85)が制御開度の最小開度を開き側に補正すると、弁制御手段(82)の制御に優先して膨張弁(36)を所定開度まで一旦開ける強制開動手段(84)を備えた構成としている。
【0015】
すなわち、本発明では、膨張弁(36)の制御開度を実際の実開度になるように補正する。具体的に、弁制御手段(82)が膨張弁(36)を最小開度近傍の小開度に制御している際、冷媒回路(20)における圧縮機(30)の冷媒の吸入過熱度が所定値以上で且つ圧縮機(30)の吸入側の低圧冷媒圧力が所定値以下の冷媒状態が継続すると、開補正部(85)が弁制御手段(82)の制御開度を開き側に補正する。一方、膨張弁(36)の小開度時に、冷媒回路(20)における圧縮機(30)の冷媒の吸入過熱度が所定値以下の冷媒状態が継続すると、閉補正部(86)が弁制御手段(82)の制御開度を閉じ側に補正する。
【0016】
また、第2の発明では、上記開補正部(85)が制御開度を開き側に補正すると、強制開動手段(84)が弁制御手段(82)の制御に優先して膨張弁(36)を所定開度まで一旦開け、異常領域を抜け出る。
【0017】
【発明の効果】
したがって、本発明によれば、制御開度を膨張弁(36)の実際の実開度に成るように補正するようにしたために、膨張弁(36)の開度のバラツキを考慮した制御を行うことができる。この結果、膨張弁(36)の制御の信頼性を向上させることができる。
【0018】
特に、膨張弁(36)の最強開度近傍の制御を行う際、制御上は小開度に制御しているにも拘わらず、大きな開度となって圧縮機(30)が湿り運転になることを確実に防止することができる。逆に、制御上は開度を大きく制御しているのみ拘わらず、小さな開度となって制御が破損することを確実に防止することができる。
【0019】
また、上記膨張弁(36)の選別を要しないので、製作工程の増加を招くことがなく、且つ歩留まりの低下を防止することができるので、価格上昇を抑制することができる。
【0020】
また、第2の発明によれば、強制開動手段(84)を設けているので、制御開度に比して実開度が小さい場合の異常状態を迅速に脱することができる。この結果、正常運転の移行を迅速に行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施形態の空調機(10)は、本発明の冷凍装置を適用したものであり、冷房運転と暖房運転とに切り換わるように構成されている。
【0023】
上記空調機(10)は、冷媒回路(20)及びコントローラ(80)を備えている。該冷媒回路(20)は、室外回路(21)、室内回路(22)、液側連絡管(23)及びガス側連絡管(24)を備えている。そして、上記室外回路(21)は、室外機(11)に設けられ、該室外機(11)には、室外ファン(12)が設けられている。一方、上記室内回路(22)は、室内機(13)に設けられ、該室内機(13)には、室内ファン(14)が設けられている。
【0024】
上記室外回路(21)は、圧縮機(30)、四路切換弁(33)、室外熱交換器(34)、レシーバ(35)及び膨張弁である電動電動膨張弁(36)が設けられると共に、ブリッジ回路(40)、過冷却回路(50)、液側閉鎖弁(25)及びガス側閉鎖弁(26)が設けられている。更に、上記室外回路(21)には、ガス連通管(61)及び均圧管(63)が接続されている。
【0025】
上記圧縮機(30)の吐出ポート(32)は、四路切換弁(33)の第1のポートに接続され、上記四路切換弁(33)の第2のポートは、室外熱交換器(34)の一端に接続されている。上記室外熱交換器(34)の他端は、ブリッジ回路(40)に接続されている。また、上記ブリッジ回路(40)には、レシーバ(35)と電動電動膨張弁(36)と液側閉鎖弁(25)とが接続されている。上記圧縮機(30)の吸入ポート(31)は、四路切換弁(33)の第3のポートに接続され、上記四路切換弁(33)の第4のポートは、ガス側閉鎖弁(26)に接続されている。
【0026】
上記ブリッジ回路(40)は、第1管路(41)、第2管路(42)、第3管路(43)及び第4管路(44)をブリッジ状に接続して構成されている。該第1〜第4の各管路(41〜44)には、それぞれ逆止弁(CV-1,CV-2,CV-3,CV-4)が設けられている。そして、上記第1管路(41)の出口端が第2管路(42)の出口端に接続され、第2管路(42)の入口端が第3管路(43)の出口端に接続され、第3路管(43)の入口端が第4管路(44)の入口端に接続され、第4管路(44)の出口端が第1管路(41)の入口端に接続されている。
【0027】
上記室外熱交換器(34)の他端は、ブリッジ回路(40)の第1管路(41)の入口端及び第4管路(44)の出口端に接続されている。該ブリッジ回路(40)における第1管路(41)の出口端及び第2管路(42)の出口端は、レシーバ(35)の上端部に接続されている。該レシーバ(35)の下端部は、電動膨張弁(36)を介してブリッジ回路(40)の第3管路(43)の入口端及び第4管路(44)の入口端に接続されている。上記ブリッジ回路(40)の第2管路(42)の入口端及び第3管路(43)の出口端は、液側閉鎖弁(25)に接続されている。
【0028】
上記室内回路(22)には、室内熱交換器(37)が設けられている。該室内回路(22)の一端は、液側連絡管(23)を介して液側閉鎖弁(25)に接続されている。室内回路(22)の他端は、ガス側連絡管(24)を介してガス側閉鎖弁(26)に接続されている。
【0029】
上記過冷却回路(50)の一端は、レシーバ(35)の下端と電動膨張弁(36)の間に接続され、他端は、圧縮機(30)の吸入ポート(31)に接続されている。該過冷却回路(50)には、その一端から他端に向かって順に、第1電磁弁(51)と、温度自動膨張弁(52)と、過冷却熱交換器(54)とが設けられている。上記過冷却熱交換器(54)は、レシーバ(35)から電動膨張弁(36)へ向けて流れる冷媒と過冷却回路(50)を流れる冷媒とを熱交換させるように構成されている。上記温度自動膨張弁(52)の感温筒(53)は、過冷却回路(50)における過冷却熱交換器(54)の下流部に取り付けられている。
【0030】
上記ガス連通管(61)の一端は、レシーバ(35)の上端部に接続され、他端は、電動膨張弁(36)とブリッジ回路(40)の間に接続されている。該ガス連通管(61)の途中には、第2電磁弁(62)が設けられている。
【0031】
上記均圧管(63)の一端は、ガス連通管(61)における第2電磁弁(62)とレシーバ(35)の間に接続され、他端は、室外回路(21)における圧縮機(30)の吐出ポート(32)と四路切換弁(33)の間に接続されている。該均圧管(63)には、均圧用逆止弁(53)が設けられている。
【0032】
上記圧縮機(30)は、密閉型の高圧ドーム型スクロール圧縮機で構成されている。該圧縮機(30)は、吸入ポート(31)から吸い込まれた冷媒が圧縮機構へ直接導入され、圧縮された冷媒が一旦ハウジング内に吐出された後に吐出ポート(32)から送り出される。
【0033】
上記圧縮機(30)の電動機には、図外のインバータを通じて電力が供給される。このインバータの出力周波数を変更すると、圧縮機容量が変化する。つまり、上記圧縮機(30)は、容量が可変に構成されている。
【0034】
上記室外熱交換器(34)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。この室外熱交換器(34)は、互いに直列接続された2つの部分から構成されている。室外熱交換器(34)には、室外ファン(12)によって室外空気が供給される。
【0035】
上記室内熱交換器(37)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。この室内熱交換器(37)には、室内ファン(14)によって室内空気が供給される。
【0036】
上記四路切換弁(33)は、第1のポートと第2のポートが連通し且つ第3のポートと第4のポートが連通する状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通し且つ第2のポートと第3のポートが連通する状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。この四路切換弁(33)の切換動作によって、冷媒回路(20)における冷媒の循環方向が反転する。
【0037】
上記空調機(10)には、圧力センサや温度センサが設けられている。これらセンサの検出値は、上記コントローラ(80)に入力されて空調機(10)の運転制御に用いられる。
【0038】
具体的に、上記圧縮機(30)の吸入ポート(31)に接続する配管には、圧縮機(30)の吸入側の低圧冷媒圧力を検出するための低圧検出手段である低圧圧力センサ(71)と、圧縮機(30)の吸入冷媒温度を検出するための吸入管温度センサ(77)とが設けられている。上記圧縮機(30)の吐出ポート(32)に接続する配管には、圧縮機(30)の吐出冷媒温度を検出するための吐出管温度センサ(74)が設けられている。
【0039】
上記室外機(11)には、室外空気の温度を検出するための外気温センサ(72)が設けられている。上記室外熱交換器(34)には、その伝熱管温度を検出するための室外熱交換器温度センサ(73)が設けられている。
【0040】
上記室内機(13)には、室内熱交換器(37)へ送られる室内空気の温度を検出するための内気温センサ(75)が設けられている。上記室内熱交換器(37)には、その伝熱管温度を検出するための室内熱交換器温度センサ(76)が設けられている。
【0041】
上記コントローラ(80)は、インバータの出力周波数を変更して圧縮機(30)の容量を制御する一方、過熱度検出手段(81)と弁制御手段(82)と補正手段(83)と強制開動手段(84)とをを備えている。
【0042】
上記過熱度検出手段(81)は、低圧圧力センサ(71)が検出する低圧冷媒圧力に基づく低圧圧力相当飽和温度と、吸入管温度センサ(77)が検出する圧縮機(30)の吸入冷媒温度とに基づき圧縮機(30)の冷媒の吸入過熱度を導出するように構成されている。
【0043】
上記弁制御手段(82)は、過熱度検出手段(81)が導出した吸入過熱度が所定値、例えば、5℃になるように電動膨張弁(36)の開度を制御している。
【0044】
上記補正手段(83)は、弁制御手段(82)が電動膨張弁(36)を最小開度近傍の小開度に制御しているときに、該制御時の冷媒状態に基づいて上記弁制御手段(82)の制御開度が電動膨張弁(36)の実際の実開度に移行するように該弁制御手段(82)の制御開度を補正する。例えば、上記補正手段(83)は、開補正部(85)と閉補正部(86)とを備えている。
【0045】
上記開補正部(85)は、電動膨張弁(36)の小開度時に、過熱度検出手段(81)が導出した吸入過熱度が所定値以上で且つ低圧圧力センサ(71)が検出する低圧冷媒圧力が所定値以下の冷媒状態が継続すると、弁制御手段(82)の制御開度を開き側に補正するように構成されている。具体的に、吸入過熱度が5℃より大きく(SH>5℃)、且つ低圧冷媒圧力が3Pa未満(Pe<3Pa)の状態が2分継続すると、開補正部(85)は、制御開度を1パルス大きくする。尚、制御開度は、例えば、電動膨張弁(36)が完全に閉鎖されている状態を0パルスとし、全開状態を480パルスとして設定されている。
【0046】
上記閉補正部(86)は、電動膨張弁(36)の小開度時に吸入過熱度が所定値以下の冷媒状態が継続すると、弁制御手段(82)の制御開度を閉じ側に補正するように構成されている。具体的に、吸入過熱度が2℃未満(SH<2℃)の状態が2分継続すると、閉補正部(86)は、制御開度を1パルス小さくする。
【0047】
上記強制開動手段(84)は、開補正部(85)が制御開度を開き側に補正すると、弁制御手段(82)の制御に優先して電動膨張弁(36)を所定開度まで一旦開けるように構成されている。具体的に、上記強制開動手段(84)は、電動膨張弁(36)を一旦20パルス大きく開ける。その後、上記弁制御手段(82)の開度制御に戻る。
【0048】
〈作用〉
次に、上述した空調機(10)の運転動作について説明する。この空調機(10)は、冷却動作による冷房運転と、ヒートポンプ動作による暖房運転とを切り換えて行う。
【0049】
−冷房運転−
冷房運転時には、四路切換弁(33)が図1に実線で示す状態に切り換えられると共に、電動膨張弁(36)が所定開度に調節され、第1電磁弁(51)が開放され、第2電磁弁(62)が閉鎖される。
【0050】
圧縮機(30)から吐出された冷媒は、四路切換弁(33)を通り、室外熱交換器(34)で凝縮する。凝縮した高圧液冷媒は、ブリッジ回路(40)の第1管路(41)及びレシーバ(35)を流れ、高圧液冷媒の一部が過冷却回路(50)に流入し、残りが過冷却熱交換器(54)に流入する。
【0051】
上記過冷却回路(50)の冷媒は、温度自動膨張弁(52)で減圧されて過冷却熱交換器(54)へ流入する。該過冷却熱交換器(54)において、温度自動膨張弁(52)からの低圧冷媒が蒸発して高圧液冷媒が冷却される。この低圧冷媒は、過冷却回路(50)を流れて圧縮機(30)に戻る一方、高圧液冷媒は、電動膨張弁(36)に流れて減圧される。この減圧された低圧冷媒は、ブリッジ回路(40)の第3管路(43)及び液側連絡管(23)を通って室内熱交換器(37)に流れる。
【0052】
上記低圧冷媒は、室内熱交換器(37)で蒸発して室内空気が冷却され、低温の調和空気が室内へ供給されて冷房に利用される。室内熱交換器(37)で蒸発した冷媒は、ガス側連絡管(24)及び四路切換弁(33)を流れて圧縮機(30)に戻る。以上のように冷媒が循環して冷却動作が行われる。
【0053】
−暖房運転−
暖房運転時には、四路切換弁(33)が図1に破線で示す状態に切り換えられると共に、電動膨張弁(36)が所定開度に調節され、第1電磁弁(51)及び第2電磁弁(62)が閉鎖されている。
【0054】
上記圧縮機(30)から吐出された冷媒は、四路切換弁(33)からガス側連絡管(24)を通って室内熱交換器(37)へ送られる。室内熱交換器(37)では、冷媒が凝縮して室内空気が加熱され、暖かい調和空気が室内へ供給されて暖房に利用される。
【0055】
室内熱交換器(37)で凝縮した冷媒は、液側連絡管(23)とブリッジ回路(40)の第2管路(42)とレシーバ(35)とを流れ、電動膨張弁(36)で減圧された後、ブリッジ回路(40)の第4管路(44)を通って室外熱交換器(34)に流れて蒸発する。この蒸発した冷媒は、四路切換弁(33)を流れて圧縮機(30)に戻る。以上のように冷媒が循環してヒートポンプ動作が行われる。
【0056】
−電動膨張弁(36)の制御動作−
上述した冷房運転時及び暖房運転時において、弁制御手段(82)は、過熱度検出手段(81)が導出した吸入過熱度が所定値、例えば、5℃になるように電動膨張弁(36)の開度を制御している。
【0057】
そして、上記弁制御手段(82)が電動膨張弁(36)を最小開度近傍の小開度に制御しているときに、冷媒状態に基づいて補正手段(83)が弁制御手段(82)の制御開度を補正する。例えば、制御開度は、電動膨張弁(36)が完全に閉鎖されている状態を0パルスとし、全開状態を480パルスとし、最小開度を32パルスに設定されているとする。
【0058】
上記弁制御手段(82)が電動膨張弁(36)を32パルスの近傍で制御している際、吸入過熱度が5℃より大きく(SH>5℃)、且つ低圧冷媒圧力が3Pa未満(Pe<3Pa)の状態が2分継続すると、開補正部(85)は、制御開度を1パルス大きくする。
【0059】
つまり、上記電動膨張弁(36)の開度は、図2の特性線B及びCの範囲内でバラツキがある。そこで、例えば、図3に示すように、現在、特性線Aを制御開度として電動膨張弁(36)を制御しているとする。この特性線Aのa点の開度に電動膨張弁(36)を制御している状態において、吸入過熱度が5℃より大きく(SH>5℃)、且つ低圧冷媒圧力が3Pa未満(Pe<3Pa)の状態が2分継続すると、制御上は電動膨張弁(36)が小開度で開いて冷媒が流れている状態であるにも拘わらず、実際は電動膨張弁(36)がより小開度で冷媒がほぼ流れていない状態である。この場合、制御開度がb点に移行するように開補正部(85)が制御開度を1パルス大きくする。
【0060】
その後、上記補正手段(83)の開補正部(85)が制御開度を開き側に補正すると、上記強制開動手段(84)は、弁制御手段(82)の制御に優先して電動膨張弁(36)を所定開度まで一旦開け、例えば、電動膨張弁(36)を一旦20パルス大きく開け、現状の異常領域を迅速に抜け出る。その後、上記弁制御手段(82)の開度制御に戻る。この動作を繰り返して、例えば、上記制御開度が図3の特性線Bになるように補正する。
【0061】
一方、上記弁制御手段(82)が電動膨張弁(36)を32パルスの近傍で制御している際、吸入過熱度が2℃未満(SH<2℃)の状態が2分継続すると、閉補正部(86)は、制御開度を1パルス小さくする。
【0062】
つまり、例えば、図4に示すように、現在、特性線Aを制御開度として電動膨張弁(36)を制御しているとする。この特性線Aのc点の開度に電動膨張弁(36)を制御している状態において、吸入過熱度が2℃未満(SH<2℃)の状態が2分継続すると、制御上は電動膨張弁(36)が全閉となって冷媒が流れていない状態であるにも拘わらず、実際は電動膨張弁(36)が小開度で開いて冷媒が流れている場合である。この場合、制御開度がd点に移行するように閉補正部(86)が制御開度を1パルス小さくする。その後、上記弁制御手段(82)の開度制御に戻る。この動作を繰り返して、例えば、上記制御開度が図4の特性線Cになるように補正する。
【0063】
〈実施形態の効果〉
以上のように、本実施形態によれば、制御開度を電動膨張弁(36)の実際の実開度に成るように補正するようにしたために、電動膨張弁(36)の開度のバラツキを考慮した制御を行うことができる。この結果、電動膨張弁(36)の制御の信頼性を向上させることができる。
【0064】
特に、電動膨張弁(36)の最小開度近傍の制御を行う際、制御上は小開度に制御しているにも拘わらず、大きな開度となって圧縮機(30)が湿り運転になることを確実に防止することができる。逆に、制御上は開度を大きく制御しているのみ拘わらず、小さな開度となって制御が破損することを確実に防止することができる。
【0065】
また、上記電動膨張弁(36)の選別を要しないので、製作工程の増加を招くことがなく、且つ歩留まりの低下を防止することができるので、価格上昇を抑制することができる。
【0066】
また、上記強制開動手段(84)を設けているので、制御開度に比して実開度が小さい場合の異常状態を迅速に脱することができる。この結果、正常運転の移行を迅速に行うことができる。
【0067】
【発明の他の実施の形態】
上記実施形態においては、冷暖房運転可能な空調機(10)について説明したが、本発明は、冷房専用機や暖房専用機であってもよい。
【0068】
また、上記冷媒回路(20)は、実施形態に限定されるものではない。
【0069】
また、上記補正手段(83)は、開補正部(85)と閉補正部(86)とを備えるようにしたが、本発明では、補正手段(83)に代えて、開補正部(85)と閉補正部(86)とを設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示す冷媒回路図である。
【図2】 本発明の実施形態の電動膨張弁の開度と流量との関係を示す電動膨張弁の特性図である。
【図3】 制御開度が実開度より小さい場合の電動膨張弁の特性図である。
【図4】 制御開度が実開度より大きい場合の電動膨張弁の特性図である。
【符号の説明】
20 冷媒回路
30 圧縮機
34 室外熱交換器
36 電動膨張弁(膨張弁)
37 室内熱交換器
81 過熱度検出手段
82 弁制御手段
83 補正手段
84 強制開度手段
85 開補正部
86 閉補正部
Claims (2)
- 開度調整自在な膨張弁(36)を有し、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えた冷凍装置において、
上記膨張弁(36)の開度を制御する弁制御手段(82)と、
該弁制御手段(82)が膨張弁(36)を最小開度近傍の小開度に制御しているときに、冷媒回路(20)における圧縮機(30)の冷媒の吸入過熱度が所定値以上で且つ圧縮機(30)の吸入側の低圧冷媒圧力が所定値以下の冷媒状態が継続すると、弁制御手段(82)の制御開度の最小開度を開き側に補正する開補正部(85)と、
上記弁制御手段(82)が膨張弁(36)を最小開度近傍の小開度に制御しているときに、冷媒回路(20)における圧縮機(30)の冷媒の吸入過熱度が所定値以下の冷媒状態が継続すると、弁制御手段(82)の制御開度の最小開度を閉じ側に補正する閉補正部(86)とを備えている
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1において、
上記開補正部(85)が制御開度の最小開度を開き側に補正すると、弁制御手段(82)の制御に優先して膨張弁(36)を所定開度まで一旦開ける強制開動手段(84)を備えている
ことを特徴とする冷凍装置。
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