JP3717820B2 - 車両用フロントグリル衝撃吸収構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用フロントグリル衝撃吸収構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は従来の車両前部の側面図であり、車両100の前部に設けたエンジンルーム101の前をフロントグリル102で覆い、フロントグリル102の後方でエンジンルーム101に水冷エンジン用ラジエータ103を収納したことを示す。
ラジエータ103は、下部103aを車体フレーム105の前部下部105aに取付けるとともに、上部103bをステー104を介して車体フレーム105の前部上部105bに取付けたものである。106はフードである。
【0003】
フロントグリル102に衝突力F10が前方から作用したときに、フロントグリル102は衝突力F10に応じて変形、すなわち後退する。後退したフロントグリル102がラジエータ103に当ることで、ラジエータ103に衝突力F10を伝えることができる。衝突力F10によってラジエータ103が後方へ傾いたり変形することで、衝突力F10をある程度吸収することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フロントグリル102からラジエータ103までの距離L10については、フロントグリル102から取入れた走行風をラジエータ103へ円滑に導くことができるように設定する。従って、距離L10を小さくするには限界がある。
一方、ラジエータ103で衝突力F10をより速やかに且つより十分に吸収するには、衝突力F10によってフロントグリル102が後退する初期の段階で、衝突力F10をラジエータ103に伝えることが好ましい。初期の段階における衝突力F10は比較的小さいので、エンジンルーム101内の各種機器を保護できるとともに、障害物への衝撃も緩和できるからである。
【0005】
このように、エンジンルーム101に収納されたラジエータ103等の各種収納部材は、それぞれの性能等を確保できる位置に配置される。これに対して、フロントグリル102の配置や形状・大きさは車両100全体のデザイン等をも考慮して決定される。従って、フロントグリル102と各種収納部材との間の距離L10を小さくするには限界がある。
【0006】
そこで本発明の目的は、フロントグリルに前方から衝突力が作用したときに、衝突力をより速やかに且つより十分に吸収できる技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、車両の前部に設けたエンジンルームの前をフロントグリルで覆った車両において、フロントグリルに前方から衝突力が作用したときに、このフロントグリルと共に後退する荷重伝達部材をフロントグリルの背面に設け、この荷重伝達部材によってフロントグリルに作用する衝突力をエンジンルームに収納された水冷エンジン用ラジエータ等の収納部材に伝えることで、この収納部材に衝突力を吸収させるようにするとともに、この収納部材の上部の左右をステーを介して車体フレーム側に取付け且つ収納部材の下部を車体フレームの下部に取付けてなり、ステーを、平面視略L字状の部材であり、車体フレームの上部に取付けるために車体フレームから前方に延ばすとともに衝突力が作用したときに変形可能な脆弱部を設けた第1ステーと、車体フレームの車幅方向外側へ延ばすとともに下方に折曲げることで車体フレームの前部側部にボルトを介して取付ける第2ステーと、から構成し、第2ステーをボルトを中心に後方にスイング変位可能にするとともに、収納部材を車体フレームの下部を中心に後方へ傾斜可能にしたことを特徴とする。
【0008】
フロントグリルに衝突力が前方から作用したときに、フロントグリルは衝突力に応じて後退する。フロントグリルと共に荷重伝達部材が後退することで、エンジンルームに収納された収納部材に衝突力を伝えることができる。
このように、衝突力によってフロントグリルが後退する初期の段階で、衝突力を荷重伝達部材を介して収納部材に伝えることができる。この結果、収納部材にて衝突力をより速やかに且つより十分に吸収して、緩和することができる。
収納部材の上部の左右をステーを介して車体フレーム側に取付け且つ収納部材の下部を車体フレームの下部に取付け、ステーを、車体フレームの上部に取付けるために車体フレームから前方に延ばした第1ステーと、車体フレームの車幅方向外側へ延ばすとともに下方に折曲げることで車体フレームの前部側部にボルトを介して取付ける第2ステーと、から構成したので、第2ステーをボルトを中心に後方にスイング変位することができるとともに、収納部材を車体フレームの下部を中心に後方へ傾斜することができる。この結果、大きな衝撃吸収効果を実現することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従う。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0010】
図1は本発明に係る車両のフロントグリル周りの斜視図であり、車両10の前部にエンジンルーム11を設け、エンジンルーム11の前部に且つ車幅中央に水冷エンジン用ラジエータ20(以下、単に「ラジエータ20」と言う。)を配置し、さらに、エンジンルーム11の前を樹脂製フロントグリル30で覆った構成を正面から見た図である。ラジエータ20は、車両10を走行させたときの走行風Aiを、前方からフロントグリル30を介して取入れるようにしたものである。
【0011】
図2は本発明に係る車体フレームにラジエータを取付けた構成の斜視図であり、車体フレーム40の前部にフロントバルクヘッド41を設け、フロントバルクヘッド41にラジエータ20を取付けた構成を正面から見た図である。このようにして、車体フレーム40の前部にラジエータ20を配置することができる。
【0012】
フロントバルクヘッド41は、前部上部で車幅方向に延びたアッパクロスメンバ42と、前部下部で車幅方向に延びたロアクロスメンバ43と、アッパ・ロアクロスメンバ42,43間に掛け渡した左右のサイドステー44,44とからなる、車体フレーム40の前部部材である。
【0013】
ラジエータ取付構造について説明すると、ラジエータ20の下部21は、左右をラバーマウント22,22を介してロアクロスメンバ43(車体フレーム40の前部下部)に取付ける。また、ラジエータ20の上部23の左右をステー50,50を介してアッパクロスメンバ42(車体フレーム40の前部上部)並びに左右のサイドステー44,44(車体フレーム40の前部側部)に取付ける。
次に、ラジエータ20の上部23の左側の取付構造について、詳細に説明する。なお、右側の取付構造は左側の取付構造と左右対称形である他には同一構成であるので、説明を省略する。
【0014】
図3は本発明に係る水冷エンジン用ラジエータ上部取付構造の斜視図であり、ラジエータ20の上部23の左側をステー50を介して車体フレーム40に取付けたことを示す。
ステー50は、第1ステー60及び第2ステー70を互いに一体に形成した、平面視略L字状の鋼板製プレス一体成形品である。
第1ステー60は、ラジエータ20の上部23から後方へ延し、その先端部64をアッパクロスメンバ42(車体フレーム40の前部上部)に取付けた支持部材である。第2ステー70は、ラジエータ20の上部23から側部下方へ延し、その先端部74をサイドステー44のうち前方へ延びた延長部45(車体フレーム40の前部側部)に前後スイング可能に取付けた支持部材である。
【0015】
図4(a)〜(c)は本発明に係る水冷エンジン用ラジエータ上部取付構造の構成図であり、(a)は平面構成を示し、(b)は左側面構成を示し、(c)は(b)のc−c線断面構成を示す。
ラジエータ20に対するステー50の取付構造は、ラジエータ20の上面24から支承ピン25を延し、支承ピン25にラバーマウント26を介してステー50の基部51、すなわち、第1・第2ステー60,70の各基部62,72を上から嵌合にて取付けたものである。
【0016】
第1ステー60は、前後方向に沿った両縁を上に折返すことでリブ61,61を形成した、上開放のコ字状断面体であり、水平な基部62から後上方へ延出部63を延し、延出部63の後端に水平な先端部64を設けた部材である。この先端部64は、アッパクロスメンバ42の上に重ねてボルト65にて上下に止める。
このような第1ステー60は、前方からラジエータ20を介して第1ステー60に衝突力が作用したときに変形可能(屈曲可能)な脆弱部66を設けたことを特徴とする。脆弱部66は、(a)に示すように延出部63のうち幅を狭めた部分であって、他の部分よりも脆弱である。
【0017】
第2ステー70は、側方に沿った両縁を外側に折返すことでリブ71,71を形成した、外側開放のコ字状断面体であり、水平な基部72からラジエータ20に沿って側部下方へ延出部73を延し、延出部73の下端に先端部74を設けた部材である。この先端部74は、サイドステー44の延長部45の外側面に重ねて、ボルト75にて車幅方向に止める。さらに第2ステー70は、基部72と延出部73とのコーナ部分に上下貫通した長孔76,76を開けたものである。
【0018】
図5は本発明に係るフロントグリル周りの正面図であり、このフロントグリル30のうち、右半分側、すなわち図の左側に上下4つの導風口31・・・(・・・は複数を示す。以下同じ)を開け、車幅中心CL位置に上下2つの導風口31,31を開け、左半下半分側、すなわち図の右側における下半部に2つの導風口31,31を開けたことを示す。フロントグリル30のうち左上部分は導風口を設けずに閉塞し、この閉塞した部分にエンジン用吸気ダクトの吸気口32を配置する。
【0019】
図6は図5の6−6線断面図であり、フロントグリル30周りのうち車幅中心の縦断面構造を示す。
この図は、エンジンルーム11において、アッパクロスメンバ42の上から前方へ上部カバー81を延し、この上部カバー81の前端にフロントグリル30の上端を嵌合にて取外し可能に結合したことを示す。車両10を走行させることで、フロントグリル30の導風口31・・・から取入れた走行風Aiをラジエータ20に導くことができる。図中、82はフードである。
【0020】
図7は本発明に係るフロントグリルの背面斜視図であり、フロントグリル30の背面33に荷重伝達部材90を設けたことを示す。荷重伝達部材90は、フロントグリル30に前方から衝突力が作用したときに、フロントグリル30と共に後退する部材である。
詳しくは、フロントグリル30の背面33のうち車幅中心位置の上部に、中央の位置決め凸部34と、この位置決め凸部34の左右の取付支柱35,35とを一体に形成する。位置決め凸部34に荷重伝達部材90の嵌合孔91を嵌合して位置決めをし、取付支柱35,35にビス92,92にて止めることで、フロントグリル30に荷重伝達部材90を取付けることができる。
【0021】
図8は本発明に係る荷重伝達部材の背面図であり、想像線にて示すフロントグリル30の背面33に荷重伝達部材90を配置したことを示す。
荷重伝達部材90は、下前方へ傾いた平坦な荷重伝達面93と、荷重伝達面93の左右端から前方へ延びてフロントグリル30の背面33に当る当接部94,94とを一体に形成した、鋼板製プレス成形品である。95,95はビス92,92(図7参照)を取付けるビス用孔である。
【0022】
ここで一旦図6に戻って説明を続ける。荷重伝達部材90の荷重伝達面93は、ラジエータ20の前上端から距離L1だけ前方へ離れた位置に配置する。距離L1は例えば10mm程度である。
【0023】
次に、上記構成の作用を図3、図9〜図11に基づき説明する。
図3に示すように、ラジエータ20の上部23から後方へ延した第1ステー60と、ラジエータ20の上部23から側部下方へ延した第2ステー70の、両方でラジエータ20の上部23を支えるので、悪路走行時などでラジエータ20の上下動をより抑制することができる。
【0024】
さらには、第1ステー60及び第2ステー70を一体成形品とすることで、ステー50の部品数を低減して安価にすることができる。
さらにまた、第1ステー60と第2ステー70とを、互いに一体に形成された平面視略L字状の一体成形品にしたので、ラジエータ20の上下動を第1・第2ステー60,70に、より円滑に伝達することができる。従って、ラジエータ20をより安定して支えることができる。
【0025】
図9は本発明に係る車両の作用図であり、車両10が前方の障害物S1に衝突したときに、この障害物S1がフロントグリル30に当ったことを示す。この結果、フロントグリル30に前方から衝突力F1が作用する。
【0026】
図10は本発明に係る車両用フロントグリル衝撃吸収構造の作用図である。
想像線で示すフロントグリル30に衝突力F1が前方から作用したときに、フロントグリル30は衝突力F1に応じて変形、すなわち実線のように後退する。
ところで、フロントグリル30からラジエータ20の前上端までの距離L2については、フロントグリル30から取入れた走行風をラジエータ20へ円滑に導くことができるように設定する。従って、距離L2を小さくするには限界がある。
【0027】
これに対して本発明は、ラジエータ20の前上端から距離L1だけ前方へ離れた位置に、想像線にて示す荷重伝達部材90の荷重伝達面93を配置したものである。荷重伝達部材90の位置については、フロントグリル30ような制約がないので比較的自由に設定することができる。距離L1は距離L2に比べて極めて小さく、例えば10mm程度である。
【0028】
フロントグリル30と共に後退する荷重伝達部材90は、フロントグリル30よりも先にラジエータ20の前上端に当ることができる。従って、フロントグリル30と共に荷重伝達部材90が後退することで、エンジンルーム11に収納されたラジエータ20に衝突力F1を伝えることができる。
このように、衝突力F1によってフロントグリル30が後退する初期の段階で、衝突力F1を荷重伝達部材90を介してラジエータ20に伝えることができる。
【0029】
図11は本発明に係る車両の水冷エンジン用ラジエータ上部取付構造の作用図であり、荷重伝達部材90がラジエータ20の前上端に当ることで、ラジエータ20に衝突力F1が作用したことを示す。
前方から衝突力F1がラジエータ20を介して第1・第2ステー60,70へ作用したときに、第1ステー60のうち剛性が小さい脆弱部66は、衝突力F1に応じて後方へ変形する。
【0030】
一方、第2ステー70の先端部74は、車幅方向に延びるボルト75で延長部45に止められたものである。このため、前方から衝突力F1のような大きい荷重が第2ステー70に作用した場合に、第2ステー70を後方へスイングさせる荷重がボルト締め付けによる面圧を上回る。この結果、第2ステー70はボルト75を中心として後方へスイング変位することができる。
言い換えると、車幅方向に延びるステー固定部材(ボルト75)によって第2ステー70の先端部74を車体フレーム40の前部側部に前後スイング可能に取付けることで、このようなことが可能となる。
【0031】
以上の説明から明らかなように、衝突力F1によってフロントグリル30が後退する初期の段階で、衝突力F1が荷重伝達部材90を介してラジエータ20に伝わる。第1・第2ステー60,70に衝突力F1が作用したときに、実線にて示すように、第1ステー60の脆弱部66が衝突力F1に応じて後方へ変形するとともに、第2ステー70が後方へスイング変位する。従って、衝突力F1によってラジエータ20が後方へ傾くことは容易である。
【0032】
ラジエータ20は、フロントグリル30が後退する初期の段階で後方へ傾いたり変形することで、衝突力F1をより速やかに且つより十分に吸収して、緩和することができる。従って、エンジンルーム11内の各種機器を障害物S1(図9参照)から保護することができるとともに、障害物S1への衝撃も緩和することができる。
さらには、第1ステー60と第2ステー70とを、互いに一体に形成された平面視略L字状の一体成形品にしたので、前方からの衝突力F1をラジエータ20から第1ステー60と第2ステー70の両方に、より円滑に伝達することができる。
【0033】
第1ステー60の脆弱部66の剛性や、第2ステー70を後方へスイング変位可能にするためのボルト75の締め付けトルクについては、ラジエータ20で吸収し得る衝突力F1を勘案して、適宜設定すればよい。
【0034】
なお、上記実施の形態において、第1ステー60に設けた脆弱部66は、前方からラジエータ20を介して第1ステー60に衝突力F1が作用したときに変形可能な構成であればよく、例えば、薄肉、狭幅、切欠き、くびれ等の構成でもよい。
また、第2ステー70の先端部74を車体フレーム40の前部側部に前後スイング可能に取付ける構成は、前方からラジエータ20を介して第1ステー60に衝突力F1が作用したときに、第2ステー70が後方へスイング変位可能であればよく、ボルト止めの他にピン結合であってもよい。
さらにまた、収納部材は、エンジンルーム11に収納された部材であればよく、水冷エンジン用ラジエータ20の他に例えばエアコン用コンデンサ、車体フレーム40のフロントバルクヘッド41やフロントバンパビームであってもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、フロントグリルに前方から衝突力が作用したときに、このフロントグリルと共に後退する荷重伝達部材をフロントグリルの背面に設けることにより、この荷重伝達部材によってフロントグリルに作用する衝突力をエンジンルームに収納された水冷エンジン用ラジエータ等の収納部材に伝えることで、この収納部材に衝突力を吸収させることができる。従って、衝突力によってフロントグリルが後退する初期の段階で、衝突力を荷重伝達部材を介して収納部材に伝えることができる。この結果、収納部材にて衝突力をより速やかに且つより十分に吸収して、緩和することができる。
収納部材の上部の左右をステーを介して車体フレーム側に取付け且つ収納部材の下部を車体フレームの下部に取付け、ステーを、車体フレームの上部に取付けるために車体フレームから前方に延ばした第1ステーと、車体フレームの車幅方向外側へ延ばすとともに下方に折曲げることで車体フレームの前部側部ボルトを介して取付ける第2ステーと、から構成したので、第2ステーをボルトを中心に後方にスイング変位することができるとともに、収納部材を車体フレームの下部を中心に後方へ傾斜することができる。この結果、大きな衝撃吸収効果を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のフロントグリル周りの斜視図
【図2】図2は本発明に係る車体フレームにラジエータを取付けた構成の斜視図
【図3】図3は本発明に係る水冷エンジン用ラジエータ上部取付構造の斜視図
【図4】本発明に係る水冷エンジン用ラジエータ上部取付構造の構成図
【図5】本発明に係るフロントグリル周りの正面図
【図6】図5の6−6線断面図
【図7】本発明に係るフロントグリルの背面斜視図
【図8】本発明に係る荷重伝達部材の背面図
【図9】本発明に係る車両の作用図
【図10】本発明に係る車両用フロントグリル衝撃吸収構造の作用図
【図11】本発明に係る車両の水冷エンジン用ラジエータ上部取付構造の作用図
【図12】従来の車両前部の側面図
【符号の説明】
10…車両、11…エンジンルーム、20…収納部材としての水冷エンジン用ラジエータ、30…フロントグリル、33…フロントグリルの背面、40…車体フレーム、42…車体フレームの前部上部(アッパクロスメンバ)、45…車体フレームの前部側部(サイドステーの延長部)、60…第1ステー、64…第1ステーの先端部、66…脆弱部、70…第2ステー、74…第2ステーの先端部、90…荷重伝達部材、F1…衝突力、L1,L2…距離、S1…障害物。
Claims (1)
- 車両の前部に設けたエンジンルームの前をフロントグリルで覆った車両において、前記フロントグリルに前方から衝突力が作用したときに、このフロントグリルと共に後退する荷重伝達部材をフロントグリルの背面に設け、この荷重伝達部材によってフロントグリルに作用する衝突力を前記エンジンルームに収納された水冷エンジン用ラジエータ等の収納部材に伝えることで、この収納部材に衝突力を吸収させるようにするとともに、この収納部材の上部の左右をステーを介して車体フレーム側に取付け且つ前記収納部材の下部を車体フレームの下部に取付けてなり、
前記ステーは、平面視略L字状の部材であり、前記車体フレームの上部に取付けるために前記車体フレームから前方に延ばすとともに衝突力が作用したときに変形可能な脆弱部を設けた第1ステーと、前記車体フレームの車幅方向外側へ延ばすとともに下方に折曲げることで前記車体フレームの前部側部にボルトを介して取付ける第2ステーと、から構成し、
前記第2ステーを前記ボルトを中心に後方にスイング変位可能にするとともに、前記収納部材を前記車体フレームの下部を中心に後方へ傾斜可能にしたことを特徴とする車両用フロントグリル衝撃吸収構造。
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